説明

移動局及びサーバ

移動局は、電子名刺を受信し、電子名刺にユーザ命令を付け加え、結果の組み合わせ情報を本発明のために設けられているサーバに保存する。移動局は電子名に加えられたユーザ命令とともに電子名刺をサーバに送信する。サーバは、ユーザのメモとともに電子名刺を移動局から受信し、ユーザのメモに基づいてリマインダメッセージを生成し、そのメッセージを移動局に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば移動電話機のような移動局同士の間で電子名刺(electronic business card)を送受信することに関連する。
【背景技術】
【0002】
ビジネスの世界では多くの紙の名刺が交換されている。これらの紙の名刺は多くの欠点を有する。例えば、移動電話、PDA、コンピュータ上の電子プログラム等のような他のシステムに紙の名刺のビジネス情報をコピーするには大きな労力を要する。人々は何らかのイベントの際に多くの名刺を受け取る。したがって電子的な手段により名刺を交換できるようにすることが望まれている。実際、名刺を電子的に交換するシステムが現在利用可能になりつつある。
【0003】
特許文献1にはそのようなシステムの一例が示されており、移動電話同士の間で電子名刺のハイパーリンクを転送する技術が記載されている。名刺に含まれている情報は直ぐに変わる。このため、特許文献1においては、受取人が彼/彼女の意のままに連絡先情報を更新するように、電子名刺の情報が更新可能であることも説明されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2005/040986号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
後者が行われる場合、紙の名刺にしばしばメモが加えられる。すなわち、名刺を受け取った後のある時点において、取得した連絡先に関して行うべきことのリマインダとしてのメモが紙の名刺に記載される。このような作業は特許文献1に記載されている従来技術による電子名刺では不可能である。従って本発明の課題はこのような従来の問題点に対処することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一実施例による移動局は、
他の移動局と電子名刺を送受信する第1のユーザの移動局であって、
当該移動局を制御する処理部と、
前記処理部に接続され、別の移動局である第2のユーザの移動局から第1の電子名刺を受信する第1の通信部と、
前記処理部に接続され、前記第1の電子名刺を表示する表示部と、
前記第1のユーザから第1のユーザ命令の入力を受けるユーザデータ入力部と、
前記処理部に接続され、前記第1の電子名刺及び前記第1のユーザ命令の組み合わせを当該移動局に保存する保存部と、
前記処理部に接続され、前記第1の電子名刺と関連付けられた前記第1のユーザ命令とをサーバに送信する第2の通信部と
を有し、前記ユーザデータ入力部は、前記第1のユーザが第2のユーザ命令を入力できるようにし、
前記処理部は、前記第2のユーザ命令を、前記保存部に保存されている第2の電子名刺に付加し、
前記第1の通信部は、前記第2の電子名刺及び前記第2のユーザ命令の組み合わせを前記別の移動局又は更に別の移動局に送信する、第1のユーザの移動局である。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に従って協同する2つの移動局及びサーバを示す図。
【図2】本発明による移動局のブロック図。
【図3】本発明によるサーバのブロック図。
【図4a】本発明による移動局のプロセスフローチャート。
【図4b】本発明による移動局の別のプロセスフローチャート。
【図5a】本発明によるサーバのプロセスフローチャート。
【図5b】本発明によるサーバの別のプロセスフローチャート。
【図6】本発明の好適実施例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
