磁気ナノワイヤを物体に付着させる方法およびシステムならびにそれらから形成される装置
【課題】1つまたは複数の磁気ナノワイヤを物体およびそれから形成される装置に付着させる方法およびシステムを提供する。
【解決手段】1つまたは複数の磁気ナノワイヤを物体の鋭利な先端に付着させる電気泳動方法は、液体媒体内に1つまたは複数の磁気ナノワイヤを設けることを含むことができる。方法はまた、液体媒体内に物体の鋭利な先端を配置することを含むことができる。さらに、方法は、1つまたは複数の磁気ナノワイヤを鋭利な先端に付着させるために、液体媒体に電界を印加することを含むことができる。
【解決手段】1つまたは複数の磁気ナノワイヤを物体の鋭利な先端に付着させる電気泳動方法は、液体媒体内に1つまたは複数の磁気ナノワイヤを設けることを含むことができる。方法はまた、液体媒体内に物体の鋭利な先端を配置することを含むことができる。さらに、方法は、1つまたは複数の磁気ナノワイヤを鋭利な先端に付着させるために、液体媒体に電界を印加することを含むことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(政府の権益)
本発明は、米国航空宇宙局(NASA)によって与えられた認可番号5−5−58595の下で米国政府の支援によって行われた。米国政府は本発明において一定の権利を有する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2005年3月に出願された、(例えば、特許文献1参照)の利益を主張し、2004年5月10日に出願された、(例えば、特許文献2参照)の継続出願であり、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
(技術分野)
本明細書で述べる主題は、ナノ構造を物体に付着させる方法およびシステムならびにそれらから形成される装置に関する。より詳細には、本明細書で述べる主題は、1つまたは複数の磁気ナノワイヤを物体に付着させる方法とシステムおよびそれらから形成される装置ならびに磁気ナノワイヤを使用して磁気力顕微鏡プローブを作製する電気泳動方法に関する。
【背景技術】
【0004】
磁気力顕微鏡(MFM)は、磁気記憶媒体などのシステムの表面磁気構造を調べるための非破壊的な実験技法である。MFMの分解能と感度は、MFMプローブの幾何形状と磁気特性に著しく依存する。MFMプローブは、通常、原子間力顕微鏡(AFM)カンチレバー(cantilever)の先端を、コバルトベースの合金などの硬質の強磁性材料層でコーティングすることによって作製される。このプロセスは、プローブの先端半径を増加させる。プローブの先端半径を増加させることによって、MFMの空間分解能は、約100nmに増加する場合がある。したがって、MFMプローブの先端半径を減少させることが望ましい。
【0005】
減少した半径を有するMFMプローブを作るための技法が調べられ、開発された。これらの技法は、電子ビーム堆積か、収束イオン・ビーム・ミリング(ion beam milling)のいずれかの使用を含む。1つの技法では、プローブのシリコン・カンチレバー(silicon cantilever)の頂部において、炭素ナノチューブ(CNT)を成長させ、付着させる。CNTは、ナノメートル・サイズの直径および大きなアスペクト(aspect)比を有する。CNTの使用は、AFMの空間分解能とプロービング(probing)深さを増加させる。
【0006】
CNTを含むMFMプローブを作るために、いくつかの異なる技法が開発されてきた。1つの技法では、磁気触媒粒子で覆われた単一複数壁炭素ナノチューブが、走査電子顕微鏡(SEM)のチャンバ内部の市販のシリコン・カンチレバーの頂部に取り付けられる。別の技法では、炭素ナノファイバが、直接化学気相堆積(CVD)を使用して先端無しSiカンチレバー上で成長した。先端成長CVDプロセスでは、カプセル封入された磁性粒子は、ナノファイバの頂上に配置され、磁気力を提供する。さらに別の技法では、磁性膜層を、シリコン・カンチレバーに取り付けるか、または、シリコン・カンチレバー上に接触反応で成長したCNTの外部表面上にスパッタリングすることによって、MFMプローブが作られる。CNT磁気プローブを使用することによって得られるイメージング結果は良好であるが、分解能およびプロービング深さが改良されたプローブを提供することが望ましい。
【特許文献1】米国仮特許出願第60/663,128号
【特許文献2】米国特許出願第10/842,357号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
既存の磁気顕微鏡デバイスの欠点を考慮して、これらのデバイスの性能および製造を改良する方法およびシステムならびにそれらから作られる装置を提供する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(要旨)
本開示によれば、磁気ナノワイヤを物体に付着させる新規な方法とシステムおよびそれらから形成される装置ならびに磁気ナノワイヤを使用して磁気力顕微鏡プローブを作製する電気泳動方法が提供される。
したがって、磁気ナノワイヤを物体に付着させる新規な方法とシステムおよびそれらから形成される装置を提供し、磁気顕微鏡デバイスなどのデバイスの製造および分解能を改良するために磁気ナノワイヤを使用して、磁気力顕微鏡プローブを作製するための新規な電気泳動方法を提供することが、本開示の目的である。本開示から明らかになるこの目的および他の目的は、本明細書に記載される主題によって、少なくとも全体に、または、部分的に達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(詳細な説明)
本明細書に記載される主題によるシステムおよび方法は、1つまたは複数の磁気ナノワイヤを物体の鋭利な先端に付着させるために使用することができる。例えば、本明細書に記載される主題によるシステムおよび方法は、1つまたは複数の磁気ナノワイヤを、原子間力顕微鏡の鋭利な先端に付着させるために使用することができる。
【0010】
図1は、本明細書に記載される主題の実施形態による、1つまたは複数の磁気ナノワイヤMNを物体Oの鋭利な先端TPに付着させるための、全体が100で示される例示的なシステムの略図である。この例では、物体Oは、原子間力顕微鏡のカンチレバーであることができる。あるいは、物体Oは、プロフィールメータ(profilometer)、電子顕微鏡用プローブ、電子電界放出陰極、ガス(gas)放出管、発光デバイス、マイクロ波電力増幅器、イオン銃、電子ビーム・リソグラフィ・デバイス(electron beam lithography device)、高エネルギー加速器、自由電子レーザ、およびフラット・パネル・ディスプレイの一部であることができる。システム100は、電極E、電力源PS、および全体がLMで示される液体媒体を含むことができる。電極E、先端TP、および磁気ナノワイヤMNは、液体媒体LM内に配置することができる。電力源PSは、液体媒体LM内に電界(全体がEFで示される)を生成するために、先端TPと電極Eの間に電圧差を印加することができる。電界EFによって、磁気ナノワイヤMNは、先端TPの方(方向矢印Aで示す方向)に移動し、先端TPに付着することができる。特に、磁気ナノワイヤMNの端部は先端TPに取り付けることができる。
【0011】
