説明

砂の測定装置及び砂の測定方法

【課題】 大量の土砂の中に僅かに含まれる標識された砂粒の割合を計測することが可能な砂の測定装置及び砂の測定方法を提供する。
【解決手段】 この方法では、測定現場の砂を採取し、標識された砂を初期地点に配置する。所与の期間経過後に初期地点から離れた地点の砂を採取し、採取された砂を搬送しながら撮像する。撮像した画像から標識された砂をカウントする。記撮像は、異なる透過波長帯域を有する2つのフィルタをそれぞれ透過した砂の像を同時に測定することによって行われ、それぞれのフィルタを透過した画像を第1画像及び第2画像とすると、第1画像内の画素の強度と、第2画像内の画素の強度の比率が、所定値以上の場合に、その画素が標識された砂粒からの光を受光しているものと判別する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、砂の測定装置及び砂の測定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種の土木工事をする際に、土砂の移動を精密に測定し、測定結果を考慮して、最適な土木設計を行うことが行われようとしている。また、土木工事後に土砂の移動を測定し、土木工事の検証に役立てることもできる。純粋に科学的な調査を目的として、土砂の移動を測定することは、海岸線や河岸線或いは砂丘の経年的な変化を予測することにも役立てることが可能である。日本国内における土木工事技術は世界的にも進んでいるが、土砂の移動を精密に測定することができれば、日本国内のみならず、他の土木工事が必要とされる国において、更に先進的で効率的な工事や研究を行うことができるものと期待されている。海岸の浸食状態や、養浜後の土砂の流出状態を把握するためには、砂移動の計測法(モニタリング)の活用が期待されている。このような計測方法として、(1)現地砂の物理・化学分析による砂移動の計測、(2)カラーサンドや蛍光砂をトレーサに用いた砂移動の計測が考えられる。
【0003】
土砂の移動を計測するには、標識を付けた土砂を特定の地点に配置し、所定期間の経過後に、この地点から離れた複数の計測地点の土砂を採集し、各計測地点の土砂を分析して、その土砂中に含まれる標識された砂粒の数をカウントする。各計測地点のカウント数や砂粒の寸法が分かれば、特定の初期地点からどのような寸法の砂粒が、どのように拡散して移動したのかが判明するはずである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、海岸などに存在する砂粒の数は膨大であり、その中に僅かに存在する標識された砂を正確にカウントするのは、不可能であるか、可能であっても、大量の作業者を必要とする。従来、大量の土砂に含まれる砂粒を精密に測定することは、行われていなかった。本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、大量の土砂の中に僅かに含まれる標識された砂粒の割合を計測することが可能な砂の測定装置及び砂の測定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するため、本発明に係る砂の測定装置は、標識された砂粒を含有する砂の測定装置において、砂を搬送する搬送手段と、搬送手段によって搬送中の砂を撮像する撮像手段と、撮像手段によって撮像された砂の画像から、標識された砂粒を判別してカウントする演算手段とを備えることを特徴とする。なお、「砂」は「砂粒」の集合体を意味するものとする。標識の手法としては、顔料や蛍光塗料によって砂粒の表面を塗装する方法がある。
【0006】
標識された砂粒は、そうでない周囲の砂粒とは異なる拡散反射光スペクトルを有している。したがって、撮像手段によって撮像された画像内において、標識された砂粒を示す画素群は、周囲の砂を示す画素群とは区別しうる。したがって、演算手段は標識された砂粒を判別して、これをカウントする。
【0007】
1フレームの画像内に含まれる全ての砂粒の総数は、これらを画素に換算すると画像内の画素数であるため、1フレーム内の総画素数内において、標識された砂粒の画素数の占める割合が判明する。これは間接的には、測定対象となる砂に含まれる標識された砂粒の割合を概ね示している。また、画像中の砂粒は、複数の画素によって示されるものとすると、複数個の画素から構成される砂粒の1フレーム内の数は、1フレーム内の総砂粒数に対してある割合を占めている。すなわち、総砂粒数に対する標識された砂粒数の割合が判明する。なお、総砂粒数は、1フレームの総画素数を1つの砂粒を構成する画素数で割ったときの値とすることができる。砂粒の大きさ(画素数換算値)としては、砂粒の大きさの平均値を用いることができる。
【0008】
また、この割合は、複数のフレーム数Fにおいて検出した砂粒の総数Nを単位フレーム当たりの数に換算した値、すなわちN/F(個/フレーム)として取り扱うこともでき、1フレーム内に含まれる砂粒数を必要に応じてNの値と置換することもできる。
【0009】
このように、本発明では、測定対象の砂に含まれる砂粒の割合を概ね計測することが可能となる。
【0010】
また、撮像手段は、第1の透過波長帯域を有する第1フィルタと、第1フィルタと異なる第2の透過波長帯域を有する第2フィルタと、第1フィルタを透過した搬送中の特定領域内の砂の画像を撮像する第1カメラと、第2フィルタを透過した搬送中の上記特定領域内の砂の画像を、第1カメラと同時に撮像する第2カメラとを備えており、演算手段は、第1カメラから出力された第1画像内の画素の強度と、第2カメラから出力された第2画像内の画素の強度の比率が、所定値以上の場合に、その画素が標識された砂粒からの光を受光しているものと判別することが好ましい。なお、画素の強度比率の算出においては、低い方の強度を分母にしておく。
【0011】
標識された砂粒は、標識されていない砂粒とは拡散反射光スペクトルが異なる。したがって、異なる波長帯域で砂の撮像を行い、これらの画像を構成するそれぞれの対応画素の強度の比率が所定値以上の場合には、この画素が、標識された砂粒を示すものであると、正確に判別することができる。
【0012】
また、演算手段は、撮像手段によって撮像され強度の比率が演算された画素群からなる1フレーム画像内において、所定値以上の画素が連続している場合、連続している画素の分布する領域の画素数を、標識された砂粒の大きさの指標として計測し、砂粒の大きさ毎の砂粒の数をカウントし、更に、撮像手段によって撮像された複数フレームの画像に含まれる砂粒の大きさ毎の砂粒の数を積算して出力することが好ましい。
【0013】
すなわち、多量の砂に含まれる標識された砂粒の数は非常に少ない場合が多い。その数は100万個当たり1個ということもあり得る。また、そのような状態で標識された砂粒の大きさが判明すれば、砂粒の大きさに応じた砂の拡散分布を解析することも可能となる。そこで、上述のように複数フレームの画像から得られる砂粒を大きさ毎に積算して出力することとした。測定データは、全ての砂粒を測定したデータでないため、真値に対してバラツキを有するものであるが、積算数を増加させるに従って、データは真値に近づくことになる。
【0014】
