説明

空気調和機

【課題】 空気調和機において、制御部と被制御部品との間のリード線の接続を簡素化するとともに、制御要素をシンプルにした構造を提供すること。
【解決手段】 本体の一側に設けられ、マイコン2bを実装した制御部2aと、他側に設けられ、前記制御部2aにより制御される換気ファン駆動用モータ4aと、中央に設けられ、前記制御部2aにより制御されるLED3cを実装した表示基板3aとを備え、前記制御部2aと前記表示基板3aがリード線5によって接続され、前記表示基板3aに前記換気ファン駆動用モータ4aをリード線5によって接続し、前記表示基板3aに前記換気ファン駆動用モータ4aの回生電流を吸収するコンデンサ3bを設けるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気調和機に関するものであり、より詳細には、制御部と被制御部品との間のリード線の接続を簡素化するとともに、制御要素をシンプルにした構造に関する。
【0002】
近年、前記空気調和機は、室内換気、フィルタ清掃、音声案内などの多機能化が進み、前記被制御部品であるモータ、スピーカなどの部品取付けによってリード線が増えていることから、前記リード線のコストを低減することに加え、前記リード線による抵抗の増加に伴い、回生電流や電波雑音などの新たな障害を低減することが要望されている。
【背景技術】
【0003】
この種の従来の空気調和機は、本体の一側に制御部と室内空気を循環させるための室内ファンとを設け、他側に室内空気を室外に排出するための換気ファンを設けた構成となっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
前記空気調和機は、前記特許文献1の図2及び図3に示すように、室内ユニット本体内において、左側部にモータ基板と直流モータ(前記被制御部品に相当。)を備え、同直流モータに前記換気ファンを組み付けた換気ユニットが設けられ、右側下部に制御基板(前記制御部に相当。)を備えた電装品箱が設けられ、正面部と左側下底部にそれぞれ室温センサ、信号受信部が設けられており、前記制御基板と前記モータ基板がリード線で接続された構成となっている。また、説明が省略されているが、前記制御基板と前記室温センサ、前記制御基板と前記信号受信部にもそれぞれ、リード線で接続していると解される。
【0005】
そして、前記空気調和機では、前記制御基板と前記モータ基板との間の前記リード線を介して前記制御基板から電源電圧供給と制御信号の送信を行い、同制御信号を前記モータ基板で受信し、前記直流モータが制御され、前記モータ基板から回転数信号を送信するようになっている。
【0006】
また、前記制御基板と前記室温センサとの間のそれぞれの前記リード線を介して前記制御基板から電源電圧供給と前記室温センサの検出信号の送受信を行い、前記制御基板と前記信号受信部との間の前記リード線を介して前記制御基板から電源電圧供給と前記信号受信部のリモコン受信信号の送受信を行っている。
【0007】
また、その他の従来の空気調和機では、室内ユニット本体内において、メインマイコンを実装した制御部(前記制御部に相当。)と風向偏向板を駆動するステッピングモータ(前記被制御部品に相当。)が設けられており、前記ステッピングモータを、液晶と液晶を駆動するドライバICとを実装した基板を介して制御部にリード線で接続された構成となっている(例えば、特許文献2参照。)。
【0008】
この空気調和機では、前記制御部と前記基板との間で電源電圧供給と制御信号の送信を行い、同制御信号を受けて前記ステッピングモータが制御されるようになっている。
【0009】
【特許文献1】特開2004−116951号公報(第3頁、第2図〜第3図)
【特許文献2】特開平11−211201号公報(第3頁、第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
前記引用文献1による前記空気調和機によれば、前記室内ユニット本体内の前記モータ基板と前記制御基板が、左右側部にそれぞれあるため、前記リード線が長くなってしまい、同リード線のコストが掛かるとともに、前記リード線による抵抗(インピーダンス)の増加に伴い、前記直流モータの回転方向の切換や回転停止などを起因とする電圧変動による回生電流や、前記リード線の電流による電波雑音などの新たな障害を招くという問題点があった。
【0011】
