説明

空気清浄剤

【課題】デザイン性に優れるとともに、薬剤の残存量を視認しやすい空気清浄剤を提供すること。
【解決手段】消臭性及び/又は芳香性を有する物質を含有する透明な液体2と、この液体2中に浸漬した吸水性樹脂からなる粒状体1a、1bとからなる空気清浄剤であって、吸水性樹脂からなる粒状体1a、1bを、液体2と同色の透明な粒状体1aと、液体とは異なる色の粒状体1bとを、所定の割合で混合してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消臭及び/又は芳香機能を備えた空気清浄剤に関し、特に、消臭性及び/又は芳香性を有する物質を含有する透明な液体と、該液体中に浸漬した吸水性樹脂からなる粒状体とからなる消臭及び/又は芳香機能を備えた空気清浄剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
室内、トイレ、車内等で使用される空気清浄剤として、吸水性樹脂に消臭性及び/又は芳香性を含有する液体を吸収、膨潤させたものが提案され、実用化されている(特許文献1〜3参照)。
この種の空気清浄剤は、その本来の機能である消臭及び/又は芳香機能は備えているものの、一部を除きデザイン性に乏しいものが多く、居住空間においては、設置場所に困るという問題があった。
また、空気清浄剤の存在をできるだけ目立たなくするために、薬剤に無色透明の材料を用いたものも存在するが、薬剤の残存量が視認しにくいという問題があった。
【特許文献1】特表2003−526476号公報
【特許文献2】特開平10−328287号公報
【特許文献3】特開平5−220206号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明は、上記従来の空気清浄剤の有する問題点に鑑み、デザイン性に優れるとともに、薬剤の残存量を視認しやすい空気清浄剤を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、本発明の空気清浄剤は、消臭性及び/又は芳香性を有する物質を含有する透明な液体と、該液体中に浸漬した吸水性樹脂からなる粒状体とからなる空気清浄剤であって、前記吸水性樹脂からなる粒状体を、前記液体と同色の透明な粒状体と、前記液体とは異なる色の粒状体とを、所定の割合で混合してなることを特徴とする。
【0005】
この場合において、前記液体と、該液体と同色の粒状体とを、無色とすることができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明の空気清浄剤によれば、消臭性及び/又は芳香性を有する物質を含有する透明な液体と、該液体中に浸漬した吸水性樹脂からなる粒状体とからなる空気清浄剤であって、前記吸水性樹脂からなる粒状体を、前記液体と同色の透明な粒状体と、前記液体とは異なる色の粒状体とを、所定の割合で混合してなることから、この状態では、液体と同色の透明な粒状体と、液体とは異なる色の粒状体とが、所定の割合で混合、分散されることになるが、吸水性樹脂からなる粒状体のうち液体と同色の透明な粒状体は、透明な液体中に浸漬した状態では、液体中に溶け込んで視認されず、このため、液体とは異なる色の粒状体のみが液体中に浮かんだ状態で視認されることになる。
これにより、デザイン性に優れるとともに、液体とは異なる色の粒状体によって、薬剤の残存量を視認しやすい空気清浄剤を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下、本発明の空気清浄剤の実施の形態を、図面に基づいて説明する。
【実施例1】
【0008】
図1に、本発明の空気清浄剤の一実施例を示す。
この空気清浄剤は、消臭性及び/又は芳香性を有する物質を含有する透明な液体2と、この液体2中に浸漬した吸水性樹脂からなる粒状体1a、1bとからなる空気清浄剤であって、吸水性樹脂からなる粒状体1a、1bを、液体2と同色の透明な粒状体1aと、液体とは異なる色の粒状体1bとを、所定の割合で混合してなるものである。
【0009】
ところで、この空気清浄剤は、上記状態では、吸水性樹脂からなる粒状体1a、1bのみに着目すると、図1(a)に示すように、液体2と同色の透明な粒状体1aと、液体2とは異なる色の粒状体1bとが、所定の割合で混合、分散されることになるが、実際には、図1(b)に示すように、吸水性樹脂からなる粒状体1a、1bのうち液体と同色の透明な粒状体1aは、透明な液体2中に浸漬した状態では、液体中に溶け込んで視認されず、このため、液体2とは異なる色の粒状体1bのみが液体2中に浮かんだ状態で視認されることになる。
これにより、デザイン性に優れるとともに、液体2とは異なる色の粒状体1bによって、薬剤の残存量を視認しやすい空気清浄剤を提供することができるものとなる。
【0010】
この場合において、液体2と、この液体2と同色の粒状体1aとは、無色とするほか、任意の色に着色することができる。
【0011】
また、液体2とは異なる色の粒状体1bは、任意の1色に着色した粒状体1bを用いるほか、多色、例えば、液体2及び粒状体1aを無色とした場合には、赤色系、黄色系及び青色系の3種類の色にそれぞれ着色した粒状体1bを用いることができる。
【0012】
