説明

石油ストーブの消化装置

本発明は、芯固定式石油ストーブの転覆または地震の発生の時、給油管を閉鎖して石油ストーブを緊急に消化する装置に関し、電源の必要のない構造のみで形成してコストを低減し、故障の虞がなく、石油ストーブの消化後、簡単に作動前の状態に復帰することができる。本発明は、芯固定式石油燃焼器において、支柱(10)に設置した六面体のハウジング(40)と;ハウジング(40)の底板(41b)にシーソー運動ができるように支持するとともに、一端底面と底板(41b)との間に弾性支持部材(53)を設置し、他端と底板(41b)との間に給油管(22)を耐熱性柔軟材料で形成して位置させたレバー(50)と;上板(41a)とレバー(50)の一端との間に上部重量体(62a)及び下部重量体(62b)を弾性部材(61)によって対向部を面接触させ、上部重量体(62a)の上端及び下部重量体(62b)の下端を上板(41a)及びレバー(50)の一端に面接触されるように設置して、上部重量体(62a)及び下部重量体(62b)の何れか一つに所定値以上の衝撃力が伝達される時折れるようにした重量部材(60)と;レバー(50)に、自由端が上板(41a)の外部に露出させて連結した復帰ロッド(70)と;を含む。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は石油ストーブの消化装置に関し、詳しくは、芯固定式石油ストーブの転覆または地震の発生の時芯管に挿入した固定芯に燃料を供給する給油管を閉鎖して、石油ストーブを緊急に消化する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
石油ストーブなどの転覆または地震の発生の時の火事を防止するために石油ストーブに緊急消化装置を敷設している。
【0003】
上記石油ストーブの緊急消化装置の一例が特許文献1及び2に開示されており、上記特許文献1の流体燃料遮断用感震装置は、流体燃料通路が設けられた本体と、上記本体内の上部に配設されて、本体の中心部に向かって延長される複数の爪を備えた弾性保持部材と、上記弾性保持部材に連結された落下体と、上記落下体に対する保持力を調節する保持力調節部材と、上記本体内に上記流体燃料通路を開閉できるように移動自在に配置して閉鎖方向へ弾性力を受ける弁体と、上記落下体を受けることができるように上記弁体に昇降可能に嵌合されて震動の時下降して上記流体燃料通路を閉鎖する昇降体と;上記昇降体をロッキングするロック部材とで構成して、地震の時、落下体が弾性保持部材から離脱されて落下されることによって、昇降体が下降されながら弁が下降して、流体燃料通路を閉鎖することで燃焼機を消化する。
【0004】
また、上記特許文献2の衝撃が感知される暖房装置は、発熱部と貯蔵タンクをパイプ(燃料供給管)で連結した暖房装置において、上記燃料供給管に設置した開閉バルブを制御するモーター敷設制御部(遮断手段)と、衝撃感知手段を備えて、衝撃感知手段に衝撃が感知されると、その出力値によって遮断手段を制御して、燃料供給管を遮断して暖房装置に燃料供給を中断する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】JP55−68527(A)
【特許文献2】KR10−2005−0069841(A)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の流体燃料遮断用感震装置は、本体に流体燃料通路部材を別途設置し、上記流体燃料通路部材に弁体を配置し、昇降体ロック部材を備えているため、構造が複雑でコストが上昇される問題点があり、また特許文献2の衝撃が感知される暖房装置は、モーター敷設制御部と、衝撃感知手段を備えることから、電源が必要となるため、電源未供給地域では使用できないとともに、故障の時専門家が修理しなければならなく、これも制御部及び衝撃感知手段の構造が複雑で、コストが上昇される問題点となる。
【0007】
本発明は上記問題点を解決して、電源の必要のない構造のみで形成してコストを低減し、故障の虞がなく、石油ストーブの消化の後、簡便に作動前の状態に復帰できるようにした石油ストーブの消化装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達するために、本発明は支柱の一側に芯管を設置して固定芯を挿入するとともに、上記芯管の上部に燃焼筒を連結し、上記芯管と燃料タンクを給油管で連結した石油燃焼機において、上記支柱に設置した六面体のハウジングと;上記ハウジングの底板にシーソー運動ができるように支持するとともに、一端底面と上記底板との間に弾性支持部材を設置し、他端と上記底板との間に上記給油管を耐熱性柔軟材料で形成して位置させたレバーと;上記上板とレバーの一端との間に上部重量体及び下部重量体を弾性部材によって対向部を面接触させ、上部重量体の上端及び下部重量体の下端を上記上板及びレバーの一端に面接触して設置して、上記上部重量体及び下部重量体の何れか一つに所定値以上の衝撃力が伝達される時折れるようにした重量部材と;上記レバーに、下端を自由端が上記上板外部に露出されるように連結した復帰ロッドと;を含む。
【発明の効果】
【0009】
