説明

磁気記録媒体及びその製造方法

【課題】
記録再生特性に優れ、かつ、キラキラした光輝感に加え、背景色の色調を容易に調整可能な意匠性の高い層を磁気記録層上に有するカード状磁気記録媒体を提供する。
【解決手段】
非磁性支持体上の少なくとも一部に磁気記録層を含む層を積層したカード状磁気記録媒体であって、前記磁気記録層上には、リン片状金属粉末及び金属薄膜細片の少なくとも1つ、ならびに結着樹脂を含んだ光反射量調整層を有し、さらにその上に、光輝性粒子を含有する光輝性塗膜層を有し、前記光反射量調整層による磁気記録層の隠蔽を、完全な隠蔽から低下させる方向へと変化させ、光反射量調整層を通して視認される磁気記録層の色相を利用して、光揮性塗膜層を有する領域の彩度及び/または明度を調整したカード状磁気記録媒体。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なメタリック調外観を有するカード状磁気記録媒体、該磁気記録媒体の製造方法、及び該磁気記録媒体を製造するための転写用積層体に関する。更に詳しくは、光輝性粒子の多方向反射による高輝度のキラキラした光輝感を有し、背景色の明度と彩度の調整が容易なカード状磁気記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
クレジットカード、銀行カードなど高い意匠性を要求される磁気カードにおいて、近年キラキラとした光輝感を有するカードデザインが用いられるようになってきている。これは、自動車車体などに使用される光輝性粒子をカード基体に応用したものであり、光輝性粒子としてはガラス等を母材とするフレーク状基体に金属等を被覆させた粒子が用いられている。該粒子を含有する層をカード上に設けることにより、カードへの入射光は、高反射率を有する該粒子表面で多方向に反射して、カード上に高輝度の輝点を多数発生させる。しかも観察方向によって輝点の輝度と分布状況が変化するため高い意匠性が発揮される。
【0003】
一方、磁気カードに設けられる磁気ストライプ部分に付与される意匠としては、カード全体とのデザイン調和性の観点から、磁気ストライプの部分が、下地としてカード基体の部分と同様な背景色を有し、及びキラキラとした光輝感を持ち、更に上記背景色に任意の色相を設定できる事が好ましい。
しかし、磁気ストライプ部分に、光輝性粒子と結着樹脂、及び必要に応じて着色顔料とを含有する光輝性塗膜層を適応させた場合、光輝性粒子自身が隠蔽性に劣るため、磁気記録層が元来持つ磁性粉由来の黒色や茶色を完全に隠蔽出来ずに彩度、明度を向上させることが出来ない。また、磁気記録層の色を隠蔽するため、光輝性塗膜層の着色顔料の含有量を増すと、入射光が減衰し易くなり光輝性粒子によるキラキラとした光輝感が失われる。このため光輝性粒子の光輝感を維持しつつ、背景色として任意の色相を用いたり、磁気ストライプの形成部分に係わらずカード全面に一様な光輝感を付与したりすることは困難で、カードに意匠を付与する際の自由度が制限されていた。
【0004】
例えば、磁気カード表面を光沢のある鮮明な色合いにするために、直接磁気記録層上に、金属蒸着層によるマスキング無しで、雲母や雲母状酸化鉄の表面に二酸化チタンや二酸化ジルコニウムなどを被覆したパール調(真珠色)顔料を用いた着色層を形成し、光沢と鮮明な色相の付与を試みた磁気記録媒体が開示されている(特許文献1)。
しかしながら、この方法においては、雲母を母材とした場合は、キラキラとした光輝感に乏しい上、磁気記録層の隠蔽が十分ではなく背景色に高い彩度を実現できない。また、雲母状酸化鉄を母材とした場合は、母材自身が赤色を呈しているため、赤色系の色相には適応可能であるが、他の色相に適応させることは出来ない。
【0005】
一方、磁気記録層を隠蔽する方法については、隠蔽層としてアルミニウムや錫の蒸着層を用いることが広く行われている。これら隠蔽層は薄い膜厚で磁気記録層の色調を隠蔽することが可能である。しかしながら高い反射率を有するため背景が明るくなりすぎて、光輝性粒子を用いたときに、光輝性粒子特有のキラキラ感が減殺されるという不都合がある。蒸着層の膜厚を極めて薄く制御して反射率を低めに設定することは、一般的に困難である。
また、転写用基材上に、転写用基材に近い側から、保護層、着色層、隠蔽層、磁気記録層、接着剤層が積層された転写型磁気テープを用いて、結着樹脂および金属薄膜細片を含有させた隠蔽層の塗膜厚を1μm以下とすることにより、記録再生特性を悪化させることなく磁気記録層の色合いを完全に隠蔽させる事が開示されている(特許文献2)。しかしながら、本引用文献に記載された隠蔽層の構成を用いて、さらにその上に光輝性塗膜層を形成させた場合、黒色または茶褐色の磁気記録層を隠蔽した上で、再生出力を低下させず、磁気ストライプにキラキラとした光輝感を持たせ、しかも背景色の高い明度、彩度及びそれらの広範囲な調整を実現できるか否かは不明であり検討されていなかった。
【0006】
一方車体塗装の分野では、光輝性塗膜層の下にアルミニウム粉末を含有するメタリック層を隠蔽層として設ける方法が開示されている(特許文献3)。
しかし、本引用文献に記載されたメタリック層は下地層を隠蔽するためにかなりの膜厚を要し、本層構成をそのまま磁気カードに適用したのでは、隠蔽層と光輝性塗膜層の膜厚が厚すぎて、磁気記録層の記録再生特性が大幅に低下することが避けられなかった。
【特許文献1】特開平2−122421号公報
【特許文献2】特開2002−304718号公報
【特許文献3】特開平2−160079号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、記録再生特性に優れ、かつ、キラキラした光輝感と、多様な色相、彩度、明度を有する背景色の外観を有するカード状磁気記録媒体及び該磁気記録媒体の製造方法、および該製造方法に用いる転写用積層体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、非磁性支持体上の少なくとも一部に磁気記録層を含む層を積層したカード状磁気記録媒体であって、前記磁気記録層上には、リン片状金属粉末及び金属薄膜細片の少なくとも1つ、ならびに結着樹脂を含んだ光反射量調整層を有し、さらにその上に、光輝性粒子を含有する光輝性塗膜層を有し、前記光輝性塗膜層を形成した領域の波長400〜700nmの入射光における拡散反射光の最大反射率が20〜70%であることを特徴とするカード状磁気記録媒体を提供する。
本発明の光輝性粒子を含有する層を、リン片状金属粉末及び/または金属薄膜細片、ならびに結着樹脂を含有する光反射量調整層を介して、磁気カードの磁気記録層上に形成し、前記光輝性塗膜層を形成した領域の波長400〜700nmの入射光における拡散反射光の最大反射率が20〜70%であるようにすることにより、磁気記録層の記録再生特性を大幅に低下させることなく磁気記録層の色調を隠蔽することができ、種々の明度の背景色を背景に入射光の乱反射によるキラキラ感を有する外観を形成することができる。その結果磁気カードの意匠性を大幅に向上させることができる。
