説明

積載台、シート状物包装方法、およびシート状物包装構造

【課題】製版面の傷付き易い平版印刷版であっても200〜2000枚程度の単位で包装できる積載台、並びに前記積載台を用いたシート状物包装方法およびシート状物包装構造の提供。
【解決手段】シート状物10の包装に使用するための積載台2であって、シート状物10を厚み方向に積層したシート状物が載置される側の積載面20、および前記積載台2の底面の少なくとも一方に緩衝部材4,30を設けた積載台、シート状物包装方法、シート状物包装構造。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積載台、シート状物包装方法、およびシート状物包装構造に関し、特に、輸送時や荷役時に受ける衝撃によるシート状物の破損を効果的に防止できる積載台、シート状物包装方法、およびシート状物包装構造に関する。
【背景技術】
【0002】
感光性平版印刷版や感熱性平版印刷版などの平版印刷版の包装形態としては、たとえば、多数枚の平版印刷版を重ねた平版印刷版束の両面を端板で挟持したものを縦向きにして積載台上に載置した形態(特許文献1)や、平版印刷版束を積載台上に水平に載置し、側面を段ボールのような緩衝材で覆った形態(特許文献2)、平版印刷版束を積載台に縦向きまたは水平方向に載置し、部材を介して平版印刷版を拘束したり、平版印刷版束の周囲を固定したりする形態(特許文献3〜5)が一般的であった。
【特許文献1】特開平3−73946号公報
【特許文献2】特開平10−194351号公報
【特許文献3】特開2001−139055号公報
【特許文献4】特開2001−139056号公報
【特許文献5】特開2001−301817号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、製版面をレーザ光で直接照射して露光するレーザ刷版には、従来の感光型平版印刷版や感熱型平版印刷版に比較して製版面が傷付き易いものがある。
【0004】
ここで、積載台は、通常は、鉄製や木製、合板製、プラスチック製であるから、積載台そのものには衝撃を吸収する機能は殆どない。したがって、これらの平版印刷版を上述の包装形態で包装したのでは、積載台からの衝撃がそのまま平版印刷版に伝わり、平版印刷版の製版面が傷付いたり破損したりする可能性がある。
【0005】
したがって、レーザ直接書込み型の平版印刷版の包装形態としては、これまでは、30〜50枚の平版印刷版を内装して段ボール箱に収めた個装箱の形態で包装することが一般的であった。
【0006】
本発明は、上記問題を解決すべく成されたものであり、レーザ刷版のように製版面の傷付き易い平版印刷版であっても200〜2000枚程度の単位で包装できる積載台、並びに前記積載台を用いたシート状物包装方法およびシート状物包装構造の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、シート状物の包装に使用するための積載台であって、シート状物を厚み方向に積層したシート状物束が載置される側の積載面、および前記積載台の底面の少なくとも一方に緩衝部材を設けてなることを特徴とする積載台に関する。
【0008】
前記積載台においては、輸送時や荷役時にトラックの荷台や倉庫の床面などから受ける衝撃は、緩衝部材で低減され、積載面に載置されたシート状物束には直接には伝わらない。
【0009】
したがって、シート状物としてレーザ刷版のように製版面が傷付き易い平版印刷版を積載した場合においても、輸送時や荷役時の衝撃によって製版面が傷付き、品質不具合が生じることが防止される。
【0010】
しかも、シート状物を200〜2000枚程度積層してシート状物束を積層した場合においても、シート状物同士が衝撃で互いに移動して表面が損傷することが防止されるから、レーザ刷版を200〜2000枚程度の単位で包装する場合にも使用できる。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の積載台において、前記緩衝部材が少なくとも前記積載面に設けられてなる積載台に関する。
【0012】
前記積載台においては、トラックの荷台などの固定床面から積載台に伝わった振動は、前記緩衝部材で効果的に遮断される。
