説明

積層コイル

【課題】小径の環状導電板の外周側に大径の環状導電板を配置した場合に比較して、放熱性を向上させた積層コイルを提供する。
【解決手段】積層コイル100は、環状導電板1A,1Bを備え、この環状導電板1A,1Bが絶縁体10を介して軸方向に積層され、環状導電板1A,1Bは、第1の円弧部11a,11bと、第1の円弧部11a,11bの外径よりも大きな内径を有する第2の円弧部12a,12bと、第1の円弧部11a及び第2の円弧部12aを連結する連結部13aと、第1の円弧部11b及び第2の円弧部12bを連結する連結部13bとを備え、環状導電板1A,1Bが、連結部13a,13b同士を対向させて、第1の円弧部11a,11b及び第2の円弧部12a,12bが径方向に並列するように配置されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層コイルに関し、特に複数の環状導電板が軸方向に積層されてなる積層コイルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の平角線を軸方向に巻き上げ加工して構成されたコイルが知られている(例えば、特許文献1及び2参照)。
【0003】
特許文献1に記載の低背型積層コイルは、平角線を軸方向に巻き上げ加工してなる各3ターンの第1コイル及び第2コイルを同心円状に並列配置して構成されている。
【0004】
特許文献2に記載の多重コイルは、平角絶縁電線を軸方向に並列平巻した単層コイルを2段以上密着して重ねて構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−306757号公報
【特許文献2】特開2010−10176号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記のように構成されたものでは、内側のコイルの全長が外側のコイルの全長よりも短く、そのため内側のコイルの電気抵抗が比較的小さくなるので、内側のコイルに電流が集中し、内側のコイルにおけるジュール熱による発熱が外側のコイルよりも大きくなる。また、内側のコイルは、その全周にわたって外側のコイルに囲まれているため、外側のコイルよりも放熱性が低く、内側のコイルの温度上昇によって流すことができる電流が制限されてしまう。
【0007】
また、内側のコイルの幅を外側のコイルの幅よりも小さくすることで、内側のコイルと外側のコイルの電気抵抗(直流成分)を均等にすることも考えられるが、そのような対策をとったとしても、高周波成分を含む電流を流した場合、外側のコイルの方が電流経路を囲む面積が広いため、外側のコイルのインダクタンスが内側のコイルのインダクタンスよりも大きくなり、周波数の高い電流成分は内側のコイルの方により多く流れる。このため、やはり内側のコイルの発熱が外側のコイルの発熱よりも大きくなってしまう。
【0008】
また、内側のコイル及び外側のコイルには、これらコイル間を絶縁するための絶縁体(例えばポリイミド)が被覆されるが、この絶縁体は、コイルを構成する導電性金属(例えば銅やアルミニウム等)よりも熱抵抗が大きい。従って、内側のコイルで発生した熱を外周方向に逃がす場合、その放熱経路に、内側のコイルの外周側の絶縁体と、外側のコイルの内周側及び外周側の絶縁体とが含まれるため、内側のコイルの放熱性はさらに低くなる。
【0009】
そこで、本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、小径の環状導電板の外周側が大径の環状導電板に囲まれている場合に比較して、放熱性を向上させた積層コイルを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記課題を解決することを目的として、平板状に形成された複数の環状導電板を備え、各環状導電板が絶縁体を介して軸方向に積層された積層コイルであって、前記各環状導電板は、内径及び外径が互いに異なる同心状の複数の円弧部と、前記複数の円弧部を相互に連結する連結部とを備え、前記複数の環状導電板が、前記各環状導電板の前記連結部同士を対向させて、前記各環状導電板の円弧部が径方向に並列するように配置されている積層コイルを提供する。
【0011】
また、前記連結部は、前記複数の円弧部よりも厚みが薄く形成されているとよい。
【0012】
また、前記複数の環状導電板として、第1の環状導電板と第2の環状導電板とを備え、前記第1の環状導電板及び前記第2の環状導電板は、第1の円弧部と、前記第1の円弧部と同心状で前記第1の円弧部の外径よりも大きな内径を有する第2の円弧部と、前記第1の円弧部及び前記第2の円弧部を相互に連結する連結部とを有し、前記第1の環状導電板の前記第1の円弧部の径方向外側に前記第2の環状導電板の前記第2の円弧部が配置され、かつ前記第2の環状導電板の前記第1の円弧部の径方向外側に前記第1の環状導電板の前記第2の円弧部が配置されていてもよい。
【0013】