【0009】
さらに本発明は、非磁性支持体上の少なくとも一部に形成された磁気記録層上に、背景色と該背景色中に一様分布する輝点とを有する図柄を形成するカード状磁気記録媒体の製造方法であって、前記磁気記録層上にはリン片状金属粉末及び金属薄膜細片の少なくとも1つ、ならびに結着樹脂を含んだ光反射量調整層と、結着樹脂及び光輝性粒子を含有する光輝性塗膜層とをこの順に形成し、かつ、前記光反射量調整層の膜厚、及びリン片状金属粉末及び/又は金属薄膜細片の含有量の少なくとも1つを、前記磁気記録層を完全に隠蔽するのに必要な値より小さい方向へと変化させて、前記背景色の明度及び彩度を調整することを特徴とするカード状磁気記録媒体の製造方法を提供する。
光反射量調整層の膜厚、もしくはリン片状金属粉末または金属薄膜細片の含有量を、磁気記録層を完全に隠蔽するのに必要な値より小さい方向へと変化させて形成することにより、前記光反射量調整層の反射率および明度を好適に調整することができ、その結果、その上に光輝性塗膜層を形成した領域の波長400〜700nmの入射光における拡散反射光の最大反射率が20〜70%であるように調整することができる。
【0010】
さらに本発明は、上記カード状磁気記録媒体の転写工程を経た製造に用いられる転写用積層体であって、転写用基材上に、鏡面状の光沢面を有する光輝性粒子を含有する光輝性塗膜層、光反射量調整層、及び磁気記録層がこの順に積層され、前記光反射量調整層はリン片状金属粉末及び金属薄膜細片の少なくとも1つ、並びに結着樹脂を含んでいることを特徴とする転写用積層体を提供する。
本発明の転写用積層体を用いることによって、光輝性塗膜層によって意匠性を付与された磁気カードを、転写工程を経て容易に作製することができる。
【発明の効果】
【0011】
磁気記録層上に、リン片状金属粉末または金属薄膜細片ならびに結着樹脂を含有する光反射量調整層を形成し、さらにその上に光輝性粒子を含有する層を形成した本発明のカード状磁気記録媒体は、磁気記録層の記録再生特性を大幅に低下させることなく磁気記録層の色調を隠蔽して、かつキラキラ感を有する外観を付与することが可能である。また光反射量調整層による反射のため、光輝性粒子による入射光の乱反射に基づくキラキラ感を向上させることができ、きわめて意匠性が高い。
【0012】
隠蔽性の高い光反射量調整層は極めて薄くすることが可能であり、記録再生特性に重大な影響を与えない範囲で膜厚を調整することにより、入射光に対する反射量、及び磁気記録層の色に対する隠蔽度を制御できる。このためキラキラ感を有する外観の背景色の明度を光反射量調整層の膜厚により調整することができ、従ってキラキラした光輝感を維持しつつ背景色のみの明度を調整することができる。また光輝性粒子とともに光輝性塗膜層に着色顔料を用いたときは、背景色の明度、彩度、色相を、キラキラした光輝性粒子の輝点の光輝感を損ねること無く、広範囲で適宜調整することができる。なお、これら調整は光反射量調整層のリン片状金属粉末または金属薄膜細片の含有量を調整することで行うこともできる。
また、本発明のカード状磁気記録媒体により、磁気カードとしての特性の点でも磁気記録再生特性が良好で、記録情報の読み出しエラーが発生しないカード状磁気記録媒体を得ることが可能になる。
また本発明の転写用積層体を用いて、これを磁気ストライプの幅に裁断して形成されうる転写型磁気テープは、クレジットカード、銀行カードなど高い意匠性を要求される磁気カードの製造に使用されて、キラキラとした光輝感を有するカードデザインを実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を詳細に説明する。
まず初めに、本発明の転写用積層体と該積層体によって製造される本発明のカード用磁気記録媒体の一態様の例について図面をもとに詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の転写用積層体は、転写用基材1、転写用基材1との剥離性を有し、かつ、カードに転写された後は磁気カードの最表面の層として磁気ストライプを保護する機能も有し、必要に応じて形成されうる保護層2、光輝性塗膜層3、光輝性塗膜層3上に設けられた光反射量調整層4、光反射量調整層4上に設けられた磁気記録層5、磁気記録層5上に必要に応じて設けられた接着剤層6を順次積層して製造される。
本発明のカード用磁気記録媒体は前記転写用積層体によって製造することができる。そのためには、図2に示すように、転写用積層体を裁断して形成した転写型磁気テープの接着剤層とカード基材とを向かい合わせて重ね、加熱、および加圧してカード基材と磁気記録層を含む積層体とを接着せしめ、その後、転写用基材を剥離、除去し、カード基材表面に保護層を最表層として転写用積層体(転写型磁気テープ)の層構成を転写する。その後必要に応じて熱圧プレスを行い、磁気記録層を含む層を図3に示すようにカード基材内に埋め込み、これを所定寸法に打ち抜くことにより磁気カードが完成する。
【0014】
以下に転写用積層体の各層について、転写用支持体上に形成される順に詳細な説明を行う。
本発明において転写用基材としては公知慣用のフィルムがいずれも使用できる。例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル類、ポリプロピレン等のポリオレフィン類、セルローストリアセテート等のセルロース誘導体、ポリアミド等のプラスチックフィルムを挙げることができる。中でも抗張力や耐熱性を兼ね備えたポリエチレンテレフタレートが好ましい。また、転写用基材の厚さには特に制限はないが、通常3〜100μm、好ましくは5〜50μmである。
【0015】
本発明のカード状磁気記録媒体の製造に用いる転写用積層体においては保護層を用いることが出来る。保護層は、例えば、結着樹脂、フィラー等を溶剤に溶解、混合した保護層用塗料を、リバース方式、グラビア方式、ダイコート方式等の公知慣用の方式で転写用機材上に塗布することにより得られる。
保護層を構成する結着樹脂は必要に応じて選択可能であるが、例えば、セルロース系樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体、あるいは、それにさらにビニルアルコール、無水マレイン酸あるいはアクリル酸などを加えた共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、およびこれらの樹脂の混合物を挙げることができる。
保護層用塗布液に使用する溶剤は必要に応じて選択可能であるが、例えばアセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類、エタノール等のアルコール類、ヘキサン、トルエン、キシレン等の炭化水素類を挙げることができ、これらの溶剤は、2種類以上を混合して使用することもできる。
