説明

磁気浮揚装置

【課題】水平平面上の磁石の安定性及び垂直軸の位置固定の制御が簡単に行えるようにする。
【解決手段】極の対面方向では無く横並び側面方向を基本とした位置関係の反発力を利用する様にしたのである。引力関係になろうとする動きを僅かの力で制御することが可能となる。また、電磁石の引力が中心に引きつける構造のため磁石の反発力に勾配を持たせているため、電磁石が引けば引くほど、磁石は中心に向かう力が増えるため、反発するにも拘わらずね中心へと安定的に留まることになるのである。また、水平状態が対称に反発力がかかるため水平からの変動を押さえ込む働きがあるのである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、磁気浮揚に関するものである。
【特許文献1】特開1996−57157号公報
【背景技術】
【0002】
従来の磁気浮揚は上部からの電磁石と検出回路による吊すタイプの構造であった。また、永久磁石だけの上部浮揚は宇宙ゴマ玩具として存在はしている。しかし、持続的、電気的制御による物は知る限りでは存在を確認されては居ない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
安定的に空中浮揚を上部に起こさせるため、磁石の斥力を利用することを特徴したものである。磁石の引力、斥力の制御は非常に難しく、アーン・ショーの定理では安定点はなく永久磁石のみでは安定持続的な空中浮揚はできないとされている。
【0004】
そこで、斥力が働く位置関係で有効なものを見つけ比較的簡単な構造を考え出したものである。磁石のSNの対極による反発力を避けて側面同士の反発を利用したことによりSN吸着が起こりにくくなり、また位置制御の弱い吸引力でも容易に制御可能となっているのである。
【0005】
また、第二発明は、一般的な磁気検知素子であるホール素子、磁気抵抗素子などや光、レーザーなどの位置検出手段を使用しないところである。コイルの見掛け上のインダクタンス変位を位置検出に利用したものである。
【発明の効果】
【0006】
第一発明、または第二発明によれば、空中浮揚が超伝導浮揚と同じ様に上部に浮く状態を作り出すことが可能となった。斥力が水平平面上では電磁石のある中心方向と垂直上方に働くため、水平の安定と中心位置の確保が容易となっているのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
安定性の観点から浮揚側には5個の磁石で構成し、浮揚制御させる側は4個の磁石と1個の電磁石で構成されている。飽くまで実施のためのものであり磁石の増減は可能であり、斥力の位置関係が本質的な部分である。磁石の数を増減させた結果は、確かに個数が多い程、安定化し、大きさも必然的に大きくすることは出来る。今回の構成は最小の構成として最良と考えられる。
【0008】
「実施形態の効果」
この実施形態によれば、XY(水平)平面上の磁石の安定性及びZ(垂直)軸の位置固定が制御が比較的簡単に行える。その結果、制御回路は制御部分のフィードバック回路はたった1個のオペアンプで構成されている。
【0009】
「他の実施形態」
磁石の数を変えて実施した結果、斥力の磁石位置を確保しながら相対的に中心から離す構造が可能であり、究極の形態としてリング上一体の磁石構成も容易に推測可能である。
【産業上の利用可能性】
【0010】
空中浮揚は接触するところが無く摩擦や抵抗などを無くすことができるため、摩耗劣化、振動等の削減や浮遊移動などの応用が可能な分野で効果を期待することができる。また、下部に吊す従来のタイプでは出来なかったものが、全ての向きで可能となるため、その利用可能性は格段に飛躍するものである。
【0011】
空中浮揚はマジックなどに使われているが通常紐などで支持するもので、本当に浮いている訳ではない。しかし、これを使えば、電気磁気的に浮く現象を本当に起こすことができるのである。
【0012】
教材用の実験装置もしくは、玩具、インテリア、装飾展示物などの応用として、通常では起こりえない不思議さを味わうことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の一実施形態を示す斜視図である。
【図2】この発明の一実施形態を示す上面図である。
【図3】この発明の一実施形態を示す側面図である。
【符号の説明】
【0014】
1a〜1d 斥力用磁石(浮遊側)
1e 引力用磁石
2a 位置検出用コイル(浮遊側)
2b 位置検出用コイル(制御側)
3a〜3d 斥力用磁石(制御側)
4 引力制御用電磁石(制御側)
*永久磁石の極性は円筒の平面側をSNとするものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数個の永久磁石の斥力及び電磁石の引力を利用した下から上部に空中浮揚させるための装置。
【請求項2】
S−S、N−Nの極の対面の反発力を使用せず、側面方向の反発を基本とした構造であることで垂直水平相対角度45度付近で若干の位置ずれによる斥力の傾斜を利用するものである。
【請求項3】
水平面上に同心円上もしくは楕円上に磁石を配置し中心に斥力の一部が向くようにしたものである。磁石の増減により、反発の間隔を考慮して任意に同心円の大きさ決めることができる。究極として同心円上配置と等価なリング状の磁石でも可能であることは容易に推測出来ることである。
【請求項4】
浮揚させるものの位置の検出にホール素子、磁気抵抗素子、光素子等を使用しない方法である。L(インダクタンス)の変化を利用した位置検出を特徴とするものである。
【請求項5】
制御装置にオペアンプを使った線形サーボ回路を含んでいることを要件としたものである。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−3997(P2010−3997A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−186516(P2008−186516)
【出願日】平成20年6月23日(2008.6.23)
【出願人】(508216769)有限会社ビデオテック (1)