説明

穴を巾着式に閉塞する組織アンカー

縫合糸を組織に取り付け、信頼性が高く且つ完全な穴の閉塞を提供し、その他の種々の処置ための器具の転用性を増す医療器具。該医療器具の実施例としては、互いに対向する端部(26,28)を有しているクロスバー(24)と、縫合糸(22)を摺動可能に受け入れる構造(30)と、を備えている組織アンカー(20)がある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば組織アンカー及び縫合糸を使用して組織の穴を閉塞するために縫合糸を組織に結合する組織アンカーに関する。
【背景技術】
【0002】
体壁の穴は、自然に生じるか又は意図的若しくは意図せずに生じたりする。これらの穴を永久に閉塞させ且つ組織を適正に治癒させるために、縫合糸、接着剤、クリップ、ステープル等を使用する多くの医療器具及び医療方法が開発されて来た。このような器具の一つの種類は、一般的に組織アンカー(T字型アンカー)又は内臓アンカーと称されている。一つの例示的な組織アンカーが米国特許第5,123,914号に開示されており、該米国特許の全開示内容はこれに言及することにより本明細書に参考として組み入れられている。このような組織アンカーは、組織の壁の可動化又は壁の付着を必要とする医療処置において極めて効果的である。
【0003】
組織アンカーは、穴を閉塞させる際に効果的であるが、欠点が無いわけではない。例えば、一連のアンカーが穴の周りに配置され、アンカーに結合されている個々の縫合糸の全てが集められ且つ相互に結合されなければならない。穴の周りの組織の適正な隣接縫合及び穴の完全な閉塞を確保するために、別々の縫合糸の各々を適正に引っ張ることは難しい場合が多い。この適正な引っ張りは胃腸管内では特に重要である。胃腸管においては、細菌を含む流体が胃腸管から外部へ流出することによって不所望で時々は死に至る感染を惹き起こす。
【発明の概要】
【0004】
本発明は、縫合糸を組織に固定し、信頼性が高く且つ完全な穴の閉塞を提供し且つ他の種々の処置への転用性を増すことができる医療器具を提供する。本発明の教示に従って作られた縫合糸を組織に結合させる組織アンカーの一つの実施形態は、概ね、クロスバーとストランドとからなる。クロスバーは、対向する第一及び第二の端部を有しており且つ長手軸線を規定している。該クロスバーは、前記の第一の端部と第二の端部との間に開口部を備えている管状の壁によって形成されている。前記のストランドは、一回転してループを形成している。ストランドとそのループとは、前記の開口部内を通り且つ該長手軸線から離れる方向に突き出している。ループは、その中に縫合糸を摺動可能に収容する大きさとされている。
【0005】
組織アンカーのこの実施形態の更に詳細な特徴によれば、ストランドの直径はクロスバーの直径の約50%未満である。ストランドの直径は約0.2mm〜約0.35mmの範囲内であるのが好ましく、一方、クロスバーの直径は約0.5mm〜約1.1mmであるのが好ましい。ループは、クロスバーから約0.35mm又はその以上離れて配置された頂端を有している。該ループは、ストランドの端部同士が互いに交差する交差点を形成しており、該交差点はクロスバーの外面の径方向外側に位置しているのが好ましい。ストランドは可撓性であり、前記開口部は、ループがストランドに沿って長手方向に移動するのを許容するのが好ましい。この開口部は、約0.4mm〜約3.0mmの範囲内の長手方向距離に亘って伸長しているのが好ましく、一方、クロスバーの長さは典型的には約3.0mm〜約10.0mmの範囲内である。ストランドは金属ワイヤーとすることができ、低摩擦材料がコーティングされているのが好ましい。
【0006】
本発明の教示に従って作られた縫合糸を組織に結合する組織アンカーの別の実施形態は、概ね、クロスバーとストランドとからなる。クロスバーは、対向する第一及び第二の端部を有しており且つ長手軸線を規定している。クロスバーは、前記の第一の端部と第二の端部との間に第一の開口部と第二の開口部とを備えている管状の壁によって形成されており、該第一の開口部と第二の開口部とは長手方向に隔置されている。可撓性の縫合糸が、前記のクロスバーの対向する第一及び第二の端部にそれぞれ結合されている対向する第一及び第二の端部を有している。縫合糸は、前記の第一及び第二の開口部を通って伸長し且つ前記第一の開口部と第二の開口部との間においてクロスバーから離れる方向に突き出していて縫合糸とクロスバーとの間にループを形成している。
【0007】
