空気保持タイヤとポンプの作用をするチューブとの組み立て品および方法
【課題】 ドライバの介入を必要とせずに時間の経過によるタイヤ圧力の減少を補うために、タイヤを再膨脹させる空気保持機能をタイヤに組み込む。
【解決手段】 タイヤ組立品は、タイヤキャビティおよびタイヤトレッド領域まで延びている第1と第2のサイドウォールを有するタイヤと、外側の第1のサイドウォール表面から第1のサイドウォール内に延びており、外側の溝入口開口、溝入口開口に対して軸線方向内側の溝入口室、及び溝入口室に対して軸線方向内側の溝主室を有している長いサイドウォール溝であって、溝入口室側壁と溝主室側壁とは交差しており、交差部分でサイドウォール溝の長さを実質的に延びている回り止めチャネルを構成している長いサイドウォール溝と、溝主室側壁と少なくとも部分的に接触係合して長いサイドウォール溝内に配置されており、内部空気通路を有している長い空気チューブと、を有する。
【解決手段】 タイヤ組立品は、タイヤキャビティおよびタイヤトレッド領域まで延びている第1と第2のサイドウォールを有するタイヤと、外側の第1のサイドウォール表面から第1のサイドウォール内に延びており、外側の溝入口開口、溝入口開口に対して軸線方向内側の溝入口室、及び溝入口室に対して軸線方向内側の溝主室を有している長いサイドウォール溝であって、溝入口室側壁と溝主室側壁とは交差しており、交差部分でサイドウォール溝の長さを実質的に延びている回り止めチャネルを構成している長いサイドウォール溝と、溝主室側壁と少なくとも部分的に接触係合して長いサイドウォール溝内に配置されており、内部空気通路を有している長い空気チューブと、を有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に空気保持タイヤに関し、特に空気保持タイヤとポンプの作用をするチューブとの組み立て品と組み立て方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
通常の空気拡散によって、時間が経過するとタイヤの圧力が減少する。タイヤの正常な状態は膨脹している状態である。そのため、ドライバは繰り返しタイヤの圧力を維持しなければならず、そうしないと、燃費、タイヤの寿命、および乗り物の制動とハンドリング性能とが減少することになる。タイヤの圧力が際だって低いときにドライバに警告するために、タイヤ圧力監視装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第12/775552号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしそのような装置は、タイヤを推奨圧力まで再膨脹させるように警告したときに、ドライバが是正動作を取ることに依存している。そのため、ドライバの介入を必要とせずに時間の経過によるタイヤ圧力の減少を補うために、タイヤを再膨脹させる空気保持機能をタイヤに組み込むことが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様において、外側の第1のサイドウォール表面から第1のサイドウォール内に延びており、外側の溝入口開口と、広がっている複数の入口室側壁によって定められており、溝入口開口に対して軸線方向内側の溝入口室と、溝入口室に対して軸線方向内側の溝主室と、を有している長いサイドウォール溝を有するタイヤが提供される。溝入口室側壁と溝主室側壁とは交差しており、交差部分で回り止めチャネルを構成している。長い空気チューブは溝主室側壁と接触して長いサイドウォール溝内に配置されている。空気チューブは、長いサイドウォール溝を定めているサイドウォール構成に対応している外面の表面構成を有している。
【0006】
他の態様において、空気チューブ胴体はサイドウォール溝の回り止めチャネルに揃って着座するように構成されており寸法が設定されている外側の凸部を有している。
【0007】
本発明のさらに他の態様において、空気チューブは、外部に起因する衝突する力が空気チューブに作用したときに、チューブを、溝入口開口を通して挿入できるように、膨脹している応力のない構成から、つぶれている構成へとつぶし、チューブがいったんサイドウォール溝内に入ると、その応力のない構成に外向きに膨脹させることできるように動作する弾性のある材料で構成されている。
【0008】
他の態様によれば、このように構成されている空気チューブをタイヤのサイドウォール溝内に挿入する方法は、チューブを、溝入口開口を通して挿入できるように、膨脹している応力のない構成から、つぶれている構成へとつぶすステップと、チューブがいったんサイドウォール溝内に入ると、その応力のない構成に外向きに膨脹させるステップと有している。
【0009】
[定義]
タイヤの「縦横比」は、タイヤの断面の幅(SW)に対するタイヤの断面高さ(SH)の比に、パーセント表現のために100%を乗じたものを意味する。
【0010】
「非対称トレッド」は、タイヤの中心面つまり赤道面EPに関して対称ではないトレッドパターンを有しているトレッドを意味する。
【0011】
「軸線方向の」および「軸線方向に」は、タイヤの回転の軸線に平行なラインまたは方向を意味する。
【0012】
「軸方向の」および「軸方向に」は、タイヤの回転軸線に平行な線または方向を指す。
【0013】
「チェーファー」は、タイヤビードの外側の周りに配置された細いストリップ材料で、リムとの接触によるコードプライの摩耗と切断を防ぎ、リムの上でのたわみを分散させる。
【0014】
「周方向の」は、軸方向に垂直な環状のトレッドの表面の周辺に沿って延びる線または方向を指す。
【0015】
「赤道中央面(CP)」は、タイヤの回転軸線に垂直で、トレッドの中心を通過する平面を指す。
【0016】
「フットプリント」は、速度がゼロで、標準負荷および標準圧力下で平坦な面を有する、タイヤトレッドの接触部位または接触領域を指す。
【0017】
「溝」は、タイヤウォールの周囲を周方向または横方向に延びることがあるタイヤウォールの長く延びている隙間の領域を意味する。「溝の幅」はその長さわたる平均の幅に等しい。溝は説明のように空気チューブを収容するように大きさが設定されている。
【0018】
「インボード側」は、タイヤがホイールに取り付けられ、ホイールが車両に取り付けられたとき、タイヤの、車両に最も近い側を指す。
【0019】
「横の」は軸方向を指す。
【0020】
「横エッジ」は、標準の負荷で、かつタイヤに空気を入れた状態で測ったとき、軸方向に最も外側のトレッドの接触部位、すなわちフットプリントに接し、赤道中央面に平行な線を指す。
【0021】
「総接触面積」は、トレッドの全周のまわりの横エッジ同士の間の接地するトレッド要素の総面積を、横エッジ同士間のトレッド全体の総面積で割ったものを指す。
【0022】
「非方向性トレッド」は、前方移動の好ましい方向を持たないトレッドであって、トレッドパターンが移動の好ましい方向に確実に揃うようにするために特定の1つまたは複数のホイール位置において車両上に配置されることが要求されないトレッドを指す。逆に、方向性トレッドパターンは、特定のホイール位置を必要とする好ましい移動方向を有する。
【0023】
「アウトボード側」は、タイヤがホイールに取り付けられ、ホイールが車両に取り付けられたときの、タイヤの、車両に最も遠い側を指す。
【0024】
「ぜん動」は、閉じ込められた空気のような物質を管状の通路に沿って進ませる波状の収縮による動作を指す。
【0025】
「半径方向の」および「半径方向に」は、タイヤの回転軸に半径方向に向かい、またはタイヤの回転軸心から半径方向に離れる方向を指す。
【0026】
「リブ」は、少なくとも1つの周方向の溝および第2のそのような溝または横エッジのいずれかによって形成され、全深さの溝によっては横方向に分割されていない、トレッド上の、周方向に延びるゴムのストリップを指す。
【0027】
「サイプ」は、トレッド表面を細分してトラクションを改善する、タイヤのトレッド要素に成形された小さい細長い隙間を指し、タイヤのフットプリント内に開いたままの溝とは反対に、サイプは一般に幅が狭く、タイヤのフットプリント内で閉じている。
【0028】
「トレッド要素」または「トラクション要素」は、隣接した溝の形状を持たせることによって形成されるリブまたはブロック要素を指す。
【0029】
「トレッド弧幅」は、トレッドの横エッジ同士間で測定されたトレッドの弧の長さを指す。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】タイヤ、リム、およびぜん動チューブ組み立て品の組立分解等角図である。