また、前記第1の環状導電板及び前記第2の環状導電板は、互いに同形状に形成され、表裏を反転させて積層されているとよい。
【0014】
また、前記複数の環状導電板として、第1乃至第3の環状導電板を備え、前記第1乃至第3の環状導電板は、第1の円弧部と、前記第1の円弧部と同心状で前記第1の円弧部の外径よりも大きな内径を有する第2の円弧部と、前記第1及び第2の円弧部と同心状で前記第2の円弧部の外径よりも大きな内径を有する第3の円弧部と、前記第1乃至第3の円弧部のうち、何れか2つの円弧部を連結する第1及び第2の連結部とをそれぞれ有し、前記第1乃至第3の環状導電板は、何れか一つの環状導電板の前記第1の円弧部の径方向外側に、他の2つの環状導電板の前記第2及び第3の円弧部が配置されるように積層されているとよい。
【0015】
また、前記第1乃至第3の環状導電板のうち、何れか2つの環状導電板は同形状に形成され、当該2つの環状導電板が表裏を反転させて積層されているとよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る積層コイルによれば、小径の環状導電板の外周側が大径の環状導電板に囲まれている場合に比較して、放熱性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態に係る積層コイルを構成する環状導電板の形状の一例を示し、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【図2】(a)は、2つの環状導電板を表裏を反転して軸方向に積層した状態を示す斜視図、(b)及び(c)は(a)の分解斜視図である。
【図3】第1のコイル部及び第2のコイル部を軸方向に積層した積層コイルを示し、(a)は全体斜視図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB−B線断面図、(d)は(a)のC−C線断面図、(e)は(a)のD−D線断面図、(f)は(a)のE−E線断面図である。
【図4】帯状の導電性金属のプレス成型により得られた複数の環状導電板が、支持部を介して支持部材に支持された状態の一例を示す平面図である。
【図5】3つの積層コイルを並列に接続する場合の接続例を示す説明図である。
【図6】3つの積層コイルを直列に接続する場合の接続例を示す説明図である。
【図7】本実施の形態に係る積層コイルを示し、(a)は正面図、(b)は(a)のF−F線断面図、(c)は(a)のG−G線断面図、(d)は(a)のH−H線断面図である。
【図8】第1〜第3の環状導電板の形状を示す正面図であり、(a)は第1の環状導電板を、(b)は第2の環状導電板を、(c)は第3の環状導電板を、それぞれ示す。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の実施の形態に係る積層コイルを構成する環状導電板の形状の一例を示し、(a)は正面図、(b)は背面図である。
【0019】
環状導電板1は、銅やアルミニウム等の導電性の金属からなる平板状に形成されている。この環状導電板1は、第1の円弧部11と、第2の円弧部12と、第1の円弧部11及び第2の円弧部12を相互に連結する連結部13と、第1の円弧部11に連続して設けられた第1の端子片14と、第2の円弧部12に連続して設けられた第2の端子片15とを一体に有している。また、環状導電板1は、第1の端子片14と第2の端子片15との間に形成されたスリット状の隙間Sを除き、環状に形成されている。
【0020】
第1の円弧部11と第2の円弧部12は、中心点Oを共有する同心状の円弧形状であり、径方向に重ならないように形成されている。第1の円弧部11及び第2の円弧部12は、それぞれの内径及び外径が異なり、第2の円弧部12の内径は第1の円弧部11の外径よりも大きく形成されている。本実施の形態では、第1の円弧部11の内半径(中心点Oから第1の円弧部11の内側の端部までの距離)r11が14.5mm、第1の円弧部11の外半径(中心点Oから第1の円弧部11の外側の端部までの距離)r12が19.5mm、第2の円弧部11の内半径(中心点Oから第2の円弧部12の内側の端部までの距離)r21が20.0mm、第2の円弧部12の外半径(中心点Oから第2の円弧部12の外側の端部までの距離)r22が25mmに設定されている。
【0021】
連結部13は、第1の円弧部11及び第2の円弧部12よりも径方向の幅が広く形成された円弧形状であり、周方向の一端に第1の円弧部11の一端が連結され、周方向の他端に第2の円弧部12の一端が連結されている。連結部13の厚みは、第1の円弧部11及び第2の円弧部12の厚みよりも薄く形成されている。
【0022】
第1の端子片14は、第1の円弧部11の他端(連結部13に連結された側とは反対側の端部)に設けられている。また、第2の端子片15は、第2の円弧部12の他端(連結部13に連結された側とは反対側の端部)に設けられている。第1の端子片14と第2の端子片15とは、スリット状の隙間Sを介して並列し、第1の円弧部11の他端及び第2の円弧部12の他端から径方向外側に向かって延びる長方形状に形成されている。第1の端子片14及び第2の端子片15の厚みは、第1の円弧部11及び第2の円弧部12の厚みよりも薄く形成されている。