図2は、本明細書に記載される主題の実施形態による、1つまたは複数の磁気ナノワイヤを物体の鋭利な先端に付着させるための例示的なプロセスを示すフローチャートである。この例では、磁気ナノワイヤは、正の誘電泳動プロセスによって付着する。図2を参照すると、ブロック200にて、磁気ナノワイヤは、合成されるか、または、その他の方法で作られる。磁気ナノワイヤは、15〜50nm直径を有する陽極アルミナ・テンプレートを使用して電着することによって作製することができる。電着は、室温または任意の他の温度で行うことができる。硫酸ニッケルとホウ酸を含有する水溶液を、電解液として使用することができる。電着後に、室温か、または、別の適した温度で、リン酸の中にアルミナ・テンプレートを溶かすことによって、ナノワイヤを採取することができる。ナノワイヤは、その後、界面活性剤無しで脱イオン水内に分散され、遠心分離され、超音波浴において均質化されることができる。
磁気ナノワイヤは、以下の磁性材料、すなわち、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、および鉄(Fe)のうちの少なくとも1つを含むナノワイヤであることができる。
【0012】
図3は、本明細書に記載する主題の実施形態による電着法によって合成されるニッケル磁気ナノワイヤのTEM画像を示す。ナノワイヤの長さは、約300nmから800nmまで変わる。ナノワイヤの直径は約20〜40nmである。
ナノワイヤを不純物から分離するため、また、直径と長さに基づいてナノワイヤを分類するために、磁気ナノワイヤは、ろ過、遠心分離、およびクロマトグラフィを含むいくつかの技法によって、任意選択で、精製することができる。磁気ナノワイヤは、その後、化学エッチングまたはボール・ミリング(ball milling)などの機械的プロセスによるなどで、長さを短縮するためのさらなる処理を受ける可能性がある。
【0013】
別の実施形態によれば、精製された磁気ナノワイヤは、機械的ミリング(milling)によって短縮することができる。この技法によれば、精製された磁気ナノワイヤ材料の試料は、適切なミリング媒体と共に、適した容器内部に設置される。容器は、その後、閉じられ、ボール・ミリング機の適した保持器内に設置される。試料がミリングされる時間は変わる可能性がある。適切なミリング時間量は、ミリングされたナノワイヤの検査によって容易に決定することができる。
【0014】
再び、図2を参照すると、ブロック202にて、磁気ナノワイヤは、図1に示す液体媒体LMなどの液体媒体内に設けられることができる。液体媒体内で未処理ナノワイヤの安定した懸濁状態の形成を可能にする液体媒体を選択することができる。一実施形態によれば、液体媒体は、以下の、すなわち、脱イオン水、メタノール、エタノール、アルコール、およびジメチルフォルムアミド(DMF)のうちの少なくとも1つを含む。安定した懸濁状態の形成を促進するために、ナノワイヤを液体媒体に添加することによって、混合物は、超音波エネルギー、または、例えば、磁気攪拌器棒を使用した攪拌を受けることができる。超音波エネルギーを当てる時間量は、約2時間などの適した時間であることができる。
【0015】
ブロック204にて、物体の鋭利な先端を、液体媒体内に配置することができる。例えば、物体Oの鋭利な先端TPは、図1に示すように、液体媒体LMの外側の位置から液体媒体LM内の位置まで徐々に移動することができる。一実施形態では、電極Eは、液体媒体LM内に配置された金属リングであることができる。さらに、電極Eおよび物体Oは、別個の併進ステージ上に取り付けられ、観察のために、光学顕微鏡の下に設置することができる。電極Eは、液体媒体LMに接触するように併進し、図1に示す位置に移動することができる。先端TPは、所定期間の間、液体媒体LM内に配置することができる。さらに、先端TPは、電極Eと先端TPの間に電気接触が確立するまで、液体媒体LMの方に移動することができる。
【0016】
ブロック206にて、磁気ナノ粒子を鋭利な先端に引き寄せるために、液体媒体に電界を印加することができる。所定期間の間、物体Oと電極Eの間に電界を生成するために、電力源PSは、物体Oと電極Eにわたって電圧を印加するように制御されることができる。電圧が物体Oと電極Eに印加されると、物体Oは、電極として機能することができる。さらに、印加電圧は、物体Oと電極Eに交流(AC)または直流(DC)を印加するように、可変に制御することができる。一実施形態では、印加電圧は、2MHzにおいて約1〜10Vであることができる。電界によって、磁気ナノ粒子は、鋭利な先端TPの方に移動し、鋭利な先端TPに付着することができる。物体Oと電極Eの間に印加された電界は、約0.1〜1000V/cmであることができ、0.1〜200mA/cm2のDCが、1秒〜1時間の間、印加されることができる。
【0017】
光学顕微鏡の誘導下で、電極Eは、電界の印加中に、液体媒体LMから引き出すことができる。1つまたは複数の磁気ナノワイヤの一端が鋭利な先端TPに付着することができる。付着した磁気ナノワイヤは、先端TPを有する磁気先端を形成することができる。磁気先端の長さは、電界下において、物体Oと電極Eが互いから離れて移動する距離によって制御することができる。電界下における物体Oと電極Eの互いからの移動によって、ナノワイヤが、真っ直ぐになり、移動方向に整列することができる。
一実施形態では、1つまたは複数の磁気ナノワイヤを物体と組み立てた後、保護材料を、磁気ナノワイヤおよび/または物体に塗布することができる。保護材料の一例は、ナノワイヤを損傷から保護し、組み立てられた構造の機械的安定性を増加させることができるポリマ被膜層である。
【0018】
一実施形態によれば、「チャージャ」を、電気泳動堆積を促進するために、液体媒体に添加することができる。例示的なチャージャは、MgCl2、Y(NO3)3、AlCl3、および水酸化ナトリウムを含む。任意の適した量が利用されることができる。ナノワイヤ含有材料の量を基準にして測定された、重量で、約1%未満から約50%までの範囲の量を使用することができる。別の実施形態によれば、液体媒体は、1%未満のチャージャを含有することができる。
磁気ナノワイヤが移動する方向は、チャージャ材料の選択によって制御することができる。例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)などの「負の」チャージャの使用は、ナノワイヤに負電荷を与え、それによって、ナノワイヤが、正電極(陰極)の方に移動する傾向を生じる。逆に、MgCl2などの「正の」チャージャ材料が使用されると、正電荷が、ナノワイヤに与えられ、それによって、ナノワイヤが、負電極(陽極)の方に移動する傾向を生じる。
【0019】
磁気ナノワイヤの付着性は、結合剤などの付着性促進材を混合することによって改善することができる。これらの材料は、以下のプロセス、すなわち、ナノワイヤと付着性促進材の粒子の同時堆積、順次堆積、付着性促進材層の事前堆積などのうちの1つによって、導入することができる。1つの例では、磁気ナノワイヤは、物体の鋭利な先端に付着するために、アニーリングすることができる。アニーリングは、100℃〜600℃などの適した温度で行うことができる。さらに、磁気ナノワイヤは、約1〜60分などの適した期間の間、アニーリングすることができる。アニーリングは、約10−6トルの圧力または別の適した負圧で行うことができる。
【0020】
一実施形態では、ポリマ結合剤などの結合剤は、磁気ナノワイヤ材料の懸濁液に添加することができ、磁気ナノワイヤ材料の懸濁液は、その後、一様な懸濁液を得るために、攪拌されるか、または、超音波処理される。適したポリマ結合剤は、ポリ(ビニルブチラール−ビニルアルコール−ビニルアセテート共重合体)およびポリ(フッ化ビニリデン)を含む。適したチャージャは、印加されたDCかACの電界下で、結合剤とナノ構造が、同じ電極に移動して、結合剤とナノ構造の密な混合によって皮膜が形成されるように選択される。
結合剤または付着性促進材は、任意の適した量で添加することができる。ナノ構造含有材料の量を基準にして測定された、重量で0.1〜20%の範囲の量を提供することができる。
【0021】