【図2】ぜん動チューブ組み立て品をタイヤサイドウォール内に備えているタイヤの側面図である。
【図3A】チューブ組み立て品を示している出口装置部品の等角図である。
【図3B】出口装置の平面図である。
【図3C】図3Bの線3C−3Cに沿った出口装置の断面図である。
【図4A】チューブ組み立て品の入口装置部品の等角図である。
【図4B】仮想線で示しているフィルタスリーブを備えている入口装置の等角図である。
【図4C】空気入口を模式的に示し、装置のチューブを仮想線で示している入口装置部品の等角図である。
【図4D】図4Bの線4D−4Dに沿った入口装置の断面図である。
【図4E】図4Cの線4E−4Eに沿った入口装置の断面図である。
【図5A】道路表面に対して模式的に回転しているように示しているタイヤとぜん動チューブ組み立て品の側部立面図である。
【図5B】図5Aの位置から順番が後の状態で示しているタイヤとぜん動チューブ組み立て品との側部立面図である。
【図6A】タイヤとぜん動チューブ組み立て品とを通る横断面図である。
【図6B】タイヤビード領域、リム、および図6Aで特定している、つぶれていないぜん動チューブセグメントの拡大断面図である。
【図7A】タイヤとチューブがつぶれている構成にあるぜん動チューブ組み立て品とを通る横断面図である。
【図7B】タイヤビード領域、リム、および図7Aに示した、つぶれているチューブセグメントの部分の拡大断面図である。
【図8A】チューブとタイヤサイドウォール内のチューブ受け入れ溝との拡大断面分解図である。
【図8B】サイドウォール溝内へのチューブの挿入を示している図8Aの後に順次続く断面図である。
【図8C】サイドウォール溝内へのチューブの挿入を示している図8Aの後に順次続く断面図である。
【図8D】図8Aに対応しているチューブとサイドウォール溝との部分分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明を、実例として、添付図面を参照して説明する。
【0032】
図1、2、および6Aを参照すると、タイヤ組み立て品10はタイヤ12、ぜん動ポンプ組み立て品14、およびタイヤリム16を有している。タイヤ12は、外側のリムフランジ22、24に隣接して位置している1対のリム取り付け表面18、20に従来の態様で取り付けられている。リムフランジ22、24は各々が半径方向外向きのフランジ端部26を有している。リム胴体28は図示のようにタイヤ組み立て品10を支持している。タイヤ12は従来の構造であって、対向しているビード領域34、36からクラウンつまりタイヤトレッド領域38まで延びている1対のサイドウォール30、32を有している。タイヤ12とリム16とはタイヤキャビティ40を囲んでいる。
【0033】
図1、図2、図5A、図5B、図6A、図6B、および図8Dからわかるように、ぜん動ポンプ組み立て品14は環状の通路43を囲んでいる環状の空気チューブ42を有している。チューブ42は、チューブ42が外力を受けて平坦な状態に変形し、そのような力がなくなると元の状態に戻る反復する変形サイクルに耐えることができるプラスチック、エラストマ、またはゴム合成物などの弾性のある、柔軟な材料から構成されている。チューブ通路43は、断面が概ね楕円形であって、本明細書で説明する複数の目的に対して十分な体積の空気を動作によって通過させるのに十分であって、後述のようにチューブをタイヤ組み立て品内の動作可能な位置に配置可能にする直径を有している。図示の構成において、チューブ42は長く円形である。チューブ42は、長い長軸について非対称であって、外側の平坦な端部表面44、テーパー状の突き出している外側部分46、および胴体部分48を有して構成されている。チューブ42の突き出し部分46は、平坦なチューブ表面44からチューブ42の胴体部分48の弓状の外側表面56まで末広がりの傾斜している表面52、54によって定められている。傾斜している表面52、54と胴体部分48の外側表面56との交差部分には、突き出し部分46の対向しているそれぞれの側でチューブ42の長さにわたって延びている1対のショルダ57、59がそれぞれ構成されている。
【0034】
長い溝58が、好ましくは環状の輪の幾何学形態で、サイドウォール30などのサイドウォールの軸線方向外側の表面内を延びるように構成されている。必要であれば、他方のサイドウォールに溝が設けられてもよいし、両方のサイドウォールに溝が設けられていてもよい。溝58は、チューブ42の外側の表面形状に対して相補形状の内部断面の輪郭を有しており、サイドウォール30の外側表面61に露出している入口開口60を有している。溝58は、開口60に隣接しており、軸線方向内側の入口室62と、入口室62に対して軸線方向内側に隣接している主室64とを設けるように構成されている。入口室62は、開口60から半径方向内向きに広がって傾斜している側壁66、68によって定められており、主室は主室の複数の側壁70によって定められている。傾斜している側壁66、68と主室の内側の側壁70との交差部分には、溝の対向しているそれぞれの側で溝58の長さにわたって延びている1対のショルダ回り止めチャネル72、74がそれぞれ構成されている。
【0035】
図8Aで参照されるように、チューブ42は、好ましい範囲が3.65から3.8mmの横断方向の断面幅長さL1、2.2mmから3.8mmの範囲の好ましい高さD1、および0.8から1mmの範囲の好ましい後端の幅D3を有している。内部空気通路43は、好ましい範囲が2.2から2.3mmの長軸に沿った長さL2、好ましい範囲が0.5mmから0.9mmの横方向の軸線に沿った幅D2を有する概ね楕円形である。チューブ42は、好ましい範囲が1.8mmから2mmの端部表面44と通路43の中心との間の軸線方向の距離L3を有する。
【0036】
溝58は、チューブ42を密着して収容するように、内側の形状が相補形状をしている。図8Aに示しているように、溝58はチューブ42を受け入れるように寸法が相補的であって、寸法D1、D3、L1、およびL3がチューブ42に対する前述の好ましい範囲となっている。主室64は、好ましい範囲が1.1mmから1.9mmの半径R1によって半径が設定されている。傾斜している表面66、68とチューブ42の相補形状の末広がりの表面52、54とは、約45度の概ね鋭角で傾斜している。
【0037】
図8A〜図8Dから最もよくわかるように、チューブ42の溝58への挿入は、チューブ42を溝58の入口開口60に軸線方向に揃え、溝の高さを減少させ、それによって溝空気通路43をつぶすようにチューブ42を矢印76の方向に圧迫し、チューブ42を溝開口60を通して横方向に入口室62と主室64によって定められている空間に挿入し、矢印76の位置の圧縮力を取り除き、それによってチューブ42を自由にして図8A、図8C、および図8Dのその名目上の応力のない構成を外向きに膨脹させ、溝58を占めるようにすることによって開始される。したがって、チューブ42は、チューブの外側表面が、溝58を定めている、対応している相補的な側壁に隣接している状態で溝58内に配置される。チューブの膨脹しており、応力のない状態では、チューブ42のショルダ57、59は溝の側壁66、68、70との交差部分に構成されている回り止めチャネル72、74内に合わせられる。そのように合わせられると、チューブの末広がりの側部52、54は、入口室の末広がりの側壁66、68にそれぞれ接触し、それよって溝58内でチューブ42を保持する。
【0038】
図1、図2、図3A〜図3Cおよび図4A〜図4Eを参照すると、ぜん動ポンプ組み立て品14は、円周の空気チューブ42に沿ったそれぞれの位置で約180度離れている入口装置78と出口装置80とをさらに有している。図3Aから図3Cに示しているように、出口装置80は、タイヤキャビティ40にそしてタイヤキャビティ40から空気を導くコンジット82、84が構成されているT字状の構成を有している。出口装置の筐体86は、それぞれのコンジット82、84から直角に一体に延びているコンジットアーム延長部分88、90を収容している。コンジットアーム88、90の各々は、組み立てられている状態でコンジット82、84を空気チューブ42の接続解除されている両端部内で保持する複数の外部の結合リブつまりかかり92、94を有している。筐体86は、溝58を補完する外部形状を有して構成されており、概ね長円の胴体98に沿って平坦な側部96を有している。そのように構成されることで、筐体86を、溝58内に、その意図した位置に密着して受け入れることができる。