さらに、保護層中には、必要に応じて、皮膜改質剤として大豆レシチン、マイクロシリカ、あるいはワックス等を添加することができる。また、ポリイソシアネート化合物などの硬化剤を添加して、樹脂バインダー分子間を架橋することは、保護層の耐久性を向上させるために好ましい。
保護層の乾燥塗膜厚は必要に応じて選択できるが、記録再生特性の点では薄いほど好ましい。強度、耐久性等とのバランスを考慮すると、0.1〜5μmが好ましく、0.3〜2μmがさらに好ましい。
【0016】
本発明のカード状磁気記録媒体に用いる転写用積層体における光輝性塗膜層は、結着樹脂と光輝性粒子を含有する。本発明の光輝性塗膜層は、例えば、光輝性粒子や必要に応じて着色剤を、結着樹脂、および結着樹脂を溶解する溶剤中に混合し、二本ロールミル、三本ロールミル、ボールミル、サンドミル、ディスパー等の公知慣用の方法で分散させて、光輝性塗膜層用塗料を作成し、これをリバース方式、グラビア塗布方式、ダイコート方式等の公知慣用の方式で塗布、乾燥することにより形成することができる。光輝性粒子がフレーク状形状を有する場合には、該形状を崩さないように、分散工程においてはディスパー等の分散力の弱い装置を用いることが好ましい。さらにフレーク状粒子が沈降しないように塗布時に循環流量を多く設定することが出来るリバース方式で塗布することが好ましい。
前記塗料中にイソシアネート化合物を用いることにより熱硬化することもできる。なお光輝性塗膜層用塗料に使用する溶剤としては、公知慣用の溶剤が使用でき、例えば、既に保護層のところで述べた溶剤等が使用できる。
【0017】
本発明で用いる光輝性粒子は、鏡面状の高い反射率を有する光沢面を有した粒子であって、例えば平滑平面部分を有する有機、無機粒子の表面を、蒸着法やメッキ法を用いて金属または金属酸化物で被覆したものが用いられる。被覆される母材はフレーク状基体であると、得られた該粒子の有する広い鏡面状の光沢面からの反射光によって、光輝感の高い光輝性塗膜層を作製することができ好ましい。
光輝性粒子がガラスまたは酸化アルミニウムを母材とするフレーク状基体の表面を金属または金属酸化物で被覆してなる粒子であると、母材の平滑性の点で高反射率が得られさらに好ましい。母材がガラスの場合、母材はSiO2 を主成分とし、ZnOやB23 およびその他の成分を若干量含むこともある。
【0018】
フレーク状のガラス粒子の大きさは必要に応じて選択可能であるが、フレークの平面方向の寸法が5〜40μm、厚さは平面方向の寸法の1/5〜1/20の範囲が好ましい。幅は適宜選択することができる。また、酸化アルミニウムを母材とするフレーク状基体の大きさも必要に応じて選択可能であるが、通常は長手方向寸法が3〜60μm、好ましくは5〜30μm、厚さが0.1〜0.8μm、好ましくは0.2〜0.4μmの範囲が好ましい。また幅は適宜選択することができる。該フレーク状基体表面を被覆する金属としては、金、銀、プラチナ、パラジウム、ニッケル、銅、クロム、錫等の金属やこれらの合金が用いられる。また、該フレーク状基体の表面を金属で被覆する方法としては無電解メッキが適している。被覆量(厚さ)は、0.01〜0.3μmであり、特に0.05〜0.2μmが好ましい。さらに、金属被覆したフレーク状基体の表面を適宜表面処理してもよい。
該フレーク状基体の表面を被覆する金属酸化物としては、Fe23、TiO2、SnO2、ZrO2等が用いられる。酸化金属の好ましい被覆量(厚さ)は50〜200Åであって、当該光輝性粒子の得ようとする干渉色により異なる。ガラスを母材とする光輝性粒子には、日本板硝子社製「メタシャイン」シリーズ、酸化アルミニウムを母材とする光輝性粒子には、メルク株式会社製「シラリック」シリーズが有る。
【0019】
光輝性塗膜層に使用する結着樹脂としては、公知慣用の結着樹脂が使用できる。例えば、セルロース系樹脂、ブチラール樹脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、塩化ビニルと酢酸ビニルの共重合体、あるいは、さらにビニルアルコール、無水マレイン酸あるいはアクリル酸などを加えた共重合体等の塩化ビニル系樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂、ポリスチレン樹脂、セラック、アルキッド樹脂およびこれらの樹脂の混合物を挙げることができる。
【0020】
本発明で形成する光輝性塗膜層には、光輝性粒子の乱反射光の背景となる色を設定するための着色剤を用いることができる。着色剤に用いる顔料は、無機顔料としては、アルミナ、酸化チタン、酸化クロム、酸化鉄、酸化亜鉛、硫酸バリウムなど、有機顔料としては、アゾ系、フタロシアニン系、キナクリドン系、ペリレン系、アントラキノン系、チオインジゴ系、インダンスレン系など多々あるが特に限定されるものではない。また、上記顔料に代え、あるいは併用して、フタロシアニン染料、アゾ染料、ニトロ染料、キノリン染料、メチン染料、アジン染料、ファタレイン染料等の染料を用いることもできる。これら着色剤を用いることにより、光反射量調整層における入射光の反射率の調整、磁気記録層の隠蔽度の調整、および着色剤の配合量を調整することにより背景色の彩度及び明度を大幅に調整することができる。上記着色剤として用いる顔料または染料は、光輝性粒子によって反射される入射光を吸収して減衰させるため、過剰に用いると光輝性塗膜層の光輝感が失われる原因となる。使用する着色剤としては、顔料であれば粒径の細かい透明性の高いものを使用することが好ましい。顔料の使用量としては顔料種類によっても異なるが、結着樹脂に対して20質量%以下が好ましい。
【0021】
光輝性塗膜層の膜厚は、光輝性粒子の特徴である多方面への乱反射によるキラキラした光輝感を強調するには厚いことが好ましい。しかしながら、光輝性塗膜層の膜厚を大きくしすぎると、スペーシングロスが大きくなり再生出力の低下を招きやすい。そこで、光輝性塗膜層の膜を厚くする場合には、磁気記録層の膜厚を厚くして、再生出力の低下を補う必要が生じる。しかし磁気記録のもうひとつの重要な特性である分解能は、スペースシングが大きくなるほど、また、磁気記録層自体の膜厚が増加するほど低下し、その結果、情報読み取り時のエラー発生の可能性は増大する。このことから、磁気記録層の膜厚を厚くすることには限界がある。
これらを勘案して、光輝性塗膜層の膜厚は必要に応じて選択可能であるが、好ましくは2〜5μm、特には3〜4μmであることが好ましい。このような薄い膜厚で光輝性粒子の十分な乱反射光を得るためには光輝性塗膜層中の光輝性粒子は高濃度で含有されていることが好ましい。光輝性塗膜層用塗料の塗料固形分100重量部に対する光輝性粒子の固形分重量割合(PWC)は20〜45質量%が好ましく、25〜35質量%がさらに好ましい。45質量%を超えて含有されると光輝性塗膜層がもろくなりやすく、塗膜の表面粗さも低下する傾向にある。