また、測定データには、標識された砂粒と誤判定することによって生じる誤差も含まれるが、標識された砂粒を含まない砂の画像を同様に積算しておくことにより、誤差成分のカウント数は予め演算できるため、得られたカウント数から誤差成分のカウント数を減じることにより、データを真値に近づけることができる。
【0015】
また、搬送手段は、砂搬送方向に平行に延びた一対の側壁を有し砂を搬送するベルトコンベアと、ベルトコンベア上に砂を流入させる砂供給手段とを備え、ベルトコンベア上に砂供給手段から単位時間に流入する砂の見かけ体積V、砂粒の平均粒径D、ベルトコンベアが単位時間に進む移動量L、及び一対の側壁の間の距離Wは、W×L×D<Vなる関係式を満たしていることが好ましい。なお、見かけ体積(カサ体積)とは、砂で全て充填される大きさの容器の容積のことであり、砂の間の空隙も含んだ見かけ上の体積のことである。
【0016】
上述の条件を満たす場合、側壁によって囲まれたベルトコンベア上の領域に1層以上の砂粒が積層するだけの砂が供給されている。すなわち、ベルトコンベア上に砂供給手段から流入した砂が、ベルトコンベア上において単層以上に積層する。この場合、ベルトコンベア上に砂粒が敷き詰められることになるため、標識された砂粒の全体に対する割合を正確に測定することが可能となる。
【0017】
上述のように砂粒を敷き詰めるため、砂を平坦にならす手段があることが好ましい。すなわち、搬送手段は、ベルトコンベアの表面から離隔した平面状の底面と、ベルトコンベアの搬送方向とは逆側に向かって幅が狭くなった凸部とを有する第1平坦化部材を備え、第1平坦化部材と上記側壁との間には隙間が存在することが好ましい。
【0018】
この場合、搬送に伴って、第1平坦化部材の先頭側(凸部先端)から当該凸部に砂が衝突してくるが、この砂は、一部が第1平坦化部材の底面とベルトコンベアの表面との間の空間に潜り込み、残りが凸部によって幅方向にかき分けられながら、やはり第1平坦化部材の底面とベルトコンベアの表面との間の空間に潜り込んで平坦化される。更に余った砂は、ベルトコンベアの側壁と第1平坦化部材との間の隙間を通って搬送されるので、ベルトコンベアから砂が溢れることがない。
【0019】
また、搬送手段は、第1平坦化部材のベルトコンベアの搬送方向側に配置され、ベルトコンベアの表面から離隔した弾性体からなるヘラ状の第2平坦化部材を更に備えていることが好ましい。
【0020】
第1平坦化部材によって平坦化された砂は、第2平坦化部材によって更に平坦化される。すなわち、第2平坦化部材の形状は、ゴムなどの弾性体からなるヘラ状であり、搬送に伴って、この弾性体が砂の表面を掃くことで、第1平坦化部材によって与えられた圧力によって若干押し込められた砂を、自然な状態で分散させ、また、砂の平坦度を更に高くする。
更に、砂供給手段は、底部に砂出力口を有する容器と、砂出力口内から延びてベルトコンベア上に砂を排出するスクリューコンベアと、を備え、スクリューコンベアのスクリューのブレードに刷毛が取り付けられていることが好ましい。
【0021】
ベルトコンベア上に砂を積層する場合には、砂が十分に攪拌されていないと更に正確な測定ができない。すなわち、標識された砂が、砂の積層によって撮像できない位置に常に埋もれている確率が高くなると、測定データが正確ではなくなる可能性がある。そこで、上記では、スクリューコンベアで砂を搬送することで、砂粒を攪拌し、より正確なデータが得られるようにしている。なお、撮像回数が複数に及ぶ場合には、通常のスクリューブレードで何度も搬送しているうちに、ブレードの表面で砂自体の表面が削られる。すなわち、砂の大きさなどの測定対象の状態が変化し、正確な測定ができなくなる。そこで、ブレードに刷毛を取付け、この刷毛が砂に当たるようにしたので、砂粒の磨耗が低減され、正確な測定が可能となる。
【0022】
更に、搬送手段は、ベルトコンベアで搬送された砂を、砂供給手段内に帰還させる砂運.搬装置を備えていることが好ましい。砂運搬装置があると、一度撮像した後の砂を砂運搬装置が砂供給手段内に運搬することができるため、何度も砂を撮像し、測定精度を向上させることができる。
【0023】
もちろん、ベルトコンベアは環状に延びていることとしてもよい。ベルトコンベアが環状に搬送されると、一度撮像された砂も、ベルトコンベアが環状に移動することで、同じ位置に帰ってくるため、もう一度、撮像することができる。この撮像は、必要な回数だけ繰り返すことができる。
【0024】
また、本発明に係る砂の測定方法は、測定現場の砂を採取する第1工程と、標識された砂を初期地点に配置する第2工程と、所与の期間経過後に初期地点から離れた地点の砂を採取する3工程と、第3工程で採取された砂を搬送しながら撮像する第4工程と、撮像した画像から標識された砂をカウントする第5工程と、を備えることを特徴とする。
【0025】
環境アセスメントや土木建築工事の調査のため、砂の挙動を計測する場合、測定現場の砂を採取し、標識をつけ、基準となる初期地点に標識された砂を配置する。例えば1ヶ月後などの予め決めておいた期間の経過後、初期地点から離れた地点の砂を採取して撮像し、標識された砂のカウントを行うと、砂の拡散の状態がわかる。
【0026】
また、第4工程の撮像は、異なる透過波長帯域を有する2つのフィルタをそれぞれ透過した砂の像を同時に測定することによって行われ、それぞれのフィルタを透過した画像を第1画像及び第2画像とすると、第5工程では、第1画像内の画素の強度と、第2画像内の画素の強度の比率が、所定値以上の場合に、その画素が標識された砂粒からの光を受光しているものと判別することが好ましい。
【0027】
この場合、標識された砂粒は、標識されていない砂粒とはスペクトルが異なるため、第1画像及び第2画像を構成するそれぞれの対応画素の強度の比率が所定値以上の場合には、この画素が、標識された砂粒を示すものとすることができ、正確に判別することができる。
【0028】
また、本発明に係る砂の測定方法では、撮像され前記強度の比率が演算された画素群からなる1フレーム画像内において、前記所定値以上の画素が連続している場合、連続している画素の分布する領域の画素数を、標識された砂粒の大きさの指標として計測し、砂粒の大きさ毎の砂粒の数をカウントし、更に、撮像された複数フレームの画像に含まれる砂粒の大きさ毎の砂粒の数を積算して出力することが好ましい。
【0029】
標識された砂粒の大きさが判明すれば、砂粒の大きさに応じた砂の拡散分布を解析することも可能となる。また、測定データは、全ての砂粒を測定したデータでないため、真値に対してバラツキを有するものであるが、積算数を増加させるに従って、データは真値に近づくことになる。なお、標識された砂を得るため、上述の測定方法は、砂に標識をする工程を更に備えることとしてもよい。
【発明の効果】
【0030】
本発明に係る砂の測定装置および測定方法によれば、標識された砂粒の割合を計測することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、実施の形態に係る砂の測定装置及び測定方法について説明する。同一要素には同一符合を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0032】
図1は、砂の測定装置のブロック図である。
【0033】
