説明

空気振動を利用するマッサ−ジ器具。

【課題】人体の皮膚の血行を良くするために、被マッサージ面に装着して自動的にマッサージ作業することを可能とする。
【解決手段】マッサ−ジ作業の動力源に、空気ポンプ1を用いて空気ポンプにより発生される断続空気をホ−ス2で発振器10に供給する。発振器に柔軟材よりなる振動子を備え、その振動子はロ−ト形状で外縁と人体の被マッサージ面3との間に、空間部3Aを形成させる。その空間部に断続空気を噴出させて断続空気の空気振動により、マッサ−ジ効果を人体の被マッサージ面に発生させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気振動を利用するマッサージ器具を人体に装着して、自動的にマッサージ効果を発生させるマッサ−ジ器具に関する。
【背景技術】
【0002】
人体の皮膚表面をマッサージすることで、皮膚の血行が良好となることは衆知のことである。それで自身で簡便に自動的にマッサージ作業することを可能とするマッサージ器具に関する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
継続して簡便に自動的に長時間マッサージ作業を行うことを可能とするための、マッサージ器具を提供することを目的とする。
【0004】
目的を達成するためには、マッサージ器具を人体に装着して自動的にマッサージ作業を行うことが出来るマッサージ器具を必要とする
【0005】
しかし、マッサージ器具を装着する人体の被マッサージ面は、個体差のある湾曲面で形状が不揃いであるので機械的振動を利用して、マッサージ効果を発生するマッサージ器具を装着することは困難なことである。
【0006】
本発明は、このような従来の構成が有している問題を解決するものであり、人体の被マッサージ面の個体差のある湾曲面でも形状が不揃いでも装着して、自動的にマッサージ作業を行うことを可能とするマッサージ器具を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係るマッサ−ジ器具は、上記目的を達成する為にマッサージ作業の動力源に空気ポンプを用いて、空気ポンプにより発生される断続空気をホ−スを介して発振器に供給する。発振器は、振動子と人体の被マッサージ面との間に、大気と遮断した空間部を構成しており、その空間部に断続空気を噴出させる。空間部は、噴出した空気の排出流路として、複数の小穴で大気と繋がっている構成を特徴とする。又被マッサージ面の状態により、小穴はなくても可能である。
【0008】
さらに発振器に備えた振動子は、柔軟材で形成され装着面の中央部が外縁より凹位置であり、中央部より外縁に繋がる複数の凹溝を形成するロート形状を特徴とする。
【0009】
さらに発振器を人体の被マッサージ面に装着した時に振動子の外縁は、スリーブの外径に備えたコイルスプリングの圧力で人体の被マッサージ面に圧接する構成を特徴とする。
【0010】
さらに発振器の装着部の人体との当接部は、振動子を中心として片方に2カ所の柱状の支持体を備え、相対部に1カ所の長方形体状の支持体を備えた構成を特徴とする。又長方形体状の支持体を1カ所の柱状の支持体とすることも可能である。
【0011】
さらに発振器を装着するベルトの脱着端は、フックを装備しておりそのフックにベルトを巻付締結して、フックの鍵部を発振器より露呈させたスライダーのスライダーピン部に挿入する。そして発振器内部に装備したコイルスプリングの応力でスライダーを、発振器内に引き込む構成を特徴とする。
【0012】
さらに発振器に断続空気を供給するホースは、スリーブのホース挿入部に備えたコイルスプリングの内径を通して、スリーブ内径に挿入して締結する構成を特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明のマッサ−ジ器具は、空気ポンプにより発生された断続空気をホースで発振器に供給し、発振器に備えた振動子と人体の被マッサージ面との間に構成した空間部に、断続空気を噴出させて空気振動によりマッサージ効果を発生させているので、人体の被マッサージ面が湾曲面で不揃いでも、ベルトで装着して自動的に長時間マッサージ作業することができる。