図4は、本明細書に記載する主題の実施形態による、カンチレバーCの先端TPに付着した単一磁気ナノワイヤMNを有する原子間力顕微鏡カンチレバーCの略図を示す。図4を参照すると、磁気ナノワイヤMNの一端は、カンチレバーCの先端TPに付着する。さらに、ナノワイヤMNは、ほぼ真っ直ぐに、カンチレバーCの円錐軸に整列することができる。ナノワイヤMNの整列方向は、付着中に印加される電界の方向と同じである。磁気ナノワイヤMNとカンチレバーCの組み立て品の先端400は、単一磁気ドメインを有することができる。
【0022】
図5は、本明細書に記載する主題の実施形態による、カンチレバーCの先端TPに付着したいくつかの磁気ナノワイヤMN1、MN2、およびMN3を有する原子間力顕微鏡カンチレバーCの略図を示す。図5を参照すると、磁気ナノワイヤMN1およびMN2の一端は、本明細書に記載する付着プロセスによって、カンチレバーCの先端に、または、その近くに付着することができる。さらに、磁気ナノワイヤMN3は、本明細書に記載する付着プロセスによって、磁気ナノワイヤMN1およびMN2に付着することができる。磁気ナノワイヤMN1、MN2、およびMN3は、カンチレバーCの円錐軸に、また、互いにほぼ整列することができる。磁気ナノワイヤMN1、MN2、およびMN3と、カンチレバーCとの組み立て品の先端500は、単一磁気ドメインを有することができる。
【0023】
図6および7は、本明細書に記載する主題の実施形態に従って付着したニッケル磁気ナノワイヤを有する例示的な磁気プローブのSEM画像である。プローブ先端は、長さが約2μmで、先端の直径が約30nmである。磁気ナノワイヤの束が、プローブの先端に付着する。単一磁気ナノワイヤが、束から突き出て、小さな先端直径を提供する。コバルト磁気ナノワイヤを使用して形成されたプローブは、ニッケル磁気ナノワイヤを使用して形成されたプローブと同様な構造と形態を有する。
【0024】
図8、9、および10は、本明細書に記載する主題の実施形態に従って付着したニッケル磁気ナノワイヤを有する例示的な磁気力顕微鏡プローブのSEM画像である。プローブは、異なる長さと形態のナノワイヤを含む。これらのプローブは、10−6トルの真空下でアニーリングされた。実験中、800℃を超える温度でアニーリングされると、NiおよびCoナノワイヤが、大きな粒子に再結晶化することがわかった。750℃で約1時間の間アニーリングすることによって、先端を形成する個々のナノワイヤ間の付着性を改善することができるが、Siカンチレバー上の金属皮膜の凝塊が、アニーリング後に観察された。
液体媒体内での磁気ナノワイヤの集中と分散などの条件を変えることによって、電界強度、物体の先端が液体媒体表面から引っ張られる速度、物体の先端上での磁気ナノワイヤの間隔と整列を変えることができる。
【0025】
図11および12は、本明細書に記載する主題の実施形態による、磁気ナノ粒子を有する原子間力顕微鏡を使用して得られた磁気記録テープの、それぞれ、トポグラフィ(topographic)画像と磁気画像である。顕微鏡は、イメージング前に磁化された。イメージングに使用されるニッケル・ナノワイヤを有する顕微鏡プローブは、4μm×4μmエリア上で約30nmの先端直径を含んだ。本明細書に記載するシステムおよび方法による磁気ナノワイヤの付着によって、改善された空間分解能を得ることができることを、画像が実証している。
【0026】
図13A〜13Cは、異なる原子間力顕微鏡プローブを使用して測定された較正試料の高さ形状を示すグラフを示す。図13Aは、従来のSi原子間力顕微鏡プローブによって提供される測定された高さ形状を示す。図13Bは、本明細書に記載する主題に従って付着したニッケル磁気ナノワイヤを含む原子間力顕微鏡プローブによって提供される測定された高さ形状を示す。図13Cは、本明細書に記載する主題に従って付着した炭素ナノチューブを含む原子間力顕微鏡プローブによって提供される測定された高さ形状を示す。図13A〜13Cで測定される側壁角度は、それぞれ、68°、78°、および84°である。実際の側壁角度は90°である。
【0027】
本明細書に記載する主題によるシステムおよび方法は、プロフィールメータ、電子顕微鏡用プローブ、X線発生デバイスなどのデバイス用の電子電界放出陰極、ガス放出管、発光デバイス、マイクロ波電力増幅器、イオン銃、電子ビーム・リソグラフィ・デバイス、高エネルギー加速器、自由電子レーザ、およびフラット・パネル・ディスプレイに磁気ナノワイヤを組み込むために使用することができる。例えば、本明細書に記載の方法は単一のナノワイヤまたはナノワイヤの束を鋭利な先端に選択的に付着させるために使用できる。例えば、走査トンネル顕微鏡(STM)、磁気力顕微鏡(MFM)、および化学力顕微鏡(CFM)を含む顕微鏡用に使用される先端であることができる。
【0028】
さらに、本明細書に記載する主題によるシステムおよび方法は、任意の適した導電性ナノ粒子を鋭利な先端に付着させるのに使用することができる。例えば、システムおよび方法は、磁性材料を含む炭素ナノチューブなどのナノチューブを鋭利な先端に付着させるのに使用することができる。BxCyNz(B=ボロン(boron)、C=炭素、N=窒素)の組成を有するナノチューブ構造あるいは組成MS2(M=タングステン、モリブデン、または酸化バナジウム)を有する同心フラーレン構造を利用することができる。
本明細書に記載する主題の種々の詳細は、本明細書に記載する主題の範囲から逸脱することなく、変更されてもよいことが理解されるであろう。さらに、先の説明は、具体的に示すだけのためであり、制限するためではない。
主題の例示的な実施形態を、ここで、添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本明細書に記載される主題の実施形態による、1つまたは複数の磁気ナノワイヤを物体の鋭利な先端に付着させるための、例示的なシステムの略図である。
【図2】本明細書に記載される主題の実施形態による、1つまたは複数の磁気ナノワイヤを物体の鋭利な先端に付着させるための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【図3】本明細書に記載する主題の実施形態による電着法によって合成されるニッケル磁気ナノワイヤのTEM画像である。
【図4】本明細書に記載する主題の実施形態による、カンチレバーの先端に付着した単一磁気ナノワイヤを有する原子間力顕微鏡カンチレバーの略図である。
【図5】本明細書に記載する主題の実施形態による、カンチレバーの先端に付着したいくつかの磁気ナノワイヤを有する原子間力顕微鏡カンチレバーの略図である。
【図6】本明細書に記載する主題の実施形態に従って付着したニッケル磁気ナノワイヤを有する例示的な磁気プローブのSEM画像である。
【図7】本明細書に記載する主題の実施形態に従って付着したニッケル磁気ナノワイヤを有する例示的な磁気プローブの別のSEM画像である。
【図8】本明細書に記載する主題の実施形態に従って付着したニッケル磁気ナノワイヤを含む例示的な磁気力顕微鏡プローブのSEM画像である。
【図9】本明細書に記載する主題の実施形態に従って付着したニッケル磁気ナノワイヤを含む例示的な磁気力顕微鏡プローブのSEM画像である。
【図10】本明細書に記載する主題の実施形態に従って付着したニッケル磁気ナノワイヤを含む例示的な磁気力顕微鏡プローブのSEM画像である。
【図11】本明細書に記載する主題の実施形態による、磁気ナノ粒子を有する原子間力顕微鏡を使用して得られた磁気記録テープのトポグラフィック(topographic)画像である。
【図12】本明細書に記載する主題の実施形態による、磁気ナノ粒子を有する原子間力顕微鏡を使用して得られた磁気記録テープの磁気画像である。
【図13A】従来のSi原子間力顕微鏡プローブを使用して測定された較正試料の高さ形状を示すグラフである。
