移植靱帯ストランド引張装置
本体と、本体に接続される一対の縫合糸レールとを有する、移植靱帯ストランド引張装置。各縫合糸レールは、縫合糸ループを受容するための溝付外側チャネルと、縫合糸ループを受容するための中心マンドレルとを含む。溝付外側チャネルによって受容される縫合糸ループの隔たりは、中心マンドレルによって受容される縫合糸ループの隔たりよりも大きい。本体と、本体に接続されるクリートとを有する移植靱帯ストランド引張装置。本体と、本体の中心軸に対し対称的に本体に接続される少なくとも2つの縫合糸係合要素と、ハンドルが本体の縦軸に対し横方向に位置決め可能なように、本体に旋回可能に接続されるハンドルとを有する、移植靱帯ストランド引張装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(係属出願の参照)
本出願は、先の係属する米国仮特許出願第60/816,407号(Peter Marshall、他、2006年6月26日出願、「GRAFT LIGAMENT STRAND TENSIONER」、(代理人事件番号SCAN−21 PROV))の利益を主張し、該出願は、本明細書において参照により援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、概して、医療装置に関し、より具体的には、選択された張力に対し、複数の移植靱帯ストランドを同時に位置付け、引張るための装置に関する。
【背景技術】
【0003】
前十字靭帯(Anterior Cruciate Ligament;ACL)の再建術における2つの薄筋ストランド(例えば、2つ重なった薄筋腱)と2つの半腱様筋ストランド(例えば、2つ重なった半腱様筋腱)等、4つの移植靱帯ストランドの使用は、当技術分野において周知である。さらに、ACL再建術における1つ、2つ、または3つのストランド等、他の数の移植靱帯ストランドの使用も、当技術分野において周知である。また、ACL再建術のための膝蓋腱、四頭筋腱、後脛骨腱等、他の解剖学的材料の使用も、当技術分野において周知である。
【0004】
また、類似技術を使用して、他の(すなわち、非ACL)靭帯を再建することも、当技術分野において周知である。一例として、類似技術を使用して、後十字靭帯(Posterior Cruciate Ligament;PCL)を再建することは、当技術分野において周知であるが、これに限定されない。
【0005】
靭帯再建術のための2つ以上の移植靱帯ストランドを使用する場合、概して、種々の靭帯ストランドが均等に引張られることが好ましいが、これは、概して、最良の生体力学的結果を提供するためである。各移植靱帯ストランド上の張力は、1度に1つの靭帯に手動で印加されてもよいが、本アプローチは、比較的に時間を要し、各靭帯ストランドを均等の所望の張力に確実に引張することを困難にする。さらに、本アプローチは、いくつかの移植靱帯ストランドが、単一ファスナまたはアンカを使用して、宿主の骨に固定されることになるため、概して、非実践的である。
【0006】
また、各移植靱帯ストランドからウエートを吊持することによって、移植靱帯ストランドを引張することも可能である。本アプローチは、既知の均等張力を各移植靱帯ストランドに提供するが、概して、ウエートを種々の移植靱帯ストランドに取り付けるには非常に時間を要する。さらに、特に、外科医が、移植靱帯ストランドを宿主の骨(例えば、ACL再建術の場合の脛骨)に固定する手技の際、移植靱帯ストランドの自由端から垂下するウエートの周囲で作業をすることは、外科医にとって困難となり得る。
【0007】
加えて、複数の移植靱帯ストランドが、移植靱帯再建術において使用され、複数の移植靱帯ストランドが、単一のファスナまたはアンカを使用して、宿主の骨に固定されている場合、概して、各移植靱帯ストランドに与えられる均等張力で、すべての移植靱帯ストランドを同時に操作可能であることは有利である。しかしながら、いくつかの移植靱帯ストランドのそれぞれに張力を均等に与えることは、縫合糸が同一長ではない場合が多いため、移植靱帯ストランドが、ストランドから延在する縫合糸を使用して、位置付けられ、引張られる状況では複雑となり得る。
【0008】
故に、複数の移植靱帯ストランドを同時に位置付け、所望の張力で引張るために使用され得る、新しく改良された移植靱帯ストランド引張装置の必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のこれらおよび他の目的は、以下に開示される新規な移植靱帯ストランド引張装置の提供および使用によって解決される。
【0010】
本発明の一形態では、
本体と、
本体に接続された一対の縫合糸レールと
を備え、各縫合糸レールは、縫合糸ループを受容するための溝付外側チャネルと、縫合糸ループを受容するための中心マンドレルとを備え、溝付外側チャネルによって受容される縫合糸ループの隔たりは、中心マンドレルによって受容される縫合糸ループの隔たりよりも大きい、移植靱帯ストランド引張装置が提供される。
【0011】
本発明の別の形態では、
本体と、
本体に接続された複数のクリートと
を備え、クリートはそれぞれ、縫合糸を解放可能に固定するように構成された、移植靱帯ストランド引張装置が提供される。
【0012】
本発明の別の形態では、
本体と、
一対の縫合糸を解放可能に係合するための少なくとも2つの縫合糸係合要素であって、本体の中心軸に対し対称的に離間して、本体に接続される少なくとも2つの縫合糸係合要素と、
本体の縦軸に対し横方向に位置決め可能なように、旋回可能に本体に接続されるハンドルと
を備える、移植靱帯ストランド引張装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第1の好ましい実施形態を示す。
【図2】図2は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第1の好ましい実施形態を示す。
【図3】図3は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第1の好ましい実施形態を示す。
【図4】図4は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第1の好ましい実施形態を示す。
【図5】図5は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第1の好ましい実施形態を示す。
【図6】図6は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第1の好ましい実施形態を示す。
【図7】図7は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第1の好ましい実施形態を示す。
【図8】図8は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第1の好ましい実施形態を示す。
【図9】図9は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第1の好ましい実施形態を示す。
【図10】図10は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第1の好ましい実施形態を示す。
【図11】図11は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第1の好ましい実施形態を示す。
【図12】図12は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第2の好ましい実施形態を示す。
【図13】図13は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第2の好ましい実施形態を示す。
【図14】図14は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第2の好ましい実施形態を示す。
【図15】図15は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第2の好ましい実施形態を示す。
【図16】図16は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第2の好ましい実施形態を示す。
【図17】図17は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第2の好ましい実施形態を示す。
【図18】図18は、図12〜17に示される新規な移植靱帯ストランド引張装置と使用され得る、種々のクリートアセンブリを示す。
【図19】図19は、図12〜17に示される新規な移植靱帯ストランド引張装置と使用され得る、種々のクリートアセンブリを示す。
【図20】図20は、図12〜17に示される新規な移植靱帯ストランド引張装置と使用され得る、種々のクリートアセンブリを示す。
【図21】図21は、図12〜17に示される新規な移植靱帯ストランド引張装置と使用され得る、種々のクリートアセンブリを示す。
【図22】図22は、図12〜17に示される新規な移植靱帯ストランド引張装置と使用され得る、種々のクリートアセンブリを示す。
【図23】図23は、図12〜17に示される新規な移植靱帯ストランド引張装置と使用され得る、種々のクリートアセンブリを示す。
【図24】図24は、図12〜17に示される新規な移植靱帯ストランド引張装置と使用され得る、種々のクリートアセンブリを示す。
【図25】図25は、図12〜17に示される新規な移植靱帯ストランド引張装置と使用され得る、種々のクリートアセンブリを示す。
【図26】図26は、図12〜17に示される新規な移植靱帯ストランド引張装置と使用され得る、種々のクリートアセンブリを示す。
【図27】図27は、図12〜17に示される新規な移植靱帯ストランド引張装置と使用され得る、種々のクリートアセンブリを示す。
【図28】図28は、図12〜17に示される新規な移植靱帯ストランド引張装置と使用され得る、種々のクリートアセンブリを示す。
【図29】図29は、図12〜17に示される新規な移植靱帯ストランド引張装置と使用され得る、種々のクリートアセンブリを示す。
