説明

種々の炭化水素フラクションのベンゼンおよび軽質不飽和化合物の含有量の選択的低減のための改良方法

【課題】炭化水素フラクションの不飽和化合物の含有量の低減のための方法に関し、より具体的には、少なくとも1種の炭化水素フラクションの、不飽和化合物、特にベンゼンの含有量の選択的低減のための方法を提供する。
【解決手段】供給原料、例えば、分子当たり少なくとも4個の炭素原子を含み、かつ、ベンゼンを含む少なくとも1種の不飽和化合物を含む炭化水素は、水素化反応帯域3a,3bおよび異性化帯域と関連する蒸留帯域2において処理され、該処理帯の少なくとも一部は蒸留帯域の外側にあり、蒸留塔の頂部および蒸留塔の底部において、不飽和化合物含量が低い流出物が排出される。また、少なくとも1種の第二の供給原料の処理を含み、該第二の供給原料は、ベンゼンを含む少なくとも1種の不飽和化合物を含む場合、少なくとも一部は蒸留帯域の内側にある水素化帯域に直接注入される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炭化水素フラクションの不飽和化合物の含有量の低減のための方法に関し、より具体的には、少なくとも1種の炭化水素フラクションの、不飽和化合物、特にベンゼンの含有量の選択的低減のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ベンゼン、並びに、より少ない程度のオレフィン、不飽和化合物、およびベンゼンより重質の芳香族化合物が持つ、認識される有害性を考慮すると、一般的な傾向は、ガソリン中のこれらの化合物の含有量を低減させることである。
【0003】
ベンゼンは、発ガン性の特性を有し、それ故に、自動車燃料からそれを実質的に排除することによって、周囲空気を汚染するあらゆる可能性を可及的に制限することが要求される。米国では、改質燃料は、0.62%超のベンゼンを含有するべきでない;欧州では、規格は未だ厳格ではなかったとしても、この値のために徐々に努力することが推奨されている。
【0004】
オレフィンは、窒素酸化物との光化学反応のサイクル中で、最も活性な炭化水素であると認識されており、該光化学反応のサイクルは大気中で起こり、かつ、これによりオゾンが形成されるに至る。空気中のオゾン濃度の上昇は、呼吸器障害の一根源と成り得る。ガソリン、より具体的には、燃料が扱われる時に揮発するより大きい傾向を有する最も軽質なオレフィンのオレフィン含有量の低減が、それ故に望ましい。
【0005】
ベンゼンより重質の芳香族化合物もまた−より少ない程度ではあるが−発ガン性特性を有し、ガソリンプール中のそれらの含有量が徐々に低減させられているのが分かる。
【0006】
ガソリンのベンゼン含有量は、それを構成する種々のフラクションの含有量に極めて大きく依存している。これらの種々のフラクションは特に以下のものである:
− ナフサの触媒処理に由来するリフォマート:芳香族炭化水素を生じさせるように設計され、分子に4〜12個の炭素原子を主として含み、その非常に高いオクタン価は、ガソリンに爆発防止特性(anti-detonation property)を与える。接触改質から得られるこれらのフラクションは、これまで、ガソリンプール中のベンゼンの規格:1容積%を満たすために処理された唯一のものであった。規格の観点から、例えば、0.62容積%に低下させるために、他のフラクション、特に、以下に詳細に提示されるフラクションが処理されることが必要である。
【0007】
− C5/C6フラクション、例えば:
・直留蒸留軽質ナフサ(軽質直留)、
・水素化分解装置によって生じたナフサ。
【0008】
− 蒸留および水素化処理によりベンゼンおよびより重質の芳香族化合物を豊富に含む、接触分解装置またはFCC(英語の用語によるfluid catalytic cracking(流動接触分解))から得られた他のフラクション、および、遅延型または流体コーキング装置(英語の用語によるcoker(コーカー))、フレキシコーカーまたは粘度低下装置(英語の用語によるvisbreaking(ビスブレーキング))からの軽質ガソリン、
− ベンゼンおよびより重質の芳香族化合物を豊富に含む、オレフィンの分解(酸触媒によるC〜C10オレフィンのエチレンおよびプロピレンへの分解)から得られたガソリンの分離および水素化処理の後に得られたフラクション、
− ベンゼンおよびより重質の芳香族化合物を豊富に含む、蒸留および水素化処理の後のスチームクラッカータイプのオレフィン(英語の用語によるpyrolysis gasoline熱分解ガソリン)の製造用装置またはコークオーブン(英語の用語によるcoke oven light oil(コークオーブン軽質油))から得られたフラクション。
【0009】
上記の有害性の要因のために、これらの種々のフラクションの、ベンゼン及びより重質の芳香族化合物の含有量を可及的に低減させることが従って必要である。いくつかのアプローチが考慮され得る。
【0010】
第1のアプローチは、接触改質装置の供給原料を構成するナフサにおいて、ベンゼンの前駆体、例えば、シクロヘキサンおよびメチシクロペンタンの含有量を制限することにある。この解決方法によって、改質装置からの流出物のベンゼン含有量を大幅に低減させることが事実上可能となるが、含有量を0.62%にまで低く低減させる場合においてはこの解決方法だけでは必ずしも十分であるとは言えない。
【0011】
第2のアプローチは、ベンゼンを含有するリフォメートの軽質フラクションを、蒸留によって除去することにある。この解決方法によって、ガソリン中で品質向上され得た15〜20%程度の炭化水素が喪失されるに至る。
【0012】
第3のアプローチは、改質装置からの流出物中に存在するベンゼンを抽出することにある。いくつかの公知の技術が、原則として適用され得る:溶媒による抽出、抽出蒸留、または吸着。これらの技術は、高コストを伴い、かつ、抽出されるベンゼンフラクションのための開口を必要とする。
【0013】
第4のアプローチは、ベンゼンを化学的に転換することにより、それを、法的制限による対象とされない成分へ転化することにある。例えば、エチレンによるアルキル化は、ベンゼンを主にエチルベンゼンへと転換する。しかしながら、この操作は、高価なエネルギーの分離を必要とする二次反応が介入するため、高価である。
【0014】
リフォメートのベンゼンはまた、シクロヘキサンに水素化され得る。トルエンおよびキシレンも含有する炭化水素混合物のベンゼンを選択的に水素化することは不可能であるので、ベンゼンのみを転化することが望まれる場合、従って、事前にこの混合物を分留して、ベンゼンのみを含有するフラクションを単離することが必要となり、このようにすることによってベンゼンが水素化され得る。
【0015】
