説明

空気調和機の清掃装置及び空気調和機

【課題】空気調和機のフィルターに付着した塵埃を、効率よく、確実に除去できるための清掃装置を提供すること。
【解決手段】本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記エアフィルターに付着した塵埃を除去する手段として、基台とブラシ片を有する除塵体が形成されてあり、前記ブラシ片は、先細り形状としたことにより、前記ブラシ片の先端部が前記エアフィルターの網目にくい込むように接し、かつ根元部が先端部に比べて太いので、腰のある前記除塵体が形成され、前記エアフィルターに付着した塵埃を、効率よく、確実に除去できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エアコンディショナーや送風機、加湿器、除湿機、換気扇、あるいは空気清浄機等の空気調和機に配置されたエアフィルターの清掃装置及び、それを用いた空気調和機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の空気調和機には、吸込口と熱交換器との間に、空気調和機本体内部への塵埃侵入を防ぐためにフィルターが配置されており、空気調和機の運転に伴い吸込口から空気と共に侵入する塵埃を捉える機能を有している。このため、フィルターには捉えた塵埃が徐々に付着するとともに、目が徐々に詰まってしまい風量を低下させてしまうので、空気調和機本体から着脱可能に構成され、定期的にフィルター表面を電気掃除機等で吸引したり、洗浄したりしなければならなかった。
【0003】
これに対しエアフィルターの上流側表面に沿って移動することができる吸引口を有する吸引ノズルと、この吸引ノズルに連結された吸引装置を空気調和機本体に設けて、吸引口からエアフィルター表面に付着した塵埃を吸引することで、エアフィルターを取り外すことなくエアフィルターの自動清掃が行える構造が考案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、空気調和機本体内に、フィルターを本体キャビネットの内外に向けて、往復的に移動させるスライド手段と、フィルターの移動経路に沿ってフィルターと接触するように配置されたフィルター清掃部を設けて、フィルター清掃内部に設けられた清掃ブラシでフィルターを両側から挟みこむような構造とし、フィルターをスライドさせることによって清掃ブラシでフィルター両面を清掃することができ、且つ、フィルター清掃部内に溜まった塵埃を、フィルター清掃部を開閉させることで簡単に回収できる、という構造も考案されている(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2005−140405号公報
【特許文献2】特開2004−347245号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたような従来の空気調和機においては、吸引口の開閉面積を絞ることで風量を落として、吸引圧力を高めている。このような吸引ノズルで塵埃を除去しようとすると、エアフィルター表面に浮いたような状態で乗っている綿埃等は容易に吸引できるが、吸引力のみでは、エアフィルターの網目に絡んだ塵埃や、油分を含む塵埃等を、清掃ブラシのような掻き出して剥離させることはできず、エアフィルターにこびりついた塵埃を確実に除去することは非常に困難であった。
【0006】
また、上記特許文献2に開示されたような従来の空気調和機においては、清掃ブラシでエアフィルターを挟み込んでいるため、エアフィルター両面の塵埃を同時に清掃できるが、エアフィルターの表面を一定の緩やかな速度で移動する清掃ブラシでは、エアフィルターの表面をなでるだけで、擦る効果は少なく、エアフィルター表面に浮いたような状態で乗っている綿埃等は除去できるが、エアフィルターの網目に絡んだ塵埃や、油分を含む塵埃等を擦り取るように、完全に剥離させるまで掻き出すことはできず、エアフィルターにこびりついた塵埃を確実に除去することは非常に困難であった。また、従来の清掃ブラシのブラシ毛先端は、髭剃り跡の毛の先端のような断面をしており、エアフィルターの網目に入り込みにくいという欠点を有していた。
【0007】
本発明は、上記従来の課題を解決するためのものであり、空気調和機のエアフィルターに付着した塵埃を、効率よく、確実に除去でき、長期間に亘ってエアフィルターの目詰まりのない状態で使用することができる空気調和機の清掃装置及び、空気調和機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明では、本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなるエアコンディショナーや送風機、加湿器、除湿機、換気扇、あるいは空気清浄機等の空気調和機において、前記エアフィルターに付着した塵埃を除去する手段として、基台とブラシ片を有する除塵体が形成されてあり、前記ブラシ片は、先細り形状としたことにより、前記ブラシ片の先端部が前記エアフィルターの網目にくい込むように接し、かつ根元部が先端部に比べて太いので、腰のある前記除塵体が形成され、前記エアフィルターに付着した塵埃を、効率よく、確実に除去できる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の清掃装置は、空気調和機のエアフィルターに付着した塵埃を、効率よく、確実に除去できる。従って、清潔で、長期間に亘って前記エアフィルターの目詰まりのない状態で使用することができるため、空気調和機の性能も維持され、且つ、前記エアフィルターを取り外して塵埃の清掃を行う必要もなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
