説明

磁化の熱緩和過程の加速シミュレーション方法

【課題】結晶粒子の磁化容易軸のばらつきが少なく、周波数因子の温度依存性が無視できない状況でも加速温度を精度良く推定して加速シミュレーションする方法を提供することにある。
【解決手段】本発明の加速シミュレーション方法は、磁気記録媒体の磁化の熱緩和過程を温度加速により求める加速シミュレーションにおいて、所定の関係式を満たす加速温度を用いてシミュレーションすることを特徴とする。
周波数因子の対数を温度Tに関する多項式として表すことで精度が向上する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、磁気記録媒体の磁化の熱緩和過程を数値的に解析するシミュレーション方法に関するものであり、特に温度加速を行って磁化の熱緩和過程を解析する加速シミュレーション方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
今日、コンピュータの外部記憶装置等に使用される磁気ディスク等の磁気記録媒体は、CoCrPtBなどのCoCr系の多結晶媒体である。磁気記録媒体の高記録密度化のための特性改善は主に、ノイズ低減のための記録層の結晶粒の微細化及び結晶粒間の磁気的相互作用の低減により進められてきた。一方、記録層内の結晶粒子の磁化が与えられた異方性の方向を向くためには、一定以上の粒子体積が必要となる。粒子体積がある閾値より小さい場合には、磁化が熱揺らぎによってランダムな方向を向くようになり、記録された情報が保持されない現象が起きる。一般に、磁気ディスク装置が装置寿命に到達するまでに許される減磁量は約10%と考えられている。今日、記録密度の増大に答えるための記録層の特性改善により,この許容値が満足できなくなる限界に達している。そのため、磁気ディスクの特性改善のための研究開発において、熱揺らぎによる減磁を計算機シミュレーションにより、良好な精度で予測することが重要となっている。
【0003】
熱揺らぎによる減磁をシミュレーションする方法は、今までに各種の提案がなされており、例えば、マイクロマグネティックシミュレーションに基づく方法が提案されている(非特許文献1等参照。)。本方法は、磁化Mの時間発展を記述した従来のLLG方程式に対して、熱磁界Hfluctを追加した式(1)の方程式を解く方法である。熱磁界Hfluctは、熱エネルギーによる不規則な影響を表す確率モデルに基づく磁界成分である。またHeffは結晶粒子に作用する全磁界、Msは飽和磁化、Tは絶対温度、αはダンピング定数、γはジャイロ磁気定数、tは時間である。
【0004】
【数1】

本方法は、熱揺らぎによる減磁を精度良く計算できる。しかし磁化の時間発展を式(1)で計算する場合、解が発散しないようにするには時間ステップを1ps以下と極めて短く設定する必要がある。そのため計算可能な時間スケールは、通常の計算機リソースを利用した場合、数μ秒以下に限られていた。
また、マイクロマグネティックシミュレーションに基づく別の方法として非特許文献2等の方法が提案されている。本方法は、式(1)を直接計算する代わりに、温度加速により実際より短い時間スケール(数μ秒以下)で式(1)を計算する。本方法の基本的なアイデアは、低い温度での長い時間スケールにおける物理量の劣化が、加速された高い温度での短い時間スケールでの劣化と等価であるという考え方に基づく。この考え方は良く知られたArrhenius−Neelの法則から導かれている。本法則では、結晶粒子の磁化の反転を妨げるエネルギー障壁EBが式(2)で与えられる。
【0005】
【数2】

