説明

積層体

【課題】本発明の目的は、有機溶剤を含有するシリコーン化合物のコーティング工程が不要となり、離型性に優れ、離型剤の脱離が少ない積層体を提供することである。
【解決手段】基材の少なくとも片面に下記の要件を満たす(A)層、該(A)層上に下記の要件を満たす(B)層が積層されてなることを特徴とする積層体を製造し、用いる。
(A)層:オレフィン系重合体97〜99.99重量%、及びシラノール硬化触媒0.01〜3重量%からなる樹脂組成物層。
(B)層:オレフィン系重合体85〜99.95重量%、ポリジメチルシロキサン0.05〜15重量%とからなる離型性樹脂組成物層。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は離型性に優れた積層体に関するものである。更に詳しくは、粘着剤などに対する優れた離型性を有し、かつ離型剤の脱離が少ない積層体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
離型フィルムは、未使用時の接着材料の接着面を保護するために接着面上に積層され、使用時には接着面を損傷することなく容易に剥離される剥離面を備えるフィルム状材料であり、粘着テープやラベルなどの台紙として広く使用されている。離型フィルムは通常、基材と、その基材の少なくとも一方の表面上に設けられた離型剤を含んでなる離型層とを備えている。基材には、紙、プラスチックフィルム等が使用され、離型剤には、シリコーン化合物、長鎖アルキル基含有化合物等が使用される。このような離型フィルムにおいて、離型剤が基材と十分密着していない場合、離型フィルムからテープやラベルを剥離した際にテープやラベルの粘着剤表面に離型剤が転写し、テープやラベルの粘着性を悪化させる場合がある。
【0003】
このため、離型フィルムの製造方法としては、基材にビニル基含有ポリジメチルシロキサンなどの離型剤をコーティングした後離型剤を硬化させる方法が一般的である。しかしながら、本方法では離型剤を均一に塗布するため有機溶剤が大量に用いられることや、離型剤を硬化させる際基材が高温に晒されるため、ピンホールが発生するなどといった問題が生じていた。
【0004】
このため、コーティングする方法ではなく基材となるプラスチックに離型性を付与する方法が提案されている。
【0005】
そこで、本発明者は、コーティングする方法ではなく基材となるプラスチックに離型性を付与する方法として、オレフィン系重合体に特定のエポキシ当量を示すポリジメチルシロキサンを少量配合した樹脂組成物、及び該オレフィン系重合体表面を酸化処理した離型フィルムを提案した(特許文献1参照)。
【0006】
この方法によれば、オレフィン系重合体とポリジメチルシロキサンの密着が良好であるものの粘着剤との離型性が不十分であり、改善が望まれていた。
【0007】
また、オレフィン系樹脂とビニルシラン、末端官能化シリコーン、湿気硬化触媒からなる樹脂組成物が提案されている(特許文献2参照)。
【0008】
この方法は、押出機においてオレフィン系重合体にビニルシランをグラフト反応させ、シランに存在するアルコキシ基とシリコーンの末端官能基を反応させることにより、オレフィン系重合体とシリコーンの密着性を向上させるものである。しかしながらこの方法によれば、オレフィン系重合体にビニルシランをグラフト反応させるために用いる有機過酸化物により、オレフィン系重合体がゲル化しフィルム外観を損ねること、さらに押出機においてシリコーンとオレフィン系重合体がビニルシランを介して反応することにより、フィルム表面に滲出するシリコーンの量が低下し、十分な離型性を発現できないことなどの問題があった。
【0009】
そこで、本発明者は、オレフィン系重合体にポリジメチルシロキサンを少量配合し、さらに錫及び/又はチタンを含む硬化触媒を含む離型フィルム用樹脂組成物を提案した(特許文献3参照)。
【0010】
本方法によれば、離型性、オレフィン系重合体とポリジメチルシロキサンとの密着性は改良されたものの、押出成形に供した際、ダイリップにメヤニと呼ばれる劣化物が大量に付着し、長期生産ができないといった問題があった。
【0011】
【特許文献1】特開2004−297398号公報
【特許文献2】米国特許第4978436号明細書
【特許文献3】特開2004−297398号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記のような状況を鑑みなされたものであって、押出加工性やオレフィン系重合体とポリジメチルシロキサンの密着性を維持しながら、粘着剤との離型性を改善した積層体を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、基材の少なくとも片面にオレフィン系重合体とシラノール硬化触媒からなる層を設け、さらにその層上にオレフィン系重合体とポリジメチルシロキサンからなる層を形成した積層体が粘着剤との離型性、離型剤とオレフィン系重合体との密着性に優れ、かつ押出加工性が良好であることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0014】
