説明

種子処理殺虫組成物

(A)組成物の総重量に基づいて、少なくとも3重量%の量の、少なくとも1つの殺虫剤及び/又は殺線虫剤、及び (B)少なくとも2つの界面活性化合物であって、(i)少なくとも1つがリン酸アニオンタイプの化合物であり、且つ(ii)少なくとも1つが非イオン性アルコキシル化フェノールである界面活性化合物、を含んで成る懸濁液の形態の、水性の種子処理殺虫組成物及び/又は殺線虫組成物。このような組成物は、植物繁殖材料、例えば種子に適用する場合に、向上したダスト−オフ性能を実証する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水性の種子処理殺虫組成物及び/又は殺線虫組成物並びにこの組成物を含んで成るスラリー組成物(これらの組成物は、害虫による攻撃から保護するための植物繁殖材料の処理に用いられる)に関し;害虫抵抗性植物繁殖材料に関し;植物繁殖材料を保護する方法に関し;作物から害虫を防除する方法に関し;処理した材料の特性を向上するための、ある界面活性化合物の使用に関し;そして殺虫組成物間の適合性を向上するための界面活性化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
殺虫組成物を用いた植物繁殖材料の処理は、植物の発達の感染しやすい段階における、土壌害虫からの保護を可能にする。更に、浸透性農薬の種子処理は、伝統的な葉面殺虫剤散布の代替方法を提供することができる。しかし、このような処理後に、処理した植物繁殖材料は、梱包及び貯蔵のために取り扱われそして搬送される;この取り扱い及び搬送によって、しばしば処理した材料が互いに擦れ合い、その材料に結合していた化学物質を非結合の状態にする。化学物質の放出はしばしば、例えば、種子を乾燥することで固体粒子を形成する処理組成物由来の、殺虫剤及び他の物質の浮遊粒子の形態において起こる。これは、処理した材料の殺虫効果の喪失をもたらし、そして浮遊粒子の吸入及び感作、例えば眼刺激によって、このような処理作業を行う労働者を健康上のリスクにさらし得る。更に、植物繁殖材料の処理はしばしば、殺虫組成物の混合物を含むスラリー組成物で実施され、これは不適合困難性をもたらし得る。すなわち、異なる殺虫組成物間の凝集及び不均一性をもたらす。低いpHの殺虫組成物は適合性スラリーを調製するのが特に難しいことが、指摘されてきた。
【0003】
従って、考案者は:
− どのようにして、このような粒子の植物繁殖材料への付着力を向上させるか、そして
− どのようにして、適合性に対する要求を満たす組成物を提供するか
という課題に直面している。
【発明の開示】
【0004】
処理した植物繁殖材料、例えば種子を取り扱う際に、あるタイプの界面活性化合物を含んで成る殺虫組成物が浮遊粒子(一般的に「ダスト」と呼ばれている)の予想外の減少をもたらすことが見出された(向上したダストオフ(dust−off))。更に、このような界面活性化合物は殺虫組成物間の適合性をもたらすことも見出された(特に、一方がより低いpHを有する場合)。
【0005】
従って、第一の側面において、本発明は、
(A)組成物の総重量に基づいて、少なくとも3重量%の量の、少なくとも1つの殺虫剤及び/又は殺線虫剤、及び
(B)少なくとも2つの界面活性化合物であって、(i)少なくとも1つがリン酸アニオンタイプの化合物であり、且つ(ii)少なくとも1つが非イオン性アルコキシル化フェノールである界面活性化合物
を含んで成る、懸濁液の形態の、水性の種子処理殺虫組成物及び/又は殺線虫組成物を提供する。
【0006】
第一の側面の実施態様においては、更なる殺虫剤も存在する。
【0007】
第二の側面において、本発明は、第一の側面の組成物、液体担体、及び任意に(i)1又は複数の、好ましくは他の製剤アジュバント、(ii)1又は複数の他の殺虫組成物であって、それぞれが少なくとも1つの更なる殺虫剤を含んで成る殺虫組成物、又は(i)及び(ii)の双方を含んで成るスラリー組成物(「タンク−ミックス」又は「レディ トゥ アプライ」とも呼ばれている)を提供する。
【0008】
第二の側面の好ましい実施態様においては、スラリー組成物は、第一の側面の殺虫組成物、液体担体、(i)1又は複数の、好ましくは他の製剤アジュバント、及び(ii)1又は複数の他の殺虫組成物であって、それぞれが少なくとも1つの更なる殺虫剤を含んで成る。
【0009】
第三の側面においては、本発明は、好ましくは種子を植える又は播く前に、殺虫有効量、好ましくは殺線虫有効量の第一又は第二の側面の組成物を用いて植物繁殖材料を処理することによる、植物繁殖材料、好ましくは種子を、害虫、例えば土壌害虫、好ましくは線虫による攻撃から保護する方法を提供する。
【0010】
従って、本発明は、好ましくは種子を植える又は播く前に、殺虫有効量、好ましくは殺線虫有効量の第一又は第二の側面の組成物を用いて、植物繁殖材料、例えば種子を処理することによる、作物、特に綿、ダイズ及びトウモロコシ作物から選択される作物にダメージを与える害虫、例えば線虫を防除する方法も提供する。
【0011】
第四の側面においては、本発明は、殺虫有効量、好ましくは殺線虫有効量の第一若しくは第二の側面の組成物又は第三の側面の方法により得られた組成物を用いて処理した、植物繁殖材料、好ましくは種子、例えば綿、ダイズ又はトウモロコシの種子を含んで成る害虫抵抗性植物繁殖材料を提供する。
【0012】
第五の側面においては、本発明は、第一又は第二の側面の組成物における、当該組成物で処理した植物繁殖材料、好ましくは種子のダスト−オフ特性を向上させるための、少なくとも2つの界面活性化合物であって、(i)少なくとも1つがリン酸アニオンタイプの化合物であり、且つ(ii)少なくとも1つが非イオン性アルコキシル化アルコール又はフェノールである界面活性化合物の使用を提供する。
【0013】
別の側面においては、本発明は、第一又は第二の側面の組成物で処理した植物繁殖材料、好ましくは種子のダスト−オフ特性を向上させる方法であって、殺虫組成物又はスラリー組成物中に、少なくとも2つの界面活性化合物であって、(i)少なくとも1つがリン酸アニオンタイプの化合物であり、且つ(ii)少なくとも1つが非イオン性アルコキシル化アルコール又はフェノールである界面活性化合物を混合することを含んで成る方法を提供する。
【0014】
第六の側面においては、本発明は、(I)第一の及び第二の殺虫組成物を含んで成るスラリー組成物、又は(II)第二の殺虫組成物のどちらかに存在する、pHが4〜7未満、例えば4〜6.5、好ましくは4.5〜6.5、より好ましくは5又は5.5〜6.5の第一の殺虫組成物の第二の殺虫組成物との適合性を向上させるための、少なくとも2つの界面活性化合物であって、(i)少なくとも1つの界面活性化合物がリン酸アニオンタイプの化合物であり、且つ(ii)少なくとも1つの界面活性化合物が非イオン性アルコキシル化アルコール又はフェノールである界面活性化合物の使用を提供する。
【0015】
更なる側面においては、本発明は、pHが4〜7未満の第一の殺虫組成物の第二の殺虫組成物との適合性を向上させるための方法であって、少なくとも2つの界面活性化合物であって、(i)少なくとも1つがリン酸アニオンタイプの化合物であり、且つ(ii)少なくとも1つが非イオン性アルコキシル化アルコール又はフェノールである界面活性化合物を、(I)第一の及び第二の殺虫組成物を含んで成るスラリー組成物中、又は(II)第二の殺虫組成物中に混合することを含んで成る方法も提供する。