【0013】
したがって、前記積載台は、製版面が傷付き易い平版印刷版の包装に使用した場合の保護効果が高いから、レーザ刷版を200〜2000枚程度の単位で包装する場合に特に好適に使用できる。
【0014】
請求項3に記載の積載台は、請求項2に記載の積載台において、前記緩衝部材が、前記積載面と前記底面とに設けられてなる積載台に関する。
【0015】
前記積載台においては、固定床面から積載台に伝わった振動は、先ず、底面に設けた緩衝部材で遮断され、底面に設けた緩衝部材で遮断しきれなかった振動も積載面に設けた緩衝部材で遮断される。
【0016】
したがって、前記積載台は、製版面が傷付き易い平版印刷版の包装に使用した場合の保護効果が特に高い。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載の積載台において、前記緩衝部材が、衝撃吸収性を有する衝撃吸収性材料から形成された板状の部材である板状緩衝材である積載台に関する。
【0018】
前記積載台は、緩衝部材として板状緩衝材を用いているから、緩衝部材の構成が極めて単純である。
【0019】
請求項5の発明は、シート状物を厚み方向に積層したシート状物束を請求項1〜4の何れか1項に記載の積載台に載置して拘束することを特徴とするシート状物包装方法に関する。
【0020】
前記シート状物包装方法でシート状物を包装することにより、積載台の積載面および底面の少なくとも一方に設けられた緩衝部材によってシート状物が輸送時や荷役時の衝撃から保護される。
【0021】
したがって、レーザ刷版のように製版面が傷付き易い平版印刷版の包装に適用した場合においても、輸送時や荷役時の衝撃によって製版面が傷付き、品質不具合が生じることが防止される。
【0022】
しかも、シート状物を200〜2000枚程度積層してシート状物束を積層した場合においても、シート状物同士が衝撃で互いに移動して表面が損傷することが防止されるから、レーザ刷版を200〜2000枚程度の単位で包装する場合にも使用できる。
【0023】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のシート状物包装方法において、前記シート状物束を実質的に縦向きの状態で前記積載台に拘束するシート状物包装方法に関する。
【0024】
前記シート状物包装方法によれば、シート状物は立てた状態で包装されるから、包装を解いてシート状物を取り出すのが極めて容易である。したがって、平版印刷版のように開梱した状態で1枚づつ取り出して使用するようなシート状物の包装に特に好適である。
【0025】
請求項7に記載の発明は、請求項5または6に記載のシート状物包装方法において、前記シート状物が平版印刷版であるシート状物包装方法に関する。
【0026】
前記シート状物包装方法は、本発明のシート状物包装方法を平版印刷版の包装に使用した例である。
【0027】
平版印刷版は、通常、厚さ方向に積層した平版印刷版束の形態で包装されて輸送および荷役される。したがって、輸送および荷役中に平版印刷版束に衝撃が加わると、平版印刷版同士が擦れて製版面に傷が付き、印刷画像が白く抜ける白抜けなどの印刷不良の原因になることがある。
【0028】
前記シート状物包装方法によれば、輸送および荷役中に平版印刷版束に衝撃が加わることが防止されるから、輸送および荷役中の取り扱いによって製版面に傷が付くことがない。
【0029】
したがって、製版面の傷付きに起因する印刷不良の発生を効果的に防止できる。
【0030】
請求項8に記載の発明は、シート状物を厚み方向に積層してなるシート状物束と、前記シート状物束を積載面に載置する請求項1〜4の何れか1項に記載の積載台と、前記シート状物束を前記積載台の積載面に拘束する拘束手段とを備えることを特徴とするシート状物包装構造に関する。
【0031】
前記シート状物包装構造によれば、シート状物束は、樹脂製のバンドや結束用ロープなどのような拘束手段によって積載台の積載面に拘束される。
【0032】
したがって、シート状物束は、輸送中や荷役中の衝撃によって積載面から飛び上がったり荷崩れしたりすることがない。また、積載台の積載面や底面に設けられた緩衝部材によって輸送中や荷役中の衝撃は効果的に遮断されるから、シート状物束内でシート状物同士が擦れ合うこともない。
