説明

移動体往復螺旋運動装置及びこれを備えた遊戯装置

【目的】 本発明の目的は、移動体を自動的に往復運動させることができる新規な移動体往復螺旋運動装置及びこれを備えた遊戯装置を提供する。
【構成】 移動体10に所定の往復運動をさせる移動体往復螺旋運動装置であって、移動体10を下端部の運動開始位置αから上端部の運動終了位置βにかけて螺旋運動させる螺旋運動機構20と、この螺旋運動機構20の運動終了位置βに位置した移動体10を自重により降下させるためのガイド手段30と、このガイド手段30により降下した移動体10を螺旋運動機構20の運動開始位置αに復帰させる復帰機構40と、螺旋運動機構20、ガイド手段30及び復帰機構40が備えられるベース部50とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体が旋回する玩具である移動体往復螺旋運動装置及びこれを備えた遊戯装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の移動体が運動する玩具としては、ハウジングの内部に設けられた螺旋状のガイド部材に沿って球状の移動体が自重により螺旋運動しながら降下するもの( 特許文献1参照) や筒状のハウジングの内部に設けられた柱体をリング状の移動体が自重により旋回運動しながら降下するもの( 特許文献2参照) 等がある。
【0003】
【特許文献1】特許第3168166号公報
【特許文献2】実開昭60−73598号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、前記玩具は、いずれも移動体が自重により降下する仕組みになっていることから、移動体を運動開始位置に自動復帰させることができない。このため、移動体を自動的に往復運動させることができず、移動体による視覚的効果が乏しいこと等から、前記玩具は幼児用玩具としてのみ使用されている。即ち、汎用性が低いという問題を有する。
【0005】
本発明は、上記事情に鑑みて創案されたものであって、その目的とするところは、移動体を自動的に往復運動させることができる新規な移動体往復螺旋運動装置及びこれを備えた遊戯装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の移動体往復螺旋運動装置は、移動体に所定の往復運動をさせる移動体往復螺旋運動装置であって、移動体を下端部の運動開始位置から上端部の運動終了位置にかけて螺旋運動させる螺旋運動機構と、この螺旋運動機構の運動終了位置に位置した移動体を自重により降下させるためのガイド手段と、このガイド手段により降下した移動体を螺旋運動機構の運動開始位置に復帰させる復帰機構とを具備することを特徴としている。
【0007】
移動体は第1のランナ部を有する構成となっている。螺旋運動機構は、移動体の第1のランナ部が挿入されるスリットが長さ方向にわたって設けられた円筒状の回転体と、この回転体に同心配置されており且つ外周面に移動体の第1のランナ部が移動可能に嵌り込む螺旋状の溝部が設けられた円柱体と、回転体を回転させる駆動手段とを有しており、前記スリットは、運動開始位置に設けられており且つ円柱体の溝部の下側開放端部から当該溝部に移動体の第1のランナ部を嵌合させるための下側切欠き部と、運動終了位置に設けられており且つ円柱体の溝部の上側開放端部から移動体の第1のランナ部を取り外すための上側切欠き部とを有しており、前記円柱体の溝部の上側開放端部には、移動体を前記スリットの上側切欠き部に向けて移動させる傾斜部が設けられた構成となっている。
【0008】
前記移動体は、移動体本体と、後端部が移動体本体に取り付けられており且つ先端部に円柱状の前記第1のランナ部が設けられた棒状の軸部とを有しており、前記軸部の中間部には略T字状の第2のランナ部及び板状の第1、第2の凸部が凸設されており、この第1、第2の凸部の間の凹部に回転する回転体のスリットの端面が当接するようになっている。
【0009】
復帰機構は、ガイド手段に沿って降下した移動体を受けるための部材であり且つ螺旋運動する移動体が当たらないようにするために螺旋運動機構から離れた初期位置に移動可能に配設された受け台と、この受け台を前記初期位置から移動体の第1のランナ部が前記回転体のスリットの下側切欠き部に挿入可能な取付位置に移動させる移動手段とを有する構成となっている。
【0010】
ガイド手段は、移動体の第1、第2の凸部の間の凹部をガイドし当該移動体を降下させるための部材であり且つ螺旋運動する移動体が当たらないようにするために螺旋運動機構から離れた位置に配設された降下ガイド部と、前記円柱体の溝部の嵌合から外れた移動体の第2のランナ部をガイドし前記降下ガイド部へ導く第1の誘導ガイド部と、前記降下ガイド部に沿って降下した移動体の移動体本体をガイドし復帰機構の受け台へ導く第2の誘導ガイド部とを有する構成となっている。
【0011】
前記円柱体の外周面には、螺旋状の凸脈が設けられており、この凸脈間が前記溝部となっている。また、前記移動体及び復帰機構の受け台には互いに吸着する磁性体を内蔵することができる。なお、駆動手段及び移動手段の駆動を制御する制御部を備えることがことができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1に係る移動体往復螺旋運動装置による場合、移動体が螺旋運動機構により当該螺旋運動機構の運動開始位置から運動終了位置にかけて螺旋運動させられ、ガイド手段に沿って自重により降下し、その後、復帰機構により螺旋運動機構の運動開始位置に復帰させられるようになっている。このため、移動体を往復運動させることができる。しかも、移動体が往復運動可能であることから、従来例のような単なる玩具としてだけでなく、パチンコ機、パチスロ機又は業務用のゲーム機等の遊戯装置に備える装置とすることができる。よって、従来例と比べて汎用性の高い装置とすることができる。
【0013】