【0023】
連結部13は、第1の端子片14と第2の端子片15との間の隙間Sの中心点Oに対して点対称の位置に形成されている。これにより、連結部13の一端から第1の円弧部11を経由して隙間Sに至るまでの角度θと、連結部13の他端から第2の円弧部12を経由して隙間Sに至るまでの角度θとが略等しくなるように構成されている。
【0024】
第1の円弧部11、第2の円弧部12、連結部13、第1の端子片14、及び第2の端子片15は、背面視(図1(b)に示す)では、同一平面上に並ぶように形成されている。また、正面視(図1(a)に示す)では、第1の円弧部11及び第2の円弧部12よりも、連結部13、第1の端子片14、及び第2の端子片15が窪むように形成されている。
【0025】
図2(a)は、2つの環状導電板1を表裏を反転して軸方向に積層した状態を示す斜視図、図2(b)及び(c)は(a)の分解斜視図である。
【0026】
2つの環状導電板1は互いに同形状であるが、以降の説明では、これら2つの環状導電板1を区別するため、一方の環状導電板1を「第1の環状導電板1A」、他方の環状導電板1を「第2の環状導電板1B」とする。
【0027】
また、第1の環状導電板1Aの第1の円弧部11を「第1の円弧部11a」、第2の円弧部12を「第2の円弧部12a」、連結部13を「連結部13a」、第1の端子片14を「第1の端子片14a」、第2の端子片15を「第2の端子片15a」とする。
【0028】
また同様に、第2の環状導電板1Bの第1の円弧部11を「第1の円弧部11b」、第2の円弧部12を「第2の円弧部12b」、連結部13を「連結部13b」、第1の端子片14を「第1の端子片14b」、第2の端子片15を「第2の端子片15b」とする。
【0029】
第1の環状導電板1Aと第2の環状導電板1Bとは、連結部13a及び連結部13bを対向させて、中心軸線c方向(軸方向)に積層されている。また、第1の環状導電板1Aと第2の環状導電板1Bとが積層された状態では、図2(a)に示すように、第1の円弧部11bの径方向外側に第2の円弧部12aが配置され、第1の円弧部11aの径方向外側に第2の円弧部12bが配置されている。つまり、第1の環状導電板1A及び第2の環状導電板1Bは、第1の円弧部11bと第2の円弧部12a、及び第1の円弧部11aと第2の円弧部12bが、径方向に並列するように配列されている。
【0030】
なお、本実施の形態では、第1の円弧部11b及び第2の円弧部12aの軸方向の位置、ならびに第1の円弧部11a及び第2の円弧部12bの軸方向の位置が一致するように、すなわち第1の円弧部11a,第2の円弧部12a,第1の円弧部11b,第2の円弧部12bが中心軸線cに直交する同一平面上に配置されるように、第1の環状導電板1Aと第2の環状導電板1Bとが積層されているが、第1の円弧部11b及び第2の円弧部12a、ならびに第1の円弧部11a及び第2の円弧部12bは、少なくとも一部が厚さ方向において重なるように、径方向に並列していればよい。
【0031】
図3は、第1の環状導電板1Aの表面に絶縁層10を形成した第1のコイル部10A、及び第2の環状導電板1Bの表面に絶縁層10を形成した第2のコイル部10Bを軸方向に積層した積層コイル100を示し、(a)は全体斜視図、(b)は(a)のA−A線断面図、(c)は(a)のB−B線断面図、(d)は(a)のC−C線断面図、(e)は(a)のD−D線断面図、(f)は(a)のE−E線断面図である。なお、図3では、説明のために、径方向の寸法に対する厚さ方向の寸法を誇張して表現している。
【0032】
図3(b)〜(d)に示すように、第1の環状導電板1Aの第1の円弧部11a,第2の円弧部12a,連結部13a、及び第2の環状導電板1Bの第1の円弧部11b,第2の円弧部12b,連結部13bには、それらの表面を覆うように、絶縁層10が形成されている。また、図3(e),(f)に示すように、第1の端子片14aと第2の端子片15bとの対向面、及び第1の端子片14bと第2の端子片15aとの対向面にも、絶縁層10が形成されている。絶縁層10は、本発明の絶縁体の一例であり、例えば0.01〜0.1mmの厚みを有するポリイミド等の絶縁性の樹脂からなる。本実施の形態では、絶縁層10が0.1mmの厚みで形成されている。
【0033】
図3(b)に示すように、連結部13a,13bの厚み(軸方向の寸法)tは、0.4mmに設定されている。連結部13a及び連結部13bの間には、2層の絶縁層10が介在しているので、連結部13aと連結部13bとは、2層の絶縁層10の厚みt(t=0.2mm)を介して対向している。連結部13a,13bにおける絶縁層10を含めた積層コイル100の厚さtは、1.2mmである。
【0034】