炭化水素フラクション中のベンゼンを選択的に低減させる解決方法は、特許文献1に記載されている。この特許は、分子当たり少なくとも5個の炭素原子を大部分含み、かつ、ベンゼンを含む分子当たり多くとも6個の炭素原子を含む少なくとも1種の不飽和化合物を含む炭化水素を構成する、供給原料の処理方法であって、前記供給原料は、蒸留塔において処理され、蒸留帯域の少なくとも外側部分において少なくとも水素化反応帯域と組み合わされる、排液帯域と、精留帯域とを含み、該水素化反応帯域は、少なくとも1個の触媒床を含む、方法に関する。反応帯域の供給原料は、サンプリングレベルの高さでサンプリングされ、反応帯域からの流出物は、少なくとも一部、蒸留帯域における少なくとも1個の再導入レベルに再導入され、蒸留の連続性が保証され、最終的に、蒸留帯域の頂部において、不飽和化合物含量が非常に低く、かつ、分子当たり多くとも6個の炭素原子を含む流出物が排出され、蒸留帯域の底部において、不飽和化合物含量が低く、かつ、分子当たり多くとも6個の炭素原子を含む流出物が排出される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0781830号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
この技術の1種の欠点は、これがナフサの触媒処理に由来するリフォメートのみの処理を提供していることにある;しかしながら、蒸留段階に関連するコストを増大させることなく、ガソリンプールへ組み入れられ得るすべてのフラクションから、軽質不飽和化合物、特に、ベンゼンの量を低減させることも必要である。
【0018】
従って、本発明の目的は、収率を大きく喪失させることなく、かつ、オクタン価を殆ど喪失させることなく、不飽和化合物、特にベンゼンの含量が低く、必要であれば、不飽和化合物、特にベンゼンを完全に精製した、生成物を低コストでかつ種々の炭化水素フラクションから生じさせることを可能にする方法を提案することによって、従来技術の1種以上の欠点を克服することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
この目的のために、本発明は、分子当たり少なくとも4個の炭素原子を含む炭化水素から大部分なり、ベンゼンを含む少なくとも1種の不飽和化合物を含む、供給原料の処理方法であって、前記供給原料は、水素化反応帯域と組み合わされた、蒸留帯域と、排液帯域と、精留帯域とにおいて処理され、該水素化反応帯域は、少なくとも一部、蒸留帯域の外側にあり、少なくとも1個の触媒床を含み、供給原料中に含まれる不飽和化合物の少なくとも一部の水素化は、水素化触媒および水素を含むガス流の存在下に行われ、反応帯域の供給原料は、蒸留帯域中の少なくとも1個のサンプリングレベルにおいてサンプリングされ、反応帯域からの流出物は、少なくとも一部、少なくとも1個の再導入レベルにおいて蒸留帯域に再導入されて、蒸留の連続性が保証され、蒸留帯域の頂部において、蒸留帯域への反応帯域の戻り配管の上方に位置する側部の抜き出しにおいて、および蒸留帯域の底部において、不飽和化合物含量が低い流出物が排出され、前記方法は、少なくとも1種の第二の供給原料の処理を含み、該第二の供給原料は、ベンゼンを含む少なくとも1種の不飽和化合物を含み、少なくとも一部、蒸留帯域の外側にある水素化反応帯域に直接的に注入されことを特徴とする、方法を提案する。
【0020】
本方法の1種の実施形態によると、側部の抜き出し(draw-off)は、反応帯域の戻り配管の上方で実施される。
【0021】
本方法の別の実施形態によると、側部の抜き出しは、反応帯域の戻り配管の下方で実施される。
【0022】
本方法の別の実施形態によると、第二の供給原料は、注入される残りと共に、蒸留塔の水素化内部帯域に注入される。
【0023】
本方法の1種の実施形態によると、第二の供給原料は、分子当たり少なくとも4個の炭素原子を含む炭化水素から少なくともなる。
【0024】
本方法の1種の実施形態によると、第二の供給原料は、直留蒸留軽質ナフサタイプ、および/または、水素化分解装置によって、および/または、ベンゼンおよび/またはトルエンを豊富に含み、かつ、硫黄および窒素含量が低い、接触分解から得られるフラクションによって、および/または、ベンゼンおよび/またはトルエンを豊富に含み、硫黄および窒素含量が低い、コーキングまたはビスブレーキング装置(viscoreduction unit)から得られたフラクションからなるガソリンフラクションによって、および/または、ベンゼンおよび/またはトルエンを豊富に含み、硫黄および窒素含量が低く、オレフィンの分解またはオリゴ分解の後に得られたフラクションによって、および/または、ベンゼンおよび/またはトルエンを豊富に含み、硫黄および窒素含量が低く、水蒸気分解によるオレフィンの製造用装置から得られるフラクションによって生じさせられたナフサタイプのC/Cフラクションからなる。
【0025】
本方法の別の実施形態によると、第二の供給原料は、
− 分子当たり少なくとも4個の炭素原子を含む炭化水素、
− 直留蒸留軽質ナフサタイプのC/Cフラクション、
− 水素化分解装置によって生じさせられたナフサタイプのC/Cフラクション、
− 接触分解の完全なガソリンに対してベンゼンを豊富に含む、接触分解コアのガソリンフラクション、
− 完全なコーキングガソリンに対してベンゼンを豊富に含む、コーキング装置からの軽質ガソリンのフラクション、
− オレフィンの分解またはオリゴ分解(oligocracking)から得られたガソリンの分離および水素化処理の後に得られた、ベンゼンを豊富に含むフラクション、
− 水蒸気分解によるオレフィンの製造用装置から得られた、ベンゼンを豊富に含むフラクション
の中から選択される少なくとも1種の供給原料からなる。
【0026】
本方法の1種の実施形態によると、蒸留は、0.2〜2MPaの圧力下で、かつ、0.5〜10の還流比(reflux rate)下で実施され、蒸留帯域の頂部の温度は40〜180℃であり、蒸留帯域の底部の温度は120〜280℃である。
【0027】
本方法の1種の実施形態によると、水素化反応帯域は、完全に蒸留帯域の外側にある。
【0028】
本方法の1種の実施形態によると、水素化反応器からの流出物の一部は、反応器の入口に再循環させられる。
【0029】
本方法の1種の実施形態によると、水素化反応帯域は、蒸留帯域の精留帯域に部分的に組み入れられ、かつ、蒸留帯域の外側に部分的に組み入れられる。
【0030】
本方法の1種の実施形態によると、蒸留帯域の内側にある水素化帯域の部分において行われる水素化反応は、100〜200℃の温度、0.2〜2MPaの圧力で行われ、触媒に対して計算された、内部水素化反応帯域内の容積測定流量は、1〜50h−1であり、かつ水素化反応帯域に供給する水素の流量は、含まれる水素化反応の化学量論に相当する流量の0.5〜10倍に含まれる。
【0031】
本方法の別の実施形態によると、蒸留帯域の外側部分において行われる水素化反応は、0.1〜6MPaの圧力、100〜400℃の温度で行われ、触媒に対して計算される水素化反応帯域内の容積測定流量は、一般的に1〜50h−1であり、含まれる水素化反応の化学量論に相当する水素流量は、前記化学量論の0.5〜10倍である。
【0032】
本方法の1種の実施形態によると、少なくとも1個のサンプリングレベルでサンプリングされる反応帯域の供給原料の異性化段階は、蒸留帯域内で実施される。
【0033】
本方法の1種の実施形態によると、異性化段階は、水素化反応と同時に水素化反応器内で実施される。
【0034】
