説明

空気調和機の室内機

【課題】ユーザに対して不快感を与えるおそれを少なくすることができる空気調和機の室内機の提供。
【解決手段】空気調和機の室内機2は、天井設置型の室内機であって、下面に吸い込み口20aが設けられている室内機本体20と、収納状態と非収納状態とを採ることが可能であり非収納状態の場合には吸い込み口20aから下方に下降可能であるフラットパネル24と、下降指示および下降停止指示を受付可能なスイッチ80d,80eと、下降指示または下降停止指示に基づいてフラットパネル24が動作するようにパネルの動作を制御するパネル制御部31とを備えている。また、パネル制御部31は、下降指示が受け付けられた後に下降停止指示が受け付けられた場合であってフラットパネル24が吸い込み口20aから所定距離A以上下降していない場合には、フラットパネル24の下降が止まらないようにフラットパネル24の動作を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機の室内機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、空気調和機の室内機には、室内空気を取り込むための吸い込み口を覆うことが可能なパネルを有するものがある。
【0003】
例えば、特許文献1(特開平11−2423号公報)に開示されている天井設置型の空気調和機の室内機では、室内機本体の下面に吸い込み口や吹き出し口が設けられている。この室内機では、吸い込み口から室内機本体内部に取り込んだ空気から調和空気を生成し、調和空気を吹き出し口から室内に吹き出すことによって空気調和運転を行う。また、この室内機では、パネルが、室内機本体の下面に設けられており、ワイヤによって室内機本体から吊り下げられることが可能となっている。このため、ユーザは、パネルを室内機本体の下方に降ろすことによって、パネルに設けられているフィルタの清掃等のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような天井設置型の空気調和機の室内機では、パネルが室内機本体に収納されていない場合、空気調和運転が行われないものがある。このため、ユーザが認識できない程度にパネルが下降している場合であっても、パネルが室内機本体に収納されていないために空気調和運転が行われないことで、ユーザに対して不快感を与えるおそれがある。また、パネルが室内機本体に収納されていなくても空気調和運転が行われる空気調和機の室内機であっても、吸い込み口の状態が通常とは異なるために、空気の吸い込み音が大きくなるおそれがある。このため、ユーザに対して不快感を与えるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明の課題は、ユーザに対して不快感を与えるおそれを少なくすることができる空気調和機の室内機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1発明に係る空気調和機の室内機は、天井設置型の空気調和機の室内機であって、室内機本体と、パネルと、指示受付部と、パネル制御部とを備えている。室内機本体の下面には、室内空気の吸い込み口が設けられている。パネルは、収納状態と、非収納状態とを採ることが可能である。収納状態とは、パネルが室内機本体に収納されている状態のことである。非収納状態とは、パネルが室内機本体に収納されていない状態のことである。また、パネルは、非収納状態の場合には、吸い込み口から下方に下降可能である。指示受付部は、パネルの下降指示および下降停止指示を受付可能である。パネル制御部は、指示受付部が受け付けた下降指示または下降停止指示に基づいてパネルが動作するように、パネルの動作を制御する。また、パネル制御部は、指示受付部によって下降指示が受け付けられた後に下降停止指示が受け付けられた場合であってパネルが吸い込み口から所定距離以上下降していない場合には、パネルの下降が止まらないようにパネルの動作を制御する強制下降制御を行う。
【0007】
第1発明に係る空気調和機の室内機では、ユーザによって下降停止指示が為された場合であっても、強制下降制御が行われる場合がある。このため、ユーザによって下降指示が為された場合には、パネルは吸い込み口から所定距離以上は下降することになる。したがって、パネルが室内機本体に収納されていないと空気調和運転が開始されない室内機の場合には、パネルを所定距離以上下降させることによって、ユーザにパネルが室内機本体に収納されていない状態であることを認識させやすくすることができる。また、パネルが室内機本体に収納されていなくても空気調和運転が開始される室内機の場合には、パネルを所定距離以上下降させることによって吸い込み口を開放することができるため、空気の吸い込み音が大きくなるおそれを少なくすることができる。
【0008】
これによって、ユーザに対して不快感を与えるおそれを少なくすることができる。
【0009】
第2発明に係る空気調和機の室内機は、第1発明の空気調和機の室内機であって、パネル制御部は、パネルが吸い込み口から所定距離以上降下しているか否かを判定する判定部を有する。このため、この空気調和機の室内機では、判定部の判定結果に基づいて、強制下降制御が行われるか否かを決定することができる。
【0010】
第3発明に係る空気調和機の室内機は、第2発明の空気調和機の室内機であって、パネルを吊り上げるためのワイヤとワイヤの繰り出しおよび巻き取りとを行う駆動部とを有し、パネルを上昇または下降させることが可能な昇降部を更に備えている。また、判定部は、ワイヤの繰り出しに応じてカウンタ値を増減させるカウンタを有している。さらに判定部は、カウンタ値に基づいて、パネルが吸い込み口から所定距離以上降下しているか否かを判定する。このため、この空気調和機の室内機では、ワイヤの繰り出しに応じて、強制下降制御を行うか否かを決定することができる。
【0011】
第4発明に係る空気調和機の室内機は、第1発明から第3発明のいずれかの空気調和機の室内機であって、パネル制御部は、強制下降制御を行った場合には、パネルが吸い込み口から所定距離まで降下した後に、パネルの下降を停止させる制御を行う。このため、この空気調和機の室内機では、パネルと吸い込み口との間に所定距離以上の間隔を維持した状態でパネルを停止させることができる。
【0012】
第5発明に係る空気調和機の室内機は、第1発明から第4発明のいずれかの空気調和機の室内機であって、空気調和運転の運転制御を行う運転制御部を更に備える。また、運転制御部は、パネルが非収納状態である場合に、前記運転制御を行う。このため、この空気調和機の室内機では、パネルが下降した状態であっても、空気調和運転を行うことができる。
【0013】
第6発明に係る空気調和機の室内機は、天井設置型の空気調和機の室内機であって、室内機本体と、パネルと、指示受付部と、パネル制御部とを備えている。室内機本体の下面には、室内空気の吸い込み口が設けられている。パネルは、収納状態と、非収納状態とを採ることが可能である。収納状態とは、パネルが室内機本体に収納されている状態のことである。非収納状態とは、パネルが室内機本体に収納されていない状態のことである。また、パネルは、非収納状態の場合には、吸い込み口から下方に下降可能である。指示受付部は、パネルの下降指示および下降停止指示を受付可能である。パネル制御部は、指示受付部が受け付けた下降指示または下降停止指示に基づいてパネルが動作するように、パネルの動作を制御する。また、パネル制御部は、指示受付部によって下降指示が受け付けられた後に下降停止指示が受け付けられた場合であって、下降指示が受け付けられた時点からの経過時間が所定時間未満の場合には、パネルの下降が止まらないようにパネルの動作を制御する強制下降制御を行う。