【0033】
故に、前記シート状物包装構造によれば、輸送中や荷役中の衝撃からシート状物を効果的に保護できる。
【0034】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載のシート状物包装構造において、前記シート状物束が実質的に縦向きの状態で前記積載台に拘束されてなるシート状物包装構造に関する。
【0035】
前記シート状物包装構造においては、シート状物束が実質的に縦向きに載置された状態で包装されているから、開梱した状態でシート状物を取り出すのが極めて容易である。
【0036】
請求項10に記載の発明は、請求項8または9に記載のシート状物包装構造において前記シート状物が平版印刷版であるシート状物包装構造に関する。
【0037】
前記シート状物包装構造によれば、平版印刷版を輸送中や荷役中の衝撃から効果的に保護できるから、前記シート状物包装構造は、レーザ刷版のように製版面が傷付き易い平版印刷版の包装に極めて好適な包装形態である。
【発明の効果】
【0038】
以上説明したように本発明によれば、製版面の傷付き易い平版印刷版であっても200〜2000枚程度の単位で包装できる積載台、並びに前記積載台を用いたシート状物包装方法およびシート状物包装構造が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
1.実施形態1
本発明に係るシート状物包装構造の一例である平版印刷版の包装構造体について以下に説明する。
【0040】
図1〜図3に示すように、実施形態1に係る包装構造体100は、積載台2と、積載台2上に実質的に縦向きの状態で載置される平版印刷版束10と、平版印刷版束10を積載台2に拘束する2本の結束バンド8と、平版印刷版束10において夫々の結束バンド8が当接する側の端面に当てられる当て板6とを備えている。積載台2、結束バンド8、および平版印刷版束10は、夫々本発明のシート状物包装構造の備える積載台、拘束手段、およびシート状物束に相当する。なお、当て板6における結束バンド8が当る部分には、帯状の補強片9が挿入されている。
【0041】
図1〜図3に示すように、積載台2は、全体として椅子状に形成され、平版印刷版束10を載置する載置部22と、載置部22を下方から支持する台座部24とからなっている。
【0042】
載置部22は、全体として略L字状に形成され、載置部22は、台座部24に対して傾斜している支持板22Aと、椅子の座面に相当する載置板22Bとからなる。支持板22Aは鉛直方向に対し、9〜15度傾斜し、載置板22Bは、支持板22Aに向って下向きに傾斜している。そして、支持板22Aと載置板22Bとにおける平版印刷版束10が接触する側の面が載置面20とされている。載置面20における平版印刷版束10が当接する部分には、板状緩衝材4が設けられている。板状緩衝材4は、本発明における緩衝部材に相当する。
【0043】
台座部24は、載置部22の載置板22Bが固定される略長方形状の上板26と、同じく略長方形状の底板28と、上板26と底板28とを連結する角材状の脚部27とを備えている。脚部27は台座部24の奥行き方向Dに沿って互いに平行に3本設けられている。脚部27の間には、フォークリフトやハンドリフトのフォークを挿入するための空間29が形成されている。なお、脚部27として、角材状の部材の代りにブロック状の部材を用い、積載台2の正面からだけでなく、側面からもフォークリフトやハンドリフトのフォークが挿入できるようにしてもよい。
【0044】
台座部24の底板28の下面には板状緩衝材30が接着されている。底板28の下面は、本発明の積載台の底面に相当し、板状緩衝材30は緩衝部材に相当する。
【0045】
板状緩衝材4および30は、本発明における緩衝部材に相当し、厚さは1〜20cm程度が好ましい。
【0046】
板状緩衝材4および板状緩衝材30としては、圧力に強く、所謂ヘタレが生じない点から、ポリエチレン発泡材の板材が好ましいが、他に天然ゴムやネオプレンゴム、熱可塑性エラストマの板材や発泡材などが挙げられる。更に、段ボール、板バネやコイルバネなどの各種バネ、および制振合金などの振動吸収金属の板も使用できる。
【0047】