本方法の1種の実施形態によると、異性化段階は、水素化反応器の外側および水素化段階から下流で実施される。
【0035】
本方法の1種の実施形態によると、水素化触媒は、水素化反応帯域の内側部分のあらゆる触媒床のための下降流液相および上昇流蒸気相と接触する。
【0036】
本方法の1種の実施形態によると、水素化反応帯域に必要な水素を含むガス流は、水素化反応帯域の少なくとも1個の触媒床のほぼ入口において、蒸気相に隣接している。
【0037】
本方法の1種の実施形態によると、水素化されるべき液体の流れは、水素化反応帯域の内側部分のあらゆる触媒床のための水素を含むガス流の流れに対して並流である。
【0038】
本方法の1種の実施形態によると、水素化されるべき液体の流れは、水素を含むガス流の流れに対して並流であり、蒸留蒸気は、水素化反応帯域の内側部分のあらゆる触媒床のための触媒に事実上接触しないようにされる。
【0039】
本方法の1種の実施形態によると、水素化反応帯域において用いられるあらゆる触媒は、ニッケル、ジルコニウム、および白金によって形成される群より選択される少なくとも1種の金属を含む。
【0040】
本方法の1種の実施形態によると、金属は、塩化アルミナ又はゼオライト性アルミナの担体上にある。
【0041】
本発明はまた、向上した質のパラフィン異性化供給原料の調製方法の使用に関する。
【0042】
本発明の他の特徴および利点は、例として示された添付の図を参照しながら下に示される説明を読むことで、よりよく理解されることとなり、かつ、より明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、炭化水素フラクションの軽質不飽和化合物の含有量の低減のための本発明による方法の図式表現である。
【図2】図2は、炭化水素フラクションの軽質不飽和化合物の含有量の低減のための本発明による方法の変形例の図式表現である。
【図3】図3は、炭化水素フラクションの軽質不飽和化合物の含有量の低減のための本発明による方法の別の変形例の図式表現である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
図1〜図3に図示される本発明による方法は、種々の炭化水素フラクションの、ベンゼンを含む6〜12個の炭素原子の軽質不飽和化合物の含有量を低減させることにある。従って、本方法により、燃料、より具体的には、良好なオクタン価を維持しながら現行の基準に準拠するようにベンゼン含有量が低減させられたガソリンを、製造することが可能になる。
【0045】
本発明による軽質不飽和化合物の含有量の低減方法は、蒸留操作、水素化操作、および、場合によっては、異性化操作を含み、これらは、方法の投資コストを最小限に抑え、かつ、不飽和生成物の転化を最大限にしながら、水素の消費を最小限にし、塔から得られる留出物および残渣の収率を最大限にし、ベンゼンを含む軽質不飽和化合物中のベンゼン含有量を適切にするように、配列されかつ操作される。
【0046】
本発明による方法は、分子当たり少なくとも4個、好ましくは5〜12個の炭素原子を含む炭化水素から大部分なり、かつ、少なくとも1種の軽質不飽和化合物、特にベンゼンを含む、少なくとも1種の供給原料の処理方法である。処理される供給原料は、例えば以下のものである:
− ナフサ接触処理に由来するリフォメート:芳香族炭化水素を生じさせるように設計され、分子中に4〜12個の炭素原子を主として含み、その非常に高いオクタン化がガソリンに爆発防止特性を与える;
− C5/C6フラクション、例えば:
・直留蒸留軽質ナフサ(軽質直留)、
・水素化分解装置によって生じたナフサ。
【0047】
このようなフラクションのベンゼンの平均含有量は、処理される原油およびフラクションポイントによると2〜10容積%程度である。
【0048】
これらのフラクションは、殆どオレフィンを含有しないか全くオレフィン含有しておらず、ベンゼンの水素化装置におけるそれらの同時処理は、ベンゼンの水素化に関係するオクタン価の損失または水素消費を超えるオクタン価の損失または水素消費の有意な増加につながらない。
【0049】
− 接触分解またはFCC(英語用語によるfluid catalytic cracking(流動接触分解))から得られる他のフラクションおよび遅延式(delayed)または流体コーキング装置(英語の用語によるcoker(コーカー))、又はフレキシコーカー(flexicoker)、又は粘度低減装置(英語の用語によるvisbreaking(ビスブレーキング))からの軽質ガソリン。
【0050】
これらのフラクションは、常時オレフィン性であり、しばしば、ベンゼンの水素化触媒に有害であるヘテロ原子(硫黄、窒素、および塩素)を豊富に含む。それらは、しばしば、ベンゼン水素化装置への送達前に予備処理を必要とする。ここで再び、含有量は、フラクションポイント、並びに、主要な転化装置(FCC、又はコーカー、又はビスブレーカー)の供給原料の質に依存する。これらの含有量は、通常2〜10容積%程度であり、狭いフラクションが考慮されるならばより一層多い。
【0051】
− ベンゼンおよび他の軽質不飽和化合物を豊富に含み、オレフィン分解(酸触媒によるC〜C10オレフィンのエチレンおよびプロピレンへの分解)から得られるガソリンの分離および水素化処理の後に得られるフラクション、
− スチームクラッカータイプのオレフィン(英語の用語によるpyrolysis gasoline(熱分解ガソリン))の製造用装置またはコーク炉(coke furnace)(英語の用語によるcoke oven light oil(コークオーブン軽質油))から得られる、ベンゼンを豊富に含むフラクション。
【0052】
本方法の第1の実施形態が、図1に示される。供給原料は、粗製リフォメートによって形成され、一般的には、少量のC炭化水素を含有し、このものは、ライン(1)を介して蒸留塔(2)に送られる。蒸留塔(2)は、水素化反応帯域と関連する、排液帯域および精留帯域を含む。したがって、蒸留帯域は、一般に、当業者に知られているように、プレート、バルクパッキングおよび構造化パッキング(一部、図1において点線によって示される)によって形成される群から選択される少なくとも1種の蒸留内部を備えた少なくとも1個の塔を含み、全体的な有効性は、5個の理論段に少なくとも等しくなるようにされる。
【0053】
本実施形態では、水素化反応帯域は、蒸留帯域の完全に外側にある。
【0054】
この蒸留帯域に供給する供給原料は、前記蒸留帯域に、一般的に前記帯域の少なくとも1個のレベルにおいて、好ましくは主に前記帯域の単一のレベルにおいて導入される。
塔(2)の足部において、供給原料の最も揮発性の低いフラクション、主として、7個以上の炭素原子を有する炭化水素からなるもの(フラクションC7+)が、ライン(5)を介して回収され、交換器(または炉)(6)において再沸騰させられ、ライン(7)を介して排出される。再沸騰生成物は、ライン(8)を介して再導入される。塔の頂部において、軽質留出物−すなわち、主として分子当たり4〜7個の炭素を含むもの(フラクションC7−)、好ましくは、主として分子当たり4〜6個の炭素原子を含むもの(フラクションC6−)は、ライン(9)を介してコンデンサ(10)に送られ、次いで、分離器タンク(11)に送られ、ここで、液相と、場合によっては過剰の水素から主としてなる蒸気相との間で分離が行われる。蒸気相は、ライン(14)を介してタンクから排出される。タンク(11)の液相は、一部、ライン(12)を介して塔の頂部に送られ、これにより、還流が確実なものとされ、他の部分は、ライン(13)を介して排出される液体留出物を構成する。