本発明の請求項2に係る移動体往復螺旋運動装置による場合、螺旋運動機構は、移動体の第1のランナ部を挿入するためのスリットが長さ方向にわたって設けられた円筒状の回転体と、この回転体に同心配置されており且つ外周面に移動体の第1のランナ部が嵌り込む螺旋状の溝部が設けられた円柱体と、回転体を回転させる駆動手段とを有しており、前記スリットは、運動開始位置に設けられており且つ円柱体の溝部の下側開放端部から当該溝部に移動体の第1のランナ部を嵌合させるための下側切欠き部と、運動終了位置に設けられており且つ円柱体の溝部の上側開放端部から移動体の第1のランナ部を取り外すための上側切欠き部とを有しており、前記円柱体の溝部の上側開放端部には、移動体を前記スリットの上側切欠き部に向けて移動させる傾斜部が設けられた構成となっている。即ち、移動体が回転体のスリットの下側切欠き部から円柱体の溝部が嵌まり込むと、駆動手段により回転する回転体のスリットの端面により押圧され、これにより円柱体の溝部に沿って螺旋運動する。その後、移動体が前記溝部の上側開放端部に到達すると、この上側開放端部に設けられた傾斜部により回転体のスリットの上側切欠き部に向けて移動させられ、これにより当該溝部から外れるようになっている。このように螺旋運動機構を簡単な構成で実現することができるので、低コスト化を図る上でメリットがある。しかも、移動体は第1のランナ部だけが回転体の内部に配置される構成となっている。即ち、移動体本体は回転体の外部に配置される構成となっているので、移動体の外形が回転体の形状に依存することがなく、任意に設定することができる。
【0014】
本発明の請求項3に係る移動体往復螺旋運動装置による場合、移動体の軸部の中間部に設けられた板状の第1、第2の凸部の間の凹部に、回転時の回転体のスリットの開口端面が当接し嵌まり込むようになっている。即ち、移動体はランナ部が前記溝部に嵌まり込むと共に、前記凹部に回転体のスリットの端面が嵌まり込んだ状態で螺旋運動するようになっているので、移動体の動作を安定させることができる。
【0015】
本発明の請求項4及び5に係る移動体往復螺旋運動装置による場合、復帰機構は、ガイド手段に沿って降下した移動体を受けるための部材であり且つ螺旋運動する移動体が当たらないようにするために螺旋運動機構から離れた初期位置に移動可能に配設された受け台と、この受け台を前記初期位置から移動体の第1のランナ部が前記回転体のスリットの下側切欠き部に挿入可能な取付位置に移動させる移動手段とを有する構成となっている。ガイド手段は、移動体の第1、第2の凸部の間の凹部をガイドし当該移動体を降下させるための部材であり且つ螺旋運動する移動体が当たらないようにするために螺旋運動機構から離れた位置に配設された降下ガイド部と、前記円柱体の溝部の嵌合から外れた移動体の第2のランナ部をガイドし前記降下ガイド部へ導く第1の誘導ガイド部と、前記降下ガイド部に沿って降下した移動体の移動体本体をガイドし復帰機構の受け台へ導く第2の誘導ガイド部とを有する構成となっている。このため、ガイド手段及び復帰機構が螺旋運動機構により螺旋運動する移動体に当たることがなく邪魔することがないので、移動体を螺旋運動させつつ往復運動させることができる。
【0016】
本発明の請求項6に係る移動体往復螺旋運動装置による場合、前記円柱体の外周面には、螺旋状の凸脈が設けられており、この凸脈間が前記溝部となっている。このため、円柱体の外周面に直接溝部を形成する場合と比べて、円柱体の強度を強くすることが可能になる。
【0017】
本発明の請求項7に係る移動体往復螺旋運動装置による場合、前記移動体の移動体本体及び復帰機構の受け台には互いに吸着する磁性体が設けられているので、移動体の脱落を防止することができる。
【0018】
本発明の請求項8に係る移動体往復螺旋運動装置による場合、制御部により駆動手段及び移動手段の駆動を制御することにより自動的に移動体の動作を制御することができるので、移動体往復螺旋運動装置単体で玩具としてだけでなく装飾機器等としても用いることが可能になる。よって、更に汎用性の高い装置とすることができる。
【0019】
本発明の請求項9に係る遊戯装置による場合、上記移動体往復螺旋運動装置と同様の効果を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態に係る移動体往復螺旋運動装置について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施の形態に係る移動体往復螺旋運動装置を示す図であって、( a) が側面図、( b) がE部分の拡大図、図2は同装置のA−A断面図、図3は同装置のB−B断面図、図4は同装置のC−C断面図、図5は同装置のD−D断面図、図6は( a) が図1の同装置のFーF断面図、( b) がJ部分の拡大図、図7は( a) が図1の同装置を図示左側に略45°回転させ且つ上方から見た斜視図、( b) がG部分の拡大図、図8は( a) が図1の同装置を下方から見た斜視図、( b) がH部分の拡大図、図9は( a) が図8の同装置を図示左側に略45°回転させた斜視図、( b) がI部分の拡大図、図10は( a) が図7の同装置を図示右側に略50°回転させた斜視図、( b) がL部分の拡大図、図11は同装置の移動体を示す図であって、( a) が正面から見た斜視図、( b) が背面から見た斜視図、図12は同装置の螺旋運動機構の回転体及び円柱体の取付状態を示す分解斜視図、図13は同装置の螺旋運動機構の円柱体を示す図であって、( a) が上方から見た図、( b) が下方から見た図、図14は同装置の螺旋運動機構の回転体の斜視図、図15は同装置の復帰機構を示す図であって、( a) が側面図、( b) が斜視図、図16は同装置の復帰機構を示す図であって、( a) が図15のK−K断面図、( b)が板状部の移動過程を示す図、図17は同装置の復帰機構の回転板の斜視図、図18は同装置のガイド手段の降下ガイド部の斜視図、図19は同装置のベース部の下ベースの斜視図、図20は同装置のベース部の上ベースの斜視図、図21は同装置のベース部の蓋体の斜視図である。
【0021】
図1及び図2に示す移動体往復螺旋運動装置は、パチンコ機である遊戯装置( 図示しない) に備えられており且つ遊戯球の入賞時に移動体10に所定の往復運動をさせる移動体往復螺旋運動装置であって、移動体10を下端部の運動開始位置αから上端部の運動終了位置βにかけて螺旋運動させる螺旋運動機構20と、この螺旋運動機構20の運動終了位置βに位置した移動体10を自重により降下させるためのガイド手段30と、このガイド手段30により降下した移動体10を螺旋運動機構20の運動開始位置αに復帰させる復帰機構40と、螺旋運動機構20、ガイド手段30及び復帰機構40が備えられるベース部50とを具備している。以下、各部を詳しく説明する。
