説明

移動体繰出容器

【課題】移動体が前進、後退して螺合部の螺合が解除された際にクラッチ機能を発揮する容器において、部品点数を低減する。
【解決手段】移動体3は、棒状を成し、その後端側に雌螺子部材4の雌螺子4aと螺合する前側雄螺子3h、この前側雄螺子3hから軸線方向後方に離間し雌螺子4aと螺合する後側雄螺子3i、及びこれらの間に設けられ軸線方向に伸縮する弾性部3gを備え、この弾性部3gが、前進限及び後退限で共通に利用され、移動体3が前進限に達したときに後側雄螺子3iを後方に付勢して、後側雄螺子3iのクラッチ回転を可能とし、移動体3が後退限に達したときに前側雄螺子3hを前方に付勢して、前側雄螺子3hのクラッチ回転を可能とする。このように、移動体と弾性部とを一体の部品にでき、部品点数を低減できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体をその軸線方向に進退させるための移動体繰出容器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の移動体繰出容器としては、例えば特許文献1に記載されたものが知られている。この移動体繰出容器では、芯保持軸(移動体)の後端に設けられた芯保持軸突起(雄螺子)がラセン筒(雌螺子部材)に設けられたラセン溝(雌螺子)に螺合されており、先筒(容器前部)と当該先筒に相対回転可能とされた回し筒(容器後部)とが一の方向に相対回転されると、ラセン筒のラセン溝と保持軸突起との螺合作用が働き芯保持軸が前進し、容器の先端から化粧料芯が押し出されると共に、先筒と回し筒とが一の方向の反対の方向である他方向に相対回転されると、ラセン溝と保持軸突起との螺合作用が働き芯保持軸が後退する。
【0003】
また、この移動体繰出容器は、ラセン筒を前方へ付勢するように当該ラセン筒の後端側に配置された弾力性部材(弾性部)を有しており、芯保持軸が前進して保持軸突起がラセン溝の前端から外れると、この保持軸突起が先筒の後端とラセン筒の先端との間に入り込み、ラセン筒が後方へ押しやられて弾力性部材が圧縮し、そして、この圧縮に応じて生じた弾性力によりラセン筒が前方へ押し戻される。一方、芯保持軸が後退して保持軸突起がラセン溝の後端から外れると、この保持軸突起がラセン筒の後端と弾力性部材の前端との間に入り込み、弾力性部材が後方へ押しやられて弾力性部材が圧縮し、そして、この圧縮に応じた弾性力により保持軸突起が前方へ押し戻される。このように、螺合部の螺合が解除されると、ラセン筒又は芯保持軸が前進、後退し、さらなる先筒と回し筒との同方向の相対回転によりクラッチ機能が発揮される。
【特許文献1】実公平3−17787号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように移動体繰出容器では、前述のように、弾力性部材の圧縮の弾性力が利用され、芯保持軸が前進して螺合解除したときにはラセン筒を前方へ付勢し、後退して螺合解除したときには保持軸突起を前方へ付勢する、すなわち、前進、後退に応じてラセン筒又は保持軸突起を前方に付勢する。そのため、上述した移動体繰出容器では、芯保持軸と弾力性部材とをそれぞれ別部品とする必要があり、よって、部品点数が多くなってしまう。
【0005】
そこで、本発明は、移動体が前進、後退して螺合部の螺合が解除された際にクラッチ機能を発揮する容器において、部品点数を低減することが可能となる移動体繰出容器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明による移動体繰出容器は、雌螺子を有する筒状の雌螺子部材と、回り止め部を有する筒状の回り止め部材と、その後端側に設けられ雌螺子と螺合する前側雄螺子及び該前側雄螺子から軸線方向後方に離間する後側雄螺子を有すると共に、回り止め部と係合する係合部を有する棒状の移動体とを備え、雌螺子部材及び回り止め部材の一方向の相対回転によって両部材内に収容された移動体が前進し、一方向とは反対方向の他方向の相対回転によって移動体が後退する移動体繰出容器であって、移動体の前側雄螺子及び後側雄螺子の間に係る部分が、軸線方向に伸縮する弾性部とされ、移動体が前進限に達し、さらに雌螺子部材及び回り止め部材が一方向に相対回転されると、後側雄螺子が雌螺子の先端との間で弾性部による弾性力を受けつつクラッチ回転し、移動体が後退限に達し、さらに雌螺子部材及び回り止め部材が他方向に相対回転されると、前側雄螺子が雌螺子の後端との間で弾性部による弾性力を受けつつクラッチ回転することを特徴としている。