更に、前記引用文献1による前記空気調和機によれば、前記室内ユニット本体内の前記モータ基板、前記室温センサ及び前記信号受信部は前記制御基板からそれぞれの前記リード線により接続されているため、前記リード線のコストが掛かるとともに、前記リード線の取扱い及び組立性に影響を招くという問題点があった。
【0012】
これらの問題点を解決するには、前記制御基板に新たな障害の対策部品を搭載することも考えられるが、前記リード線が長いほどあまり効果を得ることができない。
【0013】
また、前記制御基板側に前記モータ基板を配置し、前記リード線の長さを短くすることも考えられるが、前記室内ファンと前記換気ファンユニットが右側部に集中するため、その配置スペースに限界が発生し、前記室内ユニットの外形を変更しないと収容することができない。
【0014】
更に、前記制御基板側に前記室温センサ及び前記信号受信部を配置し、前記リード線のコストを抑えることも考えられるが、前述と同様に右側部に集中するため、その配置スペースに限界が発生し、前記室内ユニットの外形を変更しないと収容することができない。
【0015】
また、前記リード線による抵抗を抑えるために同リード線を太くすることも考えられるが、前記リード線のコストが掛かってしまう。
【0016】
従って、配置場所を変えない方法で前記リード線を太くすることなく同リード線の長さを短くし、前記直流モータの電圧変動による回生電流や前記リード線の電流による電波雑音などの障害を小さくすることが望まれていた。
【0017】
同様にして、配置場所を変えない方法で前記リード線を太くすることなく同リード線の長さを短くし、前記制御基板からの前記リード線の本数を減らすことが望まれていた。
【0018】
更に、前記引用文献2による前記空気調和機によれば、前記リード線の長さを短くすることができるが、前記メインマイコンと前記ドライバICとをそれぞれ前記制御部と前記基板に実装しているため、前記メインマイコンと前記ドライバICでの2箇所の演算による制御信号で前記液晶を駆動する構成であるから、熱などによって誤動作が起こり易く、また、前記液晶や前記ドライバICを使用すると高価になってしまうという問題点があった。
【0019】
従って、前記基板に前記ドライバICを実装することなく、前記制御部の前記メインマイコンのみで制御できる方法により、熱などによる誤動作を受けず、シンプルで低価な表示部を採用することが望まれていた。
【0020】
本発明は上記問題点に鑑み、空気調和機において、制御部と被制御部品との間のリード線の接続を簡素化するとともに、制御要素をシンプルにした構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明は上記課題を解決するため、請求項1記載の発明は、本体の一側に設けられ、マイコンを実装した制御部と、他側に設けられ、前記制御部により制御される被制御部品と、中央に設けられ、前記制御部により制御されるLEDを実装した表示基板とを備えた空気調和機において、前記制御部と前記表示基板がリード線によって接続され、前記表示基板に前記被制御部品をリード線によって接続したことを特徴とする構成となっている。
【0022】
請求項2記載の発明は、本体の側部に設けられ、マイコンを実装した制御部と、中央に設けられ、前記制御部により制御されるLEDを実装した表示基板と、前記表示基板の近傍に設けられ、前記制御部により制御される被制御部品とを備えた空気調和機において、
前記制御部と前記表示基板がリード線によって接続され、前記表示基板に前記被制御部品をリード線によって接続したことを特徴とする構成となっている。
【0023】
請求項3記載の発明は請求項1または請求項2記載の発明において、前記被制御部品と前記表示基板の電源線及び接地線について、前記制御部から前記表示基板までをコモン配線としたことを特徴とする構成となっている。
【0024】
請求項4記載の発明は請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明において、前記被制御部品の駆動素子を、前記表示基板に配置したことを特徴とする構成となっている。
【0025】
請求項5記載の発明は請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発明において、前記被制御部品が交流モータ又は直流モータであり、その回生電流を吸収する電子部品を前記表示基板に配置したことを特徴とする構成となっている。