【図13B】本明細書に記載する主題に従って付着したニッケル磁気ナノワイヤを含む原子間力顕微鏡プローブを使用して測定された較正試料の高さ形状を示すグラフである。
【図13C】本明細書に記載する主題に従って付着した炭素ナノチューブを含む原子間力顕微鏡プローブを使用して測定された較正試料の高さ形状を示すグラフを示す。
【符号の説明】
【0030】
MN、MN1、MN2、MN3 磁気ナノワイヤ
O 物体
TP 鋭利な先端
100 システム
E 電極
PS 電力源
LM 液体媒体
PS 電力源
EF 電界
C 原子間力顕微鏡カンチレバー
400、500 先端
【技術分野】
【0001】
(政府の権益)
本発明は、米国航空宇宙局(NASA)によって与えられた認可番号5−5−58595の下で米国政府の支援によって行われた。米国政府は本発明において一定の権利を有する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2005年3月に出願された、(例えば、特許文献1参照)の利益を主張し、2004年5月10日に出願された、(例えば、特許文献2参照)の継続出願であり、これらの開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0003】
(技術分野)
本明細書で述べる主題は、ナノ構造を物体に付着させる方法およびシステムならびにそれらから形成される装置に関する。より詳細には、本明細書で述べる主題は、1つまたは複数の磁気ナノワイヤを物体に付着させる方法とシステムおよびそれらから形成される装置ならびに磁気ナノワイヤを使用して磁気力顕微鏡プローブを作製する電気泳動方法に関する。
【背景技術】
【0004】
磁気力顕微鏡(MFM)は、磁気記憶媒体などのシステムの表面磁気構造を調べるための非破壊的な実験技法である。MFMの分解能と感度は、MFMプローブの幾何形状と磁気特性に著しく依存する。MFMプローブは、通常、原子間力顕微鏡(AFM)カンチレバー(cantilever)の先端を、コバルトベースの合金などの硬質の強磁性材料層でコーティングすることによって作製される。このプロセスは、プローブの先端半径を増加させる。プローブの先端半径を増加させることによって、MFMの空間分解能は、約100nmに増加する場合がある。したがって、MFMプローブの先端半径を減少させることが望ましい。
【0005】
減少した半径を有するMFMプローブを作るための技法が調べられ、開発された。これらの技法は、電子ビーム堆積か、収束イオン・ビーム・ミリング(ion beam milling)のいずれかの使用を含む。1つの技法では、プローブのシリコン・カンチレバー(silicon cantilever)の頂部において、炭素ナノチューブ(CNT)を成長させ、付着させる。CNTは、ナノメートル・サイズの直径および大きなアスペクト(aspect)比を有する。CNTの使用は、AFMの空間分解能とプロービング(probing)深さを増加させる。
【0006】
CNTを含むMFMプローブを作るために、いくつかの異なる技法が開発されてきた。1つの技法では、磁気触媒粒子で覆われた単一複数壁炭素ナノチューブが、走査電子顕微鏡(SEM)のチャンバ内部の市販のシリコン・カンチレバーの頂部に取り付けられる。別の技法では、炭素ナノファイバが、直接化学気相堆積(CVD)を使用して先端無しSiカンチレバー上で成長した。先端成長CVDプロセスでは、カプセル封入された磁性粒子は、ナノファイバの頂上に配置され、磁気力を提供する。さらに別の技法では、磁性膜層を、シリコン・カンチレバーに取り付けるか、または、シリコン・カンチレバー上に接触反応で成長したCNTの外部表面上にスパッタリングすることによって、MFMプローブが作られる。CNT磁気プローブを使用することによって得られるイメージング結果は良好であるが、分解能およびプロービング深さが改良されたプローブを提供することが望ましい。
【特許文献1】米国仮特許出願第60/663,128号
【特許文献2】米国特許出願第10/842,357号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
既存の磁気顕微鏡デバイスの欠点を考慮して、これらのデバイスの性能および製造を改良する方法およびシステムならびにそれらから作られる装置を提供する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(要旨)
本開示によれば、磁気ナノワイヤを物体に付着させる新規な方法とシステムおよびそれらから形成される装置ならびに磁気ナノワイヤを使用して磁気力顕微鏡プローブを作製する電気泳動方法が提供される。
したがって、磁気ナノワイヤを物体に付着させる新規な方法とシステムおよびそれらから形成される装置を提供し、磁気顕微鏡デバイスなどのデバイスの製造および分解能を改良するために磁気ナノワイヤを使用して、磁気力顕微鏡プローブを作製するための新規な電気泳動方法を提供することが、本開示の目的である。本開示から明らかになるこの目的および他の目的は、本明細書に記載される主題によって、少なくとも全体に、または、部分的に達成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
(詳細な説明)
本明細書に記載される主題によるシステムおよび方法は、1つまたは複数の磁気ナノワイヤを物体の鋭利な先端に付着させるために使用することができる。例えば、本明細書に記載される主題によるシステムおよび方法は、1つまたは複数の磁気ナノワイヤを、原子間力顕微鏡の鋭利な先端に付着させるために使用することができる。
【0010】
図1は、本明細書に記載される主題の実施形態による、1つまたは複数の磁気ナノワイヤMNを物体Oの鋭利な先端TPに付着させるための、全体が100で示される例示的なシステムの略図である。この例では、物体Oは、原子間力顕微鏡のカンチレバーであることができる。あるいは、物体Oは、プロフィールメータ(profilometer)、電子顕微鏡用プローブ、電子電界放出陰極、ガス(gas)放出管、発光デバイス、マイクロ波電力増幅器、イオン銃、電子ビーム・リソグラフィ・デバイス(electron beam lithography device)、高エネルギー加速器、自由電子レーザ、およびフラット・パネル・ディスプレイの一部であることができる。システム100は、電極E、電力源PS、および全体がLMで示される液体媒体を含むことができる。電極E、先端TP、および磁気ナノワイヤMNは、液体媒体LM内に配置することができる。電力源PSは、液体媒体LM内に電界(全体がEFで示される)を生成するために、先端TPと電極Eの間に電圧差を印加することができる。電界EFによって、磁気ナノワイヤMNは、先端TPの方(方向矢印Aで示す方向)に移動し、先端TPに付着することができる。特に、磁気ナノワイヤMNの端部は先端TPに取り付けることができる。
【0011】
図2は、本明細書に記載される主題の実施形態による、1つまたは複数の磁気ナノワイヤを物体の鋭利な先端に付着させるための例示的なプロセスを示すフローチャートである。この例では、磁気ナノワイヤは、正の誘電泳動プロセスによって付着する。図2を参照すると、ブロック200にて、磁気ナノワイヤは、合成されるか、または、その他の方法で作られる。磁気ナノワイヤは、15〜50nm直径を有する陽極アルミナ・テンプレートを使用して電着することによって作製することができる。電着は、室温または任意の他の温度で行うことができる。硫酸ニッケルとホウ酸を含有する水溶液を、電解液として使用することができる。電着後に、室温か、または、別の適した温度で、リン酸の中にアルミナ・テンプレートを溶かすことによって、ナノワイヤを採取することができる。ナノワイヤは、その後、界面活性剤無しで脱イオン水内に分散され、遠心分離され、超音波浴において均質化されることができる。