第1の発明は、本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記エアフィルターに付着した塵埃の除去手段として、基台とブラシ片を有する除塵体が形成されてあり、前記ブラシ片は、先細り形状としたので、前記エアフィルターの表面に柔らかく接触して前記エアフィルターの表面を効率よく拭き取る。また前記エアフィルターの網目にくい込むように接し、かつ根元部が先端部に比べて太いので、腰のある前記除塵体が形成され、前記エアフィルターに付着した塵埃を、効率よく掻きとることができる。また、前記エアフィルターの網目の破損を少なくするとともに、前記空気調和機の表面に傷をつけずに清掃ができる。
【0011】
第2の発明は、本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記エアフィルターに付着した塵埃の除去手段として、基台とブラシ片を有する除塵体が形成されてあり、前記ブラシ片は、前記エアフィルターに接触する先端部が略球形状としたので、前記エアフィルターに付着した塵埃の清掃の際に、前記エアフィルターの網目の破損を少なくすることができる。また前記ブラシ片の先端部を、前記エアフィルターの網目よりも、小さな略球状にすれば、前記エアフィルターの網目にくい込み、前記エアフィルターの網目から外れる際に、前記エアフィルターに振動を与え、前記エアフィルターに付着した塵埃を、より効率よく掻き落とすことができる。
【0012】
第3の発明は、本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記エアフィルターに付着した塵埃の除去手段として、基台とブラシ片を有する除塵体が形成されてあり、前記ブラシ片は、前記エアフィルターに接触する先端部が少なくとも2つ以上に細分割したので、前記エアフィルターの表面を効率よく拭き取る。また前記ブラシ片の先端部が、前記エアフィルターの網目にくい込み、かつ根元部が先端部に比べて太いので、腰のある除塵体が形成され、エアフィルターに付着した塵埃を効率よく掻きとることができる。また、前記エアフィルターの網目の破損を少なくするとともに、前記空気調和機の表面に傷をつけずに清掃ができる。
【0013】
第4の発明は、本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記エアフィルターに付着した塵埃の除去手段として、基台とブラシ片を有する除塵体が形成されてあり、前記ブラシ片は、先端部が前記基台に対して傾斜角度を有しているので、前記エアフィルターの表面に強い力で接触し、または前記エアフィルターの網目にくい込み、前記フィルターに付着した塵埃を効率よく掻きとることができる。また、反対に戻る際には柔らかく接触するので、前記エアフィルターの表面を効率よく拭き取ることができる。
【0014】
第5の発明は、本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記エアフィルターに付着した塵埃の除去手段として、基台とブラシ片を有する除塵体が形成されてあり、前記ブラシ片は、根元部から先端部にかけて波形状を有しているので、前記ブラシ片に弾力が増加し、前記エアフィルターの表面、及び網目に効率よく接触し、前記エアフィルターに付着した塵埃を効率よく掻きとることができる。また、前記ブラシ片は前記エアフィルターに接触した時の衝撃を吸収するため、前記エアフィルターの表面に傷をつけることなく、効率よく前記エアフィルターに付着した塵埃を除去できる。
【0015】
第6の発明は、本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記エアフィルターに付着した塵埃の除去手段として、基台とブラシ片を有する除塵体が形成されてあり、前記ブラシ片は、先端部がループ状に形成されているので、前記エアフィルターの表面を強く擦るように接触し、前記エアフィルターに付着した塵埃を効率よく拭き取ることができる。かつ、前記エアフィルターの網目の破損を少なくするとともに、前記空気調和機の表面に傷をつけずに清掃ができる。
【0016】