本発明の教示に従って作られた縫合糸を組織に結合する組織アンカーの更に別の実施形態は、概ね、クロスバーとフランジとからなる。クロスバーは、対向する第一及び第二の端部を有しており且つ長手軸線を規定している。フランジは、前記の第一の端部と第二の端部との間でクロスバーに結合されており且つ前記の長手軸線から離れる方向に突出している。フランジの厚みはクロスバーの直径より小さい。フランジは、その中に縫合糸を収容できる大きさの穴を形成している。この組織アンカーの実施形態の更に詳細な特徴によると、フランジの外側端面は湾曲した形状とされている。クロスバーとフランジとは、一部品として一体に形成されていてもよい。クロスバーとフランジとは、任意ではあるが、再吸収性材料によって成形される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
明細書に組み込まれ且つ明細書の一部を成している添付図面は、本発明の幾つかの特徴を示すと共に明細書と共に本発明の原理を説明する機能を果たしている。
【図1】図1は、本発明の教示に従って作られた組織アンカーの一つの実施例の前面図である。
【図2】図2は、図1の線2−2に沿った断面図である。
【図3】図3は、本発明の教示に従って作られた組織アンカーの別の実施例の前面図である。
【図4】図4は、本発明の教示に従って作られた組織アンカーの更に別の実施例の前面図である。
【図5】図5は、図4に示されている組織アンカーの端面図である。
【図6】図6は、本発明の教示に従って作られた医療器具を概略的に示している平面図である。
【図7】図7は、図6に示されている医療器具の断面図である。
【図8】図8は、図6に似ているが、穴を閉塞する医療器具の概略図である。
【図9】図9は、図8に示されている医療器具の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図面を参照すると、図1〜2には、本発明の教示に従って作られた組織アンカーが示されている。アンカー20は、例えば、体壁12(例えば、図6〜9を参照)に形成されている穴10を閉塞するために又はその他の処置において使用するために縫合糸22を組織に結びつけるために使用される。アンカー20は、対向する端部26及び28を有し且つ長手軸線14を規定しているクロスバー24を備えている。クロスバー24は、細長いのが好ましいが、縫合糸22を体壁12に結合するのに適した形態とすることができる。クロスバー24にはストランド30が結合されており、ストランド30はループ32を形成する形状とされている。図2から最も良くわかるように、クロスバー24は、管腔36を規定している管状の壁34を有しているカニューレによって構成されている。管状の壁34には細長い開口部38が形成されており、開口部38内にストランド30が通されている。ストランド30の各端部は、溶着部44によってカニューレの管腔36内に固定されている。ストランド30は、あらゆる公知の又は今後開発される取り付け手段を使用してクロスバー24に固定することができる。該取り付け手段としては、機械式取り付け部材、接着剤、又は種々の溶着若しくはハンダ付け技術がある。同様に、ストランド30は、その端部がクロスバー24に直接取り付ける必要がないように十分な堅牢性を有することができる。なぜならば、開口部38を通って突き出したループの形成は、ストランド30をクロスバー24内に保持するのに十分であり、且つ/又はストランド30の各端部を単に曲げるか変形させて、これらをクロスバー24内に保持し且つ該ループが開口部38内を通り抜けないようにできるからである。
【0010】
ストランド30は、単一フィラメントあるいは多数フィラメントのワイヤー並びに巻線及び編線を含む金属ワイヤーによって作られるのが好ましいけれども、縫合糸、プラスチック製の糸、ロープ等のような他の構成とすることもできる。図1から最も良くわかるように、ストランド30は、一回転していて縫合糸22がその中を通るループ32を形成する構造とされている。ループ32は、細長い開口部38と長手方向に一直線となるように配置され、開口部38内を通って長手軸線14から離れる方向に突き出すようになされている。従って、ストランド30とそのループ32とは、縫合糸22がどのように引っ張られるかによって、その形状及び向きを調整できることがわかる。細長い開口部38の大きさとストランド30の可撓性とによって、ループ32はストランド30の長さに沿って長手方向に移動することができるようになる。ループ32は頂端Aを形成しており、該頂端はクロスバー24から約0.35mm又はそれ以上離れて配置されているのが好ましい。ループ32はまた交差点CPをも形成しており、該交差点において、ストランド30の端部が互いに交差している。交差点CPは、開口部38の側壁の径方向外側を含むクロスバー24の径方向外側に配置されているのが好ましいが、クロスバー24に出来る限り近いこともまた好ましい。開口部38は、約0.4mm〜約3.0mmの範囲内の長手方向距離に亘って伸長しているのが好ましく、一方、クロスバー24は、典型的には長さが約3.0mm〜約10.0mmの範囲内である。ストランドは直径がクロスバー24の直径の約50%未満であるのが好ましく、約35%未満であるのが最も好ましい。ストランド30の直径は約0.20mm〜約0.35mmの範囲内であるのが好ましく、約0.254mmであるのが最も好ましい。クロスバー24の直径は、約0.5mm〜約1.0mmの範囲内であるのが好ましく、約0.8mmであるのが最も好ましい。ストランド30は、公知のプラスチックコーティング又は親水性のコーティングのような低摩擦材料によってコーティングされていてもよい。