上記の課題は以下に説明する移動局により解決され、その移動局は他の移動局と電子名刺を交換するように設計された第1ユーザの第1の移動局であり、第1の移動局は、該第1の移動局を制御する処理部と、該処理部に接続され前記他の移動局(すなわち、第2のユーザ)から第1の電子名刺を受信する第1の通信部とを有する。受信した第1の電子名刺は処理部に接続された表示手段により表示可能である。第1のユーザは、ユーザデータ入力部により第1のユーザ命令を入力し、処理部に結合された保存部は第1の電子名刺と第1のユーザ命令とを組み合わせ(対応づけ)、その組み合わせを対応付けて保存する。第1の電子名刺は、関連付けられた第1のユーザ命令とともに、処理部に結合された第2の通信部によりサーバに送信され、サーバは第1の電子名刺及び関連する第1のユーザ命令を例えばデータベースに保存することができる。別のユーザから発せられた電子名刺もユーザ命令と共に提供され、その結果の組み合わせが将来参照するためにサーバのデータベースに及び移動局自体に保存される。
【0009】
移動局の保存部は、移動局の第1のユーザである彼/彼女の第2の電子名刺も含み、ユーザデータ入力部は第1のユーザが第2のユーザ命令を入力できるようにも設計されており、処理部は第2のユーザ命令を第2の電子名刺に付け加え、第1の通信部は、第2の電子名刺と第2のユーザ命令との組み合わせを第2のユーザ又は何らかの他のユーザの他の移動局へ送信する。これは、後者がやりとりされる前に、ユーザが命令を電子名刺に付加できるようにし、この場合、電子名刺の送信者がユーザ命令を加える主導権(initiative)をとる。
【0010】
本発明の実施例において、第1の通信部による他の移動局に対する第1又は第2の電子名刺の送受信において、それぞれサーバに存在する第1又は第2の電子名刺を指すリファレンスを送受信する。これは情報のやりとりを非常に短くし、ユーザが彼/彼女の移動電話により問い合わせを求めている情報が第2の通信部によりサーバから速やかに受信できる。
【0011】
本発明の別の実施例において、第1の通信部は、第1の名刺に関連又は所属する第3のユーザ命令を別の移動局から受信するように更に設計されている。これは、彼/彼女の名刺を送信する前に、他の移動局の第2のユーザが既に付加している第3のユーザ命令とともに、移動局が他のユーザから第1の名刺を受信できるようにする。
【0012】
本発明の別の実施例において、ユーザデータ入力部は第3のユーザ命令を修正する用にも設計されている。これは、名刺及び関連するユーザ命令を受信する第1ユーザの要請に合致するユーザ命令に第2のユーザが追加するようにして、第3のユーザ命令を補足又は変更できるようにする。
【0013】
本発明の別の実施例において、ユーザデータ入力部は、第1、第2及び第3のユーザ命令のリストの中から少なくとも1つをユーザが選択できるように形成されている。これは予めプログラムされているユーザ命令をリストの中から非常に速やかに選択できるようにする。これは、上記の様々な実施例におけるユーザ命令を修正する際に併用又は拡張されてもよい。
【0014】
本発明の別の実施例において、第1、第2及び第3のユーザ命令の中の少なくとも1つは、移動局の処理部及びサーバの処理部の内の少なくとも1つにより実行される命令を含み、各処理部はそのような命令を実行できるように設計されている。これは、そのような命令を受信するユーザが単独のアクションによりユーザ命令を実行する移動局又はサーバを有することができる、又はユーザ命令がユーザの如何なる介在もなしに適切に自動的にさえ実行される、という利点を有する。この実施例は、名刺を送信する第1のユーザからの命令が、同時に、第2のユーザの彼/彼女の側で名刺を彼/彼女の移動電話を介して送信する命令になり、これにより名刺のやりとりを更にスピードアップ(高速化)する。
【0015】
本発明の別の実施例において、実行される実行命令はリマインダ命令を含み、処理部は表示部に表示することが可能なリマインダメッセージを生成するようにも設計されている。リマインダメッセージは、例えば、受信した電子名刺を参照して所定の行為を行うことを移動電話のユーザに思い出させる(リマインドする)ことを希望する日付及び/又は時間の情報を含んでもよい。
【0016】
本発明の別の実施例において、リマインダメッセージを生成する際、サーバからリマインダメッセージを移動局の第2通信部により受信してもよい。従ってこの場合、移動局はリマインダメッセージ自体を生成する必要はなく、それをサーバに残すことができ、サーバでは関連するユーザの電子名刺が保存される。
【0017】
別の実施例において、ユーザデータ入力部は、リマインダメッセージの選択肢を受けようとする選択肢リクエストをユーザが入力できるようにし、第2の通信部は選択肢リクエストをサーバに送信しかつサーバから選択肢を受信し、表示部はその選択肢を表示するように設計されていてもよい。
【0018】
