説明

磁気記録媒体及びその製造方法

【構成】 非磁性基体(1)上に、直接又は下地層を介して磁性体蒸着層(3)を形成し、さらにその上に保護層(4)を施した構造を有し、かつ保護層(4)が厚さ80Åを超えて130Å未満の、60原子%を超えない割合の水素を含むプラズマ重合水素含有炭素層で構成され、かつその磁性体蒸着層(3)に接する側の屈折率が1.6〜1.75、その反対側の屈折率が1.9以上であって、その表面の接触角が80度未満である磁気記録媒体である。
【効果】 摩擦耐久性、スチル耐久性及び耐候性の優れたものである。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、摩擦耐久性、スチル耐久性及び耐候性に優れた蒸着型磁気記録媒体及びその製造方法に関するものである。さらに詳しくいえば保護層として特定構造の水素含有炭素層を設けることにより摩擦耐久性、スチル耐久性及び耐候性が改善された蒸着型磁気記録媒体及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】磁気テープ、磁気ディスクのような磁気的記録装置に用いられる磁気記録媒体は、一般に、プラスチックのような非磁性基体上に、鉄、クロムなどの酸化物、コバルト、ニッケルのような金属又はこれらの合金から成る磁性層を蒸着法により積層したものが用いられるが、摩擦に対する抵抗性や、耐食性、耐候性を向上させるために、通常、この上に保護層が設けられている。
【0003】これまで、このような保護層としては、フッ素化炭化水素、フッ素化ケトン、フッ素化エーテルなどの含フッ素有機化合物(特開昭57−135442号公報)、フッ化ビニリデン、四フッ化エチレン、エチレン、塩化ビニル、スチレンなどのモノマーのプラズマ重合体(特開昭57−135443号公報)、ポリカーボネートと高級脂肪酸又はそのエステルとの複合層(特開昭57−164432号公報)、各種低分子化合物のプラズマ重合体(特開昭59−72653号公報、特開昭59−171028号公報)などが用いられているが、これらは損傷防止や耐食性の向上には効果があるとしても摩擦耐久性の点では、まだ必ずしも満足しうるものではなかった。
【0004】また、金属磁性層の上に有機化合物のプラズマ重合により保護層を形成させたのち、これにプラズマ処理により活性化されたガスを吹きつけることにより、走行性や耐食性を改善することも提案されているが(特開昭61−211833号公報)、これによっても摩擦耐久性の改善は不十分である。
【0005】他方、メタンのような炭化水素ガスをプラズマ重合させて、磁性層上にプラズマ重合水素含有炭素いわゆるダイヤモンド様炭素(以下DLCと略記)から成る保護層を形成させる方法も知られている(特開平1−166329号公報、特公平4−65445号公報)。
【0006】しかしながら、このDLC膜は著しく高硬度でこれを直接磁性層上に形成すると、両者の間の硬度差が大きくなり、応力集中が発生して膜破壊を起すため、両者の間に比較的軟質の層例えば炭化水素やフッ素化炭化水素のプラズマ重合膜を介在させることが必要になり、このためDLC膜本来の優れた物性が減殺されるのを免れない。
【0007】また、このDLC膜自体を比較的軟質なものに形成させ磁性層との親和性を増大させることも考えられるが、このようにすると、所望の摩擦耐久性やスチル耐久性を得るには、かなり膜厚を大きくする必要があり、磁気記録体としての性能がそこなわれるおそれがある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、他の材料から成る中間層を介在させることなく、蒸着型磁性層上にDLC層を直接形成させて保護層とした場合でも摩擦耐久性、スチル耐久性及び耐候性の優れた磁気記録媒体を提供することを目的としてなされたものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、DLCから成る保護層を磁性体蒸着層上に直接積層させ、しかも保護層と磁性体層との間に硬度差による応力破壊を起させずに、優れた摩擦耐久性、スチル耐久性及び耐候性を付与させることについて種々研究を重ねた結果、保護層の磁性体層に接触する側を比較的軟質なDLC膜で、また外部に露出する側を比較的硬質のDLC膜で構成すればよいこと、そして、DLC膜の硬度は、その屈折率に関係するので、屈折率によって膜の硬度制御を行えばよいことを見出し、この知見に基づいて本発明をなすに至った。
【0010】すなわち、本発明は、非磁性基体上に、直接又は下地層を介して磁性体蒸着層を形成し、さらにその上に保護層を施した構造を有する磁気記録媒体において、保護層が厚さ80Åを超え130Å未満の、60原子%を超えない割合の水素を含む水素含有炭素層で構成され、かつその磁性体蒸着層に接する側の屈折率が1.6〜1.75、その反対側の屈折率が1.9以上であって、その表面の接触角が80度未満であることを特徴とする磁気記録媒体を提供するものである。
【0011】
【構成】図1は、本発明の磁気記録媒体の構造の1例を示す断面拡大図であって、非磁性基体1の上に、蒸着法により磁性層3が形成されており、その上をDLC層4で被覆して保護されている。このDLC層4の磁性層3と接触する側の部分aは屈折率1.6〜1.75を有する比較的軟質な層であり、外部に露出する側の部分bは屈折率1.9以上の比較的硬質な層になっている。
【0012】図2は、非磁性基体1と磁性層3との間に下地層2を設けた場合の例である。上記の非磁性基体1の材料は、適度なたわみ性、硬さを有し、磁気テープ、磁気ディスクとして使用しうるものであればよく、特に制限はない。このようなものとしては、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリイミド、ポリイミンイミド、アラミド樹脂などが挙げられるが、表面性がある程度コントロール可能なエンジニアリングプラスチックやスーパーエンジニアリングプラスチックが好適である。また、磁気ディスクの場合は、アルミニウムのような金属も用いることができる。この基体の厚さは通常4〜75μm好ましくは8〜20μmの範囲内で選ばれ、磁気記録媒体の仕様に応じて適宜決められる。
【0013】この非磁性基体に下地層2を施す場合、この下地層としては例えば一般式SiOx(ただし1.8≦x≦1.95)で表わされるケイ素酸化物が用いられる。この下地層2は水分の遮断と同時に基体表面と磁性層との接着性を向上させる作用を有する。この下地層2は、例えば次のようにして形成させることができる。
【0014】すなわち、ケイ素化合物と酸素との混合ガスを、反応室に送り、プラズマ重合法により、基体表面上に形成される。この際、蒸着室内はあらかじめ10-6Torr程度に真空排気しておき、この中へケイ素化合物と酸素との混合ガスを導入し、所定の圧力に達してからプラズマ放電を開始する。この場合の放電周波数は、kHzからMHzのオーダーで用いられ、特にkHzのオーダーが望ましい。13.56MHzの高周波を用いると発生したイオンが空間に滞留し、基板に到達しないので保護層の形成には不適当である。