【0022】
本発明において形成される光反射量調整層は、結着樹脂ならびにリン片状金属粉または金属薄膜細片を含有する。
リン片状金属粉、金属薄膜細片の金属としては共に、アルミニウム、金、銀、銅、真鍮、チタン、クロム、ニッケル、ニッケルクロム、ステンレス等を使用することができる。
リン片状金属粉の場合はボールミル等でリン片状に展延されて形成されるが、金属薄膜細片を製造する方法としては、アルミニウムのように融点の低い金属の場合は蒸着、アルミニウム、金、銀、銅など展性を有する場合は箔、融点が高く展性も持たない金属の場合は、スパッタリング等で薄膜を形成し、該薄膜より細片を製造する方法を挙げることができる。
これらリン片状金属粉や金属薄膜細片は磁気記録層の隠蔽力が高く、薄い膜厚で磁気記録層の色相を隠蔽することが可能である。
【0023】
これらの金属粉または細片の形状及びサイズは必要に応じて選択可能であるが、面に平行方向の大きさ(長さ)は、3〜30μmが好ましく、5〜25μmがより好ましく、さらに好ましくは10〜15μmである。厚みは金属粉の場合は0.1〜1μm程度が好ましい。一方、金属薄膜細片の厚さは、0.01〜0.1μmが好ましく、さらに好ましくは0.03〜0.08μmである。幅は必要に応じて選択できる。
また、リン片状金属粉を使用した光反射量調整層の場合は、金属粉表面に凹凸が存在し、また粒子の膜厚が厚いため粒子が塗膜内に配向しにくく、形成された塗膜の光の反射率が低い。一方、金属薄膜細片を使用した場合は、表面が平滑であり金属薄膜細片が被塗物表面に対して平行方向に高度に配向する結果、従来のリン片状金属粉では得られない高い光反射率が得られる。
本発明においては、必要に応じてリン片状金属粉及び金属薄膜細片のどちらか一方を使用してもよく、また両方を使用してもよい。
【0024】
結着樹脂は、従来の塗料、グラビアインキ、フレキソインキ、あるいはスクリーンインキ等に通常使われているものを使用することができ、例えば、本発明のカード状磁気記録媒体の光輝性塗膜層に用いる結着樹脂を好適に使用することができる。
光反射量調整層は、結着樹脂、リン片状金属粉及び/または金属薄膜細片、及び溶剤からなる光反射量調整層の形成用塗料を、公知の混練機や分散機を用いて作製し、公知慣用の塗布方式や印刷方式により塗布もしくは印刷することにより形成される。光反射層調整用層の形成用の塗料にはその他に添加剤、硬化剤を含有しても良い。
本発明で使用する光反射量調整層用塗料には、必要に応じて、従来の塗料、グラビアインキ、フレキソインキ、あるいはスクリーンインキ等に使用されている各種添加剤を使用することができる。このような添加剤としては、着色用顔料、染料、ワックス、可塑剤、レベリング剤、界面活性剤、分散剤、消泡剤等、を挙げることができる。
さらに耐熱性、耐溶剤性等の諸耐性向上を目的として、従来の塗料、グラビアインキ、フレキソインキ、あるいはスクリーンインキ等に使用されている各種硬化剤を使用することができる。このような硬化剤としては、チタン・アルミニウム・亜鉛系の金属キレート化剤、シラン・チタン系のカップリング剤、イソシアネート系硬化剤、エポキシ系硬化剤、エチレンイミン系硬化剤等を挙げることができる。
光反射量調整層用塗料に使用する溶剤もまた、従来の塗料、グラビアインキ、フレキソインキ、あるいはスクリーンインキ等に使われている公知慣用の溶剤を使用することができる。具体的には、例えば、保護層のところで述べた溶剤等が挙げられる。
【0025】
光反射量調整層の機能は、入射光の反射率と磁気記録層の色相の隠蔽度を調整することで、磁気カードの磁気ストライプ部の表面より入射し上記光輝性塗膜層を通過し反射により再び戻る光の量を変化させ、光輝性塗膜層の背景色の明度や彩度を調整することである。特に光輝性塗膜層に着色顔料を用いて背景色を着色するときは、光反射量調整層の隠蔽度、反射率と前記着色顔料の使用量を調整することにより、背景色の明度と彩度を広い範囲で調整する機能を有する。
光輝性粒子及び着色顔料を含む光輝性塗膜層に反射率の低い光反射量調整層を組み合わせた場合、光反射量調整層の下にある磁気記録層そのものの光反射率が低いため、磁気ストライプの外観における彩度と明度は低くなる。一方、上記と同一の光輝性塗膜層に反射率の高い光反射調整層を組み合わせた場合、光反射量調整層による光反射量が増加し、磁気ストライプ部分の外観における彩度と明度は高くなる。
さらに光反射量調整層で反射した光は、再度光輝性粒子との間で反射を繰り返すため、光輝性粒子からの反射光量も光反射量調整層の反射率が高い方が多くなる。しかし光反射量調整層の反射率を上げすぎると、背景光が明るくなり
すぎて、光輝性粒子のキラキラ感と背景色との高いコントラストが低下するため光輝感はむしろ減少する。
【0026】
光輝性塗膜層が、このような光輝性粒子のキラキラとした鮮明な光輝感と、鮮やかな色相の背景色とを好ましく併有するのは、前記光輝性塗膜層を形成した領域の波長400〜700nmの入射光における拡散反射光の最大反射率が20〜70%のときである。拡散反射光の最大反射率が25〜65%のときより好ましく、30〜60%のときさらに好ましい。さらにいずれの場合も、光沢は高すぎない方が背景色自身の光沢によって光輝性粒子のキラキラ感のコントラストが減殺される傾向が無く好ましい。
なお最大反射率は後述の実施例に記載される方法等により測定することができる。また本発明においては、磁気記録層を完全に隠蔽したかどうかの具体的な判断は、例えば磁気記録層の上に光反射量調整層を設けたときと、磁気記録層の無いカード用基材部分に設けたときとで、明度、彩度、色相の差の無いことを色差計で測定することにより判断することができる。また本発明では、光反射量調整層の膜厚や金属粉末及び/または薄膜細片の含有量を磁気記録層を完全に隠蔽するのに必要な値より小さい方向へと変化させることが好ましいが、上記のように変化させた層と光輝性塗膜層とを組み合わせて使用することにより、高輝度のキラキラ感を維持しつつ広い範囲で背景色の明度を調整することが可能となる。
【0027】
光反射量調整層の光反射率は、この層の単位表面積当たりのリン片状金属粉または金属薄膜細片の含有量に依存し、光反射量調整層用塗料の塗料固形分100重量部に対するリン片状金属粉及び/または金属薄膜細片の固形分重量割合(PWC)、及び/又は光反射量調整層の膜厚により調整可能である。本発明の光反射量調整層用塗料組成物におけるリン片状金属粉及び/または金属薄膜細片の含有量(PWC)は、10〜50質量%が好ましい。
また、光反射量調整層の塗膜厚みは必要に応じて選択できる。しかしながら、本発明における磁気記録層よりカード表面側に存在する、光揮性塗膜層と光反射量調整層を含む全ての層(磁気記録層は含まれない)の膜厚合計が好ましくは6μmを超えないように設計することが、磁気カードとしての良好な磁気記録再生特性を達成し、記録読み出し時のエラーを無くすために肝要である。さらに、本発明の光輝性塗膜層の膜厚が厚い方が良好な光輝感を得られることから、光反射量調整層の膜厚は出来るだけ薄いことが好ましく、光輝性塗膜層その他の膜厚を勘案すると、0.1μm以上が好ましく、2μm以下であることが好ましい。