【0014】
発振器に備えた振動子は、柔軟材で形成して装着面の中央部が凹位置であるので、装着時スリーブの外径に備えたコイルスプリングの圧力により湾曲面や不揃いな人体の被マッサージ面でも、振動子の外縁を被マッサージ面に密着させることができる。
【0015】
さらに発振器の人体の被マッサージ面に当接する支持体は、振動子を中心として2カ所の柱状の支持体と相対部に1カ所の長方形体状の支持体としたことで、湾曲面でも不揃いな面でも柱状の支持体の2点が固定支持点となり、相対する長方形体状の支持体が対象面の相対範囲内の最凸点に当接する3点支持方法となり、発振器の装着が安定し振動子の外縁を人体の被マッサージ面に密着させることができる。又装着部の状態により長方形体状の支持体を1カ所の柱状の支持体とすることも可能である。
【0016】
さらに装着用ベルトの脱着端に装備したフックの鍵部を、スライダーのスライダーピン部に挿入して発振器の内部に備えたコイルスプリングの応力で、スライダーを発振器に引き込む構成としたことでベルトに張力を与え、発振器の装着が安定し振動子の外縁を被マッサージ面に密着させることができる。
【0017】
以上に述べた方法で、発振器に備えた振動子の外縁を被マッサージ面と密着させることで、断続空気を噴出させる空間部と大気との遮断性を良好にし、マッサージ効果の発生を安定させることができる。
【0018】
さらに発振器に備えた振動子は、振動子の装着面に複数の凹溝を備え、人体の被マッサージ面と振動子の間の空間部に噴出させた断続空気を、振動子の凹溝と人体の被マッサージ面により構成した小穴から大気中に排出する構成としたことにより、断続空気の排出による振動子の外縁の微振動を防止することができ、人体の被マッサージ面に与える外縁の微振動による痛みの発生を防止することができる。
【0019】
人体の被マッサージ面の状態により振動子は、断続空気を排出させる凹溝の流路の断面積の異なる振動子や凹溝を削除して、マッサージ効果の発生を安定させる。
【0020】
さらに発振器に断続空気を供給するホースは、スリーブのホース挿入部に備えたコイルスプリングの内径側にホースを挿入して、スリーブとホースを締結する構成としたことで、挿入部のコイルスプリングの弾性によりホースの折曲りを防止でき、断続空気の供給流路を安定させることができる。
【0021】
上述したように本発明のマッサ−ジ器具は、マッサージ効果の発生源に断続空気の空気振動を利用しているので湾曲面や不揃いな人体の被マッサージ面に、ベルトで装着してマッサ−ジする事ができる。さらにマッサージ効果の発生源に空気振動を利用しているので、人体の被マッサージ面に痛みを与えることなくマッサージすることができるマッサージ器具である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の最良の形態を図1〜図4に基づいて説明する。
【0023】
図1は、本発明のマッサ−ジ器具の構成図で、動力源の空気ポンプ1は一般市販のダイヤフラムポンプやプランジャーポンプの、低圧で小量の断続空気を発生させる小型空気ポンプを用いたものである。空気ポンプで発生された断続空気は、ホース2を介して発振器10に供給され、発振器を人体の被マッサージ面3にベルト4で装着する形態である。
【0024】
図2は、発振器10の断面図である。空気ポンプ1で発生された断続空気を発振器に供給するホース2は、スリーブ11に備えたコイルスプリングA11Aの内径からスリーブの内径に挿入して締結する。そのスリーブの下方側には、プラスチック柔軟材よりなる中央部が凹位置でロート形状の振動子12を挿入して備え、その振動子と人体の被マッサージ面3の間に空間部3Aを構成させる形態である。その空間部にスリーブの内径、振動子の内径を通過した断続空気を噴出させて、凹溝12B(図4)より大気中に排出する。
【0025】