磁気ナノワイヤは、以下の磁性材料、すなわち、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)、および鉄(Fe)のうちの少なくとも1つを含むナノワイヤであることができる。
【0012】
図3は、本明細書に記載する主題の実施形態による電着法によって合成されるニッケル磁気ナノワイヤのTEM画像を示す。ナノワイヤの長さは、約300nmから800nmまで変わる。ナノワイヤの直径は約20〜40nmである。
ナノワイヤを不純物から分離するため、また、直径と長さに基づいてナノワイヤを分類するために、磁気ナノワイヤは、ろ過、遠心分離、およびクロマトグラフィを含むいくつかの技法によって、任意選択で、精製することができる。磁気ナノワイヤは、その後、化学エッチングまたはボール・ミリング(ball milling)などの機械的プロセスによるなどで、長さを短縮するためのさらなる処理を受ける可能性がある。
【0013】
別の実施形態によれば、精製された磁気ナノワイヤは、機械的ミリング(milling)によって短縮することができる。この技法によれば、精製された磁気ナノワイヤ材料の試料は、適切なミリング媒体と共に、適した容器内部に設置される。容器は、その後、閉じられ、ボール・ミリング機の適した保持器内に設置される。試料がミリングされる時間は変わる可能性がある。適切なミリング時間量は、ミリングされたナノワイヤの検査によって容易に決定することができる。
【0014】
再び、図2を参照すると、ブロック202にて、磁気ナノワイヤは、図1に示す液体媒体LMなどの液体媒体内に設けられることができる。液体媒体内で未処理ナノワイヤの安定した懸濁状態の形成を可能にする液体媒体を選択することができる。一実施形態によれば、液体媒体は、以下の、すなわち、脱イオン水、メタノール、エタノール、アルコール、およびジメチルフォルムアミド(DMF)のうちの少なくとも1つを含む。安定した懸濁状態の形成を促進するために、ナノワイヤを液体媒体に添加することによって、混合物は、超音波エネルギー、または、例えば、磁気攪拌器棒を使用した攪拌を受けることができる。超音波エネルギーを当てる時間量は、約2時間などの適した時間であることができる。
【0015】
ブロック204にて、物体の鋭利な先端を、液体媒体内に配置することができる。例えば、物体Oの鋭利な先端TPは、図1に示すように、液体媒体LMの外側の位置から液体媒体LM内の位置まで徐々に移動することができる。一実施形態では、電極Eは、液体媒体LM内に配置された金属リングであることができる。さらに、電極Eおよび物体Oは、別個の併進ステージ上に取り付けられ、観察のために、光学顕微鏡の下に設置することができる。電極Eは、液体媒体LMに接触するように併進し、図1に示す位置に移動することができる。先端TPは、所定期間の間、液体媒体LM内に配置することができる。さらに、先端TPは、電極Eと先端TPの間に電気接触が確立するまで、液体媒体LMの方に移動することができる。
【0016】
ブロック206にて、磁気ナノ粒子を鋭利な先端に引き寄せるために、液体媒体に電界を印加することができる。所定期間の間、物体Oと電極Eの間に電界を生成するために、電力源PSは、物体Oと電極Eにわたって電圧を印加するように制御されることができる。電圧が物体Oと電極Eに印加されると、物体Oは、電極として機能することができる。さらに、印加電圧は、物体Oと電極Eに交流(AC)または直流(DC)を印加するように、可変に制御することができる。一実施形態では、印加電圧は、2MHzにおいて約1〜10Vであることができる。電界によって、磁気ナノ粒子は、鋭利な先端TPの方に移動し、鋭利な先端TPに付着することができる。物体Oと電極Eの間に印加された電界は、約0.1〜1000V/cmであることができ、0.1〜200mA/cm2のDCが、1秒〜1時間の間、印加されることができる。
【0017】
光学顕微鏡の誘導下で、電極Eは、電界の印加中に、液体媒体LMから引き出すことができる。1つまたは複数の磁気ナノワイヤの一端が鋭利な先端TPに付着することができる。付着した磁気ナノワイヤは、先端TPを有する磁気先端を形成することができる。磁気先端の長さは、電界下において、物体Oと電極Eが互いから離れて移動する距離によって制御することができる。電界下における物体Oと電極Eの互いからの移動によって、ナノワイヤが、真っ直ぐになり、移動方向に整列することができる。
一実施形態では、1つまたは複数の磁気ナノワイヤを物体と組み立てた後、保護材料を、磁気ナノワイヤおよび/または物体に塗布することができる。保護材料の一例は、ナノワイヤを損傷から保護し、組み立てられた構造の機械的安定性を増加させることができるポリマ被膜層である。
【0018】
一実施形態によれば、「チャージャ」を、電気泳動堆積を促進するために、液体媒体に添加することができる。例示的なチャージャは、MgCl2、Y(NO3)3、AlCl3、および水酸化ナトリウムを含む。任意の適した量が利用されることができる。ナノワイヤ含有材料の量を基準にして測定された、重量で、約1%未満から約50%までの範囲の量を使用することができる。別の実施形態によれば、液体媒体は、1%未満のチャージャを含有することができる。
磁気ナノワイヤが移動する方向は、チャージャ材料の選択によって制御することができる。例えば、水酸化ナトリウム(NaOH)などの「負の」チャージャの使用は、ナノワイヤに負電荷を与え、それによって、ナノワイヤが、正電極(陰極)の方に移動する傾向を生じる。逆に、MgCl2などの「正の」チャージャ材料が使用されると、正電荷が、ナノワイヤに与えられ、それによって、ナノワイヤが、負電極(陽極)の方に移動する傾向を生じる。
【0019】
磁気ナノワイヤの付着性は、結合剤などの付着性促進材を混合することによって改善することができる。これらの材料は、以下のプロセス、すなわち、ナノワイヤと付着性促進材の粒子の同時堆積、順次堆積、付着性促進材層の事前堆積などのうちの1つによって、導入することができる。1つの例では、磁気ナノワイヤは、物体の鋭利な先端に付着するために、アニーリングすることができる。アニーリングは、100℃〜600℃などの適した温度で行うことができる。さらに、磁気ナノワイヤは、約1〜60分などの適した期間の間、アニーリングすることができる。アニーリングは、約10−6トルの圧力または別の適した負圧で行うことができる。
【0020】
一実施形態では、ポリマ結合剤などの結合剤は、磁気ナノワイヤ材料の懸濁液に添加することができ、磁気ナノワイヤ材料の懸濁液は、その後、一様な懸濁液を得るために、攪拌されるか、または、超音波処理される。適したポリマ結合剤は、ポリ(ビニルブチラール−ビニルアルコール−ビニルアセテート共重合体)およびポリ(フッ化ビニリデン)を含む。適したチャージャは、印加されたDCかACの電界下で、結合剤とナノ構造が、同じ電極に移動して、結合剤とナノ構造の密な混合によって皮膜が形成されるように選択される。
結合剤または付着性促進材は、任意の適した量で添加することができる。ナノ構造含有材料の量を基準にして測定された、重量で0.1〜20%の範囲の量を提供することができる。
【0021】
図4は、本明細書に記載する主題の実施形態による、カンチレバーCの先端TPに付着した単一磁気ナノワイヤMNを有する原子間力顕微鏡カンチレバーCの略図を示す。図4を参照すると、磁気ナノワイヤMNの一端は、カンチレバーCの先端TPに付着する。さらに、ナノワイヤMNは、ほぼ真っ直ぐに、カンチレバーCの円錐軸に整列することができる。ナノワイヤMNの整列方向は、付着中に印加される電界の方向と同じである。磁気ナノワイヤMNとカンチレバーCの組み立て品の先端400は、単一磁気ドメインを有することができる。
【0022】