【0055】
軽質留出物はまた、直接的に、塔の側部の抜き出し(図示せず)に集められ得、その時、軽質化合物Cの大部分を除去し、満足のいく蒸気圧を保証するように分離器タンクに通されることはない。
【0056】
塔の精留帯域または場合によっては排液帯域に配列される抜き出しプレートによって、液体は、ライン(15a)を介して抜き出され、前記液体は、ライン(4)次いで(4a)を介してまたは直接的に反応器に水素を添加した後に、図1により頂部または底部のいずれかを介して水素化反応器(3a)に送られる。水素化反応器からの流出物は、ライン(16a)を介して塔に再循環させられ、これは、図1に示されるようにサンプリングライン(15a)の上方か、または、サンプリングライン(15a)の下方のいずれかである。
【0057】
図1に示される実施形態において、デバイスは、第2の水素化外部反応器を含む。ライン(15b)を介して、液体は抜き出され、これは、ライン(4)およびライン(4b)を介して水素が添加された後に水素化反応器(3b)に送られるか、あるいは、直接該反応器に送られ、再循環は、ライン(16b)を介して蒸留塔において行われ、該ライン(16b)は、図1に示されるようにサンプリングライン(16a)の上方にあるか、あるいはサンプリングライン(16a)の下方にあるかのいずれかである。
【0058】
この場合、水素化段階は、2個の外部水素化反応帯域内で実施される。
【0059】
各反応器について、流出物の抜き出し(図示せず)は、例えば他の反応セクション、例えば、パラフィン異性化セクションに供給するように考慮され得る。
【0060】
図示されない別の実施形態によると、本方法は、単一の外部水素化反応帯域内で実施される水素化段階を含む。
【0061】
場合により過剰の水素を含有する、蒸留塔からの蒸気留出物中に回収されるガス流は、再圧縮後、反応器に戻され得、それにより、システムの水素の消費が最小限に抑えられる(図示されない)。
【0062】
本方法の別の実施形態によると、図2に示されるように、一般的に少量の炭化水素(C4−)を含有する、粗製リフォメート(C4+)によって形成される供給原料は、ライン(1)を介して、蒸留内部を備えている蒸留塔(2)に送られる。蒸留内部は、例えば、図2の場合、蒸留プレート、並びに、水素化触媒を含有し、ライン(4)を介して水素によって供給される触媒内部(catalytic internal)(3)である。
【0063】
この実施形態では、水素化反応帯域は、少なくとも一部、蒸留帯域の外側にある。前述の実施形態と同様に、蒸留帯域は、2個の塔に分割され得る。実際に、水素化反応帯域が、少なくとも一部、蒸留帯域の内側にある場合、精留帯域または排液帯域、好ましくは排液帯域は、一般的に、水素化反応帯域の内側部分を含む塔とは異なる少なくとも1個の塔において見出され得る。
【0064】
水素化反応帯域はまた、部分的に蒸留帯域の精留帯域中に組み入れられ、かつ、部分的に蒸留帯域の外側にあり得る。
【0065】
塔の頂部および底部の流出物は、本方法の第1の実施形態について上記されたように処理される。塔の精留帯域内に配列された抜き出しプレートから、液体のサンプルが−ライン(15c)を介して−取り出され、該液体は、ライン(4c)を介して水素を添加した後に、水素化反応器(3c)に導入される。水素化反応器からの流出物は、ライン(16c)を介して蒸留塔に再循環させられ、該ライン(16c)は、図2に示されるようにサンプリングライン(15c)の上方にあるか、あるいは、サンプリングライン(15c)の下方にあるかのいずれかである。分子当たり多くとも6個の炭素原子を含む、すなわち、分子当たり6個(6を含む)までの炭素原子を含み、供給原料中に含まれる不飽和化合物の少なくとも一部の水素化が行われるのは、この水素化反応帯域(3c)においてである。
【0066】
一般に、本方法は、水素化帯域の外側部分に供給する、1〜6個の、好ましくは1〜4個の、サンプリングレベルを含む。水素化帯域の外側部分の一部は一般的に、少なくとも1個の反応器を含む。この外側部分が、少なくとも2個の反応器中に分配された少なくとも2個の触媒床を含む場合、前記反応器は直列または並列に配列され、前記反応器のそれぞれは、好ましくは、他の反応器(単数または複数)に供給するサンプリングレベルとは別個のサンプリングレベルによって供給される。
【0067】
水素化反応帯域は一般的に、少なくとも1個の水素化触媒床、好ましくは2〜4個の触媒床を含む。水素化反応帯域は、少なくとも部分的に、供給原料中に存在するベンゼンの水素化を、一般的に頂部流出物のベンゼン含有量が最大で所定の含有量と等しくなるようにされる方法で実施し、かつ、前記水素化反応帯域は、少なくとも一部、好ましくは大部分、分子当たり最大6個の炭素原子を含み、かつベンゼンとは違って、供給原料中に場合により存在する、あらゆる不飽和化合物の水素化を実施する。
【0068】
水素化反応帯域が、部分的に、蒸留帯域内に、すなわち蒸留帯域の内側に組み入れられ、かつ、部分的に、蒸留帯域の外側にある場合、水素化反応帯域は、少なくとも2個の、好ましくは少なくとも3個の触媒床を含み、少なくとも1個の触媒床は、蒸留帯域の内側にあり、かつ、少なくとも1個の触媒床は、蒸留帯域の外側にある。水素化帯域の外側部分が少なくとも2個の触媒床を含む場合、各触媒床は、単一のサンプリングレベルによって供給され、この単一のサンプリングレベルは、好ましくは単一の再導入レベルと関連し、前記サンプリングレベルは、他の触媒床(単数または複数)に供給するサンプリングレベルとは別個のものである。一般に、水素化されるべき液体は、部分的であるかまたは全体的であるかのいずれにせよ、まず、水素化帯域の外側部分を流通し、その後、前記水素化帯域の内部に流通する。蒸留帯域の内側にある水素化反応帯域の部分では、液体のサンプリングが、蒸留帯域の内側にある反応帯域の部分内を流れることによって、自然に行われ、蒸留帯域への液体の再導入もまた、液体が蒸留帯域の内側にある水素化反応帯域から流れることによって自然に行われる。加えて、本方法は、水素化されるべき液体の流れが、水素化帯域の内部のあらゆる触媒床のための水素を含むガス流の流れに対して並流または向流、好ましくは、並流であるようにされ、一層より好ましくは、水素化されるべき液体の流れが、水素を含むガス流の流れに対して並流であるようにされ、かつ、蒸気が、水素化帯域の内部のあらゆる触媒床のための前記液体から分離されるようにされる。
【0069】
本発明は、水素化反応帯域が、水素化されるべき2種の別個の供給原料によって供給されるという事実からなる。
【0070】