すなわち、本発明は、基材の少なくとも片面に(A)層、該(A)層上に(B)層を有する積層体であって、(A)層及び(B)層が下記の要件を満たすことを特徴とする積層体に関するものである。
(A)層:オレフィン系重合体97〜99.99重量%及びシラノール硬化触媒0.01〜3重量%からなる樹脂組成物層。
(B)層:オレフィン系重合体85〜99.95重量%及びポリジメチルシロキサン0.05〜15重量%とからなる離型性樹脂組成物層。
【0015】
さらに、本発明は、該シラノール硬化触媒が錫、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、亜鉛、鉄及びコバルトからなる群より選ばれる一種以上の金属を含む脂肪酸金属塩及び/又はキレート化合物であることを特徴とする積層体に関するものである。
【0016】
さらに、本発明は、該シラノール硬化触媒がチタンアルコキシド、アルミニウムアルコキシド、シランアルコキシドからなる群より選ばれる1種以上の化合物であることを特徴とする積層体に関するものである。
【0017】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0018】
本発明にて用いられるオレフィン系重合体は、一般的にポリオレフィン系樹脂と称されているものでよく、このようなポリオレフィン系樹脂とは、エチレン、プロピレン、1−ブテンなど炭素数2〜12のα−オレフィンの単独重合体もしくは共重合体を示す。例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・1−ブテン共重合体やエチレン・1−へキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体などのエチレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体等のエチレン系重合体、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体などのプロピレン系重合体、ポリ1−ブテン、ポリ1−ヘキセン、ポリ4−メチル−1−ペンテン等が挙げられ、これらポリオレフィン系樹脂は、1種単独又は2種以上の組み合わせで用いてもよい。このようなオレフィン系重合体の中では、エチレン系重合体が離型性、フィルム成形性、コストパフォーマンスに優れるため好ましく、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−へキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体が特に好ましい。
【0019】
ここで、オレフィン系重合体の重合方法は、特に限定するものではなく、低密度ポリエチレンやエチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・メタクリル酸共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体等の場合、例えば高圧法によるラジカル重合法を挙げることができ、高密度ポリエチレン、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−へキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・4−メチル−1−ペンテン共重合体、ポリプロピレン、プロピレン・エチレン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、ポリ1−ブテン、ポリ1−ヘキセン、ポリ4−メチル−1−ペンテン等の場合、チーグラーナッタ触媒やメタロセン触媒を用いた気相法、溶液法、スラリー法、高圧法等の重合法を挙げることができる。
【0020】
本発明を構成するシラノール硬化触媒は、特に限定されるものではないが、共押出成形過程もしくは積層体を形成した後表面層へ移行して、押出成形中にポリジメチルシロキサンの酸化などにより生じたシラノール基の硬化反応を促進し、離型性やオレフィン系重合体とポリジメチルシロキサンの密着性を向上させる効果を発現させるものであれば何でもよい。
【0021】
このようなシラノール硬化触媒として、亜鉛、鉛、コバルト、錫、鉄、ジルコニウム、アルミニウム、チタンなどの脂肪酸金属塩及び/又はキレート化合物、アミンやその塩類、第四級アンモニウム塩などが例示され、錫、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、亜鉛、鉄及びコバルトからなる群より選ばれる一種以上の金属を含む脂肪酸金属塩及び/又はキレート化合物が離型性やオレフィン系重合体とポリジメチルシロキサンの密着性を向上させる効果が高いため好ましい。