本発明は石油ストーブの周囲に伝達される衝撃力が所定値以上の時、上部重量体及び下部重量体の中の少なくとも何れか一つに伝達されて、その対向部及び上部重量体及び下部重量体の上端と下端が折れながら下部重量体に連結したレバーの他端が給油管を押して閉鎖して石油ストーブを消化することによって構造が簡単で故障の虞がなく、電源がない所でも長時間使用できる。
【0010】
また、給油管の閉鎖の時、上昇された復帰ロッドのみを押すと作動前の状態で、簡便で且つ迅速に復帰することができ、また構造が簡単で故障の虞がなく、しかも廉価で生産することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態の設置状態図である。
【図2】本発明の実施形態の一部切欠斜視図である。
【図3】本発明の実施形態の分解斜視図である。
【図4】図2のA−A線による断面図である。
【図5】本発明の実施形態の変形例示図である。
【図6】本発明の実施形態の作用状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1は本発明の実施形態の設置状態図で、10は支柱で、上記支柱10は楕円形に形成した基板11の周囲下部に所定の高さの支持壁12を形成するとともに、上記基板11の両側に所定の高さの保護板13を形成する。
【0013】
14は上記基板11の一側に設置した芯管で、15は上記芯管14に挿入した固定芯であり、上記芯管14の上部には燃焼筒16を連結する。
【0014】
また、上記燃焼筒16の上部に放熱板17を設置するとともに、上記放熱板17の内部には再燃焼網18を設置して、燃焼筒16で燃焼された火炎が再燃焼網18で再燃焼された後煙筒19から排出される。
【0015】
20は上記基板11の他側に設置した燃料タンクで、21は上記基板11に設置した給油調節器であり、上記燃料タンク20、給油調節器21及び芯管14は給油管22で連結して、燃料タンク20に保存された石油を給油調節器21で調節した後芯管14に所定の油面で供給する。
【0016】
また、上記給油管22の給油調節器21と芯管14との間には手動ポンプ23を設置して、初期点火の時、石油を加圧して芯管14に石油を速かに供給できるようにして迅速に点火する。
【0017】
また、上記基板11の給油調節器21と手動ポンプ23との間の給油管22の位置に本発明の特徴である消化装置30を設置する。
【0018】
上記消化装置30は図2〜図4に示すように、ハウジング40、レバー50、重量部材60及び復帰ロッド70に大別される。
【0019】
上記ハウジング40は六面体に形成して、上板41a、底板41b及び側板42で構成し、上記側板42の下部両側、即ち、基板11の下部位置の両側部分は開放部を形成する。
【0020】
上記レバー50は、上記ハウジング40の底板41bに支持突起51を設置して、その中央部をピン52でシーソー運動ができるように支持し、上記レバー50の一端底面と上記底板41bとの間にゴム、コイルスプリングなどからなる弾性支持部材53を設置し、上記レバー50の他端と上記底板41bとの間に上記給油管22を耐熱性柔軟材料で形成して位置させる。
【0021】
上記重量部材60は、上記ハウジング40の上板41aと上記レバー50の一端(弾性支持部材53の設置位置)との間に円柱状の上部重量体62a及び下部重量体62bを輪ゴムまたはコイルスプリングなどの弾性部材61によって対向部を相互面接触させ、上記上部重量体62aの上端と下部重量体62bの下端を上記上板41aとレバー50の一端に面接触されるように設置して、上記上部重量体62a及び下部重量体62bの中の少なくとも何れか一つに所定値以上の衝撃力が作用する時上記上部重量体62a及び下部重量体62bの対向部と、上記上部重量体62aの上端及び下部重量体62bの下端と上記上板41a及びレバー50の一端の摩擦力を克服しながら折れるようにする。
【0022】
上記重量部材60は上記した円柱状の上部重量体62a及び下部重量体62bの他にテーパ状(切断円錐柱型)、算盤玉の形状のものなどでも可能であることは勿論である。
【0023】
また、上記重量部材60の中の上部重量体62aは、その中心が下部に位置されることから、図5のように、上部重量体62aの重量を下部重量体62bより小さく形成すると、支柱10の周囲などに衝撃力が伝達されて、重量部材60が折れた後、2次衝撃力が伝達される場合、上部重量体62aが原状態に復帰されることを抑制することによって安全性を画期的に増進することができる。
【0024】
また、上記弾性部材61を上記ハウジング40の上板41a及びレバー50の一端に設置する時、弾性部材61をコイルスプリングで形成し、上板41a及びレバー50の一端に鐘状の支持部材64a、64bを設置し、上記支持部材64a、64bの空間部にコイルスプリングの両端にフックを形成してピン65で上記上部重量体62aの上端及び下部重量体62bの下端を空間部の周囲に面接触させて支持すると、上部重量体62aの上端及び下部重量体62bの下端を上板41a及びレバー50の一端に良好に面接触させることができて、所定の衝撃力以下で上部重量体62a及び下部重量体62bが折れることをより良好に防止することができ、簡便で且つ迅速に連結することができる。
【0025】