水素化されるべき第一の供給原料は、特許EP 0 781 830においてすでに記載されているように、蒸留塔(2)においてサンプリングされるものによって形成される。水素化されるべき、この第一の供給原料は、ライン(15a、15b、または15c)を介して、サンプリングレベルにおいてサンプリングされ、蒸留帯域に流れる、好ましくは精留帯域に流れる、一層より好ましくは精留帯域の中間レベルにおいて流れる、好ましくは塔の頂部および底部の少なくとも2個のプレート、非常に好ましくは少なくとも10個のプレートのレベルにおいて流れる、液体の少なくとも一部、好ましくは大部分を示す。
【0071】
水素化されるべき第二の供給原料は、ライン(17c)を介して水素化反応帯域から上流の蒸留帯域の端部に直接注入されるか、あるいは、ライン(17d)を介して内部に直接注入されるか、あるいはそれが蒸留塔の完全に外側にある場合、ライン(17a、17b)を介して水素化反応帯域に、より具体的には水素化反応器に、直接注入される。
【0072】
この第二の供給原料は、少なくとも部分的に又は完全に、蒸留塔の外側にある水素化反応帯域に注入され得る。
【0073】
それが、少なくとも部分的に注入される場合、注入は、注入される残りと共に、水素化反応帯域の内部になされ得る。
【0074】
図1および図2に図示されるように、第二の供給原料は、ライン(15a、15b、または15c)を介してサンプリングされた第一の供給原料との予備混合、および、ライン(4a、4b、または4c)を介しての水素の添加の後に、ライン(17a、17b、17c、または17d)を介して注入され得る。
【0075】
本発明の別の変形例によると、第二の供給原料は、水素の添加の後それ自体によって、すなわち、第一の供給原料と予備的に混合されることなく注入され得る(図示されない)。
【0076】
この第二の供給原料は、維持することが望まれる重質不飽和化合物が存在しないことまたは低含有量であることによって特徴付けられ得る。それは、問題になっている方法から得られる粗製ガソリンフラクションに対してベンゼンおよび/またはベンゼンより重質の芳香族化合物を豊富に含み、かつ、水素化処理により硫黄、窒素および塩素の含有量が低い、以下のフラクションの全てによって形成され得る:
− 軽質リフォメート:分子中に4〜7個の炭素原子を主として含む芳香族炭化水素(フラクションC7−、C6−)を生じさせるように設計されたナフサの触媒処理に由来し、非常に高いオクタン価は、爆発防止特性を与える;
− C5/C6フラクション、例えば:
・直留蒸留軽質ナフサ(軽質直留)
・水素化分解装置によって生成させられるナフサ。
【0077】
そのようなフラクションのベンゼンの平均含有量は、得られる原油の性質およびフラクションポイントに従って2〜10容積%程度である。
【0078】
− 蒸留および水素化処理によりベンゼンを豊富に含む、接触分解またはFCC(英語の用語によるfluid catalytic cracking(流動接触分解))から得られる他のフラクションおよびコーキング装置(英語の用語によるcocker(コーカー))、(遅延型、流動型またはフレキシコーカー)または粘度低減(英語の用語によるvisbreaking(ビスブレーキング))の軽質ガソリン、
− オレフィンの分解(酸触媒によるC〜C10オレフィンのエチレンおよびプロピレンへの分解)から得られるガソリンの分離および水素化処理の後に得られる、ベンゼンを豊富に含むフラクション、
− 蒸留および水素化処理後のスチームクラッカータイプのオレフィン(英語の用語によるpyrolysis gasoline(熱分解ガソリン))の製造用の装置またはコーク炉(英語の用語によるcoke oven light oil(コークオーブン軽質油))から得られる、ベンゼンを豊富に含むフラクション。
【0079】
このような実施形態の利点は、本方法が、このように、特別な設備投資を行ったり又は甚だしい程の更なるコストを費やしたりすることなく、種々の性質の供給原料を大量に処理することを可能としている、という事実から得られる。実際に、水素化されるべき第二の供給原料(単数または複数)は、最初に蒸留塔を通過することなく水素化反応器に直接導入され、又は、沸点に基づいて蒸留帯域における好適な位置に導入される。従って、塔、再沸騰器、およびコンデンサが作動している場合、エネルギー消費が少ししかないか、あるいは更なるエネルギー消費が全くない。
【0080】
別の利点が得られるのは、ベンゼンの水素化は、オクタンの損失につながるので、水素化された留出物をパラフィン異性化装置に送ることがしばしば有利であるという事実からである。従来の蒸留により、留出物中に数%(典型的には3%以上)のCを同伴することなくベンゼンの必須部分を留出物中に回収することは可能ではない。ベンゼンの水素化によって生じる化合物C並びにシクロヘキサンは、異性化触媒の阻害物質であり、水素消費を増加させ、水素化分解反応後の異性化の容積収率を低減させる。本発明による方法では、塔の側部または塔の内側である反応器中のベンゼンの水素化により、化合物Cとベンゼンとの間の共沸を壊し、塔の底部においてシクロヘキサンの一部を回収することが可能になり、これにより、異性化装置により改善された品質の供給原料を得ることが可能になる。
【0081】
図3に示される本発明の別の実施形態によると、本方法は、蒸留帯域中の少なくとも1のサンプリングレベルにおいてサンプリングされた反応帯域の供給原料の異性化段階を含む。図3に示される実施形態によると、この異性化段階は、水素化段階の後に行われる。それは、当業者に周知である異性化反応器において行われる。この場合、液体(ライン(4c)を介して水素を添加した後、水素化反応器(3c)に導入される)は、ライン(15c)を介してサンプリングされる。水素化されるべき第二の供給原料は、直接的に、ライン(17c)を介して水素化反応帯域から上流の蒸留帯域の外側にある部分に注入される。水素化反応器からの流出物は、次いで、異性化反応器(3i)の方に送られ、次いで、それは、ライン(16i)を介して蒸留塔に再循環させられる。ライン(16i)は、図3に示されるようにサンプリングライン(15c)の上方であるか、または、ライン(15c)の下方のいずれかである。軽質の留出物は、ライン(13)を介して側部から取り出される。この取り出しは、ライン(16i)を介して異性化反応器の戻りの下方(図3に示されるように)またはライン(16i)を介して異性化反応器の戻りの上方(図3に示されない)のいずれかで行われ得る。ライン(12l)は、液体の抽出によって蒸気圧を調整するために用いられ得る。この液体は、下流に高められ得る。
【0082】
別の図示されない変形例によると、異性化反応は、水素化反応と同一の反応器において行われ得る。異性化反応が水素化反応器において行われる場合、反応は、水素化と同時にまたは水素化の後のいずれかに、例えば、水素化触媒および異性化触媒が連続して配列される2個の連続する床によってなされる。
【0083】
上記のように、水素化反応帯域は、蒸留帯域の完全に外側または部分的に外側であり得る。この場合、異性化反応(それが水素化反応と同一の反応器において行われる場合)は、蒸留帯域の外側にある水素化帯域の部分において行われる。
【0084】
本方法が2個の水素化反応器を用いる場合、異性化反応は、2個の水素化反応器のそれぞれにおいて行われ得るか、または、それは、それぞれ、水素化反応器から下流に配列される2個の異性化反応器において行われ得る(図示せず)。本方法は、それ故に、2の水素化段階がある場合、2の異性化段階を含み得る。