【0039】
図1、2、および図4A〜図4Eにおいてわかるように、入口装置78は、内部吸気チューブ102を収容している長い外側の多孔フィルタリングスリーブ100を有している。外側のスリーブ100は、筒状の内側の空気通路胴体102を有している外部形状を有している。スリーブ100は、外側の出っ張った胴体104に取り付けられた、穴のある筒状の内側の胴体106をもたらすように構成されている。吸気チューブ102は、チューブ102を通して延びている軸線方向の空気通路に通じている複数の吸気開口108を内部に有している。内側の胴体106は、出っ張った胴体104がタイヤサイドウォール32の外側表面に当たっている状態で、溝58内に嵌るように幾何学的に輪郭が設定されている。矢印110で示されている吸気は、多孔質のフィルタリングスリーブ100と複数の開口108とを通して吸気チューブ102に進入する。吸気チューブ102の両端部は、溝58内にある空気チューブ42に取り付けられており、チューブ102は、タイヤキャビティにポンプの作用によって送るために吸気をチューブ42に導く。
【0040】
図1、図2、図6A、図6B、図7A、および図7Bからわかるように、ポンプ組み立て品14は空気チューブ42と入口と出口の装置78、80を有している。装置78、80は、180度離れているそれぞれの位置で空気チューブ42と1列になるように取り付けられており、溝58内に挿入されている。溝58は、タイヤ12がリム16に取り付けられたときに空気チューブ42をリムフランジ端部26の上方に配置するタイヤ12の下側のサイドウォール領域に位置している。図8Bと図8Cとは、溝58内へ挿入できるように直径方向に圧迫されてつぶれている空気チューブ42を示している。図8Cに示しているように完全に挿入されると、空気チューブ42は溝58によって表されている空洞を満たす。いったん完全に挿入されると、チューブ42の空気通路43は、ポンプの動作中にチューブに沿って空気が流れることができるように開いた状態に弾性的に戻る。
【0041】
図1、図2、図5A、図5B、図6A、図6B、図7A、および図7Bを引き続き参照すると、入口装置78と出口装置80とは円形の空気チューブ42の円周内に概ね180度離れて配置されている。チューブ42が溝58内に配置された状態のタイヤ12は、回転方向112に回転して、フットプリント114が路面116に対して形成されるようになる。圧縮力118がフットプリント114からタイヤ12内に向けられ、参照番号120の位置で示しているようにフットプリントに対向している空気チューブ通路43のセグメント120を平坦にするように作動する。通路43のセグメント120が平坦になることで、空気がセグメント120からチューブ通路43に沿って矢印122で示している方向に出口装置80に向けて押し出される。
【0042】
タイヤ12が路面116に沿って方向112に回転を続けると、チューブ42は、タイヤの回転方向112とは反対の方向にタイヤフットプリント114に対向しているセグメント毎に順次平坦になる、つまり圧迫されることになる。チューブ通路43がセグメント毎に順次平坦になることによって、平坦になったセグメントから排出された空気が通路43内で方向122に出口装置80まで、そして出口装置80から位置124でタイヤキャビティ40にポンプの作用によって送られる。キャビティ内の気圧が所定のレベルまで低下するときにキャビティ40への気流を調整する弁装置が2010年5月7日に出願され、参照によって本明細書に援用される特許文献1に示されており説明されている。
【0043】
タイヤ10が方向112に回転すると、図5Aによって示しているように、平坦になったチューブのセグメントに入口装置78に流入する空気が方向110に順次再度満たされる。入口装置78へのそしてチューブ通路43への空気の流入は、タイヤの回転と共に図示のように反時計回りに回転している出口装置80がタイヤのフットプリント114を通過するまで継続する。図5Bは、そのような位置にあるぜん動ポンプ組み立て品14の向きを示している。図示の位置では、チューブ42は、圧縮力118によってタイヤのフットプリント114に対向しているセグメント毎に引き続き順次平坦になる。空気は時計回りの方向に入口装置78までポンプの作用によって送られ、そこで空気はタイヤの外に排出つまり排気される。矢印126で示している入口装置78からの排気の流れは、セル状つまり多孔質の材料または合成物で構成されているフィルタスリーブ100を通る。スリーブ100を通過する気流によって、スリーブ100から破片つまり粒子が取り除かれる。空気の排気つまり逆流の方向126において、スリーブ100から多孔質の媒体内に捕らえられて蓄積した破片や粒子が取り除かれる。ポンプの作用によって送られた空気が入口装置78から排出される状態で、出口装置80は閉位置にあって、空気はタイヤキャビティ40に流入しない。タイヤ12が反時計回りの方向112に入口装置78がタイヤフットプリント114を通過するまでさらに回転したときに(図5Aに示しているように)、空気の流れが出口装置80に向けて再開され、ポンプの作用によって送られた空気をタイヤキャビティ40に流出させる。したがって、タイヤキャビティ40内の空気の圧力は望ましい程度に維持される。
【0044】
それから前述のサイクルがタイヤが回転する度に繰り返され、2分の1回転する度にポンプの作用によって送られた空気がタイヤキャビティ40に移動し、さらに2分の1回転すると、ポンプの作用によって送られた空気は入口装置フィルタスリーブ100に戻って排出され、フィルタ80を自己浄化する。タイヤ12の回転方向112が図5Aと図5Bとに反時計回りとして示しているのに対して、対象のタイヤ組み立て品10とそのぜん動ポンプ組み立て品14とは、逆の回転方向(時計回り)でも同様に機能することが理解されるであろう。それに応じてぜん動ポンプ14は双方向であって、回転の順方向または逆方向に移動するタイヤ組み立て品10でも同様に機能する。
【0045】
空気チューブ組み立て品14の好ましい位置は図5A、図5B、図6A、図6B、図7A、および図7Bに示しているとおりである。チューブ42は、タイヤ12のサイドウォール30の下側の領域内の溝58内に位置している。そのように配置されると、前述のように、チューブ42の通路43は、回転しているタイヤフットプリント114内でサイドウォールの溝58を曲げる圧縮応力によって閉じられる。サイドウォール30内のチューブ42の位置はユーザが自由に配置可能で、チューブ42とリム16との間の接触がなくなる。サイドウォール溝58内でのチューブ42の配置を高くすると、タイヤフットプリントを通過するときに、チューブ42を閉じるように、サイドウォール30のこの領域での高い変形の特性が使用される。
【0046】
前述の説明から、本発明はタイヤの空気維持のための双方向のぜん動ポンプを提供することが理解されるであろう。円形の空気チューブ42は、タイヤフットプリント114内でセグメント毎に平坦になって閉じる。空気入口装置78は、多孔質のセル状材料で構成されており、装置78が自己浄化できるようにする外側のフィルタスリーブ100を有していてもよい。出口装置80は弁部を採用している(参照によって本明細書に援用される特許文献1を参照)。ぜん動ポンプ組み立て品14はいずれかの方向のタイヤ12の回転の下で空気をポンプの作用によって送り、2分の1回転によって空気をタイヤキャビティ40へポンプの作用によって送り、残りの2分の1回転で空気を入口装置68へポンプの作用によって送って戻す。ぜん動ポンプ組み立て品14は、装置の故障の検出器としての役割を持つ従来の構成の2次的なタイヤ圧力監視装置(TPMS)(不図示)と共に使用してもよい。TPMSはタイヤ組み立て品10の自己膨脹装置の任意の故障を検出し、そのような状態をユーザに警告するのに使用してもよい。
【0047】
タイヤ空気維持装置はさらに、溝48内に固定し、タイヤ動作中にチューブの偶然の外れを防止する特定の幾何学形状をチューブ42に組み込んでいる。チューブ42は、平坦化され圧縮された構成になって、横方向に溝58内に挿入される。圧縮力が取り除かれると、チューブ42は元の形状に戻り、溝58によって表されている空洞を満たす。チューブ42のテーパー状の複数の側部に対して相補形状の溝58を定めている側壁のテーパー状の側部によって、チューブ42が溝58のより小さい入口を通して外れることが一切防止される。
【0048】