上記復帰ロッド70は上記レバー50の一端(下部重量体62bの連結部)に、下端を自由端(上端)が上記上板41aの外部に露出されるように連結して、上記支柱10などに衝撃力が伝達されない状態(上部重量体62a及び下部重量体62bの垂直位置)である時の上記上板41aの内部位置に識別表紙71を表示して、給油管22の閉鎖の時復帰ロッド70が上昇されると、識別表紙71が外部に露出されて消化状態を簡便で且つ迅速に認識することができる。
【0026】
以上のような本発明は、支柱10などに衝撃力が加えられない状態では、上部重量体62a及び下部重量体62bの対向部と上部重量体62aの上面及び下部重量体62bの下面は上板41a及びレバー50に面接触(弾性部材61がコイルスプリングである場合には鐘形状の支持部材64a、64bに面接触)されて、上記面接触による摩擦力がレバー50の一端と底板41bとの間に設置した弾性支持部材52の弾性復元力を抑制することによって、上部重量体62a及び下部重量体62bは垂直状態を保持し、レバー50は水平を保持することによって、レバー50の他端は給油管22を押さない状態、即ち、給油管22は開放された状態を保持することによって(図4参照)、給油調節器21に保存された石油(燈油)は芯管14に供給される。
【0027】
しかし、支柱10などの外周面に所定値(例えば、強度4の地震またはこれに相当な衝撃力)以上の衝撃力が作用したり伝達されて、その衝撃力が上記摩擦力より大きい場合、上部重量体62a及び下部重量体62bの対向部が互いに滑りながら上部重量体62a及び下部重量体62bの対向部が互いに分離し、同時に、レバー50の一端に設置した弾性支持部材50の弾性復元力によって上部重量体62a及び下部重量体62bの対向部が折れて上部重量体62a及び下部重量体62bとの間の距離が短くなりながら、レバー50の他端が下降して給油管22を押して閉鎖することによって、芯管14に石油の供給が中断されて石油ストーブを消化する(図6参照)。
【0028】
一方、上記のように、レバー50の他端が下降して給油管22を閉鎖する時、レバー50の一端に連結した復帰ロッド70も上昇して識別表紙71が上板41aの外部に露出された状態を保持し、上記した状態で固定芯15に再び給油するために上昇された復帰ロッド70を押すと上昇されたレバー50は弾性支持部材53を圧縮しながら下降して重量部材60は垂直状態を保持するとともに、給油管22を閉鎖していたレバー50の他端は上昇されて給油管22を開放(図4参照)することによって固定芯15に再び給油される。
【0029】
本発明は上記した実施形態によって説明したが、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の精神を逸脱しない範囲内で多様な変更ができることは自明である。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱の一側に芯管を設置して固定芯を挿入するとともに、上記芯管の上部に燃焼筒を連結し、上記芯管と燃料タンクを給油管で連結した石油燃焼機において、
上記支柱に設置した六面体のハウジングと;
上記ハウジングの底板にシーソー運動ができるように支持するとともに、一端底面と上記底板との間に弾性支持部材を設置し、他端と上記底板との間に上記給油管を耐熱性柔軟材料で形成して位置させたレバーと;
上記上板とレバーの一端との間に上部重量体及び下部重量体を弾性部材によって対向部を面接触させ、上部重量体の上端及び下部重量体の下端を上記上板及びレバーの一端に面接触されるように設置して、上記上部重量体及び下部重量体の中の何れか一つに所定値以上の衝撃力が伝達される時折れるようにした重量部材と;
上記レバーに、下端を自由端が上記上板の外部に露出されるように連結した復帰ロッドと;を含むことを特徴とする石油ストーブの消化装置
【請求項2】
重量部材は円柱状の重量体、テーパ状の重量体、算盤玉状の重量体の中で選択されることを特徴とする請求項1に記載の石油ストーブの消化装置
【請求項3】
上部重量体の重量は下部重量体の重量より小さく形成することを特徴とする請求項1または2に記載の石油ストーブの消化装置。
【請求項4】
上板及びレバーの一端にそれぞれ鐘状の支持部材を設置し、上記支持部材の空間部にコイルスプリング型弾性部材の両端にフックを形成して収納支持するとともに、上記上部重量体の上端及び下部重量体の下端を上記支持部材に面接触させることを特徴とする請求項1に記載の石油ストーブの消化装置。
【請求項5】
復帰ロッドに識別表紙を支柱に衝撃力が伝達されない状態である時の上板の内部に位置されるように表示することを特徴とする請求項1に記載の石油ストーブの消化装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2011−525964(P2011−525964A)
【公表日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−516103(P2011−516103)
【出願日】平成21年2月6日(2009.2.6)
【国際出願番号】PCT/KR2009/000580
【国際公開番号】WO2009/157636
【国際公開日】平成21年12月30日(2009.12.30)
【出願人】(510341123)
【Fターム(参考)】