【0016】
本発明は、以下においてより詳細を説明する。
【0017】
組成物
より高い濃度の固体(例えば、活性成分)を、本発明の満足な組成物中に組み込み、そして保持することができることが見出された。従って、1つの実施態様において、殺虫剤(又は活性成分)は、約12.5重量%〜約60重量%、より特別には30〜約55重量%、例えば40〜55重量%の量で、第一の側面の組成物中に存在する;組成物(製剤としても知られる)のバランスは、界面活性剤及び当業界で製剤アジュバントとして知られている他の任意の不活性成分、例えば保護コロイド、接着剤、増粘剤、チキソトロープ剤、浸透剤、保存剤、安定剤、消泡剤、不凍剤、金属イオン封鎖剤、着色剤、例えば色素又は顔料、及びポリマーとともに、水を含んで成る。
【0018】
第二の側面の組成物においては、成分の比率は、第一の側面におけるものより小さく、液体担体(典型的には水)(通常、主成分中に存在する)の量に依存し、そして1又は複数の他の製剤アジュバント及び/又は1又は複数の他の殺虫組成物(それぞれが更なる殺虫剤を含んで成る)の存在にも依存する。
【0019】
殺虫剤(又は活性成分)は、任意のタイプ、例えば、殺真菌剤、例えばトリアゾール誘導体、ストロビルリン、カルバメート(チオカルバメートを含む)、ベンズイミダゾール(チアベンダゾール)、N−トリハロメチルチオ化合物(キャプタン)、置換ベンゼン、カルボキサミド、フェニルアミド及びフェニルピロール、並びにそれらの混合物;殺虫剤(例えば、ネオニコチノイド、カルバメート及びピレスロイド)、ダニ駆除剤、軟体動物駆除剤及び殺線虫剤であることができる。好ましくは、第一の側面において定義される殺虫剤は、殺虫剤及び/又は殺線虫剤である。
【0020】
本発明の組成物に適切な活性成分(殺虫剤、殺線虫剤、又は殺真菌剤のいずれか)の好ましい例は、アバメクチン(1)、アセフェート(2)、アセトアミプリド(4)、アルファ−シペルメトリン(202)、アジンホス−メチル(45)、ビフェントリン(76)、カルバリル(115)、カルボキシン(120)、カルボフラン(118)、カルボスルファン(119)、クロルピリホス(145)、クロチアニジン(165)、シロマジン(209)、デルタメトリン(223)、ジメトエート(262)、エマメクチンベンゾエート(291)、エンドスルファン(294)、フィプロニル(354)、フラチオカルブ(412)、ガンマ−HCH(430)、イミダクロプリド(458)、イソフェンホス、メチオカルブ(530)、オメトエート(594)、テフルトリン(769)、チアメトキサム(792)、チアクロプリド(791)、チオジカルブ(799)、アゾキシストロビン(47)、ピラクロストロビン(690)、ベノミル
(62)、ビテルタノール(84)、キャプタン(114)、カルベンダジム(116)、カルボキシン(120)、クロロタロニル(142)、銅塩(例えば硫酸銅(172)、亜酸化銅(181)、ボルドー液(87)、水酸化銅(169)、硫酸銅(三塩基性)(173)、銅酸塩化物(171)、及びオクタン酸銅(170))、シモキサニル(200)、シプロコナゾール(207)、シプロジニル(208)、ジフェノコナゾール(247)、ジニコナゾール(267)、エチリモル、ファモキサドン(322)、フェナミドン(325)、フェンヘキサミド(334)、フェンピクロニル(341)、フルアジナム(363)、フルジオクソニル(368)、フルキンコナゾール(385)、フルトラニル(396)、フルトリアホル(397)、ホセチル−アルミニウム(407)、フベリダゾール(409)、グアザチン(422)、ヘキサコナゾール(435)、ヒメキサゾール(447)、イマザリル(449)、イプロジオン(470)、イソフェンホス、マンコゼブ(496)、マネブ(497)、メタラキシル(516)、メタラキシル−M(517)、メトコナゾール(525)、ミクロブタニル(564)、シルチオファム(729)、ヌアリモル(587)、オキサジキシル(601)、オキシン−銅(605)、オキソリン酸(606)、ペンシクロン(620)、プロクロラズ(659)、プロシミドン(660)、ピリメタニル(705)、ピロキロン(710)、キントゼン(716)、テブコナゾール(761)、テトラコナゾール(778)、チアベンダゾール(790)、チオファネート−メチル(802)、チラム(804)、トリアジメノール(815)、トリアゾキシド(821)、トリチコナゾール(842)、トリフロキシストロビン(832)、ピコキシストロビン(647)及びイプコナゾール(468)から選択される。
【0021】
第一又は第二の側面のどちらかの実施態様において、活性成分は、活性成分であるアバメクチン(1)、エマメクチンベンゾエート(291)、メタラキシル−M(517)、チアメトキサム(792)、ジフェノコナゾール(247)、アゾキシストロビン(47)、テフルトリン(769)、フルジオクソニル(368)、イミダクロプリド(458)、チアクロプリド(791)、クロチアニジン(165)及びミクロブタニル(564)から選択される。
【0022】
特に、第一の側面の組成物はアバメクチンを含んで成り、そして有利には、第二の側面の組成物はアバメクチン、ネオニコチノイド(例えば、チアメトキサム)、アゾキシストロビン、フルジオクソニル及びメタラキシル−Mを含んで成る。
【0023】
好ましい実施態様においては、第一の側面の組成物及び第六の側面の第二の殺虫組成物のpHは、6〜8、例えば6.5〜7.5又は6〜6.5の範囲である。
【0024】
殺虫剤は、e−Pesticide Manual(バージョン3.0,13th版,Ed.CDC Tomlin,British Crop Protection Council,2003−04)に記載されている。化合物名の後の番号は、Pesticide Manualにおいて与えられるエントリー番号である。
【0025】
一般的に、第一の側面の組成物は、懸濁濃縮物(SC)又は流動性懸濁(FS)濃縮物の形態で提供される。種子処理用の懸濁濃縮物製剤は、スピンドル3を有するBROOKFIELD粘度計において30rpm、25℃で測定した場合、一般的に300〜1200、例えば400〜800mPas-1の粘度を有する。懸濁粒子の平均サイズは、レーザー粒子分析器、例えばMalvern Mastersizer.Sで測定した場合、0.1〜20ミクロン、特別には0.5〜5ミクロン、有利には1〜3ミクロンである。一方、第二の側面の組成物は、前者の希釈したバージョンである傾向にある。
【0026】
第一の側面の(A)及び(B)成分を含む製剤、すなわち組成物、調製物又は混合物は、既知の方法、例えばその成分を水と均質に混合そして/或いは磨り潰すことにより調製する。
【0027】
界面活性化合物(B)の量は、第一の側面の組成物の重量に基づいて、一般的に1〜25、好ましくは2.4〜22.5、特別には5〜10重量%の範囲である。界面活性化合物は、水溶性(親水性)基(又は構成要素)、例えばポリオキシエチレン、及び水不溶性(疎水性)基(又は構成要素)、例えばポリオキシプロピレンで構成されている。界面活性化合物の例は、製剤した殺虫剤の性質に依存して、優れた乳化、分散及び湿潤特性を有する界面活性剤である。界面活性剤は、界面活性剤の混合物を意味するものとしても理解されるだろう。