第7の発明は、本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記エアフィルターに付着した塵埃の除去手段として、基台とブラシ片を有する除塵体が形成されてあり、前記ブラシ片は、長手方向の根元部から先端部にかけて3本以上の稜線が形成されているので、ブラシ片の角部が前記エアフィルターの網目を引っ掻くことにより、前記エアフィルターに付着した塵埃を効率よく掻きとることができる。
【0017】
第8の発明は、第1〜第7の発明における除塵体のブラシ片は、導電子を有しているので、エアフィルターの表面に接触する際に、前記エアフィルターの表面に帯電した静電気を除去するとともに、塵埃の除去もできる。
【0018】
第9の発明は、本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記エアフィルターに付着した塵埃の除去手段として、基台とブラシ片を有する除塵体が形成されてあり、前記ブラシ片は、撚り線、あるいは導電糸入り撚り線にて形成されているので、腰の強いブラシ片が形成され、また前記ブラシ片の凹凸部が前記エアフィルターの表面、及び網目を擦る際に振動を起こして、前記エアフィルターに付着した塵埃を効率よく掻きとることができる。また、前記ブラシ片に弾力が増加し、前記エアフィルターの表面、及び網目に効率よく接触し、前記エアフィルターに付着した塵埃を効率よく掻きとることができる。また、前記ブラシ片は前記エアフィルターに接触した時の衝撃を吸収するため、前記エアフィルターの表面に傷をつけることなく、効率よく前記エアフィルターに付着した塵埃を除去できる。また前記ブラシ片が導電糸入りの撚り線の場合は、前記エアフィルターの表面に帯電した静電気を除去するとともに、塵埃の除去もできる。
【0019】
第10の発明は、第1〜9の発明のうち、何れかに記載の清掃装置を有しているので、エアフィルターの目詰まりが起こらず、常に安定した風量を確保でき、運転効率も良い、空気調和機を提供することができる。
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
【実施例1】
【0021】
本発明の実施例1における空気調和機の清掃装置について、図1〜6を用いて説明する。
図1は本発明の空気調和機本体1の要部断面図である。1は空気調和機本体、2は空気調和機本体1の前面から上面にかけて形成された吸込口、3は空気調和機本体1の下部に形成された吹出口である。吸込口2と吹出口3を結ぶ空気通路には空気中の塵埃を取り除くフィルター5と送風ファン6、熱交換器4が配置されている。フィルター5の塵埃を除去する手段として、除塵体7が形成されてある。
【0022】
図2の(A)は、基台9とブラシ片10を有する除塵体8の斜視図である。除塵体8は、ブラシ片19を基台9に植毛方法によって固定されて形成されてある。(B)は、除塵体11の斜視図である。除塵体11は、ブラシ片13を2本の芯線による基台12に挟んで捩られて形成されてある。また、除塵体7は、上記以外の方法で形成されてもかまわない。
【0023】
図3の(A)〜(G)は除塵体21〜27の正面図である。(A)は、円柱形状の先端部をテーパー状に細くしたブラシ片51を有する除塵体21の正面図であり、(B)は、円柱形状の先端部を斜めに切断したブラシ片52を有する除塵体22の正面図である。(C)は、根元部から先端部にかけてテーパー状に細くした円錐形状のブラシ片53を有する除塵体23の正面図である。(D)は、根元部から先端部にかけてテーパー状に細くした円錐形状の先端部を切断したブラシ片54を有する除塵体24の正面図である。(E)は、円錐形状の先端部をさらにテーパー状に細くしたブラシ片55を有する除塵体25の正面図である。(F)は、円柱形状の中央部から段差を設けて先端部に細い円柱形状を形成されたブラシ片56を有する除塵体26の正面図である。(G)は、円柱形状の先端部に切り欠きを設けたブラシ片57を有する除塵体27の正面図である。除塵体21〜27は、エアフィルター5の表面に柔らかく接触してエアフィルター5の表面を効率よく拭き取る。またエアフィルター5の網目にくい込むように接し、かつ根元部が先端部に比べ太いので、腰のある除塵体21〜27が形成され、エアフィルター5の表面に接触する際は、突き刺さるようにして、塵埃を掻きだすこともできるし、なでるように拭くこともできる。また、エアフィルター5の網目の破損を少なくするとともに、空気調和機本体1の表面に傷をつけずに清掃ができる。
【0024】
図4の(A)〜(G)は、除塵体28〜34の正面図である。(A)は、円柱形状の先端部を丸くしたブラシ片58を有する除塵体28の正面図である。(B)は円柱形状の先端部を球形状に形成されたブラシ片59を有する除塵体29の正面図である。除塵体28、及び29は、エアフィルター5に接触する先端部を球形状としたので、エアフィルター5に付着した塵埃の清掃の際に、エアフィルター5の網目の破損を少なくすることができる。またブラシ片59の先端部を、エアフィルター5の網目よりも、小さな略球状にすれば、エアフィルター5の網目にくい込み、エアフィルター5の網目から外れる際に、エアフィルター5に振動を与え、エアフィルター5に付着した塵埃を、より効率よく掻き落とすことができる。