【0085】
この異性化段階により、得られる供給原料のオクタン価を改善することが可能になる。
【0086】
本方法は、それ故に、リフォメートの軽質フラクション中に、試剤の沸点より低いおよび/またはほとんど等しい沸点を有する1種(またはそれ以上)の生成物、より特定的には、オレフィンの水素化の場合、分子中に多くとも6個の炭素原子を有する生成物およびベンゼンを生じさせる反応に関する(下記表1参照)。このフラクション中、オレフィンは、一般的に、生来的に分枝され、相当するアルカンは、前記オレフィンより軽質である。ベンゼン(このフラクション中の別の試剤)は、その水素化反応の第1の生成物であるシクロヘキサンとは沸点においてほとんど異ならない(沸点差0.6℃)。したがって、より重質の生成物が塔の底部に残ることを保証するために必要である条件下に、シクロヘキサンは、一般的に、塔の頂部および底部における流出物の間で共有される。ベンゼンの水素化反応から得られる別の生成物は、メチルシクロペンタンである。この生成物は、特に、強い酸性度を有する水素化触媒によって促進される。水素化反応器において異性化が実施される場合、本発明による特に好適な触媒の一種は、塩化および/またはフッ素化アルミナ担時型白金である。このタイプの触媒は、比較的高い酸性度を有し、したがって、ベンゼンのメチルシクロペンタンへの異性化と共に水素化反応を促進し、これは、ベンゼンより相当低い沸点によって特徴付けられる。
【0087】
異性化反応のために本発明の範囲内で用いられ得る別のタイプの触媒は、ニッケル、ジルコニウムおよび白金の中から選択される少なくとも1種の金属を含み、金属は、塩化アルミナ担体またはゼオライト性アルミナ担体上に担持される。このタイプの触媒は、水素化段階の反応器と同一の反応器において異性化段階が行われる場合、水素化および異性化触媒として用いられ得るか、または、それは、同一の反応器において2種の反応が行われないならば、水素化触媒に加えて用いられ得る。
【0088】
【表1】

【0089】
本発明による方法は、それ故に、蒸留帯域の外側で、場合によっては、塔内で用いられる条件とは異なる圧力および/または温度条件下に、水素化されるべき大部分の化合物(単数または複数)を水素化することを可能にする。
【0090】
水素化反応は発熱反応である。場合によっては、水素化されるべき試剤の量は著しい。この反応の流出物の蒸発を制限するために、有利には、塔の外側に位置する帯域において、蒸留帯域の内側で用いられる圧力より高い圧力で水素化反応を行うことが可能である。この圧力上昇はまた、水素化されるべき化合物(単数または複数)を含む液相中への水素を含むガス流の高まった溶解を可能にする。
【0091】
本発明の別の変形例によると、反応器からの流出物の一部は、場合によっては、再度塔を通過することなく、場合による気体フラクションの除去の後に水素化反応器の入口に直接的に再循環させられ得る(図示せず)。
【0092】
本方法は、水素化されるべき液体の流れが、一般的に、水素化帯域の外側部分のあらゆる触媒床のための水素を含むガス流の流れに対して並流であるようにされる。
【0093】
水素化の実施のために、ベンゼンの所望の転化に必要である水素の理論モル比は3である。水素化帯域から上流にまたは水素化帯域に分配される水素の量は、場合によっては、この化学量論に対して過剰である。これは、特に、供給原料中に存在するベンゼンに加えて、分子当たり多くとも9個、好ましくは多くとも7個、一層より好ましくは多くとも6個の炭素原子を含み、かつ、前記供給原料中に存在するあらゆる不飽和化合物が、少なくとも部分的に水素化されるべきであるからである。過剰の水素(それが存在した場合)は、有利には、例えば、下記の技術の一種に従って回収され得る。第1の技術によると、水素化反応帯域から出る過剰の水素は、分離後に反応器から得られる液体フラクションから回収され、それは、次いで、圧縮され、前記反応帯域において再使用される。
【0094】
第2の技術によると、反応帯域から出る過剰の水素は、回収され、次いで、接触改質装置とかかわり合いを持つ圧縮段階から上流に、前記装置から得られる水素との混合物で注入される。ここで、前記装置は、好ましくは、低い圧力で、すなわち、一般的には、8バール(1バール=10Pa)の圧力で作動する。
【0095】
第3の技術によると、反応セクションの過剰の水素は、蒸気留出物中に回収され、次いで、再圧縮されて、反応器から上流にまたは反応器に直接的に再注入される。
【0096】
水素(ガス流中に含まれ、不飽和化合物の水素化のために本発明の方法において用いられる)は、少なくとも50容積%の純度、好ましくは少なくとも80容積%の純度、一層より好ましくは少なくとも90容積%の純度で水素を生じさせる全ての源から得られ得る。例えば、接触改質、メタネーション、PSA(交互圧力による吸着)、電気化学的発生または水蒸気分解の方法から得られる水素を挙げることが可能である。
【0097】
本方法の好ましい実施形態の一種(先行の実施形態とは独立してまたは独立でなく)は、蒸留帯域からの底部流出物が、少なくとも一部、前記帯域からの頂部流出物と混合されるようにされる。こうして得られた混合物は、場合による安定化の後、直接的にまたは燃料フラクションとの組み込みによって燃料として用いられ得る。
【0098】
水素化帯域が少なくとも部分的に、蒸留帯域と込み込まれた場合、水素化触媒は、接触蒸留を行うために提案された異なる技術に従って、組み込まれた部分に配列され得る。それらは、必然的に、2タイプのものである。
【0099】
第1のタイプの技術によると、反応および蒸留は、例えば、特許出願WO-A-90/02,603、例えば、特許US-A-4,471,154またはUS-A-4,475,005によって教示されるように、同一の物理的スペースにおいて同時に進められる。触媒は、次いで、一般的に、蒸留帯域の頂部に導入される還流によって発生させられた下降液相、および帯域の底部に導入される再沸騰蒸気によって発生させられた上昇蒸気相と接触する。このタイプの技術によると、本発明による方法の実施のために反応帯域に必要である水素を含むガス流は、反応帯域の少なくとも1個の触媒床のほぼ入口において、蒸気相に隣接し得る。
【0100】