この測定装置で測定される砂3は、標識された砂粒(以下、「標識砂粒」とする)を含有している。なお、「砂」は「砂粒」の集合体を意味するものとする。標識の手法としては、顔料や蛍光塗料によって砂粒の表面を塗装する方法があるが、以下では、赤色や青色の顔料を用いて塗装された色砂の例について説明する。
【0034】
砂3は、砂ホッパ(砂供給手段)1から落下し、ベルトコンベア2上に排出される。ベルトコンベア2は、ベルトコンベア2のベルトに係合したモータ20及びを回転させることにより、移動する。ベルトコンベア2のベルトは1つ以上の搬送ローラ21の外表面上を移動する。ベルトコンベア2は搬送装置(搬送手段)の一部であり、砂3を搬送する。ベルトコンベア2上を搬送中の砂3は、デジタルビデオカメラからなるカメラ5,6を含む撮像装置(撮像手段)によって撮像される。
【0035】
カメラ5,6は、ベルトコンベア2上の同一撮像領域内の砂3を同時に撮像する。カメラ5は、第1透過波長帯域λ1を有するフィルタFL1を透過した砂の画像(第1画像)を取得し、カメラ6は、第2透過波長帯域λ2を有するフィルタFL2を透過した砂の画像(第2画像)を取得する。この撮像装置によって撮像された同一撮像領域内の砂3の第1及び第2画像は、画像処理装置9に入力される。画像処理装置9は、対応する画素毎に輝度の比率を演算し、演算結果としての合成画像(各画素が輝度比率を示す値を有する)をコンピュータ11に出力する。なお、画像処理回路9は、コンピュータ11に内蔵することとしてもよい。
【0036】
また、撮像された砂3は、砂受けカップなどの砂受取装置4上に落下する。
【0037】
コンピュータ(演算手段)11は、上記合成画像内において、所定値以上の値を有する画素を標識砂粒の画像であると判定し、このように標識砂粒を判別して、その数をカウントし、カウントした結果を標識砂粒の大きさ毎にモニタ10に表示する。
【0038】
撮像装置について詳説すると、ベルトコンベア2の表面に垂直な直線上には撮影レンズLSの光軸が位置しており、撮影レンズLSの後段にはプリズムなどからなるハーフミラーHMが配置され、ハーフミラーHMの透過光がフィルタFL1を介してカメラ5に入射し、ハーフミラーHMの反射光がフィルタFL2を介してカメラ6に入射する。カメラ5,6は同一の構造を有しているが、撮影レンズLSからの距離は異なる。すなわち、フィルタFL1,FL2の透過波長帯域が異なるため、それぞれの透過光の結像位置が異なるため、カメラ5,6の位置をそれぞれの透過光の結像位置に合わせている。
【0039】
なお、カメラ5,6の光軸は、ハーフミラーHMの表面に対して45度の角度を成しており、互いに直交している。カメラ6は三次元移動ステージに固定されており、このステージは光軸の回転方向にも移動させることができる。撮像レンズLSとしては、ペンタックス株式会社製のFA645,45mm,F2.8、光学バンドパスフィルタFL1,FL2として、朝日分光株式会社製のフィルタ(透過波長帯域λ1=400〜540nm、λ2=580〜700nm)を用い、動体としての砂の計測用のカメラ5,6として、ソニー株式会社製のプログレッシブVGA、XC−HR57を用いることができる。撮像レンズLSからベルトコンベア2の表面までの距離は約30cmである。
【0040】
CCDを内蔵するカメラ5,6のシャッターを開けるタイミングに同期して、光源LP1,LP2が発光する。本例の光源LP1,LP2は、キセノンフラッシュランプからなり、光源LP1,LP2とベルトコンベア2の撮像領域との間に拡散板DF1,DF2がそれぞれ介在している。拡散板DF1、DF2は、光源LP1,LP2を内蔵したパネルストロボの光出射板であることが好ましい。この装置では、砂の状態が乱れないように、ベルトコンベア2が一定速度で連続移動しながら撮像を行うため、カメラ5,6のシャッタースピードは例えば1/4000(秒)に設定されている。
【0041】
タイミング回路7から撮像トリガー信号が、カメラ5,6及びランプ駆動回路8に入力されると、ランプ駆動回路8はストロボの駆動信号を出力し、カメラ5,6はシャッターを開ける。このときの画像取得のタイミングから僅かに遅延した時間の経過後に、画像処理回路9にカメラ5,6の取得画像が転送され、合成画像が演算される。演算された合成画像及び/又はその二値化処理画像は、画像処理回路9又はコンピュータ9内の記憶装置(図示せず)内に逐次格納される。なお、タイミング回路7は、コンピュータ11から制御されている。
【0042】
なお、撮像タイミングの間隔tINTERVALは、撮像領域内の砂が全て撮像領域外へ移動するまでの期間よりも長く設定され、前回の砂の画像と、今回の砂の画像とが重ならないようにされている。すなわち、ベルトコンベア2上に設定されている撮像領域の搬送方向の距離をLIMとし、ベルトコンベア2の搬送速度をSBELTとすると、tINTERVAL>LIM/SBELTを満たしている。
【0043】
具体的には、ベルトコンベア2上の撮像領域の寸法を3cm×4cmとし、この撮像領域内の範囲を連続して撮影しているものとする。この撮像領域の面積内の砂粒数は、粒径を0.04cmと仮定すると、約1万粒(但し表層の砂粒のみ)である。その際、ベルトコンベアが可動する方向で視野が重複しないように、カメラ5,6における撮像は、4フレーム/1秒で行われ、ベルトコンベア2の搬送速度は16cm/秒以上に設定されている。
【0044】
なお、測定前の砂は乾燥させておく。以下では、砂の乾燥方法について若干の説明をしておく。静岡県浜松市中田島砂丘の砂3リットルに、水0.5リットルを良く混ぜて乾燥ドラム内に導入し、これを5秒間当り1回の回転速度で回転させた。砂乾燥機の排気口の熱風温度は120℃であり、運転開始後30分間の経過後、中田島砂丘の砂を評価すると、この砂は完全に乾燥していた。なお、水の量を0.6リットルに増加させた場合、30分の乾燥後には砂が完全には乾燥しなかったが、40分後には完全に乾燥した。なお、中田島砂丘の砂のカサ比重は約1.44であり、3リットルの重量は4.32kgとなる。当初供給される砂は、このような乾燥した砂とする。
【0045】
次に、合成画像の生成と標識砂粒のカウントについて説明する。
【0046】
図2は、各種の砂からの反射スペクトルを示すグラフであり、横軸は波長λ(nm)、縦軸は反射光強度R(任意定数)を示している。
【0047】
D0は、静岡県浜松市の中田島砂丘から採取した砂の反射スペクトルを示しており、D1は、この砂を赤色に塗装した赤砂の反射スペクトル、D2は、この砂を黄色に塗装した黄砂の反射スペクトル、D3は、この砂を緑色に塗装した緑砂の反射スペクトル、D4は、この砂を青色に塗装した青砂の反射スペクトルを示している。また、D5は、伊豆スコリア(溶岩石)の砂の反射スペクトル、D6は輝緑岩の砂の反射スペクトルを示している。
【0048】
このように、D1〜D4で示される標識砂粒は、塗装前の中田島砂丘の砂とは異なる反射スペクトルを有している。ベルトコンベア上では、塗装してない中田島砂丘の砂に、標識砂粒が交じることになる。すなわち、塗装した中田島砂丘の砂粒の反射スペクトルは、この砂粒の周囲の砂粒とは異なる反射光スペクトルを有している。したがって、撮像装置によって撮像された画像内において、標識砂粒を示す画素群は、周囲の砂を示す画素群とは区別しうる。したがって、コンピュータ11は、この標識砂粒を判別して、これをカウントしている。
【0049】