ここで、Tは絶対温度、τは緩和時間、f0は周波数因子である。緩和時間τはある特定の結晶粒子の磁化が反転しない確率が初期値の1から1/eに減少する時間、周波数因子f0はある特定の結晶粒子がエネルギー障壁を乗り越えようと試みる単位時間当たりの回数を表している。
ここで、周波数因子f0が温度に依存しないと仮定した場合、式(2)より、ある温度T1及び緩和時間τ1のシステムと、別の温度T2及び緩和時間τ2のシステムのエネルギー障壁が等しい場合に、T2−T1がT1×ln(τ1/τ2)に比例することが導かれる。非特許文献2の方法は、この関係を利用して、式(1)に基づく磁化の時間発展を実用的な計算時間で計算可能な時間スケールに置き換え、その時間スケールに対応した加速温度を求めている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】IEEE Trans. Magn. Vol.34, 1998, p1543
【非特許文献2】Applied Physics Letters Vol.77, No21, 20 Nov. 2000, p3432
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、結晶粒子の磁化容易軸が印加磁界の方向に揃っている場合には、周波数因子f0が温度に依存することが知られている。非特許文献2の方法は、実際の記録媒体では容易軸の方向は一定のばらつきを持っており、そのため周波数因子の温度依存は弱く、無視できると仮定していた。そのため、容易軸ばらつきが少なく、周波数因子の温度依存が無視できない状況では、加速温度の推定が正しく行えない問題があった。
本発明の目的は上述した問題点を解決し、周波数因子の温度依存が無視できない状況でも、加速温度を精度良く推定することができる加速シミュレーション方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述の目的を達成するために本発明の加速シミュレーション方法は、磁気記録媒体の磁化の熱緩和過程を温度加速により求める加速シミュレーションにおいて、温度Tlでの前記磁気記録媒体の磁化の熱緩和時間をτl、加速温度での緩和時間をτacc、任意の温度Tにおける周波数因子の対数をF(T)とした場合に、
【0009】
【数3】

を満たすTaccを加速温度とすることを特徴とする。
前記周波数因子の対数F(T)は温度Tに関するN−1次の多項式として表すことが好ましい。F(T)=a0+a1T+a22+・・・+aN-1N-1とした場合に、iおよびjを1からNの整数とし、基準温度Trおよび基準緩和時間τrと、N個の異なる温度Tsi及び緩和時間τsiを用いて、Xj,i=Tsij−Trj、Yi=Tr×ln(τr)−Tsi×ln(τsi)として、前記N個の係数a0、a1、...、aN-1がN次元連立方程式である、
i=a01,i+a12,i+...+aN-1N,i
の解であることが好ましい。
【0010】
また、前記N個の異なる温度Tsiが、温度Tsi及び磁界掃引周期tsi=τsi×ln2でマイクロマグネティックシミュレーションを行うことにより求められる残留保磁力と、前記基準温度Tr、及び磁界掃引周期tr=τr×ln2でマイクロマグネティックシミュレーションを行うことにより求められる残留保磁力が等しくなる値に設定されることがさらに好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明の磁気記録媒体の磁化の熱緩和過程の加速シミュレーション方法によれば、結晶粒子の磁化容易軸ばらつきが少ないために、周波数因子の温度依存性が無視できない状況においても、精度が低下することなくシミュレーションを行うことができる。また、周波数因子の対数を温度に関する多項式で近似することで周波数因子の温度特性を考慮することにより、加速温度を良好な精度で推定でき、シミュレーション精度を向上することができる。さらには、残留保磁力が同一となる温度と磁界掃引周期の組み合わせを複数用いてシミュレーションを行うことにより、シミュレーション精度をいっそう向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態における磁気記録システムのシミュレーションモデルを示す図である。
【図2】本発明の実施形態における磁気記録媒体101の構成を示す図である。
【図3】本発明の実施形態における残留磁化曲線の例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態における残留磁化曲線の別の例を示す図である。
【図5】本発明の実施形態におけるステップ201で計算された残留磁化曲線の例を示す図である。
【図6】本発明の実施形態において加速温度を求める手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の磁化の熱緩和過程を加速シミュレーションするための方法を図面を参照しながら説明する。図1は本発明のシミュレーションモデル100を示すもので、磁気記録媒体101と磁気記録ヘッド102から構成されている。磁気記録ヘッド102は、主磁極103、コイル104、リターンヨーク105から構成され、磁気記録媒体101上に数nm程度の微小な距離を隔てて浮上している。
図2は本シミュレーションモデルにおける磁気記録媒体101の構成を示している。磁気記録媒体101は結晶粒子を模擬した一軸異方性を有する直方体セル110から構成されている。各直方体セルの磁化容易軸の方向は平均的にz軸方向に向いており、磁化容易軸とz軸とのなす角度は所定のばらつきが与えられている。また一軸異方性エネルギーと飽和磁化はそれぞれ平均値がKu及びMsで、所定のばらつきを有するものとされる。
【0014】
各直方体セル110の高さは記録層の膜厚に等しく、その体積は結晶粒子の平均体積に等しい。各直方体セルの磁化の時間発展は、従来のLLG方程式に対して、熱磁界Hfluctを追加した式(1)の方程式により計算する。熱磁界Hfluctは、熱エネルギーによる不規則な影響を表す確率モデルに基づく磁界成分であり、その平均値はゼロ、標準偏差は式(3)で与えられる。また有効磁界Heffは結晶粒子に作用する全ての磁界、すなわち反磁界、交換磁界、異方性磁界、及び外部磁界を合計した磁界である。ヘッド磁界の分布は本加速シミュレーションに先立って、マクスウェル方程式を解く有限要素解析により求めておく。
【0015】
【数4】