【0022】
なお、運動開始位置αとは移動体10の軸部12が螺旋運動機構20の回転体210のスリット211の下側切欠き部212に挿入される位置のことである。運動終了位置βとは移動体10の軸部12が螺旋運動機構20の回転体210のスリット211の上側切欠き部213から外れる位置のことである。
【0023】
移動体10は、図11に示すように、略三角柱状の枠体である移動体本体11と、後端部が移動体本体11の頂部に取り付けられた棒状の軸部12とを有する。移動体本体11の下端部の中心部には復帰機構40の受け台410の台部411の磁性体414と吸着する磁性体11a( 図11( b) 参照) が設けられている。この磁性体11aは、移動体10が自重移動する際に、移動体本体11自身の重心を取り、これにより移動体本体11のふらつきを防止する。
【0024】
軸部12の先端部には円柱状の第1のランナ部12aが設けられている。軸部12の中間部には上方に突出する略T字状の第2のランナ部12bと板状の第1、第2の凸部12c、12dとが設けられている。第1のランナ部12aは螺旋運動機構20の円柱体220の溝部221aに移動可能に嵌まり込む( 図2参照) 。第2のランナ部12bはガイド手段30の第1の誘導ガイド部320にガイドされる( 図7、図8及び図9参照) 。第1、第2の凸部12c、12dは、その間が螺旋運動機構20の回転体210のスリット211の端面が当接し嵌まり込む凹部12eとなる( 図6参照) 。即ち、この凹部12eが回転する回転体210のスリット211の端面により押圧され、これにより移動体10が円柱体220の溝部221aに沿って螺旋運動する。このように移動体10は、第1のランナ部12aが円柱体220の溝部221aに嵌まり込むと共に、凹部12eに回転体210のスリット211の端面が嵌まり込んだ状態で螺旋運動するようになっているので、移動体10の螺旋運動が安定する。また、凹部12eは、移動体10が自重により降下する際にガイド手段30の降下ガイド部310にガイドされる( 図4参照) 。
【0025】
螺旋運動機構20は、図2及び図12に示すように、ベース部50に回転可能に取り付けられており且つ移動体10の軸部12が挿入されるスリット211が長さ方向にわたって設けられた円筒状の回転体210と、この回転体210に同心配置されており且つ外周面に移動体10の第1のランナ部12aが移動可能に嵌まり込む螺旋状の溝部221aが設けられた円柱体220と、回転体210を回転させる駆動手段230とを備えた構成となっている。
【0026】
円柱体220は、図2、図12及び図13に示すように、下端部がベース部50の下ベース510の凹部511に挿入される一方、上端部がベース部50の上ベース520の貫通孔521に挿入される。この円柱体220の上端面には、ベース部50の蓋体540の突起541a( 図21参照) が嵌合する略T字状の凹部である上側嵌合部222( 図13( a) 参照) が設けられており、下端面にはベース部50の下ベース510の凹部511内の突起511a( 図5参照) が嵌合する略三角錐状の凹部である下側嵌合部223( 図13( b) 参照) が設けられている。即ち、下側嵌合部223に下ベース510の突起511aが嵌合し且つ上側嵌合部222に蓋体540の突起541aが嵌合することにより、円柱体220が下ベース510及び蓋体540が取り付けられた上ベース520に固定される。また、円柱体220の外周面には螺旋状の凸脈221が設けられている。この凸脈221の間が移動体10の第1のランナ部12aが移動可能に嵌まり込む溝部221aとなる。この溝部221a上側開放端部には、移動体10を回転体210のスリット211の上側切欠き部213に向けて移動させる傾斜部224が設けられている( 図2、図6及び図13参照) 。
【0027】
回転体210は、図2、図12及び図14に示すように、下端部が下ベース510の第1の第1の凹部511に回転可能に嵌まり込む一方、上端部が上ベース520の貫通孔521に挿入される。この回転体210には、3つのスリット211が等間隔で設けられている。このスリット211は矩形状をしており、上端部が開放されている。即ち、回転体210は、下端部を除く部分がスリット211により3つに分割されている。この回転体210の三分割された部分の上端部210a、210a、210aが駆動手段230の第2のギヤ235のスリット部235a、235a、235aに嵌合する。即ち、第2のギヤ235の回転に伴って回転体210が回転するようになっている。
【0028】
このスリット211は、その端面が回転体210の回転により移動体10の軸部12の凹部12eを押圧する。
【0029】
スリット211の下端部の回転方向の後側部には下側切欠き部212が設けられている。この下側切欠き部212は、図3及び図10( b)に示すように、回転体210の回転により所定のタイミング毎( 例えば、1秒毎) に運動開始位置αに位置し、このときに移動体10の軸部12が挿入される。下側切欠き部212の端面は、回転体210の回転に応じて移動体10の軸部12の凹部12eを押圧し、これにより移動体10の軸部12の第1のランナ部12aを円柱体220の溝部221aの下側開放端部から当該溝部221aに嵌合させる。また、スリット211の上端部の回転方向の前側部には上側切欠き部213が設けられている。この上側切欠き部213は、図6に示すように、回転体210の回転により所定のタイミング毎( 例えば、1秒毎) に運動終了位置βに位置し、このときに円柱体220の傾斜部224に対向するようになっている。即ち、移動体10の軸部12が傾斜部224に沿って移動し、回転体210の上側切欠き部213から外れるようになっている。
【0030】