【0022】
このような化合物としては、オクタン酸亜鉛、オクテン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸亜鉛、2−エチルヘキサン酸亜鉛などの脂肪酸亜鉛塩、オクタン酸リチウム、ラウリン酸リチウム、ステアリン酸リチウムなどの脂肪酸リチウム塩、ナフテン酸コバルト、ステアリン酸コバルトなどの脂肪酸コバルト塩、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫マレート、ジブチル錫ラウレート、ジオクチル錫マレート、ジオクチル錫ラウレートなどの脂肪酸錫塩、ラウリン酸鉄、ステアリン酸鉄などの脂肪酸鉄塩、オクタン酸アルミニウム、オクテン酸アルミニウム、ラウリン酸アルミニウム、ステアリン酸アルミニウム、ベヘン酸アルミニウム、2−エチルヘキサン酸アルミニウムなどのなどの脂肪酸アルミニウム塩、アルミニウムトリアセテート、アルミニウムトリプロピレート、アルミニウムトリオクチレート、アルミニウムオクチレートオキシド、アルミニウムジヒドロキシオクチレート、アルミニウムトリラクテート、アルミニウムトリス(メチルラクテート)、アルミニウムトリス(ラクテートアンモニウム塩)、アルミニウムトリス(アセチルアセテート)、アルミニウムトリス(メチルアセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(エチルアセチルアセトナート)、アルミニウムジヒドロキシビス(メチルアセチルアセトナート)、アルミニウムジクロライドビス(メチルアセチルアセトナート)、アルミニウムビス(メチルアセチルアセトナート)オキシド、アルミニウムモノ(アセチルアセテート)ビス(エチルアセチルアセトナート)、アルミニウムトリス(4−ヒドロキシ−2−ペンタナート)、アルミニウムトリス(オクチレングリコレート)、アルミニウムトリス(エチレンジアミン)、アルミニウムトリス(モノエタノールアミナート)、アルミニウムトリス[ビス(ジメチルホスフェノン)エタン]などのアルミニウムキレート、上記キレート化合物のアルミニウム原子をチタン原子又はジルコニウム原子に置換した化合物も例示することもできる。この中で、脂肪酸亜鉛塩、脂肪酸錫塩、脂肪酸アルミニウム塩が離型性やオレフィン系重合体とポリジメチルシロキサンの密着性を向上させる効果が高く、また押出成形に必要な熱安定性に優れるため特に好ましい。
【0023】
このようなシラノール硬化触媒は市販品から入手することができる。例えば、脂肪酸亜鉛塩、脂肪酸アルミニウム塩は日油株式会社からジンクラウレート、ジンクステアレート、アルミニウムステアレートなどの商品名で販売されており、脂肪酸コバルトは、例えば日化産商事株式会社から販売されており、脂肪酸リチウムは、例えば川村化成工業株式会社から販売されている。また、キレート化合物はマツモトファインケミカル株式会社、川研ファインケミカル株式会社、ホープ製薬株式会社、三菱ガス化学株式会社、新興化学工業株式会社、デュポン株式会社などより販売されている。
【0024】
また、シラノール硬化触媒として、チタンアルコキシド、アルミニウムアルコキシド、シランアルコキシドが例示される。
【0025】
チタンアルコキシドとしては、一般式(1)で表される化合物を用いることができる。
【0026】
【化1】

一般式(1)におけるnは1〜4、qは0〜3であり、下式(2)、若しくは下式(3)のいずれかを満たす。シラノール硬化効率に優れることから、nは2〜4が好ましく、更に4が最も好ましい。
【0027】
n+q=4 (2)
n+q=6 (3)
一般式(1)におけるRは炭素数1〜20の炭化水素基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。このような炭化水素基であるRは、炭素数が3〜10であると、シラノール硬化効率が優れ、かつハンドリング性が優れるため好ましく、より好ましくは炭素数が4〜8である。
【0028】
一般式(1)におけるRはアルコキシ基を除く置換基であれば特に限定されるものではなく、アセチルアセトン、ケトエステル、グリコール、アミノアルコール、アルキルアセトアセテート、ヒドロキシ酸残基、カルボキシル基、スルホニル基などが例示される。
【0029】