ここで、Msは飽和磁化、Tは絶対温度、αはダンピング定数、γはジャイロ磁気定数、Vは粒子体積、kBはボルツマン定数、Δtは解析時間ステップである。
次に、本発明における加速シミュレーション方法において、残留保磁力を求める方法について説明する。残留保磁力の計算は振動試料型磁力計(VSM)による測定をシミュレーションすることにより行われる。このためにシミュレーションモデル100から磁気記録ヘッド102を除外したモデルを使用する。
具体的な手順は次のとおりである。最初に磁気記録媒体101の各直方体セルの磁化を平均的に−z方向に設定する。次に+z方向に大きさH1の一様磁界を外部磁界として印加し、掃引周期Δt秒後に磁界をゼロにする。そして磁界ゼロの時の残留磁化Mrを式(1)により計算する。ここで残留磁化Mrは各直方体セルの磁化の垂直成分を平均したものとする。次に大きさH2=H1+ΔHの一様磁界を発生させ、掃引周期Δt秒後に磁界をゼロにする。そしてその時の残留磁化Mrを式(1)により計算する。このように印加磁界をΔHづつ増加させながら、印加磁界がHmaxに到達するまで上記操作を繰り返し行う。ここで、Hmaxは磁気記録媒体101の異方性磁界よりも十分に大きな値である。
【0016】
その結果、図3の301に示すような残留磁化曲線が得られる。図3で、横軸は印加磁界、縦軸は飽和磁化で正規化した残留磁化である。また図で残留磁化がゼロとなる印加磁界が残留保磁力である。そのため残留保磁力はこの残留磁化曲線301のデータ点の補間により求められる。
また図4において残留磁化曲線302、304及び306は、同じ周囲温度で、それぞれ異なる掃引周期で計算した残留磁化曲線の例である。掃引周期は残留磁化曲線302が最も短く、残留磁化曲線306が最も長く設定されている。図4に示すように掃引周期を長くするに従って、残留保磁力は低下する。これは掃引周期が長いほど、すなわち観測する時間スケールが増加するほど、その間に熱減磁が進行するためである。
また、残留磁化曲線302、303及び305は、同じ掃引周期で、それぞれ異なる周囲温度で計算した残留磁化曲線の例である。周囲温度は残留磁化曲線302が最も低く、残留磁化曲線305が最も高く設定されている。このように周囲温度を高くするに従って、残留保磁力は低下する。これは温度が高いほど、熱減磁が加速するためである。
【0017】
次に、本発明における加速シミュレーション方法において加速温度Taccを求める手順を図6のフローチャートに基づき説明する。
まずステップ201では、基準温度Tr、掃引周期trでの残留保磁力Hcr1を求める。そのため、基準温度を室温に、基準掃引周期trを100nsに設定し、前述した手順により残留磁化曲線を計算する。その結果図5の残留磁化曲線310が得られる。そして残留磁化曲線310がゼロクロスする点の印加磁界を補間処理により求め、これを残留保磁力Hcr1とする。
引き続き、ステップ202では、N個の異なる掃引周期tsiについて、それぞれ残留保磁力がHcr1に等しくなる温度Tsiを求める。ここで、tsiおよびTsiのiは1からNの整数である。また、各掃引周期tsiはtrより短い値に設定されている。
【0018】
このためまず、掃引周期ts1で、残留保磁力を計算する処理を、温度を一定の範囲で少しづつ変化させながら行う。その結果得られた温度と残留保磁力との関係から、残留保磁力がHcr1に等しくなる温度を推定し、これを温度Ts1とする。そして同様に、掃引周期ts2、ts3、・・・、tsNについて順次、それぞれの掃引周期で残留保磁力がHcr1に等しくなる温度を推定し、これらをTs2、Ts3、・・・、TsNとする。
引き続き、ステップ203では、式(4)によりN個のパラメータYiと、N2個のパラメータXj,iを計算する。
【0019】
【数5】