【図30】図30は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第3の好ましい実施形態を示す。
【図31】図31は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第3の好ましい実施形態を示す。
【図32】図32は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第3の好ましい実施形態を示す。
【図33】図33は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第4の好ましい実施形態を示す。
【図34】図34は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第4の好ましい実施形態を示す。
【図35】図35は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第4の好ましい実施形態を示す。
【図36】図36は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第4の好ましい実施形態を示す。
【図37】図37は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第5の好ましい実施形態を示す。
【図38】図38は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第6の好ましい実施形態を示す。
【図39】図39は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第6の好ましい実施形態を示す。
【図40】図40は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第6の好ましい実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のこれらおよび他の目的および特徴は、同一番号が同一部品を示している付随の図面とともに検討される、本発明の好ましい実施形態の以下の発明を実施するための最良の形態によって、より完全に開示され、明白となるであろう。
【0015】
(新規な引張装置の第1の好ましい実施形態)
初めに図1〜11を参照すると、新規な移植靱帯ストランド引張装置の第1の好ましい実施形態が示される。より具体的には、新規な移植靱帯ストランド引張装置Tは、概して、ハンドル本体1(図6)と、ハンドルビーム2と、一対のスライドレール3(図11)と、スライド本体4と、一対の圧縮バネ5(図11)と、ハンドルピボットピン6と、一対の縫合糸レール7と、一対のハンドルグリップ8と、一対の保定ピン9(図3)と、一対の保定ピンバネ10(図11)とを備え、それらはすべて、以下に開示される図面に示される方法で、完全な引張装置Tを形成するように、一緒に組み立てられる。靭帯(例えば、ACL)再建術を施行する過程で、引張装置Tを使用して、複数(例えば、4つまたは2つ)の移植靱帯ストランドを位置付け、引張ってもよい。一例として、図1は、4重ストランド靭帯再建術で使用される引張装置Tを示し、図2は、2重ストランド靭帯再建術で使用される引張装置Tを示すが、これらに限定されない。
【0016】
より具体的には、引張装置Tは、そこに取り付けられる2つの縫合糸レール7を有するスライド本体4(図11)を備える。縫合糸レール7は、保定ピンバネ10および保定ピン9によって、スライド本体4の両側に固定される。各縫合糸レール7は、好ましくは、2つの縫合糸ガイドと、溝付外側チャネル7Aと、中心マンドレル7B(図7、8、および11)とを有する。溝付外側チャネル7Aは、好ましくは、4重ストランド移植再建術(図1)の際の縫合糸ガイドとして使用され、中心マンドレル7Bは、好ましくは、2重ストランド移植再建術(図2)の際の縫合糸ガイドとして使用される。
【0017】
より具体的には、4重ストランド移植再建術(例えば、自家移植片手技)の際、概して、移植ストランドはそれぞれ、互いに物理的および視覚的に隔てられていることが、外科医にとって望ましい。縫合糸レール7、したがって溝付外側チャネル7Aの弓形は、移植ストランドの最適な垂直方向の隔たりを提供し、したがって、再建術の際、外科医に最適可視性を提供し、移植ストランドの最適な位置調整を可能にするように設計される。2重ストランド移植再建術(例えば、同種移植片手技)の際、2つの隣接する靭帯ストランドを垂直に分離する必要はなく、単一の移植ストランドへの垂直方向の分離力を与えることによって、単一の移植ストランドが手技の際に裂ける危険性を生じる。これは、移植ストランド材料自体の性質と、単一の移植靱帯ストランドに与えられる何らかの垂直方向の分離力とによるものである。より大きい溝付外側チャネル7Aの周囲ではなく、より小さい中心マンドレル7Bの周囲に、単一の移植靱帯ストランドの2本の縫合糸を周着することによって、2重ストランド再建術手技の際に移植片が裂ける危険性が、大幅に低減する。したがって、2つの縫合糸ガイドオプション(例えば、より大きい外側溝チャネル7Aおよびより小さい中心マンドレル7B)を提供することによって、外科医は、実行される特定の移植再建術に最も好適な縫合糸位置を自由に選択する。
【0018】
上述に加え、縫合糸レール7は、異なるサイズおよび長さの縫合糸で機能するように設計される。より具体的には、対称的かつ同時張力を移植片に与えるために、外科医が、各縫合糸を等しい長さおよび位置で正確に調製する必要性を排除するように、外側溝チャネル7Aおよび内側中心マンドレル7Bの弓状設計によって、縫合糸は、ループ状に結ばれる。
【0019】
縫合糸レール7は、3つの係止溝7D(図10および11)を備える内側ハブ7C(図11)を有する。係止溝7Dによって、縫合糸レール7は、ハンドル本体1の係止フィン1A(図10および11)を使用して、スライド本体4に対する特定の回転配向に係止可能となり、それによって、組み立てられた引張装置の清掃および格納が容易となる。
【0020】
ハンドル本体1は、スライド本体4(図5)に対しバネ付勢される。より具体的には、ハンドル本体1は、(i)スライド本体4内に形成されるボア4Aを貫通して延在し、(ii)スライド本体4内に形成される内腔4Bを貫通して延在し、(iii)ハンドル本体1内に据え付けられる、スライドレール3(図11)によって、スライド本体4に接続される。圧縮バネ5は、スライドレール3の大きくなった頭部3Aと、ボア4Aの内側基部に形成される環状肩部との間に取り込まれる。係止フィン1Aは、上述のように、縫合糸レール7上の係止溝7D(図10)を選択的に係合するために、ハンドル本体1の遠位端上に配置される。
【0021】
ボア4Aは、外科医が、スライド本体4の内側の圧縮バネ5およびスライドレール3の両方を視認し得るように、部分的に開放している(図5)。スライド本体4に沿ったマーキング(図5および6)は、靭帯再建術手技の際に与えられる張力の視覚的な指標を外科医に提供するように、移植靱帯ストランドに与えられる張力の量を示す。
【0022】
ハンドル8(図1)は、ハンドルビーム2によって、ハンドル本体1に接続される。同様に、ハンドルビーム2は、ハンドルピボットピン6(図11)によって、ハンドル本体1に取り付けられる。さらに、スライド本体4は、スライド本体4から近位に突出し、ハンドル本体1内の開口部1Bを貫通して延在し、ハンドルビーム2内の係止溝2A(図11)内に選択的に受容される、指部4C(図9および11)を有する。上述の構造に照らして、(i)引張装置Tが負荷状態にない場合、ハンドル8は、係止溝2A内に着座する指部4Cによって定位置に係止され、(ii)引張装置Tが負荷状態にある場合、指部4Cは、もはや係止溝2A(図9)内に着座しておらず、ハンドル8は、ピボットピン6を中心に横方向に自由に回転し、それによって、移植靱帯ストランドを引張する際の偏心荷重を最小限にする。ハンドル8は、曲線状のグリップ(図3)を有し、靭帯再建術手技の際に、外科医が片手で使用可能なように構成される。
【0023】
本発明の移植靱帯引張装置Tは、4重ストランドACL再建術(図1)における使用に照らして論じられるが、しかしながら、引張装置Tは、2重ストランド再建術(図2)、ならびに他の複数のストランド移植再建術においても使用されてもよいことを理解されたい。
【0024】
次に図1を参照すると、使用時、薄筋移植靱帯ストランドG1およびG2から延在する縫合糸S1およびS2は、脛骨トンネル開口部TOから選択された距離の結び目KAで互いに結ばれる。次いで、縫合糸S1およびS2は、溝付外側チャネル7A内の縫合糸レール7の周囲に周着される。同様に、半腱様筋移植靱帯ストランドG3およびG4から延在する縫合糸S3およびS4は、結び目KBで結ばれ、溝付外側チャネル7A内の他方の縫合糸レール7の周囲に周着される。次いで、ハンドル8によって引張装置Tを保持している外科医は、患者から近位方向に引く。引張装置Tが引き戻されるので、ハンドル本体1は、圧縮バネ5の付勢に逆らって、スライド本体4から引き離され、移植靱帯が引張られる。上述のように、移植靱帯ストランドに与えられる張力度は、スライド本体4上にマークされた視覚的印(図5および6)に対するバネ5の圧縮度を観察することによって測定可能である。本構造によって、再建術手技の際に、外科医は、選択された張力度が移植靱帯ストランドに与えられた時点を正確に判断することが可能になる。ハンドル本体1がスライド本体4から引き離されると、ハンドルビーム2は、スライド本体4(図9)上に形成される指部4Cから移動し、靭帯ストランドのそれぞれに張力を平均化するように、外科医による適切な横方向の位置決めのためにハンドル8を自由にする。移植靱帯が均等に引張られると、移植靱帯ストランドは、当業者に周知のいくつかの固定技術のうちのいずれかによって、骨に固定される。
【0025】
2つの靭帯ストランドが使用される再建術手技(図2)では、上述の手技は、好ましくは、縫合糸レール7の外側溝付チャネル7Aではなく、2つの中心マンドレル7B(図8)の周囲に周着される2つの縫合糸ストランドS1およびS2によって実装される。
【0026】
(新規な引張装置の第2の好ましい実施形態)