図2のスリーブ11は、樹脂成形品よりなるケース13に圧入したブッシュA16とブッシュB17に嵌合されて上下に可動する構成となっている。そのスリーブの外径に挿入したコイルスプリングB11Bによりスリーブは、人体の被マッサージ面3方向に圧力を受ける構成となっているので、スリーブに備えた振動子の外縁12Aが人体の被マッサージ面に圧接して、振動子の外縁と人体の被マッサージ面の密着性を良好な状態とする。
【0026】
図2のフック14には、ベルト4の脱着端が長さを任意に設定するために巻付締結されている。そのフックの先端の鍵部14Aをスライダーピン部15Aに挿入して、スライダー15(図3)を発振器10内部に備えたコイルスプリングC15B(図3)の応力で発振器に引き込みベルトに張力を与える構成である。
【0027】
さらにベルト4の常時締結端は、環状に固着して発振器10に形成した角V穴部に挿入して、ベルト環状部18Aにスペーサ18を挿入して引き込み締結する。これによりベルトは、必要に応じて発振器より容易に分離することができる構成である。
【0028】
図3は、発振器10内のスライダー15の構成図である。樹脂成形品よりなる、スライダー先端のテーパ部に当接する形態で備えた、2個のプッシュピース21を指力で押込みスライダーを可動させる。それによりスライダーピン部15Aを発振器より外部に露呈させて、フックの鍵部14Aをスライダーピン部に挿入して、プッシュピースの押力をフリー状態にすると、コイルスプリングC15Bの応力でスライダーが発振器の内部に引込まれる構成である。
【0029】
図4は、発振器10の下面図を表す。振動子12を中心として、一方に2カ所の柱状の支持体19と、相対部に1カ所の長方形体状の支持体20を備える。2カ所の柱状の支持体は、人体の被マッサージ面が湾曲していても各々一点が人体の被マッサージ面に当接する。長方形体状の支持体は、人体の対象面の相対範囲内の最凸部の一点に当接する。これにより振動子を中心として、3点支持方式で発振器を人体の被マッサージ面に装着する構成である。又被マッサージ面の状態により、長方形体状の支持体を1カ所の柱状の支持体とすることも可能である。
【0030】
上記構成を説明する。空気ポンプ1で発生された断続空気を、ホース2を介して人体の被マッサージ面3にベルト4で装着した発振器10に供給する。発振器では、柔軟材よりなるロート形状の振動子12を備え、コイルスプリング11Bにより振動子の外縁12Aを人体の被マッサージ面に圧接させ、振動子と人体の被マッサージ面との間に空間部3Aを構成させる。その空間部に断続空気を噴出させて、空気振動によるマッサージ効果を発生させて人体の被マッサージ面及びその周辺にマッサ−ジ効果を得る。
【0031】
人体の頭髪の再生に発毛剤・養毛剤を塗布する前後に、頭部発毛部3Aに発振器10を装着して自動的にマッサージ作業することで、頭皮の血行が良好となり発毛・養毛を促進させる。
【0032】
人体の前頭部3Bに発振器10を装着して、自動的にマッサージ作業することで顔面の血行を良好なものとし美肌をえる。
【0033】
酷使や疲労による人体の皮膚の血行障害の患部3Cや、夏期の過剰冷房による人体の皮膚の血行障害の患部3Cに、発振器10を装着して自動的にマッサージ作業することで、皮膚の血行障害を解消する。
【0034】
加齢による後天性の難聴の人の耳のツボに装着して、自動的にマッサージ作業するマッサージ器具。
【0035】
皮膚の打撲による内出血や鬱血等の局所に装着して、自動的にマッサージ作業して拡散させるマッサージ器具。
【0036】
関節の炎症や滞水の局所に装着して、自動的にマッサージ作業するマッサージ器具。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の実施形態を示す図
【図2】本発明の発振器の断面図
【図3】本発明の発振器内のスリーブ構成図
【図4】本発明の発振器下面図
【符号の説明】
【0038】
1 空気ポンプ
2 ホース
3 人体の被マッサージ面
3A 頭部発毛部
3B 前頭部
3C 患部
4 ベルト
10 発振器
11 スリーブ