【発明の効果】
【0026】
請求項1または請求項2記載の発明によれば、前記制御部と前記表示基板がリード線によって接続され、前記表示基板に前記被制御部品をリード線によって接続したことにより、前記制御部に前記被制御部品をリード線によって接続するよりも、配置場所を変えない方法でリード線を太くすることなくリード線の長さを短くすることができ、リード線の取扱いを容易に組立性を向上することができ、前記制御部と前記被制御部品との間のリード線の接続を簡素化した構造を実現することができる。
【0027】
更に、前記表示基板を液晶と液晶を駆動するドライバICとを実装しないようにしたことにより、熱などによる誤動作の影響を受けずに済み、制御要素をシンプルにした構造を実現することができる。
【0028】
請求項3記載の発明によれば、前記被制御部品と前記表示基板の電源線及び接地線について、前記制御部から前記表示基板までをコモン配線としたことにより、前記制御部から前記被制御部品に対するリード線の本数を電源線と接地線を減らすことができる。
【0029】
請求項4記載の発明によれば、前記被制御部品の駆動素子を、前記表示基板に配置したことにより、前記被制御部品への電波雑音の障害を効果的に低減することができる。
【0030】
請求項5記載の発明によれば、前記被制御部品が交流モータ又は直流モータであり、その回生電流を吸収する電子部品を前記表示基板に配置したことにより、前記交流モータ又は前記直流モータの電圧変動による回生電流の障害を効果的に小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、本発明の実施の形態を、添付図面に基づいた実施例として詳細に説明する。図1は本発明による空気調和機の第一実施例の外観を説明する分解斜視図、図2は図1の本発明による空気調和機の第一実施例の概略を説明するブロック図、図3は図2の本発明による空気調和機の第一実施例の概略斜視図、図4は本発明による空気調和機の第一実施例の換気ファン用モータを接続した電気ブロック図である。
【0032】
図5は本発明による空気調和機の第二実施例及び第三実施例の外観を説明する分解斜視図、図6は図5の本発明による空気調和機の第二実施例及び第三実施例の概略を説明するブロック図、図7は本発明による空気調和機の第二実施例のフィルタ駆動用モータを接続した電気ブロック図、図8は本発明による空気調和機の第三実施例のスピーカを接続した電気ブロック図である。
【0033】
そして、本発明による空気調和機は、本体の一側に設けられ、マイコンを実装した制御部と、他側に設けられ、前記制御部ににより制御される被制御部品と、中央に設けられ、前記制御部により制御されるLEDを実装した表示基板とを備えた空気調和機において、前記制御部と前記表示基板がリード線によって接続され、前記表示基板に前記被制御部品をリード線によって接続したことを特徴としている。
【0034】
また、本発明による空気調和機は、本体の側部に設けられ、マイコンを実装した制御部と、中央に設けられ、前記制御部により制御されるLEDを実装した表示基板と、前記表示基板の近傍に設けられ、前記制御部により制御される被制御部品とを備えた空気調和機において、前記制御部と前記表示基板がリード線によって接続され、前記表示基板に前記被制御部品をリード線によって接続したことを特徴としている。更に、前記被制御部品と前記表示基板の電源線及び接地線について、前記制御部から前記表示基板までをコモン配線としたことを特徴としている。
【実施例1】
【0035】
まず、前記被制御部品が換気ファン駆動用モータである場合の空気調和機について説明する。図1乃至図3に示すように、室内機の本体1には、その筺体を外すと、前記制御部2aは空気調和機の右側部に配置された電装品箱2に収容され、マイコンを実装した制御基板と、この制御基板に接続されたコネクタ2cがそれぞれ設けられている。
【0036】
前記被制御部品4aは前記本体1の左側部に配置された換気ファンユニット4に収容され、前記制御部2aの前記マイコンより制御される換気ファン駆動用モータ4aを構成している。
【0037】
前記表示基板3aは前記制御部2aと前記被制御部品4aとの間にあって、前記本体1の前面中央部に配置された表示部3に支持され、前記マイコンと信号を授受するように、前記制御部2aとリード線5によって接続されている。