本発明では、標識砂粒と、周囲の砂粒との比較が重要である。そこで、図2に示したグラフにおいて、D1〜D6で示される砂の各波長における強度を、この波長における中田島砂丘のデータD0の強度で除した値を、基準データD0を示す反射スペクトルに対する相対反射スペクトルとして求める。
【0050】
図3(a)、図3(b)は、相対反射スペクトルを示すグラフであり、図4は、各砂の反射スペクトルの最大値を与える波長(最大波長)、最小値を与える波長(最小波長)を示す表である。なお、最大値及び最小値は、同表に示すように、赤フィルタ、緑フィルタ又は青フィルタを用いたときに得ることができる。図3(a)は、青フィルタと赤フィルタを用いて判定を行う場合のグラフであり、図3(b)は、緑フィルタと赤フィルタを用いて判定を行う場合のグラフである。図3(a)における赤フィルタの透過波長帯域λ1(RED)は、560nm〜700nm、青フィルタの透過波長帯域λ2(BLUE)は400nm〜540nmである。図3(b)における赤フィルタの透過波長帯域λ1(RED)は、580nm〜700nm、緑フィルタの透過波長帯域λ2(GREEN)は440nm〜560nmである。
【0051】
なお、基準となる中田島砂丘の反射スペクトルの強度Rを100(任意定数)とする。
【0052】
また、最大値と最小値の比を同表の右端に示す。
【0053】
赤砂(D1)の反射スペクトルを測定した場合には、これらの比(最大値/最小値)=198.4/49.1=4.04が得られる。黄砂(D2)の反射スペクトルを測定した場合には、これらの比(最大値/最小値)=151.3/45.6=3.32が得られる。緑砂(D3)の反射スペクトルを測定した場合には、これらの比(最大値/最小値)=98.2/36.8=2.67が得られる。青砂(D4)の反射スペクトルを測定した場合には、これらの比(最大値/最小値)=226.3/49.1=4.61が得られる。伊豆スコリア(D5)の反射スペクトルを測定した場合には、これらの比(最大値/最小値)=68.6/31.5=2.18が得られる。輝緑砂(D6)の反射スペクトルを測定した場合には、これらの比(最大値/最小値)=124.2/99.6=1.25が得られる。なお、中田島砂丘の反射スペクトル強度は一定であるため、最大値/最小値=1.00である。
【0054】
このように、相対反射スペクトルの最大値と最小値の比率を取ることにより、各種類の砂の特性を判別することが可能となる。例えば、青砂(D4)を用い、中田島砂丘の砂に青砂を混ぜた場合には、閾値THを4に設定しておき、上記比率が4以上の値を有する砂粒を青砂と認定し、4未満の砂を中田島砂丘の砂(D0)と認定することも可能である。なお、上記の最大値と最小値は、それぞれ、最大値を含むフィルタの透過波長帯域内のスペクトル強度の積分値、最小値を含むフィルタの透過波長帯域内のスペクトル強度の積分値とすることができる。このように波長帯域を広く設定することで、受光光量を増加させ、測定精度を向上させることができる。
【0055】
なお、同表に示されるように、青系の砂を用いると、中田島砂丘の砂に対して高い比率(判別率)を得ることができる。続いて、赤系、黄系、緑系の順番に高い比率を有する。
第1画像における座標(x,y)における各画素の強度をI1(x,y)とし、第2画像における座標(x,y)における各画素の強度をI2(x,y)とすると、合成画像の座標(x,y)における各画素の値C(x,y)=I1/I2(x,y)であり、I1>I2である。C(x,y)≧THを満たす場合には標識砂粒からの光であると認定し、C(x,y)<THを満たす場合には、標識していない周囲の砂粒からの光であると認定する。すなわち、本実施形態では、画像処理回路又はコンピュータにおいて、判別閾値THを基準として、上記比の値からなる合成画像を二値化処理する。
【0056】
二値化処理画像は、砂粒のみからの光を特定的に示している。1フレームの画像内に含まれる全ての砂粒の総数は、これらを画素に換算すると、画像内の総画素数である。したがって、1フレーム内の標識砂粒の占める画素数を1フレーム内の総画素数で除すると、標識砂粒の画素数の占める割合が判明する。
【0057】
これは間接的には、測定対象となる砂に含まれる標識砂粒の割合を概ね示している。また、画像中の砂粒は、複数の画素によって示されており、複数個の画素から構成される砂粒の1フレーム内の数は、1フレーム内の総砂粒数に対してある割合を占めている。すなわち、総砂粒数に対する標識砂粒数の割合が判明する。なお、総砂粒数は、1フレームの総画素数を1つの砂粒を構成する画素数で割ったときの値とすることができる。砂粒の大きさ(画素数換算値)としては、砂粒の大きさの平均値を用いることができる。この平均値は予め求めておいてもよいが、最終的に測定された標識砂粒の大きさの平均をとることによって求めることもできる。
【0058】
また、この割合は、複数のフレーム数Fにおいて検出した砂粒の総数Nを単位フレーム当たりの数に換算した値、すなわちN/F(個/フレーム)として取り扱うこともでき、1フレーム内に含まれる砂粒数を必要に応じてNの値と置換することもできる。このように、上述の測定手法によれば、測定対象の砂に含まれる砂粒の割合を概ね計測することが可能となる。
【0059】
また、撮像装置は、第1の透過波長帯域を有する第1フィルタFL1と、第1フィルタFL1と異なる第2(又は第3)の透過波長帯域を有する第2フィルタFL2と、第1フィルタFL1を透過した搬送中の特定領域内の砂の画像を撮像する第1カメラ5と、第2フィルタFL2を透過した搬送中の上記特定領域内の砂の画像を、第1カメラ5と同時に撮像する第2カメラ6とを備えており、コンピュータ11は、第1カメラ5から出力された第1画像内の画素の強度I1(x,y)と、第2カメラ6から出力された第2画像内の画素の強度I2(x,y)の比率C(x,y)が、所定値以上の場合に(C(x,y)≧TH)、その画素が標識砂粒からの光を受光しているものと判別する。なお、画素の強度比率の算出においては、低い方の強度I2を分母にしておく。
【0060】
なお、上記強度I1,I2は、周囲の砂の反射光スペクトルに対する相対反射スペクトルの強度I1(=i1(λMAX)/i0(λMAX))、I2(=i2(λMIN)/i0(λMIN))である。i1(λMAX)は、最大波長λMAXにおける標識砂粒からの反射スペクトル強度(相対値への変換前の生データ)、i0(λMAX)は、最大波長λMAXにおける周囲の砂(中田島砂丘の砂)からの反射スペクトル強度(相対値への変換前の生データ)、i2(λMIN)は、最小波長λMINにおける標識砂粒からの反射スペクトル強度(相対値への変換前の生データ)、i0(λMIN)は、最小波長λMINにおける周囲の砂(中田島砂丘の砂)からの反射スペクトル強度(相対値への変換前の生データ)である。なお、この生データは、16チャンネルのリニア光電子増倍管(短冊状のカソードが直線的に1〜16チャンネル分並んでおり、チャンネルごとに400〜700nmまで20nmおきの干渉フィルタが取り付けられている光電子増倍管)を用いて取得したものである。
【0061】
すなわち、C(x,y)=I1/I2(x,y)=[(i1(λMAX)/i0(λMAX))/(i2(λMIN)/i0(λMIN))](x,y)である。
【0062】
