説明

砕石用土嚢

【課題】 砕石用として持ち運びや、現場での使用を含む取扱いに優れた製品の提供。
【解決手段】 幅2mm〜20mm、厚さ0.3mm〜3mmのストランドを縦・横10mm〜50mmの桝目間隔を有する平板体に作成し、該平板体の寸法を縦30cm〜200cm、横30cm〜150cmとなした方形板を二つ折りに折り重ねしめると共に、開放端を1箇所のみ残す様に閉塞して構成するのであり、このさいストランドは有機繊維、無機繊維であり、これら繊維を芯材として周囲に塩化ビニールやアクリル樹脂等の合成樹脂を被覆する。また、収容量増加には二つ折りの折り重ね箇所に左右一対の折り襞を形成したものとする。

【考案の詳細な説明】
【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は砕石の一定量を収容して線路の路盤や河川、或は谷などの堤防に敷設して使用する砕石用土嚢に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
土砂を填入した土嚢は周知のもので多用されているが、大きさが3cm以上となるような砕石は袋に入れることなく、そのままの状態で堆積使用することが行われている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】
通常の土砂を填入した土嚢は持ち運びが容易で且つ土砂の流失を防げる点で優れたものであるが、砕石の場合は袋へ入れても袋内での坐りが悪く且つ袋が簡単に破れてしまうことから、期待する作用効果が奏し得ないことになる。
又、一般的に砕石を使用する場合は透水性を確保しながらの使用の場合が多く、通常の土嚢の場合はその役に供さない。
本考案は上記の問題点を解決せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本考案は、幅2mm〜20mm(好ましくは3mm〜10mm)、厚さ0.3mm〜3mm(好ましくは0.5mm〜1.0mm)のストランドを縦・横10mm〜50mm、好ましくは使用する砕石のサイズの1/3の目合いの桝目間隔を有する平板体に作成し、該平板体の寸法を縦30cm〜200cm(好ましくは40cm〜120cm)、横寸法を30cm〜150cm(好ましくは40cm〜100cm)となした方形板を二つ折りに重ねしめると共に、開放端を1箇所のみ残す様に閉塞して構成した砕石用土嚢である。
このさい、ストランドは有機繊維、若しくは無機繊維の何れでも良いが、好ましくはアラミド繊維、ポリアリレート繊維等のスーパー繊維とし、該繊維の周囲に塩ビ樹脂、アクリル樹脂等の合成樹脂を被覆すると良い。
又、二つ折りの折り重ね箇所に左右一対の折り襞を形成したり、開放端の閉塞箇所に巾3cm〜10cm程度の高強度合成樹脂テープ或は同織布などの当材を当接し、これを介して縫製止着させたりする。なお、上記止着手段として平板体の縦・横に於ける少なくとも片端の縦或は横の目間隔を1mm程度の小間隔となし、該箇所で折重ね端縁同志を縫着するようになしても良い。
【0005】
【考案の実施の形態】
図1は本考案に係る砕石用土嚢を作成するための平板体1であって、本実施例に於ける縦1a及び横1bは肉厚tを1mm、巾sを3mm程度となした芯材のポリアリレート繊維(商標名 ベクトラン)に被履材として塩ビ樹脂を用いたストランドであって、これを桝枠寸法を凡そ15mmの網目pとなしたものとなすのである。
【0006】
図2は上記例の平板体1を二つ折りに重ねると共に、上方を除く他の2箇所(側辺と底辺)を閉塞させる状態を示すものであって、閉塞にさいしては閉塞箇所に対し、肉厚(1mm程度)で巾3cm〜10cm程度の高強度合成樹脂テープ或は同織布などの当材2を使用して行う。
このさい、図Aは当材2を二つ折り状態になし、その内方へ上記平板体1の桝目pを挟み込んで縫着3するようになしたもの、図Bは平板体1の開放部分を袋体の中央箇所で重ね合わせ、当材2を二つ折り状態とすることなく単にその重ね合せ部分へ当接し、桝目pを当材2上へ縫着するようになした例である。該縫着3には工業用ミシンを使用して行われる。
【0007】
上記例は平板体1を二つ折りに折り重ねて作成するものであるが、図3は1対の対向する箱襞を形成するものとなした例であり、k,k’は左右側方へ形成した折り襞であって、内方へ折り込まれる襞寸法Hは5cm〜15cm程度となされる。
【0008】
図4は本考案に係る他の実施例を示すものであって、即ち本例では平板体1の縦・横に於ける両端若しくは少なくとも片端(図示例では片端)に於ける一定範囲w(凡そ5cm巾程度)の縦或は横目間隔を1mm程度の小間隔となしたものとなすのであり、該部分wを対向する辺と一定範囲で重ね合わせるようになし、該箇所でミシン縫着することにより上記例の当材2の使用を省略したものとなすのである。図5は袋体に縫着した状態図である。
【0009】
本考案に於ける砕石用土嚢は、砕石を袋内へ填入したさいの重さが10kg〜40kg程度となし、人が持ち運ぶさいに余り苦にならない重さとなるようにするのである。上部開放口から砕石を収納したあとは適宜袋口を紐その他で縛った状態になすものである。
【0010】
【考案の効果】
本考案の土嚢は以上の通り構成するのであって、砕石の同辺角部は桝目間へ突出するようになって逃げるため、袋を破ったりしないで収納し易く、空隙率が最小となるようにして効率の良い収納を可能とする。
しかして、斯く収納した袋体は持ち運びや適所への移動或は交換などを含む保全管理も容易であり、且つ袋体内の個々の砕石は激しい降雨などに対して透水機能を併せ持ち、全体と関連し合うことから流失したりすることの無いものである。
【0011】
一方、請求項2に記載した合成樹脂材の使用では、一定の強度と共に柔軟性があって堆積使用するさいの使用形態が安定した良好の状態となすことのできるもである。
【0012】
他方、請求項3に記載した箱襞を形成したものは砕石の収納が容易で、且つ収納量も大ならしめることのできるものとなるのであり、また請求項4及び5に記載したものは袋体の規格品を工業的に安価生産を可能とする上で著効がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る砕石用土嚢を作成するための平板体の平面図である。
【図2】上記平板体を二つ折りして砕石用土嚢を作成する状態を示す説明図である。
【図3】上記に於ける他の作成例を示すものである。
【図4】平板体の他の例を示すものである。
【図5】砕石を収納した使用状態例である。
【符号の説明】
1 平板体
2 当材
p 桝目
k,k’ 折り襞

