説明

空気清浄機の設置構造

【課題】 下方から吸引した空気をフィルターで浄化して上方へ吹き出す空気清浄機を遊技機が列設された島の垂直壁の上部に設置した空気清浄機の設置構造において、空気清浄機のフィルターの交換や遊技機の点検を容易に行えるようにする。
【解決手段】 遊技機40の島の垂直壁50に有する遊技機10の点検口51に空気清浄機10をその点検口51を閉塞するように垂直壁50に対して手前側へ傾動可能に上端部で枢支し、その空気清浄機10を垂直・所定の傾斜角度及び略水平の状態に切り替え及びその状態を保持する切替保持手段30を設ける。切替保持手段30は、垂直壁51の上端に複数の歯を備えたラック31を縦向きに取り付け、ラック31と解除可能に歯合するレバー32を空気清浄機10に取り付け、レバー32をバネ33でラック31に付勢する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機が列設された島に設置される空気清浄機の設置構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遊技機が列設された島に設置される空気清浄機としては、例えば特許文献1に開示されているものがある。この空気清浄機は、下方から吸引した空気をフィルターで浄化して上方へ吹き出す構造であり、島の垂直壁に有する点検口を閉塞するように配置し、垂直壁に対して手前側へ傾動可能に上端部で枢支している。
【0003】
ところで、前記技術では、空気清浄機のフィルターの交換や遊技機の点検は空気清浄機を手前へ動かして成されるが、空気清浄機を略水平又は傾けた状態に保持する手段がないので、持ち上げた空気清浄機を支えながら作業する必要があり、作業し難いという問題があった。
【特許文献1】特開平11−226359号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、従来のこれらの問題点を解消し、空気清浄機のフィルターの交換や遊技機の点検を容易に行える空気清浄機の設置構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
かかる課題を解決した本発明の構成は、
1) 下方から吸引した空気をフィルターで浄化して上方へ吹き出す空気清浄機を遊技機が列設された島の垂直壁の上部に設置した空気清浄機の設置構造であって、島の垂直壁には遊技機の点検口を有し、空気清浄機はその点検口を閉塞するように垂直壁に対して手前側へ傾動可能に上端部で枢支し、その空気清浄機を垂直・所定の傾斜角度及び略水平の状態に切り替え及びその状態を保持する切替保持手段を設けたことを特徴とする、空気清浄機の設置構造
2) 切替保持手段が、垂直壁の上端に複数の歯を備えたラックを縦向きに取り付け、ラックと解除可能に歯合するレバーを空気清浄機に取り付け、レバーをバネでラックに付勢した構造である、前記1)記載の空気清浄機の設置構造
3) 枢支位置より高所の位置と空気清浄機の所定位置との間にバネを掛架して縮み方向に付勢した、前記1)又は2)記載の空気清浄機の設置構造
4) 複数の空気清浄機を横方向に隣設するものにおいて、空気清浄機の片端部又は両端部に隣の空気清浄機との間隔を閉塞する閉塞板をスライド又は折り畳み可能に設けた、前記1)〜3)いずれか記載の空気清浄機の設置構造
にある。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、空気清浄機のフィルターを交換する場合、切替保持手段で保持を解除して空気清浄機を持ち上げ、その後切替保持手段で所定の傾斜角度に保持することで、空気清浄機を支えることなく両手が空いた状態でフィルターの交換作業が容易に行えるようになる。遊技機を点検する場合は、切替保持手段で保持を解除して空気清浄機を持ち上げ、その後切替保持手段で略水平に保持することで、空気清浄機を支えることなく両手が空いた状態で点検口を通じて遊技機の点検作業が容易に行えるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の切替保持手段としては、請求項2記載の構成のものが簡素な構造で低コストで実施できる。請求項3記載の構成を具備すると、空気清浄機の持ち上げる際にバネの引張力が加勢され、小さな力で楽に持ち上げることができる。請求項4記載の構成を具備すると、左右の空気清浄機の間隔を流れようとする空気が閉塞板で遮蔽され、その遮蔽された空気が左右の空気清浄機へ吸引されて浄化の効率が向上する。以下、本発明の実施例を図面に基づいて具体的に説明する。