したがって、本発明において、円形の構成であることが好ましい長いサイドウォール溝58は外側のサイドウォール表面から一方または両方のサイドウォール内に延びていることが理解される。各サイドウォール溝58は、外側の溝入口開口、末広がりの入口室側壁によって定められており溝入口開口に対して軸線方向内側の溝入口室、および溝入口室に対して軸線方向内側の溝主室を有している。複数の溝入口室側壁と複数の溝主室側壁70とは交差しており、交差部分で回り止めチャネルを構成している。同様に円形の構成であることが好ましい長い空気チューブ42は、溝主室の側壁に接触してまたは非常に近接して長いサイドウォール溝内に配置されている。空気チューブは、長いサイドウォール溝を定めているサイドウォール構成に対応している外面の表面構成を有している。
【0049】
空気チューブ胴体42は、溝内の定位置に空気チューブ42を保持するように、サイドウォール溝の回り止めチャネル72、74内に揃って着座するように構成されており寸法が設定されている外面凸部57、59を有している。空気チューブ42は、弾性のある材料で構成されており、外部に起因する衝突する力が空気チューブに作用したときに、チューブを溝入口開口60を通して挿入できるように、膨脹している応力のない構成からつぶれている構成へとつぶし、いったんサイドウォール溝58内に挿入されると外向きにその応力のない構成に膨脹させることできる。このように構成された空気チューブ42をサイドウォール溝58内に挿入する方法は、チューブを溝入口開口を通して挿入するように、空気チューブ42を、膨脹しており応力のない構成からつぶれている構成へとつぶすステップと、いったん挿入されると応力のない構成へ外向きに膨脹させるステップとを有している。
【0050】
本発明の変形例が本明細書に示している説明の観点から可能である。対象としている発明を説明する目的で、特定の代表的な実施形態と詳細とを示しているが、当業者には対象としている発明の範囲から逸脱することなく、実施形態において様々な変更と修正が可能であることが明らかになるであろう。そのため、当然のことながら、添付の特許請求の範囲で定めている本発明の意図した完全な範囲において、説明している特定の実施形態の変更が可能である。
【符号の説明】
【0051】
10 タイヤ組み立て品
12 タイヤ
14 ぜん動ポンプ組み立て品
30、32 サイドウォール
34、36 ビード領域
38 タイヤトレッド領域
40 タイヤキャビティ
42 空気チューブ
43 通路
44 端部表面
46 外側部分
48 胴体部分
52、54 傾斜している表面
56 弓状の外側表面
57、59 ショルダ
58 溝
60 入口開口
62 入口室
64 主室
66、68 入口室の側壁
70 主室の側壁
72、74 ショルダ回り止めチャネル
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に空気保持タイヤに関し、特に空気保持タイヤとポンプの作用をするチューブとの組み立て品と組み立て方法とに関する。
【背景技術】
【0002】
通常の空気拡散によって、時間が経過するとタイヤの圧力が減少する。タイヤの正常な状態は膨脹している状態である。そのため、ドライバは繰り返しタイヤの圧力を維持しなければならず、そうしないと、燃費、タイヤの寿命、および乗り物の制動とハンドリング性能とが減少することになる。タイヤの圧力が際だって低いときにドライバに警告するために、タイヤ圧力監視装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許第12/775552号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしそのような装置は、タイヤを推奨圧力まで再膨脹させるように警告したときに、ドライバが是正動作を取ることに依存している。そのため、ドライバの介入を必要とせずに時間の経過によるタイヤ圧力の減少を補うために、タイヤを再膨脹させる空気保持機能をタイヤに組み込むことが好ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様において、外側の第1のサイドウォール表面から第1のサイドウォール内に延びており、外側の溝入口開口と、広がっている複数の入口室側壁によって定められており、溝入口開口に対して軸線方向内側の溝入口室と、溝入口室に対して軸線方向内側の溝主室と、を有している長いサイドウォール溝を有するタイヤが提供される。溝入口室側壁と溝主室側壁とは交差しており、交差部分で回り止めチャネルを構成している。長い空気チューブは溝主室側壁と接触して長いサイドウォール溝内に配置されている。空気チューブは、長いサイドウォール溝を定めているサイドウォール構成に対応している外面の表面構成を有している。
【0006】
他の態様において、空気チューブ胴体はサイドウォール溝の回り止めチャネルに揃って着座するように構成されており寸法が設定されている外側の凸部を有している。
【0007】
本発明のさらに他の態様において、空気チューブは、外部に起因する衝突する力が空気チューブに作用したときに、チューブを、溝入口開口を通して挿入できるように、膨脹している応力のない構成から、つぶれている構成へとつぶし、チューブがいったんサイドウォール溝内に入ると、その応力のない構成に外向きに膨脹させることできるように動作する弾性のある材料で構成されている。
【0008】
他の態様によれば、このように構成されている空気チューブをタイヤのサイドウォール溝内に挿入する方法は、チューブを、溝入口開口を通して挿入できるように、膨脹している応力のない構成から、つぶれている構成へとつぶすステップと、チューブがいったんサイドウォール溝内に入ると、その応力のない構成に外向きに膨脹させるステップと有している。
【0009】
[定義]
タイヤの「縦横比」は、タイヤの断面の幅(SW)に対するタイヤの断面高さ(SH)の比に、パーセント表現のために100%を乗じたものを意味する。
【0010】
「非対称トレッド」は、タイヤの中心面つまり赤道面EPに関して対称ではないトレッドパターンを有しているトレッドを意味する。
【0011】
「軸線方向の」および「軸線方向に」は、タイヤの回転の軸線に平行なラインまたは方向を意味する。
【0012】
「軸方向の」および「軸方向に」は、タイヤの回転軸線に平行な線または方向を指す。
【0013】
「チェーファー」は、タイヤビードの外側の周りに配置された細いストリップ材料で、リムとの接触によるコードプライの摩耗と切断を防ぎ、リムの上でのたわみを分散させる。
【0014】
「周方向の」は、軸方向に垂直な環状のトレッドの表面の周辺に沿って延びる線または方向を指す。
【0015】
「赤道中央面(CP)」は、タイヤの回転軸線に垂直で、トレッドの中心を通過する平面を指す。
【0016】
「フットプリント」は、速度がゼロで、標準負荷および標準圧力下で平坦な面を有する、タイヤトレッドの接触部位または接触領域を指す。
【0017】
「溝」は、タイヤウォールの周囲を周方向または横方向に延びることがあるタイヤウォールの長く延びている隙間の領域を意味する。「溝の幅」はその長さわたる平均の幅に等しい。溝は説明のように空気チューブを収容するように大きさが設定されている。
【0018】
「インボード側」は、タイヤがホイールに取り付けられ、ホイールが車両に取り付けられたとき、タイヤの、車両に最も近い側を指す。
【0019】
「横の」は軸方向を指す。
【0020】
「横エッジ」は、標準の負荷で、かつタイヤに空気を入れた状態で測ったとき、軸方向に最も外側のトレッドの接触部位、すなわちフットプリントに接し、赤道中央面に平行な線を指す。
【0021】
「総接触面積」は、トレッドの全周のまわりの横エッジ同士の間の接地するトレッド要素の総面積を、横エッジ同士間のトレッド全体の総面積で割ったものを指す。
【0022】
「非方向性トレッド」は、前方移動の好ましい方向を持たないトレッドであって、トレッドパターンが移動の好ましい方向に確実に揃うようにするために特定の1つまたは複数のホイール位置において車両上に配置されることが要求されないトレッドを指す。逆に、方向性トレッドパターンは、特定のホイール位置を必要とする好ましい移動方向を有する。
【0023】
「アウトボード側」は、タイヤがホイールに取り付けられ、ホイールが車両に取り付けられたときの、タイヤの、車両に最も遠い側を指す。
【0024】
「ぜん動」は、閉じ込められた空気のような物質を管状の通路に沿って進ませる波状の収縮による動作を指す。
【0025】
「半径方向の」および「半径方向に」は、タイヤの回転軸に半径方向に向かい、またはタイヤの回転軸心から半径方向に離れる方向を指す。