【0028】
1つの実施態様においては、(B)(i)及び(B)(ii)の界面活性化合物の分子量は、互いに独立して、2200未満、好ましくは1700未満、例えば400〜1500の範囲、好ましくは600〜1200の範囲である。
【0029】
好ましくは、(B)(i)界面活性化合物は、少なくとも10、好ましくは10〜25、例えば12〜20、好ましくは14〜18の範囲の親水性−親油性バランス(HLB)を有する。
【0030】
好ましくは、(B)(ii)界面活性化合物は、少なくとも5、好ましくは7〜20、例えば10〜15の親水性−親油性バランス(HLB)を有する。
【0031】
1つの実施態様において、界面活性化合物(B)(i)の(B)(ii)に対する重量比は、1:10〜10:1、好ましくは5:1〜1:1、特別には3:1〜1:1の範囲である。
【0032】
親水性−親油性バランス(HLB)値は、Griffinにより提案された化合物の親水性の指数である。ポリオキシエチレンアルキルエーテルのHLB指数は、例えばGriffin方程式により決定することができる。
HLB値=[(親水性部分の分子量)/(界面活性化合物の分子量)]×20
【0033】
基、例えば硫酸イオン及びリン酸イオンも、HLB値に寄与し得る。
【0034】
一般的に、商業的に用いられる化合物、例えば界面活性化合物は、分析的に純粋でなく、例えば、異なるアナログ、異性体及び分子量ではあるが同じ化学的性質の適切な化合物の混合物である傾向にある。従って、好ましくは、例えば(B)(i)及び(B)(ii)の界面活性化合物に起因する特性は、その特性が混合物中の化合物により保有される場合には、化合物の混合物においても満たされる。この化合物は、主成分として、例えば50重量%超、好ましくは60重量%超、特別には75重量%超(混合物の重量に基づいて)で存在する;より好ましくは、混合物自体が定義した特性を満たす。
【0035】
製剤技術において慣習的に用いられる界面活性剤は、特に以下の刊行物において説明されている:
「McCutcheon's Detergents and Emulsifiers Annual」, MC Publishing Corp.,Glen Rock,N.J.,1988.
M.及びJ.Ash,「Encyclopedia of Surfactants」,Vol.I−III,Chemical Publishing Co.,New York,1980−1981.
【0036】
リン酸塩タイプの界面活性剤の例としては、アルキルフェノールポリアルコキシエーテルリン酸塩、ポリアルコキシエーテルリン酸塩のブロック共重合体、ポリアリールフェノールポリアルコキシエーテルリン酸塩及びアリールフェノールポリアルコキシエーテルリン酸塩が挙げられる。
【0037】
アルコキシル化アルコールの例としては、アルコキシル化アルコール(例えば、アルコキシル化オイル、アルコール中にC5〜C18の炭素原子を有するアルコキシル化アルコール)が挙げられる。
【0038】
アルコキシル化フェノールの例としては、アルキルフェノールポリアルコキシエーテル及び(ポリ)アリールフェノールポリアルコキシエーテルが挙げられる。
【0039】
好ましくは、(B)(ii)化合物は、アルコキシル化フェノールである。
【0040】
陰イオン性界面活性剤は、酸として存在することができ、或いはアルカリ金属(例えば、リチウム、ナトリウム及びカリウム)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム及びマグネシウム)、アンモニウム及び様々なアミン(例えば、アルキルアミン、シクロアルキルアミン及びアルカノールアミン)を含むことができる。
【0041】
適切な陰イオン性界面活性剤の具体例としては:Soprophor 3D33(Rhodia)、Soprophor PS19(Rhodia)及びDowafax30 C05(Dow)が挙げられる。
【0042】
非イオン性界面活性剤の具体例としては:Synperonic NP(Uniqema)、Soprophor BSU(Rhodia)、Rhodasurf BC−610(Rhodia)、Toximul 8240(Stepan)及びSynperonic 91/4(Uniqema)が挙げられる。
【0043】
本発明の組成物は湿潤剤も含むことができる(湿潤剤は、水溶性(親水性)及び水不溶性(疎水性)要素を有する界面活性化合物としても考えられる)が、それらは非イオン性である傾向があり、一般的に2000未満の分子量を有し、そのため(B)(ii)の成分であることができる。第一の側面の好ましい実施態様においては、湿潤剤は存在しない。
【0044】
有利には、2つの界面活性化合物(1つは(B)(i)であり、1つは(B(ii)である)は、第一の側面の組成物中で用いられる。
【0045】
本発明の組成物は、少なくとも1つの不凍剤も含むことができる。1つの実施態様において、不凍剤は、少なくとも約2重量%から最大で約25重量%、より具体的には3重量%〜約10重量%(第一の側面の組成物の重量に基づいて)で存在する。
【0046】
適切な不凍剤の具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,4−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,3−ジメチル−2,3−ブタンジオール、トリメチロルプロパン、マンニトール、ソルビトール、グリセロール、ペンタエリトリトール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、キシレノール、ビスフェノール、例えばビスフェノールAまたは同種のものが挙げられる。更に、エーテルアルコール、例えばジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、約4000までの分子量のポリオキシエチレン又はポリオキシプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ブトキシエタノール、ブチレングリコールモノブチルエーテル、ジペンタエリトリトール、トリペンタエリトリトール、テトラペンタエリトリトール、ジグリセロール、トリグリセロール、テトラグリセロール、ペンタグリセロール、ヘキサグリセロール、ヘプタグリセロール、及びオクタグリセロール。
【0047】
適切な不凍物質の特に好ましいサブセットとして、エチレングリコール、プロピレングリコール、及びグリセロールを挙げることができる。
【0048】
本発明の組成物は、任意に、水溶性で水分散性のフィルム形成ポリマーから選択される少なくとも1つのポリマーを含む。適切なポリマーは、少なくとも約7,000〜約200,000;より具体的には少なくとも約10,000〜約100,000の平均分子量を有する。本発明の組成物は、一般的に、約0重量%〜約10重量%のポリマーの組成物を含み、好ましくは1〜7重量%、例えば2〜6重量%(第一の側面の組成物の重量に基づいて)の量である。本明細書中で用いる場合、「非イオン性界面活性剤」は、本明細書中に記載した水分散性で水溶性のポリマーとは異なる化合物である。