第2のタイプの技術によると、例えば、特許US-A-4,847,430、US-A-5,130,102およびUS-A-5,368,691に教示されるように、触媒は反応および蒸留が無関係かつ連続的な方法で全般的に進むように配列される。ここで、蒸留の蒸気は、事実上、反応帯域のあらゆる触媒床を通過しない。それ故に、このタイプの技術が用いられるならば、本方法は、一般的に、水素化されるべき液体の流れが、水素を含むガス流の流れに対して並流であるようにされ、蒸留蒸気が、事実上、水素化帯域の内側部分のあらゆる触媒床のための触媒と接触しないようにされる(これは、実際には、前記蒸気は、水素化されるべき前記液体から分離されるという事実によって一般的に反映される)。そのようなシステムは、一般的に、液体の分配のための少なくとも1個のデバイスを含み、それは、例えば、反応帯域のあらゆる触媒床における液体の分配器であり得る。それにもかかわらず、液体試剤の間で起こる触媒反応のためにこれらの技術が設計された程度まで、それらが改変されないならば、水素化触媒反応に適し得、そのため、試剤の一種である水素は、気体状態にある。水素化帯域の内側部分のあらゆる触媒床のために、したがって、一般的には、例えば、下記の3種の技術の1種による、水素を含むガス流の分配のためのデバイスを加えることが必要である。それ故に、水素化帯域の内側部分は、分配帯域の内側にある水素化帯域のあらゆる触媒床中に、少なくとも1個の液体分配デバイスと、水素を含む少なくとも1個のガス流分配装置とを含む。第1の技術によると、水素を含むガス流の分配のためのデバイスは、液体分配デバイスから上流、したがって、触媒床から上流に配列される。第2の技術によると、水素を含むガス流分配デバイスは、液体分配デバイスのレベルに、水素を含むガス流が触媒床から上流の液体に導入されるように配列される。第3の技術によると、水素を含むガス流分配装置は、液体分配デバイスから下流、したがって、触媒床の範囲内に、好ましくは、前記触媒床への前記液体の分配ためのデバイスから遠く離れずに配列される。上記に用いられる用語「上流」および「下流」は、触媒床を通過するだろう液体の流通の方向に対して規定される。
【0101】
本方法の実施形態の一種は、水素化帯域の内側部分の触媒が、特許US-A-5,368,691において記載された基本デバイスから下流の反応帯域に配列され、水素化帯域の内側部分のあらゆる触媒床が、水素を含むガス流によって供給されるように位置し、その基部において、例えば、上記の3種の技術の1種により均一に分配されるようにされる。
【0102】
水素化帯域が、少なくとも一部、蒸留帯域の内側にある場合、上流帯域の内側の水素化帯域の部分の操作条件は、蒸留の操作条件と関連する。蒸留は、例えば、その基本生成物が供給原料の大部分のシクロヘキサンおよび7個の炭素原子を有するイソパラフィン、並びに、ベンゼンの水素化によって形成されたシクロヘキサンを含有するように行われ得る。それは、一般的には0.2〜2MPa、好ましくは0.4〜1MPaの圧力下に実施され、還流比(reflux rate)は、1〜10、好ましくは3〜6である。帯域の頂部における温度は、一般的に40〜180℃であり、帯域の底部における温度は、一般的に120〜280℃である。水素化反応は、蒸留帯域の頂部および底部において確立されたもの間の最も一般的な中間である条件下に、100〜250℃、好ましくは120〜220℃の温度、0.2〜2MPa、好ましくは0.4〜1MPaの圧力で行われる。触媒に対して計算される前記水素化帯域内の容積測定流量は、一般的には1〜50h−1、より特定的には1〜30h−1である(触媒の体積当たりかつ毎時の供給原料の容積)。含まれる水素化反応の化学量論に相当する水素流量は、前記化学量論の0.5〜10倍、好ましくは前記化学量論の1〜6倍、一層より好ましくは前記化学量論の1〜3倍である。水素化に付される液体は、水素を含むガス流によって供給され、その流量は、前記液体中のベンゼン、より一般的には、蒸留帯域の供給原料の分子当たり多くとも6個の炭素原子を含む不飽和化合物の濃度次第である。それは、一般的には、含まれる水素化反応(水素化供給原料中に包含される、ベンゼンおよび分子当たり多くとも6個の炭素原子を含む他の不飽和化合物の水素化)の化学量論に相当する流量に少なくとも等しく、化学量論の10倍、好ましくは1〜6倍、一層より好ましくは1〜3倍に相当する流量に多くとも等しい。
【0103】
水素化帯域の外部部分では、触媒は、あらゆる触媒床に、当業者に知られている任意の技術にしたがって、蒸留帯域の操作条件とは独立してもしてなくてもよく、好ましくは独立した操作条件(温度、圧力、・・・)下に配列される。
【0104】
蒸留帯域の外側にある水素化帯域の部分では、操作条件は、一般的には以下の通りである。この水素化段階に要求される圧力は、一般的に0.1〜6MPa、好ましくは0.2〜5MPa、一層より好ましくは0.5〜3.5MPaである。
【0105】
水素化帯域の操作温度は、一般的に100〜400℃、好ましくは110〜350℃、好ましくは120〜320℃である。触媒に対して計算される水素化帯域内の容積測定流量は、一般的には1〜50h−1、より特定的には1〜30h−1である(触媒の体積当たりかつ毎時の供給原料の容積)。含まれる水素化反応の化学量論に相当する水素流量は、化学量論の0.5〜10倍、好ましくは前記化学量論の1〜6倍、一層より好ましくは前記化学量論の1〜3倍である。しかしながら、温度および圧力の条件はまた、本発明の方法の範囲内において、蒸留帯域の頂部および底部の間において確立されたものに包含され得る。
【0106】
より一般的な方法で、蒸留帯域に対する水素化帯域の位置に拘わらず、本発明の方法による水素化帯域において用いられる触媒は、一般的に、ニッケルおよび白金によって形成された群から選択される少なくとも1種の金属を含み、そのまままたは好ましくは担体上に担持されて用いられる。金属の全重量の少なくとも50%は、一般的には、還元された形態であるべきである。しかしながら、当業者に知られている任意の他の水素化触媒も選択され得る。
【0107】
白金の使用の間、触媒は、有利には、少なくとも1種のハロゲンを、触媒に対する重量比率0.2〜2%で含み得る。好ましくは、塩素またはフッ素またはその2種の組合せが、触媒の全重量に対する比率0.2〜1.5%で用いられる。白金を含有する触媒の使用の場合、一般的に、白金結晶の平均サイズが60×10−10m未満、好ましくは20×10−10m未満、一層より好ましくは10×10−10m未満である触媒が用いられる。さらに、触媒の全重量に対する白金の全比率は、一般的に0.1〜1%、好ましくは0.1〜0.6%である。
【0108】
ニッケルの使用の場合、触媒の全重量に対するニッケルの比率は、5〜705、より特定的には10〜70%、好ましくは15〜65%である。さらに、一般的に、ニッケル結晶の平均サイズが100×10−10m未満、好ましくは80×10−10m未満、一層より好ましくは60×10−10m未満であるような触媒が用いられる。
【0109】
担体は、一般的に、アルミナ、シリカ−アルミナ、シリカ、ジルコニア、活性炭、粘土、アルミナセメント、希土類酸化物、アルカリ土類酸化物によって形成される群から選択され、単独でまたは混合して用いられる。アルミナ−またはシリカ−ベースの担体であって、30〜300m/g、好ましくは90〜260m/gの比表面積を有するものが好適に用いられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