【0026】
「リブ」は、少なくとも1つの周方向の溝および第2のそのような溝または横エッジのいずれかによって形成され、全深さの溝によっては横方向に分割されていない、トレッド上の、周方向に延びるゴムのストリップを指す。
【0027】
「サイプ」は、トレッド表面を細分してトラクションを改善する、タイヤのトレッド要素に成形された小さい細長い隙間を指し、タイヤのフットプリント内に開いたままの溝とは反対に、サイプは一般に幅が狭く、タイヤのフットプリント内で閉じている。
【0028】
「トレッド要素」または「トラクション要素」は、隣接した溝の形状を持たせることによって形成されるリブまたはブロック要素を指す。
【0029】
「トレッド弧幅」は、トレッドの横エッジ同士間で測定されたトレッドの弧の長さを指す。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】タイヤ、リム、およびぜん動チューブ組み立て品の組立分解等角図である。
【図2】ぜん動チューブ組み立て品をタイヤサイドウォール内に備えているタイヤの側面図である。
【図3A】チューブ組み立て品を示している出口装置部品の等角図である。
【図3B】出口装置の平面図である。
【図3C】図3Bの線3C−3Cに沿った出口装置の断面図である。
【図4A】チューブ組み立て品の入口装置部品の等角図である。
【図4B】仮想線で示しているフィルタスリーブを備えている入口装置の等角図である。
【図4C】空気入口を模式的に示し、装置のチューブを仮想線で示している入口装置部品の等角図である。
【図4D】図4Bの線4D−4Dに沿った入口装置の断面図である。
【図4E】図4Cの線4E−4Eに沿った入口装置の断面図である。
【図5A】道路表面に対して模式的に回転しているように示しているタイヤとぜん動チューブ組み立て品の側部立面図である。
【図5B】図5Aの位置から順番が後の状態で示しているタイヤとぜん動チューブ組み立て品との側部立面図である。
【図6A】タイヤとぜん動チューブ組み立て品とを通る横断面図である。
【図6B】タイヤビード領域、リム、および図6Aで特定している、つぶれていないぜん動チューブセグメントの拡大断面図である。
【図7A】タイヤとチューブがつぶれている構成にあるぜん動チューブ組み立て品とを通る横断面図である。
【図7B】タイヤビード領域、リム、および図7Aに示した、つぶれているチューブセグメントの部分の拡大断面図である。
【図8A】チューブとタイヤサイドウォール内のチューブ受け入れ溝との拡大断面分解図である。
【図8B】サイドウォール溝内へのチューブの挿入を示している図8Aの後に順次続く断面図である。
【図8C】サイドウォール溝内へのチューブの挿入を示している図8Aの後に順次続く断面図である。
【図8D】図8Aに対応しているチューブとサイドウォール溝との部分分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本発明を、実例として、添付図面を参照して説明する。
【0032】
図1、2、および6Aを参照すると、タイヤ組み立て品10はタイヤ12、ぜん動ポンプ組み立て品14、およびタイヤリム16を有している。タイヤ12は、外側のリムフランジ22、24に隣接して位置している1対のリム取り付け表面18、20に従来の態様で取り付けられている。リムフランジ22、24は各々が半径方向外向きのフランジ端部26を有している。リム胴体28は図示のようにタイヤ組み立て品10を支持している。タイヤ12は従来の構造であって、対向しているビード領域34、36からクラウンつまりタイヤトレッド領域38まで延びている1対のサイドウォール30、32を有している。タイヤ12とリム16とはタイヤキャビティ40を囲んでいる。
【0033】
図1、図2、図5A、図5B、図6A、図6B、および図8Dからわかるように、ぜん動ポンプ組み立て品14は環状の通路43を囲んでいる環状の空気チューブ42を有している。チューブ42は、チューブ42が外力を受けて平坦な状態に変形し、そのような力がなくなると元の状態に戻る反復する変形サイクルに耐えることができるプラスチック、エラストマ、またはゴム合成物などの弾性のある、柔軟な材料から構成されている。チューブ通路43は、断面が概ね楕円形であって、本明細書で説明する複数の目的に対して十分な体積の空気を動作によって通過させるのに十分であって、後述のようにチューブをタイヤ組み立て品内の動作可能な位置に配置可能にする直径を有している。図示の構成において、チューブ42は長く円形である。チューブ42は、長い長軸について非対称であって、外側の平坦な端部表面44、テーパー状の突き出している外側部分46、および胴体部分48を有して構成されている。チューブ42の突き出し部分46は、平坦なチューブ表面44からチューブ42の胴体部分48の弓状の外側表面56まで末広がりの傾斜している表面52、54によって定められている。傾斜している表面52、54と胴体部分48の外側表面56との交差部分には、突き出し部分46の対向しているそれぞれの側でチューブ42の長さにわたって延びている1対のショルダ57、59がそれぞれ構成されている。
【0034】
長い溝58が、好ましくは環状の輪の幾何学形態で、サイドウォール30などのサイドウォールの軸線方向外側の表面内を延びるように構成されている。必要であれば、他方のサイドウォールに溝が設けられてもよいし、両方のサイドウォールに溝が設けられていてもよい。溝58は、チューブ42の外側の表面形状に対して相補形状の内部断面の輪郭を有しており、サイドウォール30の外側表面61に露出している入口開口60を有している。溝58は、開口60に隣接しており、軸線方向内側の入口室62と、入口室62に対して軸線方向内側に隣接している主室64とを設けるように構成されている。入口室62は、開口60から半径方向内向きに広がって傾斜している側壁66、68によって定められており、主室は主室の複数の側壁70によって定められている。傾斜している側壁66、68と主室の内側の側壁70との交差部分には、溝の対向しているそれぞれの側で溝58の長さにわたって延びている1対のショルダ回り止めチャネル72、74がそれぞれ構成されている。
【0035】
図8Aで参照されるように、チューブ42は、好ましい範囲が3.65から3.8mmの横断方向の断面幅長さL1、2.2mmから3.8mmの範囲の好ましい高さD1、および0.8から1mmの範囲の好ましい後端の幅D3を有している。内部空気通路43は、好ましい範囲が2.2から2.3mmの長軸に沿った長さL2、好ましい範囲が0.5mmから0.9mmの横方向の軸線に沿った幅D2を有する概ね楕円形である。チューブ42は、好ましい範囲が1.8mmから2mmの端部表面44と通路43の中心との間の軸線方向の距離L3を有する。
【0036】
溝58は、チューブ42を密着して収容するように、内側の形状が相補形状をしている。図8Aに示しているように、溝58はチューブ42を受け入れるように寸法が相補的であって、寸法D1、D3、L1、およびL3がチューブ42に対する前述の好ましい範囲となっている。主室64は、好ましい範囲が1.1mmから1.9mmの半径R1によって半径が設定されている。傾斜している表面66、68とチューブ42の相補形状の末広がりの表面52、54とは、約45度の概ね鋭角で傾斜している。
【0037】
図8A〜図8Dから最もよくわかるように、チューブ42の溝58への挿入は、チューブ42を溝58の入口開口60に軸線方向に揃え、溝の高さを減少させ、それによって溝空気通路43をつぶすようにチューブ42を矢印76の方向に圧迫し、チューブ42を溝開口60を通して横方向に入口室62と主室64によって定められている空間に挿入し、矢印76の位置の圧縮力を取り除き、それによってチューブ42を自由にして図8A、図8C、および図8Dのその名目上の応力のない構成を外向きに膨脹させ、溝58を占めるようにすることによって開始される。したがって、チューブ42は、チューブの外側表面が、溝58を定めている、対応している相補的な側壁に隣接している状態で溝58内に配置される。チューブの膨脹しており、応力のない状態では、チューブ42のショルダ57、59は溝の側壁66、68、70との交差部分に構成されている回り止めチャネル72、74内に合わせられる。そのように合わせられると、チューブの末広がりの側部52、54は、入口室の末広がりの側壁66、68にそれぞれ接触し、それよって溝58内でチューブ42を保持する。
【0038】
