説明

移動広告装置

【課題】移動広告装置において表示広告内容を訴求力が高い動画とすると共に、状況に合わせてその内容を容易に変更することができるものとする。
【解決手段】巡回広告装置に設置した前方カメラ2及び後方カメラ3で周囲の状況を常に監視しておき、動画記録再生装置9からの再生動画を周囲の状況に合わせた広告内容に操作盤8で切替えることを可能とする。またその周囲の状況を無線送受信機7で遠隔地のセンターに送信し、センター内の前方モニター18及び後方モニター19に表示される状況によってセンター内の操作盤20から無線送受信機16及び無線送受信機7経由で巡回広告装置内に設置した動画記録再生装置9に対して記録されている映像の再生順序を遠隔地から変更可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、周囲の状況をカメラによって常に監視し、その状況に合わせた動画の映写が可能な移動広告装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
移動広告装置は、広告対象とする公衆が多数存在、又は通行している場所に広告自体が移動して行き、巡回しながら広告内容を展示することができるため、極めて効率が高い広告装置として実用に供されている。
【0003】
実用化されている移動広告装置はトラックの荷台の上、又は荷台の周囲に手描きの広告を取り付け、自然光又はライトで照射することによって広告を見せるもの、もしくは透明、又は半透明のフィルム上に手描き、又はプリンターその他の方法によって描かれた広告を荷台の周囲に取り付け、裏面から照射するものであるが固定画に限られているのが現状である。これらの移動広告装置は長期間にわたり広告内容を変更しないで広告を続ける場合には実用上十分であった。
【0004】
しかし、街頭を巡回走行しながら宣伝広告を行なう移動広告装置であっても、テレビ、映画、その他で動画に慣れ親しんでいる公衆にとっては動画による広告と比べて固定画及び固定文字による広告は訴求力が弱いという欠点があった。
【0005】
また、広告内容を変更する際には、荷台上、又は荷台の周辺に取り付けた固定画を取り外し、手描き又はプリンターによって新たに広告を作成した上で荷台上又は荷台の周辺に取り付けなければならないという問題があった。
【0006】
他に車載式の動画再生装置も実用化されてはいるが、これはトラックの荷台の片側面に動画表示装置を取り付け、移動時は収納しておき、表示場所まで車両を移動して停止させた上で、動画表示装置を開いて映写するものであって、車両の側面の利用効率が低く、背面が利用されていない上に固定場所での映写に限られ、移動広告には適していない。
【0007】
この改善策として、車両の両側面、及び背面の三面、もしくはこれら三面の内の二面、又は一面に動画の表示装置を取り付け、車両内に設置した動画記録再生装置からの信号によって動画を表示する方法がある。しかしながら、この方法でも動画表示盤には予め記録された動画が順次映写されるのみであって周囲の状況その他に合わせて映写内容を任意に変更することは極めて困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2009−267562号公報
【特許文献2】特開2003−252153号公報
【特許文献3】特開2002−169496号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
解決しようとする問題点は、映写する動画の内容を周囲の広告対象である公衆の年齢層、性別などの状況に合わせたものに任意に適宜変更できない点である。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、車両に取り付けられたカメラにより、周囲の広告対象である公衆の状況を常に撮影し、無線送受信機によってセンターに送信してセンター内のカメラモニター画面での状況確認を可能とするため、周囲の公衆の年齢層、性別などに合わせた内容の動画に切替て映写することにより、効果的な広告を行なうことを最も主要な特徴とする。
【0011】
また、本発明は災害発生時などの非常事態の際には映写映像を切替えて周囲の公衆に非常事態の状況または避難に関する事項を知らせる機能を持っていることも特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の移動広告装置は予め記録されている動画の中から周囲の公衆の状況に合わせた内容のものを使い分けられるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の車両内装置ダイアグラム
【図2】本発明のセンター内装置ダイアグラム
【図3】本発明の斜視図
【図4】本発明の左側面図
【図5】本発明の右側面図
【図6】本発明の断面図
【発明を実施するための形態】
【0014】
車両の前部及び後部に設置したカメラによって観察している周囲の公衆の状況に合わせた動画内容を動画表示盤に表示すること、及び周囲の公衆の状況を無線送受信機でセンターに送信し、そのカメラからの映像によって周囲の状況に合わせた動画内容を表示するための設定信号を無線送受信機を経由して、移動広告装置に送信することにより周囲の状況に合わせた内容の動画表示を実現する。