なお、最大波長λMAXは、対応するフィルタを透過したスペクトルの最大値を与える波長を中心波長とする波長帯域とし、最大波長λMINは、対応するフィルタを透過したスペクトルの最小値を与える波長を中心波長とする波長帯域とする。すなわち、上記強度I1、I2、i1(λMAX)、i0(λMAX)、i2(λMIN)、i0(λMIN)は、各波長帯域におけるスペクトル強度の積算値を意味する。
【0063】
上述のように、標識砂粒は、標識されていない砂粒とはスペクトルが異なるため、異なる波長帯域で砂の撮像を行い、これらの画像を構成するそれぞれの対応画素の強度の比率が所定値以上の場合には、この画素が、標識砂粒を示すものであるとすると、標識砂粒を正確に判別することができる。
【0064】
次に、上述の測定装置の詳細な構造について説明する。
【0065】
図5は、砂の測定装置の斜視図である。
【0066】
パネルストロボを構成する光源LP1,LP2は、撮像領域IMを臨むように配置されている。これらのパネルストロボは、支持フレーム(ラック)100の側面から延びたアーム101,102に固定されている。ベルトコンベア2の終点の下部には、砂受取装置4としての第2のベルトコンベアが配置されており、第2のベルトコンベアは表面から立設した搬送ブレード4aを有する。第2のベルトコンベア上に落下した砂は、その表面と搬送ブレード4aの側面によって支持された状態で、砂を斜め上方に搬送し、搬送の終点において、第3のベルトコンベア103の表面上に、砂を落下させる。
【0067】
第3のベルトコンベア103には、その表面から立設した搬送ブレード103aが設けられており、第3のベルトコンベア103上に落下した砂は、第3のベルトコンベア103の表面と搬送ブレード103aの側面で支持された状態で、斜め上方へ搬送される。第3のベルトコンベア103aの搬送の終点の下部には、第4のベルトコンベア104が配置されており、第3のベルトコンベア103から落下した砂は、第4のベルトコンベア104の表面上に落下する。
【0068】
第4のベルトコンベア104は、その上の砂を水平方向に搬送するが、その終点の下部には砂供給手段としての砂ホッパ1が配置されており、第4のベルトコンベア104から落下した砂は、砂ホッパ1の開口内に入る。砂ホッパ1の下部には砂攪拌装置SDFが取り付けられており、砂攪拌装置SDFは、砂ホッパ1の下部に位置する砂出力口から排出された砂を攪拌して水平方向に搬送し、その下部に位置する砂排出口から、ベルトコンベア2の表面上に、その排出量が周期的に変動するように、排出する。
【0069】
このように、搬送手段は、ベルトコンベア2で搬送された砂3を、砂ホッパ1内に帰還させる砂運搬装置4,103,104を備えている。砂運搬装置があると、一度撮像した後の砂3を砂運搬装置が砂ホッパ1内に運搬することができるため、何度も砂3を撮像し、測定精度を向上させることができる。
【0070】
なお、各ベルトコンベアの終点近傍には、砂の飛散等を抑制するための整形板105等が設けられ、各ベルトコンベアを包囲している。
【0071】
第1のベルトコンベア2において、砂ホッパ1と撮像領域IMとの間には、第1平坦化部材110と、第2平坦化部材111が設けられている。撮像領域IMの鉛直上方には撮像レンズLSが位置しており、図1に示したハーフミラーHM、フィルタFL1,FL2、カメラ5,6、タイミング回路7、ランプ駆動回路8、画像処理回路9を内蔵した撮像装置IPDが支持フレーム100の中央の棚上に固定されている。また、各種ベルトコンベアは、複数の支持脚200によって支えられている。
【0072】
図1に示した画像処理回路9からの信号が入力されるコンピュータ11は、制御塔(ラック)300内に配置されている。制御塔300内には、モニタ10の他、ベルトコンベアや撮像装置の制御ボタンを備えた制御パネル12、キーボードなどの入力装置13が配置されている。制御パネル12には、ホッパと計測用のベルトコンベアの運転と停止、スピードを制御するボタンが配置されている。すなわち、制御パネル12には、運転モードの切替スイッチ(自動運転、試験運転)、自動運転モードにおける運転と停止、砂供給と回収のスイッチ、試験運転モードにおけるホッパとベルトコンベアの運転と停止切替スイッチ、これらのスピードの調整つまみ等を設けることができる。
【0073】
図6は、砂攪拌装置SDFを一部破断して示す砂攪拌装置近傍部分の斜視図である。
【0074】
砂供給手段を構成する砂ホッパ1を構成する垂直断面が逆さ台形の容器の下部には、水平方向に交差する側面が開口した砂出力口1Eが設けられており、砂出力口1Eには、攪拌装置SDFを構成するスクリューコンベアの筒体1Aが連続して固定されている。筒体1Aはベルトコンベア2の搬送方向TDに沿って延びており、その中心軸Xに沿ってスクリュー軸1Sが延びている。スクリュー軸1Sの周囲にはスクリューブレード1Bが螺旋状に設けられており、ブレード1Bの先端部には刷毛1Fが取り付けられている。
【0075】
このように、砂供給手段は、底部に砂出力口1Eを有する砂ホッパ(容器)1と、砂出力口1E内から延びてベルトコンベア2上に砂を排出するスクリューコンベアSDFと、を備えており、スクリューコンベアSDFのスクリューのブレード1Bに刷毛1Fが取り付けられている。
【0076】
ベルトコンベア2上に砂3を積層する場合には、砂3が十分に攪拌されていないと更に正確な測定ができない。すなわち、標識された砂が、砂の積層によって撮像できない位置に常に埋もれている確率が高くなると、測定データが正確ではなくなる可能性がある。そこで、本例では、スクリューコンベアSDFで砂3を搬送することで、砂粒を攪拌し、より正確なデータが得られるようにしている。なお、撮像回数が複数に及ぶ場合には、通常のスクリューブレード1Bで何度も砂を搬送しているうちに、ブレード1Bの表面で砂自体の表面が削られる。すなわち、砂の大きさなどの測定対象の状態が変化し、正確な測定ができなくなる。そこで、ブレード1Bに刷毛1Fを取付け、この刷毛1Fが砂に当たるようにしたので、砂粒の磨耗が低減され、正確な測定が可能となる。
【0077】
筒体1Aの終端部は開口しており、ブレード1Bの回転によって間欠的に砂3がベルトコンベア2の表面上に排出される。
【0078】
図7は、平坦化部材110,111の近傍のベルトコンベアの平面図であり、図8は図7に示した装置のVIII−VIII矢印断面図である。
【0079】
砂の流れF3は、搬送方向TDと概ね同一であるが、第1平坦化部材110に砂が衝突すると、砂が平坦化され、第2平坦化部材111に砂が衝突すると、更に平坦化される。第1平坦化部材110は、支持部材110Aに固定されており、支持部材110Aの幅方向両端は、ベルトコンベア2の幅方向の両端部に併設された固定部材S1,S2にそれぞれ固定されている。また、第2平坦化部材111は、支持部材111Aに固定されており、支持部材111Aの幅方向両端は、固定部材S1,S2にそれぞれ固定されている。
【0080】
第1平坦化部材110の形状は、船の舳先のような形状をしており、搬送方向TDとは逆側に突出している。
【0081】