ここで、Yi、Xj,iおよびτsiのi、jも1からNの整数である。また、τr、τsiは式(5)で与えられる。
【0020】
【数6】

引き続き、ステップ204では、N個の係数a0、a1、...、aN-1を、a0、a1、...、aN-1に関する以下の連立方程式(6)を解くことにより計算する。
【0021】
【数7】

引き続き、ステップ205では、加速温度Taccを式(7)の方程式を解くことにより決定する。ここで、Tlは加速前の温度、τlは温度Tlにおける磁気記録媒体の磁化の緩和時間、τaccは加速シミュレーションにおける緩和時間である。通常Tlは室温、τlは磁気ディスク装置の平均寿命(約10年)、τaccは10nsec程度の値に設定すると良い。
【0022】
【数8】

またF(T)は周波数因子の対数であり、近似式(8)で表される。
【0023】
【数9】

以上が、本発明の実施例における加速温度を求める手順である。
引き続いて、上述した手順により求めた加速温度Taccを用いて熱緩和過程の加速シミュレーションを行う。本実施形態の加速シミュレーションは、ディスク形状の磁気記録媒体を用いて、回転する磁気記録媒体に対して浮上する磁気記録ヘッドにより記録を行う過程をシミュレーションすることにより行う。ここで、温度を加速温度Taccに設定すると共に、磁気記録ヘッドからの磁界は周期τaccで極性の変化するパルス磁界として印加する。また、ディスクの回転は解析ステップ毎に磁気記録媒体101を微小量づつx方向に移動させることにより模擬する。
【0024】
ここで、上述した手順により加速温度が求められる理由について以下に説明する。
VSM等によって測定される残留保磁力は磁界掃引速度及び温度に依存し、その関係は式(9)の通りである。
【0025】
【数10】

ここで、H0はスイッチング磁界、Kuは一軸異方性エネルギー、Vは粒子体積、tpは磁界掃引周期である。
従って、温度T1、掃引周期T1で測定した残留保磁力と、温度T2、掃引周期t2で測定した残留保磁力が等しい場合、式(10)が成り立つ。
【0026】
【数11】

ここで異方性エネルギーKuが温度に依存しないと仮定すると、式(5)より以下が成り立つ。
【0027】
【数12】

一方、温度T1、緩和時間τ1および、温度T2、緩和時間τ2における磁化のスイッチングのエネルギー障壁は、Arrhenius−Neel則によりそれぞれ式(12)のように表される。
【0028】
【数13】

