説明

移動体の測距装置

【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は、例えば建築現場において資材を搬送する運搬車等の作業車を自律走行させる際に必要となる作業車の位置検出を、作業車から2つの基準位置までの距離に基づいて行なう場合等に用いられる装置で、詳しくは、基準位置等の対象位置に設けた指標具からの空間伝播波(電磁波や音波)を受信してその指標具までの距離を測定する距離計を作業車等の移動体に設け、前記指標具からの空間伝播波を受信するように指標具に向く向きに前記距離計の受信部を向き修正するために、 前記受信部を向き変更する駆動装置と、追尾指令信号を間欠的に出力する指令手段と、前記受信部の受信の有無を検出する受信有無検出手段と、前記追尾指令信号が出力される毎、受信部が向き変更するように駆動装置を作動させる向き修正角判断用の向き変更制御手段と、向き修正角判断用の向き変更開始後における受信有無検出手段の検出結果に基づいて前記向き修正角判断用の向き変更後における受信部を受信向きにすべき修正角を指示する修正角指示手段と、前記向き修正角判断用の向き変更後に前記修正角指示手段で指示された修正角をもって受信部が向き変更するように駆動装置を作動させる向き修正制御手段とで構成する追尾手段を設けてある移動体の測距装置に関する。
〔従来の技術〕
この種の移動体の測距装置では、移動体の移動に伴なって指標具と距離計との位置関係が変化する。このような位置関係の変化によって、距離計における受信部の向きが指標具に向く向きから外れると、所期の測距を行えなくなるので、移動体の移動にかかわらず、受信部の向きが指標具に向く向きとなるように受信部の向きを修正する追尾が必要である。
そのような追尾を行なう追尾手段として従来では、テレビカメラを、受信部と一体に向き変更する状態で、かつ、受信部と同じ方向を向く状態に設け、テレビカメラによる撮影画面内での指標具の映像位置から受信部の向きと指標具との関係を判断し、映像画面の中央等の所定の位置に指標具の映像がくるように受信部を向き変更して指標具に向く向きに修正する手段が知られている。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかし、前記従来の技術によるときは、映像を処理するのに時間がかかり、移動体の移動速度が限定される欠点があった。
本発明の目的は、正確に、かつ、高速に指標具を追尾する点にある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の移動体の測距装置に係る第1の特徴構成は、前記追尾手段のうち前記向き変更制御手段を、前記指示具のうち前記受信部の向き変更方向の両端と受信部とを結ぶ2つの直線が成す挟み角(γ)よりも小なる大きさの設定角度(β)をもって受信部が向き変更するように駆動装置を作動させる構成とすると共に、 前記修正角指示手段を、前記受信部の向き変更後における受信有無検出手段の検出結果が有検出の場合には、前記設定角度(β)よりも小なる大きさの第1設定角度を修正角として指示し、かつ、検出結果が無検出の場合には、前記設定角度(β)と等しい大きさの第2設定角度を修正角として指示するよう構成した点にある。
本発明による移動体の測距装置に係る第2の特徴構成は、第1の特徴構成における前記修正角指示手段を、前記受信部の向き変更後における受信有無検出手段の検出結果が有検出の場合には、前記設定角度(β)の1/2の角度に等しい第1設定角度を修正角として指示し、かつ、検出結果が無検出の場合には、前記設定角度(β)の3/2の角度に等しい第2設定角度を修正角として指示するように構成した点にある。
本発明による移動体の測距装置に係る第3の特徴構成は、第1の特徴構成または第2の特徴構成において、前記指標具が、入射した電磁波をそれの入射方向と平行な方向に反射する反射鏡であり、前記距離計が、指標具に向かって電磁波を発信し、かつ、指標具からの反射波を受信することで距離を測定するものであることが好ましい。
〔作 用〕
第1の特徴構成によれば、向き修正角判断用の向き変更を設定角度(β)をもって行なうことにより、その向き変更後において受信部を指標具に向けるための向き修正角を適確に判断することができる。
つまり、当該向き変更後の受信有無検出手段の検出結果が無検出であれば、前記指標具の両端のうち前記向き変更方向側の一端に向く方向と、前記向き変更を行う前に受信部が向いていた方向とのなす角度が、前記設定角度(β)よりも小さかったと判断でき、逆に、前記向き変更後の受信有無検出手段の検出結果が有検出であれば、前記指標具の両端のうち前記向き変更方向側の一端に向く方向と、前記向き変更を行う前に受信部が向いていた方向とのなす角度が、前記設定角度(β)よりも大きかったと判断できる。