【0014】
第6発明に係る空気調和機の室内機では、ユーザによって下降停止指示が為された場合であっても、強制下降制御が行われる場合がある。このため、ユーザによって下降指示が為された場合には、パネルは吸い込み口から下方に少なくとも所定時間下降される。したがって、パネルが室内機本体に収納されていないと空気調和運転が開始されない室内機の場合には、パネルが吸い込み口から下降した状態を採ることによって、ユーザにパネルが室内機本体に収納されていない状態であることを認識させやすくすることができる。また、パネルが室内機本体に収納されていなくても空気調和運転が開始される室内機の場合には、パネルが吹き出し口から下降した状態を採ることによって吸い込み口を開放することができるため、空気の吸い込み音が大きくなるおそれを少なくすることができる。
【0015】
これによって、ユーザに対して不快感を与えるおそれを少なくすることができる。
【発明の効果】
【0016】
第1発明に係る空気調和機の室内機では、ユーザに対して不快感を与えるおそれを少なくすることができる。
【0017】
第2発明に係る空気調和機の室内機では、判定部の判定結果に基づいて、強制下降制御が行われるか否かを決定することができる。
【0018】
第3発明に係る空気調和機の室内機では、ワイヤの繰り出しに応じて、強制下降制御を行うか否かを決定することができる。
【0019】
第4発明に係る空気調和機の室内機では、パネルと吸い込み口との間に所定距離以上の間隔を維持した状態でパネルを停止させることができる。
【0020】
第5発明に係る空気調和機の室内機では、パネルが下降した状態であっても、空気調和運転を行うことができる。
【0021】
第6発明に係る空気調和機の室内機では、ユーザに対して不快感を与えるおそれを少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施形態に係る室内機の外観斜視図(天井は省略)。
【図2】本発明の実施形態に係る室内機の断面図。
【図3】下部ユニットの斜視図。
【図4】下部ユニットの斜視図。
【図5】下部ユニットの斜視図。
【図6A】ユーザが空気調和運転に関する指示を行う際に用いられるリモートコントローラの外観図。
【図6B】ユーザがフラットパネルの昇降に関する指示を行う際に用いられるリモートコントローラの外観図。
【図7】ヒンジ連結機構の分解図。
【図8】下部ユニットの分解斜視図。
【図9】パネル昇降機構の分解図。
【図10】パネル昇降機構内部の部品の配置図。
【図11】パネルロック機構の斜視図。
【図12】制御部の制御ブロック図。
【図13】吸い込み口から所定距離だけ下降したフラットパネルを示す図。
【図14】パネル制御部によるフラットパネルの下降動作を示すフローチャート。
【図15】変形例(A)に係る室内機の備える制御部の制御ブロック図。
【図16】変形例(C)に係る室内機の備える制御部の制御ブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の一実施形態に係る空気調和機の室内機2を図1に示す。この室内機2は、天井設置型の室内機であって、暖房運転および冷房運転を含む空気調和運転や、フィルタ清掃運転等を行うことができる。室内機2は、主として、室内機本体20、フラットパネル24、収納検知リミットスイッチ90a,90b(図3参照)、ヒンジ連結機構6(図3参照)、パネルロック機構8(図3参照)、パネル昇降機構7(図3参照)、および、制御部30(図12参照)を備えている。
【0024】
<室内機本体>
室内機本体20内には、図2に示すように、室内ファン13および室内熱交換器12等が収納されており、下面が開口した箱状の形態を有している。
【0025】
室内ファン13は、長細い円筒形状に構成されるクロスフローファンであり、回転軸が室内機本体20の長手方向にそって延びるように、室内機本体20に収容されている。また、室内ファン13は、室内ファンモータ(図示せず)によって回転駆動されることで、回転軸と交わる方向に空気流を生成する。さらに、室内ファン13は、室内の空気を室内機本体20内に吸い込ませるとともに、室内熱交換器12との間で熱交換を行った後の空気を室内に吹き出させる。
【0026】
室内熱交換器12は、長手方向両端で複数回折り返されてなる伝熱管と、伝熱管から挿通される複数のフィンとからなり、接触する空気との間で熱交換を行う。また、室内熱交換器12は、室内ファン13の下側の位置から室内ファン13から遠ざかるにつれて斜め上方に延びるように室内機本体20内に配置されている。
【0027】
また、室内機本体20は、化粧パネル21を有している。化粧パネル21は、図1に示すように、平面視において、室内機本体20の天面よりも大きな略長方形状の部材である。また、化粧パネル21には、吸い込み口20aおよび吹き出し口20bが設けられている。また、室内機本体20は、フィルタ9を清掃するためのフィルタ清掃機構10を有しており、化粧パネル21、フラットパネル24および後述する水平フラップ51とともに、下部ユニット52を構成している。フィルタ清掃機構10は、フィルタ9の塵埃を除去するためのブラシ108と、ブラシ108がフィルタ9から掻き取った塵埃を溜めるためのダストボックス109とを有している。フィルタ清掃機構10は、ユーザによってフィルタ清掃運転の開始指示が為されると、ブラシ108によってフィルタ9から塵埃を掻き取り、ダストボックス109に溜める動作を行う。また、ダストボックス109は、フラットパネル24に着脱可能に取り付けられている。
【0028】
さらに、室内機本体20の内部は、収納検知リミットスイッチ90a,90b、ヒンジ連結機構6、パネルロック機構8、パネル昇降機構7、および、制御部30が収納されている。これらについては、後述する。
【0029】
<フラットパネル>
フラットパネル24は、図3、図4および図5に示すように、吸い込み口20aの面積よりも大きい面積を有し、室内機本体20の長手方向に長い形状を呈する開口の設けられていない板状の部材である。また、フラットパネル24は、図5に示すように、後述するパネル昇降機構7の有する2本のワイヤ71によって吊り上げられている。
【0030】
さらに、フラットパネル24は、図3および図4に示すように、吸い込み口20a近傍に位置する状態と、図5に示すように、吸い込み口20aの下方に下降している状態とを採ることが可能である。具体的には、吸い込み口20a近傍に位置する場合として、図3に示すように、フラットパネル24が、室内機本体20に収納され吸い込み口20aを閉じている状態である運転待機状態と、図4に示すように、室内機本体20に収納されずに吹き出し口20b側の端部を中心として室内機本体20に対し回転可能となる状態である運転状態と、運転待機状態と同様に室内機本体20に収納され吸い込み口20aを閉じている状態であるおそうじ運転状態と、運転待機状態やおそうじ運転状態と同様に室内機本体20に収納され吸い込み口20aを閉じている状態である下降待機状態とがある。また、運転待機状態と、おそうじ運転状態と、下降待機状態との違いは、運転待機状態では、フラットパネル24がヒンジ連結機構6によって室内機本体20に対して支持された状態を採っており、おそうじ運転状態では、フラットパネル24がパネルロック機構8によって室内機本体20に対してロックされた状態を採っており、下降待機状態では、フラットパネル24がヒンジ連結機構6によって支持されておらず、かつ、パネルロック機構8によってロックされていないロック解除の状態を採っている点である。また、運転状態では、フラットパネル24は、ヒンジ連結機構6によって支持された状態であり、かつ、パネルロック機構8によってロックされていないロック解除の状態を採っており、フラットパネル24の一端部を軸として他端部が上昇および下降することで、吸い込み口20aを開閉することができる。