【0011】
ストランド30とそのループ32とのこの構造により、縫合糸22はクロスバー24又は細長い開口部38によって形成されている端縁と係合するのを防止されつつ、縫合糸22がループ32内をクロスバー24に対して引っ張られ且つ摺動することができるようにされている。すなわち、縫合糸22の端部がクロスバー24に対してどちらの方向に引っ張られるか又は摺動されても、ワイヤー30とそのループ32とが縫合糸22とクロスバー24との間の障壁として機能して、それらの間の如何なる不所望な摩耗も防止される。一般的に、ストランド30はある長さを有しており、ループ32の頂端Aの位置は、ループ32が埋め込まれている組織から突き出す(例えば、組織の近位側から突き出る)大きさとされて、組織22の信頼性の高い引張りを可能とし且つ組織の擦り傷を防止する位置とされる。
【0012】
図3を参照すると、本発明の教示による組織アンカー120の別の実施例が示されている。上記の実施例と同様に、アンカー120は、概ね、対向する端部126及び128を有しているクロスバー124を備えている。クロスバー124にはストランド130が結合されており、この実施例においては、ストランド130は可撓性の縫合糸によって作られている。クロスバー124は、長手方向に沿って隔置されている第一の開口部138と第二の開口部140とを形成している。ストランド130を図3において左から右へと見ていくと、ストランド130は、クロスバー124に取り付けられ、クロスバー124の中を通り、第一の開口部138から径方向に出て、クロスバー124の外周に沿って伸長し、第二の開口部140を通ってクロスバー124内へ入り、この位置でクロスバー124の第二の端部128に固定される。従って、可撓性の縫合糸130とクロスバー124とは、それらの間にループ132を形成し、ループ132は締結縫合糸22を摺動可能に収容できる大きさとされている。縫合糸130の長さは、縫合糸130が、クロスバー124から突き出る距離が可変であるように、約10mm〜約30mmであるのが好ましい。縫合糸130は、引っ張られるとピンと引っ張ったときにクロスバーの外面から約5mmのところに配置される頂端を形成する。縫合糸130は長さが18mmであるのが好ましく、一方、クロスバー124の長さは約8mmであるのが好ましい。縫合糸130は、単一フィラメント又は多フィラメントの構造とすることができる。ループ132を形成するための縫合糸130のこの構造により、アンカー120と締結縫合糸22との間の摩擦が減じられる。ループ132と縫合糸130の余分な長さとにより、クロスバー124は組織内の比較的深くに埋め込まれる。
【0013】
図4及び5を参照すると、本発明の教示による組織アンカーの更に別の実施例220が示されている。上記の実施例の場合と同じく、アンカー220は、概ね、対向する端部226及び228を有しているクロスバー224を備えている。この実施例においては、クロスバー224は、中実の筒状部材によって形成されているのが好ましく、金属棒、プラスチック成形部品、又はあらゆる棒材とすることができる。組織アンカー220はまた、クロスバー224に結合されており且つ該クロスバーから径方向に突き出ているフランジ240をも備えている。フランジ240は、クロスバー224の直径の50%未満の厚み(図5の側面図において最も良くわかる。)を有しているのが好ましい。フランジ240には、その中に締結縫合糸22を摺動可能に収容できる大きさの穴242が形成されている。クロスバー224とフランジ240とは、例えばプラスチック成形過程によって一体成形されるのが好ましい。従って、組織アンカー220全体は、単一のプラスチック材料によって作られ、最も好ましくは再吸収性材料によって作られる。組織アンカー220のこの構造によって、該組織アンカーは、解放された場合に体内を自然にではなく通過できる場所に配置することが可能になる。従って、組織アンカー220が如何なる位置にあっても、これらのアンカーは自然に体内から出て行くことが依然として可能である。
【0014】