別の実施例において、選択肢リクエストは少なくとも1人のユーザの指標又は識別子を含み、あるユーザのリマインダ命令及び電子名刺をサーバから抽出できるようにする。
【0019】
本発明の別の実施例において、移動局の第1の通信部は、短距離の通信に特化して形成されていてもよい。これは、やりとりを行う移動局同士の互いの間が短距離である場合に限って、電子名刺及び関連するユーザ命令の送受信が行われるようにする手段をもたらす。これは、電子名刺に記載されている個人データのやりとりの機密性を保護し、望まれない予想外のやりとりが行われてしまうのを防止することを保証する。
【0020】
本発明の別の実施例において、上記の課題を達成するために、上述したような何れかの移動局と共に動作するサーバが使用されてもよい。サーバは、サーバを制御する処理部と、電子名刺及び関連するユーザ命令の組み合わせを移動局から受信する通信部と、電子名刺及び関連するユーザ命令を保存する保存部とを有する。この場合において、第1のユーザが受信した電子名刺は、ユーザ命令を伴うか否かによらず、或いは彼/彼女自身(第1のユーザ自身)により追加されたユーザ命令と共に、サーバの保存部に保存される。
【0021】
本発明によれば、処理部は少なくとも1つのリマインダメッセージを生成するように形成されている。リマインダメッセージは電子名刺及び関連するユーザ命令を含み、通信部はリマインダメッセージを移動局に送信するように設計されている。これは、ユーザが電子名刺及びユーザ命令を組み合わせとして彼/彼女の移動電話によりサーバに保存できるようにし、彼/彼女の移動電話により、保存された名刺だけでなくユーザ命令にも関連するリマインダメッセージをユーザがサーバから受信できるようにし、保存されているユーザ命令にユーザが応じられるようにする。
【0022】
本発明によるサーバの例において、処理部及び保存部はリマインダメッセージの選択肢を形成し、通信部はリマインダメッセージのその選択肢を移動局に送信するように設計されている。これは、選択肢が所定の選択基準に従って形成され、所望のリマインダメッセージのみが送信されるようにすることで、保存された名刺の管理を簡略化する。本発明の実施例において、通信部は、移動局からリクエストを受信し、未だ処理されていないリマインダメッセージの選択肢を送信する。これにより、既に処理されているリマインダメッセージが移動局に繰り返して送信されてしまうことを防止する。
【0023】
本発明の別の実施例において、通信部は、移動局から選択肢リクエストを受信し、少なくとも1人のユーザに関連するリマインダメッセージの選択肢を送信し、処理部及び保存部は、電子名刺を保存している少なくとも1人のユーザに基づいて選択肢を形成する。この場合における選択基準は少なくとも1人のユーザであり、電子名刺及び関連するユーザ命令が保存されているユーザのリストの中で選択肢を形成してもよい。これも保存された電子名刺及び関連するユーザ命令の管理を簡易にする。
【0024】
本発明の別の実施例において、通信部は所定の時点においてリマインダメッセージの選択肢を送信するようにも設計されている。これは、ユーザにとって好ましい時間に、保存されている電子名刺及びユーザ命令がユーザにリマインドされることを可能にする。従って例えばユーザはユーザ命令を処理することを次の日まで延期するように決定してもよい。
【0025】
別の実施例において、ユーザ命令はサーバの処理部により実行される命令を含み、処理部は実行可能な実行命令を処理するように設計されている。これはユーザ命令の処理を自動化する機能をもたらし、ユーザの介在を排除することができる。
【0026】
更に別の実施例において、保存部は、電子名刺に関連するユーザ命令を実行したことに関する確認情報(confirmation check)を保存し、通信部はその確認情報を移動局から受信し、確認情報を伴う電子名刺は選択肢に含まれていない。従って、処理の最中にリマインダメッセージ及び関連するユーザ命令を確認(チェック)することができ、移動局で行う処理を選択する際に、確認済みの関連する名刺及びユーザ命令が再び登場しないようになる。
【実施例1】
【0027】
以下、添付図面を参照しながら本発明による実施例を詳細に説明する。
【0028】
図1は、本発明の実施例に従って協同する2つの移動局及びサーバを示す。
【0029】