【0049】
適切なポリマーは、
d1)エチレンビニルアセテート共重合体、
d2)ビニルアセテート/ビニルピロリドン共重合体、
d3)アルキル化ビニルピロリドン共重合体、
d4)ポリビニルピロリドン、及び
d5)ポリアルキレングリコール、例えばポリプロピレングリコール及びポリエチレングリコール
から選択される。
【0050】
本発明の組成物は、任意に、少なくとも1つの増粘剤も含む。1つの実施態様において、増粘剤は約0.01%〜約5%w/w、より具体的には0.05〜2重量%(第一の側面の組成物の重量に基づいて)の量で存在する。
【0051】
増粘剤(水性溶媒中で疑似塑性特性を示す水溶性ポリマー)の実例は、アラビアガム、カラヤガム、トラガカントガム、グアーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、カラギーナン、アルギン酸塩、カゼイン、デキストラン、ペクチン、アガー、2−ヒドロキシエチルデンプン、2−アミノエチルデンプン、2−ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース塩、硫酸セルロース、ポリアクリルアミド、無水マレイン共重合体のアルカリ金属塩、及びポリ(メタ)アクリル酸塩のアルカリ金属塩である。
【0052】
適切な増粘剤として、アタパルガイトタイプの粘度、カラギーナン、クロスカルメロースナトリウム、ファーセレラン、グリセロール、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリスチレン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルグアーガム、及びカルボキシメチルセルロースナトリウムも挙げることができる。キサンタンガム及びアタパルガイトタイプの粘土が好ましい。
【0053】
本発明の組成物は、製剤技術における通例のアジュバント、殺生剤、バイオスタット(biostat)、乳化剤(レクチン、ソルビタン、など)、消泡剤又は製剤の当業界において慣習的に用いられる適用促進アジュバントと共に用いることができる。更に、接種材料及び増白剤をあげることもできる。
【0054】
更に、着色剤、例えば色素又は顔料は、種子が処理されたかを観察者が即座に判断できるように、種子コーティング中に含まれる。着色剤は、適用したコーティングの均一性の程度を利用者に示すのにも有用である。一般的に、着色剤も、本発明の組成物中に懸濁される。
【0055】
本発明の組成物は、当業界で知られた方法により調製することができ、例えば、増粘剤以外の全ての成分を用いて均質な懸濁液を形成し、そして所望の粒径に達するまでこの懸濁液を湿式粉砕し、その後増粘剤及び更なる水を規定の粘度になるまで添加する。
【0056】
必要であれば、任意の不溶性粒子を除去するために、最終的な組成物をスクリーンすることができる。
【0057】
1つの実施態様において、第一の側面の市販品は、好ましくは濃縮物(「製剤製品」又は「プレミックス」としても知られている)として製剤される。それらは薄めないで用いることができ、或いは使用前に液体担体、例えば水、及び1又は複数の成分を用いてタンク中で希釈することができる。希釈(他の成分又は液体担体を添加することによる)をするかの決定は、利用者に利用可能な処理方法に依存する。第二の側面の組成物(「タンクミックス」又は「レディ トゥ アプライ」としても知られている)は、第一の側面の組成物を希釈する例である。スラリー組成物中の液体担体は、水である傾向にある。
【0058】
第一の側面の組成物は、更なる化合物を含むことができ、或いは更なる化合物を用いて連続的に繁殖材料、例えば種子に適用して、種子ドレッシングを形成することができる。これらの更なる化合物は、肥料又は微量栄養素ドナー又は植物の成長に影響を与える他の調製物であることができる。それらは、選択的な除草剤、真菌剤、他の殺虫剤、殺菌剤、昆虫成長抑制剤、植物成長抑制剤、殺線虫剤、軟体動物駆除剤、又はいくつかのこれらの調製物の混合物であることもできる。
【0059】
第一の側面の殺虫組成物は、単独で使用することができ、或いは繁殖材料の処理用の他の殺虫組成物との組み合わせで、一緒に又は連続的に使用することができる。好ましい実施態様において、第一の側面の組成物は、種子を処理するために、スラリー中で他の殺虫組成物を用いて使用することができる。
【0060】
一般的に、第二の側面の組成物は、害虫を防除するために適用する(例えば繁殖材料を処理することにより)。このような事象においては、このような組成物は、第一の側面の組成物(これは、第二の側面の組成物の調製物の成分である)よりも多くのタイプの製剤成分を含むだろう。
【0061】
使用
本発明の組成物は、従来の方法による植物からの害虫の防除に使用することができる。
【0062】
第一及び第二の側面の殺虫組成物は、植物繁殖材料の処理に使用され、この材料はその発芽及び成長の間に一定の保護を受ける。
【0063】
「植物繁殖材料」という用語は、植物の全ての生殖部分、例えば種子を意味すると理解され、これは後期及び栄養植物材料、例えば挿し木及び塊茎(例えば、ジャガイモ)の増殖に利用することができる。例えば、種子(厳格な意味で)、根、果実、塊茎、球根、根茎、植物体の一部を挙げることができる。発芽後又は土壌からの出芽後に移植される、発芽した植物および幼植物も挙げることができる。浸漬による全体または一部の処理によって、移植の前にこれらの幼植物を保護することができる。
【0064】
第一及び第二の側面の殺虫組成物は、種子の処理に特に適している。種子処理の適用に関する技術は、当業者に良く知られており、これらは本発明との関連で容易に利用することができる。本発明の目的で、種子処理物質は、病原体、昆虫、又は他の害虫を防除するために、種子又は栄養植物繁殖材料に適用する、化学物質又は生物学的物質として定義される。種子処理組成物としては、殺虫剤、例えば殺真菌剤、殺菌剤、殺線虫剤及び他のクラスの殺虫剤が挙げられる。ほとんどの種子処理物質は、胚を包囲する種皮を有する真の種子に適用される。しかし、いくつかの種子処理物質は、栄養植物繁殖材料、例えば根茎、球根、球茎又は塊茎に適用することができる。
【0065】
第一の側面の組成物は、例えば非希釈の形態において処理に使用することができ、或いは、例えば液体担体を用いて希釈することができる。この場合それは希釈され、このような組成物は、スラリー又はタンクミックスとして知られ、本発明の第二の側面の例を表す。第一及び第二の側面の組成物を種子に適用することができ、処理方法に依存して、乾燥後に種子上に殺虫剤のフィルム(又はドレッシング)、コーティング、又はペレットを生じさせる。これらの方法は当業界で良く知られており、そして種子に対しては、例えばフィルムコーティング又はカプセル化の技術を使用し、或いは他の生殖材料に対しては、例えば浸漬の技術を使用する。言うまでもなく、種子にこの化合物を適用する方法は変えることができ、本発明は用いられる任意の技術を含むことが意図されている。
【0066】
本発明の組成物は、栽培植物及びそれらの繁殖材料の保護用に製剤する。この組成物は、有利には、土壌生息昆虫(植物の発達の初期段階において作物にダメージを与え得る)に対する種子処理の適用のために製剤する。例えば、この組成物は、昆虫及び代表的なアカルニア(Acarnia)目、例えば:
鱗翅目から、例えば、アクレリス種(Acleris spp)、アドキソフィエス種(Adoxophyes spp)、アエゲリア種(Aegeria spp)、アグロチス種(Agrotis spp)、アラバマ アルギラセアエ(Alabama argillaseae)、アミロイス種(amylois spp)、アンチカルシア ゲマタリス(Anticarsia gemmatalis)、アルチプス種(Archips spp)、アルギロタエニア種(Argyrotaenia spp)、アウトグラファ種(Autographa spp)、ブセオラ フスカ(Busseola fusca)、カドラ カウテラ(Cadra cautella)、カルポシナ ニッポネシス(Carposina nipponesis)、チロ種(Chilo spp)、コリストネウラ種(Choristoneura spp)、クリシア アンビグエラ(Clysia ambiguella)、クナファロクロシス種(Cnaphalocrocis spp)、クネファシア種(Cnephasia spp)、コチリス種(Cochylis spp)、コレオフォラ種(Coleophora spp)、クロシドロミア ビノタリス(Crocidolomia binotalis)、クリプトフレビア ロイコトレタ(Cryptophlebia leucotreta)、シジア種(Cydia)、ジアトラエア種(Diatraea spp)、ジパロプシス カスタネア(Diparopsis castanea)、エアリアス種(Earias spp)、エフェスチア種(Ephestia spp)、エウコスマ種(Eucosma spp)、エウポエシリア アンビグエラ(Eupoecillia ambiguella)、エウプロクチス種(Euproctis spp)、エウクソア種(Euxoa spp)、グラフォリタ種(Grapholita spp)、ヘジア ヌビフェラナ(Hedya nubiferana)、ヘリオシス種(Heloithis spp)、ヘルラ ウンダリス(Hellula undalis)、ハイファントリア クネア(Hyphantria cunea)、ケイフェリア リコペルシセラ(Keiferia lycopersicella)、ロイコプテラ スシテラ(Leucoptera scitella)、リソコレシス種(Lithocollethis spp)、ロベシア ボトラナ(Lobesia botrana)、リマントリア種(Lymantria spp)、リオネチア種(Lyonetia spp)、マラコソマ種(Malacosoma spp)、マメストラ ブラシカエ(Mamestra brassicae)、マンドゥカ セクスタ(Manduca Sexta)、オペロフテラ種(Operophtera spp)、オストリニア ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)、パメネ種(Pammene spp)、パンデミス種(Pandemis spp)、パノリス フラメア(Panolisflammea)、ペクチノフォラ ゴシピエラ(Pectinophora gossypiella)、フトリマエア オペルクレラ(Phthorimaea operculella)、ピエリス ラパエ(Pieris rapae)、ピエリス種(Pieris spp)、プルテラ キシロステラ(Plutella xylostella)、プライス種(Prays spp)、スクリポファガ種(Scripophaga spp)、セサミア種(Sesamia spp)、スパルガノシス種(Sparganothis spp)、スポドプテラ種(Spodoptera spp)、シナンセドン種(Synanthedon spp)、タウメトポエア種(Thaumetopoea spp)、トルトリクス種(Tortrix spp)、トリコプルシアニ(Trichoplusia ni)及びイポノメウタ種(Yponomeuta spp);
甲虫目から、例えば、
アグリオテス種(Agriotes spp)、アントノムス種(Anthonomusu spp)、アトマリア リネアリス(Atomaria linearis)、カエトクネマ チビアリス(Chaetocnema tibialis)、コスモポリテス種(Cosmopolites spp)、クルクリオ種(Curculio spp)、デルメテス種(Dermetes spp)、ジアブロチカ種(Diabrotica spp)、エピラクナ種(Epilachna spp)、エレムヌス種(Eremnus spp)、レプチノタルサ デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、リソロプトルス種(Lissorhoptrus spp)、メロロンタ種(Melolontha spp)、オリカエフィルス種(Orycaephirus spp)、オチオリンクス種(Otiorhynchus spp)、フリクチヌス種(Phlyctinus spp)、ポピリア種(Popillia spp)、プシリオデス種(Psylliodes spp)、リゾペルタ種(Rhizopertha spp)、スカラベイダエ(Scarabeidae)、シトフィルス種(Sitophilus spp)、シトトロガ種(Sitotroga spp)、テネブリオ種(Tenebrio spp)、トリボリウム種(Tribolium spp)及びトロゴデルマ種(Trogoderma spp);
直翅目から、例えば、
ブラッタ種(Blatta spp)、ブラッテラ種(Blattella spp)、グリロタルパ種(Gryllotalpa spp)、ロイコファエア マデラエ(Leucophaea maderae)、ロクスタ種(Locusta spp)、ペリプラネタ種(Periplaneta spp)及びスチストセルカ種(Schistocerca spp);
等翅目から、例えば、
レチクリテルメス種(Reticulitermes spp);
チャタテムシ目から、例えば、
リポセリス種(Liposcelis spp);
シラミ目から、例えば、
ハエマトピヌス種(Haematopinus spp)、リノグナサス種(Linognathusu spp)、ペジクルス種(Pediculus spp)、ペムフィグス種(Pemphigus spp)及びフィロキセラ種(Phylloxera spp);
ハジラミ目から、例えば、
ダマリネア種(Damalinea spp)及びトリコデクテス種(Trichodectes spp);
総翅目から、例えば、
フランクリニエラ種(Frankliniella spp)、ヘルシノスリプス種(Hercinothrips spp)、タエニオスリプス種(Taeniothrips spp)、スリプス パルミ(Thripspalmi)、スリプス タバシ(Thrips tabaci)及びスシルトスリプス アウランチイ(Scirtothrips aurantii);
異翅目から、例えば、