また、図3(c),(d)に示すように、第1の円弧部11a,11b、及び第2の円弧部12a,12bの厚みtは、1.0mmに設定されている。従って、これらの第1及び第2の円弧部11a,11b,12a,12bにおける絶縁層10を含めた積層コイル100の厚さtは、1.2mmである。
【0035】
また、図3(e),(f)に示すように、第1の端子片14a,14b、及び第2の端子片15a,15bの厚みtは、0.4mmに設定されている。第1の端子片14aと第2の端子片15bとの間、及び第1の端子片14bと第2の端子片15aとの間には、2層の絶縁層10が介在しているので、第1の端子片14aと第2の端子片15b、及び第1の端子片14bと第2の端子片15aは、2層の絶縁層10の厚みt(t=0.2mm)を介して対向している。
【0036】
(積層コイル100の製造方法)
次に、積層コイル100の製造方法の一例について説明する。
【0037】
積層コイル100の製造工程は、環状導電板1をプレス成型するプレス成型工程、環状導電板1に絶縁層10を形成する絶縁層形成工程、及び絶縁層10が形成された一対の環状導電板1である第1及び第2のコイル部10A,10Bを積層して積層コイル100を得る積層工程を含む。
【0038】
プレス成型工程では、帯状の導電性金属を用意し、この帯状の導電性金属をプレス成型して複数の環状導電板1を得る。
【0039】
図4は、帯状の導電性金属のプレス成型により得られた複数の環状導電板1が、支持部9aを介して支持部材9に支持された状態の一例を示す平面図である。この図に示す例では、複数の環状導電板1が一括してプレス成型され、その後、支持部9aを工具等により切断して支持部材9から環状導電板1を分離する。なお、プレス加工による導電性金属材料の加工歪によって薄肉部(連結部13)の電気抵抗が大きくなる場合は、プレス加工後に加熱処理を行うことで加工歪を開放し、抵抗率をプレス加工前の状態に近づけることができる。
【0040】
絶縁層形成工程では、絶縁層10を形成しない部分(第1の端子片14及び第2の端子片15の一側面)をマスキングし、液状の絶縁性樹脂を塗布し、その後硬化させる。これにより、第1及び第2のコイル部10A,10Bが得られる。
【0041】
積層工程では、絶縁層形成工程で得られた第1及び第2のコイル部10A,10Bの表裏を反転させ、連結部13a及び連結部13bの窪みが形成された側面(軸方向端面)同士を向い合せて積層し、積層コイル100を得る。積層された第1及び第2のコイル部10A,10Bは、例えば樹脂モールドによって一体化してもよい。
【0042】
(積層コイル100の用途及び使用形態)
積層コイル100は、デジタル回路のノイズ除去や、リプルを有する電源電圧の平滑用、あるいはローパスフィルタの構成素子等として用いることができる。
【0043】
また、積層コイル100は、第1の端子片14bと第2の端子片15a、及び第1の端子片14aと第2の端子片15bを短絡すれば、第1のコイル部10Aと第2のコイル部10Bが並列に接続された1ターンのコイルとして用いることができる。
【0044】
あるいは、第1のコイル部10Aと第2のコイル部10Bとを直列に接続した2ターンのコイルとして使用することも可能である。この場合、例えば第1のコイル部10Aの第1の端子片14aと第2のコイル部10Bの第1の端子片14bとを短絡し、第1のコイル部10Aの第2の端子片15aを入力端子、第2のコイル部10Bの第2の端子片15bを出力端子とすることで、積層コイル100を2ターンのコイルとして使用することができる。
【0045】
第1のコイル部10Aと第2のコイル部10Bとを並列に接続すれば、第1のコイル部10Aと第2のコイル部10Bとを直列に接続した場合よりも大きな電流を流すことができる。また、第1のコイル部10Aと第2のコイル部10Bとを直列に接続すれば、第1のコイル部10Aと第2のコイル部10Bとを並列に接続した場合よりも大きなインダクタンスを得ることができる。
【0046】
また、さらに大きな電流容量が必要な場合には、図5に示すように、複数の積層コイル100を並列に接続して使用することができる。図5では、3つの積層コイル100を並列に接続する場合の接続例を示している。この接続例では、3つの積層コイル100の全ての第1の端子片14b及び第2の端子片15aを短絡し、かつ3つの積層コイル100の全ての第1の端子片14a及び第2の端子片15bを短絡している。これにより、1つの積層コイルを用いる場合に比較して、3倍の電流を流すことが可能となる。
【0047】
また、第1のコイル部10Aと第2のコイル部10Bとを並列に接続した複数の積層コイル100を直列に接続することにより、電流容量の増大と共にインダクタンスの増大を図ることも可能である。
【0048】
図6に示す接続例では、3つの積層コイルを直列に接続している。これら3つの積層コイルは同一のものであるが、説明の便宜上、第1の積層コイル101、第2の積層コイル102、第3の積層コイル103として説明する。