【0028】
本発明で形成する光反射量調整層の反射率及び磁気記録層の隠蔽度は、上記のように、その膜厚、もしくはリン片状金属粉または金属薄膜細片の含有量を変化させることによって調整可能である。この点、仮に磁気記録層の隠蔽に通常用いられるAlやSnの蒸着を用いると、反射率の調整は蒸着膜厚で行うしかないが、極めて薄膜の膜厚を蒸着量を制御しつつ行わなくてはならず、反射率の安定的な調整は不可能である。
また光反射量調整層を用いずに、磁気記録層の色相の隠蔽を酸化チタン等の白色顔料を用いた隠蔽層で行うと、隠蔽層の膜厚を厚くする必要があるため、再生出力、分解能の低下を招きやすい。また隠蔽層自体の反射率が低いため、光輝性粒子のキラキラ感を増す効果も小さい。
このような場合、背景色の調整を着色顔料の濃度や色相で行おうとすると、光輝性塗膜層による入射光の吸収率が変化するため、光輝性粒子による光輝感が大きく影響を受け、キラキラ感が減殺される場合もある。
【0029】
本発明のカード状磁気記録媒体において、キラキラとした光輝感を有し、適度な明度と高い彩度を持つ光輝性塗膜層を得るためには、光反射量調整層の拡散反射光の反射率範囲としては、波長400nm〜700nmの可視光範囲の入射光における最大反射率が20〜70%の範囲であることが好ましい。該拡散反射光の反射率が20%未満となると、背景色が暗くなるため効果的な彩度が得られない。また光反射量調整層によって反射され光輝性粒子へと戻る光量も減衰するので、光輝感は有しても光輝感を示す輝点の数とその明るさが減少する傾向にある。一方、反射率が70%を超えると、光反射量調整層からの反射光の強度が光輝性塗膜層に含ませた光輝性粒子からの光の反射より強くなりすぎるため、背景色が明るくなりすぎ本発明のキラキラとした光輝感が失われる傾向にある。光反射量調整層の拡散反射光の最大意反射率は25〜65%の範囲であるとより好ましく、30〜60%の範囲であるとさらに好ましい。
リン片状金属粉末及び/または金属薄膜細片を含有する、本発明で用いる光反射量調整層は、通常の隠蔽層のように金属蒸着によって形成される膜に比べて光沢は出にくい傾向がある。光沢値が高すぎると光輝性粒子の光輝感が減殺される傾向があるため、この点でもリン片状金属粉末及び金属薄膜細片を用いる方が好ましい。
【0030】
本発明のカード状磁気記録媒体の製造に用いる転写用積層体における磁気記録層は、例えば、磁性粉末、結着樹脂および結着樹脂を溶解する溶剤を含有する磁気記録層用塗料を、転写用機材上に保護層および光輝性塗膜層、光反射量調整層をこの順に形成した上にさらに塗布し、磁性粉末の配向処理後、乾燥することにより形成されうる。
磁性粉末としては、γ−酸化鉄、マグネタイト、コバルト被着酸化鉄、2酸化クロム、鉄系メタル磁性粉、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト等の公知の磁性粉末を用いることができ、保磁力が20〜320kA/mの範囲のものが好ましい。
磁気記録層に用いる結着樹脂としては、公知慣用の結着樹脂が使用でき、例えば一般的に、光輝性塗膜層のところで述べた結着樹脂等を使用することができる。また、イソシアネート化合物を用いて熱硬化することもできる。また、磁気記録層用塗料に用いる溶剤としては、例えば一般的に保護層のところで述べた溶剤等を使用することができる。
磁気記録層の乾燥膜厚は必要に応じて選択できるが、好ましくは2〜50μmの範囲であり、さらに好ましくは5〜20μmの範囲である。
磁性塗料には、必要に応じて界面活性剤、シランカップリング剤、可塑剤、ワックス、シリコーンオイル等の助剤類、さらにはカーボンブラックその他のフィラー類を添加することもできる。
【0031】
磁気記録層用塗料は、例えば上記磁性粉末、結着樹脂、溶剤を公知慣用の方法により、混練分散する事によって得られる。混練分散機としては、例えば二本ロールミル、三本ロールミル、ボールミル、ヘンシェルミキサー、コボルミル、サンドミル、ディスパー、ホモジナイザー、ニーダー、等が使用できる。
磁気記録層用塗料の塗布においては、特に制限はなく、公知慣用の塗布方式を使用して良い。磁気塗料を所定量塗布後、磁性粉末の磁化容易方向が磁気記録層の塗布長手方向になるように配向処理を行って乾燥を行う。塗布方式としては、例えばグラビア方式、リバース方式、トランスファロールコーター方式、キスコーター方式、ダイコーター方式等が使用できる。
また、上記塗布方式により塗布後は、塗膜が乾燥しないうちに磁場配向処理を行うことが記録再生特性の点で好ましい。磁場配向方法は、公知の方式、例えば反発対向永久磁石、ソレノイド型電磁石等を用いることができる。磁場強度としては1000〜6000Gの範囲が好ましい
【0032】
本発明のカード状磁気記録媒体の製造に用いる転写用積層体には接着剤層を用いることが出来る。接着剤層は、一般的には、感熱接着性を示す樹脂を溶剤に溶解させ、混合攪拌して接着剤塗料を調整し、この接着剤塗料を磁気記録層上にリバース方式、グラビア方式、ダイコート方式などの公知の方式により塗布、乾燥することによって得られる。
感熱接着性を示す樹脂としては、例えば、塩化ビニルと酢酸ビニルとの共重合体、あるいは、上記にさらにビニルアルコール、無水マレイン酸あるいはアクリル酸などを加えた共重合体等の塩化ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリウレタン樹脂等を挙げることができる。また、接着剤層に用いる溶剤としては、例えば保護層のところで述べた溶剤を使用することができる。
接着剤層の膜厚は必要に応じて選択できるが、0.5〜15μmが好ましく、特に0.5〜5μmが好ましい。
【0033】
以上本発明の転写用積層体を製造する場合に、転写用基材上に各層を積層する順に従って説明を行った。本発明のカード状磁気記録媒体は該転写用積層体を用いて既述の如く転写工程で一括に製造することができる。本発明の光輝性塗膜層及び光反射量調整層はカード基材全面を覆うものであっても良い。その場合は光輝性塗膜層と光反射量調整層を磁気記録層とは別の工程で塗布または転写により形成してもよい。さらに被覆される磁気記録層もカード用基体全面を覆うように形成されてもよく、適宜公知の磁気カード製造手順を利用して製造することができる。
