説明

移動通信端末機のユーザインターフェース処理方法

【課題】 XMLを適用して移動通信端末機のユーザインターフェースを構成するアプリケーションプログラムのコンテンツ、コンテンツのディスプレイスタイル情報、及びソフトキー情報をそれぞれ分離して管理することにより、各アプリケーションプログラムのユーザインターフェースを一括して処理し得る、移動通信端末機のユーザインターフェース処理方法を提供する。
【解決手段】 移動通信端末機のユーザインターフェース処理方法は、ユーザインターフェースを構成するアプリケーションプログラムを、コンテンツデータ、スタイルシートデータ、ソフトキーデータに分離して保存する過程と、ユーザインターフェースを構成する際、該当コンテンツデータのスタイルシートデータを選択する過程と、選択されたスタイルシートデータを用いて、該当コンテンツデータをXHTML形式に変換して表示する過程とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動通信端末機のユーザインターフェース(UI)処理方法に関し、特に、移動通信端末機の各アプリケーションプログラムのユーザインターフェースを一括して処理し得るユーザインターフェース処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、移動通信端末機は、ディスプレイ空間に制限があるため、最大限多くのコンテンツを表示するために、所定の形式を有するリストスタイルのディスプレイ方法が多用されている。また、そのリストされた項目に応じてソフトキーが表示される。
【0003】
このような一般の移動通信端末機が提供しているユーザインターフェースの基本的な構造においては、実際のデータであるコンテンツと、コンテンツをどのように表示するかに関する情報(スタイルシート)とが分離されていない状態で存在する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように、一般の移動通信端末機のユーザインターフェース処理方法においては、コンテンツと該コンテンツのディスプレイスタイルとを分離していないため、同一のディスプレイスタイルを有するアプリケーションプログラムであっても、新しいアプリケーションプログラムを開発するたびに、該アプリケーションプログラムのユーザインターフェースを繰り返し符号化しなければならないという不都合な点があった。
【0005】
また、一般の移動通信端末機のユーザインターフェース処理方法においては、移動通信端末機の画面に表示されるスタイルを変更しようとする場合、全てのアプリケーションプログラムのユーザインターフェースのコードを一々検索して変更しなければならないという不都合な点があった。
【0006】
本発明は、このような不都合な点を解決するためになされたもので、拡張可能なマーク付け言語(eXtensible Markup Language;以下、XMLという)を適用して、コンテンツと、コンテンツのディスプレイスタイル情報と、を夫々分離して管理することにより、移動通信端末機の各アプリケーションプログラムのユーザインターフェースを一括して処理し得る、移動通信端末機のユーザインターフェース処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するために、本発明に係る移動通信端末機のユーザインターフェース処理方法は、少なくとも、コンテンツデータと、スタイルシートデータと、が夫々分離して保存されたアプリケーションプログラムにおいて、ユーザインターフェースを構成するときに、コンテンツデータに関連付けられたスタイルシートデータを選択する過程と、前記選択されたスタイルシートデータを用いて、前記コンテンツデータをXHTML(eXtensible HyperText Markup Language)形式に変換して表示する過程と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る移動通信端末機のユーザインターフェース処理方法は、XMLを適用して移動通信端末機のユーザインターフェースを構成するアプリケーションプログラムのコンテンツと、コンテンツのディスプレイスタイル情報と、を夫々分離して管理することにより、各アプリケーションプログラムのユーザインターフェースを一括して処理し得るという効果がある。なお、アプリケーションプログラムのソフトキー情報をさらに分離して管理すると良い。そのようにすれば、アプリケーションプログラムのユーザインターフェースを一括して処理し得る効果がさらに向上する。
【0009】
また、本発明は、アプリケーションプログラムを利用してユーザに表示されるコンテンツのディスプレイスタイルを容易に変更し得るという効果がある。
【0010】