【0049】
第1〜第3の積層コイル101〜103は、それぞれの第1の端子片14bと第2の端子片15aが短絡され、かつ第1の端子片14aと第2の端子片15bが短絡され、第1のコイル部10Aと第2のコイル部10Bとが並列に接続されている。また、第1の積層コイル101の第1の端子片14b及び第2の端子片15aと、第2の積層コイル102の第1の端子片14a及び第2の端子片15bとが接続されている。またさらに、第2の積層コイル102の第1の端子片14b及び第2の端子片15aと、第3の積層コイル103の第1の端子片14a及び第2の端子片15bとが接続されている。
【0050】
これら第1〜第3の積層コイル101〜103の第1の端子片14a,14b、及び第2の端子片15a,15bの接続は、例えば第1〜第3の積層コイル101〜103を、中心軸線cを中心として位相をずらして配置することで、軸方向の間隔をあけることなく、互いに接触させて軸方向に配列することが可能である。
【0051】
(第1の実施の形態の作用及び効果)
以上説明した本実施の形態によれば、以下のような作用及び効果が得られる。
【0052】
(1)積層コイル100への通電により第1の環状導電板1Aの第1の円弧部11aで発生した熱は、絶縁層10を介して第1の円弧部11aの側面から放熱される他、連結部13aを介して第2の円弧部12aに熱伝導し、第2の円弧部12aから放熱される。同様に、第2の環状導電板1Bの第1の円弧部11bで発生した熱は、絶縁層10を介して第1の円弧部11bの側面から放熱される他、連結部13bを介して第2の円弧部12bに熱伝導し、第2の円弧部12bから放熱される。つまり、径方向に並列された内側に位置する第1の円弧部11a,11bは、その外側が第2の円弧部12a,12bに囲まれているため、第2の円弧部12a,12bに比較して放熱性が低いが、第1の円弧部11a,11bで発生した熱が第2の円弧部12a,12bに熱伝導して放熱されることで、第1の円弧部11a,11bに熱がこもることを抑制することができる。これにより、積層コイル100の放熱性が向上する。
【0053】
(2)第1の円弧部11aと第2の円弧部12b、及び第1の円弧部11bと第2の円弧部12aが径方向に並列するので、積層コイル100の厚み(中心軸線c方向の厚み)を薄くすることができる。つまり、全周に亘って同径に形成された一対の環状の導電部材を軸方向に積層した場合には、それぞれの導電部材の2倍程度の厚みを有することとなるが、本実施の形態では、第1の円弧部11aと第2の円弧部12b、及び第1の円弧部11bと第2の円弧部12aが径方向に並列し、軸方向には重ならないように積層コイル100が構成されるので、第1のコイル部10Aと第2のコイル部10Bとが積層されることによる積層コイル100の厚みの増大が抑制されている。
【0054】
(3)連結部13a,13bは、第1の円弧部11a,11b及び第2の円弧部12a,12bよりも厚みが薄く形成されているので、連結部13a,13bに対応する部位における積層コイル100の厚みを薄くすることができる。つまり、第1のコイル部10A(第1の環状導電板1A)及び第2のコイル部10B(第2の環状導電板1B)を積層したとき、連結部13aと連結部13bとが軸方向に重なるため、連結部13a,13bの厚みが第1の円弧部11a,11b及び第2の円弧部12a,12bと同程度であると、連結部13a,13bが軸方向に突出し、この突出した部分において積層コイル100の厚みが増大してしまうが、本実施の形態では、連結部13a,13bの厚みtが第1の円弧部11a,11b及び第2の円弧部12a,12bよりも厚みtの略半分(t/t=0.4)であるので、積層コイル100の厚みの増大が抑制されている。なお、t/tは、0.3以上かつ0.5以下であることが望ましい。
【0055】
(4)連結部13a,13bは、上記のように厚みが第1の円弧部11a,11b及び第2の円弧部12a,12bの略半分であるが、径方向の幅が第1の円弧部11a,11b及び第2の円弧部12a,12bの略2倍であるので、連結部13a,13bにおける電気抵抗と第1の円弧部11a,11b及び第2の円弧部12a,12bの電気抵抗との差が抑制されている。これにより、連結部13a,13bが局部的に発熱してしまうことが抑えられ、積層コイル100の電流容量が連結部13a,13bの発熱により制限されることを抑制することができる。本実施の形態では、連結部13a,13bの厚みtが第1の円弧部11a,11b及び第2の円弧部12a,12bの厚みtの半分以下(t/t=0.4)である一方、連結部13a,13bの径方向幅(r22−r11=10.5mm)が第1の円弧部11a,11bの径方向幅(r12−r11=5mm)及び第2の円弧部12a,12bの径方向幅(r22−r21=5mm)の径方向幅の2倍以上とされている。
【0056】