すなわち、ベルトコンベア2上には、測定精度の観点から、砂粒を敷き詰めることが好ましいが、かかる敷き詰めを実行するために砂を平坦にするのが好ましい。すなわち、搬送手段は、第1平坦化部材110を備えているが、第1平坦化部材110は、ベルトコンベア2の表面から距離d1だけ離隔した平面状の底面110Bと、ベルトコンベア2の搬送方向TDとは逆側に向かって幅が狭くなった凸部110Pとを有している。また、第1平坦化部材110とベルトコンベア2の幅方向の両端に位置する側壁2Wとの間には隙間が存在している。
【0082】
この場合、搬送に伴って、第1平坦化部材110の先頭側(凸部110Pの先端)から当該凸部110Pに砂が衝突してくるが、この砂3は、一部が第1平坦化部材110の底面110Bとベルトコンベア2の表面との間の空間に潜り込み(図9参照)、残りが凸部110Pによって幅方向にかき分けられながら、やはり第1平坦化部材110の底面110Bとベルトコンベア2の表面との間の空間に潜り込んで平坦化される。更に余った砂は、ベルトコンベア2の側壁2Wと第1平坦化部材110との間の隙間G1を通って搬送されるので、ベルトコンベア2から砂が溢れることがない。
【0083】
また、搬送手段は、第1平坦化部材110のベルトコンベア2の搬送方向TD側に配置され、ベルトコンベア2の表面から距離d2だけ離隔した弾性体からなるヘラ状の第2平坦化部材111を更に備えている。d1>d2であり、本例ではd2=2mmに設定する。第1平坦化部材110によって平坦化された砂3は、第2平坦化部材111によって更に平坦化される。すなわち、第2平坦化部材111の形状は、ゴムなどの弾性体からなるヘラ状であり、搬送に伴って、この弾性体の底面111Bが砂3の表面を弾性的に掃くことで、第1平坦化部材110によって与えられた圧力によって若干押し込められた砂3を、自然な状態で分散させ、また、砂3の平坦度を更に高くする。第2平坦化部材111の形状は長方形の板状であり、その一側面がベルトコンベア2の表面に平行に配置されている。なお、第2平坦化部材111と側壁2Wとの間にも隙間G2が設けられており、最終的に余った砂はこの隙間G2を通って撮像領域IM側へ流れていく。
【0084】
次に、砂の導入量とベルトコンベア2の側壁構造について説明する。
【0085】
図6に示したように、搬送手段としてのベルトコンベア2は、砂搬送方向TDに平行に延びた一対の側壁2Wを有しており砂を搬送している。砂供給手段としての砂ホッパ1はベルトコンベア2上に砂を流入させるが、ベルトコンベア2上に砂ホッパ1(図6参照)から単位時間に流入する砂の見かけ体積V、砂粒の平均粒径D、ベルトコンベア2が単位時間に進む移動量L、及び一対の側壁の間の距離Wは、W×L×D<Vなる関係式を満たしている。なお、見かけ体積(カサ体積)とは、砂で全て充填される大きさの容器の容積のことであり、砂の間の空隙も含んだ見かけ上の体積のことである。
【0086】
上述の条件を満たす場合、側壁2Wによって囲まれたベルトコンベア2上の領域に1層以上の砂粒が積層するだけの砂3が供給されている。すなわち、ベルトコンベア2上に砂ホッパ1(スクリューコンベアSDF)から流入した砂3が、ベルトコンベア2上において単層以上に積層する。この場合、ベルトコンベア2上に砂粒が敷き詰められることになるため、標識砂粒の全体に対する割合を正確に測定することが可能となる。
【0087】
ここで、合成画像に含まれる標識砂粒(又はその画素)数の積算について説明する。
【0088】
多量の砂に含まれる標識砂粒の数は非常に少ないが、その標識砂粒の大きさが判明すれば、砂粒の大きさに応じた砂の拡散分布を解析することも可能となる。そこで、撮像装置では、複数フレームの画像を撮像し、これらの画像から得られる砂粒を大きさ毎に、合成画像に含まれる閾値以上の値を有する画素(又は複数画素からなる標識砂粒)数を積算して出力することとした。測定データは、全ての砂粒を測定したデータでないため、真値に対してバラツキを有するものであるが、積算数を増加させるに従って、データは真値に近づくことになる。
【0089】
また、測定データには、標識砂粒と誤判定することによって生じる誤差も含まれるが、標識砂粒を含まない砂の画像を同様に積算しておくことにより、誤差成分のカウント数は予め演算できるため、得られたカウント数から誤差成分のカウント数を減じることにより、データを真値に近づけることができる。これらの演算はコンピュータ11が行うことができる。
【0090】
また、コンピュータ11は、カメラ5,6によって撮像され強度の比率C(x,y)を演算した画素群からなる1フレームの合成画像内において、所定値以上の画素が連続している場合、連続している画素の分布する領域の画素数を、標識砂粒の大きさの指標として計測し、砂粒の大きさ毎の砂粒の数をカウントし、更に、撮像装置によって撮像された複数フレームの画像に含まれる砂粒の大きさ毎の砂粒の数を積算してモニタ10に出力する。
【0091】
ここで、中田島砂丘の砂について述べておく。中田島砂丘の粒子径は0.3〜0.5mmの物が最も多いとされており、中田島砂丘の汀線付近で採集した砂をふるいに掛けて粒子径の分布を調べると、0.3〜0.5mmの砂粒が90%近くを占める。例えば、平均の粒子直径が0.04cm(仮定)の砂1リットルを、8cm×0.2cmの幅に均一に均すと、コンベアの長手方向L=1.000/8/0.2=625cmとなる。だが、この値は砂が隙間なく敷き詰められた状態の長さなので、実際は、隣り合う砂粒の隙間が生じるため、砂粒の間隙を考慮した長手方向Lは、真比重/カサ比重=2.5/1.44=1.74倍を掛けて、砂粒の間隙を考慮した長手方向L’=625×1.74=1,088cmとなる。
【0092】
砂1リットルの総砂粒数は、砂粒が0.04cmの真球と仮定すると、その体積は、v=4/3×π(0.02)の3乗=0.000033cmなので、1リットルの砂の総粒数N=1,000/0.000033=約3,000万粒となるが、ここでも砂のカサ比重/真比重=1.44/2.5=0.58を考慮すると、1リットルの砂粒数N1’=3,000万粒×0.58=1,740万粒、3リットルの砂粒数N3’=9000万粒×0.58=5,220万粒となる。
【0093】
上述のように、砂粒の数は膨大である一方で、標識砂粒の量は少ない。
【0094】
以下、実際に得られた標識砂粒の数のデータについて説明する。
【0095】
まず、上述の測定装置において、撮像領域を3cm×4cmに設定する。砂粒の粒径を0.04cmと仮定すると、約1万粒の砂が表層に存在することになる。1秒間に4フレームの撮像を行う。ベルトコンベア2の搬送速度は16cm/秒以上である。
【0096】
中田島砂丘を含めた遠州灘の砂は、主に、天竜川の土砂によって形成される。したがって、遠州灘の砂は、領家帯や四万十帯の鉱物は元より、秩父帯、三波川帯の鉱物も含まれ、様々な色の鉱物が混入している。
(青砂の測定)
【0097】
まず、図4の青砂(青色の顔料で着色した中田島砂丘の砂)を測定するのと同じ条件で、着色前の中田島砂丘の砂を測定した(図10)。図10は、合成画像に含まれる閾値以上の値を有する画素の一群(=標識砂粒)と、このような面積Sの標識砂粒の粒子数Nとを示すグラフである。青砂はサンプルには混入していないが、40分間、10000回の撮像を行って、青砂であると誤判定された砂粒が2個、バックグラウンドノイズとして確認された。すなわち、バックグラウンドノイズは0.01cpf(count per frame:カウント/撮像視野)である。
【0098】