このように、各層が実際のカード状磁気記録媒体とは逆の順番で転写用基材上に積層されて、転写用積層体が作製される。転写用基材が透明な場合は転写用基材側からカード用基体に実際に転写されたときの図柄を確認することができる。したがって透明な転写用基材側から図柄を確認したときに、前記光輝性塗膜層を形成した領域の波長400〜700nmの入射光における拡散反射光の最大反射率が20〜70%の範囲となるように転写用積層体を作製することが可能である。なお拡散反射光の最大反射率は25〜65%の範囲であるとより好ましく、30〜60%の範囲であるとさらに好ましい。以上、カード用基体に各層を転写工程を経て形成する場合の製造方法について詳細に記載した。なお本発明のカード状磁気記録媒体の製造においては、上述した各層を塗布工程によって製造することもできる。また、幾つかの層を転写工程で形成しその他の層を塗布工程を用いて形成してもよい。
【実施例】
【0034】
以下に実施例および比較例を用いて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない、尚、以下「部」は質量部を表すものとする。
実施例、比較例には以下に示す転写用基材および各塗料を使用する。
【0035】
・転写用基材 厚さ24μmのポリエチレンテレフタレートフィルム
・保護層用塗料
ポリビニルブチラール樹脂 10部
(積水化学社製『エスレックBM−1』)
MEK 35部
トルエン 35部
エタノール 20部
ポリイソシアネート 4部
(大日本インキ化学工業社製『ハードナーNo.50(有効成分:50%)』)
上記の材料のうち、ポリイソシアネートを除く全てを、ディスパーにて攪拌し充分に溶解させた後に上記のポリイソシアネートを添加し、更にディスパーにて攪拌均一化を行い、保護層用塗料を作製した。
【0036】
・光輝性塗膜層用塗料〔A〕:着色顔料イエロー色
光輝性粒子 10部
(日本板硝子社製『メタシャインME2025PS』)
着色顔料A(イエロー色:イソインドリンイエロー) 2部
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 16部
(ユニオンカーバイド社製『VAGH』)
ポリウレタン樹脂 4部
(大日本インキ化学工業社製『TS−03』)
メチルエチルケトン 65部
トルエン 65部
シクロヘキサノン 15部
ポリイソシアネート 3部
(大日本インキ化学工業社製『ハードナーNo.50(有効成分:50%)』)
上記の材料のうち、光輝性粒子とポリイソシアネートを除く全てを、ディスパーにて攪拌し充分に溶解させた後に上記の光輝性粒子を添加し、更にディスパーにて攪拌均一化後、上記のポリイソシアネートを添加し、更にディスパーにて攪拌均一化を行い、光輝性塗膜層用塗料〔A〕を作製した。
【0037】
・光輝性塗膜層用塗料〔B〕:着色顔料ブルー色
光輝性塗膜層用塗料〔A〕の着色顔料A(イエロー色:イソインドリンイエロー)を着色顔料B(ブルー色:フタロシアニンブルー)にかえた以外は光輝性塗膜層用塗料〔A〕と同様にして光輝性塗膜層用塗料〔B〕を作製した。
【0038】
・光輝性塗膜層用塗料〔C〕:着色顔料グリーン色
光輝性塗膜層用塗料〔A〕の着色顔料A(イエロー色:イソインドリンイエロー)を着色顔料C(グリーン色:フタロシアニングリーン)にかえた以外は光輝性塗膜層用塗料〔A〕と同様にして光輝性塗膜層用塗料〔C〕を作製した。
【0039】
・光輝性塗膜層用塗料〔D〕:着色顔料レッド色
光輝性塗膜層用塗料〔A〕の着色顔料A(イエロー色:イソインドリンイエロー)を着色顔料D(レッド色:ペリレンレッド)にかえた以外は光輝性塗膜層用塗料〔A〕と同様にして光輝性塗膜層用塗料〔D〕を作製した。
【0040】
・パール調光沢塗膜層用塗料〔E〕:着色顔料イエロー色
パール調光沢性粒子 10部
(メルク社製『Iriodin153』雲母型酸化鉄母材を酸化チタンで被覆したパール調顔料)
着色顔料A(イエロー色:イソインドリンイエロー) 2部
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 16部
(ユニオンカーバイド社製『VAGH』)
ポリウレタン樹脂 4部
(大日本インキ化学工業社製『TS−03』)
メチルエチルケトン 65部
トルエン 65部
シクロヘキサノン 15部
ポリイソシアネート 3部
(大日本インキ化学工業社製『ハードナーNo.50(有効成分:50%)』)
上記の材料を用い、光輝性塗膜層用塗料〔A〕と同様にして、パール調光沢塗膜層用塗料〔E〕を作製した。
【0041】
・パール調光沢塗膜層用塗料〔F〕:着色顔料ブルー色
パール調光沢塗膜層用塗料〔E〕の着色顔料A(イエロー色:イソインドリンイエロー)を着色顔料B(ブルー色:フタロシアニンブルー)にかえた以外はパール調光沢塗膜層用塗料〔E〕と同様にして光輝性塗膜層用塗料〔F〕を作製した。
【0042】
・パール調光沢塗膜層用塗料〔G〕:着色顔料グリーン色
パール調光沢塗膜層用塗料〔E〕の着色顔料A(イエロー色:イソインドリンイエロー)を着色顔料C(グリーン色:フタロシアニングリーン)にかえた以外はパール調光沢用塗料〔E〕と同様にして光輝性塗膜層用塗料〔G〕を作製した。
【0043】
・パール調光沢塗膜層用塗料〔H〕:着色顔料レッド色
パール調光沢塗膜層用塗料〔E〕の着色顔料A(イエロー色:イソインドリンイエロー)を着色顔料D(レッド色:ペリレンレッド)にかえた以外はパール調光沢塗膜層用塗料〔E〕と同様にして光輝性塗膜層用塗料〔H〕を作製した。
【0044】
・パール調光沢塗膜層用塗料〔I〕:着色顔料無し
パール調光沢性粒子 12部
(チタン工業社製『酸化鉄パール顔料AM−200』)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 16部
(ユニオンカーバイド社製『VAGH』)
ポリウレタン樹脂 4部
(大日本インキ化学工業社製『TS−03』)
メチルエチルケトン 65部
トルエン 65部
シクロヘキサノン 15部
ポリイソシアネート 3部
(大日本インキ化学工業社製『ハードナーNo.50(有効成分:50%)』)
上記の材料を用い、光輝性塗膜層用塗料〔A〕と同様にして、パール調光沢塗膜層用塗料〔I〕を作製した。
【0045】
・パール調光沢塗膜層用塗料〔J〕:着色顔料ブルー色
パール調光沢性粒子 10部
(チタン工業社製『酸化鉄パール顔料AM−200』)
着色顔料B(ブルー色:フタロシアニンブルー) 2部
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 16部
(ユニオンカーバイド社製『VAGH』)
ポリウレタン樹脂 4部
(大日本インキ化学工業社製『TS−03』)
メチルエチルケトン 65部
トルエン 65部
シクロヘキサノン 15部
ポリイソシアネート 3部
(大日本インキ化学工業社製『ハードナーNo.50(有効成分:50%)』)
上記の材料を用い、光輝性塗膜層用塗料〔A〕と同様にして、パール調光沢塗膜層用塗料〔J〕を作製した。
【0046】
・光反射量調整層用塗料〔A〕
リン片状金属粉:アルミニウム粉末 10部
(昭和アルミパウダー社製『210EA』)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 20部
