説明

磁気記録再生装置

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、カメラ一体型磁気記録再生装置等に使用される保持機構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、カメラ一体型磁気記録再生装置には、カメラ部及びファインダと磁気記録再生部を第1の筐体に収納し、モニター画面部を第2の筐体に有するものがある。
【0003】
以下、図面を参照しながら従来の構成について説明する。
図5は従来の保持機構を備えたカメラ一体型磁気記録再生装置を示すもので、VTR部1とテレビカメラ部2を配置した第1の筐体と、ヒンジ4により2軸の回動が自在となるモニター画面3を備えた第2の筐体からなり、第1の筐体はヒンジ4下部付近に任意の2ポジションに回動自在な保持部材5を有している。
【0004】
以上のように構成された従来の保持機構について、以下その動作について説明する。
【0005】
図7(A)のように水平な場所でモニター画面3をヒンジ4を備えた第2の筐体をVTR部1とテレビカメラ部2を備えた第1の筐体に対して垂直に開き、さらに、ヒンジ4によりモニター画面3を任意の角度に回転させた状態で撮影・再生する場合に、保持部材5を図6(A)のような状態で使用し、保持部材5の5dの面で支えることにより、モニター画面3の自重によって磁気記録再生装置が図7(B)のX方向に傾くことを防止している。
【0006】
また、図8(A)のように水平な場所で、モニター画面3を外側に向けて第1の筐体に収納した状態で再生する場合に、保持部材5を図6(B)のような状態で使用し、保持部材5の5eの面で支えることにより、図8(B)のように磁気記録再生装置が傾きモニター画面3を見やすくすることができる。
【0007】
さらに、図8(B)の状態で保持部材5を使用する時、第1の筐体の上部方向から強い荷重Pがかかる場合を想定し、図6(B)の保持部材5の回動中心5aに弾性を持たせることにより、保持部材5の破壊を防止している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記の従来の構成では、水平な場所で第2の筐体を第1の筐体に対して垂直に開き、さらに、ヒンジ4によりモニター画面3を180°回転させた状態、つまり対面での撮影時において、撮影者自身を撮影する場合には、撮影者がテレビカメラ部2の画角に入るように移動しなければならず、もしくは、本等を第1の筐体の下部にはさんで、テレビカメラ部2の角度や高さを調整して撮影者が画角に入るようにしなければならず、カメラのセッティングが非常に煩雑であるという問題点を有していた。
【0009】
また、図8(B)の状態で保持部材5を使用する場合、第1の筐体の上部方向から強い荷重Pがかかると、図6(B)の保持部材5の回動中心5aの弾性により磁気記録再生装置は安定せず、荷重Pの量がさらに大きくなると、保持部材5は図8(B)のY方向への回転モーメントにより破壊しやすくなるという問題点を有していた。
【0010】
本発明は、上記従来の問題点を解決するもので、従来同様モニター画面3での撮影・再生時に磁気記録再生装置の傾きを防止したり、モニター画面3を反転して第1の筐体に収納した状態での再生時にモニター画面3が見やすくなるのに加え、対面撮影時にテレビカメラ部2を上向きに傾けることによりカメラ画角が確保しやすくなり、また、第1の筐体の上部方向からの強い荷重Pにより保持部材5が任意のポジションから所定のポジションに復帰することができる磁気記録再生装置保持機構を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために本発明の磁気記録再生装置は、記録再生部と被写体側に設けられたカメラ部と、前記カメラ部の方向に対して対向方向を向くように設けられたファインダ部とを備えた第1の筐体と、
前記第1の筐体の側面にヒンジにより回動自在に設けられモニター画面を有する第2の筐体とからなる磁気記録再生装置であって、
前記第1の筐体の下部に本装置を支持するように回動自在に保持部材を備え、
前記保持部材は、前記第1の筐体を本装置の接地面に対して水平に支持する際に接地する第1の平面部と、
前記カメラ部が略上方向に所定角度を持つように前記第1の筐体を支持する際に接地する第2の平面部と、
前記第1の筐体における前記第2の筐体が設けられた側面が略上方向を向くように前記第1の筐体を支持する際に接地する第3の平面部とを有するものである。
【0012】
この構成によって、従来通りモニター画面での撮影及び再生時に装置の傾きを防止したり、モニター画面を反転して収納した状態での再生時にモニター画面を見やすくすると共に、対面撮影時のカメラ画角が確保しやすくなり、また、第1の筐体の上部方向からの強い荷重により保持部材が任意のポジションから所定のポジションに復帰することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の請求項1及び2に記載の発明は、記録再生部と被写体側に設けられたカメラ部と、前記カメラ部の方向に対して対向方向を向くように設けられたファインダ部とを備えた第1の筐体と、
前記第1の筐体の側面にヒンジにより回動自在に設けられモニター画面を有する第2の筐体とからなる磁気記録再生装置であって、
前記第1の筐体の下部に本装置を支持するように回動自在に保持部材を備え、
前記保持部材は、前記第1の筐体を本装置の接地面に対して水平に支持する際に接地する第1の平面部と、
前記カメラ部が略上方向に所定角度を持つように前記第1の筐体を支持する際に接地する第2の平面部と、
前記第1の筐体における前記第2の筐体が設けられた側面が略上方向を向くように前記第1の筐体を支持する際に接地する第3の平面部とを有するものであり、この構成によって、従来通りモニター画面での撮影及び再生時に装置の傾きを防止したり、モニター画面を反転して収納した状態での再生時にモニター画面を見やすくすると共に、対面撮影時のカメラ画角が確保しやすくなり、また、第1の筐体の上部方向からの強い荷重により保持部材が任意のポジションから所定のポジションに復帰することができる。