従って、前記設定角度(β)に基づいて、有検出の場合及び無検出の場合夫々における修正角を適宜設定しておくことにより、修正角指示手段で指示された修正量をもって受信部を指標具に向かせることができる。
具体的には、有検出の場合、設定角度(β)の1/2の大きさの第1設定角度を修正角として受信部の向きを修正するから、受信部は指標具を向く向きに保持される。実際には、受信部は、前記指標具の中央位置を中心として両側に夫々設定角度(β)の1/2の角度だけ広がった範囲内に修正される。これは、受信有無検出手段の検出結果が有検出であれば、向き変更前の受信部の向きも指標具を向いていたことを意味するから、向き変更後の受信部は、前記指標具のうち、中央位置と向き変更方向側の端部との間を向いていたことになる。よって、当該向き変更後の位置から第1設定角度を修正すると、上記のごとく、受信部は、前記指標具の中央位置を中心とした範囲に向くこととなる。
逆に無検出の場合にも、設定角度(β)と等しい大きさの第2設定角度を修正角として受信部の向きを修正するから、受信部は向き変更前の元の向きに戻されて、やはり指標具を向く向きに保持される。
以上のごとく、本発明に係る測距装置によれば、受信部を向き修正角判断用に向き変更し、受信有無検出手段の検出結果に応じて選択した修正角に基づいて、受信部を指標具に向けるよう修正する。よって、例えば従来のごとくテレビカメラを用いていた場合に要した画像処理時間を不要にして、指標具の追尾を迅速化することができる。
第2の特徴構成は、受信部の向きが次第に変化して受信有無検出手段の検出結果が無検出となった場合には、前記設定角度(β)の3/2の角度に等しい第2設定角度を修正角として受信部の向きを修正するものである。この結果、受信部の向きは、向き変更前に向いていた方向よりもさらに設定角度(β)の1/2だけ多く戻されることとなる。つまり、受信部が変向していく方向とは反対の方向に受信部の向きをより積極的に修正することで、受信部の向きをより確実に指標具の方向に維持することができる。
第3の特徴構成によれば、距離計自身が発信する赤外線等の電磁波を測距光とするため、夜間等であっても測距が可能となる。
〔発明の効果〕
従って、本発明によれば、向き変更に係る制御を簡略化することができるため、移動体が移動するにも拘わらず、指標具に対する受信部の位置修正および所期の距離測定を迅速に行うことができる。
また、本発明によれば、指標具の中央部寄りの箇所に受信部が向いている機会を多くできるから、移動体の移動に伴なって受信部の向きが指標具から外れるまでの時間を長くすることができる。よって、受信部の向きを修正するための向き変更の回数を減少させて、向き変更に係る制御をさらに簡略化することができる。
〔実施例〕
本発明の実施例を次に示す。
〈実施例1〉 移動体の一例である自走式の運搬車(1)は、第1図R>図、第3図に示すように、走行面に設定したXY座標上での運搬車(1)の位置(P)を検出する位置検出手段(2)と、運搬車(1)の移動方向を検出する方向検出手段(3)と、前記位置検出手段(2)及び方向検出手段(3)の検出結果に基づいて目標位置(P0)に到着するように走行手段(4)を作動させる自動走行制御手段(5)とを備えている。
前記位置検出手段(2)は、第3図に示すように、XY座標の原点を位置検出基準の第1の対象位置(P1)とし、かつ、原点からX軸方向に設定距離(l0)を隔てた位置を位置検出基準の第2の対象位置(P2)とするものであって、運搬車(1)の位置(P)から前記第1の対象位置(P1)までの距離(l1)を測定する第1の測距装置(A1)と、運搬車(1)の位置(P)から前記第2の対象位置(P2)までの距離を測定する第2の測距装置(A2)と、それら測距装置(A1),(A2)夫々による測定距離(l1),(l2)及び前記設定距離(l0)から運搬車(1)の位置(P)の座標値(X,Y)を算出する算出手段(B)とから成る。
前記第1及び第2の測距装置(A1),(A2)は、第4図R>図に示すように、夫々、対象位置(P1),(P2)に設けた指標具(6)からの空間伝播波を受信してそれら指標具(6)までの距離(l)を測定対象の前記距離(l1),(l2)として測定する距離計(7)と、前記対象とする指標具(6)からの空間伝播波を受信するように指標具(6)に向く向きに前記距離計(7)の全体を向き修正する追尾手段(8)とから成る。
前記指標具(6)は、入射した光線をそれの入射方向と平行な方向に反射するコーナキューブ利用の反射鏡である。