【0031】
また、吸い込み口20aの下方に下降している場合としては、図5に示すように、フラットパネル24が室内機本体20に収納されずに吸い込み口20aの下方に下降している状態である昇降状態がある。
【0032】
さらに、室内機2は、水平フラップ51、受信部92、および、運転状態表示部93を備えている。
【0033】
水平フラップ51は、吹き出し口20bから吹き出される空気を、案内するためのものであって、吹き出し口20bを開閉可能に設けられている。水平フラップ51は、空気調和運転の運転停止時および室内機のフィルタ清掃運転等のメンテナンス時には、吹き出し口20bを閉じた状態を採っている。また、水平フラップ51は、室内機が空気調和運転を行っている場合には、吸い込み口20a側の端部を軸として回動し、吹き出し口20bを開放した状態を採る。このような水平フラップ51は、モータやギア等によって回転駆動される。
【0034】
受信部92は、図1に示すように、化粧パネル21に設けられている。受信部92は、リモートコントローラ80a,80bから送信される各種運転の開始指示や各種設定等を受信可能なように設けられている。例えば、受信部92は、冷房運転等の空気調和運転の開始指示や室内の設定温度を、リモートコントローラ80aを介して受け付けることができる。また、受信部92は、フラットパネル24の昇降指示を、リモートコントローラ80bを介して受けることができる。
【0035】
また、リモートコントローラ80a,80bには、ユーザが押すことによって、空気調和運転の運転開始や運転停止に関する指示信号、または、温度設定等の各種設定に関する指示信号を受信部92に送信することができるリモートコントローラ80a(図6A参照)と、フィルタ清掃運転に関する指示信号、または、フラットパネル24の昇降動作に関する指示信号を送信することができるリモートコントローラ80b(図6B参照)とが含まれる。
【0036】
また、図6Bに示すリモートコントローラ80bは、フラットパネル24の昇降動作に関するスイッチとして、「上がる」スイッチ80cと、「下がる」スイッチ80dと、「停止」スイッチ80eとを有している。例えば、ユーザが「上がる」スイッチ80cを押すことによって、リモートコントローラ80bから受信部92にフラットパネル24が上昇するように指示信号を送信することができる。また、ユーザが「下がる」スイッチ80dを押すことによって、リモートコントローラ80bから受信部92にフラットパネル24が下降するように指示信号を送信することができる。さらに、ユーザが「停止」スイッチ80eを押すことによって、リモートコントローラ80bから受信部92にフラットパネル24の上昇または下降が停止するように指示信号を送信することができる。
【0037】
運転状態表示部93は、図1に示すように、受信部92と同様、化粧パネル21に設けられている。運転状態表示部93は、LEDを有しており、室内機の運転状況に応じてLEDを点灯や点滅させる。
【0038】
次に、室内機本体20内部に収納されている収納検知リミットスイッチ90a,90b、ヒンジ連結機構6、パネルロック機構8、パネル昇降機構7、および、制御部30について順に説明する。
【0039】
<収納リミットスイッチ>
収納検知リミットスイッチ90a,90bは、図3、図4および図5に示すように、化粧パネル21の吸い込み口20a近傍に2つ設けられている。より具体的には、2つの収納検知リミットスイッチ90a,90bは、吸い込み口20aの長辺のうち吹き出し口20bと離れている方の長辺に沿うように、互いに所定の間隔を開けて配置されている。
【0040】
各収納検知リミットスイッチ90a,90bは、フラットパネル24が化粧パネル21の吸い込み口20a付近の位置に位置することを検知する。具体的には、フラットパネル24の状態が、運転待機状態、おそうじ運転状態、および、下降待機状態である場合、収納検知リミットスイッチ90a,90bはオン信号を出力する。また、フラットパネル24の状態が、運転状態、または、昇降状態である場合には、収納検知リミットスイッチ90a,90bはオフ信号を出力する。このようにして、収納検知リミットスイッチ90a,90bにより出力されたオン信号およびオフ信号は、制御部30に取り込まれる。
【0041】
<ヒンジ連結機構>
ヒンジ連結機構6は、フラットパネル24が、運転待機状態、運転状態、または、おそうじ運転状態を採るときには、フラットパネル24の一端を回転可能に支持し、フラットパネル24が昇降待機状態、または、昇降状態を採るときには、ラットパネルの一端の支持を解除する。
【0042】
図7は、ヒンジ連結機構6の分解斜視図である。ヒンジ連結機構6は、図7に示すように、回動部材61、滑り部材62、第1ピン63、ピニオン歯車64、ヒンジ駆動モータ65、固定部材66、第2ピン67、および、ネジ68を有している。回動部材61は、U字状の固体物であって、端面から外側に向かって棒状の支持軸61aが突出している。さらに、回動部材61の一端部には、軸孔61bが形成されている。
【0043】
滑り部材62は、ピニオン歯車64と噛み合うラック62aと、回動部材61の軸孔61bの両面を挟むアーム62bとを有している。さらに、アーム62bには、第1滑り孔62cが形成され、ラック62aの根元近傍には、第2滑り孔62dが形成されている。ヒンジ駆動モータ65は、ステッピングモータであり、ピニオン歯車64を回転させる。また、ヒンジ駆動モータ65は、ネジ68が通る貫通孔65aを有している。
【0044】
固定部材66には、滑り部材62を滑り移動可能に保持する滑り空間66aと、ピニオン歯車64が挿入される歯車空間66bと、ネジ68と螺合するネジ孔66cとが形成されている。さらに、滑り空間66aを形成する壁には、第1貫通孔66dと第2貫通孔66eとが形成されている。
【0045】
滑り部材62は固定部材66の滑り空間66aに配置され、滑り部材62のアーム62bに回動部材61の軸孔61bが挟まれるように配置される。第1ピン63は、固定部材66の第1貫通孔66dの一端から挿入され、滑り部材62の第1滑り孔62cおよび回動部材61の軸孔61bを通って第1貫通孔66dの他端に出る。
【0046】
第2ピン67は、第2貫通孔66eの一端から挿入され、滑り部材62の第2滑り孔62dを通って第2貫通孔66eの他端に出る。その結果、滑り部材62は、第1ピン63および第2ピン67に沿って滑り空間66aを水平移動することができ、回動部材61は、第1ピン63を中心に回動することができる。
【0047】
このような構成によって、ヒンジ連結機構6は、ヒンジ駆動モータ65がピニオン歯車64を回転させると、ピニオン歯車64と噛み合うラック62aに動力が伝達されて滑り部材62は第1ピン63に沿って滑り移動し、滑り部材62の移動に伴って回動部材61がフラットパネル24の方向、あるいは、その反対の方向へ移動する。ここで、説明の便宜上、回動部材61をフラットパネル24と連結する方向へ移動するようにヒンジ駆動モータ65が回転することを「正転」と言い、回動部材61とフラットパネル24との連結を解除する方向へ移動するようにヒンジ駆動モータ65が回転することを「逆転」と言う。なお、ヒンジ駆動モータ65から出力される回転数に関する信号は、制御部30に取り込まれる。