次に図12〜17を参照すると、本発明の別の好ましい実施形態では、引張装置Tは、遠位本体100に取り付けられる一式の縫合糸クリートアセンブリ110を有する、2部分スライド本体(すなわち、遠位本体100および近位本体105であって、以下に論じられるように、互いにバネ付勢される)を備えてもよい。再び、引張装置Tは、4重ストランド靭帯再建術、2重ストランド靭帯再建術等で使用されてもよい。各縫合糸クリートアセンブリ110は、遠位本体100の側方ピボット指部115に取り付く。各縫合糸クリートアセンブリ110は、クリートアセンブリの両端に2つのクリート120を有する。縫合糸クリートアセンブリ110は、引張状態にない場合、垂直位置に係止可能である(すなわち、クリートアセンブリ溝130(図13)を有する近位本体指部125の係合により)。
【0027】
遠位本体100は、遠位本体100内のボア140を貫通して延在するレール135によって、近位本体105に取り付けられる。圧縮バネ145が、遠位本体100のボア140内のレール上に取り込まれる。より具体的には、バネ145は、レール135の大きくなった頭部147とボア140の基部との間のレール135上に取り込まれる。レールの近位端は、遠位本体内の開口部を貫通して延在し、近位本体105に固定される。遠位本体100は、窓150を有し、使用時、移植靱帯ストランドに与えられる張力度の視覚的な指標を外科医に提供する。
【0028】
近位本体105は、引張装置Tの片手操作を可能にするように、そこに取り付けられるハンドル155を有する。
【0029】
使用時、縫合糸ストランド(例えば、4重または2重ストランド)は、縫合糸ストランドをクリートに固定するように、クリート120の周囲に周着および/または巻着可能である。好ましくは、1つの縫合糸ストランドは、各クリートに取り付けられる。引張装置Tが4重ストランド再建術で使用される場合、4つすべてのクリート120を使用して、個々の縫合糸ストランドを固定する。引張装置Tが2重ストランド再建術で使用される場合、クリートのうちの2つを使用して、個々の縫合糸ストランドを固定し、クリートのうちの2つは、使用されないままである。縫合糸ストランドがクリートに取り付けられた後、外科医は、移植靱帯ストランドを所望の張力で引張るように、患者から近位にハンドルを引く。次いで、移植靱帯ストランドは、当業者に周知のいくつかの固定技術のいずれかによって、定位置に固定可能である。
【0030】
有意には、クリートアセンブリ110は、それぞれに独立して遠位本体100に据え付けられるため(例えば、ピボット指部115を介して)、クリートアセンブリ110は、互いに独立して回転可能である。その結果、引張装置Tは、各靭帯ストランドに与えられる張力をより容易に均衡化可能である。
【0031】
(クリートアセンブリ)
図12〜17に示される新規な引張装置Tと使用される縫合糸クリートアセンブリ110は、任意の種々の異なる構造および構成要素を備えてもよいことを理解されたい。
【0032】
次に図18〜21を参照すると、縫合糸クリートアセンブリ110は、内側クリート160と、外側クリート165とを備えてもよい。内側クリート160は、内側クリート160がクリートアセンブリ本体180の外側に付勢されるように、バネ175上に据え付けられ、陥凹170内に着座される。内側クリート160および陥凹170は、内側クリート160が陥凹170内に着座される場合、回転に対し内側クリート160を係止するために、非円形形状を有する。外側クリート165は、内側クリート160を貫通して延在し、クリートアセンブリ本体180に据え付けられる脚部185を有する。縫合糸ストランドが脚部185の周囲に巻着されると、バネ175が圧縮し、縫合糸ストランドが内側クリート160と外側クリート165との間に捕らえられる。
【0033】
次に図22〜25を参照すると、代替実施形態では、縫合糸クリートアセンブリ110は、内側クリート186と外側クリート187とを備えてもよい。内側クリート186がクリートアセンブリ本体190の外側に付勢されるように、内側クリート186は、バネ189を介し、軸188に据え付けられる。内側クリート186は、クリートアセンブリ本体190の基部192の周囲に嵌合し、軸188周りの回転に対し、内側クリート186を係止するスロット191を有する。外側クリート187は、内側クリート186を貫通して延在し、軸188上に据え付けられる脚部193を有する。縫合糸ストランドが脚部193の周囲に巻着されると、バネ189が圧縮し、縫合糸ストランドが内側クリート186と外側クリート187との間に捕らえられる。
【0034】
図26〜29は、別のクリートアセンブリ110を示す。本構造では、クリート上のスライド194は、開位置(図27)と閉位置(図28)との間を移動されてもよい。より具体的には、スライド194は、その開位置(図27)に設定され、縫合糸は、上部マンドレル195、スライド194、および下部マンドレル196の周囲に巻着される。次いで、スライド194は、上部および下部マンドレル195、196とスライド194との間に縫合糸を捕らえるように、その閉位置(図28)に移動する。縫合糸が解放されると、スライド194は、その開位置(図27)に戻り、縫合糸は、上部および下部マンドレル195、196とスライド194から引き抜かれる。ボタン197を使用して、その開閉位置間でスライド194を移動させる。
【0035】
(新規な引張装置の第3の好ましい実施形態)
次に図30〜32を参照すると、本発明の別の好ましい実施形態が示される。新規な引張装置Tは、概して、図12〜17に示される引張装置Tに類似するが、図30〜32に示される構造では、スライドレール135が遠位本体100内のボアから延在するため、近位本体105は、スライドレール135の大きくなった端147を取り込むための溝198を有する。この構造の結果、近位本体105は、使用時、遠位本体100に取り付け可能であるが、近位本体105は、例えば、清掃および格納のために、遠位本体100から容易に分離可能である。
【0036】
(新規な引張装置の第4の好ましい実施形態)
次に図33〜36を参照すると、本発明の別の好ましい実施形態では、引張装置Tは、内部レール205と、レール205上に据え付けられるバネ210と、レール205上に摺動可能に据え付けられるスライダ215と、スライダ215上に据え付けられる縫合糸クリートアセンブリ110とを有する、本体200を備えてもよい。より具体的には、レール205は、本体200のボア220内に配置される。バネ210およびスライダ215は、バネ210がスライダ215を近位に(すなわち、ハンドル225に向かって)付勢する状態で、レール205上に据え付けられる。スライダ215は、本体200の側壁内に形成される開口部235を貫通して延在する指部230を備える。縫合糸クリートアセンブリ110がスライダ215とともに移動するように、縫合糸クリートアセンブリ110は、指部230に据え付けられる。与えられる張力の量に関する視覚的フィードバックを外科医に提供するように、力視認窓236が備えられる。ハンドル225は、引張装置Tの片手操作を可能にするように、本体200に固定される。
【0037】
使用時、縫合糸ストランド(例えば、4重または2重ストランド)は、クリート120の周囲に周着および/または巻着される。縫合糸ストランドがクリート120に取り付けられた後、外科医は、ハンドル225を近位に引き、移植靱帯ストランドは、所望の程度に引張られる。次いで、移植ストランドは、当業者に周知のいくつかの固定技術のうちのいずれかによって、定位置に固定可能である。
【0038】
引張装置Tが引張状態にない場合、クリートアセンブリ110が、図35に示される位置に安定し得るように、本体200は、回転防止突起240を含んでもよく、クリートアセンブリ110は、回転防止溝245を含んでもよい。
【0039】
有意には、クリートアセンブリ110は、それぞれに独立して遠位本体200に据え付けられるため(例えば、スライダ215およびレール205を介して)、クリートアセンブリ110は、互いに独立して縦方向に移動可能である。その結果、引張装置Tは、各靭帯ストランドに与えられる張力をより容易に均衡化可能である。
【0040】
(新規な引張装置の第5の好ましい実施形態)
次に図37を参照すると、本発明の別の実施形態では、引張装置Tは、「単一本体」設計を備えてもよい。本構造では、引張装置Tは、本体305を介して、2つの縫合糸レール7に「堅固に」接続されるハンドル300を有する。すなわち、ハンドルと2つの縫合糸レールとの間に介在するバネアセンブリが存在しない。縫合糸レール7は、好ましくは、溝付外側チャネル7Aと、中心マンドレル7Bとを含み、それによって、それぞれ4重ストランド移植靱帯再建術および2重ストランド移植靱帯再建術を容易にする。好ましくは、中心マンドレル7Bは、溝付外側チャネル7Aのそれぞれ内に一対のスロット7Eを提供することによって形成される。
【0041】
(新規な引張装置の第6の好ましい実施形態)
別の好ましい構造が、図38〜40に示される。より具体的には、図38〜40では、概して、図33〜36に示される引張装置Tに類似する引張装置Tが示されるが、(i)図38〜40に示される本体200は、図33〜36に示される本体200と異なる形状を有し、(ii)縫合糸クリートアセンブリ110は、縫合糸レール7によって代替される。
【0042】
(好ましい実施形態の修正)
本発明の本質を説明されるために本明細書で説明および図示された、要素の詳細、操作、ステップ、および構成における多くの付加的変更は、当業者によって成され得るが、それらが依然として本発明の原理および範囲内であることを理解されたい。
【技術分野】
【0001】
(係属出願の参照)
本出願は、先の係属する米国仮特許出願第60/816,407号(Peter Marshall、他、2006年6月26日出願、「GRAFT LIGAMENT STRAND TENSIONER」、(代理人事件番号SCAN−21 PROV))の利益を主張し、該出願は、本明細書において参照により援用される。
【0002】
(技術分野)
本発明は、概して、医療装置に関し、より具体的には、選択された張力に対し、複数の移植靱帯ストランドを同時に位置付け、引張るための装置に関する。
【背景技術】
【0003】