このようなチタンアルコキシドとしては、チタンテトラメトキシド、チタンテトラエトキシド、チタンテトラノルマルプロポキシド、チタンテトライソプロポシド、チタンテトラノルマルブトキシド、チタンテトラキス(1−メチルプロポキシド)、チタンテトラキス(2−メチルプロポキシド)、チタンテトラキス(2,2−ジメチルエトキシド)、チタンテトラノルマルペントキシド、チタンテトラノルマルヘキソキシド、チタンテトラノルマルヘプトキシド、チタンテトラノルマルオクトキシド、チタンテトラキス(2−エチルヘキソキシド)、チタンテトラノルマルステアロキシド、チタンテトラキス(2−エチル,3−ヒドロキシルヘキソキシド)、チタンビス(アセチルアセトナート)ジ(プロポキシド)、チタンビス(8−ヒドロキシオクトキシド)ジブトキシド、チタンビス(ラクテート)ジ(プロポキシド)、チタンビス(トリエタノールアミナート)ジ(プロポキシド)、チタンビス(トリエタノールアミナート)ジ(ブトキシド)、チタンモノステアレートトリ(ノルマルブトキシド)、チタントリステアレートモノ(イソプロポキシド)、チタントリス(ドデシルベンゼンスルホニル)モノ(イソプロポキシド)、チタントリス(ジオクチルピロホスフェート)モノ(イソプロポキシド)、チタンビス(ジオクチルホスファイト)テトラ(イソプロポキシド)、チタンビス(ジトリデシルホスファイト)テトラ(オクトキシド)、チタンジ(ジ−トリデシル)テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブトキシド)などが例示できる。
【0030】
これらのチタンアルコキシドは、マツモトファインケミカル株式会社、日本曹達株式会社、三菱ガス化学株式会社、デュポン株式会社、味の素ファインテクノ株式会社、株式会社高純度化学研究所などより販売されている。
【0031】
アルミニウムアルコキシドとしては、一般式(4)で表される化合物を用いることができる。
【0032】
【化2】

一般式(4)におけるmは1〜3であるが、シラノール硬化効率に優れることから、2〜3が好ましく、更に3が最も好ましい。
【0033】
一般式(4)におけるRは炭素数が1〜20の飽和炭化水素基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。mが2以上の場合、各々のRは同一の置換基でもよく、異なる置換基でも良い。このような飽和炭化水素基であるRは、炭素数が3〜10であると、シラノール硬化効率が優れ、かつハンドリング性に優れるため好ましく、より好ましくは炭素数が4〜8である。
一般式(4)におけるRはアルコキシ基を除く置換基であれば特に限定されるものではなく、アセチルアセトン、ケトエステル、グリコール、アミノアルコール、アルキルアセトアセテート、ヒドロキシ酸残基などが例示される。
【0034】
このようなアルミニウムアルコキシドとしては、アルミニウムトリメトキシド、アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリノルマルプロポキシド、アルミニウムトリイソプロポキシド、アルミニウムトリノルマルブトキシド、アルミニウムトリス(1−メチルプロポキシド)、アルミニウムトリス(2−メチルプロポキシド)、アルミニウムトリス(2,2−ジメチルエトキシド)、アルミニウムトリノルマルペントキシド、アルミニウムトリノルマルヘキソキシド、アルミニウムトリノルマルヘプトキシド、アルミニウムトリノルマルオクトキシド、アルミニウムモノ(1−メチルプロポキシド)ジ(イソプロポキシド)、アルミニウムモノ(エチルアセトアセテート)ジ(イソプロポキシド)、アルミニウムモノ(メチルアセトアセテート)ジ(ノルマルブトキシド)、アルミニウムモノ(エチルアセトアセテート)ジ(ノルマルブトキシド)などが例示できる。
【0035】
これらのアルミニウムアルコキシドは、川研ファインケミカル株式会社、ホープ製薬株式会社、株式会社高純度化学研究所などより販売されている。
シランアルコキシドとしては、一般式(5)で表される化合物を用いることができる。
【0036】
【化3】

一般式(5)におけるmは1〜4であるが、シラノール硬化効率に優れることから、2〜4が好ましく、更に3〜4が最も好ましい。
【0037】
一般式(5)におけるRは炭素数が1〜20の飽和炭化水素基であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基などが挙げられる。mが2以上の場合、各々のRは同一の置換基でもよく、異なる置換基でも良い。このような飽和炭化水素基であるRは、炭素数が1〜10であると、シラノール硬化効率が優れ、かつハンドリング性に優れるため好ましく、より好ましくは炭素数が1〜3である。
【0038】
一般式(5)におけるR6はアルコキシ基を除く置換基であれば特に限定されるものではなく、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリロキシ基、アクリロキシ基、アミノ基、ウレイド基、クロロプロピル基、メルカプト基、スルフィド基、イソシアネート基などが例示される。
【0039】
このようなシランアルコキシドとしては、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシランなどが例示できる。
【0040】
これらのシランアルコキシドは、信越化学工業株式会社などより販売されている。
【0041】