図1、図2、図3A〜図3Cおよび図4A〜図4Eを参照すると、ぜん動ポンプ組み立て品14は、円周の空気チューブ42に沿ったそれぞれの位置で約180度離れている入口装置78と出口装置80とをさらに有している。図3Aから図3Cに示しているように、出口装置80は、タイヤキャビティ40にそしてタイヤキャビティ40から空気を導くコンジット82、84が構成されているT字状の構成を有している。出口装置の筐体86は、それぞれのコンジット82、84から直角に一体に延びているコンジットアーム延長部分88、90を収容している。コンジットアーム88、90の各々は、組み立てられている状態でコンジット82、84を空気チューブ42の接続解除されている両端部内で保持する複数の外部の結合リブつまりかかり92、94を有している。筐体86は、溝58を補完する外部形状を有して構成されており、概ね長円の胴体98に沿って平坦な側部96を有している。そのように構成されることで、筐体86を、溝58内に、その意図した位置に密着して受け入れることができる。
【0039】
図1、2、および図4A〜図4Eにおいてわかるように、入口装置78は、内部吸気チューブ102を収容している長い外側の多孔フィルタリングスリーブ100を有している。外側のスリーブ100は、筒状の内側の空気通路胴体102を有している外部形状を有している。スリーブ100は、外側の出っ張った胴体104に取り付けられた、穴のある筒状の内側の胴体106をもたらすように構成されている。吸気チューブ102は、チューブ102を通して延びている軸線方向の空気通路に通じている複数の吸気開口108を内部に有している。内側の胴体106は、出っ張った胴体104がタイヤサイドウォール32の外側表面に当たっている状態で、溝58内に嵌るように幾何学的に輪郭が設定されている。矢印110で示されている吸気は、多孔質のフィルタリングスリーブ100と複数の開口108とを通して吸気チューブ102に進入する。吸気チューブ102の両端部は、溝58内にある空気チューブ42に取り付けられており、チューブ102は、タイヤキャビティにポンプの作用によって送るために吸気をチューブ42に導く。
【0040】
図1、図2、図6A、図6B、図7A、および図7Bからわかるように、ポンプ組み立て品14は空気チューブ42と入口と出口の装置78、80を有している。装置78、80は、180度離れているそれぞれの位置で空気チューブ42と1列になるように取り付けられており、溝58内に挿入されている。溝58は、タイヤ12がリム16に取り付けられたときに空気チューブ42をリムフランジ端部26の上方に配置するタイヤ12の下側のサイドウォール領域に位置している。図8Bと図8Cとは、溝58内へ挿入できるように直径方向に圧迫されてつぶれている空気チューブ42を示している。図8Cに示しているように完全に挿入されると、空気チューブ42は溝58によって表されている空洞を満たす。いったん完全に挿入されると、チューブ42の空気通路43は、ポンプの動作中にチューブに沿って空気が流れることができるように開いた状態に弾性的に戻る。
【0041】
図1、図2、図5A、図5B、図6A、図6B、図7A、および図7Bを引き続き参照すると、入口装置78と出口装置80とは円形の空気チューブ42の円周内に概ね180度離れて配置されている。チューブ42が溝58内に配置された状態のタイヤ12は、回転方向112に回転して、フットプリント114が路面116に対して形成されるようになる。圧縮力118がフットプリント114からタイヤ12内に向けられ、参照番号120の位置で示しているようにフットプリントに対向している空気チューブ通路43のセグメント120を平坦にするように作動する。通路43のセグメント120が平坦になることで、空気がセグメント120からチューブ通路43に沿って矢印122で示している方向に出口装置80に向けて押し出される。
【0042】
タイヤ12が路面116に沿って方向112に回転を続けると、チューブ42は、タイヤの回転方向112とは反対の方向にタイヤフットプリント114に対向しているセグメント毎に順次平坦になる、つまり圧迫されることになる。チューブ通路43がセグメント毎に順次平坦になることによって、平坦になったセグメントから排出された空気が通路43内で方向122に出口装置80まで、そして出口装置80から位置124でタイヤキャビティ40にポンプの作用によって送られる。キャビティ内の気圧が所定のレベルまで低下するときにキャビティ40への気流を調整する弁装置が2010年5月7日に出願され、参照によって本明細書に援用される特許文献1に示されており説明されている。
【0043】
タイヤ10が方向112に回転すると、図5Aによって示しているように、平坦になったチューブのセグメントに入口装置78に流入する空気が方向110に順次再度満たされる。入口装置78へのそしてチューブ通路43への空気の流入は、タイヤの回転と共に図示のように反時計回りに回転している出口装置80がタイヤのフットプリント114を通過するまで継続する。図5Bは、そのような位置にあるぜん動ポンプ組み立て品14の向きを示している。図示の位置では、チューブ42は、圧縮力118によってタイヤのフットプリント114に対向しているセグメント毎に引き続き順次平坦になる。空気は時計回りの方向に入口装置78までポンプの作用によって送られ、そこで空気はタイヤの外に排出つまり排気される。矢印126で示している入口装置78からの排気の流れは、セル状つまり多孔質の材料または合成物で構成されているフィルタスリーブ100を通る。スリーブ100を通過する気流によって、スリーブ100から破片つまり粒子が取り除かれる。空気の排気つまり逆流の方向126において、スリーブ100から多孔質の媒体内に捕らえられて蓄積した破片や粒子が取り除かれる。ポンプの作用によって送られた空気が入口装置78から排出される状態で、出口装置80は閉位置にあって、空気はタイヤキャビティ40に流入しない。タイヤ12が反時計回りの方向112に入口装置78がタイヤフットプリント114を通過するまでさらに回転したときに(図5Aに示しているように)、空気の流れが出口装置80に向けて再開され、ポンプの作用によって送られた空気をタイヤキャビティ40に流出させる。したがって、タイヤキャビティ40内の空気の圧力は望ましい程度に維持される。
【0044】
それから前述のサイクルがタイヤが回転する度に繰り返され、2分の1回転する度にポンプの作用によって送られた空気がタイヤキャビティ40に移動し、さらに2分の1回転すると、ポンプの作用によって送られた空気は入口装置フィルタスリーブ100に戻って排出され、フィルタ80を自己浄化する。タイヤ12の回転方向112が図5Aと図5Bとに反時計回りとして示しているのに対して、対象のタイヤ組み立て品10とそのぜん動ポンプ組み立て品14とは、逆の回転方向(時計回り)でも同様に機能することが理解されるであろう。それに応じてぜん動ポンプ14は双方向であって、回転の順方向または逆方向に移動するタイヤ組み立て品10でも同様に機能する。
【0045】
空気チューブ組み立て品14の好ましい位置は図5A、図5B、図6A、図6B、図7A、および図7Bに示しているとおりである。チューブ42は、タイヤ12のサイドウォール30の下側の領域内の溝58内に位置している。そのように配置されると、前述のように、チューブ42の通路43は、回転しているタイヤフットプリント114内でサイドウォールの溝58を曲げる圧縮応力によって閉じられる。サイドウォール30内のチューブ42の位置はユーザが自由に配置可能で、チューブ42とリム16との間の接触がなくなる。サイドウォール溝58内でのチューブ42の配置を高くすると、タイヤフットプリントを通過するときに、チューブ42を閉じるように、サイドウォール30のこの領域での高い変形の特性が使用される。
【0046】
前述の説明から、本発明はタイヤの空気維持のための双方向のぜん動ポンプを提供することが理解されるであろう。円形の空気チューブ42は、タイヤフットプリント114内でセグメント毎に平坦になって閉じる。空気入口装置78は、多孔質のセル状材料で構成されており、装置78が自己浄化できるようにする外側のフィルタスリーブ100を有していてもよい。出口装置80は弁部を採用している(参照によって本明細書に援用される特許文献1を参照)。ぜん動ポンプ組み立て品14はいずれかの方向のタイヤ12の回転の下で空気をポンプの作用によって送り、2分の1回転によって空気をタイヤキャビティ40へポンプの作用によって送り、残りの2分の1回転で空気を入口装置68へポンプの作用によって送って戻す。ぜん動ポンプ組み立て品14は、装置の故障の検出器としての役割を持つ従来の構成の2次的なタイヤ圧力監視装置(TPMS)(不図示)と共に使用してもよい。TPMSはタイヤ組み立て品10の自己膨脹装置の任意の故障を検出し、そのような状態をユーザに警告するのに使用してもよい。
