説明

移植機

【課題】 各植付け装置に分岐される伝動上流側に配置された植付け用動力伝達装置に、植付け装置の慣性による先行移動を制動するブレーキ機構を介在させ、植付け伝動系の構成を簡単にすることができる移植機を提供する。
【解決手段】 エンジンからの回転を植付け用動力伝達装置に伝達し、更に該動力伝達装置から各植付け装置31に分岐して伝達する植付け伝動系と、エンジンからの回転を、走行用動力伝達装置を介して前輪12、後輪15に伝達する走行伝動系と、を備えてなる移植機1において、前記植付け用動力伝達装置に、不等速伝動ギヤ列と、前記植付け装置31の1回転中に周期的に制動力を作用しかつ該制動力を解除するブレーキ機構とを備えた不等速伝動装置36を介在した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植付け駆動軸の回転に周期的な速度変化を生じさせる不等速伝動装置を備えた移植機に関する。
【背景技術】
【0002】
植付け駆動軸の回転に周期的な速度変動を生じさせ、苗の掻き取り速度と土中動作速度を増速させる不等速伝動装置と、植付け駆動軸の回転に伴って、苗のせ台から掻取った苗を土中に植付ける複数の植付け装置を有する移植機が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記移植機においては、植付け爪の土中速度を早くして、植付けられた苗が姿勢を乱したり、倒れたりすることなく移植することができる。しかし、植付け爪が1回転する間に各2回の高速状態と低速状態を繰返すため、高速状態から低速状態に移行するとき、入力側の駆動軸に対して植付け爪がその慣性により、動力伝動系を構成する歯車のガタ(バックラッシュ)分先行回転するため、低速状態から高速状態へ移行する際に発生する振動や騒音が大きくなり、トラブルの原因となることがある。
【0004】
このような不具合を解決するものとして、植付け駆動軸の回転に周期的な速度変動を生じさせ、苗の掻き取り速度と土中動作速度を増速させる不等速伝動装置と、植付け駆動軸の回転に伴って、苗のせ台から掻取った苗を土中に植付ける複数の植付け装置を有し、各植付け装置は、それぞれ前記不等速伝動装置にから伝動される回転に対して周期的に制動力を作用させ、不等速伝動装置のガタ(バックラッシュ)を取るブレーキ機構を備えた移植機が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
【特許文献1】特開2002−330608号公報(第4−5頁、図7)
【特許文献2】特開2004−180562号公報(第6−7頁、図15)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記移植機においては、ブレーキ機構により植付け装置の回転を押されることができるので、高速回転から低速回転に移行する際に伝動系のバックラッシュにより発生する振動や騒音を抑えることができる。しかし、各植付け装置の植付け駆動軸に、それぞれブレーキ機構を設けているので、植付け伝動系の構成が複雑になる。
【0007】
前記の事情に鑑み、本発明は、各植付け装置に分岐される伝動上流側に配置された植付け用動力伝達装置に、植付け装置の慣性による先行移動を制動するブレーキ機構を介在させ、植付け伝動系の構成を簡単にすることができる移植機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の本発明は、エンジンからの回転を植付け用動力伝達装置(51)に伝達し、更に該動力伝達装置(51)から各植付け装置(31)に分岐して伝達する植付け伝動系と、エンジンからの回転を走行用動力伝達装置(41)を介して走行車輪(12、15)に伝達する走行伝動系と、を備えてなる移植機(1)において、
前記植付け用動力伝達装置(51)に、不等速伝動ギヤ列(76)と、前記植付け装置(31)の1回転中に周期的に制動力を作用しかつ該制動力を解除するブレーキ機構(83)とを介在した、
ことを特徴とする移植機にある。
【0009】
請求項2に記載の本発明は、前記植付け用動力伝達装置(51)に、前記不等速伝動ギヤ列(76)と前記ブレーキ機構(83)とを有する不等速伝動装置(36)を介在してなる、
請求項1記載の移植機にある。
【0010】