本明細書において使用されている“再吸収性”という用語は、材料が組織及び/又は体液と接触したときに組織内及び/又は体液内に吸収される材料の特性を示している。多数の再吸収性材料が当該技術において知られており、どの適切な再吸収性材料も使用することができる。適切なタイプの再吸収性材料としては、再吸収性の単独重合体、共重合体、又は再吸収性重合体の混合物がある。適切な再吸収性材料の特別な例としては、ポリ乳酸、ポリラクチド、ポリグリコール酸(PGA)、若しくはポリグリコライド、のようなポリ−αヒドロキシ酸;トリメチレンカーボネート;ポリカプロラクトン;ポリヒドロキシブチレート、若しくはポリヒドロキシバレレート、のようなポリ−βヒドロキシ酸;又はポリフォスファゼン、ポリオルガノフォスファゼン、ポリ無水物、ポリエステルアミド、ポリ−オルトエステル、ポリエチレンオキシド、ポリエステル−エーテル(例えば、ポリ−ジオキサノン)、若しくはポリアミノ酸(例えば、ポリ−L−グルタミン酸若しくはポリ−L−リジン)のようなその他の重合体がある。適切な多数の天然由来の再吸収性重合体も存在し、このような重合体としては、セルロースのような改質ポリサッカライド、キチン、及びデキストラン、並びにフィブリン及びカゼインのような改質プロテインがある。
【0015】
図6〜9を参照すると、組織アンカー20は、単一の縫合糸22によって相互に連結された一組のアンカー20a,20b,20c,20dとして配備されるのが好ましく、これらのアンカーの全てが集合して体壁12の穴10を閉塞する医療器具50を形成している。縫合糸22は、組織アンカー20a,20b,20c,20dの各々に摺動可能に結合され、縫合糸22の2つの自由端52,54が残されてこれらを個々に引っ張って穴10を閉じることができる。図7において最も良くわかるように、組織アンカー(20b及び20cが図示されている)は体壁12の遠位側に配置され、一方、縫合糸端部52,54を含む縫合糸22の主要部分は体壁12の近位側に配置される。従って、医療器具50は、以下において更に詳細に説明するように、巾着形態で機能して体壁の穴10が閉塞されることがわかる。
【0016】
本発明の教示による穴10を閉塞させる方法は、図6に示されているように、組織アンカー20a,20b,20c,20dの各々を穴10の外周に隣接している体壁12に通すステップを含んでいる。アンカーは、図示されているように半環状又は環状に穴10の周りに連続して配置されるのが好ましい。次いで、該縫合糸の端部52,54は、図8〜9に示されているように引っ張られて組織アンカー20a,20b,20c,20d間の距離を縮め且つ穴10の周囲の体壁12を圧縮する。図9において最も良くわかるように、縫合糸22の端部52,54は、例えば縫合止め具56を使用して固定されて体壁12の圧縮状態を維持する。例示的な縫合止め具が、同時係属中の米国特許出願12/125,525号及び12/191,001号に開示されており、これらの開示内容はこれらに言及することにより本明細書に参考として組み入れられている。糸結び、結束、クランプ、リベット等のような現在公知の又は将来開発される縫合糸22の端部52,54を固定するあらゆる方法を採用することができることがわかるであろう。
【0017】
本発明の種々の実施例の上記の説明は、例示及び説明のために提供した。これは、排他的なものとし且つ本発明をここに開示されている実施例そのものに限定することは意図されていない。上記の教示を参考にして多くの改造又は変更が可能である。上記の実施例は、本発明の原理及び実際的な用途の最良の例示を提供して当業者が本発明を種々の実施例において及び考えられる特別な使用方法に適するように種々に改造して利用できるようにするために選択され且つ記載されたものである。このような改造及び変更の全てが、添付の特別請求の範囲を公正に且つ法的に且つ公正に権利を付与される範囲に従って解釈したときに該特許請求の範囲によって判断される発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0018】
10 穴、 12 体内の壁、
14 長手軸線、 20 アンカー、
22 縫合糸、 24 クロスバー、
26,28 対向する端部、 30 ストランド、
32 ループ、 34 管状の壁、
36 管腔、 38 細長い開口部、
44 溶着部、 CP 交差点、
120 組織アンカー、 124 クロスバー、
126,138 対向する端部、
130 ストランド、 132 ループ、
138 第一の開口部、 140 第二の開口部、
220 組織アンカー、 224 クロスバー、
226,228 対向する端部、
240 フランジ、 242 穴、
20a,20b,20c,20d 一組のアンカー、
50 医療器具、 52,54 自由端、
56 縫合止め具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
縫合糸を組織に結合するための組織アンカーであって、
対向する第一及び第二の端部を有し、長手軸線を規定しているクロスバーであって、前記第一の端部と第二の端部との間に開口部がある管状の壁によって画定されているクロスバーと、
前記クロスバーの対向する前記第一及び第二の端部にそれぞれ結合されている対向する第一及び第二の端部を有し、一回転してループを形成しているストランドと、を備えており、