【0015】この際用いるケイ素化合物としては、10-3Torr程度好ましくは10-5Torr程度の圧力下でガス化するものであればよく、特に制限はないが取り扱いやすさの点で100℃程度の沸点を有するものが好ましい。このようなものとしては、例えばシラン、トリメチルシラン、テトラメチルシラン、トリメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどを挙げることができる。
【0016】このケイ素化合物と酸素とは、ケイ素1原子当り酸素3当量以上の割合の混合ガスとして用いられるが、このような混合ガスは、例えば液体ケイ素化合物を収容したタンクを定温に保ち、その中に酸素をバブリングさせることによって調製するのが有利である。この際のタンクの温度を変えることによりケイ素と酸素との混合比を調整することができる。またシランのような室温でガス状のものは、マスフローコントローラを用いて適量ずつ供給することができる。この下地層2の厚さは、通常200〜1000Åの範囲で選ばれる。この場合液状のものでも、気化器を用いれば別々に制御して供給することができる。
【0017】ケイ素1原子当り、酸素3当量以上を用いてプラズマ重合法により成膜したものは、200Åを境にして水分バリヤ性が急激に向上する。図3は、ポリエチレンテレフタレートフイルム(10μm厚)にSiOx(x=1.9)の膜を形成させたときのJIS Z0208で測定した水分バリヤー性の相対値を示したグラフであるが、これから明らかなように100Åまでは全く効果がないが、150〜200Åの間で急激に水分透過が減少し、また200Å以上では、膜厚が大きくなっても効果は飽和状態を示し変らない。したがって、膜厚としては200Å以上あればよいことになる。
【0018】次に、本発明の磁性層3の材料としては、コバルト又はコバルト合金が用いられるが、コバルト合金は、コバルトの結晶異方性がそこなわれない程度のコバルト含有量、通常は70重量%以上のものが好ましい。コバルト合金としては例えばCo−Fe,Co−Ni,Co−Cr,Co−Ni−Cr,Co−V,Co−B,Co−Ti,Co−Mo,Co−W,Co−Ru,Co−Sm,Co−Ni−Pなどを挙げることができる。この磁性層の構造は単層でも多層でもよく、要求特性に応じて適宜選択される。
【0019】この磁性層3は、非磁性基体1の表面上に蒸着法によって形成される。この蒸着法としては、真空蒸着、スパッタリング、イオンプレーティングのような物理蒸着法でもよいし、化学的気相成長法(CVD)のような化学蒸着法でもよい。この磁性層3の厚さは、通常0.02〜5μm、好ましくは0.05〜2μmの範囲内で選ばれる。このようにして、非磁性基体上に蒸着された磁性層をもつ磁気記録媒体が得られる。
【0020】本発明においては、このようにして形成された磁気記録媒体の磁性体蒸着層3の上に保護層4としてDLC膜が施されるが、このDLC膜は60原子%を超えない割合の水素を含むものである必要がある。これよりも多くの水素を含むDLC膜を用いると硬い膜が形成されず、摩擦耐久性が低下する。
【0021】この保護層4は、磁性体蒸着層3に接触している側の部分aを屈折率1.6〜1.75になるように、また外部側の部分bを屈折率1.9以上になるように形成される必要がある。このDLC層の形成は、例えばプラズマ重合法によって行われる。このプラズマ重合法の方式はCAN型走行方式及び平行平板型電極方式のいずれでもよい。
【0022】CAN型走行方式の場合は、図4に示すように、CAN6の表面に所定の中心角で磁気記録媒体5が接触するようにして走行させながら、CAN6に対向して配置した電極7から電磁波を放電させてDLC層を形成させるが、この際電極を磁気テープのCAN6の接触域よりも広くなるように、換言すれば磁気テープ5が接触しているCAN6の中心角よりも大きい角度にわたって電極を配置することが重要である。この場合の磁気テープ5の接触域のCAN6の中心角としては150〜200度、好ましくは180度、電極7の配置角度はテープの進入側に5〜20度大きくするのがよい。
【0023】CAN方式にて成膜させる場合、テープがCANに沿って走行する。テープがCANに接触している角度より、大きい角度にて電極を配した場合には、テープ表面に成膜される膜は、電極とCANの間を通過しながら成膜される部分と、次いでCANにテープが接触しながら成膜される部分とに分けられる。成膜初期段階の放電の低密度部分とは前者を指し、高密度部分とは後者を指す。当然、放電の低密度部分では、屈折率の低い膜を、高密度部分では屈折率の高い膜を連続的に成膜する。
【0024】またはCANを2個配し、一方のCANでは放電を弱くし、屈折率の低い膜を成膜するようにし、他方では放電を強くし屈折率の高い膜を成膜するようにしてもよい。その場合は電極は、テープの接触部分と角度を同じにすることが必要である。
【0025】また、平行平板型電極方式の場合は、図5に示すように下部電極8上に磁気記録媒体5を載置し、上部電極7に電磁波を印加して放電させながらDLC層を形成させる。この電極7,8は、板状のほか、棒状、メッシュ状など任意の形状にすることができる。
【0026】この場合、真空チャンバー内の圧力としては10-1〜10-3Torr程度が適当であり、放電を発生させる電磁波はkHzオーダー、特に50〜400kHz程度がよい。この際の放電発生は連続波(CW)でもよいし、パルスでもよい。
【0027】真空チャンバー内に供給するガスとしては炭化水素と水素との混合ガスが用いられ、両者の流量比としては3:1ないし1:3、好ましくは1:1付近が選ばれる。
【0028】このようにして、先ず屈折率1.6〜1.75の範囲にあるDLC層を20〜50Åの厚さで形成させ、次いで屈折率1.9以上のDLC層を全体の層厚が80Åを超え130Å未満の範囲で形成させる。この層厚が80Å以上又は130Å以上になると得られる磁気記録媒体の電磁変換特性が低下する。
【0029】本発明においては、保護膜の表面における接触角が80度未満になるように形成を制御することが必要である。これが80度よりも大きくなると、表面の炭素−炭素二重結合が少なくなり耐久性が劣化するので好ましくない。
【0030】一般に、DLC層を形成する場合、放電の密度が低い条件下では、屈折率の小さい、すなわち比較的軟質のDLC膜が形成され、放電の密度が高い条件では屈折率の大きい、すなわち比較的硬質のDLC膜が形成される。
【0031】このようにして得られた、磁気記録媒体には、所望に応じさらに液体潤滑剤を塗布することができる。このような液体潤滑剤としては、例えばパーフルオロポリエーテル系、パーフルオロカルボン酸系、アクリレート系のものが適している。
【0032】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳細に説明する。なお、各実施例及び比較例における物性は以下のようにして測定した。
(1)初期摩擦;幅8mmの試料をピン評価機(ソニー社製、抱き角180度)に装着し、1回操作した後の動摩擦を測定し、初期摩擦とした。
(2)耐久摩擦;初期摩擦と同様の試料とピン評価機を用い、200回操作した後の動摩擦を測定し、耐久摩擦とした。
(3)スチル耐久性;スチル測定機(ソニー社製S1500)を用い7kHzの出力が−5dBに低下するまでの時間(分)を測定した。
(4)耐候性;60℃、90%RHの条件下で1週間保存したのちのBmの変化率を、次式に従って求めた。
【0033】
【数1】