(5)第1のコイル部10A(第1の環状導電板1A)と第2のコイル部10B(第2の環状導電板1B)は同形状であるので、部品の種類を削減することができる。つまり、第1のコイル部10Aと第2のコイル部10Bとを積層するまでは、第1のコイル部10Aと第2のコイル部10Bとを別部品として管理する必要がないので、製造工程が簡素化され、製造コストを抑制することができる。
【0057】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について、図7及び図8を参照して説明する。
【0058】
図7は、本実施の形態に係る積層コイル200を示し、(a)は正面図、(b)は(a)のF−F線断面図、(c)は(a)のG−G線断面図、(d)は(a)のH−H線断面図である。なお、図7(b)〜(d)では、説明のため、径方向の寸法に対する厚さ方向の寸法を誇張して表現している。
【0059】
積層コイル200は、第1のコイル部201と、第2のコイル部202と、第3のコイル部203とを備え、これら第1〜第3のコイル部201〜203を軸方向に積層して構成されている。第1〜第3のコイル部201〜203は、導電性金属からなる第1〜第3の環状導電板21〜23の表面に、ポリイミド等の絶縁性樹脂からなる絶縁層20が形成された平板状である。
【0060】
図8は、第1〜第3の環状導電板21〜23の形状を示す正面図であり、(a)は第1の環状導電板21を、(b)は第2の環状導電板22を、(c)は第3の環状導電板23を、それぞれ示す。
【0061】
第1〜第3の環状導電板21〜23は、それぞれが内径及び外径が異なる3つの円弧部と、これら3つの円弧部を周方向に連結する2つの連結部と、連結された3つの円弧部の両端部から径方向外側に向かって延びる2つの端子片とを有している。
【0062】
図8(a)に示すように、第1の環状導電板21は、第1の円弧部21aと、第1の円弧部21aの外径(外半径)よりも大きな内径(内半径)を有する第2の円弧部21bと、第2の円弧部21bの外径よりも大きな内径を有する第3の円弧部21cとを有している。第3の円弧部21cと第1の円弧部21aとは、第1の連結部21dにより周方向に連結されている。第1の円弧部21aと第2の円弧部21bとは、第2の連結部21eにより周方向に連結されている。
【0063】
第1〜第3の円弧部21a〜21cは、中心点Oを中心とする同心状であり、径方向には重ならないように形成されている。第1の端子片21fは、第3の円弧部21cの一端から径方向外側に向かって延びる長方形状に形成されている。第2の端子片21gは、第2の円弧部21bの一端から径方向外側に向かって、第1の端子片21fと平行に延びる長方形状に形成されている。
【0064】
第1の環状導電板21は、第1の端子片21fから図8(a)における時計回り方向に、第3の円弧部21c,第1の連結部21d,第1の円弧部21a,第2の連結部21e,第2の円弧部21b,及び第2の端子編21gが順次配置されている。第1及び第2の連結部21d,21e、ならびに第1及び第2の端子片21f,21gは、第1〜第3の円弧部21a〜21cよりも厚みが薄く形成されている。
【0065】
図8(b)に示すように、第2の環状導電板22は、第1の円弧部22aと、第1の円弧部22aの外径よりも大きな内径を有する第2の円弧部22bと、第2の円弧部22bの外径よりも大きな内径を有する第3の円弧部22cとを有している。第1の円弧部22aと第2の円弧部22bとは、第1の連結部22dにより周方向に連結されている。第2の円弧部22bと第3の円弧部22cとは、第2の連結部22eにより周方向に連結されている。
【0066】
第1〜第3の円弧部22a〜22cは、中心点Oを中心とする同心状であり、径方向には重ならないように形成されている。第1の端子片22fは、第1の円弧部22aの一端から径方向外側に向かって延びる長方形状に形成されている。第2の端子片22gは、第3の円弧部22cの一端から径方向外側に向かって、第1の端子片22fと平行に延びる長方形状に形成されている。
【0067】
第2の環状導電板22は、第1の端子片22fから図8(b)における時計回り方向に、第1の円弧部22a,第1の連結部22d,第2の円弧部22b,第2の連結部22e,第3の円弧部22c,及び第2の端子編22gが順次配置されている。第1及び第2の連結部22d,22e、ならびに第1及び第2の端子片22f,22gは、第1〜第3の円弧部22a〜22cよりも厚みが薄く形成されている。
【0068】
図8(c)に示すように、第3の環状導電板23は、第1の円弧部23aと、第1の円弧部23aの外径よりも大きな内径を有する第2の円弧部23bと、第2の円弧部23bの外径よりも大きな内径を有する第3の円弧部23cとを有している。第2の円弧部23bと第3の円弧部23cとは、第1の連結部23dにより周方向に連結されている。第3の円弧部23cと第1の円弧部23aとは、第2の連結部23eにより周方向に連結されている。
【0069】