図5は、本明細書に記載する主題の実施形態による、カンチレバーCの先端TPに付着したいくつかの磁気ナノワイヤMN1、MN2、およびMN3を有する原子間力顕微鏡カンチレバーCの略図を示す。図5を参照すると、磁気ナノワイヤMN1およびMN2の一端は、本明細書に記載する付着プロセスによって、カンチレバーCの先端に、または、その近くに付着することができる。さらに、磁気ナノワイヤMN3は、本明細書に記載する付着プロセスによって、磁気ナノワイヤMN1およびMN2に付着することができる。磁気ナノワイヤMN1、MN2、およびMN3は、カンチレバーCの円錐軸に、また、互いにほぼ整列することができる。磁気ナノワイヤMN1、MN2、およびMN3と、カンチレバーCとの組み立て品の先端500は、単一磁気ドメインを有することができる。
【0023】
図6および7は、本明細書に記載する主題の実施形態に従って付着したニッケル磁気ナノワイヤを有する例示的な磁気プローブのSEM画像である。プローブ先端は、長さが約2μmで、先端の直径が約30nmである。磁気ナノワイヤの束が、プローブの先端に付着する。単一磁気ナノワイヤが、束から突き出て、小さな先端直径を提供する。コバルト磁気ナノワイヤを使用して形成されたプローブは、ニッケル磁気ナノワイヤを使用して形成されたプローブと同様な構造と形態を有する。
【0024】
図8、9、および10は、本明細書に記載する主題の実施形態に従って付着したニッケル磁気ナノワイヤを有する例示的な磁気力顕微鏡プローブのSEM画像である。プローブは、異なる長さと形態のナノワイヤを含む。これらのプローブは、10−6トルの真空下でアニーリングされた。実験中、800℃を超える温度でアニーリングされると、NiおよびCoナノワイヤが、大きな粒子に再結晶化することがわかった。750℃で約1時間の間アニーリングすることによって、先端を形成する個々のナノワイヤ間の付着性を改善することができるが、Siカンチレバー上の金属皮膜の凝塊が、アニーリング後に観察された。
液体媒体内での磁気ナノワイヤの集中と分散などの条件を変えることによって、電界強度、物体の先端が液体媒体表面から引っ張られる速度、物体の先端上での磁気ナノワイヤの間隔と整列を変えることができる。
【0025】
図11および12は、本明細書に記載する主題の実施形態による、磁気ナノ粒子を有する原子間力顕微鏡を使用して得られた磁気記録テープの、それぞれ、トポグラフィ(topographic)画像と磁気画像である。顕微鏡は、イメージング前に磁化された。イメージングに使用されるニッケル・ナノワイヤを有する顕微鏡プローブは、4μm×4μmエリア上で約30nmの先端直径を含んだ。本明細書に記載するシステムおよび方法による磁気ナノワイヤの付着によって、改善された空間分解能を得ることができることを、画像が実証している。
【0026】
図13A〜13Cは、異なる原子間力顕微鏡プローブを使用して測定された較正試料の高さ形状を示すグラフを示す。図13Aは、従来のSi原子間力顕微鏡プローブによって提供される測定された高さ形状を示す。図13Bは、本明細書に記載する主題に従って付着したニッケル磁気ナノワイヤを含む原子間力顕微鏡プローブによって提供される測定された高さ形状を示す。図13Cは、本明細書に記載する主題に従って付着した炭素ナノチューブを含む原子間力顕微鏡プローブによって提供される測定された高さ形状を示す。図13A〜13Cで測定される側壁角度は、それぞれ、68°、78°、および84°である。実際の側壁角度は90°である。
【0027】
本明細書に記載する主題によるシステムおよび方法は、プロフィールメータ、電子顕微鏡用プローブ、X線発生デバイスなどのデバイス用の電子電界放出陰極、ガス放出管、発光デバイス、マイクロ波電力増幅器、イオン銃、電子ビーム・リソグラフィ・デバイス、高エネルギー加速器、自由電子レーザ、およびフラット・パネル・ディスプレイに磁気ナノワイヤを組み込むために使用することができる。例えば、本明細書に記載の方法は単一のナノワイヤまたはナノワイヤの束を鋭利な先端に選択的に付着させるために使用できる。例えば、走査トンネル顕微鏡(STM)、磁気力顕微鏡(MFM)、および化学力顕微鏡(CFM)を含む顕微鏡用に使用される先端であることができる。
【0028】
さらに、本明細書に記載する主題によるシステムおよび方法は、任意の適した導電性ナノ粒子を鋭利な先端に付着させるのに使用することができる。例えば、システムおよび方法は、磁性材料を含む炭素ナノチューブなどのナノチューブを鋭利な先端に付着させるのに使用することができる。BxCyNz(B=ボロン(boron)、C=炭素、N=窒素)の組成を有するナノチューブ構造あるいは組成MS2(M=タングステン、モリブデン、または酸化バナジウム)を有する同心フラーレン構造を利用することができる。
本明細書に記載する主題の種々の詳細は、本明細書に記載する主題の範囲から逸脱することなく、変更されてもよいことが理解されるであろう。さらに、先の説明は、具体的に示すだけのためであり、制限するためではない。
主題の例示的な実施形態を、ここで、添付図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本明細書に記載される主題の実施形態による、1つまたは複数の磁気ナノワイヤを物体の鋭利な先端に付着させるための、例示的なシステムの略図である。
【図2】本明細書に記載される主題の実施形態による、1つまたは複数の磁気ナノワイヤを物体の鋭利な先端に付着させるための例示的なプロセスを示すフローチャートである。
【図3】本明細書に記載する主題の実施形態による電着法によって合成されるニッケル磁気ナノワイヤのTEM画像である。
【図4】本明細書に記載する主題の実施形態による、カンチレバーの先端に付着した単一磁気ナノワイヤを有する原子間力顕微鏡カンチレバーの略図である。
【図5】本明細書に記載する主題の実施形態による、カンチレバーの先端に付着したいくつかの磁気ナノワイヤを有する原子間力顕微鏡カンチレバーの略図である。
【図6】本明細書に記載する主題の実施形態に従って付着したニッケル磁気ナノワイヤを有する例示的な磁気プローブのSEM画像である。
【図7】本明細書に記載する主題の実施形態に従って付着したニッケル磁気ナノワイヤを有する例示的な磁気プローブの別のSEM画像である。
【図8】本明細書に記載する主題の実施形態に従って付着したニッケル磁気ナノワイヤを含む例示的な磁気力顕微鏡プローブのSEM画像である。
【図9】本明細書に記載する主題の実施形態に従って付着したニッケル磁気ナノワイヤを含む例示的な磁気力顕微鏡プローブのSEM画像である。
【図10】本明細書に記載する主題の実施形態に従って付着したニッケル磁気ナノワイヤを含む例示的な磁気力顕微鏡プローブのSEM画像である。
【図11】本明細書に記載する主題の実施形態による、磁気ナノ粒子を有する原子間力顕微鏡を使用して得られた磁気記録テープのトポグラフィック(topographic)画像である。
【図12】本明細書に記載する主題の実施形態による、磁気ナノ粒子を有する原子間力顕微鏡を使用して得られた磁気記録テープの磁気画像である。
【図13A】従来のSi原子間力顕微鏡プローブを使用して測定された較正試料の高さ形状を示すグラフである。
【図13B】本明細書に記載する主題に従って付着したニッケル磁気ナノワイヤを含む原子間力顕微鏡プローブを使用して測定された較正試料の高さ形状を示すグラフである。
【図13C】本明細書に記載する主題に従って付着した炭素ナノチューブを含む原子間力顕微鏡プローブを使用して測定された較正試料の高さ形状を示すグラフを示す。
【符号の説明】
【0030】
MN、MN1、MN2、MN3 磁気ナノワイヤ
O 物体
TP 鋭利な先端
100 システム
E 電極
PS 電力源
LM 液体媒体
PS 電力源
EF 電界
C 原子間力顕微鏡カンチレバー