(ユニオンカーバイド社製『VAGH』)
ポリウレタン樹脂 5部
(大日本インキ化学工業社製『TS−03』)
メチルエチルケトン 75部
トルエン 75部
シクロヘキサノン 17部
ポリイソシアネート 15部
(大日本インキ化学工業社製『ハードナーNo.50(有効成分:50%)』)
上記の材料のうち、リン片状金属粉とポリイソシアネートを除く全てを、ディスパーにて攪拌し充分に溶解させた後に上記のリン片状金属粉を添加し、更にディスパーにて攪拌均一化後、上記のポリイソシアネートを添加し、更にディスパーにて攪拌均一化を行い、光反射量調整層用塗料〔A〕を作製した。
【0047】
・光反射量調整層用塗料〔B〕
金属薄膜細片:蒸着アルミニウムフレーク顔料 10部
(東洋アルミニウム社製『Metasheen Slury KM−100』)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 40部
(ユニオンカーバイド社製『VAGH』)
ポリウレタン樹脂 10部
(大日本インキ化学工業社製『TS−03』)
メチルエチルケトン 218部
トルエン 218部
シクロヘキサノン 49部
ポリイソシアネート 30部
(大日本インキ化学工業社製『ハードナーNo.50(有効成分:50%)』)
上記の材料を用い、光反射量調整層用塗料〔A〕と同様にして、光反射量調整層用塗料〔B〕を作製した。
【0048】
・光反射量調整層用塗料〔C〕
金属薄膜細片:蒸着アルミニウムフレーク顔料 20部
(東洋アルミニウム社製『Metasheen Slury KM−100』)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 40部
(ユニオンカーバイド社製『VAGH』)
ポリウレタン樹脂 10部
(大日本インキ化学工業社製『TS−03』)
メチルエチルケトン 218部
トルエン 218部
シクロヘキサノン 49部
ポリイソシアネート 30部
(大日本インキ化学工業社製『ハードナーNo.50(有効成分:50%)』)
上記の材料を用い、光反射量調整層用塗料〔A〕と同様にして、光反射量調整層用塗料〔C〕を作製した。
【0049】
・磁気記録層用塗料
バリウムフェライト磁性粉 100部
(戸田工業社製『MC−127』;保磁力 220kA/m)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 15部
(日本ゼオン社製『MR−110』)
ポリウレタン樹脂 10部
(大日本インキ化学工業社製『L7−750』)
MEK 50部
トルエン 50部
シクロヘキサノン 25部
ポリイソシアネート 10部
(大日本インキ化学工業社製『ハードナーNo.50(有効成分:50%)』)
上記材料を用い、特開平9−59541号公報に示す方法により磁気記録層用塗料を作製した。
【0050】
・接着剤塗料
ポリウレタン樹脂 1部
(大日本インキ化学工業社製『TS−03』)
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体樹脂 4部
(日信化学社製『ソルバインC5』)
MEK 45部
トルエン 50部
上記の材料をディスパーにて攪拌し充分に溶解させ均一化を行い、接着剤層用塗料を作製した。
【0051】
(実施例1)
転写用基材として、厚さ24μmのポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、このフィルムの片面上に上記の保護層用塗料、光輝性塗膜層用塗料〔A〕、光反射量調整層用塗料〔A〕、磁気記録層用塗料、および接着剤塗料をこの順に、いずれもリバースコーターを使用して塗布、乾燥し、それぞれ保護層、光輝性塗膜層、光反射量調整層、磁気記録層、および接着剤層を設けた。各層の乾燥後の膜厚は、保護層が1μm、光輝性塗膜層が3μm、光反射量調整層が0.3μm、磁気記録層が9μm、そして接着剤層が1.5μmとなるようにした。上記各層を設けたフィルムを1/2インチ幅に裁断して転写用積層体を作製した。
上記のように作製した転写用積層体(転写型磁気テープ)を使用し、カード作成機(インターライン社製『LX−EM4』)によりポリ塩化ビニル製のカード基体(太平化学社製)に積層物を転写した後、転写用基材を除去し、140℃、0.13MPaの条件下で熱プレス加工し、その後、カード状に打ち抜いてカード状磁気記録媒体を作製した。
【0052】
(実施例2〜実施例25、比較例1〜比較例11)
以下表1の配合を用いた以外は実施例1と同様にして実施例2〜実施例25、及び比較例1〜比較例11の転写用積層体を作製し、カード基体に転写後、熱プレスしてカード状磁気記録媒体を作製した。
【0053】
・評価方法
(彩度)
得られた磁気カードの磁気ストライプ部分について、日本電色工業社製『測色色差計SZ−Σ80』を用い、明度(L)、色度{a、b}を測定し、彩度C=√(a*2+b*2)を求める。なお明度の値が大きいほど明るく、また彩度の値が大きいほど鮮やかな色であることを示す。
【0054】
(拡散反射率)
得られた磁気カードの磁気ストライプ部分、すなわち光輝性塗膜層を有する領域、について、島津製作所社製『島津自記分光光時計UV−3100』を用い積分球法により、波長400nm〜700nmの可視光範囲の入射光における拡散反射率を各波長で測定し、測定範囲における最大反射率を求める。
【0055】
(目視評価:光輝性、色相)
得られた磁気カードの磁気ストライプ部分の光輝性および色相を目視で評価した。光揮性については外観上のキラキラ感から判断し、色相については光反射量調整層が無い条件のときの色相を×として、彩度向上効果の認められたものを○とした。
光輝性について:○..高輝度の光輝性有り、△..光輝性の輝度が不十分、 ×..光輝性なし
色相について:○..彩度向上顕著、△..彩度向上小さい、×..彩度向上認められず
【0056】
(分解能)
得られた磁気カードについてISO/IEC7811−6に準拠し、BARNES社製MAGTESTER2000を用いて、その記録再生特性の測定を行った。なお、この磁気カードサンプルを作成するために使用した転写型磁気テープに関しては、磁気記録層、磁気記録層以外の非磁性層の膜厚は単一ではない為、それぞれの測定は、再生出力値が標準出力サンプルの再生出力値と同じになるように磁気記録層の膜厚を調整した試料を作製し測定を行った。
○...90%以上、×...90%未満










【0057】
【表1】

【0058】
表1の結果から明らかなように、本実施例1〜25は、本発明の光輝性塗膜層形成方法により、金属粉末または金属薄膜細片を含んだ光反射量調整層を介して、フレーク状基体を金属または金属酸化物で被覆した光輝性粒子を含有する光輝性塗膜層を有する条件を満足するため、キラキラとした光輝性および色相の彩度向上効果が得られ、分解能も良好であった。しかし拡散反射率の最大値が60%を超えると背景の明るさのため光輝感がやや減少する傾向にあり、拡散反射率70%に近づくにつれ、光輝性が低下する傾向があった。また拡散反射率が20%に近づくにつれ彩度が低くなる傾向にあり、色相が低下する傾向があった。