請求項3に記載の本発明は、前記植付け用動力伝達装置(51)に、前記不等速伝動ギヤ列(76)と、減速伝動ギヤ列(102)と、前記ブレーキ機構(83)とを有する不等速・減速伝動装置(101)を介在してなる、
請求項1記載の移植機にある。
【0011】
なお、前記した括弧内の符号等は、図面を参照するためのものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係る本発明によると、各植付け装置に分岐される伝動上流側に配置された植付け用動力伝達装置に、不等速伝動ギヤ列に起因して生じる植付け装置の慣性による先行移動を制動するブレーキ機構を介在したので、従来技術のように各植付け装置の植付け駆動軸にブレーキ機構を設けたものに比し、植付け装置の数に拘らず1個のブレーキ装置で足り、植付け伝動系の構成を簡単にすることができる。
【0013】
請求項2に係る本発明によると、不等速伝動ギヤ列及びブレーキ機構を1個のユニットとして植付け用伝達装置に介在したので、既存の機種を少し改良するだけで上記ユニットである不等速伝動装置を配備することができる。
【0014】
請求項3に係る本発明によると、不等速伝動ギヤ列、減速伝動ギヤ列及びブレーキ機構を1個のユニットとして植付け用伝達装置に介在したので、既存に機種を少し改造するだけで簡単に疎植仕様の移植機にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面に基づき本発明の実施の形態を説明する。
【0016】
図1乃至図7は、本発明の実施の形態を示すもので、図1は、移植機の側面図、図2は、植付け動力伝動系の展開図、図3は、不等速伝動装置の展開図、図4は、不等速伝動装置の背面図、図5は、不等速伝動装置の正面図、図6は、植付け爪の静止軌道を示す側面図、図7は、植付け爪のランニング軌跡を示す説明図である。
【0017】
図1に示すように、移植機1は、走行機体11と植付け作業機25とを有し、該走行機体11は、フロントアクスルケース(図示せず)を介して配置された左右一対の前輪12と、リヤアクスルケース13を介して配置された左右一対の後輪15とにより支持された機体16と、該機体16の前部に搭載されボンネット17で覆われたエンジン(図示せず)と、前記機体16の後部に搖動自在に配置され、前記作業機25を昇降自在に連結する昇降リンク機構18が配置されている。また、前記機体16の中央部には、座席シート20、ステアリングハンドル21、各種操作レバー、ペダル、スイッチ等が配置された運転席22が配置されている。
【0018】
前記作業機25は、前記昇降リンク機構18にローリング自在に連結される植付けフレーム26と、該植付けフレーム26の上方に左右方向に摺動自在に支持された苗のせ台27と、前記植付けフレーム26の左右方向の略中間部に取付けられる入力ケース28と、前記植付けフレーム26に所定の間隔で後方に延出するように取付けられた複数の植付け伝動ケース30と、該植付け伝動ケース30の後端部に回転自在に支持され、複数の植付け爪31aを有する複数の植付け装置31と、前記植付け伝動ケース30の下方に上下方向に搖動自在に支持された複数のフロート32とを備えている。
【0019】
前記エンジンの回転は、前記走行機体11の下側に配置されたHST33を介してトランスミッション35に入力され、該トランスミッション35で走行用動力と植付け用動力に分岐される。前記走行用動力は、前記トランスミッション35から前記フロントアクスルを介して前記前輪12に伝達され走行機体11を走行させる。前記植付け用動力は、前記トランスミッション35から不等速伝動装置36、植付け伝動軸37、PTO軸38を介して前記入力ケース28に伝達され前記作業機25を駆動する。
【0020】
前記移植機1の動力伝動系は、図2に示すように、ミッションケース35a内で分岐される走行用動力伝達装置41と植付け用動力伝達装置51と、前記作業機25で、前記植付け用動力伝達装置51から伝達される動力を前記各植付け装置31に分岐して伝達する植付け部動力伝達装置61で構成される。前記エンジンの回転は、ベルト(図示せず)、プーリ(図示せず)を介して前記HST33の入力軸33aに伝達され、該HST33で無段変速されその出力軸33bから前記トランスミッション35の入力軸42に出力される。
【0021】