平版印刷版束10は、平版印刷版を厚み方向に積層したものであるが、平版印刷版のみを厚さ方向に積層したものであってもよく、平版印刷版と合紙とを交互に積層したものであってもよい。更に、所定の枚数毎に積層された平版印刷版の上下に保護用厚紙を挿入してもよい。更に加えて、外部からの光線や温度、湿度の変化などから平版印刷版を保護できるように内装紙で平版印刷版束10を包装することが好ましい。内装紙としては、クラフト紙にアルミニウム箔を貼着し、必要に応じてポリエチレン樹脂などの防湿層や黒色ポリエチレン樹脂などの防湿・遮光層を設けたものが挙げられる。
【0048】
平版印刷版束10を構成する平版印刷版としては、感光性平版印刷版や感熱性平版印刷版などが挙げられる。
【0049】
なお、包装構造体100においては、図4および図5に示すように、結束バンド8で平版印刷版束10を積載台2に拘束する代りに、ストレッチフィルム40で拘束してもよい。この場合、ストレッチフィルム40が本発明における拘束手段に相当する。
【0050】
ストレッチフィルム40は、上端部が平版印刷版束10の上面に接触し、下端部が台座部24に達する高さを有し、中央部を平版印刷版束10の正面に接触させて両端を図5における矢印Lの方向に折り込んだときに、積載台2の支持板22Aの背面で両端が重なり合う程度の巾を有している。
【0051】
ストレッチフィルム40は、伸縮性のある材料から形成されたフィルムであり、降伏点を超えない範囲で引張られると、一定値以上の収縮力で収縮する。ストレッチフィルム40としては、ポリエチレン樹脂やエチレン・プロピレン共重合体樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などから形成された1軸または2軸延伸フィルムがが使用される。ストレッチフィルム40としてLLDPE(直鎖状低密度ポリエチレン)などの自己接着性フィルムを用いれば、粘着テープや接着剤、留め具などの固定手段を使用することなく端部を固定できる。
【0052】
ストレッチフィルム40で平版印刷版束10を積載台2に拘束する手順は以下の通りである。
【0053】
先ず、図5に示すように、平版印刷版束10を内装紙16で包装し、積載台2に載置する。なお、内装紙16は、上に説明した内装紙と同様の構成を有している。次に、平版印刷版束10を積載台2ごとストレッチフィルム40で巻回する。ストレッチフィルム40で巻回する回数は、図5に示すように1回のみでもよく、また、2回またはそれ以上であってもよい。平版印刷版束10と積載台2とを巻回するストレッチフィルム40は、図5に示すように枚葉状であってもよいが、ロール状のストレッチフィルム40で平版印刷版束10と積載台2とを必要な回数だけ巻回してもよい。これにより、図5に示されるように平版印刷版束10は積載台2に拘束される。
【0054】
なお、平版印刷版束10を積載台2に拘束するのに、ストレッチフィルム40に代えて熱収縮性フィルムを用いてもよい。この場合は、熱収縮性フィルムで平版印刷版束10を積載台2ごと巻回し、熱収縮性フィルムの末端をテープ等の適宜の手段で固定したのち、前記熱収縮性フィルムに熱風を吹き付けて加熱して熱収縮させればよい。
【0055】
実施形態1に係る包装構造体100においては、輸送中にトラックの荷台から伝わってくる振動や、荷役中にフォークリフトのフォークから伝わってくる振動は、板状緩衝材4および板状緩衝材30で遮断され、平版印刷版束10には伝達されない。
【0056】
したがって、平版印刷版束10を立てた状態で積載台2上に載置しているにも係らず、振動によって平版印刷版が上下動して隣り合う平版印刷版同士が互いに擦れ合って製版面に傷が生じることが防止されるから、レーザ刷版のように製版面が傷付き易い形態の平版印刷版を200〜2000枚程度の単位で包装して搬送するのに好適に使用される。
【0057】
また、平版印刷版束10は縦向きの状態で積載台2に載置されているから、包装構造体100を開梱した後に平版印刷版を1枚づつ取り出すことが容易に行なえる。
【0058】
なお、本実施形態1は、シート状物が平版印刷版である例について述べたが、枚葉状のシート状物であれば、平版印刷版には限定されず、たとえば、金属板を枚葉状の正方形、または長方形状に裁断した枚葉体シートの包装にも適用できる。