前十字靭帯(Anterior Cruciate Ligament;ACL)の再建術における2つの薄筋ストランド(例えば、2つ重なった薄筋腱)と2つの半腱様筋ストランド(例えば、2つ重なった半腱様筋腱)等、4つの移植靱帯ストランドの使用は、当技術分野において周知である。さらに、ACL再建術における1つ、2つ、または3つのストランド等、他の数の移植靱帯ストランドの使用も、当技術分野において周知である。また、ACL再建術のための膝蓋腱、四頭筋腱、後脛骨腱等、他の解剖学的材料の使用も、当技術分野において周知である。
【0004】
また、類似技術を使用して、他の(すなわち、非ACL)靭帯を再建することも、当技術分野において周知である。一例として、類似技術を使用して、後十字靭帯(Posterior Cruciate Ligament;PCL)を再建することは、当技術分野において周知であるが、これに限定されない。
【0005】
靭帯再建術のための2つ以上の移植靱帯ストランドを使用する場合、概して、種々の靭帯ストランドが均等に引張られることが好ましいが、これは、概して、最良の生体力学的結果を提供するためである。各移植靱帯ストランド上の張力は、1度に1つの靭帯に手動で印加されてもよいが、本アプローチは、比較的に時間を要し、各靭帯ストランドを均等の所望の張力に確実に引張することを困難にする。さらに、本アプローチは、いくつかの移植靱帯ストランドが、単一ファスナまたはアンカを使用して、宿主の骨に固定されることになるため、概して、非実践的である。
【0006】
また、各移植靱帯ストランドからウエートを吊持することによって、移植靱帯ストランドを引張することも可能である。本アプローチは、既知の均等張力を各移植靱帯ストランドに提供するが、概して、ウエートを種々の移植靱帯ストランドに取り付けるには非常に時間を要する。さらに、特に、外科医が、移植靱帯ストランドを宿主の骨(例えば、ACL再建術の場合の脛骨)に固定する手技の際、移植靱帯ストランドの自由端から垂下するウエートの周囲で作業をすることは、外科医にとって困難となり得る。
【0007】
加えて、複数の移植靱帯ストランドが、移植靱帯再建術において使用され、複数の移植靱帯ストランドが、単一のファスナまたはアンカを使用して、宿主の骨に固定されている場合、概して、各移植靱帯ストランドに与えられる均等張力で、すべての移植靱帯ストランドを同時に操作可能であることは有利である。しかしながら、いくつかの移植靱帯ストランドのそれぞれに張力を均等に与えることは、縫合糸が同一長ではない場合が多いため、移植靱帯ストランドが、ストランドから延在する縫合糸を使用して、位置付けられ、引張られる状況では複雑となり得る。
【0008】
故に、複数の移植靱帯ストランドを同時に位置付け、所望の張力で引張るために使用され得る、新しく改良された移植靱帯ストランド引張装置の必要性がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のこれらおよび他の目的は、以下に開示される新規な移植靱帯ストランド引張装置の提供および使用によって解決される。
【0010】
本発明の一形態では、
本体と、
本体に接続された一対の縫合糸レールと
を備え、各縫合糸レールは、縫合糸ループを受容するための溝付外側チャネルと、縫合糸ループを受容するための中心マンドレルとを備え、溝付外側チャネルによって受容される縫合糸ループの隔たりは、中心マンドレルによって受容される縫合糸ループの隔たりよりも大きい、移植靱帯ストランド引張装置が提供される。
【0011】
本発明の別の形態では、
本体と、
本体に接続された複数のクリートと
を備え、クリートはそれぞれ、縫合糸を解放可能に固定するように構成された、移植靱帯ストランド引張装置が提供される。
【0012】
本発明の別の形態では、
本体と、
一対の縫合糸を解放可能に係合するための少なくとも2つの縫合糸係合要素であって、本体の中心軸に対し対称的に離間して、本体に接続される少なくとも2つの縫合糸係合要素と、
本体の縦軸に対し横方向に位置決め可能なように、旋回可能に本体に接続されるハンドルと
を備える、移植靱帯ストランド引張装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第1の好ましい実施形態を示す。
【図2】図2は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第1の好ましい実施形態を示す。
【図3】図3は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第1の好ましい実施形態を示す。
【図4】図4は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第1の好ましい実施形態を示す。
【図5】図5は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第1の好ましい実施形態を示す。
【図6】図6は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第1の好ましい実施形態を示す。
【図7】図7は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第1の好ましい実施形態を示す。
【図8】図8は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第1の好ましい実施形態を示す。
【図9】図9は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第1の好ましい実施形態を示す。
【図10】図10は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第1の好ましい実施形態を示す。
【図11】図11は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第1の好ましい実施形態を示す。
【図12】図12は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第2の好ましい実施形態を示す。
【図13】図13は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第2の好ましい実施形態を示す。
【図14】図14は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第2の好ましい実施形態を示す。
【図15】図15は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第2の好ましい実施形態を示す。
【図16】図16は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第2の好ましい実施形態を示す。
【図17】図17は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第2の好ましい実施形態を示す。
【図18】図18は、図12〜17に示される新規な移植靱帯ストランド引張装置と使用され得る、種々のクリートアセンブリを示す。
【図19】図19は、図12〜17に示される新規な移植靱帯ストランド引張装置と使用され得る、種々のクリートアセンブリを示す。
【図20】図20は、図12〜17に示される新規な移植靱帯ストランド引張装置と使用され得る、種々のクリートアセンブリを示す。
【図21】図21は、図12〜17に示される新規な移植靱帯ストランド引張装置と使用され得る、種々のクリートアセンブリを示す。
【図22】図22は、図12〜17に示される新規な移植靱帯ストランド引張装置と使用され得る、種々のクリートアセンブリを示す。
【図23】図23は、図12〜17に示される新規な移植靱帯ストランド引張装置と使用され得る、種々のクリートアセンブリを示す。
【図24】図24は、図12〜17に示される新規な移植靱帯ストランド引張装置と使用され得る、種々のクリートアセンブリを示す。
【図25】図25は、図12〜17に示される新規な移植靱帯ストランド引張装置と使用され得る、種々のクリートアセンブリを示す。
【図26】図26は、図12〜17に示される新規な移植靱帯ストランド引張装置と使用され得る、種々のクリートアセンブリを示す。
【図27】図27は、図12〜17に示される新規な移植靱帯ストランド引張装置と使用され得る、種々のクリートアセンブリを示す。
【図28】図28は、図12〜17に示される新規な移植靱帯ストランド引張装置と使用され得る、種々のクリートアセンブリを示す。
【図29】図29は、図12〜17に示される新規な移植靱帯ストランド引張装置と使用され得る、種々のクリートアセンブリを示す。
【図30】図30は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第3の好ましい実施形態を示す。
【図31】図31は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第3の好ましい実施形態を示す。
【図32】図32は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第3の好ましい実施形態を示す。
【図33】図33は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第4の好ましい実施形態を示す。
【図34】図34は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第4の好ましい実施形態を示す。
【図35】図35は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第4の好ましい実施形態を示す。
【図36】図36は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第4の好ましい実施形態を示す。
【図37】図37は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第5の好ましい実施形態を示す。
【図38】図38は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第6の好ましい実施形態を示す。
【図39】図39は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第6の好ましい実施形態を示す。