前記距離計(7)は、赤外線の投光部と受信部とを備え、投射したのち反射鏡(6)で反射して受光するまでの時間から反射鏡(6)までの距離を測定する光波距離計である。これら距離計(7)の取付手段は、第2図に示すように、運搬車(1)に2つのターンテーブル(9)を同一の鉛直軸芯(y)周りに各別に回転自在に支持させ、これらターンテーブル(9)の夫々に、支持枠(10)を水平軸芯(x)周りに揺動自在に支持させ、それら支持枠(10)の夫々に対応する距離計(7)を装着する手段である。つまり、距離計(7)は、ターンテーブル(9)の回転と支持枠(10)の揺動向きを変更するようになっている。
前記追尾手段(8)は、運搬車(1)の移動に伴なう距離計(7)を反射鏡(6)との水平方向での相対変位にかからず、距離計(7)を反射鏡(6)に向かせて測距を行なえるようにするための手段である。そして、第4図4図に示すように、ターンテーブル(9)を回転させて距離計(7)を向き変更するステッピングモータ(8A)(駆動装置の一例)と、追尾指令信号を間欠的に出力するタイマ(8B)と、運搬車(1)の移動方向に対する距離計(7)の向きの傾き角(α)を検出する傾き角検出手段(8C)と、受信有無検出手段(8D)と、向き修正角判断用の向き変更制御手段(8E)と、修正角指示手段(8F)と、向き修正制御手段(8G)とから成る。
前記傾き角検出手段(8C)は、運搬車(1)に対するターンテーブル(9)の回転角を検出するロータリエンコーダである。
前記受信有無検出手段(8D)は、距離計(7)の受光の有無、つまり、距離計(7)が反射鏡(6)に向いているか否かを検出する手段である。
前記向き変更制御手段(8E)は、前記タイマ(8B)から追尾指令信号が出力される毎、設定器(8a)及び前記傾き検出手段(8C)からの信号に基づいて、距離計(7)が設定角度(β)をもって向き変更するように前記ステッピングモータ(8A)を作動させる手段である。前記設定角度(β)は、第5図に示すように、前記反射鏡(6)のうち距離計(7)の向き変更方向の両端(6a),(6b)と距離計(7)とを結ぶ直線が成す挟み角(γ)の1/2の大きさの角度である。前記挟み角(γ)は、2つの直線の長さ(La),(Lb)がともに距離計(7)による測定距離l{(l1),(l2)}に近似すると考えて、傾き角算出手段(8b)により、 cos γ=(La2+Lb2−L2)/2・La・Lbつまり、 cos γ=(2l2−L2)/2l2を用いて算出する。ただし、Lは、反射鏡(6)の幅である。
修正角指示手段(8F)は、前記向き変更手段(8E)による向き修正角判断用の向き変更が終了する毎、受信有無検出手段(8D)の検出結果に基づいて、前記向き変更の距離計(7)を受信向きにすべき修正角を指示する手段である。具体的に言うと、第6図(イ)に示すように、受信有無検出手段(8D)が有検出の場合は、反射鏡(6)の端部(6a),(6b)のうち向き変更側の端部(6a)を一端部とし、他方の端部(6b)を他端部として、向き変更前に距離計(7)が反射鏡(6)のうち幅方向の中央(6c)よりも、他端部(6b)側に片寄った部分に向いていたと判断して、第6図(ロ)に示すように、前記設定角度(β)の1/2の大きさの第1設定角度を修正角として指示し、第5図(イ)に示すように、無検出の場合は、向き変更前の距離計(7)が反射鏡(6)のうち中央(6c)よりも一端部(6a)側に片寄った部分に向いていたと判断して、第5図(ロ)に示すように、前記設定角度(β)と等しい大きさの第2設定角度を修正角として指示するものである。
前記向き修正制御手段(8G)は、前記修正角指示手段(8F)で指示された修正角と傾き角検出手段(8C)の検出角とに基づいて、前記修正角をもって距離計(7)が向き変更するようにステッピングモータ(8A)を作動させる手段である。
従って、向き修正角判断用の向き変更後の受信有検出手段(8D)が有検出の場合には、第6図に示すように、反射鏡(6)の中央(6c)に向く向きに対して前記設定角度(β)の1/2の大きさの角度で一端部(6a)側に傾く向きと、反射鏡(6)の中央(6c)に向く向きに対して前記設定角度(β)の1/2の大きさの角度で他端部(6b)側に傾く向きとの間の範囲(A)内の向きに距離計(7)が向き修正され、他方、無検出の場合には、第5図R>図に示すように、向き修正角判断用の向き変更前の向きに距離計(7)が向き修正され、いずれの場合も、距離計(7)が反射鏡(6)に向いた姿勢に修正されて、距離計(7)による測距が維持される。尚、前記受信有無検出手段(8D)が有検出の場合には、反射鏡(6)のうち両端(6a),(6b)を向く向きに対して設定角度(β)の1/2の大きさの角度以上中央側に片寄った向きに距離計(7)が向き修正されるため、向き修正後、運搬車(1)の移動に伴なって距離計(7)の向きが反射鏡(6)から外れるまでに設定角度(β)の1/2の大きさの角度以上の余裕がある。しかし、無検出の場合には、修正後の向きが反射鏡(6)の一端部(6a)に近い部分に向く向きとなることがあるので、運搬車(1)の移動に伴なって距離計(7)の向きが反射鏡(6)から外れることを防止する上で、追尾指令信号の出力間隔を可及的、小にすることが望ましい。