400、500 先端
【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気ナノワイヤ(nano-wire)を物体の鋭利な先端に付着させる電気泳動方法であって、
(a)液体媒体内に磁気ナノワイヤを設けること、
(b)液体媒体内に物体の鋭利な先端を配置すること、および、
(c)前記磁気ナノワイヤを前記鋭利な先端に付着させるために、前記液体媒体に電界を印加することを含む方法。
【請求項2】
前記磁気ナノワイヤは、ニッケル、コバルト、および鉄からなる群から選択される磁性材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記磁気ナノワイヤは遷移金属を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記液体媒体は、水およびアルコールからなる群から選択される材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記磁気ナノワイヤを設けることは、前記磁気ナノワイヤを所定の直径と長さで作ることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記鋭利な先端は、原子間力顕微鏡プローブである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記液体媒体内に物体の鋭利な先端を配置することは、所定期間の間、前記液体媒体内に前記物体の前記鋭利な先端を配置することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記液体媒体内に物体の鋭利な先端を配置することは、電極と前記先端の間に電気接触が生じるまで、前記物体の前記鋭利な先端を前記液体媒体の方に移動することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記液体媒体に電界を印加することは、前記液体媒体内に電極を配置すること、および、前記物体と前記電極の間に電圧を印加することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記鋭利な先端と前記電極の間に電圧を印加することは、約1〜20ボルトのAC電圧を印加することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記鋭利な先端と前記電極の間に電圧を印加することは、前記物体と前記電極に交流を印加するために前記電圧を制御することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記液体媒体にチャージャ(charger)を添加することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記液体媒体に接着材料を添加することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記電界の印加中に、前記液体媒体から前記鋭利な先端を取り去ることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
液体媒体内に磁気ナノワイヤを設けることは、前記液体媒体内に複数の磁気ナノワイヤを設けることを含み、前記液体媒体に電界を印加することは、前記鋭利な先端に前記複数の磁気ナノワイヤを付着させるために、前記液体媒体に電界を印加することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
請求項1の方法に従って、鋭利な先端であって、鋭利な先端に付着した磁気ナノワイヤを備える、鋭利な先端を備える装置。
【請求項17】
磁気力顕微鏡プローブを作製する電気泳動方法であって、
(a)液体媒体内で1つまたは複数の予備成形された磁気ナノワイヤを分散すること、
(b)前記液体媒体に接触するように、鋭利な先端を配置すること、
(c)前記鋭利な先端と、前記液体媒体と接触する対向電極との間で電界を確立することを含み、前記電界は、前記電界の方向に前記1つまたは複数の磁気ナノワイヤを整列させ、前記1つまたは複数の磁気ナノワイヤを前記鋭利な先端の方に引き寄せ、
(d)前記鋭利な先端と前記液体媒体を分離することを含む方法。
【請求項18】
1つまたは複数の磁気ナノワイヤを物体の鋭利な先端に付着させるシステムであって、
(a)1つまたは複数の磁気ナノワイヤおよび物体の鋭利な先端を含む液体媒体と、
(b)液体媒体内に配置された電極と、
(c)前記1つまたは複数の磁気ナノワイヤを前記鋭利な先端に付着されるために、前記物体の前記鋭利な先端と前記電極の間の前記液体媒体内で電界を印加するように動作する電力源とを備えるシステム。
【請求項19】
前記1つまたは複数の磁気ナノワイヤは、ニッケル、コバルト、および鉄からなる群から選択される磁性材料を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記液体媒体は、水およびアルコールからなる群から選択される材料を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記液体媒体はチャージャを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
前記液体媒体は接着材料を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項23】
前記電力源は、前記物体と前記電極の間に、ある電圧を印加するように動作する、請求項18に記載のシステム。
【請求項24】
前記印加される電圧は約1〜20ボルトである、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記電力源は、前記物体と前記電極の間に交流を印加するように動作する、請求項18に記載のシステム。
【請求項26】
前記電力源は、前記物体と前記電極の間に直流を印加するように動作する、請求項18に記載のシステム。
【請求項27】
前記液体媒体は複数の磁気ナノワイヤを含み、前記電力源は、前記複数の磁気ナノワイヤを前記鋭利な先端に付着されるために、前記物体の前記鋭利な先端と前記電極の間の前記液体媒体内で電界を印加するように動作する、請求項18に記載のシステム。
【請求項28】
原子間力顕微鏡装置であって、
(a)鋭利な先端を含む物体と、
(b)前記鋭利な先端に付着した端部を含む少なくとも1つの磁気ナノワイヤとを備える原子間力顕微鏡装置。
【請求項29】
前記磁気ナノワイヤは、ニッケル、コバルト、および鉄からなる群から選択される磁性材料を含む、請求項28に記載の原子間力顕微鏡装置。
【請求項30】
前記磁気ナノワイヤの端部は、接着材料によって、前記先端に付着する、請求項29に記載の原子間力顕微鏡装置。
【請求項1】
磁気ナノワイヤ(nano-wire)を物体の鋭利な先端に付着させる電気泳動方法であって、
(a)液体媒体内に磁気ナノワイヤを設けること、
(b)液体媒体内に物体の鋭利な先端を配置すること、および、
(c)前記磁気ナノワイヤを前記鋭利な先端に付着させるために、前記液体媒体に電界を印加することを含む方法。
【請求項2】