【実施例1】
【0015】
図1は、本発明装置の車両内装置のブロックダイアグラムあって、2は前方の状況を撮影する前方カメラ、3は後方の状況を撮影する後方カメラ、4は映写装置であって、カメラからの映像信号を5の前方カメラモニター、および6の後方カメラモニターに映写できる信号とする他に、7の無線送受信機を経由してセンターに送出する。8は操作盤であって、車両内の装置の制御を行なう機能を有している。9は動画記録再生装置であって映写予定動画を予め記録収納しておき、特に指示をしない限り記録動画映像を順次再生するように設定しておく。10は左側面動画モニター、11は背面動画モニター、12は右側面動画モニターであって、三面が個別独立の動画を映写する場合にもモニターが行なえるようになっている。13は左側面表示盤、14は背面表示盤、15は右側面表示盤であって外部から見えるように動画を表示する。
【0016】
図2は、本発明装置のセンター内機器のブロックダイアグラムあって、16はセンター側の無線送受信機、17は映写装置であって無線送受信機経由で受信した映像信号を、18の前方カメラモニター及び19の後方カメラモニターに送出する。20はセンター側操作盤、21は左側面動画モニター、22は背面動画モニター、23は右側面動画モニターであって、それぞれ車両側で映写している映像を監視するためのモニターである。
【0017】
前方カメラ2及び後方カメラ3はそれぞれ自動パン機能及び自動チルト機能によって常に周囲の状況を走査することが可能であり、その映像を表示する前方カメラモニター5及び後方カメラモニター6を車内に設置する。
【0018】
前方カメラ2及び後方カメラ3からの映像信号をセンターに送出する無線送受信機7を車両内に設置する。
【0019】
それぞれのカメラのパン機能及びチルト機能を手動で行なうことを可能とする操作盤8を車両内に設置する。ズーム機能もこの操作盤8から操作可能とする。
【0020】
前方カメラ2及び後方カメラ3のパン機能及びチルト機能はセンターに設置した無線送受信機16を経由して操作盤20によって手動とすることも可能である。ズーム機能ももこの操作盤20から操作可能とする。
【0021】
広告用動画は予め車両1の内部に設置した動画記録再生装置9に保存しておき、操作盤8からのスタート指示操作に基づき、通常は記録保存の順番に順次再生する。
【0022】
センターに設置する操作盤20からセンター内の無線送受信機16を経由して動画記録再生装置9に対して予め保存した広告用動画の順次再生のスタートを指示することも可能である。
【実施例2】
【0023】
車両に設置した左側面動画表示盤13、背面動画表示盤14または右側面動画表示盤15に再生表示される動画記録再生装置9からの広告内容を前方カメラ2及び後方カメラ3からの映像から判断される周囲の公衆の年齢層、性別などに合わせたものとすることが車両内に設置した操作盤8またはセンターに設置した操作盤20から可能である。
【0024】
車両に設置した左側面動画表示盤13、背面動画表示盤14または右側面動画表示盤15に再生表示される動画記録再生装置9からの広告内容を周囲の公衆の年齢層、性別などに合わせたものとすることは広告内容の効果を上げることにおおいに役立つ。
【産業上の利用可能性】
【0025】
災害発生などの異常時に周囲の公衆に対してその状況を知らせ、避難場所への誘導その他の指示を与える内容の動画を予め動画記録再生装置9に記録保存しておき、異常時に操作盤8または操作盤20によって切替え表示することにより、多数の公衆を迅速かつより安全に誘導する異常時表示用途にも利用できる。
【符号の説明】
【0026】
1 車両
2 前方カメラ
3 後方カメラ
4 映写装置
5 前方モニター
6 後方モニター
7 無線送受信機
8 操作盤
9 動画記録再生装置
10 左側面動画モニター
11 背面動画モニター
12 右側面動画モニター
13 左側面動画表示盤
14 背面動画表示盤
15 右側面動画表示盤
16 無線送受信機
17 映写装置
18 前方モニター
19 後方モニター
20 操作盤
21 左側面動画モニター
22 背面動画モニター
23 右側面動画モニター

【特許請求の範囲】
【請求項1】
広告内容を電気的な情報信号として動画記録再生装置に保存しておき、再生動画映像を車両の両側面及び背面の三面もしくはそれら三面の内の二面又は一面に映写しながら巡回広告が可能である移動広告装置。
【請求項2】
車両に設置したカメラによって周囲の状況を常に監視し、周囲の状況に合わせて車両内に設置した動画記録再生装置に保存されている広告内容の再生順序を、車両内に設置した操作盤または無線送受信機経由で遠隔地から変更可能とする移動広告装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−252284(P2012−252284A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126813(P2011−126813)
【出願日】平成23年6月7日(2011.6.7)
【出願人】(711005318)