本発明の(A)層を構成する樹脂組成物の組成割合は、オレフィン系重合体97〜99.99重量%及びシラノール硬化触媒0.01〜3重量%であり、好ましくはオレフィン系重合体99〜99.97重量%及びシラノール硬化触媒0.03〜1重量%、最も好ましくはオレフィン系重合体99.4〜99.95重量%及びシラノール硬化触媒0.05〜0.6重量%である。シラノール硬化触媒が0.01重量%未満の場合、離型性やオレフィン系重合体とポリジメチルシロキサンの密着性を向上させる効果が低いため好ましくなく、シラノール硬化触媒が3重量%を超える場合は押出成形過程における発煙が多いため好ましくない。
【0042】
本発明にて用いられるポリジメチルシロキサンは側鎖及び末端にメチル基を有するポリシロキサンであり、一部の側鎖及び/又は末端のメチル基が他の官能基で置換されたものでもよい。このような官能基は特に限定されるものではなく、ビニル基、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、グリシジル基、脂環式エポキシ基、ポリエーテル基、アラルキル基、カルビノール基、メルカプト基、カルボキシル基、アリル基、フェニル基、水素などを例示することができる。
【0043】
このようなポリジメチルシロキサンとしては、メチル基以外の官能基を有さない未変性ポリジメチルシロキサン(ストレートシリコーンオイルと称されることがある)、フェニル基変性ポリジメチルシロキサン、メタクリル変性ポリジメチルシロキサン、フルオロ基変性ポリジメチルシロキサン、長鎖アルキル基変性ポリジメチルシロキサン、高級脂肪酸エステル変性ポリジメチルシロキサン、脂肪酸アミド変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、押出成形時の熱安定性からメチル基以外の官能基を有さない未変性ポリジメチルシロキサン、フェニル基変性ポリジメチルシロキサンが最も好ましい。これらのポリジメチルシロキサンは、1種を単独で用いても、また、2種以上を混合して用いてもよい。
【0044】
本発明にて用いられるポリジメチルシロキサンの粘度は、オレフィン系重合体との混合適性、離型性に優れるため50cSt〜100万cStが好ましく、さらに好ましくは1000cSt〜30万cSt、最も好ましくは5000cSt〜30万cStの範囲である。このようなポリジメチルシロキサンは、例えば信越化学工業株式会社から商品名信越シリコーンKF−96、KF−50、KF−54等が、東レダウコーニング株式会社から商品名SH200などが市販されている。
【0045】
本発明の(B)層を構成する樹脂組成物の組成割合はオレフィン系重合体85〜99.95重量%、ポリジメチルシロキサン0.05〜15重量%であり、好ましくはオレフィン系重合体88〜99.8重量%、ポリジメチルシロキサン0.2〜12重量%、さらに好ましくはオレフィン系重合体88〜99.5重量%、ポリジメチルシロキサン0.5〜12重量%、最も好ましくはオレフィン系重合体90〜99重量%、ポリジメチルシロキサン1〜10重量%である。ポリジメチルシロキサンが0.05重量%未満の場合、離型性に劣るため好ましくなく、ポリジメチルシロキサンが15重量%を超える場合は押出成形に供し得られた積層体の外観が劣るため好ましくない。
【0046】
本発明の(B)層を構成する樹脂組成物には、必要に応じて酸化防止剤、滑剤、中和剤、ブロッキング防止剤、界面活性剤、スリップ剤等、通常オレフィン系重合体に使用される添加剤を添加してもよい。
【0047】
また、本発明の(B)層を構成する樹脂組成物には、該シラノール硬化触媒を添加しても構わないが、押出成形に供した際、ダイリップにメヤニが付着しやすくなるため添加しない方が好ましく、添加する際は0.01重量部未満が好ましい。
【0048】
本発明の積層体は、インフレーション成形機、Tダイキャスト成形機、カレンダー成形機などにより(A)層及び(B)層を形成した後、ドライラミネート成形やサーマルラミネート成形、押出ラミネート成形、プレス成形機などにより基材と貼り合わせる方法や、押出ラミネート成形により基材に直接(A)層、(B)層を順次積層する方法、共押出ラミネート成形により基材に直接(A)層と(B)層を同時に貼り合わせる方法などにより作製することができる。この中では、生産性や離型性の観点から、共押出ラミネート成形が最も好ましい。
【0049】
本発明の積層体を構成する(A)層及び(B)層の厚みは、本発明の目的が達成される限りにおいて特に限定はなく、ラミネート成形性や離型性に優れることから、(A)層、(B)層とも0.1μm〜5mmの厚みであることが好ましい。また、(B)層は0.5μm〜4μmの範囲にあると(B)層表面へのシラノール硬化触媒の移行が容易となり、離型性が向上するためさらに好ましく、0.5〜3μmの範囲が最も好ましい。
【0050】
本発明の積層体は、テープやラベルの粘着剤表面への離型剤転写を抑制するため、(B)層の表面が酸化されているものが好ましい。
【0051】
(B)層表面を酸化する際の酸化処理方法としては、クロム酸処理、硫酸処理、空気酸化、オゾン処理、コロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理等が挙げられ、フィルム表面に酸化物を効果的に形成させるためコロナ放電処理、フレーム処理、プラズマ処理が好ましい。