【0038】
そして、前記換気ファン駆動用モータ4aは前記表示基板3aにリード線5によって接続されている。
【0039】
このように、前記換気ファン駆動用モータ4aは、前記制御部2aの前記マイコンの信号によって前記表示基板3aと前記リード線5を介して制御される構成となっている。
【0040】
また、図3に示すように、前記表示基板3aはLED3cを実装しており、前記LED3cは運転状態を表示するようになっている。この前記表示基板3aが前記表示部3に支持され、前記換気ファン駆動用モータ4aが前記表示基板3aに前記リード線5によって接続されている。
【0041】
なお、図1及び図3では、前記換気ファン駆動用モータ4aは前記換気ファンユニット4内に吸気用及び排気用の2個の直流モータを設けたものであるが、吸気用のみ、排気用のみであってもよい。
【0042】
次に、図4を用いて本発明に関係する各構成について詳細に説明する。前記制御部2aは前記制御基板上に前記マイコン2bと前記コネクタ2cとを実装したもので、前記コネクタ2cには接地端子と直流電圧12Vを供給するための電源端子と前記マイコン2bの各制御信号の信号端子とをそれぞれ備えている。
【0043】
前記表示基板3aは前記接地端子、前記電源端子及び前記信号端子に接続している前記リード線5が接続されるコネクタ3dと、前記換気ファン用モータ4aの回生電流を吸収するコンデンサ3bとを実装したもので、前記コネクタ3dには前記コネクタ2cと同様な前記接地端子、前記電源端子及び前記信号端子を備えている。
【0044】
そして、前記表示基板3aでは、前記コネクタ3dの前記信号端子よりの制御信号の一部については、図3に示す前記LED3cや図示を省略したリモコンからの信号を受信するリモコン受信部などの制御信号として利用され、制御信号の残りの部分について、前記表示基板3aの出力用の接続部側より前記リード線5を介して前記換気ファン用モータ4aに接続されている。
【0045】
また、前記換気ファン用モータ4aと前記表示基板3aの前記リード線5のうち、その電源線及び接地線について、前記制御部2aから前記表示基板3aまでをコモン配線とし、前記LED3cなどの前記電源線及び前記接地線と共用化している。なお、前記リード線5は接地線、電源線及び信号線から構成されているものである。
【0046】
また、前記コンデンサ3bは、前記表示基板3aの出力用の接続部側に近いほうに配置され、前記電源線と前記接地線に並列に接続されている。
【0047】
このように、本実施例1によれば、前記換気ファン駆動用モータ4aは、前記制御部2aの前記マイコン2bの制御信号によって前記表示基板3aと前記リード線5を介して制御される構成となる。
【0048】
以上のことから、本実施例1によれば、前記制御部2aに前記換気ファン駆動用モータ4aを直接的に接続するよりも、前記換気ファン駆動用モータ4aの配置場所を変えない方法で前記リード線5を太くすることなく前記リード線5の長さを短くすることができ、前記リード線5の取扱いを容易にして、組立性を向上することができ、前記制御部2aと前記換気ファン駆動用モータ4aとの間の前記リード線5の接続を簡素化した構造を実現することができる。
【0049】
また、前記本体1の右側部に前記制御部2aを、左側部に前記換気ファン駆動用モータ4aをそれぞれ設けるとともに、前面中央部である前記制御部2aと前記換気ファン駆動用モータ4aとの中間に前記表示基板3aを配置しているので、前記制御部2aに前記換気ファン駆動用モータ4aを直接的に接続するよりも、前記リード線5の長さを2分の1程度短くすることができ、前記リード線5のコストも2分の1程度に抑えることができる。
【0050】
また、前記表示基板3aを前記LED3c実装しているので、液晶を駆動するドライバICを必要とせず、熱などによる誤動作の影響を受けずに済み、制御要素をシンプルにした構造を実現することができる。
【0051】
更に、前記換気ファン駆動用モータ4aと前記表示基板3aの電源線及び接地線について、前記制御部2aから前記表示基板3aまでをコモン配線としているので、前記制御部2aから前記換気ファン駆動用モータ4aに対する前記リード線5の本数を前記電源線と前記接地線の2本を減らすことができる。
【0052】