11A コイルスプリングA
11B コイルスプリングB
12 振動子
12A 外縁
12B 凹溝
13 ケース
14 フック
14A フック鍵部
15 スライダー
15A スライダーピン部
15B コイルスプリングC
16 ブッシュA
17 ブッシュB
18 スペーサ
18a ベルト環状部
19 柱状の支持体
20 長方形体状の支持体
21 プッシュピース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体の装着部に振動子と被マッサージ面との間に、大気と遮断される空間部を備えた発振器を有し、この発振器の空間部に空気ポンプにより発生される断続空気をホースを介して噴出させて、人体の装着部の被マッサージ面に空気振動によるマッサージ効果を発生させてなる、空気振動を利用したマッサージ器具。
【請求項2】
前記マッサージ器具の発振器の人体の被マッサージ面と当接する装着部は、振動子を中心として片方に2カ所の柱状の支持体を備え、相対部に1カ所の長方形体状の支持体を備えた構成を特徴とする、発振器からなる請求項1記載のマッサージ器具。
【請求項3】
前記マッサージ器具の発振器の人体の被マッサージ面と当接する装着部は、振動子を中心として片方に2カ所の柱状の支持体を備え、相対部に1カ所の柱状の支持体を備えた構成を特徴とする、発振器からなる請求項1記載のマッサージ器具。
【請求項4】
前記マッサージ器具の発振器を人体の被マッサージ面に装着する構成は、ベルトを用いてベルトの脱着端にフックを装備して、発振器の内部に備えるスライダーのスライダーピン部に、フックの鍵部を挿入して装着する構成を特徴とする、発振器からなる請求項1記載のマッサージ器具。
【請求項5】
前記マッサージ器具の発振器に備えるスライダーは、プッシュピースの押力でスライドしてスライダーピン部が発振器より外部に露呈し、プッシュピースの押力のフリー状態でコイルスプリングの応力によりスライダーを発振器に引き込む構成を特徴とする、発振器からなる請求項1記載のマッサージ器具。
【請求項6】
前記マッサージ器具の発振器とベルトの常時締結端は、ベルト端を環状に固着し発振器に構成した角V穴部でベルト環状部にスペーサを挿入して引込み、発振器とベルトを締結する構成を特徴とする、発振器からなる請求項1記載のマッサージ器具。
【請求項7】
前記マッサージ器具は、柔軟材で形成し装着面の中央空気噴出穴部が、外縁より凹位置となっているロート形状を特徴とする振動子を備えた、発振器からなる請求項1記載のマッサージ器具。
【請求項8】
前記マッサージ器具は、振動子の装着面の中央部より外縁に繋がる複数の凹溝を形成することを特徴とするロート形状の振動子を備えた、発振器からなる請求項1記載のマッサージ器具。
【請求項9】
前記マッサージ器具の発振器を人体の被マッサージ面に装着した時、スリーブに備えた振動子の外縁は、コイルスプリングの圧力により人体の被マッサージ面に常時圧接する構成を特徴とする、発振器からなる請求項1記載のマッサージ器具。
【請求項10】
前記マッサージ器具の発振器に備えるスリーブは、ケースに構成した2カ所の摺動部に嵌合して可動する構成を特徴とする、発振器からなる請求項1記載のマッサージ器具。
【請求項11】
前記マッサージ器具の発振器に断続空気を供給するホースは、スリーブのホース挿入部に備えた、コイルスプリングの内径側に挿入してスリーブと締結する構成を特徴とする、発振器からなる請求項1記載のマッサージ器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−68951(P2007−68951A)
【公開日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−294148(P2005−294148)
【出願日】平成17年9月7日(2005.9.7)
【特許番号】特許第3811861号(P3811861)
【特許公報発行日】平成18年8月23日(2006.8.23)
【出願人】(505184090)
【Fターム(参考)】