【0052】
コロナ放電処理は、プラスチックフィルムやシート表面の連続処理技術として広く使用されているものであり、コロナ放電処理機により発生したコロナ雰囲気にフィルムを通過させることにより行われる。コロナ放電密度として、1〜100W・分/mであると、オレフィン系重合体とポリジメチルシロキサンとの密着性が向上し粘着剤の表面汚染が防止されるとともに、離型性にも優れるため好ましい。
【0053】
フレーム処理は、天然ガスやプロパン等を燃焼させたときに生じる火炎にフィルム表面を接することで処理が行われる。
【0054】
プラズマ処理は、アルゴン、ヘリウム、ネオン、水素、酸素、空気等の単体又は混合気体をプラズマジェットで電子的に励起せしめた後、帯電粒子を除去し、電気的に中性とした励起不活性ガスをフィルム表面に吹き付けることにより行われる。
【0055】
また積層体を構成する基材としては合成高分子フィルム、合成高分子シート、合成高分子又は天然高分子からなる織布、合成高分子又は天然高分子からなる不織布、紙、金属箔等が挙げられる。合成高分子フィルム、合成高分子シートとして、例えばポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリアミド、ポリビニルアルコール、エチレン・酢酸ビニル共重合体鹸化物、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成高分子からなるフィルム又はシート等が挙げられる。更に、これら高分子フィルム又はシートは、その表面がアルミニウムやアルミナ、シリカなどにより蒸着されたものでもよく、また、表面がウレタン系インキ等を用い印刷されたものであってもよい。また、織布、不織布としては、ポリエステルやポリエチレン、ポリプロピレンなどの合成樹脂製のもの、あるいはスフなどの天然材料を原料したものが挙げられる。紙としては、クラフト紙、クルパック紙、上質紙、グラシン紙、板紙等が挙げられる。この中で、紙、又は合成樹脂及び/又は天然材料からなる織布若しくは不織布が、得られた積層体の易裁断性に優れるため好ましい。
【発明の効果】
【0056】
本発明の積層体は、粘着剤との離型性、オレフィン系重合体とポリジメチルシロキサンの密着性に優れ、ラベル、シール用の剥離紙やテープ等、広範囲にわたる産業用資材として極めて有用である。
【実施例】
【0057】
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0058】
以下に、物性、加工性の測定方法と評価方法を示す。
【0059】
(1)メルトマスフローレート(MFR)
JIS K6922−1(1997年)に準拠。
【0060】
(2)密度
JIS K6922−1(1997年)に準拠。
【0061】
(3)離型性
実施例により得られた積層体の(B)層側表面に巾50mm、長さ150mmのクラフト粘着テープ(ニチバン社製 商品名No.313)を貼付し、線圧5kg/cm、速度5m/分の条件でゴムロール間を通過させた後、40℃の雰囲気で7日間放置し、離型性測定用試料を得た。その後、クラフト粘着テープと積層体の(B)層表面との剥離強度を引張試験機(島津製作所(株)社製、商品名オートグラフDCS−100)にて測定した。剥離速度は500mm/分である。
【0062】
(4)再粘着性
上記離型性試験により積層体の(B)層表面から剥離した巾50mmのクラフト粘着テープを、アルミニウム板(東洋アルミニウム(株)製 商品名A1N30H−H18、厚み0.1mm)に5kg/cmの線圧で貼付した。23℃の雰囲気にて1日放置した後、クラフト粘着テープとアルミニウム板の接着強度を引張試験機(島津製作所製 オートグラフDCS−100)にて測定した。剥離速度は300mm/分である。粘着テープの粘着剤表面が離型フィルムにより汚染された場合、粘着テープの再粘着性が低下し、粘着テープとしての性能を損なう。すなわち、再粘着強度は高い方が好ましい。
【0063】
実施例1
オレフィン系重合体として、MFRが8g/10分、密度が918kg/mである低密度ポリエチレン(東ソー(株)製 商品名ペトロセン213、以下LDPEと記す場合がある)99.8重量%、シラノール硬化触媒としてジラウリン酸ジオクチル錫((株)ADEKA製 商品名OT−1、以下CAT−1と記す場合がある)を0.2重量になるよう配合し、ニ軸押出機(東洋精機製 ラボプラストミル)にて溶融混練し(A)層に用いる樹脂組成物のペレットを得た。
【0064】
また、オレフィン系重合体として、MFRが21g/10分、密度が900kg/mであるエチレン・1−ブテン共重合体(東ソー(株)製 商品名ルミタック08L51A、以下LL−1と記す場合がある)96重量%、ポリジメチルシロキサンとしてストレートシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 商品名信越シリコーンKF96−10万cs、粘度100,000cSt、以下、Aと記す場合がある)を4重量%になるよう配合し、ニ軸押出機(東洋精機製 ラボプラストミル)にて溶融混練し(B)層に用いる離型性樹脂組成物のペレットを得た。