シメックス種(Cimex spp)、ジスタンチエラ テオブロマ(Distantiellatheobroma)、ジスデルクス種(Dysdercus spp)、オイチスツス種(Euchistus spp)、オイリガステル種(Eurygaster spp)、レプトコリサ種(Leptocorisa spp)、ネザラ種(Nezara spp)、ピエスマ種(Piesma spp)、ロドニウス種(Rhodnius spp)、サールベルゲラ シングラリス(Sahlbergella singularis)、スコチノファラ種(Scotinophara spp)及びトリアトマ種(Triatoma spp);
同翅目から、例えば、
アレウロトリクス フロコスス(Aleurothrixus floccosus)、アレイロデス ブラシカエ(Aleyrodes brassicae)、アオニジエラ種(Aonidiella spp)、アフィジダエ(Aphididae)、アフィス種(Aphis spp)、アスピドツス種(Aspidotus spp)、ベミシア タバシ(Bemisia tabaci)、セロプラステル種(Celoplaster spp)、クリソムファルス アオニジウム(Chrysomphalus aonodium)、クリソムファルス ジクチオスペルミ(Chrysomphalus dictyospermi)、コカス ヘスペリダム(Coccus hesperidum)、エンポアスカ種(Empoasca spp)、エリオソマ ラリゲルム(Eriosoma larigerum)、エリスロノイラ種(Erythroneura spp)、ガスカルジア種(Gascardia spp)、ラオデルファクス種(Laodelphax spp)、レカニウム コルニ(Lecanium corni)、レピドサフェス種(Lepidosaphes spp)、マクロシフス種(Macrosiphus spp)、ミズス種(Myzus spp)、ネフォテチックス種(Nephotettix spp)、ニラパルバタ種(Nilaparvata spp)、パラトリア種(Paratoria spp)、ペムフィグス種(Pemphigus spp)、プラノコカス種(Planococcus spp)、シュードアウラカスピス種(Pseudoaulacaspis spp)、シュードコカス種(Pseudococcus spp)、プシラ種(Psylla spp)、プルビナリア アエチオピカ(Pluvinaria aethiopica)、クアドラスピジオツス種(Quadraspidiotus spp)、ロパロシフム種(Rhopalosiphum spp)、サイセチア種(Saissetia spp)、スカフィオデウス種(Scaphoideus spp)、スチザフィス種(Schizaphis spp)、シトビオン種(Sitobion spp)、トリアロイロデス バポラアリオルム(Trialeurodes vaporariorum)、トリオザ エリトリアエ(Trioza erytreae)及びウナスピス シトリ(Unaspis citri);
膜翅目から、例えば、
アクロミルメクスアッタ種(Acromyrmex Atta spp)、セフス種(Cephus spp)、ジプリオン種(Diprion spp)、ジプリオニダエ(Diprionidae)、ギルピニア ポリトマ(Glipinia polytoma)、ホプロカムパ種(Hoplocampa spp)、ラシウス種(Lasius spp)、モノモリウム ファラオニス(Monomorium pharaonis)、ネオジプリオン種(Neodiprion spp)、ソレノプシス種(Solenopsis spp)及びベスパ種(Vespa spp);
双翅目から、例えば、
アエデス種(Aedes spp)、アンテリゴナ ソカタ(Antherigona soccata)、バビオ ホルツラヌス(Babio hortulanus)、カリフォラ エリスロセファラ(Calliphoraerythrocephala)、セラチチス種(Ceratitis spp)、クリソミア種(Chrysomyia spp)、クレックス種(Culex spp)、クテレブラ種(Cuterebra spp)、ダクス種(Dacus spp)、ドロソフィラ メラノガステル(Drosophila melanogaster)、ファニア種(Fannia spp)、ガストロフィルス種(Gastrophilus spp)、グロシナ種(Glossina spp)、ヒポデルマ種(Hypoderma spp)、ヒッポボスカ種(Hyppobosca spp)、リリオミザ種(Liriomyza spp)、ルシリア種(Lucilia spp)、メラナグロミザ種(Melanagromyza spp)、ムスカ種(Musca spp)、オエストルス種(Oestrus spp)、オルセオリア種(Orseolia spp)、オシネラ フリット(Oscinella frit)、ペゴミア ヒオシアミ(Pegomyia hyoscyami)、フォルビア種(Phorbia spp)、ラゴレチス ポモネラ(Rhagoletis pomonella)、スシアラ種(Sciara spp)、ストモキス種(Stomoxys spp)、タバヌス種(Tabanus spp)、タニア種(Tannia spp)及びチプラ種(Tipula spp);
隠翅目から、例えば、セラトフィルス種(Ceratophyllus spp)及びキセノプシラ チェオピス(Xenopsylla cheopis);
シミ目から、例えば、レピスマ サッカリナ(Lepisma saccharina);
アブラナ科ノミカブトムシ(フィロトレタ種(phyllotreta spp.))、根食い虫(デリア種(Dekia spp。))、キャベツ莢ゾウムシ(セウトリンカス種(Ceutorhynchus spp.))及びアブラムシ;並びに
ダニ目から、例えば、アカルス シロ(Acarus siro)、アセリア シェルドニ(Aceria sheldoni)、アクルス シュレクテンダリ(Aculus schlechtendali)、アンブリオマ種(Amblyomma spp)、アルガス種(Argas spp)、ブーフィルス種(Boophilus spp)、ブレビパルプス種(Brevipalpus spp)、ブリオビア プラエチオサ(Bryobia praetiosa)、カリピトリメルス種(Calipitrimerus spp)、コリオプテス種(Chorioptes spp)、デルマニスス ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、エオテトラニクス カルピニ(Eotetranychus carpini)、エリオフィエス種(Eriophyes spp)、ヒアロマ種(Hyalomma spp)、イクソデス種(Ixodes spp)、オリゴニクス プラテンシス(Olygonychus pratensis)、オルニソドロス種(Ornithodoros spp)、パノニクス種(Panonychus spp)、フィロコプトルタ オレイボラ(Phyllocoptruta oleivora)、ポリファゴタルソネムス ラツス(Polyphagotarsonemus latus)、プソロプテス種(Psoroptes spp)、リピセファルス種(Rhipicephalus spp)、リゾグリフス種(Rhizoglyphus spp)、サルコプテス種(Sarcoptes spp)、タルソネムス種(Tarsonemus spp)及びテトラニクス種(Tetranychus spp)