【0059】
2.実施形態2
本発明に包含される平版印刷版の包装構造体の別の例について以下に説明する。
【0060】
図6〜図8に示すように、実施形態2に係る包装構造体102は、積載台52と、積載台52上に実質的に水平に載置される平版印刷版束60と、平版印刷版束60を積載台2に拘束する3本の結束バンド58と、平版印刷版束60における結束バンド58が当接する側の端面に当てられる当て板56とを備えている。なお、当て板56における夫々の結束バンド58が当る部分には、帯状の補強片59が挿入されている。積載台52、平版印刷版束60、および結束バンド58は、夫々本発明のシート状物包装構造における積載台、拘束手段、およびシート状物束に相当する。
【0061】
図6および図7に示すように、積載台52は、略水平に配設され、平版印刷版束60が載置される保持台52Aと、保持台52Aの下面から下方に設けられた2つの脚部52Bとを備える。
【0062】
保持台52Aの上面の中央部には、保持台52Aよりも一回り小さなスペーサ53が固定され、スペーサ53に板状緩衝材54が貼付され、その上に平版印刷版束60が載置される。なお、板状緩衝材54および平版印刷版束60は、実施形態1における板状緩衝材4および平版印刷版束10と同様である。
【0063】
実施形態2に係る包装構造体102においても、輸送中にトラックの荷台から伝わってくる振動や、荷役中にフォークリフトのフォークから伝わってくる振動は、板状緩衝材54で遮断され、平版印刷版束60には伝達されない。
【0064】
したがって、振動によって平版印刷版が水平にズレ動いたり上下動したりして隣り合う平版印刷版同士が互いに擦れ合って製版面に傷が生じることが防止されるから、レーザ刷版のように製版面が傷付き易い形態の平版印刷版を200〜2000枚程度の単位で包装して搬送するのに好適に使用される。
【0065】
更に、平版印刷版束60は、水平に載置されるから、需要者が、平版印刷版を水平に装入する形態の露光・製版装置を使用している場合には、開梱したそのままの状態で装入を行なえるという特長もある。
【0066】
3.実施形態3
本発明に包含される平版印刷版の包装構造体の更に別の例について以下に説明する。
【0067】
図9および図10に示すように、実施形態3に係る包装構造体104は、積載台72と、積載台72上に実質的に水平に載置される平版印刷版束80と、平版印刷版束80を積載台72に拘束する井桁状に配置された4本の結束バンド88と、平版印刷版束80における結束バンド88が当接する側の端面に当てられる当て板86とを備えている。積載台72、平版印刷版束80、および結束バンド88は、夫々本発明のシート状物包装構造における積載台、拘束手段、およびシート状物束に相当する。
【0068】
積載台72は、略長方形状の上板76と、同じく略長方形状の底板78と、上板76と底板78とを連結するブロック状の脚部77とを備えている。脚部77の間には、フォークリフトやハンドリフトのフォークを挿入するための空間79が形成されている。
【0069】
上板76の中央部には、上板76よりも一回り小さなスペーサ73が固定され、その上に板状緩衝材74が貼着されている。脚部77およびスペーサ73は段ボールなどの緩衝性材料で形成してもよい。
【0070】
スペーサ73、板状緩衝材74、および平版印刷版束80は、外光や温度、湿度の変化から保護すべく、遮光性の外装材82で巻回されている。なお、図1においては、スペーサ73、板状緩衝材74、および平版印刷版束80の相対的位置関係が判るように、外装材82は恰も部分的に破れているように示されている。外装材82としては、たとえばクラフト紙や段ボールにポリエチレン層のような防水防湿層およびアルミニウム箔や黒色ポリエチレン層のような遮光層を設けたものが挙げられる。
【0071】
板状緩衝材74および平版印刷版束80は、実施形態1における板状緩衝材4および平版印刷版束10と同様である。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明の積載台、シート状物包装方法、およびシート状物包装構造は、枚葉状のシート状物であれば、平版印刷版以外にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】図1は、実施形態1に係る平版印刷版の包装構造体の構成を示す斜視図である。