まず、図4の赤砂(赤色の顔料で着色した中田島砂丘の砂)を測定するのと同じ条件で、着色前の中田島砂丘の砂を測定した(図11)。図11は、合成画像に含まれる閾値以上の値を有する画素の一群(=標識砂粒)と、このような面積Sの標識砂粒の粒子数Nとを示すグラフである。赤砂はサンプルには混入していないが、40分間、10000回の撮像を行って、赤砂であると誤判定された砂粒が4個、バックグラウンドノイズとして確認された。すなわち、バックグラウンドノイズは0.04cpfである。
【0099】
次に、青色に着色された砂粒の検出効率は、天然砂1リットル(約1,440g)に対して、約0.14g(約500粒)の青色の砂粒(粒子径0.5mm以下)を混ぜて確認した。なお、厳密には追加した青色の砂粒を天然砂の重量に加えなければならないが、最大でも0.42gと少ないため無視した。
【0100】
図12は、砂粒の面積S(画素数)と砂粒のカウント値Nの関係を示すグラフである。天然砂と青色の砂の比率は、10000:1(重量比)である。このグラフから、大きさが50画素よりも小さな砂が数百個分布していることが分かる。計測された砂粒の総数は1911個であり、計測回数は10000回である。この場合、0.19cpfの値が得られている。
【0101】
図13は、砂粒の面積S(画素数)と砂粒のカウント値Nの関係を示すグラフである。天然砂と青色の砂の比率は、10000:2(重量比)である。計測された砂粒の総数は3881個であり、計測回数は10000回である。この場合、0.39cpfの値が得られている。
【0102】
図14は、砂粒の面積S(画素数)と砂粒のカウント値Nの関係を示すグラフである。天然砂と青色の砂の比率は、10000:3(重量比)である。計測された砂粒の総数は5854個であり、計測回数は10000回である。この場合、0.59cpfの値が得られている。
【0103】
図15は、青砂の濃度CBLUE(ppm)とカウント値Nの平均である平均カウント値NAVEの関係を示すグラフである。平均カウント数は、青砂の濃度に対して略線形に変化していることがわかる。青砂の濃度(重量比)はその平均カウント値と相関がある。
(赤砂の測定)
【0104】
赤砂の検出では、天然の砂に含まれるバックグラウンドノイズの影響が無視出来ない。これは、赤砂と同様の拡散反射スペクトルを有する赤チャートが天然砂に比較的に多く含まれているからである。その上、広帯域で照明光を強く反射する長石等も混入しているためである。
【0105】
赤砂の検出効率も、天然砂1リットル(約1440g)に約0.14g(約120粒)の赤砂(粒子径1mm)を混ぜて確認した。この時も、赤砂の重量を考慮せずに、無視した。
【0106】
図16は、砂粒の面積S(画素数)と砂粒のカウント値Nの関係を示すグラフである。天然砂と赤色の砂の比率は、10000:1(重量比)である。計測された砂粒の総数は546個であり、計測回数は10000回である。この場合、0.05cpfの値が得られている。
【0107】
図17は、砂粒の面積S(画素数)と砂粒のカウント値Nの関係を示すグラフである。天然砂と赤色の砂の比率は、10000:2(重量比)である。計測された砂粒の総数は788個であり、計測回数は10000回である。この場合、0.08cpfの値が得られている。
【0108】
図18は、砂粒の面積S(画素数)と砂粒のカウント値Nの関係を示すグラフである。天然砂と赤色の砂の比率は、10000:3(重量比)である。計測された砂粒の総数は957個であり、計測回数は10000回である。この場合、0.10cpfの値が得られている。
【0109】
図19は、赤砂の濃度CRED(ppm)とカウント値Nの平均である平均カウント値NAVEの関係を示すグラフである。平均カウント数は、赤砂の濃度に対して略線形に変化していることがわかる。赤砂の濃度(重量比)はその平均カウント値と相関がある。
【0110】
なお、上述の撮像時の光源の発光タイミングについて説明しておく。
【0111】
図20は、各種信号のタイミングチャートである。
【0112】
光源駆動信号S1、CCD起動トリガー信号S2、CCDシャッター開放信号S3、光源発光タイミングS4が示されている。
【0113】
まず、それぞれCCDを内蔵するカメラ5,6において、CCD起動トリガー信号S2が立ち上がると(時刻t1)、CCDにおける撮像が開始される。トリガーは速やかにたち下がる(時刻t2)。時刻t1以降、CCDシャッターを開放し、続いて、光源駆動信号S1が立ち上がると(時刻t3)、S4で示されるように光源駆動信号S1に同期して、光源が実際に発光し、撮像が行われる。しかる後、光源駆動信号S1が立ち下がり、光源が消灯した後(時刻t4)、CCDシャッターが閉じる(時刻t5)。以上のようにして、撮像が行われる。シャッター機能は、CCDが有していてもよいが、光源の発光期間が撮像期間を制限している。
【0114】
更に、上述の砂の測定方法について説明する。
【0115】
また、砂の測定方法は、測定現場の砂を採取する第1工程と、標識された砂を初期地点に配置する第2工程と、所与の期間経過後に初期地点から離れた地点の砂を採取する3工程と、第3工程で採取された砂を搬送しながら撮像する第4工程と、撮像した画像から標識された砂をカウントする第5工程とを備えている。
【0116】
環境アセスメントや土木建築工事の調査のため、砂の挙動を計測する場合、測定現場の砂を採取し、標識をつけ、基準となる初期地点に標識された砂を配置する。例えば1ヶ月後などの予め決めておいた期間の経過後、初期地点から離れた地点の砂を採取して撮像し、標識された砂のカウントを行うと、砂の拡散の状態がわかる。
【0117】
また、第4工程の撮像は、上述の測定装置を用い、異なる透過波長帯域を有する2つのフィルタFL1,FL2をそれぞれ透過した砂の像を同時に測定することによって行われ、それぞれのフィルタFL1,FL2を透過した画像を第1画像及び第2画像とすると、第5工程では、第1画像内の画素の強度と、第2画像内の画素の強度の比率が、所定値以上の場合に、その画素が標識砂粒からの光を受光しているものと判別する。
【0118】
この場合、標識砂粒は、標識されていない砂粒とはスペクトルが異なるため、第1画像及び第2画像を構成するそれぞれの対応画素の強度の比率が所定値以上の場合には、この画素が、標識砂粒を示すものとすることができ、正確に判別することができる。
また、本形態の砂の測定方法では、撮像され強度の比率が演算された画素群からなる1フレーム画像内において、上記所定値以上の画素が連続している場合、連続している画素の分布する領域の画素数を、標識砂粒の大きさの指標として計測し、砂粒の大きさ毎の砂粒の数をカウントし、更に、撮像された複数フレームの画像に含まれる砂粒の大きさ毎の砂粒の数を積算して出力する。
【0119】
標識砂粒の大きさが判明すれば、砂粒の大きさに応じた砂の拡散分布を解析することも可能となる。また、測定データは、全ての砂粒を測定したデータでないため、真値に対してバラツキを有するものであるが、積算数を増加させるに従って、データは真値に近づくことになる。
【図面の簡単な説明】
【0120】
【図1】砂の測定装置のブロック図である。
【図2】各種の砂からの反射スペクトルを示すグラフである。
【図3】相対反射スペクトルを示すグラフである。