【0025】
図4において、(C)は、円柱形状の先端部が2つに割れたブラシ片60を有する除塵体30の正面図である。(D)は、円柱形状の先端部が細かく分割されたブラシ片61を有する除塵体31の断面図である。除塵体30、及び31は、エアフィルター5に接触するブラシ片60、及び61の先端部を少なくとも2つ以上に細分割したので、エアフィルター5の表面を効率よく拭き取る。またブラシ片60、及び61の先端部が、エアフィルター5の網目にくい込み、かつ根元部が先端部に比べて太いので、腰のある除塵体30、及び31が形成され、エアフィルター5に付着した塵埃を効率よく掻きとることができる。また、エアフィルター5の網目の破損を少なくするとともに、空気調和機本体1の表面に傷をつけずに清掃ができる。
【0026】
図4において、(E)は、円柱形状の根元部から傾斜したブラシ片62を有する除塵体32の正面図である。(F)は、円柱形状の中央部から傾斜したブラシ片63を有する除塵体33の正面図である。(G)は、円柱形状の曲線を形成するブラシ片64を有する除塵体34の正面図である。除塵体32〜34がエアフィルター5の表面を移動する際に、ブラシ片62〜64の先端部が先行する場合は、エアフィルター5の網目にくい込むように接するので、エアフィルター5に付着した塵埃を、効率よく、確実に除去できる。また、反対に移動する場合は、エアフィルター5の表面をなでるように接するため、拭き、掃き効果がある。
【0027】
図5(A)〜(F)は、除塵体35〜38の正面図、及び除塵体39〜40の斜視図である。(A)は、円柱形状の波形状のブラシ片65を有する除塵体35の正面図である。(B)は、円柱形状のループ状の両端が基台に固定されたブラシ片66を有する除塵体36の正面図である。(C)は、円柱形状のループ状の1端が基台に固定されたブラシ片67を有する除塵体37の正面図である。(D)は、円柱形状の導電糸のブラシ片68を有する除塵体38の正面図である。(E)は、円柱形状の撚り線で形成されたブラシ片69を有する除塵体39の斜視図である。(F)は、円柱形状の撚り線で形成されたブラシ片70に導電糸71を撚って巻きつけたブラシ片72を有する除塵体40の斜視図である。
【0028】
除塵体35は、ブラシ片65の根元部から先端部にかけて波形状を有しているので、ブラシ片65に弾力が増加し、エアフィルター5の表面、及び網目に効率よく接触し、エアフィルター5に付着した塵埃を効率よく掻きとることができる。またブラシ片65はエアフィルター5に接触した時の衝撃を吸収するため、エアフィルター5の表面に傷をつけることなく、効率よくエアフィルター5に付着した塵埃を除去できる。
【0029】
除塵体36、及び37は、ブラシ片36、及び37の先端部がループ状に形成されているので、エアフィルター5の表面に強く擦るように接触し、エアフィルター5に付着した塵埃を効率よく拭き取ることができる。またエアフィルター5の網目の破損を少なくするとともに、空気調和機本体1の表面に傷をつけずに清掃ができる。
【0030】
除塵体38は、ブラシ片68が導電糸で形成されているので、エアフィルター5の表面に接触する際に、ブラシ片68に通電するので、エアフィルター5に帯電した静電気を除去するとともに、除塵体38自体の除電を行うので、エアフィルター5及び除塵体38の塵埃の除去もできる。
【0031】
除塵体39は、円柱形状の撚り線にて形成されているので、腰の強いブラシ片69が形成される。またブラシ片69の凹凸部がエアフィルター5の表面、及び網目を擦る際に振動を起こすので、エアフィルター5に付着した塵埃を効率よく掻きとることができる。また、撚り線によるブラシ片69は弾力が増加し、エアフィルター5の表面、及び網目に効率よく接触し、エアフィルター5に付着した塵埃を効率よく掻きとることができる。また、ブラシ片69はエアフィルター5に接触した時の衝撃を吸収するため、エアフィルター5の表面に傷をつけることなく、効率よくエアフィルター5に付着した塵埃を除去できる。除塵体40は、円柱形状の撚り線で形成されたブラシ片70に導電糸71を撚って巻きつけたブラシ片72を有しているので、エアフィルター5の表面に接触する際に、ブラシ片72に通電するので、エアフィルター5に帯電した静電気を除去するとともに、除塵体38自体の除電を行うので、エアフィルター5及び除塵体38の塵埃の除去もできる。
【0032】
図6の(A)は除塵体41の正面図である。(B)〜(D)は、ブラシ片74〜76の正面図である。除塵体41は、長手方向の根元部から先端部にかけて3本以上の稜線が形成されているブラシ片73を有している。(B)はブラシ片74の断面形状が3角形であり、(C)はブラシ片75の断面形状が4角形であり、(D)はブラシ片76の断面形状が星型である。ブラシ片74〜76の稜線の角部が、エアフィルター5の網目を引っ掻くことにより、エアフィルター5に付着した塵埃を効率よく掻きとることができる。特に、ブラシ片76の場合においては、ブラシ片の間に塵埃を捕集でき、エアフィルター5に付着した塵埃を効率よく掻きとることができる。
【実施例2】