【0048】
また、フラットパネル24の端部には、回動部材61に支持軸61aと対峙する支持孔24c(図8参照)が設けられており、ヒンジ駆動モータ65が正転し、支持軸61aがフラットパネル24の支持孔24cに挿入されたときは、回動部材61とフラットパネル24との連結が成立し、フラットパネル24は第1ピン63を中心に回動することができる。
【0049】
一方、ヒンジ駆動モータ65が逆転し、支持軸61aがフラットパネル24の支持孔24cから抜け出たときは、回動部材61とフラットパネル24との連結が解消され、フラットパネル24は第1ピン63を中心に回動することができない。
【0050】
また、ヒンジ連結機構6は、連結検知リミットスイッチ91を備えている。連結検知リミットスイッチ91は、図7に示すように、滑り部材62の一端に設けられており、滑り空間66aにおいて回動部材61が、図3および図4に示す位置にあるか、もしくは、図5に示す位置にあるかを検知する。具体的には、フラットパネル24の状態が、運転待機状態、および、運転状態の場合には、連結検知リミットスイッチ91はオン信号を出力する。また、フラットパネル24の状態が、おそうじ運転状態、下降待機状態、または、昇降状態の場合には、連結検知リミットスイッチ91はオフ信号を出力する。このようにして、連結検知リミットスイッチ91によって出力されたオン信号およびオフ信号は、制御部30に取り込まれる。
【0051】
<パネル昇降機構>
図9は、パネル昇降機構7の分解斜視図である。パネル昇降機構7は、図9に示すように、ワイヤ71と、滑車72と、ボビン73と、巻き取り歯車74と、駆動歯車75と、昇降モータ76と、スイッチ77と、ケース78とを有している。
【0052】
滑車72は、滑車部72aとカム部72bとが一体に形成されており、滑車部72aは、ワイヤ71を支え、ワイヤ71の移動に伴って回転する。カム部72bは、小径曲面と大径曲面とそれら両曲面を結ぶ平面とから成る。
【0053】
ボビン73は、ワイヤ71を巻き取る。巻き取り歯車74は、ボビン73と同軸で連結され一体的に回転する。駆動歯車75は、巻き取り歯車74と噛み合いボビン73を回転させる。
【0054】
昇降モータ76は、ステッピングモータであり、駆動歯車75を回転させる。昇降モータ76の回転数は、制御部30から供給されるパルス数によって制御される。なお、制御部30は、パネル昇降機構7から離れた他の位置に配置されている。
【0055】
スイッチ77は、レバー77aを有するマイクロスイッチであり、レバー77aが押されることによってオンする。レバー77aは、常に滑車72のカム部72bと接触しており、カム部72bの大径曲面と対峙したときに押される。
【0056】
ケース78は、支持ケース78aと、カバー78bとを有する。支持ケース78aには、滑車72を支持する第1軸79a、ボビン73と巻き取り歯車74とを支持する第2軸79b、および、スイッチ77を支持する第3軸79cが形成されている。カバー78bは、支持ケース78aに支持された各部品を保護するために、前記各部品を覆っている。
【0057】
このような構成によって、パネル昇降機構7は、図10に示すように、パネル昇降機構7がワイヤ71を繰り出す場合、昇降モータ76は駆動歯車75をCCW方向へ回転させ、巻き取り歯車74をCW方向へ回転させる。これによって、ボビン73がワイヤ71を繰り出す方向に回転する。
【0058】
一方、パネル昇降機構7がワイヤ71を巻き取る場合、昇降モータ76は駆動歯車75をCW方向へ回転させ、巻き取り歯車74をCCW方向へ回転させる。これによって、ボビン73がワイヤ71を巻き取る方向に回転する。ワイヤ71の繰り出し量および巻き取り量は、昇降モータ76の回転量に比例しており、制御部30の有する昇降機構制御部が、昇降モータ76へ供給するパルス数を制御することによって、ワイヤ71の繰り出し量および巻き取り量が制御される。
【0059】
ワイヤ71の先端には、フラットパネル24が連結されるため、ワイヤ71には常に張力が発生しており、ワイヤ71が繰り出されるとき、又は、ワイヤ71が巻き取られるとき、滑車部72aがワイヤ71との摩擦力によって回転する。このとき、カム部72bも回転するので、スイッチ77は、レバー77aがカム部72bの大径曲面と対峙したときにオンの信号を発し、レバー77aがカム部72bの小径曲面と対峙したときにはオフ信号を発する。滑車72が回転している間は、オン信号とオフ信号が交互に発生し、これらの信号は、全て制御部30に取り込まれる。
【0060】
また、何らかの要因でワイヤ71が緩み張力が無くなった場合、例えば、メンテナンスのためにワイヤ71が繰り出されてフラットパネル24が下降しているときに、所定の繰り出し量に到達する前に、フラットパネル24がテーブルなどの上に着地して停止した場合には、ワイヤ71と滑車部72aとの摩擦力が減退して滑車72が停止する。このため、スイッチ77からは、オン信号またはオフ信号のいずれか一方が連続的に出力される。このとき、制御部30は、昇降モータ76が回転しているときにスイッチ77からの信号が一定になっていることから、フラットパネル24が何らかの障害物によって停止したと判断し、昇降モータ76を停止させる制御を行う。
【0061】
<パネルロック機構>
フラットパネル24が吸い込み口20aを閉じている場合、フラットパネル24は、ヒンジ連結機構6とパネル昇降機構7とによって室内機本体20に支持されている。パネルロック機構8は、不足の要因で、ヒンジ連結機構6が誤作動しフラットパネル24の支持を解除しパネル昇降機構7のワイヤ71が緩んでしまったときでも、フラットパネル24が落下しないようにフラットパネル24を室内機本体20に対してロックするための機構である。
【0062】
パネルロック機構8は、図11に示すように、可動体81と、第1保持部82と、第2保持部83と、ロックモータ84と、スプリング85とを有している。可動体81は、四角柱形状を呈しており、その一端には、傾斜面811が形成され、全長が最長である長側面812には、所定の歯車と噛み合うラック81aが形成され、ラック81aの下方には、中空部81bが形成されている。可動体81は、長側面812を鉛直上方に向け、第1保持部82に可動可能な状態で保持されている。
【0063】
第1保持部82は、上面と一側面とが開放された直方体形の箱状の部材であって、側面に案内溝82aが形成されており、可動体81がその案内溝82aに沿って水平移動する。案内溝82aの両端は壁821,822で挟まれており、一方の壁821には可動体81が通る貫通口82bが形成されている。案内溝82aの両端を挟む壁821,822には、壁823が隣接しており、壁823には、案内溝82aと直交する方向に突出する板状突起82cが形成されている。可動体81は、第1保持部82に保持されているときに、傾斜面811は常に第1保持部82の外側に位置し、ラック81aは常に第1保持部82の内部に位置する。そして、第1保持部82の板状突起82cは、可動体81の中空部81bを貫通している。
【0064】
壁823は、ロックモータ84を固定し、ロックモータ84の回転軸に連結されたピニオン歯車84aを回転可能に支持している。ピニオン歯車84aは、可動体81のラック81aと噛み合い、ラック/ピニオン機構を構成している。可動体81の中空部81bには、スプリング85が収納されている。スプリング85は、圧縮コイルスプリングであって、中空部81bの端部と板状突起82cとで挟まれている。