【0007】
このような移動体繰出容器によれば、移動体の前側雄螺子と後側雄螺子との間に設けられた弾性部が、前進限及び後退限で共通に利用され、移動体が前進限に達したときに後側雄螺子を後方に付勢して、後側雄螺子のクラッチ回転を可能とし、移動体が後退限に達したときに前側雄螺子を前方に付勢して、前側雄螺子のクラッチ回転を可能とする。このように、移動体と弾性部とを一体の部品にでき、部品点数を低減することが可能となる。
【0008】
また、上記作用を好適に奏する移動体繰出容器の構成としては、移動体の前進限が、前側雄螺子の当接によって画定されると共に、移動体の後退限が、後側雄螺子の当接によって画定されることが好ましい。
【0009】
ここで、移動体は、前側雄螺子より軸線方向前側に、過大な軸力が弱まるように軸線方向に伸縮する第二の弾性部を有することが好ましい。これにより、移動体先端側が押圧された際に、過大な軸力が弱まるように第二の弾性部が軸線方向に収縮して、移動体に加えられた押圧力を逃がし緩和することが可能となると共に、例えば落下させたときの衝撃力を吸収し緩和することが可能となる。
【0010】
また、上記作用を好適に奏する移動体繰出容器の構成としては、具体的には、移動体が、移動体の軸線を前後位置で直交方向に横切る一対の直交部及び移動体の軸線を斜めに横切るように両直交部を連結する傾斜部からなるZ字状部を有しており、当該前側直交部の端部が前側雄螺子の螺子山であり、当該後側直交部の端部が後側雄螺子の螺子山であり、当該傾斜部が弾性部であることが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、移動体が前進、後退して螺合部の螺合が解除された際にクラッチ機能を発揮する容器において、部品点数を低減することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明による移動体繰出容器の好適な実施形態について図1〜図6を参照しながら説明する。なお、各図において、同一の要素には同一の記号を付し、重複する説明は省略する。また、以下の実施形態は、移動体が塗布材を支持する塗布材繰出容器に対して移動体繰出容器を適用したものである。
【0013】
図1〜図5は、本発明の第一実施形態を、図6は、本発明の第二実施形態を各々示すものである。図1は、本発明の第一実施形態に係る塗布材繰出容器の初期状態を示す縦断面図、図2は、図1に示す状態から使用者の操作により塗布材支持体が前進限に達したときの塗布材繰出容器の縦断面図、図3は、塗布材支持体が後退限に達したときの塗布材繰出容器の縦断面図、図4は、図1〜図3中の塗布材支持体を示す斜視図、図5は、図4に示す塗布材支持体の正面図であり、本実施形態の塗布材繰出容器は、塗布材支持体により塗布材を支持し、この塗布材を適宜使用者の操作により押し出し、引き戻し可能とするものである。
【0014】
本実施形態では、塗布材Mとして棒状物が用いられている。この棒状物としては、例えば、リップスティック、リップグロス、アイライナー、アイカラー、アイブロー、リップライナー、チークカラー、コンシーラー、美容スティック、ヘアーカラー等を始めとした種々の棒状化粧料、筆記用具等の棒状の芯等を用いることが可能であり、また、半固体状、軟固形状、軟質状、ゼリー状等の棒状物を用いることも可能である。
【0015】