【0047】
タイヤ空気維持装置はさらに、溝48内に固定し、タイヤ動作中にチューブの偶然の外れを防止する特定の幾何学形状をチューブ42に組み込んでいる。チューブ42は、平坦化され圧縮された構成になって、横方向に溝58内に挿入される。圧縮力が取り除かれると、チューブ42は元の形状に戻り、溝58によって表されている空洞を満たす。チューブ42のテーパー状の複数の側部に対して相補形状の溝58を定めている側壁のテーパー状の側部によって、チューブ42が溝58のより小さい入口を通して外れることが一切防止される。
【0048】
したがって、本発明において、円形の構成であることが好ましい長いサイドウォール溝58は外側のサイドウォール表面から一方または両方のサイドウォール内に延びていることが理解される。各サイドウォール溝58は、外側の溝入口開口、末広がりの入口室側壁によって定められており溝入口開口に対して軸線方向内側の溝入口室、および溝入口室に対して軸線方向内側の溝主室を有している。複数の溝入口室側壁と複数の溝主室側壁70とは交差しており、交差部分で回り止めチャネルを構成している。同様に円形の構成であることが好ましい長い空気チューブ42は、溝主室の側壁に接触してまたは非常に近接して長いサイドウォール溝内に配置されている。空気チューブは、長いサイドウォール溝を定めているサイドウォール構成に対応している外面の表面構成を有している。
【0049】
空気チューブ胴体42は、溝内の定位置に空気チューブ42を保持するように、サイドウォール溝の回り止めチャネル72、74内に揃って着座するように構成されており寸法が設定されている外面凸部57、59を有している。空気チューブ42は、弾性のある材料で構成されており、外部に起因する衝突する力が空気チューブに作用したときに、チューブを溝入口開口60を通して挿入できるように、膨脹している応力のない構成からつぶれている構成へとつぶし、いったんサイドウォール溝58内に挿入されると外向きにその応力のない構成に膨脹させることできる。このように構成された空気チューブ42をサイドウォール溝58内に挿入する方法は、チューブを溝入口開口を通して挿入するように、空気チューブ42を、膨脹しており応力のない構成からつぶれている構成へとつぶすステップと、いったん挿入されると応力のない構成へ外向きに膨脹させるステップとを有している。
【0050】
本発明の変形例が本明細書に示している説明の観点から可能である。対象としている発明を説明する目的で、特定の代表的な実施形態と詳細とを示しているが、当業者には対象としている発明の範囲から逸脱することなく、実施形態において様々な変更と修正が可能であることが明らかになるであろう。そのため、当然のことながら、添付の特許請求の範囲で定めている本発明の意図した完全な範囲において、説明している特定の実施形態の変更が可能である。
【符号の説明】
【0051】
10 タイヤ組み立て品
12 タイヤ
14 ぜん動ポンプ組み立て品
30、32 サイドウォール
34、36 ビード領域
38 タイヤトレッド領域
40 タイヤキャビティ
42 空気チューブ
43 通路
44 端部表面
46 外側部分
48 胴体部分
52、54 傾斜している表面
56 弓状の外側表面
57、59 ショルダ
58 溝
60 入口開口
62 入口室
64 主室
66、68 入口室の側壁
70 主室の側壁
72、74 ショルダ回り止めチャネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
タイヤキャビティと、タイヤトレッド領域まで延びている第1と第2のサイドウォールとを有するタイヤと、
外側の第1のサイドウォール表面から前記第1のサイドウォール内に延びており、外側の溝入口開口と、末広がりの複数の入口室側壁によって定められており、前記溝入口開口に対して軸線方向内側の溝入口室と、複数の主室側壁によって定められており、前記溝入口室に対して軸線方向内側の溝主室とを有している長いサイドウォール溝であって、前記溝入口室側壁と前記溝主室側壁とは交差しており、前記交差部分で該サイドウォール溝の長手方向の長さにわたって実質的に延びている回り止めチャネルを構成している長いサイドウォール溝と、
前記溝主室側壁と少なくとも部分的に接触係合して前記長いサイドウォール溝内に配置されており、内部空気通路を有している長い空気チューブと、
を有することを特徴とする、タイヤ組み立て品。
【請求項2】
前記空気チューブは主空気チューブ胴体を有しており、前記主空気チューブ胴体は、前記溝主室側壁に実質的に隣接しており平行に延びている前記主空気チューブ胴体外側の側部によって定められている外面の表面構成を有している、請求項1に記載のタイヤ組み立て品。
【請求項3】
前記主空気チューブ胴体は軸線方向外側の空気チューブ胴体凸部を有しており、前記空気チューブ胴体凸部は、前記溝入口室側壁に実質的に隣接しており平行に延びている複数の凸部外側の側部によって定められている外面の表面構成を有している、請求項2に記載のタイヤ組み立て品。
【請求項4】
前記主空気チューブ胴体外側の側部と前記空気チューブ胴体凸部外側の側部とは交差し、前記交差部分で前記サイドウォール溝の前記回り止めチャネル内に位置しているショルダを構成する、請求項3に記載のタイヤ組み立て品。
【請求項5】
前記空気チューブと前記サイドウォール溝とは共通の実質的に円形の経路に沿って延びている、請求項4に記載のタイヤ組み立て品。
【請求項6】
前記空気チューブは外部に起因する衝突する力が前記空気チューブに作用したときに、膨脹している応力のない構成から、前記空気通路が実質的に閉じてつぶれている構成へと動作する弾性のある材料で構成されている、請求項4に記載のタイヤ組み立て品。
【請求項7】
前記空気チューブは前記衝突する力が取り除かれると前記膨脹している応力のない構成に弾性的に戻るように動作する、請求項6に記載のタイヤ組み立て品。
【請求項8】
前記膨脹している応力のない構成にある前記空気チューブは、前記溝入口開口の直径方向の寸法よりも大きく延びている横方向の寸法を有しており、前記つぶれている構成にある前記空気チューブは、前記溝入口開口の前記直径方向の寸法よりも小さい、つぶれている横方向の寸法を有している、請求項7に記載のタイヤ組み立て品。
【請求項9】
前記空気チューブは、前記サイドウォール溝の体積全体を実質的に占めている、請求項8に記載のタイヤ組み立て品。
【請求項10】
前記空気通路は、前記サイドウォール溝内で軸線方向に向けられている長手方向の軸に沿った断面が実質的に楕円形である、請求項9に記載のタイヤ組み立て品。
【請求項11】
前記空気チューブは、前記タイヤの半径方向において非対称である、請求項1に記載のタイヤ組み立て品。
【請求項12】
前記空気通路は、前記サイドウォール溝内で軸線方向に向けられている長手方向の軸に沿った断面が実質的に楕円形である、請求項11に記載のタイヤ組み立て品。
【請求項13】
タイヤキャビティと、タイヤトレッド領域に延びている第1と第2のサイドウォールとを有するタイヤ内に長い空気チューブを組み付ける方法であって、
外側の第1のサイドウォール表面から前記第1のサイドウォール内に、長いサイドウォール溝であって、前記サイドウォール溝は外側の溝入口開口と、末広がりの複数の入口室側壁によって定められており、前記溝入口開口に対して軸線方向内側の溝入口室と、複数の主室側壁によって定められており、前記溝入口室に対して軸線方向内側の溝主室とを有しており、前記溝入口室側壁と前記溝主室側壁とは交差している長いサイドウォール溝を展開するステップと、
長い空気チューブであって、内部空気通路と、外部に起因する衝突する力が空気チューブに作用したときに、膨脹している応力のない構成から、前記空気通路が実質的に閉じてつぶれている構成へとつぶれるように動作する弾性のある材料で構成されている空気チューブ胴体と、を有している空気チューブを、空気チューブ中心軸線に対して横方向に、そして前記外側の溝入口開口に向けて前進させるステップと、
前記空気チューブ胴体を前記空気チューブ胴体の直径方向の寸法が減少しているつぶれた構成につぶすように衝突する力を前記空気チューブ胴体に作用させるステップと、
前記空気チューブ胴体を、前記サイドウォール溝入口開口を通してそして前記溝主室内に前記つぶれた構成において挿入するステップと、
前記衝突する力を取り除くステップと、