第1のユーザ111a及び第2のユーザ111bがそれぞれ所有する移動局101a及び101bは、移動局101aから移動局101bへの直接的な相互通信リンクを維持し、かつ通信リンク107を有する少なくとも1つの基地局102との間で106a及び106bを介して通信し、通信ネットワーク103の一部を形成するように設計されている。この通信ネットワークはGSM(登録商標)、UTMSその他の任意の移動通信用の通信ネットワークでもよいし、データネットワークを含んでもよい。移動局101a、101bは通信ネットワーク103内に組み込まれている又は通信ネットワーク103に接続されているサーバ104と通信する。
【0030】
各々のユーザ111はサーバ104上に1つ以上の電子名刺を有する。ユーザは彼/彼女の電子名刺を適応させる(順応させる又は更新する)ことができる。更に、ユーザは、彼/彼女の移動電話を介して他者から受信した電子名刺をサーバに保存し、サーバに保存されている名刺に彼/彼女の移動電話を介してアクセスすることができる。
【0031】
名刺の連絡先データが保存されているサーバ及びその他のユーザのシステムの間で同期処理が行われてもよい。例えばパーソナルコンピュータ(PC)109がネットワーク103を介したサーバ104に対する接続又はコネクション110、108を有していてもよい。
【0032】
各ユーザ111a、111bは例えば移動電話のような移動局101a、101bを有し、彼/彼女は、彼/彼女の名刺を他のユーザに与えることができかつ他のユーザから電子名刺を受信することができる。電子名刺を受信すると直ぐに、移動電話により及び移動電話においてユーザのメモを作成することが可能であり、後に行われるべき任意のアクション(行為又は処理)のメモを蓄積することができる。このメモはサーバ104に加えて移動局101aに保存されてもよい。
【0033】
図2は、本発明の実施例による移動局のブロック図を示す。本発明による移動局101a、101bは、処理部201と、処理部201に接続された第1の通信部202と、処理部201に接続された表示部203と、処理部201に接続されたユーザデータ入力部204と、処理部201に接続された保存部205と、処理部201に接続された第2の通信部206とで構築されている。
【0034】
移動局101a、101bは移動電話、パーソナルディジタルアシスタント(PDA)又はラップトップ等であり且つ以下に詳細に説明されるような通信手段又は移動通信に適したその他の移動局である。
【0035】
処理部201はワーキングストレージ及びプログラムメモリに結合されたマイクロプロセッサ又はマイクロコントローラであり、移動局を制御し且つ様々な処理部202、203、204、205及び206を効果的に協同させるコンピュータメモリがプログラムメモリにロードされる。
【0036】
第1の通信部202は、他の移動局へ及び他の移動局から電子名刺を送受信するように設計されている。そのような通信部は例えば様々な技法により信号を送信及び受信するのに適した送信機及び受信機を備え、様々な技法は例えばブルートゥース(登録商標)、無線LAN(WIFI/WLAN)、赤外線データアソシエーション(IrDA)による赤外線通信プロトコル、近距離無線通信(NFC)等である。これは、移動電話網の範囲外であった場合でも、移動局が他の移動局と通信できるようにする。IrDA及びNFCは近距離の通信に使用され、NFCを用いることが好ましい。NFCは、無線周波数識別子(RFID)を利用して、約10cmの距離を介してデータを送受信できるようにする通信技術である。今日、様々な移動電話がNFCの機能を備えている。
【0037】
表示部203は、LCD画面等のようなメッセージを表示するのに適した画面であってもよい。しかしながら代替的に又は追加的に音声手段により情報を提供する提示部が使用されてもよい。
【0038】
ユーザデータ入力部204は、情報を入力する目的で処理部201及び表示部204と協同するキーボードでもよい。ユーザデータ入力部204は会話によるユーザの情報を記録するように設計されていてもよい。例えば、表示部に示されているフィールドに情報をタイプ入力することにより又は文字に変換される音声入力により、ユーザ命令が入力されてもよい。
【0039】
保存部205は、移動局がスイッチオフになった場合に、情報を維持する外部からアクセス可能な任意のメモリ(RAM)又はプログラマブルメモリでもよい。このメモリは、例えばSDカードのように移動局のハウジングから取り外すことが可能なメモリカードとして構築されてもよい。
【0040】