さらに、本発明は、多様なアプリケーションプログラムのユーザインターフェースの開発において、不要な符号化を最大限排除し、拡張柔軟性の高い構造でユーザインターフェースを管理し得るという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明においては、移動通信端末機のディスプレイ部に表示されるコンテンツのディスプレイスタイル情報、及びソフトキー情報をコンテンツデータから分離して管理することにより、コンテンツ、ディスプレイスタイル情報、ソフトキー情報をそれぞれ独立して管理して、各アプリケーションプログラムのユーザインターフェースを一括して処理する。
また、本発明においては、移動通信端末機のディスプレイ部に表示されてユーザインターフェース機能を行うアプリケーションプログラムのコンテンツをXMLデータに符号化し、コンテンツのディスプレイスタイル情報をXSL(Extensible Stylesheet Language)を用いて定義し、ソフトキー情報をXMLを用いて定義する。
【0012】
一般に、XMLは、インターネットを利用して文書(情報)を交換するための文書作成規則を定義した国際標準である。XMLの目的は、テキスト、イメージ、オーディオ、及びビデオなどを含むマルチメディア電子文書を、異なる機種のシステムの間で情報の損失なく効率的に伝送、保存、及び自動処理することにある。また、XMLは、文書を内容(コンテンツ)と表現形式とに分離して同一の内容を多様な形式で表現することができる。文書を内容と表現形式とに分離する際、表現形式の方を担当するものをスタイルシートといい、XMLのスタイルシート言語をXSLという。
【0013】
図1は本発明に係る移動通信端末機のユーザインターフェース一括処理方法を示す図である。
【0014】
移動通信端末機のプログラム開発者は、各アプリケーションプログラムのユーザインターフェース10の構造を、コンテンツ情報を有するコンテンツデータ20、ディスプレイスタイル情報を有するスタイルシートデータ30、ソフトキー情報を有するソフトキーデータ40に分離し、分離されたコンテンツデータ20をコンテンツのXMLデータに符号化し、分離されたスタイルシートデータ30をディスプレイスタイル情報のXMLのXSLデータに符号化し、分離されたソフトキーデータ40をソフトキー情報のXMLデータに符号化する。
【0015】
図2は移動通信端末機の各アプリケーションプログラムのうち、ユーザインターフェースを構成するコンテンツのXML符号化データの一例を示す図である。
【0016】
図1に示すアプリケーションプログラムのうち、携帯電話管理(Phone_Manager)アプリケーションプログラム、及び音量・着信音(Bell_Manager)アプリケーションプログラムのXML符号化データの一例を示す。すなわち、「MenuList name」属性に「携帯電話管理」及び「音量・着信音」というアプリケーションプログラムのコンテンツがそれぞれ定義されており、各メニュー(携帯電話管理メニュー、音量・着信音メニュー)の選択時に行われる「Action」が「Menu link」属性に定義されている。
【0017】
本発明で使用されるスタイルシートデータ30はXSL文法によって変換される。一般に、XSL文法は多様に構成されているが、移動通信端末機の限りあるリソースを考慮して、本発明においては、テーブル形式やリスト形式のサポートに必要なXSL文法を用いてスタイルシートデータ30をディスプレイスタイル情報のXMLのXSLデータに符号化する。
【0018】
図3は移動通信端末機のユーザインターフェース10を構成するコンテンツのリストスタイルを示すディスプレイスタイル情報のXSL符号化データの一例を示す図で、図4は編集モード状態のソフトキー情報のXML符号化データの一例を示す図である。
【0019】
このように符号化されたコンテンツのXMLデータ、ディスプレイスタイル情報のXSLデータ、ソフトキー情報のXMLデータは、それぞれメモリに保存される。また、符号化されたXMLデータ及びXSLデータをパーシングするためのXMLパーサは、メモリに保存することもでき、他のメモリに保存することもできる。
【0020】
ユーザにより移動通信端末機の任意のキーが入力されると、移動通信端末機の制御部50は、キーの入力に対する応答として、ユーザインターフェース10を構成するアプリケーションプログラムのコンテンツを出力する。
【0021】
すなわち、制御部50は、メモリから該当コンテンツのXMLデータを読み出し、予め構成されているディスプレイスタイル情報のXSLデータのうち、該当コンテンツのXMLデータに関連付けられたものを1つ選択する。また、読み出したコンテンツがソフトキー情報を必要とするコンテンツの場合、制御部50は、メモリから該当ソフトキー情報のXMLデータを選択する。
【0022】
その後、制御部50は、XMLパーサ60によりコンテンツのXMLデータ、ディスプレイスタイル情報のXSLデータ、ソフトキーのXMLデータをパーシングし、パーシングにより分析されたディスプレイスタイル情報のXSLデータを用いて、コンテンツのXMLデータをXHTML形式(又は、整形式(well-formed)HTML形式)に変換し、変換されたXHTML形式のコンテンツ、及びパーシングされたソフトキー情報を、ユーザインターフェース10を介してユーザに表示する。