駆動手段230は、図2、図3及び図4に示すように、DCモータであるモータ231と、このモータ231のウォームギアに螺合するウォームホイール232と、一端部がウォームホイール232に取り付けられており且つ他端部が上ベース520の軸穴524に挿入される駆動軸233と、この駆動軸233の他端部に取り付けられた第1のギヤ234と、この第1のギヤ234に螺合する第2のギヤ235と、モータ231、ウォームホイール232、駆動軸233及び第1のギヤ234が組み込まれており且つ上ベース520の第2の取付溝523に取り付けられる筐体236とを有する構成となっている。
【0031】
モータ231は、ウォームギア及びウォームホイール232のギヤ構成を用いることにより、その出力方向を90°変換させ、その出力が大きくなるようにしている。
【0032】
第2のギヤ235は、外周面に歯が設けられたリング体あって、回転体210の上端部210a、210a、210aが嵌合する3つのスリット部235a、235a、235aが等間隔で設けられている( 図12参照) 。スリット部235a、235a、235aが回転体210の上端部210a、210a、210aに嵌合することにより、第2のギヤ235が回転体210に取り付けられる。即ち、モータ231の出力が、ウォームホイール232、駆動軸233及び第1、第2のギヤ234、235を通じて回転体210に伝わり、これにより回転体210が回転する。
【0033】
復帰機構40は、図5、図10及び図15に示すように、ガイド手段30に沿って降下した移動体10を受けるための部材であり且つ螺旋運動する移動体10が当たらないようにするために螺旋運動機構20から離れた初期位置γに移動可能に配設された受け台410と、この受け台410を初期位置γから移動体10の第1のランナ部12aが回転体210のスリット211の下側切欠き部212に挿入される取付位置δに移動させる移動手段420とを有する構成となっている。
【0034】
受け台410は、図15に示すように、移動体10の移動体本体11が載置される台部411と、この台部411から延設された板状部412と有する。台部411は、ベース部50の下ベース510の第2の凹部512に移動可能に嵌まり込む。この台部411の下端部には、ベース部50の下ベース510の第2の凹部512のレール部512aが嵌まり込む下向きの凹部であるレール溝411aが設けられている( 図15( b) 及び図16参照) 。即ち、台部411は下ベース510の第2の凹部512のレール部512aに沿って初期位置γから取付位置δに移動する。また、この台部411には、回転体210の下側切欠き部212の位置を検出する一方、移動体10が台部411に到達したことを検出するフォトセンサ等の位置検出センサ413と、移動体10の移動体本体11の磁性体11aと吸着する磁性体414とが設けられている。
【0035】
板状部412は、略L字状の板であって、その基端部が台部411と共に下ベース510の第2の凹部512に嵌まり込み、この基端部から直角に曲がった先端部及び中間部が下ベース510のスリット部513に挿入される。この板状部412の先端部には、図15及び図16に示すように、下ベース510のスリット部513に挿入された状態で下ベース510の張出部517に対向する位置に略半円形の開口412aが設けられている。この開口412aには、移動手段420の駆動軸423及び回転板424の係止部424bが挿入される。なお、この開口412aの図16の図示上下には、組立時に駆動軸423を干渉させないための逃がし孔がそれぞれ設けられている。
【0036】
移動手段420は、DCモータであるモータ421と、このモータ421のウォームギアに螺合するウォームホイール422と、一端部にウォームホイール422が取り付けられた駆動軸423と、この駆動軸423の他端部に取り付けられた回転板424と、モータ421、ウォームホイール422及び駆動軸423が取り付けられる筐体425とを有する構成となっている。
【0037】
即ち、モータ421の出力は、ウォームホイール422及び駆動軸423を通じて回転板424に伝わるようになっている。
【0038】
回転板424は、図17に示すように、中心部に駆動軸423が挿入される取付孔424aが設けられている。また、回転板424には、円柱状の凸部である係止部424bが設けられている。この回転板424の係止部424bは受け台410の板状部412の開口412aに挿入される。即ち、モータ421の駆動により回転板424が図16( b)の矢印方向に回転すると、係止部424bが板状部412の開口412aの円弧部を押圧する。これにより板状部412が及び台部411がレール部512aに沿って初期位置γから取付位置δにかけて移動する。その後、回転板424が図16( b)の矢印方向に更に回転すると、係止部424bが板状部412の開口412aの平坦部を押圧する。これにより板状部412が及び台部411がレール部512aに沿って取付位置δから初期位置γにかけて移動する( 即ち、復帰する) 。要するに、回転板424が一回転することにより板状部412が及び台部411が初期位置γ、取付位置δ、初期位置γへと順次移動するようになっている。
【0039】
ガイド手段30は、図2、図4及び図5に示すように、移動体10のの凹部12eをガイドし当該移動体10を降下させるための部材であり且つ螺旋運動する移動体10が当たらないようにするために螺旋運動機構20から離れた位置に配設された降下ガイド部310と、円柱体220の溝部221aの嵌合から外れた移動体10の第2のランナ部12bをガイドし降下ガイド部310へ導く第1の誘導ガイド部320と、降下ガイド部310に沿って降下する移動体10の移動体本体11をガイドし復帰機構40の受け台410へ導く第2の誘導ガイド部330とを有する構成となっている。
【0040】
降下ガイド部310は、図18に示すように、半円形の切欠きを有するベース板311と、このベース板311の切欠きに取り付けられる半円形の板体312と、この板体312をベース板311に取り付ける略凹字状の取付部材313とを有する。ベース板311は、上端部にベース部50の上ベース520の取付穴525、525に挿入される取付凸部311a、311aが設けられている。板体312は、ベース板311の切欠きよりも小さい板体であって、取付部材313によりベース板311に取り付けられた状態で、当該ベース板311との間に隙間を有するようになっている。この隙間が移動体10の第1、第2の凸部12c、12dの間の凹部12eをガイドするガイド溝314となる。