なお、液体2と同色の透明な粒状体1aと、液体2とは異なる色の粒状体1bとの混合割合は、特に限定されるものではないが、1:1〜10:1程度の範囲で任意に設定することができる。
また、吸水性樹脂からなる粒状体1a、1bと、液体2との割合も、特に限定されるものではないが、少なくとも当初は、吸水性樹脂からなる粒状体1a、1bが、液体2中に浸漬された状態となるようにすることが望ましい。
【0013】
粒状体1a、1bを構成する吸水性樹脂としては、従来公知の吸水性樹脂、例えば、特に限定されるものではないが、デンプン又はセルロースとカルボキシル基、スルホン酸基等の親水基を含有する水溶性単量体及び/又は加水分解により水溶性となる単量体と、架橋剤とを必須成分として重合させ、必要により加水分解を行うことにより得られる吸水性樹脂やデンプン−アクリロニトリルグラフト重合体の加水分解物、セルロース−アクリロニトリルグラフト重合物の加水分解物、カルボキシメチルセルロースの架橋物、架橋ポリアクリルアミドの部分加水分解物、架橋されたアクリル酸−アクリルアミド共重合体、架橋されたスルホン化ポリスチレン、ビニルエステル−不飽和カルボン酸共重合体ケン化物、架橋されたポリアクリル酸(塩)、架橋されたアクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、架橋されたイソブチレン−無水マレイン酸共重合体及び架橋されたカルボン酸変性ポリビニルアルコール、自己架橋型ポリアクリル酸塩等を挙げることができる。
【0014】
吸水性樹脂の質量に対する液体(消臭性及び/又は芳香性を有する物質を含有する液体2を含む。)の吸収倍率は、10〜1000倍程度、好ましくは、100〜1000倍である。
また、吸水性樹脂は、液体を吸収、膨潤させた状態で、数mm〜20mm程度のものが好ましい。
【0015】
また、吸水性樹脂中には、着色のための顔料(蛍光性顔料や蓄光顔料を含む。)や染料のほか、必要に応じて他の添加物、例えば、老化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、界面活性剤、可塑剤、充填剤等を添加することができる。
【0016】
消臭性及び/又は芳香性を有する物質を含有する透明な液体2には、従来公知の消臭性及び/又は芳香性を有する物質、例えば、特に限定されるものではないが、消臭性を有する物質としては、イネ、松、ヒノキ、笹等の植物からの抽出物質、酸又はアルカリ性の水性液、粉末活性炭等を挙げることができ、芳香性を有する物質としては、合成香料や天然香料等を挙げることができる。
これらは水溶性のものであればその水溶液、非水溶性のものであれば水と乳化剤、必要に応じて、溶剤等からなる水性エマルジョンを用いることができる。
【0017】
また、消臭性及び/又は芳香性を有する物質を含有する透明な液体2には、着色のための顔料(蛍光性顔料や蓄光顔料を含む。)や染料のほか、必要に応じて他の添加物、例えば、老化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤、界面活性剤、可塑剤、充填剤等を添加することができる。
【0018】
以上、本発明の空気清浄剤について、その実施例に基づいて説明したが、本発明は上記実施例に記載した構成に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲において適宜その構成を変更することができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0019】
本発明の空気清浄剤は、デザイン性に優れるとともに、薬剤の残存量を視認しやすい特性を有していることから、デザイン性に優れたものが要請される居住空間に設置する空気清浄剤の用途に好適に用いることができるほか、室内、トイレ、車内等で使用される空気清浄剤の用途に広く用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の空気清浄剤の一実施例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0021】
1a 液体と同色の透明な粒状体
1b 液体とは異なる色の粒状体
2 液体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
消臭性及び/又は芳香性を有する物質を含有する透明な液体と、該液体中に浸漬した吸水性樹脂からなる粒状体とからなる空気清浄剤であって、前記吸水性樹脂からなる粒状体を、前記液体と同色の透明な粒状体と、前記液体とは異なる色の粒状体とを、所定の割合で混合してなることを特徴とする空気清浄剤。
【請求項2】
前記液体と、該液体と同色の粒状体とが、無色であることを特徴とする請求項1記載の空気清浄剤。

【図1】
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【公開番号】特開2008−43403(P2008−43403A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−219521(P2006−219521)
【出願日】平成18年8月11日(2006.8.11)
【出願人】(504170296)株式会社リベロ (2)
【Fターム(参考)】