第2の通信部206は、例えば、GPRS/EDGE/UMTS/HSDPA、電子メール、無線アプリケーションプロトコル(WAP)、マルチメディアメッセージングサービス(MMS)又はショートメッセージサービス(SMS)等によるモバイルインターネット用の送信機及び受信機でもよい。
【0041】
ユーザ命令は処理部201により読み取ることが可能な実行可能なコードを有し、処理部201が事前にプログラムされた動作を実行できるようにする。例えばこれは、第1の電子名刺を受信した際に、受け取ったユーザにより第2の名刺を生成し、それを第1の電子名刺の送信者に送信すること等である。別の具体例に関し、命令が実行されることになっている日付及び/又は時間に関連付けられているリマインダメッセージを送信する実行コードが、ユーザ命令に含まれていてもよい。
【0042】
図3は、本発明の実施例によるサーバのブロック図を示す。
【0043】
サーバ104は、主に、当業者に知られているような1つ以上のデータ処理プロセッサ及びワーキングストレージにより形成されている処理部301により形成されており、ワーキングストレージはプロセッサにより実行可能なプログラム命令を保存し、サーバ104の様々な要素が協同し且つ以下において更に説明する処理ステップを実行できるようにする。処理部301に接続されている処理要素として、サーバ104が一般的な方法でデータネットワークと通信できるようにする通信部302があり、データネットワークには他のサーバ及びコンピュータが含まれていてもよく、特にサーバ104は移動局101a、101b(例えば、移動電話、PDA、ノートブックコンピュータ等)と通信するために通信ネットワーク103と通信する。処理部301はストレージ部303にも接続されており、ストレージ部303は当業者に知られているような、データを記憶するための例えばハードディスクのような大容量ストレージ装置を有する。これらのデータは、参照できるように、ファイルの形式で保存されてもよいし或いはデータベースに含まれてもよい。このような目的に対して様々な技法及び製品が当該技術分野において利用可能である。
【0044】
本発明の好適実施例において、ストレージ部303は、電子名刺を例えば「vCard」フォーマットで保存するために用意されたデータベースを備えていてもよい。vCardはインターネットメールコンソーシアム(Internet Mail Consortium:IMC)による電子名刺の実際の標準仕様である。しかしながら本発明はこのフォーマットに限定されず、任意のフォーマットに適用されてよい。データベースは、名刺データのフィールド、所有者を示すフィールド、移動局の関連する機能(associated use)のフィールド、1つ以上のステータスのフィールドを含んでもよく、ステータスのフィールドは、リマインダメッセージがユーザに送信されていることや、ユーザがリマインダの命令に従っていること等を示す。
【0045】
移動局に関して上述したように、ユーザ命令は、処理部301により実行可能な実行コードを含んでもよく、処理部301は事前にプログラムされた命令を実行することができる。これの具体例は、第1の電子名刺を受信した場合に、受信したユーザによる第2の名刺を生成し、それを第1の電子名刺の送信元に送信することである。別の例はユーザ命令が或る実行コードを有することであり、その実行コードは、命令が実行されることになっている日及び時間に関するリマインダメッセージを送信させる。実行コード(実行可能なコード)は、移動局により又はサーバにより実行されることになっているか否かを示してもよい。
【0046】
図4aは、本発明の実施例による移動局で行われるプロセスのフローチャートを示す。
【0047】
ステップ401において、移動局101aは他の移動局101bから名刺を受信し、その名刺は例えばvCardの形式におけるものである。他の移動局101bとの名刺の交換は、例えば、ブルートゥース、IrDA(赤外線)、無線インターネット(WIFI/LAN)等により、好ましくは上述したように近距離無線通信(NFC)により行われる。或いは、電子名刺の交換はSMS、MMS、WAP又は電子メールにより行われてもよい。ステップ402において、電子名刺が移動局の画面に表示される。ステップ403において、ユーザは例えばキーボードを介して、ユーザ命令の文字を入力することで又は予めプログラムされているリストからユーザ命令を選択することで、ユーザ命令を入力することができる。ステップ404において、ユーザ命令が名刺に加えられ、将来参照することに備えて移動局に保存される。ステップ405において、電子名刺及びユーザ命令の組(組み合わせ)は、存在する無線インターネットリンクを介してサーバに送信される(図2の説明を参照)。