【図4】各砂の反射スペクトルの最大値を与える波長(最大波長)、最小値を与える波長(最小波長)を示す表である。
【図5】砂の測定装置の斜視図である。
【図6】砂攪拌装置SDFを一部破断して示す砂攪拌装置近傍部分の斜視図である。
【図7】平坦化部材110,111の近傍のベルトコンベアの平面図である。
【図8】図7に示した装置のVIII−VIII矢印断面図である。
【図9】砂を搬送中のベルトコンベアを示す図である。
【図10】合成画像に含まれる閾値以上の値を有する画素の一群(=標識砂粒)と面積Sの標識砂粒の粒子数Nとを示すグラフである。
【図11】合成画像に含まれる閾値以上の値を有する画素の一群(=標識砂粒)と面積Sの標識砂粒の粒子数Nとを示すグラフである。
【図12】砂粒の面積S(画素数)と砂粒のカウント値Nの関係を示すグラフである。
【図13】砂粒の面積S(画素数)と砂粒のカウント値Nの関係を示すグラフである。
【図14】砂粒の面積S(画素数)と砂粒のカウント値Nの関係を示すグラフである。
【図15】青砂の濃度CBLUE(ppm)と平均カウントNAVEの関係を示すグラフである。
【図16】砂粒の面積S(画素数)と砂粒のカウント値Nの関係を示すグラフである。
【図17】砂粒の面積S(画素数)と砂粒のカウント値Nの関係を示すグラフである。
【図18】砂粒の面積S(画素数)と砂粒のカウント値Nの関係を示すグラフである。
【図19】赤砂の濃度CRED(ppm)と平均カウントNAVEの関係を示すグラフである。
【図20】各種信号のタイミングチャートである。
【符号の説明】
【0121】
2・・・ベルトコンベア(搬送手段)、5,6・・・カメラ、FL1,FL2・・・フィルタ、11・・・コンピュータ(演算手段)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
標識された砂粒を含有する砂の測定装置において、
砂を搬送する搬送手段と、
前記搬送手段によって搬送中の砂を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段によって撮像された砂の画像から、標識された砂粒を判別してカウントする演算手段と、
を備えることを特徴とする砂の測定装置。
【請求項2】
前記撮像手段は、
第1の透過波長帯域を有する第1フィルタと、
前記第1フィルタと異なる第2の透過波長帯域を有する第2フィルタと、
前記第1フィルタを透過した搬送中の特定領域内の砂の画像を撮像する第1カメラと、
前記第2フィルタを透過した搬送中の前記特定領域内の砂の画像を、前記第1カメラと同時に撮像する第2カメラと、
を備えており、
前記演算手段は、
前記第1カメラから出力された第1画像内の画素の強度と、前記第2カメラから出力された第2画像内の画素の強度の比率が、所定値以上の場合に、その画素が標識された砂粒からの光を受光しているものと判別する、
ことを特徴とする請求項1に記載の砂の測定装置。
【請求項3】
前記演算手段は、
前記撮像手段によって撮像され前記強度の比率が演算された画素群からなる1フレーム画像内において、前記所定値以上の画素が連続している場合、連続している画素の分布する領域の画素数を、標識された砂粒の大きさの指標として計測し、砂粒の大きさ毎の砂粒の数をカウントし、更に、前記撮像手段によって撮像された複数フレームの画像に含まれる砂粒の大きさ毎の砂粒の数を積算して出力する、
ことを特徴とする請求項2に記載の砂の測定装置。
【請求項4】
前記搬送手段は、
砂搬送方向に平行に延びた一対の側壁を有し砂を搬送するベルトコンベアと、
前記ベルトコンベア上に砂を流入させる砂供給手段と、
を備え、
前記ベルトコンベア上に前記砂供給手段から単位時間に流入する砂の見かけ体積V、砂粒の平均粒径D、前記ベルトコンベアが単位時間に進む移動量L、及び一対の前記側壁の間の距離Wは、W×L×D<Vなる関係式を満たしていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の砂の測定装置。
【請求項5】
前記搬送手段は、
前記ベルトコンベアの表面から離隔した平面状の底面と、前記ベルトコンベアの搬送方向とは逆側に向かって幅が狭くなった凸部とを有する第1平坦化部材を備え、前記第1平坦化部材と前記側壁との間には隙間が存在することを特徴とする請求項4に記載の砂の測定装置。
【請求項6】
前記搬送手段は、
前記第1平坦化部材の前記ベルトコンベアの搬送方向側に配置され、前記ベルトコンベアの表面から離隔した弾性体からなるヘラ状の第2平坦化部材を更に備えていることを特徴とする請求項5に記載の砂の測定装置。
【請求項7】
前記砂供給手段は、
底部に砂出力口を有する容器と、
前記砂出力口内から延びて前記ベルトコンベア上に砂を排出するスクリューコンベアと、
を備え、
前記スクリューコンベアのスクリューのブレードに刷毛が取り付けられている、
ことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の砂の測定装置。
【請求項8】
前記搬送手段は、
前記ベルトコンベアで搬送された砂を、前記砂供給手段内に帰還させる砂運搬装置を備えていることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか1項に記載の砂の測定装置。
【請求項9】
測定現場の砂を採取する第1工程と、
標識された砂を初期地点に配置する第2工程と、
所与の期間経過後に初期地点から離れた地点の砂を採取する3工程と、
前記第3工程で採取された砂を搬送しながら撮像する第4工程と、
撮像した画像から標識された砂をカウントする第5工程と、
を備えることを特徴とする砂の測定方法。
【請求項10】
前記第4工程の前記撮像は、異なる透過波長帯域を有する2つのフィルタをそれぞれ透過した砂の像を同時に測定することによって行われ、
それぞれのフィルタを透過した画像を第1画像及び第2画像とすると、前記第6工程では、前記第1画像内の画素の強度と、前記第2画像内の画素の強度の比率が、所定値以上の場合に、その画素が標識された砂粒からの光を受光しているものと判別する、
ことを特徴とする請求項9に記載の砂の測定方法。
【請求項11】
撮像され前記強度の比率が演算された画素群からなる1フレーム画像内において、前記所定値以上の画素が連続している場合、連続している画素の分布する領域の画素数を、標識された砂粒の大きさの指標として計測し、砂粒の大きさ毎の砂粒の数をカウントし、更に、撮像された複数フレームの画像に含まれる砂粒の大きさ毎の砂粒の数を積算して出力することを特徴とする請求項10に記載の砂の測定方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2009−294178(P2009−294178A)
【公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−150656(P2008−150656)
【出願日】平成20年6月9日(2008.6.9)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)文部科学省、科学技術総合研究委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(000236436)浜松ホトニクス株式会社 (1,479)