をターゲットにするために製剤することができる。
【0067】
植物に寄生する線虫による攻撃に対する、発達している植物の保護も獲得され、この場合
殺虫剤は、例えばアバメクチンである。アバメクチンは広い範囲の線虫害虫に対して効果的であり、例えばメロイドジン(Meloidogyne)(例えば、メロイドジンインコジニタ(Meloidogyne incoginita)、及びメロイドジンジャバニカ(Meloidogyne javanica))、ヘテロデラ(Heterodera)(例えば、ヘテロデラグリシン(Heterodera glycine)、ヘテロデラチャクチイ(Heterodera schachtii)、ヘテロドラアベナエ(Heterodora avenae)、及びヘテロドラトリフォリイ(Heterodora trifolii))、グロボデラ(Globodera)(例えば、グロボデラロストチエンシス(Globodera rostochiensis))、ラドフォラス(Radopholus)(例えば、ラドフォラス シミリス(Radopholus similis))、ロチレンキュルス(Rotylenchulus)、プラチレンクス(Pratylenchus)(例えば、プラチレンクスネグレクタンス(Pratylenchus neglectans)、及びプラチレンクスペネトランス(Pratylenchus penetrans))、アフェレンコイデス(Aphelenchoides)、ヘリコチレンクス(Helicotylenchus)、ホプロライムス(Hoplolaimus)、パラトリコドラス(Paratrichodorus)、及びチレンキュルス(Tylenchulus)、特にメロイドジン(Meloidogyne)の種である。
【0068】
第一及び第二の側面の組成物(アバメクチンが殺虫剤として存在する場合)は、線虫を防除するのに特に効果的である。
【0069】
任意で、昆虫害虫の防除に加えて、有利には、本発明の組成物は、土壌中の病気(たいていは植物の発達の初期の段階で生じる)に対する種子処理の適用のための殺真菌剤と共に製剤する。例えば、病原菌、例えばフハイカビ(Pythium)、ナマグサクロボキン(Tilletia)、ゲルラキア(Gerlachia)、セプトリア(Septoria)、黒穂菌属(Ustilago)、フサリウム(Fusarium)、紋枯病菌(Rhizoctonia)(いわゆる、「立ち枯れ病複合(complex)」);卵菌類(Oomycetes)、例えば疫病菌(Phytophthora)、プラスモパラ(Plasmopara)、シュードペロノスポラ(Pseudoperonospora)、ラッパツユカビ(Bremia)など、そしてボトリチス(Botrytis)種、ピレノホラ(Pyrenophora)、菌核菌(Monilinia)並びに更なる代表的な子嚢菌(Ascomycete)、不完全菌類(Deuteromycete)及び担子菌類(Basidiomycete)のクラスに対して。
【0070】
適切な標的作物は、特にジャガイモ、穀類、(コムギ、オオムギ、ライムギ、オートムギ)、コメ、トウモロコシ、甜菜、綿、雑穀類、ソルガム、タバコ、ヒマワリ、マメ、エンドウマメ、油脂植物(菜種、カノーラ)、ダイズ、キャベツ、トマト、ナス(ナス)、コショウ及び他の野菜、並びにスパイス及び装飾用低木及び装飾用花である。
【0071】
適切な標的作物は、前述の種類の遺伝子組み換え作物も含む。本発明で用いる組み換え作物は、それらの植物体、又は繁殖材料である。それらは組み換えDNA技術により形質転換され、それにより、例えばそれらは、例えば毒素産生無脊椎動物(特に、節足動物門の)からのものとして知られている(バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)株から得ることができる)選択的に作用する毒素;又は植物からのものとして知られている選択的に作用する毒素、例えばレクチンを合成することができ;或いは別に、除草剤若しくは殺真菌剤抵抗性を発現することができる。このような毒素、又はこのような毒素を合成することのできる組み換え植物の例は、例えばEP−A−0374753、WO93/07278、WO95/34656、EP−A−0427529及びEP−A−451878において開示されており、これらは本出願において引用文献により組み込まれている。
【0072】
この組成物は、植物繁殖材料へのドレッシング塗布に適している。後者の用語は、全ての種類の種子(果実、塊茎、穀粒)、挿し木、切断したシュート(shoot)などを包含する。適用の好ましい分野は、全ての種類の種子(上記の標的作物において特定した)の処理、そして特に、カノーラ、トウモロコシ、穀類、綿、トマト、タバコ、ダイズ、他のマメ科植物、並びに感染しやすい他の野菜及び作物(特に、綿、トウモロコシ及びダイズ作物の種子が好ましい)の種子処理である。
【0073】
上記で指摘したように、本発明の組成物は、種子処理タンク中で製剤または混合することができ、或いは他のペレット物質及び/又は種子処理物質で上塗りすることにより種子上に結合させることができる。本発明の化合物と混合する物質は、害虫の防除、栄養、及び植物病害の抑制のためのものであることができる。
【0074】
この組成物は、同時の及び連続的な種子処理に対する特定用途を有する。一般的に、本発明の組成物を用いて処理した種子は、室温で処理する場合、20〜60秒の範囲の乾燥時間を有する。一般的に、野菜の種子に対しては、スプレー乾燥技術を用いる。
【0075】
本発明の組成物を適用する好ましい方法は、植物繁殖材料を液体調製物を用いてスプレーすること又は湿らせること、或いはこの植物材料をこのような液体調製物と混合することから成る。また、適用の前に、本発明の組成物を周囲温度で単に混合することにより水で希釈し、農場用の種子処理製剤を調製することができる。
【0076】
この製剤は、安価作物、例えば穀類に対して、種子100kgあたり200ml〜3リットル、より具体的には400ml〜2リットルの範囲の適用体積で適用することができる。野菜作物種子に対しては、その量はより高い傾向にある。
【0077】
この組成物の有益な特徴は、粒子、特に浮遊粒子の種子への付着力を増大させ、それによりほこりを減少させ、そしてその後、関連するほこりの問題を解消することである。多くの種子処理に関連するほこりの除去は、処理した種子と共に働く人々、例えば処理工場の従業員、トラックドライバー、倉庫の労働者、及び農民への関連する健康被害をも解消する。本発明の組成物は、繁殖材料の申し分のない流動性及び固体性をも可能にする(すなわち、この材料を容易に扱うこと、及び互いに貼り付ないことを可能にする)。
【0078】
本発明の更に別の利点は、ほこりを出さない種子処理による種子の均一なコーティングであり、これは種子の発芽及び成長を妨げず、害虫、特に土壌害虫から種子及びその結果得られる苗を保護する。
【0079】