前記走行用動力伝達装置41は、前記ミッションケース35aに、前記入力軸42と平行に回転自在に配置された中間軸43と、前記入力軸42と中間軸43に間に配置された走行用の変速装置45と、前記ミッションケース35aに回転自在に配置された中間軸46と、デファレンシャル機構47を介して前記前輪12を駆動する前輪駆動軸48と、前記中間軸46に固定されたギヤ50を介して前記後輪15を駆動する後輪駆動系(図示せず)とを備え、走行伝動系を構成している。
【0022】
前記植付け用動力伝達装置51は、前記ミッションケース35aに、前記入力軸42と平行に回転自在に配置された中間軸52と、前記入力軸42と中間軸52に間に配置された植付け用の変速装置53と、前記ミッションケース35aに、前記中間軸52に対し垂直方向に回転自在に配置された出力軸55を備え、前記中間軸52と出力軸55の間は、ギヤ52aとギヤ55aを介して連結されている。
【0023】
前記植付け部動力伝達装置61は、前記入力ケース28に回転自在に支持され、前記ユニバーサルジョイント40を介して前記PTO軸38に連結される入力軸28aと、前記植付けフレーム26内に回転自在に配置され、前記入力軸28aから動力の伝動を受ける植付け伝動軸62と、前記植付け伝動ケース30の後端部に回転自在に支持され、その両端に前記植付け装置31を支持する植付け駆動軸63と、前記植付け伝動軸62に固定されたスプロケット65と、前記植付け駆動軸63に固定されたスプロケット66と、前記スプロケット65とスプロケット66とに掛け渡されたチェーン67とを有している。
【0024】
前記出力軸55の一端は、前記不等速伝動装置36の入力軸に連結され、該不等速伝動装置36の出力軸は、前記植付け伝動軸37の入力端に連結され、該植付け伝動軸37の出力端は、ユニバーサルジョイント(図示せず)を介して前記PTO軸38の入力端に連結され、該PTO軸38の出力側端部は、ユニバーサルジョイント40を介して前記入力ケース28の入力軸28aに連結され、植付け伝動系が構成されている。
【0025】
前記不等速伝動装置36は、そのケースの入力側の端部に形成された中空の突起36aが、前記トランスミッション35のミッションケース35aに形成された取付け穴35bに印籠嵌合し、複数のボルト36bでミッションケース35aに固定されている。
【0026】
図3、図4及び図5に示すように、前記不等速伝動装置36は、前記ボルト36bを挿通する取付けボルト穴70が形成されたケース71に回転自在に支持され、前記植付け用動力伝達装置51の出力軸55の出力側端部とスプライン嵌合する入力軸72と、前記ケース71に前記入力軸72と同一軸心上に所定の間隔で回転自在に支持された出力軸73と、前記ケース71に前記入力軸72及び出力軸73と所定の間隔で平行に回転自在に支持された中間軸75とを備え、前記入力軸72と中間軸75の間に不等速伝動ギヤ列76が、前記中間軸75と出力軸73の間に等速伝動ギヤ列80が、前記出力軸73にブレーキ機構83がそれぞれ配置されている。
【0027】
前記不等速伝動ギヤ列76は、前記入力軸72の一端に固定された不等速(偏心)ギヤ77と、前記中間軸75の一端に、前記不等速ギヤ77と歯合するように固定された不等速(偏心)ギヤ78とにより構成されている。前記等速伝動ギヤ列80は、前記中間軸75の他端に固定されたギヤ81と、前記出力軸73の一端に前記ギヤ81と歯合するように固定されたギヤ82とにより構成されている。
【0028】
前記ブレーキ機構83は、前記出力軸73に固定されたカム85と、前記ケース71に回転自在に支持された軸86と、一端が該軸86に固定され、他端が前記カム85の外周面と対向するカムアーム87と、前記軸86の他端に固定された付勢アーム88と、前記ケース71に固定されたブラケット90に固定され、前記付勢アーム88の他端に形成された穴88aを移動可能に貫通するボルト91と、該ボルト91に装着されたスプリング92と、前記ボルト91に螺合して前記スプリング92の抗圧力を調整するダブルナット93とにより構成されている。従って、前記ブレーキ機構83は、前記ダブルナット93の位置を調整することにより、前記カムアーム87の位置を調整し、カム85とカムアーム87の接触圧を変えて前記出力軸73に対する制動力を調整することができる。
【0029】
前記の構成であるから、エンジンの回転がHST33の入力軸33aに入力されると、その出力軸33bから所定の変速比で変速された回転が出力され、トランスミッション35の入力軸42を回転させる。
【0030】