【0048】
選択的に、ステップ401において、ユーザ命令は、送信する側のユーザから受信されてもよい。このユーザ命令もステップ402において名刺と一緒に示されてもよい。ステップ403において、既に存在するユーザ命令が修正又は置換され、ステップ404において(おそらくは修正された)ユーザ命令が名刺に加えられて保存され、その後、おそらくは修正されたユーザ命令に関する組み合わせがサーバ104に送信されてもよい。
【0049】
図4bは、本発明の別の実施例による移動局で行われるプロセスのフローチャートを示す。
【0050】
図4bは関連するユーザ命令と共に名刺を他の移動局に送信する様子を示す。選択的なステップ406において、電子名刺がサーバ104から抽出されてもよい。電子名刺は移動局101a内に既に存在していてもよいので、このステップは選択的(任意的)である。ステップ407において、ユーザ命令が例えばキーボードを通じて、音声認識により変換された音声テキストにより、又はユーザ命令をリストから選択することにより、ユーザ命令が作成される(この点については、ステップ403と同様である)。ステップ408においてユーザ命令が電子名刺に加えられ、ステップ409において、IrDA(赤外線)、ブルートゥース、無線インターネット(WIFI/LAN)又は近距離無線通信(NFC)を用いて、或いはSMS、MMS、WAP又は電子メールにより、名刺及びユーザ命令の組み合わせが他の移動局101bに送信される。
【0051】
電子名刺は、ユーザの移動局101a又はPC109において事前に準備され、その後にサーバ104及び移動局101aに保存されてもよい。
【0052】
図5aは、本発明の実施例によるサーバで行われるプロセスのフローチャートを示す。上述したステップ401ないし405の処理の後に、ステップ501において、電子名刺及びユーザ命令の組み合わせが移動局110aから受信される。ステップ502において、図3に関連して説明したサーバ104の保存部にその組み合わせが、例えばデータベース又はファイルとして或いはそれらの組み合わせとして保存される。ステップ503において、サーバ104の処理部301は、名刺及びユーザ命令の組み合わせを探索(サーチ)し、移動局101aのユーザに対するリマインダメッセージを生成する。リマインダメッセージの作成は、固定的に決まっている時点又はユーザが決めた時点に行われてもよく、その時点又は時間の情報はユーザ命令の一部をなしていてもよい。ステップ504において、ステップ504において、サーバ104の通信部302により、リマインダメッセージが移動局101aに送信される。
【0053】
図5bは、本発明の実施例によるサーバで行われるプロセスのフローチャートを示す。
【0054】
プロセスステップ406ないし409において説明されているように電子名刺が他の移動局に送信される前に(ステップ406においては電子名刺がサーバ104から抽出される)、ステップ505において、要求を行っている要求ユーザ(110a)に関する名刺を求めるリクエストを移動局110aから受信する。ステップ506において、サーバ104の処理部301は、サーバ104の保存部303から、例えば上述したようなデータベースから又はファイルの形式から電子名刺を抽出する。ステップ507において、通信部302は電子名刺を移動局101aに送信する。
【0055】
当業者に認められるように、ステップ505ないし507は電子名刺に情報を設定するために反復的に使用されてよく、先ず空欄の名刺が抽出されて移動局に送信され、ユーザが記入を完了し、サーバ104に返送され、そしてそれが保存されてもよい。ステップ505ないし507に関し、過去に入力した電子名刺を修正することも可能である。このような処理が可能なことは当業者にとって明らかである。
【0056】
図6は、本発明の好適実施例を示す。
【0057】
電子名刺を交換する好適実施例は、(例えば、モバイルNFC電話機のような)移動局101a及び101bの間でNFCを介して、電子名刺を指すブックマークを交換するために使用される。ブックマークは、タイトル及びポインタ(URI)から成る「スマートポスター(Smart Poster)」メッセージとして送信される。本変形例において、ユーザ111b及び111aの間で電子名刺をやりとりする筋書き(シナリオ)は、次の通りである:
ステップ601:ユーザ111bは、彼/彼女の移動局において彼/彼女の名刺に関するウェブページのブックマークを作成する。この名刺606はサーバ104に保存される。ユーザ111bは彼/彼女の移動局101bのウェブブラウザを用いてそのウェブページを訪れ(アクセスし)、ウェブブラウザは、ユーザ111bが例えば「オプション→ブックマークを起動(Options→Start a Bookmark)」を選択できるようにプログラムされている。代替的に、例えばユーザがウェブサイトにより(PC109に)登録した後に、SMSによりブックマークを電話機に送信してもよい。ブックマークには例えば「名刺 ユーザ111b」のようなウェブページの名称が与えられる。ウェブブラウザは、ブックマークの名称がユーザ111bによって変更可能であるように、プログラムされている。ユーザ111bがサーバ104における彼/彼女の名刺606を変更する場合、ブックマークは修正を要しない。ユーザ自身の名刺の修正は、おそらくはPC109又は移動局101a、101bを介してウェブサイトにより有効にされる。
【0058】
ステップ602:ユーザ111bが彼/彼女の名刺606を別のユーザ(例えば、ユーザ101a)に与えることを希望する場合に、彼/彼女が彼/彼女の移動電話に用意されている選択肢(オプション)を選択するように、例えば「NFC→他の装置と共有→ブックマーク→名刺 ユーザ111b」のように選択できるように、移動局(例えば、モバイルNFC電話機)はプログラムされている。移動局は、その後、60秒の間ブックマークを他のNFC装置に送信することを試みる。
【0059】
ステップ603:ユーザ111b及びユーザ111aが彼らの電話機を接近させて保持した場合、移動局101bのNFCモジュールは移動局101bから移動局101aへブックマークを送信する。
【0060】
ステップ604:受信の際、移動局101aにおけるNFCモジュールを介してユーザ111aはメッセージを受信し、例えば「URLを起動して下さい。ユーザ1の名刺http://www.businesscards.nl:ID+001234」のようなメッセージを受信する。標準的なオプションはこのURLを開く又は起動する。インターネットリンク(URL)を保存し、それを後に開くことも可能である。
【0061】
ステップ605:ユーザ111aがURLを開くことを選択すると、移動局101aのウェブブラウザが起動し、ユーザ111bの名刺が帰属しているウェブページがロードされる。この段階において、サーバ104は、ユーザ111bの名刺をユーザ111aの名刺の集まり607に付け加えることができる。名刺を表示することに加えて様々な機能が提案されてもよく、例えば、フォローアップ形式(後続する形式)のリストからユーザ命令を選択すること、モバイルサービスに登録すること、ユーザ111bから受信した名刺を移動局101aに送信すること等の機能が提案されてもよい。
【0062】
本願において説明した実施例は本発明を如何にして実現するかを例示しているに過ぎない。添付の特許請求の範囲に規定されている本発明の範囲から逸脱することなく、変形、修正、置換、変更等を行うことが可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の移動局と電子名刺を送受信する第1のユーザの移動局であって、
当該移動局を制御する処理部と、
前記処理部に接続され、別の移動局である第2のユーザの移動局から第1の電子名刺を受信する第1の通信部と、
前記処理部に接続され、前記第1の電子名刺を表示する表示部と、
前記第1のユーザから第1のユーザ命令の入力を受けるユーザデータ入力部と、
前記処理部に接続され、前記第1の電子名刺及び前記第1のユーザ命令の組み合わせを当該移動局に保存する保存部と、
前記処理部に接続され、前記第1の電子名刺と関連付けられた前記第1のユーザ命令とをサーバに送信する第2の通信部と
を有し、前記ユーザデータ入力部は、前記第1のユーザが第2のユーザ命令を入力できるようにし、
前記処理部は、前記第2のユーザ命令を、前記保存部に保存されている第2の電子名刺に付加し、
前記第1の通信部は、前記第2の電子名刺及び前記第2のユーザ命令の組み合わせを前記別の移動局又は更に別の移動局に送信する、第1のユーザの移動局。
【請求項2】
前記第1の通信部による前記別の移動局に対する前記第1又は第2の電子名刺の送受信において、それぞれ前記サーバに存在する前記第1又は第2の電子名刺を指すリファレンスを送受信する、請求項1記載の移動局。