第1〜第3の円弧部23a〜23cは、中心点Oを中心とする同心状であり、径方向には重ならないように形成されている。第1の端子片23fは、第2の円弧部23bの一端から径方向外側に向かって延びる長方形状に形成されている。第2の端子片23gは、第1の円弧部23aの一端から径方向外側に向かって、第1の端子片23fと平行に延びる長方形状に形成されている。
【0070】
第3の環状導電板23は、第1の端子片23fから図8(c)における時計回り方向に、第2の円弧部23b,第1の連結部23d,第3の円弧部23c,第2の連結部23e,第1の円弧部23a,及び第2の端子編23gが順次配置されている。第1及び第2の連結部23d,23e、ならびに第1及び第2の端子片23f,23gは、第1〜第3の円弧部23a〜23cよりも厚みが薄く形成されている。
【0071】
第1の円弧部21a,22a,23aは、その内径及び外径が同一に設定されている。第2の円弧部21b,22b,23bは、その内径及び外径が同一に設定されている。また、第3の円弧部21c,22c,23cは、その内径及び外径が同一に設定されている。
【0072】
図7(a)に示すように、第1〜第3の円弧部23a〜23cは、中心点O,O,Oが重なるように、軸方向に積層されている。また、図7(b)に示すように、第1の端子片21f,22f,23fと第1の連結部21d,22d,23dの間の領域では、第1の円弧部22aの径方向外側に第2の円弧部23bが配置され、さらに第2の円弧部23bの径方向外側に第3の円弧部21cが配置されている。
【0073】
また、第1の連結部21d,22d,23dと第2の連結部21e,22e,23eの間の領域では、第1の円弧部21aの径方向外側に第2の円弧部22bが配置され、さらに第2の円弧部22bの径方向外側に第3の円弧部23cが配置されている。またさらに、第2の連結部21e,22e,23eと第2の端子片21g,22g,23gの間の領域では、第1の円弧部23aの径方向外側に第2の円弧部21bが配置され、さらに第2の円弧部21bの径方向外側に第3の円弧部22cが配置されている。
【0074】
図7(c)に示すように、第1の連結部21d,22d,23dは、積層コイル200の径方向の中央部の領域で第1の環状導電板21の第1の連結部21d,第2の環状導電板22の第1の連結部22d,及び第3の環状導電板23の第1の連結部23dが軸方向に重なり、この領域よりも内側の領域では第1の連結部21dと第1の連結部22dが、外側の領域では第1の連結部21dと第1の連結部23dが、それぞれ軸方向に重なっている。
【0075】
また、図7(d)に示すように、第2の連結部21e,22e,23eは、積層コイル200の径方向の中央部の領域で第1の環状導電板21の第1の連結部21e,第2の環状導電板22の第1の連結部22e,及び第3の環状導電板23の第1の連結部23eが軸方向に重なり、この領域よりも内側の領域では第1の連結部21eと第1の連結部23eが、外側の領域では第1の連結部22eと第1の連結部23eが、それぞれ軸方向に重なっている。
【0076】
(積層コイル200の用途及び使用形態)
積層コイル200は、第1の実施の形態に係る積層コイル100と同様、デジタル回路のノイズ除去や、リプルを有する電源電圧の平滑用、あるいはローパスフィルタの構成素子として用いることができる。
【0077】
また、積層コイル200は、第1の端子片21f,22f,23fを相互に短絡し、かつ第2の端子片21g,22g,23gを相互に短絡すれば、第1〜第3のコイル部201〜203が並列に接続された1ターンのコイルとして用いることができる。
【0078】
あるいは、第2の端子片21gと第1の端子片22f、及び第2の端子編22gと第1の端子片23fを短絡し、第1の端子片21f及び第2の端子片23gを入力端子及び出力端子とすることで、積層コイル200を3ターンのコイルとして使用することができる。
【0079】
第1〜第3のコイル部201〜203を並列に接続すれば、第1〜第3のコイル部201〜203を直列に接続した場合よりも大きな電流を流すことができる。また、第1〜第3のコイル部201〜203を直列に接続すれば、第1〜第3のコイル部201〜203を並列に接続した場合よりも大きなインダクタンスを得ることができる。
【0080】
(第2の実施の形態の作用及び効果)
以上説明した本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様の作用及び効果が得られる。また、第1〜第3のコイル部201〜203を直列に接続すれば、3ターンのコイルとなるので、第1の実施の形態に係る積層コイル100よりも大きなインダクタンスを得ることができる。
【0081】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【0082】
また、上記各実施の形態では、環状導電板の表面に絶縁層10,20を形成して環状導電板同士を絶縁したが、これに限らず、樹脂等の絶縁体からなるスペーサを周方向の複数箇所に配置して環状導電板同士を絶縁してもよい。