なお、本出願人の従来の製品においては、前記表示基板3aに実装された前記LED3cへの電源電圧は5Vとなっていたが、本発明では、前述のようにコモン配線とすることにより、前記換気ファン駆動用モータ4aへの電源電圧12Vと共通化を図って、前記LED3cへの電源電圧を12Vとし、前記LED3cの発光レベルを下げるようにしている。
【0053】
また、前記換気ファン駆動用モータ4aが直流モータであり、その回生電流を吸収する前記コンデンサ3bを前記表示基板3aに配置しているので、前記換気ファン駆動用モータ4aの電圧変動による回生電流の障害を効果的に小さくすることができる。
【0054】
そして、本実施例1のように、前記コンデンサ3bを前記表示基板3aに実装された出力用の接続部側に配置した場合には、前記換気ファン駆動用モータ4aと前記コンデンサ3bとの間隔をより近くにすることができ、前記換気ファン駆動用モータ4aの電圧変動による回生電流の障害をより効果的に小さくすることができる。
【0055】
なお、本実施例1においては、前記被制御部品4aを直流モータからなる前記換気ファン用モータ4aとし、前記直流モータの回生電流を吸収するために、前記表示基板3aに前記コンデンサ3bを実装したが、本発明はこれに限るものではなく、前記被制御部品4aを交流モータとした場合、また、前記コンデンサ3bに替えて大容量のダイオードを実装した場合も適用することができる。
【0056】
例えば、前記被制御部品4aを直流モータからなる前記換気ファン用モータ4aとし、この回生電流を吸収するダイオードを実装したり、前記被制御部品4aを交流モータからなる室内空気を循環させる室内ファン用モータとし、この回生電流を吸収するコンデンサまたはダイオードを実装した場合でもよい。
【実施例2】
【0057】
次に、前記被制御部品がフィルタ駆動用モータである場合の空気調和機について説明する。図5乃至図7に示すように、室内機の本体6には、その筺体を外すと、前記制御部7aは前記本体6の右側部に配置された電装品箱7に収容され、マイコン7bを実装した制御基板と、この制御基板に接続されたコネクタ7cがそれぞれ設けられている。
【0058】
前記表示基板8aは前記本体6の前面中央部に配置された表示部8に支持され、前記制御部7aの前記マイコン7bと信号を授受するように、前記制御部7aとリード線12によって接続されている。
【0059】
前記被制御部品10aは前記表示基板8aの近傍、例えば、前記表示基板8aの両側に配置されたフィルタ駆動ユニット10に収容され、前記制御部7aの前記マイコン7bより制御されるフィルタ駆動用モータ10aを構成している。
【0060】
そして、前記フィルタ駆動用モータ10aはステッピングモータからなり、前記表示基板8aに前記リード線12によって接続されている。
【0061】
また、前記フィルタ駆動ユニット10に隣接して、フィルタの位置検出のためのリミットスイッチ11が配置され、前記リミットスイッチ11は前記表示基板8aに前記リード線12によって接続されている。
【0062】
このように、前記フィルタ駆動用モータ10aは、前記制御部7aの前記マイコン7bの信号によって前記表示基板8aと前記リード線12を介して制御される構成となっている。
【0063】
また、図5及び図7に示すように、前記表示基板8aはLED8cを実装しており、前記LED8cは空気調和機の運転状態やフィルタ駆動状態などを表示するようになっている。この前記表示基板8aが前記表示部8に支持され、前記フィルタ駆動用モータ10aが前記表示基板8aに前記リード線12によって接続されている。
【0064】
なお、図5では、2個の前記フィルタ駆動用モータ10aを設け、前記フィルタ駆動用モータ10aに対応して2個の前記リミットスイッチ11を設けた構成であるが、以下においては説明の便宜上、1個の前記フィルタ駆動用モータ10aを対象に説明する。
【0065】
次に、図7を用いて本発明に関係する各構成について詳細に説明する。前記制御部7aは前記制御基板上に前記マイコン7bと前記コネクタ7cとを実装したもので、前記コネクタ7cには接地端子と直流電圧12Vを供給するための電源端子と前記マイコン7bの各制御信号の信号端子とをそれぞれ備えている。
【0066】
前記表示基板8aは前記接地端子、前記電源端子及び前記信号端子に接続している前記リード線12が接続されるコネクタ8dと、前記フィルタ駆動用モータ10aの駆動素子であるモータドライバIC8bとを実装したもので、前記コネクタ8dには前記コネクタ7cと同様な前記接地端子、前記電源端子及び前記信号端子を備えている。