【0014】
(実施の形態1)
図1(A)(B)(C)は、本発明の磁気記録再生装置における保持機構の構成を示すもので、それぞれポジションA1、ポジションB1、ポジションC1とする。
【0015】
図2(A)(B)のように水平な場所でモニター画面3とヒンジ4を備えた第2の筐体をVTR部とテレビカメラ部を備えた第1の筐体に対して垂直に開き、さらにヒンジ4によりモニター画面3を任意の角度に回転させた状態で撮影・再生する場合に、保持部材5を図1(A)のような状態で使用し、保持部材5の5bの面で支えることにより、モニター画面3の自重によって磁気記録再生装置が図2(B)の矢印X方向に傾くことを防止している。
【0016】
図3(A)(B)のように水平な場所で前記第2の筐体を前記第1の筐体に対して垂直に開き、さらに、ヒンジ4によりモニター画面3を180°回転させた状態、つまり対面での撮影時において、保持部材5を図1(B)のポジションB1の状態で使用し、保持部材5の5cの面で支えることにより、テレビカメラ部2が上方向に角度を持ち、撮影時におけるカメラ画角の確保が容易となる。
【0017】
図4(A)(B)のように水平な場所で、モニター画面3を外側に向けて前記第1の筐体に収納した状態で再生する場合に、保持部材5を図1(C)のポジションC1の状態で使用し、5cの面で支えることにより、磁気記録再生装置が傾き、モニター画面を見やすくすることができる。
【0018】
また、図3(A)(B)や図4(A)(B)の状態で、第1の筐体の上部方向から強い荷重Pがかかると、保持部材5はZ方向への回転モーメントによりポジションB1、ポジションC1からポジションA1へ復帰することが可能である。
【0019】
以上のように本実施の形態によれば、VTR部とテレビカメラ部を配置した第1の筐体と、この第1の筐体の側面にヒンジにより2軸の回動が自在となるモニター画面からなる磁気記録再生装置の第1の筐体のヒンジ下部付近に任意の3ポジションに回動自在な保持部材を有し、その保持部材が任意の3つのポジションに回動自在に変化し、第1の筐体の姿勢を変えることにより第2の筐体のモニター画面を見やすくすることが可能であり、また、第1の筐体の上部方向から強い荷重がかかると保持部材は任意のポジションより所定のポジションに復帰することが可能である。
【0020】
【発明の効果】
以上のように本発明は、従来同様モニター画面での撮影・再生時に磁気記録再生装置の傾きを防止したり、モニター画面を反転してVTR部とテレビカメラ部を備えた第1の筐体に収納した状態での再生時にモニター画面が見やすくなるのに加え、対面撮影時にテレビカメラ部2を上向きに傾けることによりカメラ画角が確保しやすくなり、また、第1の筐体の上部方向からの強い荷重Pにより保持部材が任意のポジションから所定のポジションに復帰するという優れた効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気記録再生装置の実施の形態における保持部材の状態を示す側面図
【図2】(A)同実施の形態における使用状態を示す斜視図
(B)同実施の形態における使用状態を示す正面図
【図3】(A)同実施の形態における使用状態を示す正面図
(B)同実施の形態における使用状態を示す側面図
【図4】(A)同実施の形態における使用状態を示す斜視図
(B)同実施の形態における使用状態を示す正面図
【図5】従来の磁気記録再生装置の斜視図
【図6】同装置における保持部材の構成を示す側面図
【図7】(A)同装置における使用状態を示す斜視図
(B)同装置における使用状態を示す正面図
【図8】(A)同装置における使用状態を示す斜視図
(B)同装置における使用状態を示す正面図
【符号の説明】
1 VTR部
2 テレビカメラ部
3 モニター画面
4 ヒンジ
5 保持部材
5a 回動中心
5b ポジションA1での接地面
5c ポジションB1,C1での接地面
5d ポジションA2での接地面
5e ポジションB2での接地面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録再生部と被写体側に設けられたカメラ部と、前記カメラ部の方向に対して対向方向を向くように設けられたファインダ部とを備えた第1の筐体と、
前記第1の筐体の側面にヒンジにより回動自在に設けられモニター画面を有する第2の筐体とからなる磁気記録再生装置であって、
前記第1の筐体の下部に本装置を支持するように回動自在に保持部材を備え、
前記保持部材は、前記第1の筐体を本装置の接地面に対して水平に支持する際に接地する第1の平面部と、
前記カメラ部が略上方向に所定角度を持つように前記第1の筐体を支持する際に接地する第2の平面部と、
前記第1の筐体における前記第2の筐体が設けられた側面が略上方向を向くように前記第1の筐体を支持する際に接地する第3の平面部とを有することを特徴とする磁気記録再生装置。
【請求項2】
保持部材は、第1の筐体に設けられたカメラ部の光軸に対し垂直方向に回動可能なことを特徴とする請求項1記載の磁気記録再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【特許番号】特許第3598652号(P3598652)
【登録日】平成16年9月24日(2004.9.24)
【発行日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平8−121261
【出願日】平成8年5月16日(1996.5.16)
【公開番号】特開平9−307844
【公開日】平成9年11月28日(1997.11.28)
【審査請求日】平成13年7月11日(2001.7.11)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【参考文献】
【文献】特開平05−284403(JP,A)
【文献】特開平04−156068(JP,A)