【0083】
また、上記各実施の形態では、環状導電板を円形状に形成した場合について説明したが、楕円形状であってもよい。
【0084】
また、上記各実施の形態では、環状導電板が第1及び第2の端子片を有する場合について説明したが、第1及び第2の端子片は必ずしもなくともよい。
【0085】
また、第1の円弧部,第2の円弧部,及び第3の円弧部の周方向の並び順は、上記実施の形態のものに限らず、適宜選択することが可能である。
【0086】
また、上記実施の形態では、積層コイル100,200が2つ又は3つのコイル部を有する場合について説明したが、4つ以上のコイル部を積層して積層コイルを構成することも可能である。
【0087】
また、上記実施の形態では、第1〜第2の円弧部、又は第1〜第3の円弧部の径方向の幅がそれぞれ同一となるように形成した場合について説明したが、これに限らず、外側の円弧部ほど径方向の幅が大きくなるように第1〜第2の円弧部、又は第1〜第3の円弧部を形成してもよい。このようにすることにより、各円弧部の電気抵抗(直流成分)を均等化することが可能である。
【符号の説明】
【0088】
1…環状導電板、1A,1B…第1及び第2の環状導電板、9…支持部材、9a…支持部、10…絶縁層、10A,10B…第1及び第2のコイル部、11,11a,11b…第1の円弧部、12,12a,12b…第2の円弧部、13,13a,13b…連結部、14,14a,14b…第1の端子片、15,15a,15b…第2の端子片、20…絶縁層、21,22,23…第1〜第3の環状導電板、21a,22a,23a…第1の円弧部、21b,22b,23b…第2の円弧部、21c,22c,23c…第3の円弧部、21d,22d,23d…第1の連結部、21e,22e,23e…第2の連結部、21f,22f,23f…第1の端子片、21g,22g,23g…第2の端子片、100…積層コイル、101〜103…第1〜第3の積層コイル、200…積層コイル、201〜203…第1〜第3のコイル部、O,O,O,O…中心点、S…隙間、c…中心軸線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板状に形成された複数の環状導電板を備え、各環状導電板が絶縁体を介して軸方向に積層された積層コイルであって、
前記各環状導電板は、内径及び外径が互いに異なる同心状の複数の円弧部と、前記複数の円弧部を相互に連結する連結部とを備え、
前記複数の環状導電板が、前記各環状導電板の前記連結部同士を対向させて、前記各環状導電板の円弧部が径方向に並列するように配置されている、積層コイル。
【請求項2】
前記連結部は、前記複数の円弧部よりも厚みが薄く形成されている、請求項1に記載の積層コイル。
【請求項3】
前記複数の環状導電板として、第1の環状導電板と第2の環状導電板とを備え、
前記第1の環状導電板及び前記第2の環状導電板は、第1の円弧部と、前記第1の円弧部と同心状で前記第1の円弧部の外径よりも大きな内径を有する第2の円弧部と、前記第1の円弧部及び前記第2の円弧部を相互に連結する連結部とを有し、
前記第1の環状導電板の前記第1の円弧部の径方向外側に前記第2の環状導電板の前記第2の円弧部が配置され、かつ前記第2の環状導電板の前記第1の円弧部の径方向外側に前記第1の環状導電板の前記第2の円弧部が配置されている、請求項1又は2に記載の積層コイル。
【請求項4】
前記第1の環状導電板及び前記第2の環状導電板は、互いに同形状に形成され、表裏を反転させて積層されている、請求項3に記載の積層コイル。
【請求項5】
前記複数の環状導電板として、第1乃至第3の環状導電板を備え、
前記第1乃至第3の環状導電板は、第1の円弧部と、前記第1の円弧部と同心状で前記第1の円弧部の外径よりも大きな内径を有する第2の円弧部と、前記第1及び第2の円弧部と同心状で前記第2の円弧部の外径よりも大きな内径を有する第3の円弧部と、前記第1乃至第3の円弧部のうち、何れか2つの円弧部を連結する第1及び第2の連結部とをそれぞれ有し、
前記第1乃至第3の環状導電板は、何れか一つの環状導電板の前記第1の円弧部の径方向外側に、他の2つの環状導電板の前記第2及び第3の円弧部が配置されるように積層されている、請求項1又は2に記載の積層コイル。
【請求項6】
前記第1乃至第3の環状導電板のうち、何れか2つの環状導電板は同形状に形成され、当該2つの環状導電板が表裏を反転させて積層されている、請求項5に記載の積層コイル。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−65678(P2013−65678A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203083(P2011−203083)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(000005120)日立電線株式会社 (3,358)
【Fターム(参考)】