入力軸42の回転は、変速装置45を介して中間軸43に伝達され、該中間軸43から中間軸46を介してデファレンシャル機構47に伝達され、該デファレンシャル機構47から前輪駆動軸48、フロントアクスルケースを介して前輪12に伝達されると共に、ギヤ50から後輪駆動系に伝達されリヤアクスル13を介して後輪15に伝達され、走行機体11を走行させる。
【0031】
また、入力軸42から変速装置53を介して中間軸52、ギヤ52a、ギヤ55aを介して出力軸55に伝達された回転は、不等速伝動装置36の入力軸72に伝達される。該入力軸72の回転は、不等速伝動ギヤ列76を構成する不等速ギヤ77と不等速ギヤ78を介して不等速回転となって中間軸75に伝達され、等速伝動ギヤ列80を構成するギヤ81とギヤ82を介して出力軸73に伝達される。
【0032】
ここで、不等速伝動ギヤ列76の回転により中間軸75の回転が高速域から低速域に移行するとき、出力軸73以降の植付け伝動系の慣性回転(慣性力)が、出力軸73に固定されたギヤ82が中間軸75に固定されたギヤ81に対してバックラッシュ分だけ先行回転(先行移動)するように作用する。
【0033】
この時、ブレーキ機構83のカム85にカムアーム87が当接させカム85の回転を抑えることにより出力軸73に制動力を作用させ、ギヤ81に対するギヤ82の先行移動をなくすことができる。
【0034】
前記出力軸73から出力される不等速回転は、植付け伝動軸37、ユニバーサルジョイント、PTO軸38、ユニバーサルジョイント40を介して入力ケース28の入力軸28aに伝達され、該入力軸28aから植付け伝動軸62、チェーン67、植付け駆動軸63を介して植付け装置31に伝達され、該植付け装置31を駆動する。従って、植付け装置31は不等速回転することになる。
【0035】
前記のように駆動される植付け装置31の回転速度には、1回転中にそれぞれ2回の増速域と、減速域が発生する。この植付け装置31の増減速とブレーキ機構81により発生させる制動力の関係は、植付け爪31aの静止軌跡上で示すと図6のようになる。
【0036】
図6において、1個の植付け爪31aが1回転する間には、各2回の増速域(実線矢印域)A、Cと減速域B、Dが発生する。即ち、各植付け爪31aのマット苗Mからの苗Nの掻取り領域と、苗Nの植付け(土中運動)領域は増速され、植付け爪31aが空移動している領域および掻取った苗Nを圃場に向けて搬送している領域は減速される。
【0037】
また、各増速域A、Cには、略180度ずらして二つの最速位置E、Fが存在し、各減速域B、Dには、略180度ずらして二つの最遅位置G、Hが存在する。前記一方の最速位置Eは、植付け爪31aが苗Nを圃場に植付け苗Nを離した直後(土中)となるように設定され、他方の最速位置Fは、植付け爪31aがマット苗Mから苗Nを掻取った直後に合致するように設定される。
【0038】
植付け爪31aが前記最速位置Fを過ぎた直後に制動開始位置Iが設定され、前記最遅位置Gの手前に制動力最大位置Jが設定され、植付け爪31aが田面Tに侵入する位置に制動力解除開始位置Kが設定され、前記最速位置Eの手前に制動力解除終了位置Lが設定される。また、前記制動開始位置I、制動力最大位置J、制動力解除開始位置K及び制動力解除終了位置Lとそれぞれ略180度ずらして制動開始位置P、制動力最大位置Q、制動力解除開始位置R及び制動力解除終了位置Sが設定されている。
【0039】
前記の設定により、植付け装置31の植付け爪31aのランニング軌跡は、図7に示すようになる。本発明による植付け爪31aのランニング軌跡Xは、従来の植付け爪31aのランニング軌跡Yに比較して、植付け爪31aの土中における移動速度が最速域となることから、植付け爪31aの土中における移動量が小さくなり、土中における苗の引摺り量を小さくすることができる。また、植付け爪31aの引上げ速度が大きくなることから、植付けた苗との干渉を回避することができる。
【0040】
前述のように、各植付け装置31に分岐される伝動上流側に配置された植付け用動力伝達装置51に、不等速伝動ギヤ列76に起因して生じる植付け装置31の慣性による先行移動を制動するブレーキ機構83を介在したので、従来技術のように各植付け装置の植付け駆動軸にブレーキ機構を設けたものに比し、植付け装置31の数に拘らず1個のブレーキ装置83で足り、植付け伝動系の構成を簡単にすることができる。
【0041】