【0041】
第2の誘導ガイド部330は、図4及び図5に示すように、降下する移動体10の移動体本体11をガイドする断面視略凹字状のスロープである。この第2の誘導ガイド部330は、ベース部50の下ベース510の第1の取付台514a、514bに取り付けられる。
【0042】
第1の誘導ガイド部320は、図1( b) 、図7、図8及び図9に示すように、移動体10の第2のランナ部12bをガイドするレールである。この第1の誘導ガイド部320は、ベース部50の上ベース520の下面に凸設されている。
【0043】
ベース部50は、図2及び図12に示すように、下ベース510と、この下ベース510と対向配置された上ベース520と、この下ベース510及び上ベース520を支持する4本の支柱530と、上ベース520に取り付けられる蓋体540とを有している。
【0044】
下ベース510は矩形状の台である。この下ベース510には、図5、図12及び図19に示すように、螺旋運動機構20の回転体210及び円柱体220が嵌まり込む円柱状の第1の凹部511と、復帰機構40の受け台410の台部411及び板状部412の基端部が移動可能に嵌まり込む第2の凹部512と、この第2の凹部512と連通しており且つ受け台410の板状部412の中間部及び先端部が挿入されるスリット部513と、このスリット部513の一端部上に位置しており且つガイド手段30の第2の誘導ガイド部330を取り付けるための第1の取付台514a、514bと、スリット部513の中間部上に位置しており且つ移動手段420の筐体425を取り付けるための第2の取付台515と、第2の取付台515に隣接しており且つ移動手段420のモータ421を載置するためのモータ台516と、スリット部513の他端部に張り出しており且つ移動手段420の駆動軸423を軸受する張出部517と、ガイド手段30の降下ガイド部310のベース板311は嵌まり込む取付溝518が設けられている。なお、下ベース510の四隅には支柱530が嵌まり込む円柱状のネジ穴519が設けられている。
【0045】
第1の凹部511の底面には、図12及び図19に示すように、円柱体220の下端面の下側嵌合部223に嵌合する略三角錐状の突起511aが設けられている。第2の凹部512の底面には、図12及び図19に示すように、受け台410の台部411のレール溝411aに嵌まり込む凸脈であるレール部512aが設けられている。
【0046】
上ベース520は、図12及び図20に示すように、矩形状の台であって、その中央部には、回転体210及び円柱体220が挿入される円形の貫通孔521が設けられている。この上ベース520の上面には、挿入された回転体210及び円柱体220の上端部を覆う蓋体540を取り付けるための略U字状の第1の取付溝522と、この第1の取付溝522と対向しており且つ駆動手段230を取り付けるための略U字状の第2の取付溝523と、この第2の取付溝523の略中心部に位置し且つ駆動手段230の駆動軸233が挿入される貫通孔である軸穴524とが設けられている。上ベース520の下面には、ガイド手段30の第2の誘導ガイド部330と、ガイド手段30の降下ガイド部310のベース板311の取付凸部311a、311aが挿入される取付穴525、525とが設けられている。なお、上ベース520の四隅には、支柱530をネジ止めするためのネジ穴526が設けられている。
【0047】
支柱530は、円柱状をしており、その上端部、下端部が上ベース520にネジ穴526、下ベース510のネジ穴519に挿入され、ネジ止めされるようになっている。
【0048】
蓋体540は、図21に示すように、蒲鉾状の板部541と、この板部541の周縁部に立設された略U字状の壁部542とを有する構成となっている。即ち、この蓋体540は平坦部が開放された形状となっている。壁部542は上ベース520の第1の取付溝522に嵌まり込み取り付けられる。この状態で蓋体540の開放部から回転体210に取り付けられた駆動手段230の第2のギヤ235の一部が露出し、第1のギヤ234に螺合している。一方、板部541の下面には、T字状の突起541aが設けられている。この突起541aは円柱体220の上端面の上側嵌合部222が嵌合する。
【0049】
以下、この移動体往復螺旋運動装置の組み立て手順について説明する。まず、螺旋運動機構20の駆動手段230の筐体236に、モータ231、ウォームホイール232、駆動軸233及び第1のギヤ234を取り付ける。復帰機構40の移動手段420の筐体425にモータ421、ウォームホイール422及び回転板424が取り付けられた駆動軸423を取り付ける。降下ガイド部310のベース板311と板体312とに取付部材313を取り付け、これにより板体312をベース板311に取り付ける。
【0050】
そして、駆動軸233を上ベース520の軸穴524に位置合わせをしつつ挿入し、前記筐体236を上ベース520の第2の取付溝523に取り付ける( ネジ止めする) 。一方、図5に示すように、受け台410の板状部412の先端部及び中間部を下ベース510の第2の凹部512からスリット部513に向けて挿入すると共に、受け台410の台部411のレール溝411aに第2の凹部512のレール部512aを挿入し、当該受け台410の台部411及び板状部412の基端部を第2の凹部512に嵌め込む。
【0051】
この状態で、受け台410の板状部412の先端部の開口412aに駆動軸423、回転板424の係止部424bを挿入する一方、下ベース510のモータ台516にモータ421を位置合わせしつつ嵌め込み、前記筐体425を下ベース510の第2の取付台515に取り付ける( ネジ止めする) 。このとき、駆動軸423が下ベース510の張出部517に軸受けされる。その後、下ベース510の第1の取付台514a、514bにガイド手段30の第2の誘導ガイド部330を取り付ける( ネジ止めする) 。一方、取付溝518に前記ベース板311を嵌め込み、ネジ止めする。
【0052】
そして、回転体210の内部に円柱体220を挿入し同心配置する。この回転体210及び円柱体220を下ベース510の第1の凹部511に挿入する。そして、円柱体220の下側嵌合部223に下ベース510の第1の凹部511の突起511aを嵌合させる。そして、支柱530の下端部を下ベース510のネジ穴519に挿入し、ネジ止めする。