【実施例1】
【0008】
図1は実施例の空気清浄機の使用状態を示す説明図、図2は実施例の空気清浄機の内部説明図、図3は実施例の切替保持手段のラックの説明図、図4は実施例の閉塞板の説明図、図5は実施例の幕板の開閉を示す説明図、図6,7は実施例の空気清浄機の傾動を示す説明図である。
【0009】
図中、10は空気清浄機、11はケース、11a,11bは仕切板、12は吸込口、13は吹出口、14は通風路、15はクロスフローファン、16はフィルター、17はイオン発生器、18は閉塞板、18aはスライド溝、19は幕板、19a,19bは蝶番、20は枢支部、21は吊具、22は受具、23は軸、24はバネ、30は切替保持手段、31はラック、32はレバー、33はバネ、34は操作口、40は遊技機、50は垂直壁、51は点検口、52は横桟、60は点検調整部、hは遊技者である。
【0010】
本実施例の空気清浄機10は、図2に示すように、ケース11の上下面に吸込口12と吹出口13を開口し、吸込口12と吹出口13との間に形成された通風路14にクロスフローファン15を取り付け、吸込口12にグリルで挟んだフィルター16を脱着可能に取り付け、通風路14の隣接位置にマイナスイオンを通風路14へ供給するイオン発生器17を取り付け、ケース11の両端部にスライド溝18aを形成して閉塞板18をスライド可能に挿入している。
【0011】
枢支部20は、図2に示すように、壁50の横桟52に吊具21を左右に取り付け、空気清浄機10のケース11の上端に一対の受具22を左右に取り付け、吊具21と受具22とを枢支し、吊具21の枢支位置より高所の位置に軸23を設け、その軸23とケース11内との間にバネ24を掛架して縮み方向に付勢し、空気清浄機10を垂直の向きにした場合に背面の壁50の点検口51が閉塞されるようにしている。点検口51の奥部には遊技機40の点検調整部60が配置されている。空気清浄機10の正面には、図1,5に示すように、幕板19を蝶番19a,19bで開放可能に取り付け、常時は降ろして空気清浄機10が目立たないようにしている。
【0012】
切替保持手段30は、図2に示すように、横桟52の吊具21と隣接する位置にラック31を縦向きに取り付け、ケース11内のラック31下方位置に穴が形成された仕切板11a,11bを上下に設け、ケース11の天板のラック31下方位置に穴を形成し、先端がL字状に折り曲げられたレバー32をケース11の天板の穴と仕切板11a,11bの穴に連通し、レバー32の途中位置と仕切板11aとの間にバネ33を取り付けてラック31に付勢し、レバー32を引っ張ると先端がラック31から外れ、常時はバネ33の付勢でラック31に押し付けられるようにしている。ケース11の背面には、レバー32を背面側から操作する操作口34を開口している。ラック31の歯は、図3に示すように、レバー32を垂直・45度・水平の3つの角度で、且つケース11の枢支位置から正面側に離れた位置で歯合できるように形成されている。
【0013】
本実施例では、空気清浄機10を使用する場合、図6(a),図7(a)に示すように、レバー32を手前へ引いてラック31から外し、空気清浄機10を降ろして垂直の向きにし、レバー32を元の位置に戻してラック31と歯合する。また、図4に示すように閉塞板18を互いに引き出して突き合わせる。
【0014】
図1に示すように、クロスフローファン15を作動させると、汚染された空気が下方から吸引されてフィルター16で浄化した後に上方へ吹き出し、遊技機40の付近を快適な環境にする。また、図4に示すように、閉塞板18で遮蔽された空気は左右の空気清浄機10に吸引されて浄化の効率が向上する。
【0015】
空気清浄機10のフィルター16を交換する場合は、幕板19を開放し、図6(b),図7(b)に示すように、空気清浄機10を持ち上げるとレバー32がラック31から自然に外れ、空気清浄機10の傾きが45度になるとレバー32がラック31と歯合する。このとき、空気清浄機10の持ち上げる際にバネ24の引張力が加勢され、小さな力で楽に持ち上げることができる。その後、空気清浄機10から手を離すと、空気清浄機10の自重とラック31との歯合とバネ33の付勢で係止し、空気清浄機10は45度の傾斜角度で保持される。したがって、空気清浄機10を支えることなく両手が空いた状態でフィルター16を容易に交換できる。