【図40】図40は、本発明の新規な移植靱帯ストランド引張装置の第6の好ましい実施形態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明のこれらおよび他の目的および特徴は、同一番号が同一部品を示している付随の図面とともに検討される、本発明の好ましい実施形態の以下の発明を実施するための最良の形態によって、より完全に開示され、明白となるであろう。
【0015】
(新規な引張装置の第1の好ましい実施形態)
初めに図1〜11を参照すると、新規な移植靱帯ストランド引張装置の第1の好ましい実施形態が示される。より具体的には、新規な移植靱帯ストランド引張装置Tは、概して、ハンドル本体1(図6)と、ハンドルビーム2と、一対のスライドレール3(図11)と、スライド本体4と、一対の圧縮バネ5(図11)と、ハンドルピボットピン6と、一対の縫合糸レール7と、一対のハンドルグリップ8と、一対の保定ピン9(図3)と、一対の保定ピンバネ10(図11)とを備え、それらはすべて、以下に開示される図面に示される方法で、完全な引張装置Tを形成するように、一緒に組み立てられる。靭帯(例えば、ACL)再建術を施行する過程で、引張装置Tを使用して、複数(例えば、4つまたは2つ)の移植靱帯ストランドを位置付け、引張ってもよい。一例として、図1は、4重ストランド靭帯再建術で使用される引張装置Tを示し、図2は、2重ストランド靭帯再建術で使用される引張装置Tを示すが、これらに限定されない。
【0016】
より具体的には、引張装置Tは、そこに取り付けられる2つの縫合糸レール7を有するスライド本体4(図11)を備える。縫合糸レール7は、保定ピンバネ10および保定ピン9によって、スライド本体4の両側に固定される。各縫合糸レール7は、好ましくは、2つの縫合糸ガイドと、溝付外側チャネル7Aと、中心マンドレル7B(図7、8、および11)とを有する。溝付外側チャネル7Aは、好ましくは、4重ストランド移植再建術(図1)の際の縫合糸ガイドとして使用され、中心マンドレル7Bは、好ましくは、2重ストランド移植再建術(図2)の際の縫合糸ガイドとして使用される。
【0017】
より具体的には、4重ストランド移植再建術(例えば、自家移植片手技)の際、概して、移植ストランドはそれぞれ、互いに物理的および視覚的に隔てられていることが、外科医にとって望ましい。縫合糸レール7、したがって溝付外側チャネル7Aの弓形は、移植ストランドの最適な垂直方向の隔たりを提供し、したがって、再建術の際、外科医に最適可視性を提供し、移植ストランドの最適な位置調整を可能にするように設計される。2重ストランド移植再建術(例えば、同種移植片手技)の際、2つの隣接する靭帯ストランドを垂直に分離する必要はなく、単一の移植ストランドへの垂直方向の分離力を与えることによって、単一の移植ストランドが手技の際に裂ける危険性を生じる。これは、移植ストランド材料自体の性質と、単一の移植靱帯ストランドに与えられる何らかの垂直方向の分離力とによるものである。より大きい溝付外側チャネル7Aの周囲ではなく、より小さい中心マンドレル7Bの周囲に、単一の移植靱帯ストランドの2本の縫合糸を周着することによって、2重ストランド再建術手技の際に移植片が裂ける危険性が、大幅に低減する。したがって、2つの縫合糸ガイドオプション(例えば、より大きい外側溝チャネル7Aおよびより小さい中心マンドレル7B)を提供することによって、外科医は、実行される特定の移植再建術に最も好適な縫合糸位置を自由に選択する。
【0018】
上述に加え、縫合糸レール7は、異なるサイズおよび長さの縫合糸で機能するように設計される。より具体的には、対称的かつ同時張力を移植片に与えるために、外科医が、各縫合糸を等しい長さおよび位置で正確に調製する必要性を排除するように、外側溝チャネル7Aおよび内側中心マンドレル7Bの弓状設計によって、縫合糸は、ループ状に結ばれる。
【0019】
縫合糸レール7は、3つの係止溝7D(図10および11)を備える内側ハブ7C(図11)を有する。係止溝7Dによって、縫合糸レール7は、ハンドル本体1の係止フィン1A(図10および11)を使用して、スライド本体4に対する特定の回転配向に係止可能となり、それによって、組み立てられた引張装置の清掃および格納が容易となる。
【0020】
ハンドル本体1は、スライド本体4(図5)に対しバネ付勢される。より具体的には、ハンドル本体1は、(i)スライド本体4内に形成されるボア4Aを貫通して延在し、(ii)スライド本体4内に形成される内腔4Bを貫通して延在し、(iii)ハンドル本体1内に据え付けられる、スライドレール3(図11)によって、スライド本体4に接続される。圧縮バネ5は、スライドレール3の大きくなった頭部3Aと、ボア4Aの内側基部に形成される環状肩部との間に取り込まれる。係止フィン1Aは、上述のように、縫合糸レール7上の係止溝7D(図10)を選択的に係合するために、ハンドル本体1の遠位端上に配置される。
【0021】
ボア4Aは、外科医が、スライド本体4の内側の圧縮バネ5およびスライドレール3の両方を視認し得るように、部分的に開放している(図5)。スライド本体4に沿ったマーキング(図5および6)は、靭帯再建術手技の際に与えられる張力の視覚的な指標を外科医に提供するように、移植靱帯ストランドに与えられる張力の量を示す。
【0022】
ハンドル8(図1)は、ハンドルビーム2によって、ハンドル本体1に接続される。同様に、ハンドルビーム2は、ハンドルピボットピン6(図11)によって、ハンドル本体1に取り付けられる。さらに、スライド本体4は、スライド本体4から近位に突出し、ハンドル本体1内の開口部1Bを貫通して延在し、ハンドルビーム2内の係止溝2A(図11)内に選択的に受容される、指部4C(図9および11)を有する。上述の構造に照らして、(i)引張装置Tが負荷状態にない場合、ハンドル8は、係止溝2A内に着座する指部4Cによって定位置に係止され、(ii)引張装置Tが負荷状態にある場合、指部4Cは、もはや係止溝2A(図9)内に着座しておらず、ハンドル8は、ピボットピン6を中心に横方向に自由に回転し、それによって、移植靱帯ストランドを引張する際の偏心荷重を最小限にする。ハンドル8は、曲線状のグリップ(図3)を有し、靭帯再建術手技の際に、外科医が片手で使用可能なように構成される。
【0023】
本発明の移植靱帯引張装置Tは、4重ストランドACL再建術(図1)における使用に照らして論じられるが、しかしながら、引張装置Tは、2重ストランド再建術(図2)、ならびに他の複数のストランド移植再建術においても使用されてもよいことを理解されたい。
【0024】
次に図1を参照すると、使用時、薄筋移植靱帯ストランドG1およびG2から延在する縫合糸S1およびS2は、脛骨トンネル開口部TOから選択された距離の結び目KAで互いに結ばれる。次いで、縫合糸S1およびS2は、溝付外側チャネル7A内の縫合糸レール7の周囲に周着される。同様に、半腱様筋移植靱帯ストランドG3およびG4から延在する縫合糸S3およびS4は、結び目KBで結ばれ、溝付外側チャネル7A内の他方の縫合糸レール7の周囲に周着される。次いで、ハンドル8によって引張装置Tを保持している外科医は、患者から近位方向に引く。引張装置Tが引き戻されるので、ハンドル本体1は、圧縮バネ5の付勢に逆らって、スライド本体4から引き離され、移植靱帯が引張られる。上述のように、移植靱帯ストランドに与えられる張力度は、スライド本体4上にマークされた視覚的印(図5および6)に対するバネ5の圧縮度を観察することによって測定可能である。本構造によって、再建術手技の際に、外科医は、選択された張力度が移植靱帯ストランドに与えられた時点を正確に判断することが可能になる。ハンドル本体1がスライド本体4から引き離されると、ハンドルビーム2は、スライド本体4(図9)上に形成される指部4Cから移動し、靭帯ストランドのそれぞれに張力を平均化するように、外科医による適切な横方向の位置決めのためにハンドル8を自由にする。移植靱帯が均等に引張られると、移植靱帯ストランドは、当業者に周知のいくつかの固定技術のうちのいずれかによって、骨に固定される。
【0025】
2つの靭帯ストランドが使用される再建術手技(図2)では、上述の手技は、好ましくは、縫合糸レール7の外側溝付チャネル7Aではなく、2つの中心マンドレル7B(図8)の周囲に周着される2つの縫合糸ストランドS1およびS2によって実装される。
【0026】
(新規な引張装置の第2の好ましい実施形態)
次に図12〜17を参照すると、本発明の別の好ましい実施形態では、引張装置Tは、遠位本体100に取り付けられる一式の縫合糸クリートアセンブリ110を有する、2部分スライド本体(すなわち、遠位本体100および近位本体105であって、以下に論じられるように、互いにバネ付勢される)を備えてもよい。再び、引張装置Tは、4重ストランド靭帯再建術、2重ストランド靭帯再建術等で使用されてもよい。各縫合糸クリートアセンブリ110は、遠位本体100の側方ピボット指部115に取り付く。各縫合糸クリートアセンブリ110は、クリートアセンブリの両端に2つのクリート120を有する。縫合糸クリートアセンブリ110は、引張状態にない場合、垂直位置に係止可能である(すなわち、クリートアセンブリ溝130(図13)を有する近位本体指部125の係合により)。
【0027】
遠位本体100は、遠位本体100内のボア140を貫通して延在するレール135によって、近位本体105に取り付けられる。圧縮バネ145が、遠位本体100のボア140内のレール上に取り込まれる。より具体的には、バネ145は、レール135の大きくなった頭部147とボア140の基部との間のレール135上に取り込まれる。レールの近位端は、遠位本体内の開口部を貫通して延在し、近位本体105に固定される。遠位本体100は、窓150を有し、使用時、移植靱帯ストランドに与えられる張力度の視覚的な指標を外科医に提供する。
【0028】
近位本体105は、引張装置Tの片手操作を可能にするように、そこに取り付けられるハンドル155を有する。
【0029】