【0033】
上記の実施例1に説明した清掃装置を有するため、性能も維持され、かつ、エアフィルター5を取り外して塵埃の清掃を行う必要もなくなる空気調和機本体1を提供することができる。
【産業上の利用可能性】
【0034】
以上のように、本発明にかかる空気調和機の清掃装置、及び空気調和機は、エアフィルターの清掃装置として優れた性能を有し、エアコンディショナーや空気清浄機は勿論、エアフィルターを有する機器であれば、そのエアフィルターの清掃装置にも適用できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】空気調和機の清掃装置
【図2】除塵体の斜視図
【図3】除塵体の正面図
【図4】除塵体の正面図
【図5】除塵体の正面図と斜視図
【図6】除塵体の正面図とブラシ片の断面図
【符号の説明】
【0036】
1 空気調和機本体
2 吸込口
3 吹出口
4 熱交換器
5 エアフィルター
6 送風ファン
7 除塵体
8 除塵体
9 基台
10 ブラシ片
11 除塵体
12 芯線による基台
13 ブラシ片
20 基台
21〜41 除塵体
51〜70 ブラシ片
71 導電糸
72〜76 ブラシ片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記エアフィルターに付着した塵埃の除去手段として、基台とブラシ片を有する除塵体が形成されてあり、前記ブラシ片は、先細り形状としたことを特徴とする、空気調和機の清掃装置。
【請求項2】
本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記エアフィルターに付着した塵埃の除去手段として、基台とブラシ片を有する除塵体が形成されてあり、前記ブラシ片は、前記エアフィルターに接触する先端部が略球形状としたことを特徴とする、空気調和機の清掃装置。
【請求項3】
本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記エアフィルターに付着した塵埃の除去手段として、基台とブラシ片を有する除塵体が形成されてあり、前記ブラシ片は、前記エアフィルターに接触する先端部が少なくとも2つ以上に細分割したことを特徴とする、空気調和機の清掃装置。
【請求項4】
本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記エアフィルターに付着した塵埃の除去手段として、基台とブラシ片を有する除塵体が形成されてあり、前記ブラシ片は、先端部が前記基台に対して傾斜角度を有していることを特徴とする、空気調和機の清掃装置。
【請求項5】
本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記エアフィルターに付着した塵埃の除去手段として、基台とブラシ片を有する除塵体が形成されてあり、前記ブラシ片は、根元部から先端部にかけて波形状を有していることを特徴とする、空気調和機の清掃装置。
【請求項6】
本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記エアフィルターに付着した塵埃の除去手段として、基台とブラシ片を有する除塵体が形成されてあり、前記ブラシ片は、先端部がループ状に形成されていることを特徴とする、空気調和機の清掃装置。
【請求項7】
本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記エアフィルターに付着した塵埃の除去手段として、基台とブラシ片を有する除塵体が形成されてあり、前記ブラシ片は、長手方向の根元部から先端部にかけて3本以上の稜線が形成されていることを特徴とする、空気調和機の清掃装置。
【請求項8】
本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記エアフィルターに付着した塵埃の除去手段として、基台とブラシ片を有する除塵体が形成されてあり、前記ブラシ片は、導電糸を有していることを特徴とする、請求項1〜7に記載の空気調和機の清掃装置。
【請求項9】
本体に設けられた吸込口と吹出口を結ぶ空気通路に、除塵用のエアフィルターを配置してなる空気調和機において、前記エアフィルターに付着した塵埃の除去手段として、基台とブラシ片を有する除塵体が形成されてあり、前記ブラシ片は、撚り線、あるいは導電糸入りの撚り線にて形成されていることを特徴とする、空気調和機の清掃装置。
【請求項10】
請求項1〜9記載のうち、何れかに記載の清掃装置を有する、空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−271172(P2007−271172A)
【公開日】平成19年10月18日(2007.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−97908(P2006−97908)
【出願日】平成18年3月31日(2006.3.31)
【出願人】(391044797)株式会社コーワ (283)
【Fターム(参考)】