前記磁気ナノワイヤは、ニッケル、コバルト、および鉄からなる群から選択される磁性材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記磁気ナノワイヤは遷移金属を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記液体媒体は、水およびアルコールからなる群から選択される材料を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記磁気ナノワイヤを設けることは、前記磁気ナノワイヤを所定の直径と長さで作ることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記鋭利な先端は、原子間力顕微鏡プローブである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記液体媒体内に物体の鋭利な先端を配置することは、所定期間の間、前記液体媒体内に前記物体の前記鋭利な先端を配置することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記液体媒体内に物体の鋭利な先端を配置することは、電極と前記先端の間に電気接触が生じるまで、前記物体の前記鋭利な先端を前記液体媒体の方に移動することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記液体媒体に電界を印加することは、前記液体媒体内に電極を配置すること、および、前記物体と前記電極の間に電圧を印加することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記鋭利な先端と前記電極の間に電圧を印加することは、約1〜20ボルトのAC電圧を印加することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記鋭利な先端と前記電極の間に電圧を印加することは、前記物体と前記電極に交流を印加するために前記電圧を制御することを含む、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記液体媒体にチャージャ(charger)を添加することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
前記液体媒体に接着材料を添加することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記電界の印加中に、前記液体媒体から前記鋭利な先端を取り去ることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
液体媒体内に磁気ナノワイヤを設けることは、前記液体媒体内に複数の磁気ナノワイヤを設けることを含み、前記液体媒体に電界を印加することは、前記鋭利な先端に前記複数の磁気ナノワイヤを付着させるために、前記液体媒体に電界を印加することを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
請求項1の方法に従って、鋭利な先端であって、鋭利な先端に付着した磁気ナノワイヤを備える、鋭利な先端を備える装置。
【請求項17】
磁気力顕微鏡プローブを作製する電気泳動方法であって、
(a)液体媒体内で1つまたは複数の予備成形された磁気ナノワイヤを分散すること、
(b)前記液体媒体に接触するように、鋭利な先端を配置すること、
(c)前記鋭利な先端と、前記液体媒体と接触する対向電極との間で電界を確立することを含み、前記電界は、前記電界の方向に前記1つまたは複数の磁気ナノワイヤを整列させ、前記1つまたは複数の磁気ナノワイヤを前記鋭利な先端の方に引き寄せ、
(d)前記鋭利な先端と前記液体媒体を分離することを含む方法。
【請求項18】
1つまたは複数の磁気ナノワイヤを物体の鋭利な先端に付着させるシステムであって、
(a)1つまたは複数の磁気ナノワイヤおよび物体の鋭利な先端を含む液体媒体と、
(b)液体媒体内に配置された電極と、
(c)前記1つまたは複数の磁気ナノワイヤを前記鋭利な先端に付着されるために、前記物体の前記鋭利な先端と前記電極の間の前記液体媒体内で電界を印加するように動作する電力源とを備えるシステム。
【請求項19】
前記1つまたは複数の磁気ナノワイヤは、ニッケル、コバルト、および鉄からなる群から選択される磁性材料を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記液体媒体は、水およびアルコールからなる群から選択される材料を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項21】
前記液体媒体はチャージャを含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項22】
前記液体媒体は接着材料を含む、請求項18に記載のシステム。
【請求項23】
前記電力源は、前記物体と前記電極の間に、ある電圧を印加するように動作する、請求項18に記載のシステム。
【請求項24】
前記印加される電圧は約1〜20ボルトである、請求項23に記載のシステム。
【請求項25】
前記電力源は、前記物体と前記電極の間に交流を印加するように動作する、請求項18に記載のシステム。
【請求項26】
前記電力源は、前記物体と前記電極の間に直流を印加するように動作する、請求項18に記載のシステム。
【請求項27】
前記液体媒体は複数の磁気ナノワイヤを含み、前記電力源は、前記複数の磁気ナノワイヤを前記鋭利な先端に付着されるために、前記物体の前記鋭利な先端と前記電極の間の前記液体媒体内で電界を印加するように動作する、請求項18に記載のシステム。
【請求項28】
原子間力顕微鏡装置であって、
(a)鋭利な先端を含む物体と、
(b)前記鋭利な先端に付着した端部を含む少なくとも1つの磁気ナノワイヤとを備える原子間力顕微鏡装置。
【請求項29】
前記磁気ナノワイヤは、ニッケル、コバルト、および鉄からなる群から選択される磁性材料を含む、請求項28に記載の原子間力顕微鏡装置。
【請求項30】
前記磁気ナノワイヤの端部は、接着材料によって、前記先端に付着する、請求項29に記載の原子間力顕微鏡装置。
【図1】
【図2】
【図4】
【図5】
【図13】
【図3】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図4】
【図5】
【図13】
【図3】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−292739(P2006−292739A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2006−74559(P2006−74559)
【出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【出願人】(501345323)ザ ユニバーシティ オブ ノース カロライナ アット チャペル ヒル (52)
【氏名又は名称原語表記】THE UNIVERSITY OF NORTH CAROLINA AT CHAPEL HILL
【住所又は居所原語表記】308 Bynum Hall,Campus Box 4105,Chapel Hill,North Carolina 27599−4105, United States of America
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−74559(P2006−74559)
【出願日】平成18年3月17日(2006.3.17)
【出願人】(501345323)ザ ユニバーシティ オブ ノース カロライナ アット チャペル ヒル (52)
【氏名又は名称原語表記】THE UNIVERSITY OF NORTH CAROLINA AT CHAPEL HILL
【住所又は居所原語表記】308 Bynum Hall,Campus Box 4105,Chapel Hill,North Carolina 27599−4105, United States of America
【Fターム(参考)】
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