【0065】
第2保持部83は、可動体81が通る案内孔83aが形成された固体物であって、フラットパネル24側に設置されている。第2保持部83の上面には、滑らかな曲面831が形成されている。
【0066】
このような構成によって、可動体81は、第1保持部82と第2保持部83とに保持された状態で、ロックモータ84がピニオン歯車84aをCCW方向に回転させたとき、ピニオン歯車84aの回転運動はラック81aによって直線運動に変換され、壁822に向かって滑り移動する。可動体81は、所定距離移動すると、第2保持部83の案内孔83aから離れる。可動体81を保持していない第2保持部83は、上下方向の移動が許容されるので、フラットパネル24の降下を妨げない。
【0067】
可動体81の移動によって、中空部81bの側面と板状突起82cとの距離が短くなるため、スプリング85は圧縮されて反発力を貯える。ロックモータ84は、電力が供給されている間、スプリング85の増加する反発力に抗して回転するが、電力が供給されなくなるとスプリング85の反発力によって逆回転し、可動体81は元の位置へ復帰する。
【0068】
フラットパネル24が降下せずに第2保持部83が移動していないとき、可動体81は第2保持部83の案内孔83aに入る。一方、フラットパネル24が降下して第2保持部83が移動しているとき、可動体81は、第2保持部83が復帰する軌道上で待機する。そして、フラットパネル24が上昇して吸い込み口20aを閉じたとき、第2保持部83は曲面831を可動体81の傾斜面811に当て、可動体81を押しのけて復帰する。
【0069】
第2保持部83に押された可動体81は、水平移動し、スプリング85を圧縮する。第2保持部83が完全に復帰したとき、可動体81は、第2保持部83の案内孔83aを貫通する。その結果、可動体81がフラットパネル24の降下を妨げることになる。
【0070】
<制御部>
制御部30は、CPUおよびメモリからなるマイクロコンピュータで構成され、図12に示すように、受信部92、室内ファン13,室内熱交換器12、収納検知リミットスイッチ90a,90b、運転状態表示部93、パネルロック機構8、パネル昇降機構7、ヒンジ連結機構6等と接続されており、接続された各種機器の制御を行う。
【0071】
また、制御部30は、収納検知リミットスイッチ90a,90bから出力される信号、および、連結検知リミットスイッチ91から出力される信号に基づいて、フラットパネル24の状態を判断する。例えば、収納検知リミットスイッチ90a,90bからオン信号が出力されており、連結検知リミットスイッチ91からオン信号が出力されている場合、制御部30は、フラットパネル24が運転待機状態であると判断する。また、収納検知リミットスイッチ90a,90bからオフ信号が出力されており、連結検知リミットスイッチ91からオン信号が出力されている場合、制御部30は、フラットパネル24が運転状態であると判断する。収納検知リミットスイッチ90a,90bからオン信号が出力されており、連結検知リミットスイッチ91からオフ信号が出力されている場合、制御部30は、フラットパネル24がおそうじ運転状態であると判断する。また、収納検知リミットスイッチ90a,90bからオン信号が出力されており、連結検知リミットスイッチ91からオフ信号が出力されている場合、制御部30は、フラットパネル24が下降待機状態であると判断する。さらに、収納検知リミットスイッチ90a,90bからオフ信号が出力されており、連結検知リミットスイッチ91からオフ信号が出力されている場合、制御部30は、フラットパネル24が昇降状態であると判断する。
【0072】
また、制御部30は、運転制御部38を備えている。運転制御部38は、受信部92がリモートコントローラ80aを介して受信した空気調和運転の開始指示に基づいて、冷房運転や暖房運転等の空気調和運転が行われるように、各種機器を制御する。なお、本実施形態では、フラットパネル24が室内機本体20に収納されていない場合、すなわち、フラットパネルの状態が運転状態、または、昇降状態の場合に、運転制御部38が各種機器を制御することによって、空気調和運転が行われる。また、フラットパネル24の状態が昇降状態で空気調和運転が行われる場合とは、フラットパネル24が下降または上昇して室内機本体20に収納されずに停止している状態を採っている場合のことである。
【0073】
また、制御部30は、フラットパネル24の動作制御を行うパネル制御部31を備えている。パネル制御部31は、パネル昇降機構7の動作を制御する昇降機構制御部32と、パネルロック機構8の動作を制御するロック機構制御部33と、ヒンジ連結機構6の動作を制御する連結機構制御部34とを有しており、各種機構を制御することによって、フラットパネル24の状態を切り換える。
【0074】
また、制御部30は、判定部35を備えている。判定部35は、昇降モータ76から出力される回転数に基づいて、ワイヤ71の繰り出し量を算出する。また、判定部35は、ヒンジ駆動モータ65から出力される回転数に関する信号に基づいて、ヒンジ連結機構6の有する支持軸61aの支持状態を判定する。なお、支持軸61aの支持状態には、第1状態と、第2状態とがある。第1状態とは、支持軸61aが支持孔24cに挿入された状態のことである。また、第2状態とは、支持軸61aが支持孔24cに挿入されていない状態のことである。
【0075】
また、判定部35は、第1条件と第2条件とが満たされているか否かを判定する。第1条件とは、ワイヤ71の繰り出し量が所定量以上であるという条件である。また、第2条件とは、支持軸61aの支持状態が第2状態であるという条件である。
【0076】
さらに、判定部35は、フラットパネル24の下降時に受信部92においてユーザからのフラットパネル24の下降停止指示が受信された場合、フラットパネル24と吸い込み口20aとの距離が所定距離(例えば、10mm;図13参照)A以上であるか否かを判定する。例えば、判定部35は、第1条件および第2条件が満たされていると判定した場合、フラットパネル24と吸い込み口20aとの距離が所定距離A以上であると判定する。判定部35においてフラットパネル24と吸い込み口20aとの距離が所定距離A以上であると判定された場合、パネル制御部31は、フラットパネル24の下降が停止するように、昇降機構制御部32を制御する。
【0077】
また、判定部35は、第1条件または第2条件のいずれか一方の条件、または、第1条件および第2条件のいずれの条件も満たされていないと判定した場合、フラットパネル24と吸い込み口20aとの距離が所定距離A未満であると判定する。判定部35においてフラットパネル24と吸い込み口20aとの距離が所定距離A未満であると判定された場合、パネル制御部31は、フラットパネル24と吸い込み口20aとの距離が所定距離Aまで下降するように、昇降機構制御部32を制御する(強制下降制御に相当)。
【0078】
なお、本実施形態では、判定部35において第1条件および第2条件が満たされていると判定された場合に、フラットパネル24と吸い込み口20aとの距離が所定距離A以上であると判定されている。これに代えて、判定部において第1条件および第2条件のうちの少なくともいずれか一方の条件が満たされている場合には、フラットパネル24と吸い込み口20aとの距離が所定距離A以上であると判定されてもよい。
【0079】