前記算出手段(B)は、第1図に示すように、 cosλ=(l02+l12−l22)/2・l0・l1 X=l1・cos λ Y=l1・sim λの3つの式を用いて、運搬車(1)の位置(P)の座標値(X,Y)を算出する手段である。
前記方向検出手段(3)は、第1図に示すように、前記第1、第2の測距装置(A1),(A2)の測定距離(l1),(l2)と、測定距離(l0)と、傾き角検出手段(8C)が検出した傾き角(α)とから、運搬車(1)の移動方向を、それのY軸方向に対する傾斜角(θ)として算出する手段であって、 cosλ=(l02+l12−l22)/2・l0・l1から λ=cos-1{(l02+l12−l22)/2・l0・l1
となり、この式と λ=(π/2)−(α−θ)
とからθを求めるものである。
(11)と(12)は、支持枠(10)を水平軸芯(X)周りに揺動させて距離計(7)を上下に向き変更するステッピングモータと向きを検出するエンコーダである。
〈実施例2〉 上記実施例1において、追尾手段のうち修正角指示手段(8F)を次のように改良する。
設定角度(β)をもって向き変更したのちの受信有無検出手段(8D)の検出結果が有検出の場合には、実施例1と同様に設定角度(β)の1/2の大きさの角度を修正角として指示し、他方、無検出の場合には、第7図(イ),(ロ)に示すように、設定角度(β)の3/2の大きさの角度を修正角として指示する手段とする。
これによるときは、無検出の場合であっても、反射鏡(6)のうち両端部(6a),(6b)を向く向きに対して設定角度(β)の1/2の大きさの角度以上中央(6c)側に片寄った向きに距離計(7)を向き修正することができる。
〈実施例3〉 上記実施例1において、追尾手段のうち向き変更制御手段(8E)及び修正角指示手段(8F)として次のように構成されたものを設ける。
向き変更制御手段(8E)は、追尾指令信号が出力される毎、その追尾指令信号及び受信有無検出手段(8D)の検出結果に基づいて前記受信有無検出手段(8D)の検出結果が有検出から無検出に切替わるまで距離計(7)が向き変更し、かつ、検出結果が無検出になったときに距離計(7)の向き変更が停止するように駆動装置(8A)を作動させる手段である。つまり、距離計(7)は、第8図8図(イ)に示すように、この向き変更制御手段(8E)によって、向き変更前の向きにかかわらず、反射鏡(6)の一端部(6a)のやや外方箇所を向く向きとなる。
修正角指示手段(8F)は、前記実施例1で説明した挟み角(γ)の1/2の大きさの角度を修正角として指示する手段である。
これによるときは、第8図(ロ)に示すように、反射鏡(6)の幅方向の中央(6c)又はほぼ中央(6c)を向く向きに距離計(7)が向き修正される。
〔別実施例〕
本発明の別実施例を以下に示す。
[1] 上記実施例では、距離計(7)として、投光から反射光の受光までに要した時間から、反射鏡(6)までの距離を測定するものを示したが、距離計(7)としては投光と受光との位相差から距離を測定するものであっても良い。
[2] 上記実施例では、空間伝播波として、電磁波の1つである赤外線を示したが、空間伝播波としては、赤外光以外の電磁波や音波、超音波であっても良い。
[3] 上記実施例では、距離計(7)として、空間伝播波を反射鏡(6)に向けて発信し、その反射波を受信して測距を行なう能動形式のものを示したが、距離計(7)としては、指標具(6)やそれに付された指標からの反射光等、指標具(6)から発せられる空間伝播波を受信することのみによって、測距する受動形式のものであっても良い。
[4] 上記実施例では、移動体(1)として運搬車を示したが、移動体(1)としては、コンクリート床面仕上げ機等の各種の作業車を他に挙げることができる。
[5] 上記実施例では、実施例1の設定角度(β)として、挟み角(γ)の1/2の大きさのものを示したが、設定角度(β)としては挟み角(γ)よりも小なる大きさならばどのような大きさでも良く、又、第1設定角度も設定角度(β)よりも小なる大きさならばどのような大きさでも良い。
[6] 尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構造に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第6図は本発明の実施例1を示し、第1図は平面図、第2図は測距装置の概略構成図、第3図、第4図R>図はブロック図、第5図(イ),(ロ)、第6図(イ),(ロ)は追尾動作を示す概略平面図であり、第7図7図(イ),(ロ)は実施例2における追尾動作を示す概略平面図であり、第8図(イ),(ロ)は実施例3における追尾動作を示す概略平面図である。