使用時、縫合糸ストランド(例えば、4重または2重ストランド)は、縫合糸ストランドをクリートに固定するように、クリート120の周囲に周着および/または巻着可能である。好ましくは、1つの縫合糸ストランドは、各クリートに取り付けられる。引張装置Tが4重ストランド再建術で使用される場合、4つすべてのクリート120を使用して、個々の縫合糸ストランドを固定する。引張装置Tが2重ストランド再建術で使用される場合、クリートのうちの2つを使用して、個々の縫合糸ストランドを固定し、クリートのうちの2つは、使用されないままである。縫合糸ストランドがクリートに取り付けられた後、外科医は、移植靱帯ストランドを所望の張力で引張るように、患者から近位にハンドルを引く。次いで、移植靱帯ストランドは、当業者に周知のいくつかの固定技術のいずれかによって、定位置に固定可能である。
【0030】
有意には、クリートアセンブリ110は、それぞれに独立して遠位本体100に据え付けられるため(例えば、ピボット指部115を介して)、クリートアセンブリ110は、互いに独立して回転可能である。その結果、引張装置Tは、各靭帯ストランドに与えられる張力をより容易に均衡化可能である。
【0031】
(クリートアセンブリ)
図12〜17に示される新規な引張装置Tと使用される縫合糸クリートアセンブリ110は、任意の種々の異なる構造および構成要素を備えてもよいことを理解されたい。
【0032】
次に図18〜21を参照すると、縫合糸クリートアセンブリ110は、内側クリート160と、外側クリート165とを備えてもよい。内側クリート160は、内側クリート160がクリートアセンブリ本体180の外側に付勢されるように、バネ175上に据え付けられ、陥凹170内に着座される。内側クリート160および陥凹170は、内側クリート160が陥凹170内に着座される場合、回転に対し内側クリート160を係止するために、非円形形状を有する。外側クリート165は、内側クリート160を貫通して延在し、クリートアセンブリ本体180に据え付けられる脚部185を有する。縫合糸ストランドが脚部185の周囲に巻着されると、バネ175が圧縮し、縫合糸ストランドが内側クリート160と外側クリート165との間に捕らえられる。
【0033】
次に図22〜25を参照すると、代替実施形態では、縫合糸クリートアセンブリ110は、内側クリート186と外側クリート187とを備えてもよい。内側クリート186がクリートアセンブリ本体190の外側に付勢されるように、内側クリート186は、バネ189を介し、軸188に据え付けられる。内側クリート186は、クリートアセンブリ本体190の基部192の周囲に嵌合し、軸188周りの回転に対し、内側クリート186を係止するスロット191を有する。外側クリート187は、内側クリート186を貫通して延在し、軸188上に据え付けられる脚部193を有する。縫合糸ストランドが脚部193の周囲に巻着されると、バネ189が圧縮し、縫合糸ストランドが内側クリート186と外側クリート187との間に捕らえられる。
【0034】
図26〜29は、別のクリートアセンブリ110を示す。本構造では、クリート上のスライド194は、開位置(図27)と閉位置(図28)との間を移動されてもよい。より具体的には、スライド194は、その開位置(図27)に設定され、縫合糸は、上部マンドレル195、スライド194、および下部マンドレル196の周囲に巻着される。次いで、スライド194は、上部および下部マンドレル195、196とスライド194との間に縫合糸を捕らえるように、その閉位置(図28)に移動する。縫合糸が解放されると、スライド194は、その開位置(図27)に戻り、縫合糸は、上部および下部マンドレル195、196とスライド194から引き抜かれる。ボタン197を使用して、その開閉位置間でスライド194を移動させる。
【0035】
(新規な引張装置の第3の好ましい実施形態)
次に図30〜32を参照すると、本発明の別の好ましい実施形態が示される。新規な引張装置Tは、概して、図12〜17に示される引張装置Tに類似するが、図30〜32に示される構造では、スライドレール135が遠位本体100内のボアから延在するため、近位本体105は、スライドレール135の大きくなった端147を取り込むための溝198を有する。この構造の結果、近位本体105は、使用時、遠位本体100に取り付け可能であるが、近位本体105は、例えば、清掃および格納のために、遠位本体100から容易に分離可能である。
【0036】
(新規な引張装置の第4の好ましい実施形態)
次に図33〜36を参照すると、本発明の別の好ましい実施形態では、引張装置Tは、内部レール205と、レール205上に据え付けられるバネ210と、レール205上に摺動可能に据え付けられるスライダ215と、スライダ215上に据え付けられる縫合糸クリートアセンブリ110とを有する、本体200を備えてもよい。より具体的には、レール205は、本体200のボア220内に配置される。バネ210およびスライダ215は、バネ210がスライダ215を近位に(すなわち、ハンドル225に向かって)付勢する状態で、レール205上に据え付けられる。スライダ215は、本体200の側壁内に形成される開口部235を貫通して延在する指部230を備える。縫合糸クリートアセンブリ110がスライダ215とともに移動するように、縫合糸クリートアセンブリ110は、指部230に据え付けられる。与えられる張力の量に関する視覚的フィードバックを外科医に提供するように、力視認窓236が備えられる。ハンドル225は、引張装置Tの片手操作を可能にするように、本体200に固定される。
【0037】
使用時、縫合糸ストランド(例えば、4重または2重ストランド)は、クリート120の周囲に周着および/または巻着される。縫合糸ストランドがクリート120に取り付けられた後、外科医は、ハンドル225を近位に引き、移植靱帯ストランドは、所望の程度に引張られる。次いで、移植ストランドは、当業者に周知のいくつかの固定技術のうちのいずれかによって、定位置に固定可能である。
【0038】
引張装置Tが引張状態にない場合、クリートアセンブリ110が、図35に示される位置に安定し得るように、本体200は、回転防止突起240を含んでもよく、クリートアセンブリ110は、回転防止溝245を含んでもよい。
【0039】
有意には、クリートアセンブリ110は、それぞれに独立して遠位本体200に据え付けられるため(例えば、スライダ215およびレール205を介して)、クリートアセンブリ110は、互いに独立して縦方向に移動可能である。その結果、引張装置Tは、各靭帯ストランドに与えられる張力をより容易に均衡化可能である。
【0040】
(新規な引張装置の第5の好ましい実施形態)
次に図37を参照すると、本発明の別の実施形態では、引張装置Tは、「単一本体」設計を備えてもよい。本構造では、引張装置Tは、本体305を介して、2つの縫合糸レール7に「堅固に」接続されるハンドル300を有する。すなわち、ハンドルと2つの縫合糸レールとの間に介在するバネアセンブリが存在しない。縫合糸レール7は、好ましくは、溝付外側チャネル7Aと、中心マンドレル7Bとを含み、それによって、それぞれ4重ストランド移植靱帯再建術および2重ストランド移植靱帯再建術を容易にする。好ましくは、中心マンドレル7Bは、溝付外側チャネル7Aのそれぞれ内に一対のスロット7Eを提供することによって形成される。
【0041】
(新規な引張装置の第6の好ましい実施形態)
別の好ましい構造が、図38〜40に示される。より具体的には、図38〜40では、概して、図33〜36に示される引張装置Tに類似する引張装置Tが示されるが、(i)図38〜40に示される本体200は、図33〜36に示される本体200と異なる形状を有し、(ii)縫合糸クリートアセンブリ110は、縫合糸レール7によって代替される。
【0042】
(好ましい実施形態の修正)
本発明の本質を説明されるために本明細書で説明および図示された、要素の詳細、操作、ステップ、および構成における多くの付加的変更は、当業者によって成され得るが、それらが依然として本発明の原理および範囲内であることを理解されたい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体と、
該本体に接続される一対の縫合糸レールと
を備え、
各縫合糸レールは、縫合糸ループを受容するための溝付外側チャネルと、縫合糸ループを受容するための中心マンドレルとを備え、該溝付外側チャネルによって受容される縫合糸ループの隔たりは、該中心マンドレルによって受容される縫合糸ループの隔たりよりも大きい、移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項2】
前記本体が第1の部材と第2の部材とを備え、該第2の部材が該第1の部材に向かってバネ付勢され、前記対の縫合糸レールが該第1の部材に接続され、該第2の部材がハンドルを含むことによって、
一対の縫合糸ループが該縫合糸レールによって受容され、張力が該ハンドルを介して該縫合糸ループに与えられた場合、該第1の部材に対する該第2の部材の運動が、該縫合糸ループに与えられる張力のレベルを反映する、
請求項1に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項3】
前記本体に旋回可能に接続されたハンドルをさらに備え、該ハンドルは、該本体の縦軸に対し横方向に位置決め可能である、請求項1に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項4】
前記ハンドルが、前記本体に旋回可能に接続され、該ハンドルは、該ハンドルが引張状態にあるときだけ、該本体の縦軸に対し旋回可能である、請求項3に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項5】
前記対の縫合糸レールは、前記本体の中心軸に対し対称的に、離間して配置される、請求項1に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項6】
前記縫合糸レールはそれぞれ、前記本体に、選択的に、回転可能に据え付けられる、請求項1に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項7】
前記縫合糸レールが、前記本体に、選択的に、回転可能に据え付けられ、
(i)該縫合糸レールは、該縫合糸レールに張力が与えられた場合、自由に回転し、
(ii)該縫合糸レールは、該縫合糸レールに張力が与えられていない場合、回転に対し係止される、
請求項6に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項8】
本体と、
該本体に接続される複数のクリートと、
を備え、