分子当たり少なくとも4個の炭素原子を含む炭化水素から大部分なりかつベンゼンを含む少なくとも1種の不飽和化合物を含む供給原料の処理方法であって、前記供給原料は、水素化反応帯域と関連する、蒸留帯域、排液帯域および精留帯域において処理され、該水素化反応帯域は、少なくとも一部、蒸留帯域の外側にあり、少なくとも1個の触媒床を含み、供給原料に含まれる少なくとも一部の不飽和化合物の水素化が、水素化触媒および水素を含むガス流の存在下に行われ、反応帯域の供給原料は、蒸留帯域中の少なくとも1個のサンプリングレベルにおいてサンプリングされ、反応帯域からの流出物は、少なくとも一部、蒸留帯域における少なくとも1個の再導入レベルに再導入されて、蒸留の連続性が保証され、蒸留帯域の頂部において、蒸留帯域の側部の抜き出しにおいておよび蒸留帯域の底部において、不飽和化合物の含量が少ない流出物が排出され、前記方法は、少なくとも1種の第二の供給原料の処理を含み、該第二の供給原料は、ベンゼンを含む少なくとも1種の不飽和化合物を含み、少なくとも一部、直接的に、蒸留帯域の外側にある水素化反応帯域に注入されることを特徴とする、方法。
【請求項2】
側部の抜き出しは、反応帯域の戻り配管の上方で実施される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
側部の抜き出しは、反応帯域の戻り配管の下方で行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
第二の供給原料は、注入される残りと共に蒸留塔の内部水素化帯域に注入される、請求項1〜3のうちの1つの方法。
【請求項5】
第二の供給原料は、分子当たり少なくとも4個の炭素原子を含む炭化水素によって少なくとも構成される、請求項1〜4のうちの1つの方法。
【請求項6】
第二の供給原料は、直留蒸留軽質ナフサタイプ、および/または、水素化分解装置によって、および/または、ベンゼンおよび/またはトルエンを豊富に含み、かつ、硫黄および窒素含量が低い、接触分解から得られるフラクションによって、および/または、ベンゼンおよび/またはトルエンを豊富に含み、硫黄および窒素含量が低い、コーキングまたはビスブレーキング装置から得られたフラクションからなるガソリンフラクションによって、および/または、ベンゼンおよび/またはトルエンを豊富に含み、硫黄および窒素含量が低く、オレフィンの分解またはオリゴ分解の後に得られたフラクションによって、および/または、ベンゼンおよび/またはトルエンを豊富に含み、硫黄および窒素含量が低く、水蒸気分解によるオレフィンの製造用装置から得られるフラクションによって生じさせられたナフサタイプのC/Cフラクションからなる、請求項1〜5のうちの1つの方法。
【請求項7】
第二の供給原料は、
− 分子当たり少なくとも4個の炭素原子を含む炭化水素、
− 直留蒸留軽質ナフサタイプのC/Cフラクション、
− 水素化分解装置によって生じさせられたナフサタイプのC/Cフラクション、
− 接触分解の完全なガソリンに対してベンゼンを豊富に含む、接触分解コアのガソリンフラクション、
− 完全なコーキングガソリンに対してベンゼンを豊富に含む、コーキング装置からの軽質ガソリンのフラクション、
− オレフィンの分解またはオリゴ分解から得られたガソリンの分離および水素化処理の後に得られた、ベンゼンを豊富に含むフラクション、
− 水蒸気分解によるオレフィンの製造用装置から得られた、ベンゼンを豊富に含むフラクション
の中から選択される少なくとも1種の供給原料からなる、請求項1または4のうちの1つに記載の方法。
【請求項8】
蒸留は、0.2〜2MPaの圧力下に、0.5〜10の還流比で行われ、蒸留帯域の頂部の温度は、40〜180℃であり、蒸留帯域の底部の温度は、120〜280℃である、請求項1〜7のうちの1つに記載の方法。
【請求項9】
水素化反応帯域は、蒸留帯域の完全に外側にある、請求項1〜8のうちの1つに記載の方法。
【請求項10】
水素化反応器からの流出物の一部は、反応器の入口に再循環させられる、請求項1〜9のうちの1つに記載の方法。
【請求項11】
水素化反応帯域は、部分的に蒸留帯域の精留帯域に組み入れられ、かつ、部分的に蒸留帯域の外側に組み入れられる、請求項1〜8のうちの1つに記載の方法。
【請求項12】
蒸留帯域の内側にある水素化帯域の部分において行われる、水素化反応は、100〜200℃の温度、0.2〜2MPaの圧力で行われ、触媒に対して計算される内部水素化反応帯域内の容積測定流量は、1〜50h−1を包含し、水素化反応帯域に供給する水素の流量は、含まれる水素化反応の化学量論に相当する流量の0.5〜10倍である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
蒸留帯域の外側部分において行われる水素化反応は、0.1〜6MPaの圧力、100〜400℃の温度で行われ、触媒に対して計算される水素化反応帯域内の容積測定流量は、一般的に1〜50h−1であり、含まれる水素化反応の化学量論に相当する水素流量は、前記化学量論の0.5〜10倍である、請求項1〜11のうちの1つに記載の方法。
【請求項14】
少なくとも1個のサンプリングレベルにおいてサンプリングされる反応帯域の供給原料の異性化の段階は、蒸留帯域において行われる、請求項1〜13のうちの1つに記載の方法。
【請求項15】
異性化段階は、水素化反応器において、水素化反応と同時に行われる、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
異性化段階は、水素化反応器の外側で、水素化段階から下流で行われる、請求項14に記載の方法。
【請求項17】
水素化触媒は、水素化反応帯域の内側部分のあらゆる触媒床のために、下降液相および上昇蒸気相と接触する、請求項12または13に記載の方法。
【請求項18】
水素化反応帯域に必要である水素を含むガス流は、水素化反応帯域の少なくとも1個の触媒床のほぼ入口において、蒸気相と隣接する、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
水素化されるべき液体の流れは、水素化反応帯域の内側部分のあらゆる触媒床のために、水素を含むガス流の流れに対して並流である、請求項11または12に記載の方法。
【請求項20】
水素化されるべき液体の流れは、水素を含むガス流の流れに並流であり、蒸留蒸気は、事実上、水素化反応帯域の内側部分の触媒床のために、触媒と接触していない、請求項11または12に記載の方法。
【請求項21】
水素化反応帯域において用いられる触媒は、ニッケル、ジルコニウムおよび白金によって形成される群から選択される少なくとも1種の金属を含む、請求項1〜20のうちの1つに記載の方法。
【請求項22】
金属は、塩化アルミナまたはゼオライト性アルミナ担体上にある、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
改善された品質のパラフィンの異性化のための供給原料の調製のための、請求項1〜22のうちの1つに記載の方法の使用。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2011−231322(P2011−231322A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2011−95563(P2011−95563)
【出願日】平成23年4月22日(2011.4.22)
【出願人】(591007826)イエフペ エネルジ ヌヴェル (261)
【氏名又は名称原語表記】IFP ENERGIES NOUVELLES
【Fターム(参考)】