式(11)、式(12)より、温度T1及び掃引周期t1で測定した残留保磁力と、温度T2及び掃引周期t2で測定した残留保磁力が等しい場合、温度T1及び緩和時間τ1(=t1/ln2)のシステムと、温度T2及び緩和時間τ2(=t2/ln2)の2つのシステムは同一のエネルギー障壁を有することが導かれる。
従って、ある基準温度Tr、掃引周期τr×ln2で計算した残留保磁力と、各温度Tsi、掃引周期τsi×ln2で計算した残留保磁力が等しい場合、基準温度Tr、緩和時間τrと温度Tsi、緩和時間τsiとの間に式(13)の関係が成り立つ。
【0029】
【数14】

式(13)から式(14)が導かれる。
【0030】
【数15】

ここで周波数因子の対数ln(f0(T))をF(T)と置き、F(T)を以下のように温度TのN−1次の多項式(15)で近似する
【0031】
【数16】

これを式(14)に代入すると、式(16)が導かれる。
【0032】
【数17】

ここで、
【0033】
【数18】

と置くと、N個の未知数a0、a1、...、aN-1に関する以下のN個の方程式(18)が導かれる。
【0034】
【数19】

一方、加速前の温度Tl及び緩和時間τlと、加速シミュレーションにおける加速温度Tacc及び緩和時間τaccとが等しいエネルギー障壁(等しい熱緩和特性))を持つ場合、Arrhenius−Neel則より式(19)が成り立つ。
【0035】
【数20】

式(19)は、式(20)のように変形される。
【0036】
【数21】

したがって、式(20)を解くことにより加速温度Taccを求めることができる。ここで周波数因子の対数F(T)は式(8)の近似式により与えられ、そのN個の係数a0、a1、...、aN-1は、式(18)の連立方程式を解くことにより求めることができる。
以上の説明はディスク状の磁気記録媒体を例として行ったが、磁気テープ等の異なる形状の磁気記録媒体に関しても適用可能なことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0037】
100 磁気記録システムのシミュレーションモデル
101 磁気記録媒体
102 磁気記録ヘッド
103 主磁極
104 コイル
105 リターンヨーク
110 直方体セル
301〜306 残留磁化曲線の例
310 ステップ201で計算された残留磁化曲線



【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気記録媒体の磁化の熱緩和過程を温度加速により求める加速シミュレーションにおいて、
温度Tlでの前記磁気記録媒体の磁化の熱緩和時間をτl、加速温度での緩和時間をτacc、任意の温度Tにおける周波数因子の対数をF(T)とした場合に、
【数1】

を満たすTaccを加速温度とすることを特徴とする加速シミュレーション方法。
【請求項2】
前記周波数因子の対数F(T)を温度Tに関するN−1次の多項式として、F(T)=a0+a1T+a22+・・・+aN-1N-1とした場合に、
iおよびjを1からNの整数とし、基準温度Trおよび基準緩和時間τrと、N個の異なる温度Tsi及び緩和時間τsiを用いて、Xj,i=Tsij−Trj、Yi=Tr×ln(τr)−Tsi×ln(τsi)として、
前記N個の係数a0、a1、...、aN-1がN次元連立方程式である、
i=a01,i+a12,i+...+aN-1N,i
の解であることを特徴とする請求項1に記載の加速シミュレーション方法。
【請求項3】
前記N個の異なる温度Tsiが、温度Tsi及び磁界掃引周期tsi=τsi×ln2でマイクロマグネティックシミュレーションを行うことにより求められる残留保磁力と、前記基準温度Tr、及び磁界掃引周期tr=τr×ln2でマイクロマグネティックシミュレーションを行うことにより求められる残留保磁力が等しくなる値に設定されることを特徴とする請求項1及び2に記載の加速シミュレーション方法。



【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図2】
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