【0053】
その後、上ベース520の貫通孔521に、回転体210及び円柱体220を挿入する。すると。回転体210及び円柱体220が上ベース520上に突出する。そして、ベース板311の取付凸部311a、311aを上ベース520の取付穴525、525に位置合わせをしつつ挿入すると共に、支柱530の上端部を上ベース520のネジ穴526に位置合わせをしつつ挿入し、ネジ止めする。その後、駆動手段230の第2のギヤ235のスリット部235a、235a、235aに、回転体210の上端部210a、210a、210aを挿入する。そして、第2のギヤ235を、上ベース520上の第1のギヤ234に螺合させる。この状態で、蓋体540の突起541aを円柱体220の上側嵌合部222に嵌合させ、当該蓋体540を上ベース520の第1の取付溝522に取り付ける( ネジ止めする) 。
【0054】
その後、移動体10を復帰機構40の受け台410の台部411に載置する。移動体10を複数使用する場合には、移動体10の凹部12eを降下ガイド部310のガイド溝314に挿入し、第2の誘導ガイド部330上に載置しておく。第2の誘導ガイド部330上に載らない移動体10は第2の誘導ガイド部330上の移動体10に当接し、降下ガイド部310にガイドされた状態で中空支持される。
【0055】
このように組み立てられた移動体往復螺旋運動装置は遊戯装置に備えられる。このとき、遊戯装置の制御部の入力ポートに位置検出センサ413が接続される一方、出力ポートに駆動手段230のモータ231の図示しない電源ライン、移動手段420のモータ421の図示しない電源ラインが接続される。即ち、遊戯装置の制御部によりモータ231及びモータ421の電圧制御されるようになっている。この遊戯装置の制御部は、位置検出センサ413の出力信号のパルス長に応じて、移動体10が台部411に載ったと判断又は回転体210の下側切欠き部212が運動開始位置αに位置したと判断するようになっている。即ち、制御部は、移動体10が台部411に載ったと判断したときには、モータ421の駆動させる一方、回転体210の下側切欠き部212が運動開始位置αに位置したと判断したときには、回転体210の下側切欠き部212が運動開始位置αに位置したときに移動体10が載置された受け台410が取付位置δに位置するようにモータ421を駆動するタイミングを図るようになっている。このようにタイミングを図ることにより、移動体10の軸部12が回転する回転体210の周面に衝突し、脱落や損傷しないようにしている。
【0056】
以下、移動体往復螺旋運動装置の使用方法及び動作について詳しく説明する。説明の便宜上、移動体10は一つとする。まず、遊戯球が入賞すると、遊戯装置の制御部は、モータ231を駆動させる。すると、モータ231の出力が、ウォームホイール232、駆動軸233、第1、第2のギヤ234、235を通じて回転体210に伝わり、回転体210が回転する。このとき、遊戯装置の制御部は、回転体210の下側切欠き部212が運動開始位置αに位置する毎( 即ち、所定のタイミング毎) に順次入力される所定のパルス長の位置検出センサ413の出力信号に応じてモータ421を駆動させる基準のタイミングを図っている。その後、前記制御部は、前記所定のパルス長と異なるパルス長の位置検出センサ413の出力信号が入力されると、移動体10が台部411に載ったと判断してモータ421を駆動させる。このとき、モータ421の駆動のタイミングが前記基準のタイミングとズレているか否かを判断し、ズレていると判断したときには、当該タイミングに合わせてモータ421を駆動させる。
【0057】
すると、モータ421の出力が、ウォームホイール422、駆動軸423を通じて回転板424に伝わり、回転板424が図16( b) の図示矢印方向に回転し、この回転板424の係止部424bにより板状部412の開口412aの円弧部が押圧される。これにより板状部412、台部411及びこの台部411に載置された移動体10が下ベース510のレール部512aに沿って初期位置γから取付位置δに移動する( 図10( b)参照) 。
【0058】
台部411が取付位置δに位置すると、移動体10の軸部12が運動開始位置αに位置した回転体210のスリット211の下側切欠き部212に挿入される。すると、移動体10の凹部12eが下側切欠き部212の端面に押圧され、当該移動体10の第1のランナ部12aが円柱体220の溝部221aの下側開放端部から当該溝部221aに嵌まり込む。そして、移動体10の凹部12eが回転体210のスリット211の端面により押圧される。これにより移動体10が円柱体220の溝部221aに沿って運動開始位置αから運動終了位置βにかけて螺旋運動する。
【0059】
なお、モータ421の駆動は、回転板424が一回転するまで持続させる。このため、図16( b) に示すように、回転板424の係止部424bにより板状部412の開口412aの平坦部が押圧され、これにより板状部412、台部411及びこの台部411に載置された移動体10が下ベース510のレール部512aに沿って取付位置δから初期位置γに移動( 即ち、復帰) する( 図10( b)参照) 。
【0060】
その後、移動体10が運動終了位置βに位置すると、図6( b) に示すように、移動体10の第1のランナ部12aが傾斜部140に沿って移動し、当該移動体10の軸部12が回転体210のスリット211の上側切欠き部213から外れる。すると、移動体10の第2のランナ部12aがガイド手段30の第1の誘導ガイド部320に挿入される( 図1( b) 、図7( b) 及び図8( b)参照) 。
【0061】