【0023】
例えば、ユーザによりユーザインターフェース10を介してメニューキーが入力されると、メニューキーに該当するメニューアプリケーションプログラムのコンテンツエレメント、すなわち、「MenuList」の「name」属性に定義されているエレメント(一例として、電話帳(Phone_Book)、携帯電話管理(Phone_Manager)、音量・着信音(Bell_Manager)、コンテンツ管理(Contents_Manager)、電子ノート(Electronic_Note)など)をメモリから読み出し、読み出したコンテンツエレメントに関連付けられたディスプレイスタイル情報のXSLデータを選択した後、読み出したコンテンツエレメントのXMLデータ及び選択されたディスプレイスタイル情報のXSLデータを、XMLパーサ60によりパーシングする。制御部50は、パーシングされたディスプレイスタイル情報のXSLデータによって、パーシングされたコンテンツエレメントのXMLデータをXHTML形式に変換し、電話帳、携帯電話管理、音量・着信音、コンテンツ管理、電子ノートなどのメニューをリスト形式で有するユーザインターフェースを構成する。
【0024】
ユーザにより音量・着信音メニューが選択されると、移動通信端末機の制御部は、音量・着信音メニューの「Menu link」属性に定義されたコンテンツのXMLデータを選択し、選択されたコンテンツのXMLデータに関連付けられたディスプレイスタイル情報のXSLデータを選択する。ここで、選択されたXMLデータによりソフトキー情報が要求されたときには、該当ソフトキー情報のXMLデータを選択する。制御部50は、選択されたコンテンツのXMLデータ、ディスプレイスタイル情報のXSLデータ、ソフトキー情報のXMLデータをXMLパーシングした後にXHTML形式に変換してユーザインターフェースを構成する。従って、図2を参照すると、着信音/マナーモード切替、着信音選択、着信音音量、呼び出し音、サービス変更音、通話経過音がリスト形式で表示される。
【0025】
このように、本発明に係る移動通信端末機は、ユーザインターフェースを構成するアプリケーションプログラムを、コンテンツ、コンテンツのスタイルシートデータ、ソフトキー情報に分離して管理する。
【0026】
アプリケーションプログラムを追加する場合、一般の移動通信端末機のユーザインターフェース処理方法によると、追加するアプリケーションプログラムのスタイルシートデータが、既に存在している他のアプリケーションプログラムのスタイルシートデータと同一であったり、追加するアプリケーションプログラムのソフトキーデータが、他のアプリケーションプログラムのソフトキーデータと同一であったりしても、追加するアプリケーションプログラム、アプリケーションプログラムのスタイルシート、及びアプリケーションプログラムのソフトキーデータを全て開発者が符号化しなければならなかった。しかし、本発明においては、追加するアプリケーションプログラムのコンテンツのXML符号化データが開発者により提供されるだけで、既に存在しているスタイルシートデータ、及びソフトキーデータを用いて、新しいアプリケーションプログラムをユーザインターフェースとして構成することができる。
【0027】
ユーザインターフェースを構成するアプリケーションプログラムのコンテンツのスタイルシートデータを新しいスタイルに変更しようとする場合、本発明においては、開発者が各アプリケーションプログラムごとにスタイルシート符号化データを一々検索して変更することなく、新しいスタイルシートデータを定義するXSL符号化データを提供するだけで、各アプリケーションプログラムのコンテンツに新しいスタイルシートデータを容易に適用することができる。
【0028】
また、新しいソフトキーを必要とする場合も、本発明によると、新しいソフトキーを定義するXML符号化データをメモリに追加するだけで、新しいソフトキーを用いてユーザインターフェースを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明に係る移動通信端末機のユーザインターフェース一括処理方法を示す図
【図2】移動通信端末機の各アプリケーションプログラムのうち、ユーザインターフェースを構成するコンテンツのXML符号化データの一例を示す図
【図3】移動通信端末機のユーザインターフェースを構成するコンテンツのリストスタイルのスタイルシートデータの一例を示す図
【図4】編集モード状態のソフトキー情報のXML符号化データの一例を示す図
【符号の説明】
【0030】
10 ユーザインターフェース
20 コンテンツデータ
30 スタイルシートデータ
40 ソフトキーデータ
50 制御部
60 XMLパーサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、コンテンツデータ、スタイルシートデータが夫々分離して保存されたアプリケーションプログラムによって実行されるユーザインターフェース処理方法であって、ユーザインターフェースを構成するときに、構成するユーザインターフェースのコンテンツデータと、該コンテンツデータに関連付けられたスタイルシートデータと、を選択する過程と、