図1に示すように、塗布材繰出容器100は、全体形状が筆記具の如き細長い丸棒状(スティック状)を成し良好な外観を呈するもので、容器前部を構成する先筒(回り止め部材)1と、容器後部を構成する本体筒2と、を外形構成として具備し、これらの先筒1及び本体筒2内に、上記塗布材Mと、これが突き当てられる基部3c及び塗布材Mを周囲から支持する複数の支持片(係合部)3dを有する支持部3aを備えると共に螺合部の一方を構成し移動する塗布材支持体(移動体)3と、螺合部の他方を構成する雌螺子部材4とを収容し、さらに本体筒2の後端部に塗布具5を備えている。
【0016】
本体筒2は、有底円筒状を成し、その底面2aに突き当たるように雌螺子部材4が内挿されている。この雌螺子部材4は、内周面に雌螺子4aが軸線方向に沿って設けられ、本体筒2に軸線周りに同期回転可能に連結されると共に、本体筒2に先筒1が回転可能且つ離脱不能に装着されることにより挟まれ、本体筒2に対し軸線方向移動不能とされている。
【0017】
そして、この本体筒2の底面2aが、塗布材支持体3が後退時に突き当たる塗布材支持体3の後退限とされている(詳しくは後述)。
【0018】
先筒1は、塗布材Mを支持した支持部3aが進退するための進退孔1aを備えている。この進退孔1aは、塗布材Mが摺動する塗布材孔1bを全長に亘って有すると共に、この塗布材孔1bの内周面に、塗布材支持体3の支持片3dが摺動する支持片溝(回り止め部)1cを、塗布材孔1bの先端近傍から後方に向かって連設して成り、この支持片溝1cに支持片3dが進入することで回り止めが構成される。
【0019】
そして、先筒1の本体筒2内に内挿された部分の後端面1dが、塗布材支持体3が前進時に突き当たる塗布材支持体3の前進限とされている。
【0020】
塗布材支持体3は、一体成形により形成され、図1及び図4に示すように、軸線方向に延在する棒状の軸体であり、支持部3aの後端から軸線方向に沿って後側に伸び、その後端部に、雌螺子部材4の雌螺子4aと螺合すると共にクラッチ機構を構成する螺子部3bを備えている。
【0021】
この螺子部3bは、図1、図4及び図5に示すように、軸線を直交方向に横切る第一の直交部3eと、この第一の直交部3eから軸線方向後方に離間する第二の直交部3fと、軸線を斜めに横切るように第一の直交部3e及び第二の直交部3fを連結する傾斜部3gからなるZ字状の形状とされ、この第一の直交部3eの両端部に一対の第一の螺合突起3h,3hを前側雄螺子の螺子山として備え、第二の直交部3fの両端部に一対の第二の螺合突起3i,3iを後側雄螺子の螺子山として備え、これらを連結する傾斜部3gを軸線方向に伸縮する弾性部としている。そして、第一の直交部3eが先筒1の後端面1dに当接して塗布材支持体3の前進限を画定し、第二の直交部3fが本体筒2の底面2aに当接して塗布材支持体3の後退限を画定する構成とされている。
【0022】
このように構成された図1に示す塗布材繰出容器100では、使用者により先筒1と本体筒2とが一方向である繰出し方向に相対回転されると、塗布材支持体3の第一の螺合突起3h及び第二の螺合突起3iと、雌螺子部材4の雌螺子4aとで構成される螺合部、及び塗布材支持体3の支持片3dと先筒1の支持片溝1cとで構成された回り止め部が働き、塗布材支持体3が前進し、塗布材Mが先筒1の先端から出現し塗布が可能とされる。
【0023】
ここで、図2に示すように、塗布材支持体3の螺子部3bの第一の直交部3eが雌螺子部材4の雌螺子4aの先端から外れ先筒1の後端面1dに突き当たって塗布材支持体3が前進限に達した状態で、この前進限でさらに塗布材支持体3を前進させようとする相対回転力が付与されると、塗布材支持体3の第一の直交部3eが先筒1の後端面1dに当接し塗布材支持体3の前進が阻止されているため、塗布材支持体3の第一の直交部3eより前側の部分は軸線方向前側に移動すること無く、塗布材支持体3の傾斜部3gが収縮しながら第二の直交部3fが傾斜部3gの付勢力に抗して前進し、第二の直交部3fの両端部の第二の螺合突起3i,3iと雌螺子部材4の雌螺子4aの先端との螺合が解除される状態と、第二の直交部3fが傾斜部3gによる付勢力によって押し戻されて両端部の第二の螺合突起3i,3iが雌螺子部材4の雌螺子4aの螺子山の側面に当接する状態とを繰り返す、所謂クラッチ回転が実現される。