【図2】図2は、図1に示す包装構造体における積載台と平版印刷版束との相対的な位置関係を示す斜視図である。
【図3】図3は、図1に示す包装構造体における積載台と平版印刷版束との相対的な位置関係を示す側面図である。
【図4】図4は、実施形態1に係る平版印刷版の包装構造体の別の例について構成を示す斜視図である。
【図5】図5は、積載台に平版印刷版束を載置してストレッチフィルムで巻回し、図4に示す包装構造体を形成する手順を示す分解斜視図である。
【図6】図6は、実施形態2に係る平版印刷版の包装構造体の構成を示す斜視図である。
【図7】図7は、図6に示す包装構造体における積載台と平版印刷版束との相対的な位置関係を示す斜視図である。
【図8】図8は、図6に示す包装構造体における積載台と平版印刷版束との相対的な位置関係を示す側面図である。
【図9】図9は、実施形態3に係る平版印刷版の包装構造体の構成を示す斜視図である。
【図10】図10は、図9に示す包装構造体における積載台と平版印刷版束との相対的な位置関係を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0074】
2 積載台
4 板状緩衝材
6 当て板
8 結束バンド
10 平版印刷版束
16 内装紙
20 載置面
22B 載置板
22 載置部
22A 支持板
24 台座部
26 上板
27 脚部
28 底板
29 空間
30 板状緩衝材
40 ストレッチフィルム
52B 脚部
52 積載台
52A 保持台
53 スペーサ
54 板状緩衝材
56 当て板
58 結束バンド
59 補強片
60 平版印刷版束
72 積載台
73 スペーサ
74 板状緩衝材
76 上板
77 脚部
78 底板
79 空間
80 平版印刷版束
82 外装材
88 結束バンド
100 包装構造体
102 包装構造体
104 包装構造体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート状物の包装に使用するための積載台であって、
シート状物を厚み方向に積層したシート状物束が載置される側の積載面、および前記積載台の底面の少なくとも一方に緩衝部材を設けてなることを特徴とする積載台。
【請求項2】
前記緩衝部材は、少なくとも前記積載面に設けられてなる請求項1に記載の積載台。
【請求項3】
前記緩衝部材は、前記積載面と前記底面とに設けられてなる請求項2に記載の積載台。
【請求項4】
前記緩衝部材は、衝撃吸収性を有する衝撃吸収性材料から形成された板状部材である板状緩衝材である請求項1〜3の何れか1項に記載の積載台。
【請求項5】
シート状物を厚み方向に積層したシート状物束を請求項1〜4の何れか1項に記載の積載台に載置して拘束することを特徴とするシート状物包装方法。
【請求項6】
前記シート状物束を実質的に縦向きの状態で前記積載台に拘束する請求項5に記載のシート状物包装方法。
【請求項7】
前記シート状物は平版印刷版である請求項5または6に記載のシート状物包装方法。
【請求項8】
シート状物を厚み方向に積層してなるシート状物束と、前記シート状物束を積載面に載置する請求項1〜4の何れか1項に記載の積載台と、前記シート状物束を前記積載台の積載面に拘束する拘束手段とを備えることを特徴とするシート状物包装構造。
【請求項9】
前記シート状物束は、実質的に縦向きの状態で前記積載台に拘束されてなる請求項8に記載のシート状物包装構造。
【請求項10】
前記シート状物は平版印刷版である請求項8または9に記載のシート状物包装構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−182401(P2006−182401A)
【公開日】平成18年7月13日(2006.7.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−377967(P2004−377967)
【出願日】平成16年12月27日(2004.12.27)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】