さらに、制御部30は、表示制御部37を備えている。表示制御部37は、運転状態表示部93の制御を行う。例えば、表示制御部37は、収納検知リミットスイッチ90a,90bがオフ信号を出力している状態で、空気調和運転が行われている場合には、運転状態表示部93に緑色を点灯させる。表示制御部37は、収納検知リミットスイッチ90a,90bがオン信号を出力している状態で、フィルタ清掃運転が行われている時には、運転状態表示部93に橙色を点灯させる。
【0080】
次に、制御部30によるフラットパネル24の開閉動作、上昇動作、および、下降動作を順に説明する。
【0081】
<フラットパネルの開閉動作>
連結機構制御部34によってヒンジ連結機構6とフラットパネル24とが連結した状態となるようにヒンジ連結機構6が制御され、ロック機構制御部33によってパネルロック機構8のロックが解除されるようにパネルロック機構8が制御された状態で、昇降機構制御部32によってワイヤ71が繰り出されるようにパネル昇降機構7が制御される。これによって、フラットパネル24は、フラットパネル24は自重によって降下するが、フラットパネル24の端部はヒンジ連結機構6に連結されているので、フラットパネル24は端部を軸として吸い込み口20aを開く方向へ回動する。
【0082】
一方、パネル昇降機構7がワイヤ71を巻き取るとき、フラットパネル24は上昇するが、フラットパネル24の端部がヒンジ連結機構6に連結されているので、フラットパネル24は端部を軸として吸い込み口20aを閉じる方向へ回動する。なお、フラットパネル24が吸いこみ口を完全に閉じたとき、パネルロック機構8がフラットパネル24をロックする。
【0083】
<フラットパネルの上昇動作>
パネル制御部31は、フラットパネル24が上昇するように、昇降機構制御部32を制御して昇降モータ76が駆動歯車75をCW方向へ回転させ、巻き取り歯車74をCCW方向へ回転させるワイヤ巻き取り動作を行う。そして、フラットパネル24の端部がヒンジ連結機構6に連結されるように、パネル制御部31によって連結機構制御部34が制御される。さらに、フラットパネル24が吸い込み口20aを完全に閉じたとき、パネルロック機構8がフラットパネル24をロックする。
【0084】
<フラットパネルの下降動作>
次に、図14を用いてフラットパネル24の下降動作について説明する。なお、以下には、フラットパネル24の状態が下降待機様態である場合について説明する。
【0085】
受信部92においてユーザからリモートコントローラ80bを介してフラットパネル24の下降指示を受信した場合、パネル制御部31が昇降機構制御部32を制御することによって、パネル昇降機構7のワイヤ71が繰り出される(ステップS1)。これによって、フラットパネル24は自重によって下降する。その後、受信部92において、ユーザからリモートコントローラ80bを介してフラットパネル24の下降停止指示を受信した場合、判定部35は、フラットパネル24が所定距離A以上降下しているか否かを判定する(ステップS2およびステップS3)。
【0086】
判定部35において、フラットパネル24と吸い込み口20aとの距離が所定距離A以上であると判定された場合、パネル制御部31は、ワイヤ71の繰り出しが停止されるように、昇降機構制御部32を制御する(ステップS4)。これによって、フラットパネル24の下降が停止する。
【0087】
また、判定部35において、フラットパネル24と吸い込み口20aとの距離が所定距離A未満であると判定された場合、パネル制御部31は、ワイヤ71が更に繰り出されるように、昇降機構制御部32を制御する。そして、判定部35においてフラットパネル24と吸い込み口20aとの距離が所定距離Aに到達したと判定された場合、パネル制御部31は、ワイヤ71の繰り出しが停止されるように、昇降機構制御部32を制御する。
【0088】
また、フラットパネル24の状態が運転待機状態であるときにユーザから下降指示が為された場合、パネル制御部31は、ヒンジ連結機構6がフラットパネル24の端部との連結を解除した状態、すなわち、支持軸61aの支持状態が第2状態となるように連結機構制御部34を制御し、パネルロック機構8のロックが解除されるようにロック機構制御部33を制御する。これによって、支持軸61aが支持孔24cから抜け、かつ、パネルロック機構8のロックが解除された状態である下降待機状態となる。その後のフラットパネル24の下降動作については、上述のステップ2からステップS4と同様である。
【0089】
<特徴>
(1)
従来より、空気調和機の室内機には、室内空気を取り込むための吸い込み口を覆うことが可能なパネルを有するものがある。例えば、特開平11−2423号公報に開示されている空気調和機の室内機は、天井設置型の室内機であって、室内機本体の下面に吸い込み口や吹き出し口が設けられている。この室内機では、吸い込み口から室内機本体内部に取り込んだ空気から調和空気を生成し、調和空気を吹き出し口から室内に吹き出すことによって空気調和運転を行う。また、この室内機では、パネルが、室内機本体の下面に設けられており、ワイヤによって室内機本体から吊り下げられることが可能となっている。このため、ユーザは、パネルを室内機本体の下方に降ろすことによって、パネルに設けられているフィルタの清掃等のメンテナンス作業を容易に行うことができる。
【0090】
ところで、上述のような天井設置型の空気調和機の室内機では、パネルが室内機本体に収納されていない場合、空気調和運転が行われないものがある。このため、ユーザが認識できない程度にパネルが下降している場合であっても、パネルが室内機本体に収納されていないために空気調和運転が行われないことで、ユーザに対して不快感を与えるおそれがある。また、パネルが室内機本体に収納されていなくても空気調和運転が行われる空気調和機の室内機であっても、吸い込み口の状態が通常とは異なるために、空気の吸い込み音が大きくなるおそれがある。このため、ユーザに対して不快感を与えるおそれがある。
【0091】
そこで、上記実施形態では、判定部35においてフラットパネル24と吸い込み口20aとの距離が所定距離A未満であると判定された場合、パネル制御部31が、フラットパネル24と吸い込み口20aとの距離が所定距離Aまで下降するように、昇降機構制御部32を制御している。このため、ユーザによってフラットパネル24の下降指示が為された場合には、フラットパネル24は、少なくともフラットパネル24と吸い込み口20aとの距離が所定距離Aに到達するまで下降することになる。したがって、ユーザによってフラットパネル24の下降指示が為された後に下降停止指示が為された場合でも、吸い込み口20aを開放することができる。
【0092】
これによって、空気調和運転が行われても吸い込み音が大きくなるおそれを少なくすることができる。また、暖房運転時における高圧上昇を回避することができる。したがって、ユーザに対して不快感を与えるおそれを減らすことができている。
【0093】
また、上記実施形態では、フラットパネル24は開口が形成されていない板状の部材であるため、開口が形成されているパネルと比較して、暖房運転時における高圧上昇をより回避することができている。
【0094】
さらに、フラットパネル24が吸い込み口20aから少なくとも所定距離A下降して停止するため、ユーザにフラットパネル24が室内機本体20に収納されていないことを認識させやすくすることができる。したがって、例えば、フラットパネル24が下降して停止している状態でユーザから運転開始の指示が為されても、フラットパネル24が回動しないことをユーザに認識させやすくすることができる。
【0095】
これによって、空気調和運転が開始しているにもかかわらず、フラットパネル24が回動しないことによってユーザに不快感を与えるおそれを少なくすることができている。
【0096】