【0034】(5)摺動試験;#2000のWAテープを巻き付けたロール(径50mm)に、試料を接触させ、10rpmの速度で回転させ、磁性層の機能がそこなわれるまでの時間(分)を測定した。
【0035】実施例1〜3、比較例1、2厚さ10μmのポリエチレンテレフタレートのテープの片面に、5×10-5Torrの圧力下でコバルトを加熱蒸着させ、厚さ0.1μmのコバルト層を形成させた。次に、図4に示すCAN型走行方式のプラズマ重合装置において、テープのCANに接触している域の中心角180度、それに対向する電極の中心角200度の装置を用い、走行軌道よりも電極が長くなるようにして、400kHzの電磁波を放電させながら、メタンと水素を1:1の流量比で流してDLC膜を形成させた。
【0036】テープの走行速度を加減しながら、放電密度の低い部分の通過時間を調節することによって、初期に形成される屈折率1.7の膜厚を10〜50Åの範囲で変化させ、次いでその膜の上にさらに放電密度が高い状態で、屈折率1.95をもつ水素含有炭素層を、膜厚70Åになるまで形成させた。このようにして得た磁気記録媒体の物性を表1に示す。なお、対照例として、保護層を有しないものについての物性も併記した。
【0037】実施例4放電方式をパルスに変え、デューティー比1、出力100Hzを用いること以外は実施例1と同様にして、磁気記録媒体を製造した。このものの物性を表1に示す。
【0038】比較例3、4走行軌道が電極よりも長くなるようにする以外は、実施例1〜4と同様にして、膜厚120Åで屈折率1.7のみの層又は屈折率1.95のみの層を形成させることにより磁気記録媒体を製造した。このものの物性を表1に示す。
【0039】比較例5実施例3と同様にして、先ず屈折率1.7の水素含有炭素層を膜厚40Åで形成させ、次いでその上に、メタンと水素の流量比を変えて表面の接触角が80度になる層を形成させた。このようにして得た磁気記録媒体の物性を表1に示す。
【0040】
【表1】