【0067】
そして、前記表示基板8aでは、前記コネクタ8dの前記信号端子よりの制御信号の一部については、図5に示す前記LED8cや図示を省略したリモコンからの信号を受信するリモコン受信部などの制御信号として利用され、制御信号の残りの部分について、前記モータドライバIC8bを介して、前記表示基板8aの出力用の接続部側より前記リード線12を通じ、前記フィルタ駆動用モータ10aに接続されている。
【0068】
また、前記フィルタ駆動用モータ10aと前記表示基板8aの前記リード線12のうち、その電源線及び接地線について、前記制御部7aから前記表示基板8aまでをコモン配線とし、前記LED8c、前記モータドライバIC8bなどの前記電源線及び前記接地線と共用化している。なお、前記リード線12は接地線、電源線及び信号線から構成されているものである。
【0069】
また、前記モータドライバIC8bは、前記表示基板8aの出力用の接続部側に近いほうに配置され、前記フィルタ駆動用モータ10aへの電波雑音の障害を効果的に低減するようにしている。
【0070】
このように、本実施例2によれば、前記フィルタ駆動用モータ10aは、前記制御部7aの前記マイコン7bの制御信号によって前記表示基板8aと前記リード線12を介して制御される構成となる。
【0071】
以上のことから、本実施例2によれば、前記制御部7aに前記フィルタ駆動用モータ10aを直接的に接続するよりも、前記フィルタ駆動用モータ10aの配置場所を変えない方法で前記リード線12を太くすることなく前記リード線12の長さを短くすることができ、前記リード線12の取扱いを容易にして、組立性を向上することができ、前記制御部7aと前記フィルタ駆動用モータ10aとの間の前記リード線12の接続を簡素化した構造を実現することができる。
【0072】
また、前記本体6の右側部に前記制御部7aを、前面中央部に前記表示基板8aを、前記表示基板8aの近傍に前記フィルタ駆動用モータ10aをそれぞれ配置しているので、前記制御部7aに前記フィルタ駆動用モータ10aを直接的に接続するよりも、前記リード線12の長さを3分の1程度短くすることができ、前記リード線12のコストも3分の1程度に抑えることができる。
【0073】
また、前記表示基板8aに前記LED8cを実装しているので、前記実施例1と同様に、液晶を駆動するドライバICを必要とせず、熱などによる誤動作の影響を受けずに済み、制御要素をシンプルにした構造を実現することができる。
【0074】
更に、前記フィルタ駆動用モータ10aと前記表示基板8aの電源線及び接地線について、前記制御部7aから前記表示基板8aまでをコモン配線としているので、前記制御部7aから前記フィルタ駆動用モータ10aに対する前記リード線12の本数を前記電源線と前記接地線の2本を減らすことができる。
【0075】
なお、本出願人の従来の製品においては、前記表示基板8aに実装された前記LED8cへの電源電圧は5Vとなっていたが、本発明では、前述のようにコモン配線とすることにより、前記フィルタ駆動用モータ10a、前記モータドライバIC8bへの電源電圧12Vと共通化を図って、前記LED8cへの電源電圧を12Vとし、前記LED8cの発光レベルを下げるようにしている。
【0076】
そして、本実施例2においては、前記被制御部品10aをステッピングモータからなる前記フィルタ駆動用モータ10aとし、前記フィルタ駆動用モータ10aへの電波雑音の障害を効果的に低減するために、前記表示基板8aの出力用の接続部側に近いほうに駆動素子である前記モータドライバIC8bを実装したが、本発明はこれに限るものではなく、前記被制御部品10aを前記リミットスイッチ11とした場合、また、運転状態などの音声案内を行うスピーカとし、このスピーカの駆動素子であるアンプを前記表示基板8aに実装した場合も適用することができる。
【実施例3】
【0077】
次に、前記被制御部品が前記スピーカである場合の空気調和機について説明する。前記実施例2で説明した図5及び図6に示す全体構成についてはここでは説明を省略し、前記スピーカに関係する部分のみを図5、図6及び図8を用いて説明することとし、説明の便宜上、前記実施例2で説明した前記フィルタ駆動用モータ10aや前記リミットスイッチ11が表示基板8eに接続していない構成とする。