(2)
上記実施形態では、フラットパネル24の下降時に受信部92においてユーザからのフラットパネル24の下降停止指示が受信された場合、判定部35によって、フラットパネル24と吸い込み口20aとの距離が所定距離A以上であるか否かが判定されている。また、判定部35は、昇降モータ76から出力される回転数から算出されるワイヤ71の繰り出し量、および、ヒンジ駆動モータ65から出力される回転数に関する信号から判定される支持軸61aの支持状態に基づいて、フラットパネル24と吸い込み口20aとの距離が所定距離A以上であるか否かを判定する。このため、簡易な構成によって、フラットパネル24が吸い込み口20aから所定距離A以上下降しているか否かを判定することができる。
【0097】
また、判定部35は、フラットパネル24と吸い込み口20aとの距離が所定距離A以上であるか否を判定するために、支持軸61aの支持状態を判定している。このため、判定部35において、何らかの要因でワイヤ71の繰り出し量が誤って算出された場合であっても、支持軸61aの支持状態が第1状態である場合にはフラットパネル24が下降していないことを判定することができる。このため、フラットパネル24が正常に下降しているか否かをより正確に判定することができる。したがって、昇降モータ76から出力される回転数のみに基づいて判定される場合と比較して、フラットパネル24と吸い込み口20aとが所定距離A以上下降しているか否かをより正確に判定することができる。
【0098】
(3)
上記実施形態では、判定部35においてフラットパネル24と吸い込み口20aとの距離が所定距離A未満であると判定された場合、パネル制御部31は、ワイヤ71が更に繰り出されるように、昇降機構制御部32を制御する。そして、判定部35においてフラットパネル24と吸い込み口20aとの距離が所定距離Aに到達したと判定された場合、パネル制御部31は、ワイヤ71の繰り出しが停止されるように、昇降機構制御部32を制御する。このため、フラットパネル24と吸い込み口20aとの間に少なくとも所定距離A以上間隔をあけて、フラットパネル24の下降を停止させることができる。
【0099】
これによって、フラットパネル24と吸い込み口20aとの間に所定距離Aの間隔をあけてフラットパネル24が停止している状態で空気調和運転が行われても、吸い込み口20aが開放されているため、吸い込み音が大きくなるおそれを少なくすることができる。
【0100】
(4)
上記実施形態では、フラットパネル24が室内機本体20に収納されていない場合、すなわち、フラットパネルの状態が運転状態、または、昇降状態の場合に、運転制御部38が各種機器を制御することによって、空気調和運転が行われる。このため、フラットパネル24が下降した状態であっても、空気調和運転を行うことができる。
【0101】
(5)
上記実施形態では、フラットパネル24の状態が運転待機状態であるときにユーザから下降指示が為された場合、パネル制御部31は、ヒンジ連結機構6がフラットパネル24の端部との連結を解除した状態となるように連結機構制御部34を制御する。このため、ユーザから下降指示が為された場合には、支持軸61aが支持孔24cから完全に抜けた状態にすることができることができる。
【0102】
<変形例>
(A)
上記実施形態では、昇降モータ76から出力される回転数に基づいて、判定部35がフラットパネル24と吸い込み口20aとの距離を算出し、算出した値に応じてフラットパネル24と吸い込み口20aとの距離が所定距離A以上であるか否かを判定している。
【0103】
これに加えて、フラットパネルの下降状況に基づいて、フラットパネルと吸い込み口との距離が判定されてもよい。
【0104】
以下に、フラットパネルが正常に下降しているか否かを判定することができる判定部135を備える制御部130について説明する。なお、判定部135の構成以外は、上記実施形態と同様のため、説明を省略する。また、図15において、制御部、判定部、昇降モータ、スイッチ以外は、上記実施形態と同様の符号を付している。
【0105】
制御部130は、図15に示すように、判定部135を備えている。判定部135は、昇降モータ176から出力される回転数に基づいて、フラットパネルと吸い込み口との距離を算出する。
【0106】
また、判定部135は、スイッチ177からのオン/オフ信号の出力回数をカウントするカウンタ135aを有している。カウンタ135aは、スイッチ177から出力されるオン信号またはオフ信号のうち、オン信号とオフ信号とが交互に出力された場合、オン/オフ信号の出力回数を1回とカウントする。判定部135は、カウンタ135aによってカウントされるオン/オフ信号の出力回数が所定時間内に所定回数以上カウントされている場合には、フラットパネル24が正常に下降していると判定する。また、カウンタ135aによってカウントされるオン/オフ信号の出力回数が所定時間内に所定回数以上カウントされない場合には、フラットパネルが何らかの障害物によって下降が停止していると判定する。
【0107】
また、判定部135は、フラットパネルが下降しているときに、ユーザによって下降停止指示が為された場合、算出されたフラットパネルと吸い込み口との距離、および、判定されたフラットパネルの下降状況に基づいて、フラットパネルと吸い込み口との距離が所定距離A以上であるか否かを判定する。
【0108】
このような構成にすることによって、昇降モータ176から出力される回転数のみに基づいて、フラットパネルと吸い込み口との距離が判定される場合と比較して、フラットパネルが吸い込み口から所定距離A以上下降していないにもかかわらず、フラットパネルの下降が停止されるおそれを減らすことができる。
【0109】
(B)
上記実施形態では、フラットパネル24が室内機本体20に収納されていない場合、すなわち、フラットパネルの状態が運転状態、または、昇降状態の場合に、空気調和運転が行われている。
【0110】
これに代えて、フラットパネルが室内機本体に収納されている状態から空気調和運転が開始される空気調和機の室内機では、フラットパネルが下降した状態で停止している時にユーザから空気調和運転の運転開始の指示が為された場合、最初に、フラットパネルが室内機本体に収納される動作が行われるようにすればよい。すなわち、パネル制御部は、フラットパネルの状態を一旦運転待機状態にし、その後、運転状態となるように、各機構を制御すればよい。または、フラットパネルが室内機本体に収納されていないことが報知されるように、報知部を設けてもよい。
【0111】
また、フラットパネルの状態が運転待機状態であるときにユーザから下降指示が為された場合であってヒンジ連結機構がフラットパネルの端部との連結を解除する途中であるときにユーザから空気調和運転の運転開始指示があった場合、パネル制御部は、ヒンジ連結機構がフラットパネルの端部との連結した状態となるように連結機構制御部を制御すればよい。これによって、ヒンジ連結機構とフラットパネルとが連結した状態で空気調和運転を行うことができる。
【0112】
(C)
上記実施形態では、判定部35によって、フラットパネル24の下降時に受信部92においてユーザからのフラットパネル24の下降停止指示が受信された場合、フラットパネル24と吸い込み口20aとの距離が所定距離A以上であるか否かが判定されている。また、判定部35においてフラットパネル24と吸い込み口20aとの距離が所定距離A未満であると判定された場合に、パネル制御部31によって、フラットパネル24と吸い込み口20aとの距離が所定距離Aまで下降するように昇降機構制御部32が制御されている。すなわち、フラットパネル24と吸い込み口20aとの距離が所定距離A未満の場合には、フラットパネル24と吸い込み口20aとの距離が所定距離Aとなるまでフラットパネル24の下降が継続されている。