前記空気チューブ胴体を、前記溝主室内で前記サイドウォール溝内の前記膨脹した構成に膨脹させるステップと、
を有することを特徴とする、方法。
【請求項14】
前記溝入口室側壁と前記溝主室側壁との前記交差部分に、回り止めチャネルを構成するステップと、
前記空気チューブが前記サイドウォール溝内に前記膨脹した構成で配置されている状態で、前記空気チューブ胴体の凸部を前記回り止めチャネル内に配置するステップと、
をさらに有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記空気チューブ胴体を前記サイドウォール溝内で前記サイドウォール溝の体積全体を実質的に占めるように膨脹させるステップをさらに有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記空気通路の長手方向の軸線を前記サイドウォール溝内で軸線方向に向けるステップをさらに有する、請求項15に記載の方法。
【請求項1】
タイヤキャビティと、タイヤトレッド領域まで延びている第1と第2のサイドウォールとを有するタイヤと、
外側の第1のサイドウォール表面から前記第1のサイドウォール内に延びており、外側の溝入口開口と、末広がりの複数の入口室側壁によって定められており、前記溝入口開口に対して軸線方向内側の溝入口室と、複数の主室側壁によって定められており、前記溝入口室に対して軸線方向内側の溝主室とを有している長いサイドウォール溝であって、前記溝入口室側壁と前記溝主室側壁とは交差しており、前記交差部分で該サイドウォール溝の長手方向の長さにわたって実質的に延びている回り止めチャネルを構成している長いサイドウォール溝と、
前記溝主室側壁と少なくとも部分的に接触係合して前記長いサイドウォール溝内に配置されており、内部空気通路を有している長い空気チューブと、
を有することを特徴とする、タイヤ組み立て品。
【請求項2】
前記空気チューブは主空気チューブ胴体を有しており、前記主空気チューブ胴体は、前記溝主室側壁に実質的に隣接しており平行に延びている前記主空気チューブ胴体外側の側部によって定められている外面の表面構成を有している、請求項1に記載のタイヤ組み立て品。
【請求項3】
前記主空気チューブ胴体は軸線方向外側の空気チューブ胴体凸部を有しており、前記空気チューブ胴体凸部は、前記溝入口室側壁に実質的に隣接しており平行に延びている複数の凸部外側の側部によって定められている外面の表面構成を有している、請求項2に記載のタイヤ組み立て品。
【請求項4】
前記主空気チューブ胴体外側の側部と前記空気チューブ胴体凸部外側の側部とは交差し、前記交差部分で前記サイドウォール溝の前記回り止めチャネル内に位置しているショルダを構成する、請求項3に記載のタイヤ組み立て品。
【請求項5】
前記空気チューブと前記サイドウォール溝とは共通の実質的に円形の経路に沿って延びている、請求項4に記載のタイヤ組み立て品。
【請求項6】
前記空気チューブは外部に起因する衝突する力が前記空気チューブに作用したときに、膨脹している応力のない構成から、前記空気通路が実質的に閉じてつぶれている構成へと動作する弾性のある材料で構成されている、請求項4に記載のタイヤ組み立て品。
【請求項7】
前記空気チューブは前記衝突する力が取り除かれると前記膨脹している応力のない構成に弾性的に戻るように動作する、請求項6に記載のタイヤ組み立て品。
【請求項8】
前記膨脹している応力のない構成にある前記空気チューブは、前記溝入口開口の直径方向の寸法よりも大きく延びている横方向の寸法を有しており、前記つぶれている構成にある前記空気チューブは、前記溝入口開口の前記直径方向の寸法よりも小さい、つぶれている横方向の寸法を有している、請求項7に記載のタイヤ組み立て品。
【請求項9】
前記空気チューブは、前記サイドウォール溝の体積全体を実質的に占めている、請求項8に記載のタイヤ組み立て品。
【請求項10】
前記空気通路は、前記サイドウォール溝内で軸線方向に向けられている長手方向の軸に沿った断面が実質的に楕円形である、請求項9に記載のタイヤ組み立て品。
【請求項11】
前記空気チューブは、前記タイヤの半径方向において非対称である、請求項1に記載のタイヤ組み立て品。
【請求項12】
前記空気通路は、前記サイドウォール溝内で軸線方向に向けられている長手方向の軸に沿った断面が実質的に楕円形である、請求項11に記載のタイヤ組み立て品。
【請求項13】
タイヤキャビティと、タイヤトレッド領域に延びている第1と第2のサイドウォールとを有するタイヤ内に長い空気チューブを組み付ける方法であって、
外側の第1のサイドウォール表面から前記第1のサイドウォール内に、長いサイドウォール溝であって、前記サイドウォール溝は外側の溝入口開口と、末広がりの複数の入口室側壁によって定められており、前記溝入口開口に対して軸線方向内側の溝入口室と、複数の主室側壁によって定められており、前記溝入口室に対して軸線方向内側の溝主室とを有しており、前記溝入口室側壁と前記溝主室側壁とは交差している長いサイドウォール溝を展開するステップと、
長い空気チューブであって、内部空気通路と、外部に起因する衝突する力が空気チューブに作用したときに、膨脹している応力のない構成から、前記空気通路が実質的に閉じてつぶれている構成へとつぶれるように動作する弾性のある材料で構成されている空気チューブ胴体と、を有している空気チューブを、空気チューブ中心軸線に対して横方向に、そして前記外側の溝入口開口に向けて前進させるステップと、
前記空気チューブ胴体を前記空気チューブ胴体の直径方向の寸法が減少しているつぶれた構成につぶすように衝突する力を前記空気チューブ胴体に作用させるステップと、
前記空気チューブ胴体を、前記サイドウォール溝入口開口を通してそして前記溝主室内に前記つぶれた構成において挿入するステップと、
前記衝突する力を取り除くステップと、
前記空気チューブ胴体を、前記溝主室内で前記サイドウォール溝内の前記膨脹した構成に膨脹させるステップと、
を有することを特徴とする、方法。
【請求項14】
前記溝入口室側壁と前記溝主室側壁との前記交差部分に、回り止めチャネルを構成するステップと、
前記空気チューブが前記サイドウォール溝内に前記膨脹した構成で配置されている状態で、前記空気チューブ胴体の凸部を前記回り止めチャネル内に配置するステップと、
をさらに有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記空気チューブ胴体を前記サイドウォール溝内で前記サイドウォール溝の体積全体を実質的に占めるように膨脹させるステップをさらに有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記空気通路の長手方向の軸線を前記サイドウォール溝内で軸線方向に向けるステップをさらに有する、請求項15に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図5A】
【図5B】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【公開番号】特開2013−79067(P2013−79067A)
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−221838(P2012−221838)
【出願日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【出願人】(590002976)ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー (256)
【氏名又は名称原語表記】THE GOODYEAR TIRE & RUBBER COMPANY
【住所又は居所原語表記】1144 East Market Street,Akron,Ohio 44316−0001,U.S.A.
【公開日】平成25年5月2日(2013.5.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【出願人】(590002976)ザ・グッドイヤー・タイヤ・アンド・ラバー・カンパニー (256)
【氏名又は名称原語表記】THE GOODYEAR TIRE & RUBBER COMPANY
【住所又は居所原語表記】1144 East Market Street,Akron,Ohio 44316−0001,U.S.A.
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