【請求項3】
前記第1の通信部は、前記第1の名刺に関連する第3のユーザ命令を前記別の移動局から受信する、請求項1又は2に記載の移動局。
【請求項4】
前記ユーザデータ入力部により前記第3のユーザ命令を修正する、請求項3記載の移動局。
【請求項5】
前記ユーザデータ入力部は、前記第1、第2及び第3のユーザ命令のリストの中から少なくとも1つを前記ユーザが選択できるように形成されている、請求項1−4の何れか1項に記載の移動局。
【請求項6】
前記第1、第2及び第3のユーザ命令の中の少なくとも1つは、当該移動局の前記処理部及び前記サーバの処理部の内の少なくとも1つにより実行される命令を含む、請求項1−5の何れか1項に記載の移動局。
【請求項7】
前記実行される命令はリマインダ命令を含み、前記処理部は前記表示部に表示することが可能なリマインダメッセージを生成する、請求項6記載の移動局。
【請求項8】
前記リマインダメッセージを生成する際、前記サーバからのリマインダメッセージを前記第2通信部により受信する、請求項7記載の移動局。
【請求項9】
前記ユーザデータ入力部は、リマインダメッセージの選択肢を受け取る選択肢リクエストを前記ユーザが入力できるようにし、前記第2の通信部は前記選択肢リクエストを前記サーバに送信しかつ前記サーバから選択肢を受信し、前記表示部は該選択肢を表示する、請求項8記載の移動局。
【請求項10】
前記選択肢リクエストは少なくとも1人のユーザの指標を含む、請求項9記載の移動局。
【請求項11】
当該移動局の前記第1の通信部は、0ないし1メートルの範囲内の距離を介した通信に特化して形成されている、請求項1−10の何れか1項に記載の移動局。
【請求項12】
請求項1−11の何れか1項に記載の移動局と共に動作するサーバであって、
当該サーバを制御する処理部と、
電子名刺及び関連するユーザ命令の組み合わせを移動局から受信する通信部と、
前記電子名刺及び前記関連するユーザ命令を保存する保存部と
を有し、前記処理部は少なくとも1つのリマインダメッセージを生成するように形成されており、
前記リマインダメッセージは前記電子名刺及び前記関連するユーザ命令を含み、前記通信部は前記リマインダメッセージを前記移動局に送信する、サーバ。
【請求項13】
前記処理部及び前記保存部はリマインダメッセージの選択肢を形成し、前記通信部はリマインダメッセージの該選択肢を前記移動局に送信する、請求項12記載のサーバ。
【請求項14】
前記通信部は、前記移動局からリクエストを受信し、未だ処理されていないリマインダメッセージの選択肢を送信する、請求項12記載のサーバ。
【請求項15】
前記通信部は、前記移動局から選択肢リクエストを受信し、少なくとも1人のユーザに関連するリマインダメッセージの選択肢を送信し、前記処理部及び保存部は、電子名刺を保存している少なくとも1人のユーザに基づいて選択肢を形成する、請求項13又は14記載のサーバ。
【請求項16】
前記通信部は所定の時点においてリマインダメッセージの選択肢を送信する、請求項13−15の何れか1項に記載のサーバ。
【請求項17】
前記ユーザ命令は前記処理部により実行される命令を含み、前記処理部は実行可能な実行命令を処理する、請求項12−16の何れか1項に記載のサーバ。
【請求項18】
前記保存部は、前記電子名刺に関連するユーザ命令を実行したことに関する確認情報を保存し、前記通信部は該確認情報を移動局から受信し、確認情報を伴う電子名刺は前記選択肢には含まれていない、請求項12−17の何れか1項に記載のサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5a】
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【図5b】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−527155(P2012−527155A)
【公表日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−510765(P2012−510765)
【出願日】平成22年5月4日(2010.5.4)
【国際出願番号】PCT/NL2010/050262
【国際公開番号】WO2010/131953
【国際公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(511276150)
【Fターム(参考)】