【0113】
これに代えて、フラットパネルの下降時にフラットパネルの下降停止指示が受信された場合、ユーザによって下降指示が為された時点からの経過時間が所定時間未満である場合には、フラットパネルの下降が継続されてもよい。
【0114】
例えば、判定部235が、図16に示すように、ユーザからのフラットパネル24の下降指示を受信した時点からの経過時間を計測するためのタイマ235aを有している場合について説明する。なお、図16では、判定部235以外の構成は上記実施形態と同様の構成であるため、判定部235以外の各構成部材には上記実施形態と同様の符号を付している。
【0115】
判定部235は、フラットパネル24の下降時に受信部においてユーザからフラットパネル24の下降停止指示が受信された場合、タイマ235aによって計測された経過時間が所定時間(例えば、吸い込み口からフラットパネル24が所定距離だけ離れるために必要とされる時間)未満であるか否かを判定する。
【0116】
また、パネル制御部31は、判定部235において所定時間未満でないと判定された場合、すなわち、下降指示が為された時点から所定時間が経過している場合には、フラットパネル24の下降が停止するように昇降機構制御部32を制御する。また、パネル制御部31は、判定部235において所定時間未満であると判定された場合、すなわち、下降指示が為された時点から所定時間が経過していない場合には、フラットパネル24の下降が継続するように昇降機構制御部32を制御する(強制下降制御に相当)。そして、パネル制御部31は、フラットパネル24の下降が継続された場合には、判定部235によって経過時間が所定時間未満でないと判定されたとき、すなわち、下降指示が為されてから所定時間が経過したときに、フラットパネル24の下降が停止するように昇降機構制御部32を制御する。
【0117】
このように、ユーザからのフラットパネル24の下降指示を受信した場合、少なくとも所定時間が経過するまでフラットパネル24の下降が継続されるため、フラットパネル24は、少なくともフラットパネル24の下降が所定時間継続された場合に下降する距離だけ吸い込み口20aの下方に移動される。したがって、ユーザによってフラットパネル24の下降指示が為された直後に下降停止指示が為された場合でも、吸い込み口20aを開放することができる。
【0118】
これによって、空気調和運転が行われても吸い込み音が大きくなるおそれを少なくすることができる。また、暖房運転時における高圧上昇を回避することができる。したがって、ユーザに対して不快感を与えるおそれを減らすことができる。
【0119】
さらに、フラットパネル24は少なくともフラットパネル24の下降が所定時間継続された場合に下降する距離だけ吸い込み口20aの下方に移動されるため、フラットパネル24が室内機本体20に収納されていないことをユーザに認識させやすくすることができる。したがって、例えば、フラットパネル24が下降して停止している状態でユーザから運転開始の指示が為されても、フラットパネル24が回動しないことをユーザに認識させやすくすることができる。
【0120】
これによって、空気調和運転が開始しているにもかかわらず、フラットパネル24が回動しないことによってユーザに不快感を与えるおそれを少なくすることができている。
【産業上の利用可能性】
【0121】
本発明は、ユーザに対して不快感を与えるおそれを少なくすることができるため、空気調和機の室内機への適用が有効である。
【符号の説明】
【0122】
2 室内機
7 パネル昇降機構(昇降部)
20 室内機本体
20a 吸い込み口
24 フラットパネル(パネル)
31 パネル制御部
35 判定部
38 運転制御部
71 ワイヤ
76 昇降モータ(駆動部)
80d 「下がる」スイッチ
80e 「停止」スイッチ
135a カウンタ
【先行技術文献】
【特許文献】
【0123】
【特許文献1】特開平11−2423号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天井設置型の空気調和機の室内機であって、
下面に室内空気の吸い込み口(20a)が設けられている室内機本体(20)と、
前記室内機本体に収納されている状態である収納状態と前記室内機本体に収納されていない状態である非収納状態とを採ることが可能であり、前記非収納状態の場合には前記吸い込み口から下方に下降可能なパネル(24)と、
前記パネルの下降指示および下降停止指示を受付可能な指示受付部(80d,80e)と、
前記指示受付部が受け付けた前記下降指示または前記下降停止指示に基づいて前記パネルが動作するように、前記パネルの動作を制御するパネル制御部(31)と、
を備え、
前記パネル制御部は、前記指示受付部によって前記下降指示が受け付けられた後に前記下降停止指示が受け付けられた場合であって前記パネルが前記吸い込み口から所定距離以上下降していない場合には、前記パネルの下降が止まらないように前記パネルの動作を制御する強制下降制御を行う、
空気調和機の室内機(2)。
【請求項2】
前記パネル制御部は、前記パネルが前記吸い込み口から所定距離以上下降しているか否かを判定する判定部(35)を有する、
請求項1に記載の空気調和機の室内機。
【請求項3】
前記パネルを吊り上げるためのワイヤ(71)と前記ワイヤの繰り出しおよび巻き取りを行う駆動部(76)とを有し、前記パネルを上昇または下降させることが可能な昇降部(7)を更に備え、
前記判定部は、前記ワイヤの繰り出しに応じてカウンタ値を増減させるカウンタ(135a)を有し、前記カウンタ値に基づいて前記判定を行う、
請求項2に記載の空気調和機の室内機。
【請求項4】
前記パネル制御部は、前記強制下降制御を行った場合には、前記パネルが前記吸い込み口から前記所定距離まで下降した後に、前記パネルの下降を停止させる制御を行う、
請求項1から3のいずれかに記載の空気調和機の室内機。
【請求項5】
空気調和運転の運転制御を行う運転制御部(38)を更に備え、
前記運転制御部は、前記パネルが前記非収納状態である場合に、前記運転制御を行う、
請求項1から4のいずれかに記載の空気調和機の室内機。
【請求項6】
天井設置型の空気調和機の室内機であって、
下面に室内空気の吸い込み口(20a)が設けられている室内機本体(20)と、
前記室内機本体に収納されている状態である収納状態と前記室内機本体に収納されていない状態である非収納状態とを採ることが可能であり、前記非収納状態の場合には前記吸い込み口から下方に下降可能なパネル(24)と、
前記パネルの下降指示および下降停止指示を受付可能な指示受付部(80d,80e)と、
前記指示受付部が受け付けた前記下降指示または前記下降停止指示に基づいて前記パネルが動作するように、前記パネルの動作を制御するパネル制御部(31)と、
を備え、
前記パネル制御部は、前記指示受付部によって前記下降指示が受け付けられた後に前記下降停止指示が受け付けられた場合であって前記下降指示が受け付けられた時点からの経過時間が所定時間未満である場合には、前記パネルの下降が止まらないように前記パネルの動作を制御する強制下降制御を行う、
空気調和機の室内機(2)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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