【0065】
得られたペレットを90mmΦ/65mmΦのスクリューを有する共押出ラミネーター(プラコー(株)製)の押出機へ供給し、320℃の温度でTダイより押出し、基材として50W・分/mの条件でコロナ処理を施した上質紙(北越製紙(株)製 商品名キンマリSW 坪量50g/m)のコロナ処理面に(A)層が配置されるよう(A)層/(B)層を同時にラミネートし積層体を得た後、積層体の離型フィルム用樹脂組成物表面に30W・分/mの条件でコロナ処理を施し、積層体を得た。(A)層の厚みは7μm、(B)層の厚みは4μmであった。
【0066】
得られた積層体を20時間40℃に保温されたオーブン中に保管した後、離型性、再粘着性、基材との接着性を測定し、その測定結果を表1に示した。
【0067】
【表1】

実施例2
シラノール硬化触媒として、CAT−1の代わりにオクチル酸アルミニウム(日東化成工業(株)製、商品名A−08、以下CAT−2と記す場合がある。)を用いたこと以外は実施例1と同様にして積層体を得た。評価結果を表1に示した。
【0068】
実施例3
(B)層に用いた離型性樹脂組成物として、LL−1を96重量%、ポリジメチルシロキサンAを4重量%の代わりに、LL−1を99重量%、ポリジメチルシロキサンAを1重量%とした以外は実施例2と同様にして積層体を得た。評価結果を表1に示した。
【0069】
実施例4
(B)層に用いた離型性樹脂組成物として、LL−1を96重量%、ポリジメチルシロキサンAを4重量%の代わりに、LL−1を92重量%、ポリジメチルシロキサンAを8重量%とした以外は実施例2と同様にして積層体を得た。評価結果を表1に示した。
【0070】
実施例5
(B)層に用いた離型性樹脂組成物として、LL−1を96重量%、ポリジメチルシロキサンAを4重量%の代わりに、LL−1を90重量%、ポリジメチルシロキサンAを10重量%とした以外は実施例2と同様にして積層体を得た。評価結果を表1に示した。
【0071】
実施例6
(A)層に用いた樹脂組成物として、LDPEを99.8重量%、CAT−2を0.2重量%の代わりに、LDPEを99.95重量%、CAT−2を0.05重量%とした以外は実施例2と同様にして積層体を得た。評価結果を表1に示した。
【0072】
実施例7
(A)層に用いた樹脂組成物として、LDPEを99.8重量%、CAT−2を0.2重量%の代わりに、LDPEを99.4重量%、CAT−2を0.6重量%とした以外は実施例2と同様にして離型フィルムを得た。評価結果を表1に示した。
【0073】
実施例8
シラノール硬化触媒として、CAT−2の代わりに2−エチル−ヘキサン酸亜鉛(日本化学産業(株)製 商品名ニッカオクチックス亜鉛18%、以下、CAT−3と記す場合がある)を用いたこと以外は実施例3と同様にして積層体を得た。評価結果を表1に示した。
【0074】
実施例9
シラノール硬化触媒として、CAT−2の代わりにアルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)(川研ファインケミカル製 商品名ALCH−TR、以下、CAT−4と記す場合がある)を用いたこと以外は実施例3と同様にして積層体を得た。評価結果を表1に示した。
【0075】
実施例10
シラノール硬化触媒として、CAT−2の代わりにチタンテトラキス(アセチルアセトナート)(マツモトファインケミカル製 商品名TC−401、CAT−5と記す場合がある)を用いたこと以外は実施例3と同様にして積層体を得た。評価結果を表2に示した。
【0076】
【表2】

実施例11
シラノール硬化触媒として、CAT−2の代わりにチタンテトラキス(2−エチルヘキソキシド)(マツモトファインケミカル製 商品名オルガチックス TA−30、CAT−6と記す場合がある)を用いたこと以外は実施例3と同様にして積層体を得た。評価結果を表2に示した。
【0077】
実施例12
シラノール硬化触媒として、CAT−2の代わりにシランオリゴマー(信越化学工業(株)製 商品名信越シリコーンアルコキシオリゴマーX−41−1053、以下、CAT−7と記す場合がある)を用いたこと以外は実施例3と同様にして積層体を得た。評価結果を表2に示した。
【0078】
実施例13
(A)層の厚み7μm、(B)層の厚み4μmの代わりに、(A)層厚み10μm、(B)層厚み1μmとしたこと以外は実施例3と同様にして積層体を得た。評価結果を表2に示した。
【0079】
実施例14
ポリジメチルシロキサンとしてストレートシリコーンオイルAの代わりに、ストレートシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 商品名信越シリコーンKF96−1000cs、粘度1,000cSt、以下、Bと記す場合がある)としたこと以外は実施例2と同様にして積層体を得た。評価結果を表2に示した。