前記選択されたスタイルシートデータを用いて、前記選択されたコンテンツデータをXHTML(eXtensible HyperText Markup Language)形式に変換して表示する過程と、
を含むことを特徴とする移動通信端末機のユーザインターフェース処理方法。
【請求項2】
前記アプリケーションプログラムは、ソフトキーデータがさらに分離して保存され、
前記選択されたコンテンツデータにより該コンテンツデータに関連付けられたソフトキーデータが要求されたときに、前記関連付けられたソフトキーデータを選択する過程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末機のユーザインターフェース処理方法。
【請求項3】
前記ソフトキーデータが、XML(eXtensible Markup Language)形式に符号化されることを特徴とする請求項2に記載の移動通信端末機のユーザインターフェース処理方法。
【請求項4】
前記コンテンツデータが、XML形式に符号化されることを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末機のユーザインターフェース処理方法。
【請求項5】
前記スタイルシートデータが、XSL形式に符号化されることを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末機のユーザインターフェース処理方法。
【請求項6】
前記コンテンツデータが、
前記移動通信端末機のディスプレイ部に表示されるエレメントと、
前記エレメントが選択されたときに実行される処理を定義する属性と、
を含むことを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末機のユーザインターフェース処理方法。
【請求項7】
新しいアプリケーションプログラムのコンテンツデータのXML符号化データが提供されると、ユーザインターフェースを構成する新しいアプリケーションプログラムが追加されることを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末機のユーザインターフェース処理方法。
【請求項8】
前記アプリケーションプログラムは、ソフトキーデータがさらに分離して保存され、
前記新しいアプリケーションプログラムにおいてユーザインターフェースを構成するときに、既に保存されているスタイルシートデータ及びソフトキーデータが用いられることを特徴とする請求項7に記載の移動通信端末機のユーザインターフェース処理方法。
【請求項9】
新しいスタイルシートデータが要求されたときに、前記新しいスタイルシートデータのXSL符号化データがさらに保存され、前記移動通信端末機がユーザインターフェースを構成するときに、前記さらに保存された新しいスタイルシートデータのXSL符号化データを選択することにより、各アプリケーションプログラムの新しいスタイルシートが提供されることを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末機のユーザインターフェース処理方法。
【請求項10】
変更されたソフトキーデータのXML符号化データが提供されてユーザインターフェースを構成するときに、該XML符号化データを選択することにより、各アプリケーションプログラムのソフトキーデータが変更され、
新しいソフトキーデータのXML符号化データが提供されてユーザインターフェースを構成するときに、該XML符号化データを選択することにより、各アプリケーションプログラムに新しいソフトキーデータが提供されることを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末機のユーザインターフェース処理方法。
【請求項11】
前記コンテンツデータ及び前記選択されたスタイルシートデータをXMLパーシングにより分析する過程をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の移動通信端末機のユーザインターフェース処理方法。
【請求項12】
前記スタイルシートデータが、テーブルスタイルと、リストスタイルとを含むことを特徴とする請求項11に記載の移動通信端末機のユーザインターフェース処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−216045(P2006−216045A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−24488(P2006−24488)
【出願日】平成18年2月1日(2006.2.1)
【出願人】(590001669)エルジー電子株式会社 (296)
【Fターム(参考)】