【0078】
図5、図6及び図8に示すように、前記表示基板8eは前記本体6の前面中央部に配置された表示部8に支持され、前記制御部7dの前記マイコン7eと信号を授受するように、前記制御部7dとリード線13によって接続されている。
【0079】
前記スピーカ9は前記表示基板8eの近傍、例えば、前記表示基板8eの左隣に前記表示部8と一体にユニット化され、前記表示基板8eに前記リード線13によって接続されている。
【0080】
このように、前記スピーカ9は、前記制御部7dの前記マイコン7eの信号によって前記表示基板8eと前記リード線13を介して制御される構成となっている。
【0081】
次に、図8を用いて本発明に関係する各構成について詳細に説明する。前記制御部7dは前記制御基板上に前記マイコン7eと前記コネクタ7fとを実装したもので、前記コネクタ7fには接地端子と直流電圧12Vを供給するための電源端子と前記マイコン7eの各制御信号と音声信号の信号端子とをそれぞれ備えている。
【0082】
前記表示基板8eは前記接地端子、前記電源端子及び前記信号端子に接続している前記リード線13が接続されるコネクタ8gと、前記スピーカ9の駆動素子であるアンプ8fとを実装したもので、前記コネクタ8gには前記コネクタ7fと同様な前記接地端子、前記電源端子及び前記信号端子を備えている。
【0083】
そして、前記表示基板8eでは、前記コネクタ8gの前記信号端子よりの制御信号の一部については、図5に示す前記LED8cや図示を省略したリモコンからの信号を受信するリモコン受信部などの制御信号として利用され、音声信号の部分について、前記アンプ8fを介して、前記表示基板8eの出力用の接続部側より前記リード線13を通じ、前記スピーカ9に接続されている。
【0084】
また、前記スピーカ9と前記表示基板8eの前記リード線13のうち、その電源線について、前記制御部7dから前記表示基板8eまでをコモン配線とし、前記LED8cと前記電源線を共用化している。なお、前記リード線13は接地線、電源線及び信号線から構成されているものである。
【0085】
また、前記アンプ8fは、前記表示基板8eの出力用の接続部側に近いほうに配置され、前記スピーカ9への電波雑音の障害を効果的に低減するようにしている。
【0086】
このように、本実施例3によれば、前記スピーカ9は、前記制御部7dの前記マイコン7eよりの音声信号を、前記表示基板8eと前記リード線13を介して出力する構成となる。
【0087】
以上のことから、本実施例3によれば、前記制御部7dに前記スピーカ9を直接的に接続するよりも、前記スピーカ9の配置場所を変えない方法で前記リード線13を太くすることなく前記リード線13の長さを短くすることができ、前記リード線13の取扱いを容易にして、組立性を向上することができ、前記制御部7dと前記スピーカ9との間の前記リード線13の接続を簡素化した構造を実現することができる。
【0088】
また、前記本体6の右側部に前記制御部7dを、前面中央部に前記表示基板8eを、前記表示基板8eの左隣の近傍に前記スピーカ9をそれぞれ配置しているので、前記制御部7dに前記スピーカ9を直接的に接続するよりも、前記リード線13の長さを3分の1程度短くすることができ、前記リード線13のコストも3分の1程度に抑えることができる。
【0089】
また、前記表示基板8eに前記LED8cを実装しているので、前記実施例1、2と同様に、液晶を駆動するドライバICを必要とせず、熱などによる誤動作の影響を受けずに済み、制御要素をシンプルにした構造を実現することができる。
【0090】
更に、前記スピーカ9と前記表示基板8eの電源線について、前記制御部7dから前記表示基板8eまでをコモン配線としているので、前記制御部7dから前記スピーカ9に対する前記リード線13の本数を前記電源線の1本を減らすことができる。
【0091】
なお、前述と同様にコモン配線とすることにより、前記スピーカ9への電源電圧12Vと共通化を図って、前記LED8cへの電源電圧を12Vとし、前記LED8cの発光レベルを下げるようにしている。
【0092】
以上説明してきた前記実施例1乃至前記実施例3では、前記制御部を前記本体の右側部に、前記被制御部品を左側部または前記表示基板の近傍にそれぞれ配置したが、本発明はこれに限るものでなく、前記制御部を前記本体の一側に、前記被制御部品を他側に配置した場合も適用することができる。また、前記表示基板を前記本体の前面中央部に配置したが、必ずしも中央部でなくてもよい。