その後、自重により移動体10が第1の誘導ガイド部320に沿って移動する( 図1( b) 及び図9( b)参照) 。そして、移動体10の第2のランナ部12aがガイド手段30の第1の誘導ガイド部320から外れると、当該移動体10の凹部12eが降下ガイド部310のガイド溝314に挿入される( 図1( b) 及び図9( b)参照) 。すると、自重により移動体10がガイド溝314に沿って降下する。移動体10がガイド溝314の下端部に達すると、当該移動体10の移動体本体11が第2の誘導ガイド部330にガイドされる( 図4及び図5参照)。そして、移動体10の凹部12eが第1の誘導ガイド部320のガイド溝314から外れ、当該移動体10の移動体本体11が受け台410の台部411上に載置される。このとき、移動体本体11の磁性体11aと台部411の磁性体414とが互いに吸着することから移動体10の脱落を防止し且つ台部411の意図する位置に誘導することができる。このようにして移動体10を往復運動させるようになってる。
【0062】
このような移動体往復螺旋運動装置による場合、移動体10が螺旋運動機構20により運動開始位置αから運動終了位置βにかけて螺旋運動させられ、ガイド手段30に沿って自重により降下し、その後、復帰機構40により螺旋運動機構20の運動開始位置αに復帰させられるようになっている。このため、移動体10を往復運動させることができる。しかも移動体10が往復運動可能であることから、従来例のような単なる玩具としてだけでなく、パチンコ機の遊戯装置に備える装置とすることができる。よって、従来例と比べて汎用性の高い装置とすることができる。
【0063】
また、駆動手段230により回転体210を回転させると、回転体210のスリット211の端面により移動体10が押圧され、これにより移動体10が円柱体220の溝部221aに沿って螺旋運動するようになっている。よって、簡単な構成で移動体10を螺旋運動させることができる。しかも、移動体10は軸部12が回転体210の内部に配置される構成となっている。即ち、移動体本体11は回転体210の外部に配置される構成となっているので、移動体10の外形が回転体210の形状に依存することがなく、任意に設定することができる。
【0064】
なお、この移動体往復螺旋運動装置は、移動体に所定の往復運動をさせる移動体往復螺旋運動装置であって、移動体を下端部の運動開始位置から上端部の運動終了位置にかけて螺旋運動させる螺旋運動機構と、この螺旋運動機構の運動終了位置に位置した移動体を自重により降下させるためのガイド手段と、このガイド手段により降下した移動体を螺旋運動機構の運動開始位置に復帰させる復帰機構とを具備する限りどのような設計変更を行ってもかまわない。
【0065】
ベース部50については、設けるか否か任意である。ベース部50を設けない場合には、遊戯装置等に螺旋運動機構20、ガイド手段30及び復帰機構40を備えるようにすれば良い。このとき、ガイド手段30の第1の誘導ガイド部320については別部材とすれば良い。なお、上ベース520、下ベース510のいずれか一方のみとすることも勿論可能である。
【0066】
移動体10については、一つ備えられていれば良い。移動体本体11の形状については任意である。また、移動体本体11は軸部12の後端部に回転可能に取り付けるようにしても良い。この場合、移動体本体11が旋回する遠心力により回転するので、移動体本体11に更に多彩な動作を与えることができる。
【0067】
回転体210については、3つのスリット211が設けられているとしたが、少なくとも1つのスリット211が設けられていれば良い。
【0068】
円柱体220については、外周面に螺旋状の凸脈310が設けられているとしたが、溝部が設けられていれば良い。円柱体220の上側嵌合部222及び下側嵌合部223については、これに替えて突起を設けることができる。この場合、下ベース510の第1の凹部511の底面及び蓋体540の板部541には、前記突起が嵌合する嵌合部を設ける。なお、突起511a、突起541a及び前記突起の形状は任意であり、上側嵌合部222、下側嵌合部223及び前記嵌合部はその形状に応じて適宜設計変更すれば良い。
【0069】
駆動手段230については、回転体210を回転させ得る構成である限りどのようなものを用いても良い。よって、モータ231と出力ギヤとを平行に配置するようにすることも可能である。また、制御部のメモリ部にモータ421の駆動パターンを示すパターンを予め記録しておけば、移動体10を運動開始位置αから運動終了位置βにかけて単に螺旋運動させるだけでなく、運動開始位置αと運動終了位置βとの間で螺旋運動させつつ往復運動させることができる。
【0070】
ガイド手段30については、螺旋運動機構20の運動終了位置βから復帰機構40に向けて移動体10をガイドし得るものである限りどのようなものを用いても良い。即ち、ガイド手段30の降下ガイド部310のガイド溝314の形状、第1の誘導ガイド部320のレール形状及び第2の誘導ガイド部330のレール形状については任意である。
【0071】
復帰機構40については、初期位置から取付位置に移動可能である限りどのようなものを用いても良い。受け台410の台部411の形状については任意である。台部411には磁性体414を設けることが望ましいが、特に設けなくても良い。この場合、移動体10にも磁性体11aを設けなくても良い。
【0072】
移動手段420については、受け台410を初期位置γから取付位置δにかけて移動可能にできる限りどのような構成であっても良い。
【0073】
上記実施例では、移動体往復螺旋運動装置はパチンコ機である遊戯機器に備えられるとして説明したが、その他のパチスロ機や業務用のゲーム機等の遊戯機器に備えることが可能であることはいう迄もない。
【0074】
また、移動体往復螺旋運動装置は、駆動手段及び移動手段の駆動を制御する制御部を備えることが可能である。この場合、前記遊戯装置に備えられる装置としてだけではなく、単独の玩具や装飾装置等とすることができるので、従来例の玩具と比べて多彩な用途に使用することが可能になる。なお、制御部に替えて、モータ231及びモータ421のON/OFFスイッチや回転方向を切り換える切り換えスイッチ等を用いることができることはいう迄もない。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の実施の形態に係る移動体往復螺旋運動装置を示す図であって、( a) が側面図、( b) がE部分の拡大図である。
【図2】同装置のA−A断面図である。
【図3】同装置のB−B断面図である。
【図4】同装置のC−C断面図である。
【図5】同装置のD−D断面図である。
【図6】( a) が図1の同装置のFーF断面図、( b) がJ部分の拡大図である。