【0024】
また、使用者により先筒1と本体筒2とが一方向の反対方向である繰り戻し方向に相対回転されると、塗布材支持体3が後退し、塗布材Mが先筒1の先端から没入する。
【0025】
ここで、図3に示すように、塗布材支持体3の螺子部3bの第二の直交部3fが雌螺子部材4の雌螺子4aの後端から外れ本体筒2の底面2aに突き当たって塗布材支持体3が後退限に達した状態で、この後退限でさらに塗布材支持体3を後退させようとする相対回転力が付与されると、塗布材支持体3の第二の直交部3fが本体筒2の底面2aに当接し塗布材支持体3の後退が阻止されているため、塗布材支持体3の第二の直交部3fは軸線方向後側に移動すること無く、塗布材支持体3の傾斜部3gが収縮しながら第一の直交部3eが傾斜部3gの付勢力に抗して後退し、第一の直交部3eの両端部の第一の螺合突起3h,3hと雌螺子部材4の雌螺子4aの後端との螺合が解除される状態と、第一の直交部3eが傾斜部3gによる付勢力によって押し戻されて両端部の第一の螺合突起3h,3hが雌螺子部材4の雌螺子4aの螺子山の側面に当接する状態とを繰り返す、所謂クラッチ回転が実現される。
【0026】
このように、本実施形態に係る移動体繰出容器100によれば、塗布材支持体3の第一の直交部3eと第二の直交部3fとの間に設けられた傾斜部(弾性部)3gが、前進限及び後退限で共通に利用され、塗布材支持体3が前進限に達したときに第二の直交部3fを後方に付勢して、第二の直交部3fの第二の螺合突起3iによるクラッチ回転を可能とし、塗布材支持体3が後退限に達したときに第一の直交部3eを前方に付勢して、第一の直交部3eの第一の螺合突起3hによるクラッチ回転を可能としているため、塗布材支持体3と弾性部(傾斜部)3gとを一体の部品にでき、部品点数を低減することが可能となる。
【0027】
図6は、本発明の第二実施形態に係る塗布材繰出容器を示す縦断面図であり、図1に対応する図である。この第二実施形態の塗布材繰出容器200が第一実施形態の塗布材繰出容器100と違う点は、塗布材支持体3に代えて、その後端部に設けられている螺子部3bの第一の直交部3eより軸線方向前側に、過大な軸力が弱まるように軸線方向に伸縮する第二の弾性部13jを有する塗布材支持体13を用いた点である。この第二の弾性部13jは、螺子部3bと同様にZ字状に構成されているが、螺子部3bより小さく構成され螺子部を有していない。
【0028】
このような塗布材繰出容器200によれば、塗布材支持体13の先端側にある塗布材Mが塗布時に塗布面により押圧された際に、過大な軸力が弱まるように第二の弾性部13jが軸線方向に収縮して、塗布材支持体13に加えられた押圧力を逃がし緩和することが可能となると共に、例えば落下させたときの衝撃力を吸収し緩和することが可能となる。
【0029】
以上、本発明をその実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記実施形態では、塗布材支持部3は、第一の直交部3eの両端部である2つの第一の螺合突起3h,3hと、第二の直交部3fの両端部である2つの第二の螺合突起3i,3iと、によって雌螺子部材4の雌螺子4aと螺合していたが、第一の直交部3e及び第二の直交部3fのそれぞれにおいて、少なくとも一方の端部が第一の螺合突起3h、第二の螺合突起3iとして雌螺子部材4の雌螺子4aと螺合していればよい。
【0030】
また、上記実施形態の繰出容器は、カードリッジタイプの繰出容器に対しても適用できる。
【0031】
また、上記実施形態にあっては特に好適であるとして塗布材を棒状物とした繰出容器に対する適用を述べているが、塗布材を液状化粧料や筆耕具等のインク、泥状物等とした繰出容器に対しても適用可能である。
【0032】