【0016】
遊技機20を点検する場合は、幕板19を開放し、図6(c),図7(c)に示すように、空気清浄機10を持ち上げるとレバー32がラック31から自然に外れ、空気清浄機10が略水平になるとレバー32がラック31と歯合する。このとき、前記と同様に空気清浄機10の持ち上げる際にバネ24の引張力が加勢され、小さな力で楽に持ち上げることができる。その後、前記と同様に空気清浄機10から手を離すと、空気清浄機10の自重とラック31との歯合とバネ33の付勢で係止し、空気清浄機10は水平に保持される。したがって、空気清浄機10を支えることなく両手が空いた状態で点検口51を通じて点検調整部60を容易に点検できる。
【0017】
空気清浄機10を降ろす際は、空気清浄機10を手で支えた状態でレバー32を手前へ引いてラック31から外し、そのレバー32を引いたままの状態で空気清浄機10を手で支えながら自重で降ろして垂直の向きにし、レバー32を離してラック31と歯合し、その後幕板19を降ろす。なお、幕板19は、空気清浄機10を持ち上げる前に先に開放させるか、空気清浄機10を持ち上げる際に同時に開放させることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0018】
本発明の技術は、遊技場の他、待合室や飲食店など座席が列設された場所に応用できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】実施例の空気清浄機の使用状態を示す説明図である。
【図2】実施例の空気清浄機の内部説明図である。
【図3】実施例の切替保持手段のラックの説明図である。
【図4】実施例の閉塞板の説明図である。
【図5】実施例の幕板の開閉を示す説明図である。
【図6】実施例の空気清浄機の傾動を示す説明図である。
【図7】実施例の空気清浄機の傾動を示す説明図である。
【符号の説明】
【0020】
10 空気清浄機
11 ケース
11a,11b 仕切板
12 吸込口
13 吹出口
14 通風路
15 クロスフローファン
16 フィルター
17 イオン発生器
18 閉塞板
18a スライド溝
19 幕板
19a,19b 蝶番
20 枢支部
21 吊具
22 受具
23 軸
24 バネ
30 切替保持手段
31 ラック
32 レバー
33 バネ
34 操作口
40 遊技機
50 垂直壁
51 点検口
52 横桟
60 点検調整部
h 遊技者

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下方から吸引した空気をフィルターで浄化して上方へ吹き出す空気清浄機を遊技機が列設された島の垂直壁の上部に設置した空気清浄機の設置構造であって、島の垂直壁には遊技機の点検口を有し、空気清浄機はその点検口を閉塞するように垂直壁に対して手前側へ傾動可能に上端部で枢支し、その空気清浄機を垂直・所定の傾斜角度及び略水平の状態に切り替え及びその状態を保持する切替保持手段を設けたことを特徴とする、空気清浄機の設置構造。
【請求項2】
切替保持手段が、垂直壁の上端に複数の歯を備えたラックを縦向きに取り付け、ラックと解除可能に歯合するレバーを空気清浄機に取り付け、レバーをバネでラックに付勢した構造である、請求項1記載の空気清浄機の設置構造。
【請求項3】
枢支位置より高所の位置と空気清浄機の所定位置との間にバネを掛架して縮み方向に付勢した、請求項1又は2記載の空気清浄機の設置構造。
【請求項4】
複数の空気清浄機を横方向に隣設するものにおいて、空気清浄機の片端部又は両端部に隣の空気清浄機との間隔を閉塞する閉塞板をスライド又は折り畳み可能に設けた、請求項1〜3いずれか記載の空気清浄機の設置構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−136974(P2010−136974A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−317919(P2008−317919)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000108247)株式会社ジェッター (42)
【Fターム(参考)】