【図7】( a) が図1の同装置を図示左側に略45°回転させ且つ上方から見た斜視図、( b) がG部分の拡大図である。
【図8】( a) が図1の同装置を下方から見た斜視図、( b) がH部分の拡大図である。
【図9】( a) が図8の同装置を図示左側に略45°回転させた斜視図、( b) がI部分の拡大図である。
【図10】( a) が図7の同装置を図示右側に略50°回転させた斜視図、( b) がL部分の拡大図である。
【図11】同装置の移動体を示す図であって、( a) が正面から見た斜視図、( b) が背面から見た斜視図である。
【図12】同装置の螺旋運動機構の回転体及び円柱体の取付状態を示す分解斜視図である。
【図13】同装置の螺旋運動機構の円柱体を示す図であって、( a) が上方から見た図、( b) が下方から見た図である。
【図14】同装置の螺旋運動機構の回転体の斜視図である。
【図15】同装置の復帰機構を示す図であって、( a) が側面図、( b) が斜視図である。
【図16】同装置の復帰機構を示す図であって、( a) が図15のK−K断面図、( b)が板状部の移動過程を示す図である。
【図17】同装置の復帰機構の回転板の斜視図である。
【図18】同装置のガイド手段の降下ガイド部の斜視図である。
【図19】同装置のベース部の下ベースの斜視図である。
【図20】同装置のベース部の上ベースの斜視図である。
【図21】同装置のベース部の蓋体の斜視図である。
【符号の説明】
【0076】
10 移動体
20 螺旋運動機構
210 回転体
220 円柱体
230 駆動手段
30 ガイド手段
310 降下ガイド部
320 第1の誘導ガイド部
330 第2の誘導ガイド部
40 復帰機構
410 受け台
411 台部
420 移動手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
移動体に所定の往復運動をさせる移動体往復螺旋運動装置において、移動体を下端部の運動開始位置から上端部の運動終了位置にかけて螺旋運動させる螺旋運動機構と、この螺旋運動機構の運動終了位置に位置した移動体を自重により降下させるためのガイド手段と、このガイド手段により降下した移動体を螺旋運動機構の運動開始位置に復帰させる復帰機構とを具備したことを特徴とする移動体往復螺旋運動装置。
【請求項2】
請求項1記載の移動体往復螺旋運動装置において、移動体は第1のランナ部を有しており、螺旋運動機構は、移動体の第1のランナ部が挿入されるスリットが長さ方向にわたって設けられた円筒状の回転体と、この回転体に同心配置されており且つ外周面に移動体の第1のランナ部が移動可能に嵌り込む螺旋状の溝部が設けられた円柱体と、回転体を回転させる駆動手段とを備えており、
前記回転体のスリットは、運動開始位置に設けられており且つ円柱体の溝部の下側開放端部から当該溝部に移動体の第1のランナ部を嵌合させるための下側切欠き部と、運動終了位置に設けられており且つ円柱体の溝部の上側開放端部から移動体の第1のランナ部を取り外すための上側切欠き部とを有しており、
前記円柱体の溝部の上側開放端部には、移動体を前記スリットの上側切欠き部に向けて移動させる傾斜部が設けられていることを特徴とする移動体往復螺旋運動装置。
【請求項3】
請求項2記載の移動体往復螺旋運動装置において、前記移動体は、移動体本体と、後端部が移動体本体に取り付けられており且つ先端部に円柱状の前記第1のランナ部が設けられた棒状の軸部とを有しており、前記軸部の中間部には略T字状の第2のランナ部及び板状の第1、第2の凸部が凸設されており、この第1、第2の凸部の間の凹部に回転する回転体のスリットの端面が当接するようになっていることを特徴とする移動体往復螺旋運動装置。
【請求項4】
請求項3記載の移動体往復螺旋運動装置において、復帰機構は、ガイド手段に沿って降下した移動体を受けるための部材であり且つ螺旋運動する移動体が当たらないようにするために螺旋運動機構から離れた初期位置に移動可能に配設された受け台と、この受け台を前記初期位置から移動体の第1のランナ部が前記回転体のスリットの下側切欠き部に挿入可能な取付位置に移動させる移動手段とを有することを特徴とする移動体往復螺旋運動装置。
【請求項5】
請求項4記載の移動体往復螺旋運動装置において、ガイド手段は、移動体の第1、第2の凸部の間の凹部をガイドし当該移動体を降下させるための部材であり且つ螺旋運動する移動体が当たらないようにするために螺旋運動機構から離れた位置に配設された降下ガイド部と、円柱体の溝部の嵌合から外れた移動体の第2のランナ部をガイドし前記降下ガイド部へ導く第1の誘導ガイド部と、前記降下ガイド部に沿って降下する移動体の移動体本体をガイドし復帰機構の受け台へ導く第2の誘導ガイド部とを有することを特徴とする移動体往復螺旋運動装置。
【請求項6】
請求項2記載の移動体往復螺旋運動装置において、前記円柱体の外周面には、螺旋状の凸脈が設けられており、この凸脈間が前記溝部となっていることを特徴とする移動体往復螺旋運動装置。
【請求項7】
請求項4記載の移動体往復螺旋運動装置において、前記移動体の移動体本体及び復帰機構の受け台には互いに吸着する磁性体が設けられていることを特徴とする移動体往復螺旋運動装置。
【請求項8】
請求項4記載の移動体往復螺旋運動装置において、駆動手段及び移動手段の駆動を制御する制御部を有することを特徴とする移動体往復螺旋運動装置。
【請求項9】
パチンコ機、パチスロ機又は業務用のゲーム機等の遊戯装置において、請求項4記載の移動体往復螺旋運動装置と、この移動体往復螺旋運動装置の駆動手段及び移動手段の駆動を制御する制御部とを備えたことを特徴とする遊戯装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2006−180995(P2006−180995A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−375836(P2004−375836)
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【出願人】(000194918)ホシデン株式会社 (527)
【Fターム(参考)】