【0080】
実施例15
ポリジメチルシロキサンとしてストレートシリコーンオイルAの代わりに、ストレートシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 商品名信越シリコーンKF96−5000cs、粘度5,000cSt、以下、Cと記す場合がある)としたこと以外は実施例2と同様にして積層体を得た。評価結果を表2に示した。
【0081】
実施例16
ポリジメチルシロキサンとしてストレートシリコーンオイルAの代わりに、ストレートシリコーンオイル(信越化学工業(株)製 商品名信越シリコーンKF96−30万cs、粘度300,000cSt、以下、Dと記す場合がある)としたこと以外は実施例2と同様にして積層体を得た。評価結果を表2に示した。
【0082】
実施例17
ポリジメチルシロキサンとしてストレートシリコーンオイルAの代わりに、エポキシ変性シリコーンオイル(信越化学工業(株)製 商品名信越シリコーンKF1001、粘度17,000cSt、以下、Eと記す場合がある)としたこと以外は実施例2と同様にして積層体を得た。評価結果を表2に示した。
【0083】
比較例1
シラノール硬化触媒として、CAT−2を用いなかったこと以外は実施例3と同様にして積層体を得た。評価結果を表3に示したが、離型性に劣っていた。
【0084】
【表3】

比較例2
(A)層に用いた樹脂組成物として、LDPEを99.8重量%、CAT−2を0.2重量%の代わりに、LDPEを96.8重量%、CAT−2を3.2重量%とした以外は実施例3と同様にして積層体の製造を試みたがラミネート成形機のダイリップにメヤニが付着し、また発煙も多かったことから積層体を得ることができなかった。
【0085】
比較例3
(B)層に用いた離型性樹脂組成物として、LL−1を99重量%、ポリジメチルシロキサンAを1重量%の代わりに、LL−1を99.97重量%、ポリジメチルシロキサンAを0.03重量%とした以外は実施例3と同様にして積層体を得た。評価結果を表3に示したが離型性に劣っていた。
【0086】
比較例4
(B)層に用いた離型性樹脂組成物として、LL−1を99重量%、ポリジメチルシロキサンAを1重量%の代わりに、LL−1を84重量%、ポリジメチルシロキサンAを16重量%とした以外は実施例3と同様にして積層体の製造を試みたが、LL−1とポリジメチルシロキサンAの混合不良により均一なフィルムを得ることができなかった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材の少なくとも片面に(A)層、及び該(A)層上に(B)層を有する積層体であって、(A)層及び(B)層が下記の要件を満たすことを特徴とする積層体。
(A)層:オレフィン系重合体97〜99.99重量%及びシラノール硬化触媒0.01〜3重量%からなる樹脂組成物層。
(B)層:オレフィン系重合体85〜99.99重量%及びポリジメチルシロキサン0.05〜15重量%からなる離型性樹脂組成物層。
【請求項2】
シラノール硬化触媒が錫、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、亜鉛、鉄及びコバルトからなる群より選ばれる1種以上の金属を含む脂肪酸金属塩及び/又はキレート化合物であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
【請求項3】
シラノール硬化触媒がチタンアルコキシド、アルミニウムアルコキシド及びシランアルコキシドからなる群より選ばれる1種以上の化合物であることを特徴とする請求項1に記載の積層体。
【請求項4】
積層体の(B)層表面が酸化されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の積層体。
【請求項5】
酸化処理が、コロナ放電処理、フレーム処理及びプラズマ処理からなる群より選ばれる少なくとも1種以上の処理方法であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の積層体。
【請求項6】
基材が、紙、又は合成樹脂及び/又は天然材料からなる織布若しくは不織布から選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の積層体。

【公開番号】特開2012−30425(P2012−30425A)
【公開日】平成24年2月16日(2012.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−170450(P2010−170450)
【出願日】平成22年7月29日(2010.7.29)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【Fターム(参考)】