【0041】比較例6メタンと水素との混合ガスを用いる代りにパーフロロシクロブタンを、100ワット、0.3Torrの条件下で高周波プラズマ重合させることにより、20Åの膜厚のフッ化炭素層を形成させ、次いでその上に実施例1〜4と同様にして屈折率1.95の水素含有炭素層膜厚70μmになるまで形成させた。このようにして得た磁気記録媒体の物性を表2に示す。
【0042】比較例7、8400kHzの高周波放電を行う代りに、DC又はACを印加し、初期の水素含有炭素層の屈折率を1.75よりも大きく調整すること以外は実施例2と同様にして磁気記録媒体を製造した。このものの物性を表2に示す。
【0043】
【表2】


【0044】実施例5〜8メタンと水素の流量比を変え、他は実施例1と同じようにして、磁気記録媒体を製造した。このものの物性を表3に示す。
【0045】
【表3】


【0046】このものはヘッドとの硬さの合相がずれてくるために、スチル的にはピークを有していた。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、摩擦耐久性、スチル耐久性及び耐候性の優れた蒸着型磁気記録媒体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の磁気記録媒体の1例の断面拡大図
【図2】 本発明の磁気記録媒体の別の例の断面拡大図
【図3】 ポリエチレンテレフタレートフイルム上に形成させた酸化ケイ素膜の膜厚と水分バリヤー性との関係を示すグラフ
【図4】 本発明磁気記録媒体を製造するための装置の1例の説明図
【図5】 本発明磁気記録媒体を製造するための装置の別の例の説明図
【符号の説明】
1 非磁性基体
2 下地層
3 磁性層
4 保護層
5 磁気テープ
6 CAN
7 電極

【特許請求の範囲】
【請求項1】 非磁性基体上に、直接又は下地層を介して磁性体蒸着層を形成し、さらにその上に保護層を施した構造を有する磁気記録媒体において、保護層が厚さ80Åを超え130Å未満の、60原子%を超えない割合の水素を含むプラズマ重合水素含有炭素層で構成され、かつその磁性体蒸着層に接する側の屈折率が1.6〜1.75、その反対側の屈折率が1.9以上であって、その表面の接触角が80度未満であることを特徴とする磁気記録媒体。
【請求項2】 磁性体蒸着層がコバルト又はコバルト合金から成る請求項1記載の磁気記録媒体。
【請求項3】 非磁性基体上に、直接又は下地層を介して磁性体を蒸着させて磁性層を積層したのち、周波数50〜450kHzの電磁波を印加して放電させながら、10-1〜10-3Torrの圧力下、炭化水素と水素との混合ガスを供給してプラズマ重合水素含有炭素層を形成させる際に、初期段階において放電の低密度部分で成膜し、その後連続して高密度放電の領域において成膜することにより、磁性層に接触する側に屈折率1.6〜1.75をもつプラズマ重合水素含有炭素層を、それと反対の外部側に屈折率1.9以上のプラズマ重合水素含有炭素層を形成させることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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