また、トランスミッション35のミッションケース35aに不等速伝動装置36を印籠嵌合させることにより、出力軸55に対する入力軸72の組付けを容易にすることができる。
【0042】
また、不等速伝動ギヤ列76及びブレーキ機構83を1個のユニットとして植付け用伝達装置に介在したので、既存の機種を少し改良するだけで前記ユニットである不等速伝動装置36を配備することができる。
【0043】
図8は、本発明の他の実施の形態を示す不等速・減速伝動装置の展開図である。この実施の形態は、前記の実施の形態における不等速伝動装置36に替えて不等速・減速伝動装置101を配置したものであり、他は前記実施の形態と同じであるので、前記実施の形態(図3)と同じ符号を付けて示し説明を省略する。
【0044】
前記不等速・減速伝動装置101は、前記ケース71に回転自在に支持され、前記植付け用動力伝達装置51の出力軸55の出力側端部とスプライン嵌合する入力軸72と、ケース71に前記入力軸72と同一軸心上に所定の間隔で回転自在に支持された出力軸73と、前記ケース71に前記入力軸72及び出力軸73と所定の間隔で平行に回転自在に支持された中間軸75とを備え、前記入力軸72と中間軸75の間に減速伝動ギヤ列102が、前記中間軸75と出力軸73の間に不等速伝動ギヤ列76が、前記出力軸73にブレーキ機構83がそれぞれ配置されている。前記減速伝動ギヤ列102は、前記入力軸72に固定された小径のギヤ103と、前記中間軸75に固定された大径のギヤ105で構成されている。
【0045】
前記の構成では、出力軸55から入力軸72に伝達された回転を、減速ギヤ列102で減速した後、不等速伝動ギヤ列76で不等速回転に変換して出力軸73から植付け伝動軸37に出力する。このような構成としても前記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0046】
また、不等速伝動ギヤ列76、減速伝動ギヤ列102及びブレーキ機構83を1個のユニットとして植付け用伝達装置51に介在したので、既存に機種を少し改造するだけで簡単に疎植仕様の移植機にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】移植機の側面図である。
【図2】植付け動力伝動系の展開図である。
【図3】不等速伝動装置の展開図である。
【図4】不等速伝動装置の背面図である。
【図5】不等速伝動装置の正面図である。
【図6】植付け爪の静止軌道を示す側面図である。
【図7】植付け爪のランニング軌跡を示す説明図である。
【図8】不等速・減速伝動装置の展開図である。
【符号の説明】
【0048】
1 移植機
12 走行車輪(前輪)
15 走行車輪(後輪)
31 植付け装置
36 不等速伝動装置
41 走行用動力伝達装置
51 植付け用動力伝達装置
76 不等速伝動ギヤ列
83 ブレーキ機構
101 不等速・減速伝動装置
102 減速伝動ギヤ列

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エンジンからの回転を植付け用動力伝達装置に伝達し、更に該動力伝達装置から各植付け装置に分岐して伝達する植付け伝動系と、エンジンからの回転を走行用動力伝達装置を介して走行車輪に伝達する走行伝動系と、を備えてなる移植機において、
前記植付け用動力伝達装置に、不等速伝動ギヤ列と、前記植付け装置の1回転中に周期的に制動力を作用しかつ該制動力を解除するブレーキ機構とを介在した、
ことを特徴とする移植機。
【請求項2】
前記植付け用動力伝達装置に、前記不等速伝動ギヤ列と前記ブレーキ機構とを有する不等速伝動装置を介在してなる、
請求項1記載の移植機。
【請求項3】
前記植付け用動力伝達装置に、前記不等速伝動ギヤ列と、減速伝動ギヤ列と、前記ブレーキ機構とを有する不等速・減速伝動装置を介在してなる、
請求項1記載の移植機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−262758(P2006−262758A)
【公開日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−84501(P2005−84501)
【出願日】平成17年3月23日(2005.3.23)
【出願人】(000001878)三菱農機株式会社 (1,502)
【Fターム(参考)】