早期の作物保護のための、本発明の組成物の、種子、種子部分への直接的な適用、又はむき出しの根のディップ(dip)処理は、経済的及び環境的見地の双方から、いくつかの明確な利点を有する。好ましくは種まき又は播種の前に、種子、種子部分又はむき出しの根を、殺虫剤、例えばアバメクチンの場合は殺線虫剤を用いて処理することにより、殺虫剤は害虫、例えば線虫の部位に集中して、攻撃をし、それにより、従来の土壌適用と比較して、より少ない活性成分が1エーカーあたりに必要とされる。これは、害虫防除をより経済的にするだけでなく、環境外乱及び任意の目的としない副作用を最小にする。
【0080】
本出願中で用いる場合、本発明の特徴の実施態様は、特段の断りのない限り、互いに独立している。
【0081】
以下の実施例は、本発明の限定としてではなく、実例として与えられる。
【実施例】
【0082】
製剤実施例A、B、1及び2は、界面活性剤、増粘剤、ポリマー(もしあれば)、懸濁補助物質(aid)(もしあれば)、消泡剤、保存剤及び不凍剤を、均一相が得られるまで水と混合することにより調製する。その後、アバメクチンを加え、混合する。次に、得られた混合物を、いわゆるビーズミル(例えば、Dyno、Drais、Premier)により湿式粉砕する。粉砕パラメータは、得られた粉末のプレミックスの平均粒径が規格内(通常、メジアン粒径平均は、大きくて2.0umである)であるように設定される。最終的に、バッファー(もしあれば)及び少量の水を添加し、最終産物を少なくとも30分間混合する。表1は、それらの組成物の詳細を示し、消泡剤、保存剤、増粘剤及び水は省略した。
【0083】
適合性試験
各殺虫製剤の実施例A、B、1及び2を、約pH5.5の殺虫製剤(X)と混合して、スラリー組成物を形成し、その適合性を観察する。実施例1及び2は、実施例A及びBよりも優れた適合性を与える(すなわち、より少ない凝集及びより優れた均一性)ことが見出される。
【0084】
種子処理試験
種子上におけるこの組成物の処理比は、固体物質(例えば、活性成分及び着色剤)の当量が種子に適用されるというものである。
【0085】
アバメクチンを含まない組成物:
殺虫製剤(X)、炭酸カルシウム、殺真菌剤殺虫製剤及び着色剤を含む組成物(Y)、ポリマー(Z)並びに水を含むスラリー組成物を、Hege種子処理装置により、綿の種子に処理する。
【0086】
ポリマーを含まない:
各殺虫製剤の実施例A,B、1及び2を、殺虫製剤(X)及び水と混合し、そしてHege種子処理装置により、炭酸カルシウム、殺真菌剤殺虫製剤及び着色剤を含む組成物(Y)で既に処理した綿の種子に処理する。
【0087】
ダスト−オフ測定
処理した種子から放出される「ほこり」の量を、リッジを有するプラスチックドラム(ドラムが回転する際に、リッジは種子の処理及び搬送を促す)中に処理した種子を置くことにより測定する。精密な気流制御システムは、フィルター上の粗いフィルターセパレーターを通って浮遊粒子を運ぶ一定の気流を提供する。ほこりの量は、フィルターの重さを量ることにより測定する。「ダスト−オフ」測定のデータを、表2に示す。
【0088】
このデータは、組み合わせの界面活性化合物(製剤1及び2)を含む組成物で処理した種子は、製剤A及びBを含む組成物と比較して、より少ない浮遊粒子を与える(すなわち、より優れた「ダスト−オフ」)ことを明確に示す。更に驚いたことに、製剤1及び2を含む組成物からのほこりの量は、アバメクチンを含まない組成物(すなわち、種子上の固体含有量がより少ない組成物)で処理した種子のものより少ない。
【0089】
【表1】

【0090】
【表2】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)組成物の総重量に基づいて、少なくとも3重量%の量の、少なくとも1つの殺虫剤及び/又は殺線虫剤、及び
(B)少なくとも2つの界面活性化合物であって、(i)少なくとも1つがリン酸アニオンタイプの化合物であり、且つ(ii)少なくとも1つが非イオン性アルコキシル化フェノールである界面活性化合物
を含んで成る、懸濁液の形態の、水性の種子処理殺虫組成物及び/又は殺線虫組成物。
【請求項2】
(B)(i)の界面活性化合物の分子量が、2200未満、好ましくは1700未満、例えば400〜1500の範囲、より好ましくは600〜1200の範囲である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
(B)(ii)の界面活性化合物の分子量が、2200未満、好ましくは1700未満、例えば400〜1500の範囲、好ましくは600〜1200の範囲である、請求項1又は請求項2のどちらかに記載の組成物。
【請求項4】
前記組成物が懸濁組成物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
(A)がアバメクチンである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項において定義した組成物、液体担体、及び任意に(i)1又は複数の製剤アジュバント、(ii)1又は複数の他の殺虫組成物であって、それぞれが少なくとも1つの更なる殺虫剤を含んで成る殺虫組成物、又は(i)及び(ii)の双方を含んで成るスラリー組成物。
【請求項7】
殺虫有効量の請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物を用いて、植物繁殖材料を処理することによる、植物繁殖材料を害虫による攻撃から保護する方法。
【請求項8】
殺虫有効量の請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物又は請求項7に記載の方法により得られる組成物を用いて処理した植物繁殖材料を含んで成る害虫抵抗性植物繁殖材料。
【請求項9】
殺虫組成物又はスラリー組成物における、当該組成物で処理した植物繁殖材料のダスト−オフ特性を向上させるための、少なくとも2つの界面活性化合物であって、(i)少なくとも1つがリン酸アニオンタイプの化合物であり、且つ(ii)少なくとも1つが非イオン性アルコキシル化アルコール又はフェノールである界面活性化合物の使用。
【請求項10】
(I)第一の及び第二の殺虫組成物を含んで成るスラリー組成物、又は(II)第二の殺虫組成物のどちらかに存在する、pHが7未満の第一の殺虫組成物の第二の殺虫組成物との適合性を向上させるための、少なくとも2つの界面活性化合物であって、(i)少なくとも1つの界面活性化合物がリン酸アニオンタイプの化合物であり、且つ(ii)少なくとも1つの界面活性化合物が非イオン性アルコキシル化アルコール又はフェノールである界面活性化合物の使用。
【請求項11】
1又は複数の殺虫組成物(ii)が7未満のpHを有する、請求項5又は請求項6のどちらかに記載のスラリー組成物。

【公表番号】特表2007−529453(P2007−529453A)
【公表日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−503274(P2007−503274)
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【国際出願番号】PCT/EP2005/002754
【国際公開番号】WO2005/089545
【国際公開日】平成17年9月29日(2005.9.29)
【出願人】(500584309)シンジェンタ パーティシペーションズ アクチェンゲゼルシャフト (352)
【Fターム(参考)】