該クリートはそれぞれ、縫合糸を解放可能に固定するように構成される、移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項9】
前記本体が第1の部材と第2の部材とを備え、該第2の部材が該第1の部材に向かってバネ付勢され、前記クリートが該第1の部材に接続され、該第2の部材がハンドルを含むことによって、
縫合糸が該クリートによって受容され、張力が該ハンドルを介して該縫合糸に与えられた場合、該第1の部材に対する該第2の部材の運動が、該縫合糸に与えられる張力のレベルを反映する、
請求項8に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項10】
前記本体に旋回可能に接続されるハンドルをさらに備え、該ハンドルは、該本体の縦軸に対し横方向に位置決め可能である、請求項8に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項11】
前記ハンドルが、前記本体に旋回可能に接続され、該ハンドルは、該ハンドルが引張状態にあるときだけ、該本体の縦軸に対し旋回可能である、請求項10に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項12】
前記複数のクリートは、前記本体の中心軸に対し対称的に、離間して配置される、請求項8に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項13】
2つのクリートを備える、請求項8に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項14】
4つのクリートを備える、請求項8に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項15】
前記クリートのうちの2つは、第1のクリートアセンブリ本体に据え付けられ、
該第1のクリートアセンブリ本体は、前記引張装置本体に据え付けられ、さらに、
該クリートのうちの2つは、第2のクリートアセンブリ本体に据え付けられ、
該第2のクリートアセンブリ本体は、該引張装置本体に据え付けられる、
請求項14に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項16】
前記第1および第2のクリートアセンブリ本体が、前記引張装置本体に、選択的に、回転可能に据え付けられ、
(i)該第1および第2のクリートアセンブリ本体は、前記クリートに張力が与えられた場合、自由に回転し、
(ii)該第1および第2のクリートアセンブリ本体は、該クリートに張力が与えられていない場合、回転に対し係止される、
請求項15に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項17】
本体と、
一対の縫合糸を解放可能に係合するための少なくとも2つの縫合糸係合要素であって、該本体の中心軸に対し対称的に、離間して該本体に接続される少なくとも2つの縫合糸係合要素と、
該本体の縦軸に対し横方向に位置決め可能なように、該本体に旋回可能に接続されるハンドルと
を備える、移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項18】
前記ハンドルが、前記本体に旋回可能に接続され、該ハンドルは、該ハンドルが引張状態にあるときだけ、該本体の縦軸に対し旋回可能である、請求項17に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項19】
前記少なくとも2つの縫合糸係合要素は、前記本体に接続された一対の縫合糸レールを備える、請求項17に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項20】
各縫合糸レールは、縫合糸ループを受容するための溝付外側チャネルと、縫合糸ループを受容するための中心マンドレルとを備え、
該溝付外側チャネルによって受容される縫合糸ループの隔たりは、該中心マンドレルによって受容される縫合糸ループの隔たりよりも大きい、
請求項19に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項21】
前記対の縫合糸レールは、前記本体の中心軸に対し対称的に、離間して配置される、請求項19に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項22】
前記縫合糸レールはそれぞれ、前記本体に、選択的に、回転可能に据え付けられる、請求項19に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項23】
前記縫合糸レールが、前記本体に、選択的に、回転可能に据え付けられ、
(i)該縫合糸レールは、該縫合糸レールに張力が与えられた場合、自由に回転し、
(ii)該縫合糸レールは、該縫合糸レールに張力が与えられていない場合、回転に対し係止される、
請求項22に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項24】
前記縫合糸係合要素は、クリートを備える、請求項17に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項25】
前記複数のクリートは、前記本体の中心軸に対し対称的に、離間して配置される、請求項24に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項26】
2つのクリートを備える、請求項24に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項27】
4つのクリートを備える、請求項24に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項28】
前記クリートのうちの2つは、第1のクリートアセンブリ本体に据え付けられ、
該第1のクリートアセンブリ本体は、前記引張装置本体に据え付けられ、さらに、
該クリートのうちの2つは、第2のクリートアセンブリ本体に据え付けられ、
該第2のクリートアセンブリ本体は、該引張装置本体に据え付けられる、
請求項27に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項29】
前記第1および第2のクリートアセンブリ本体が、前記引張装置本体に、選択的に、回転可能に据え付けられ、
(i)該第1および第2のクリートアセンブリ本体は、前記クリートに張力が与えられた場合、自由に回転し、
(ii)該第1および第2のクリートアセンブリ本体は、該クリートに張力が与えられていない場合、回転に対し係止される、
請求項28に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項30】
前記本体が第1の部材と第2の部材とを備え、該第2の部材が該第1の部材に向かってバネ付勢され、前記縫合糸係合要素が該第1の部材に接続され、該第2の部材がハンドルを含むことによって、
縫合糸が該縫合糸係合要素と係合し、張力が該ハンドルを介して該縫合糸に与えられた場合、該第1の部材に対する該第2の部材の運動が、該縫合糸に与えられる張力のレベルを反映する、
請求項17に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項31】
前記第1のクリートアセンブリ本体および前記第2のクリートアセンブリ本体は、前記引張装置本体に対し、独立して回転可能である、請求項16に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項32】
前記第1のクリートアセンブリ本体および前記第2のクリートアセンブリ本体は、前記引張装置本体に移動可能に据え付けられる、請求項15に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項33】
前記第1のクリートアセンブリ本体および前記第2のクリートアセンブリ本体は、互いに独立して、前記引張装置本体に移動可能に据え付けられる、請求項32に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項1】
本体と、
該本体に接続される一対の縫合糸レールと
を備え、
各縫合糸レールは、縫合糸ループを受容するための溝付外側チャネルと、縫合糸ループを受容するための中心マンドレルとを備え、該溝付外側チャネルによって受容される縫合糸ループの隔たりは、該中心マンドレルによって受容される縫合糸ループの隔たりよりも大きい、移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項2】
前記本体が第1の部材と第2の部材とを備え、該第2の部材が該第1の部材に向かってバネ付勢され、前記対の縫合糸レールが該第1の部材に接続され、該第2の部材がハンドルを含むことによって、
一対の縫合糸ループが該縫合糸レールによって受容され、張力が該ハンドルを介して該縫合糸ループに与えられた場合、該第1の部材に対する該第2の部材の運動が、該縫合糸ループに与えられる張力のレベルを反映する、
請求項1に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項3】
前記本体に旋回可能に接続されたハンドルをさらに備え、該ハンドルは、該本体の縦軸に対し横方向に位置決め可能である、請求項1に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項4】
前記ハンドルが、前記本体に旋回可能に接続され、該ハンドルは、該ハンドルが引張状態にあるときだけ、該本体の縦軸に対し旋回可能である、請求項3に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項5】
前記対の縫合糸レールは、前記本体の中心軸に対し対称的に、離間して配置される、請求項1に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項6】
前記縫合糸レールはそれぞれ、前記本体に、選択的に、回転可能に据え付けられる、請求項1に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項7】