(6)……指標具、(1)……移動体、(7)……距離計、(8)……追尾手段、(8A)……駆動装置、(8B)……指令手段、(8D)……受信有無検出手段、(8E)……向き変更制御手段、(8F)……修正角指示手段、(8G)……向き修正制御手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】対象位置に設けた指標具(6)からの空間伝播波を受信してその指標具(6)までの距離を測定する距離計(7)を移動体(1)に取付け、前記指標具(6)からの空間伝播波を指標具(6)に向く受信向きに前記距離計(7)の受信部を向き修正するために、前記受信部を向き変更する駆動装置(8A)と、追尾指令信号を間欠的に出力する指令手段(8B)と、前記受信部の受信の有無を検出する受信有無検出手段(8D)と、前記追尾指令信号が出力される毎、受信部が向き変更するように駆動装置(8A)を作動させる向き修正角判断用の向き変更制御手段(8E)と、向き修正角判断用の向き変更開始後における受信有無検出手段(8D)の検出結果に基づいて前記向き修正角判断用の向き変更後における受信部を受信向きにすべき修正角を指示する修正角指示手段(8F)と、前記向き修正角判断用の向き変更後に前記修正角指示手段(8F)で指示された修正角をもって受信部が向き変更するように駆動装置(8A)を作動させる向き修正制御手段(8G)とで構成する追尾手段(8)を設けてある移動体の測距装置であって、前記向き変更制御手段(8E)として、前記指示具(6)のうち前記受信部の向き変更方向の両端と受信部とを結ぶ2つの直線が成す挟み角(γ)よりも小なる大きさの設定角度(β)をもって受信部が向き変更するように駆動装置(8A)を作動させる手段を設けると共に、前記修正角指示手段(8F)として、前記受信部の向き変更後における受信有無検出手段(8D)の検出結果が有検出の場合には、前記設定角度(β)よりも小なる大きさの第1設定角度を修正角として指示し、かつ、検出結果が無検出の場合には、前記設定角度(β)と等しい大きさの第2設定角度を修正角として指示する手段を設けてある移動体の測距装置。
【請求項2】前記修正角指示手段(8F)を、前記受信部の向き変更後における受信有無検出手段(8D)の検出結果が有検出の場合には、前記設定角度(β)の1/2の角度に等しい第1設定角度を修正角として指示し、かつ、検出結果が無検出の場合には、前記設定角度(β)の3/2の角度に等しい第2設定角度を修正角として指示するように構成してある請求項1に記載の移動体の測距装置。
【請求項3】前記指標具(6)が、入射した電磁波をそれの入射方向と平行な方向に反射する反射鏡であり、前記距離計(7)が、指標具(6)に向かって電磁波を発信し、かつ、指標具(6)からの反射波を受信することで距離を測定するものである請求項1又は2記載の移動体の測距装置。

【第1図】
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【第2図】
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【第3図】
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【第4図】
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【第5図】
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【第6図】
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【第7図】
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【第8図】
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【特許番号】第2930389号
【登録日】平成11年(1999)5月21日
【発行日】平成11年(1999)8月3日
【国際特許分類】
【出願番号】特願平2−206464
【出願日】平成2年(1990)8月2日
【公開番号】特開平4−93682
【公開日】平成4年(1992)3月26日
【審査請求日】平成8年(1996)5月22日
【出願人】(999999999)株式会社竹中工務店
【参考文献】
【文献】特開 昭63−124911(JP,A)