【0093】
また、以上説明してきた前記実施例1乃至前記実施例3では、前記表示部に前記表示基板を支持したものとしたが、本発明はこれに限るものでなく、検出ユニットの筺体に室温センサや湿度センサなどの検出素子を実装した検出基板を支持した場合も適用することができる。
【0094】
従って、前記制御部と前記検出基板をリード線によって接続し、前記検出基板に前記被制御部品をリード線によって接続するようにしても、前記実施例1乃至前記実施例3と同様な効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明による空気調和機の第一実施例の外観を説明する分解斜視図である。
【図2】図1の本発明による空気調和機の第一実施例の概略を説明するブロック図である。
【図3】図2の本発明による空気調和機の第一実施例の概略斜視図である。
【図4】本発明による空気調和機の第一実施例の換気ファン用モータを接続した電気ブロック図である。
【図5】本発明による空気調和機の第二実施例及び第三実施例の外観を説明する分解斜視図である。
【図6】図5の本発明による空気調和機の第二実施例及び第三実施例の概略を説明するブロック図である。
【図7】本発明による空気調和機の第二実施例のフィルタ駆動用モータを接続した電気ブロック図である。
【図8】本発明による空気調和機の第三実施例のスピーカを接続した電気ブロック図である。
【符号の説明】
【0096】
1本体
2 電装品箱
2a 制御部
2b マイコン
2c コネクタ
3 表示部
3a 表示基板
3b コンデンサ(回生電流を吸収する電子部品)
3c LED
3d コネクタ
4 換気ファンユニット
4a 換気ファン駆動用モータ(被制御部品)
5 リード線
6 本体
7 電装品箱
7a 制御部
7b マイコン
7c コネクタ
7d 制御部
7e マイコン
7f コネクタ
8 表示部
8a 表示基板
8b モータドライバIC(駆動素子)
8c LED
8d コネクタ
8e 表示基板
8f アンプ(駆動素子)
8g コネクタ
9 スピーカ(被制御部品)
10 フィルタ駆動ユニット
10a フィルタ駆動用モータ(被制御部品)
11 リミットスイッチ
12 リード線
13 リード線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体の一側に設けられ、マイコンを実装した制御部と、他側に設けられ、前記制御部ににより制御される被制御部品と、中央に設けられ、前記制御部により制御されるLEDを実装した表示基板とを備えた空気調和機において、前記制御部と前記表示基板がリード線によって接続され、前記表示基板に前記被制御部品をリード線によって接続したことを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
本体の側部に設けられ、マイコンを実装した制御部と、中央に設けられ、前記制御部により制御されるLEDを実装した表示基板と、前記表示基板の近傍に設けられ、前記制御部により制御される被制御部品とを備えた空気調和機において、前記制御部と前記表示基板がリード線によって接続され、前記表示基板に前記被制御部品をリード線によって接続したことを特徴とする空気調和機。
【請求項3】
前記被制御部品と前記表示基板の電源線及び接地線について、前記制御部から前記表示基板までをコモン配線としたことを特徴とする請求項1または請求項2記載の空気調和機。
【請求項4】
前記被制御部品の駆動素子を、前記表示基板に配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の空気調和機。
【請求項5】
前記被制御部品が交流モータ又は直流モータであり、その回生電流を吸収する電子部品を前記表示基板に配置したことを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−194474(P2006−194474A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−4604(P2005−4604)
【出願日】平成17年1月12日(2005.1.12)
【出願人】(000006611)株式会社富士通ゼネラル (1,266)
【Fターム(参考)】