前記縫合糸レールが、前記本体に、選択的に、回転可能に据え付けられ、
(i)該縫合糸レールは、該縫合糸レールに張力が与えられた場合、自由に回転し、
(ii)該縫合糸レールは、該縫合糸レールに張力が与えられていない場合、回転に対し係止される、
請求項6に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項8】
本体と、
該本体に接続される複数のクリートと、
を備え、
該クリートはそれぞれ、縫合糸を解放可能に固定するように構成される、移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項9】
前記本体が第1の部材と第2の部材とを備え、該第2の部材が該第1の部材に向かってバネ付勢され、前記クリートが該第1の部材に接続され、該第2の部材がハンドルを含むことによって、
縫合糸が該クリートによって受容され、張力が該ハンドルを介して該縫合糸に与えられた場合、該第1の部材に対する該第2の部材の運動が、該縫合糸に与えられる張力のレベルを反映する、
請求項8に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項10】
前記本体に旋回可能に接続されるハンドルをさらに備え、該ハンドルは、該本体の縦軸に対し横方向に位置決め可能である、請求項8に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項11】
前記ハンドルが、前記本体に旋回可能に接続され、該ハンドルは、該ハンドルが引張状態にあるときだけ、該本体の縦軸に対し旋回可能である、請求項10に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項12】
前記複数のクリートは、前記本体の中心軸に対し対称的に、離間して配置される、請求項8に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項13】
2つのクリートを備える、請求項8に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項14】
4つのクリートを備える、請求項8に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項15】
前記クリートのうちの2つは、第1のクリートアセンブリ本体に据え付けられ、
該第1のクリートアセンブリ本体は、前記引張装置本体に据え付けられ、さらに、
該クリートのうちの2つは、第2のクリートアセンブリ本体に据え付けられ、
該第2のクリートアセンブリ本体は、該引張装置本体に据え付けられる、
請求項14に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項16】
前記第1および第2のクリートアセンブリ本体が、前記引張装置本体に、選択的に、回転可能に据え付けられ、
(i)該第1および第2のクリートアセンブリ本体は、前記クリートに張力が与えられた場合、自由に回転し、
(ii)該第1および第2のクリートアセンブリ本体は、該クリートに張力が与えられていない場合、回転に対し係止される、
請求項15に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項17】
本体と、
一対の縫合糸を解放可能に係合するための少なくとも2つの縫合糸係合要素であって、該本体の中心軸に対し対称的に、離間して該本体に接続される少なくとも2つの縫合糸係合要素と、
該本体の縦軸に対し横方向に位置決め可能なように、該本体に旋回可能に接続されるハンドルと
を備える、移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項18】
前記ハンドルが、前記本体に旋回可能に接続され、該ハンドルは、該ハンドルが引張状態にあるときだけ、該本体の縦軸に対し旋回可能である、請求項17に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項19】
前記少なくとも2つの縫合糸係合要素は、前記本体に接続された一対の縫合糸レールを備える、請求項17に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項20】
各縫合糸レールは、縫合糸ループを受容するための溝付外側チャネルと、縫合糸ループを受容するための中心マンドレルとを備え、
該溝付外側チャネルによって受容される縫合糸ループの隔たりは、該中心マンドレルによって受容される縫合糸ループの隔たりよりも大きい、
請求項19に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項21】
前記対の縫合糸レールは、前記本体の中心軸に対し対称的に、離間して配置される、請求項19に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項22】
前記縫合糸レールはそれぞれ、前記本体に、選択的に、回転可能に据え付けられる、請求項19に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項23】
前記縫合糸レールが、前記本体に、選択的に、回転可能に据え付けられ、
(i)該縫合糸レールは、該縫合糸レールに張力が与えられた場合、自由に回転し、
(ii)該縫合糸レールは、該縫合糸レールに張力が与えられていない場合、回転に対し係止される、
請求項22に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項24】
前記縫合糸係合要素は、クリートを備える、請求項17に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項25】
前記複数のクリートは、前記本体の中心軸に対し対称的に、離間して配置される、請求項24に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項26】
2つのクリートを備える、請求項24に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項27】
4つのクリートを備える、請求項24に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項28】
前記クリートのうちの2つは、第1のクリートアセンブリ本体に据え付けられ、
該第1のクリートアセンブリ本体は、前記引張装置本体に据え付けられ、さらに、
該クリートのうちの2つは、第2のクリートアセンブリ本体に据え付けられ、
該第2のクリートアセンブリ本体は、該引張装置本体に据え付けられる、
請求項27に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項29】
前記第1および第2のクリートアセンブリ本体が、前記引張装置本体に、選択的に、回転可能に据え付けられ、
(i)該第1および第2のクリートアセンブリ本体は、前記クリートに張力が与えられた場合、自由に回転し、
(ii)該第1および第2のクリートアセンブリ本体は、該クリートに張力が与えられていない場合、回転に対し係止される、
請求項28に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項30】
前記本体が第1の部材と第2の部材とを備え、該第2の部材が該第1の部材に向かってバネ付勢され、前記縫合糸係合要素が該第1の部材に接続され、該第2の部材がハンドルを含むことによって、
縫合糸が該縫合糸係合要素と係合し、張力が該ハンドルを介して該縫合糸に与えられた場合、該第1の部材に対する該第2の部材の運動が、該縫合糸に与えられる張力のレベルを反映する、
請求項17に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項31】
前記第1のクリートアセンブリ本体および前記第2のクリートアセンブリ本体は、前記引張装置本体に対し、独立して回転可能である、請求項16に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項32】
前記第1のクリートアセンブリ本体および前記第2のクリートアセンブリ本体は、前記引張装置本体に移動可能に据え付けられる、請求項15に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【請求項33】
前記第1のクリートアセンブリ本体および前記第2のクリートアセンブリ本体は、互いに独立して、前記引張装置本体に移動可能に据え付けられる、請求項32に記載の移植靱帯ストランド引張装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【公表番号】特表2009−541012(P2009−541012A)
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−518213(P2009−518213)
【出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【国際出願番号】PCT/US2007/014784
【国際公開番号】WO2008/002550
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(508346088)スカンジウス バイオメディカル, インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年11月26日(2009.11.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月26日(2007.6.26)
【国際出願番号】PCT/US2007/014784
【国際公開番号】WO2008/002550
【国際公開日】平成20年1月3日(2008.1.3)
【出願人】(508346088)スカンジウス バイオメディカル, インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】
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