前記ループは、前記クロスバーの前記開口部を通って前記長手軸線から離れる方向に突き出しており、該ループの中に前記縫合糸を受け入れることができる大きさとされている、ことを特徴とする組織アンカー。
【請求項2】
前記ストランドの直径が、前記クロスバーの直径の約35%より小さい、ことを特徴とする請求項1に記載の組織アンカー。
【請求項3】
前記ストランドの直径が約0.20mm〜約0.35mmの範囲内である、ことを特徴とする請求項1に記載の組織アンカー。
【請求項4】
前記クロスバーの直径が約0.5mm〜約1.0mmの範囲内である、ことを特徴とする請求項1に記載の組織アンカー。
【請求項5】
前記ループが、前記クロスバーから約0.35mm離れている頂端を備えている、ことを特徴とする請求項1に記載の組織アンカー。
【請求項6】
前記ループが前記ストランドの端部同士が互いに交差する交差点を規定しており、該交差点が前記クロスバーの外面の半径方向外側に位置する、ことを特徴とする請求項1に記載の組織アンカー。
【請求項7】
前記ストランドが可撓性であり、前記開口部は、前記ループが前記ストランドに沿って長手方向に移動するのを許容するサイズとされている、ことを特徴とする請求項1に記載の組織アンカー。
【請求項8】
前記開口部が、約1.0mm〜約3.0mmの範囲内にある長手方向の距離だけ伸長している、ことを特徴とする請求項1に記載の組織アンカー。
【請求項9】
前記ストランドが金属ワイヤーである、ことを特徴とする請求項1に記載の組織アンカー。
【請求項10】
前記ストランドが低摩擦材料でコーティングされている、ことを特徴とする請求項1に記載の組織アンカー。
【請求項11】
縫合糸を組織に結合するための組織アンカーであって、
対向する第一及び第二の端部を有し、長手軸線を規定しているクロスバーであって、前記第一の端部と第二の端部との間に長手方向に隔置されている第一及び第二の開口部を有する管状の壁によって画定されているクロスバーと、
前記クロスバーの対向する前記第一及び第二の端部にそれぞれ結合されている対向する第一及び第二の端部を有している可撓性の縫合糸と、を備えており、
該縫合糸は、前記第一及び第二の開口部を通り且つ該第一の開口部と第二の開口部との間において前記クロスバーから離れる方向に突き出して前記クロスバーとの間に前記縫合糸をその中に摺動可能に受け入れる大きさとされるループを形成している、ことを特徴とする組織アンカー。
【請求項12】
前記縫合糸が前記クロスバーから突き出す距離が可変である、ことを特徴とする請求項11に記載の組織アンカー。
【請求項13】
前記縫合糸が、引っ張られてピンと張られたときに、前記クロスバーの外面から約5.0mmだけ離れて位置する頂端を形成している、ことを特徴とする請求項12に記載の組織アンカー。
【請求項14】
前記ストランドの直径が前記クロスバーの直径の約35%より小さい、ことを特徴とする請求項11に記載の組織アンカー。
【請求項15】
縫合糸を組織に結合する組織アンカーであって、
対向する第一及び第二の端部を有し、長手軸線を規定しているクロスバーと、
前記第一の端部と第二の端部との間で前記クロスバーに結合され、前記長手軸線から離れる方向に伸長し、厚みが前記クロスバーの直径よりも小さくなっており、前記縫合糸をその中に摺動可能に受け入れる大きさの穴が形成されているフランジと、
を備えていることを特徴とする組織アンカー。
【請求項16】
前記フランジの外側端面が湾曲した形状である、ことを特徴とする請求項15に記載の組織アンカー。
【請求項17】
前記クロスバーと前記フランジとが一部品として一体に形成されている、ことを特徴とする請求項15に記載の組織アンカー。
【請求項18】
前記クロスバーと前記フランジとが再吸収性材料から成形されている、ことを特徴とする請求項15に記載の組織アンカー。
【請求項19】
前記フランジの厚みが前記クロスバーの直径の50%よりも小さい、ことを特徴とする請求項15に記載の組織アンカー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−510870(P2012−510870A)
【公表日】平成24年5月17日(2012.5.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−539692(P2011−539692)
【出願日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際出願番号】PCT/US2009/066566
【国際公開番号】WO2010/065728
【国際公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【出願人】(511152957)クック メディカル テクノロジーズ エルエルシー (76)
【氏名又は名称原語表記】COOK MEDICAL TECHNOLOGIES LLC
【Fターム(参考)】