【実用新案登録請求の範囲】
【請求項1】 幅2mm〜20mm、厚さ0.3mm〜3mmのストランドを縦・横10mm〜50mmの桝目間隔を有する平板体に作成し、該平板体の寸法を縦30cm〜200cm、横30cm〜150cmとなした方形板を二つ折りに折り重ねしめると共に、開放端を1箇所のみ残す様に閉塞して構成したことを特徴とする砕石用土嚢。
【請求項2】 ストランドは有機繊維、無機繊維であり、これら繊維を芯材として周囲に塩化ビニールやアクリル樹脂等の合成樹脂を被覆したことを特徴とする請求項1記載の砕石用土嚢。
【請求項3】 二つ折りの折り重ね箇所に左右一対の折り襞を形成したことを特徴とする請求項1又は2記載の砕石用土嚢。
【請求項4】 開放端の閉塞する箇所に巾3cm〜10cm程度の高強度合成樹脂テープ或は同織布などの当材を当接し、これを介して縫製止着させたことを特徴とする請求項1,2又は3記載の砕石用土嚢。
【請求項5】 平板体の縦・横に於ける少なくとも片端の縦或は横の目間隔を1mm程度の小間隔となし、該箇所で折重ね端縁同志を縫着させたことを特徴とした請求項1又は2記載の砕石用土嚢。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【登録番号】第3049620号
【登録日】平成10年(1998)4月1日
【発行日】平成10年(1998)6月19日
【考案の名称】砕石用土嚢
【国際特許分類】
【評価書の請求】未請求
【出願番号】実願平9−11296
【出願日】平成9年(1997)12月8日
【出願人】(593063541)株式会社セイワ (1)