また、雄螺子、雌螺子は、間欠的に配される突起群又は螺旋状且つ間欠的に配される突起群のように螺子山と同様な働きをするものであっても良く、また、雄螺子の一つである螺合突起は、連続する螺子山であっても、螺旋の一部であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の第一実施形態に係る塗布材繰出容器の初期状態を示す縦断面図である。
【図2】塗布材支持体が前進限に達したときの塗布材繰出容器の縦断面図である。
【図3】塗布材支持体が後退限に達したときの塗布材繰出容器の縦断面図である。
【図4】塗布材支持体を示す斜視図である。
【図5】塗布材支持体の正面図である。
【図6】本発明の第二実施形態に係る塗布材繰出容器を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0034】
1…先筒(回り止め部材)、1c…支持片溝(回り止め部)、1d…後端面、3,13…塗布材支持体(移動体)、3d…支持片(係合部)、3e…第一の直交部、3f…第二の直交部、3g…傾斜部(弾性部)、3h…第一の螺合突起(前側雄螺子)、3i…第二の螺合突起(後側雄螺子)、4…雌螺子部材、4a…雌螺子、13j…第二の弾性部、100,200…塗布材繰出容器、M…塗布材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
雌螺子を有する筒状の雌螺子部材と、
回り止め部を有する筒状の回り止め部材と、
その後端側に設けられ前記雌螺子と螺合する前側雄螺子及び該前側雄螺子から軸線方向後方に離間する後側雄螺子を有すると共に、前記回り止め部と係合する係合部を有する棒状の移動体とを備え、
前記雌螺子部材及び前記回り止め部材の一方向の相対回転によって両部材内に収容された前記移動体が前進し、前記一方向とは反対方向の他方向の相対回転によって前記移動体が後退する移動体繰出容器であって、
前記移動体の前記前側雄螺子及び前記後側雄螺子の間に係る部分が、軸線方向に伸縮する弾性部とされ、
前記移動体が前進限に達し、さらに前記雌螺子部材及び前記回り止め部材が前記一方向に相対回転されると、前記後側雄螺子が前記雌螺子の先端との間で前記弾性部による弾性力を受けつつクラッチ回転し、
前記移動体が後退限に達し、さらに前記雌螺子部材及び前記回り止め部材が前記他方向に相対回転されると、前記前側雄螺子が前記雌螺子の後端との間で前記弾性部による弾性力を受けつつクラッチ回転することを特徴とする移動体繰出容器。
【請求項2】
前記移動体の前進限が、前記前側雄螺子の当接によって画定されると共に、前記移動体の後退限が、前記後側雄螺子の当接によって画定されることを特徴とする請求項1に記載の移動体繰出容器。
【請求項3】
前記移動体は、前記前側雄螺子より軸線方向前側に、過大な軸力が弱まるように軸線方向に伸縮する第二の弾性部を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の移動体繰出容器。
【請求項4】
前記移動体が、移動体の軸線を前後位置で直交方向に横切る一対の直交部及び移動体の軸線を斜めに横切るように両直交部を連結する傾斜部からなるZ字状部を有しており、当該前側直交部の端部が前記前側雄螺子の螺子山であり、当該後側直交部の端部が前記後側雄螺子の螺子山であり、当該傾斜部が前記弾性部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の移動体繰出容器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−226168(P2009−226168A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−78787(P2008−78787)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(591147339)株式会社トキワ (141)