一方、比較例1〜4は、本発明における磁気層と光輝性塗膜層の間の光反射量調整層を塗布しないため、彩度が低く磁気ストライプ外観の色相が不十分である。
また、比較例5〜8は、本発明の光輝性塗膜層に用いた光輝性粒子を雲母母材に酸化チタンを被覆した真珠光沢を呈するパール調光沢性粒子(パール調顔料)に置き換えたため、本発明の目的とするところのキラキラとした光輝感を得ることが出来ない。
また、比較例9は、本発明の光輝性塗膜層に用いた光輝性粒子と着色顔料をMIO(雲母形状酸化鉄)母材に酸化チタンを被覆したパール調光沢性粒子(酸化鉄パール調顔料)に置き換え、磁気層と光輝性塗膜層の間の光反射量調整層を塗布しないため、高い彩度が得られない。
【0059】
また、比較例10、11は、本発明の光輝性塗膜層に用いた光輝性粒子と着色顔料をMIO(雲母形状酸化鉄)母材に酸化チタンを被覆したパール調光沢性粒子(酸化鉄パール調顔料)に置き換え、さらにブルー色着色顔料を加えたため、磁気層と光輝性塗膜層の間の光反射量調整層を塗布しない場合、塗布する場合のいずれにおいても、外観の彩度が著しく低下し、加えて光輝感も失われた。
表1からわかるように、光反所領調整層の膜厚を変化させることにより、光輝性粒子を含有する光輝性塗膜層の彩度と明度(拡散反射率)を好適に調整することができる。
特に彩度の調整は、光反射率調整層の反射率や、隠蔽度を変化させることにより、色相を変化させずに行うことが可能あって、顔料と組み合わせて背景色の色相を調整するときに極めて調整が容易である。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明によれば、高輝度のキラキラした光輝感を有し、背景色の明度と彩度の調整が容易なカード状磁気記録媒体、その製造方法、及びこれを製造するための転写用積層体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】転写型磁気テープの断面構成図である。
【図2】転写型磁気テープを用いてカード基材上に磁気記録層を含む層を転写した場合の断面構成図である。
【図3】磁気記録層を含む層を転写したカード基材を熱圧プレスし、磁気記録層を含む層をカード基材内に埋め込んだ場合の断面構成図である。
【符号の説明】
【0062】
1 転写用基材
2 保護層
3 光輝性塗膜層
4 光反射量調整層
5 磁気記録層
6 接着剤層
7 カード基材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非磁性支持体上の少なくとも一部に形成された磁気記録層上に、背景色と該背景色中に一様に分布する輝点とを有する図柄が形成された磁気記録媒体であって、前記磁気記録層上には、リン片状金属粉末及び金属薄膜細片の少なくとも1つ、ならびに結着樹脂を含んだ光反射量調整層を有し、さらにその上に、光輝性粒子を含有する光輝性塗膜層を有し、前記光反射量調整層の膜厚、並びにリン片状金属粉末及び/又は金属薄膜細片の含有量の少なくとも1つを、前記磁気記録層を完全に隠蔽するのに必要な値より小さい方向へと変化させて、前記背景色の明度及び彩度が調整されたことを特徴とするカード状磁気記録媒体。
【請求項2】
前記光反射層の膜厚は2μm以下である請求項1に記載のカード状磁気記録媒体。
【請求項3】
前記光反射量調整層中のリン片状金属粉末及び/又は金属薄膜細片の含有量は光反射量調整層用塗料の塗料固形分に対する、前記リン片状金属粉末及び/又は金属薄膜細片の固形分重量割合を調整して行われる請求項1または2に記載のカード状磁気記録媒体。
【請求項4】
前記光反射量調整層用塗料の塗料固形分に対する、前記リン片状金属粉末及び/又は金属薄膜細片の固形分質量割合は10〜50質量%である請求項1〜3のいずれか1項に記載のカード状磁気記録媒体。
【請求項5】
前記光反射量調整層と前記光揮性塗膜層を含む磁気記録層上の全ての層の合計膜厚が6μm以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載のカード状磁気記録媒体。
【請求項6】
非磁性支持体上の少なくとも一部に形成された磁気記録層上に、背景色と該背景色中に一様分布する輝点とを有する図柄を形成するカード状磁気記録媒体の製造方法であって、
前記磁気記録層上に、リン片状金属粉末及び金属薄膜細片の少なくとも1つ、ならびに結着樹脂を含んだ光反射量調整層と、結着樹脂及び光輝性粒子を含有する光輝性塗膜層とをこの順に形成し、
かつ、前記光反射量調整層の膜厚、並びにリン片状金属粉末及び/又は金属薄膜細片の含有量の少なくとも1つを、前記磁気記録層を完全に隠蔽するのに必要な値より小さい方向へと変化させて、前記背景色の明度及び彩度を調整すること、を特徴とするカード状磁気記録媒体の製造方法。
【請求項7】
前記光反射層の膜厚は2μm以下である請求項6に記載のカード状磁気記録媒体の製造方法。
【請求項8】
前記光反射量調整層中のリン片状金属粉末及び/又は金属薄膜細片の含有量は光反射量調整層用塗料の塗料固形分に対する、前記リン片状金属粉末及び/又は金属薄膜細片の固形分重量割合を調整して行われる請求項6または7に記載のカード状磁気記録媒体。
【請求項9】
前記光反射量調整層用塗料の塗料固形分に対する、前記リン片状金属粉末及び/又は金属薄膜細片の固形分質量割合は10〜50質量%である請求項6〜8のいずれか1項に記載のカード状磁気記録媒体。
【請求項10】
前記光反射量調整層と前記光揮性塗膜層を含む磁気記録層上の全ての層の合計膜厚が6μm以下である請求項6〜9のいずれか1項に記載のカード状磁気記録媒体。
【請求項11】
前記カード状磁気記録媒体は、転写用基材上に、前記光揮性塗膜層、前記光反射量調整層、及び前記磁気記録層がこの順に積層された転写用積層体を用いる転写工程を経て作製される請求項6〜10のいずれか1項に記載のカード状磁気記録媒体の製造方法。
【請求項12】
請求項11に記載のカード状磁気記録媒体の製造方法において使用される転写用積層体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−250936(P2010−250936A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−139268(P2010−139268)
【出願日】平成22年6月18日(2010.6.18)
【分割の表示】特願2005−159226(P2005−159226)の分割
【原出願日】平成17年5月31日(2005.5.31)
【出願人】(000002886)DIC株式会社 (2,597)
【Fターム(参考)】