説明

空気調和機

【課題】清掃を容易にしながら、塵埃が堆積するのを抑制することが可能な空気調和機を提供する。
【解決手段】このイオン送出装置(空気調和機)1は、空気を吸い込む吸込口5と、空気を吹き出す吹出口7と、吸込口5および吹出口7を連結する送風路8と、送風路8に設けられたファン9と、ファン9の下流側に配置され、イオンを発生するイオン発生装置10と、を備える。イオン発生装置10が発生したイオンを含む空気は、ファン9側に還流される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空気調和機に関し、特に、イオン発生装置を備えた空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、様々な機能を有する空気調和機が普及している。空気調和機としては例えば、温度や湿度を調節するエアーコンディショナー、空気の汚れや臭いを除去する空気清浄機、イオンの殺菌効果等を利用し空気を浄化するイオン送出装置および空気中の湿度を増加する加湿器などが存在する。
【0003】
このうち、空気清浄機には空気浄化機能を向上させるための活性炭フィルタや高性能フィルタ(HEPAフィルタ)が搭載されているものがある。これらのフィルタは空気中の臭い、花粉および塵埃をろ過する機能を有するので、空気抵抗が非常に高くなるとともに、コストが高くなる。このため、送風量を重視する機種では活性炭フィルタや高性能フィルタを搭載せず、目の粗い粗塵フィルタのみを搭載する場合がある。
【0004】
また、送風路内に印加極板および集塵極板からなる集塵部を設けることにより空気を浄化する空気清浄機が知られている(例えば、特許文献1参照)。上記特許文献1の空気清浄機では、空気中の塵埃を捕集する集塵極板を前扉に一体形成している。これにより、前扉を開くと集塵極板を清掃することができるので、集塵極板の清掃作業性が改善される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平10−43631号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、粗塵フィルタのみを搭載した空気調和機を使用すると、粗塵フィルタは目が粗いので、細かい塵埃などが送風路内に侵入する。送風路は一般的に樹脂などで形成されているので、空気が送風路内を送風される際に、塵埃などが送風路の内面に衝突して静電気を発生させる。そして、塵埃などが静電気により送風路に吸着し堆積する。その後、塵埃などの堆積物はある程度の大きさになると剥離し、塵埃の塊が空気調和機の外部に放出されるという問題点があった。また、堆積した塵埃の中で雑菌などが繁殖して送風路内に悪臭が発生するという問題点があった。
【0007】
また、上記特許文献1では、集塵極板を清掃する際に使用者が前扉を開き塵埃を拭き取る必要があるという問題点があった。
【0008】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、清掃を容易にしながら、塵埃が堆積するのを抑制することが可能な空気調和機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、この発明の空気調和機は、空気を吸い込む吸込口と、空気を吹き出す吹出口と、吸込口および吹出口を連結する送風路と、送風路に設けられた送風機と、送風機の下流側に配置され、イオンを発生するイオン発生装置と、を備え、イオン発生装置が発生したイオンを含む空気は、送風機側に還流される。
【0010】
この空気調和機では、イオンを含む空気を送風機側に還流させることによって、空気が送風路内を送風される際に発生する静電気はイオンを含む空気により中和される。
【0011】
上記空気調和機において、好ましくは、送風路のイオン発生装置よりも下流側の部分に分岐経路が設けられ、分岐経路は送風路の送風機よりも上流側の部分に接続されている。このように構成すれば、イオンを含む空気は分岐経路を介して送風路の送風機よりも上流側の部分に還流される。
【0012】
上記分岐経路が設けられている空気調和機において、好ましくは、分岐経路には分岐経路を開閉する開閉弁が設けられている。このように構成すれば、分岐経路の開閉を制御できるので、空気の還流を制御することができる。
【0013】
上記空気調和機において、好ましくは、吹出口には吹出口を開閉するルーバーが設けられ、ルーバーが吹出口を閉じた状態で、イオンを含む空気は送風機側に還流される。
【0014】
上記空気調和機において、好ましくは、イオン発生装置はH+(H2O)m(mは任意の自然数)を含む正イオンと、O2-(H2O)n(nは任意の自然数)を含む負イオンとを発生する。このように構成すれば、イオンにより除菌および脱臭することができるとともに、静電気を容易に中和させることができる。
【発明の効果】
【0015】
以上のように、本発明によれば、イオンを含む空気を送風機側に還流させることによって、空気が送風路内を送風される際に発生する静電気はイオンを含む空気により中和される。これにより、塵埃が送風路に堆積したり、蓄積して大きくなるのを抑制することができるので、塵埃の塊が空気調和機の外部に放出されるのを抑制することができる。また、送風路内で雑菌などが繁殖するのを抑制することができるので、送風路内に悪臭が発生するのを抑制することができる。
【0016】
このように、イオンを含む空気を送風機側に還流させることにより送風路を清掃することができるので、使用者が塵埃などを拭き取ったりする必要がなく、送風路の清掃を容易にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態によるイオン送出装置を示した外観斜視図である。
【図2】図1のイオン送出装置の構造を示した断面図である。
【図3】本発明の第2実施形態によるイオン送出装置の構造を示した断面図である。
【図4】図3のイオン送出装置の構成を示したブロック図である。
【図5】図3に示したイオン送出装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の第3実施形態によるイオン送出装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。
【図7】本発明の第4実施形態によるイオン送出装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。
【図8】本発明の第5実施形態によるイオン送出装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の第6実施形態によるイオン送出装置の構造を示した断面図である。
【図10】図9のイオン送出装置の構成を示したブロック図である。
【図11】図9のイオン送出装置の吹出口が閉じた状態を示した断面図である。
【図12】図9に示したイオン送出装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。
【図13】本発明の第7実施形態によるイオン送出装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。
【図14】本発明の第8実施形態によるイオン送出装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。
【図15】本発明の第9実施形態によるイオン送出装置の制御方法を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、理解を容易にするために、断面図であってもハッチングを施さない場合がある。
【0019】
(第1実施形態)
まず、図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態によるイオン送出装置(空気調和機)1の構造について説明する。
【0020】
本発明の第1実施形態によるイオン送出装置1は室内を除菌および脱臭する機能を有する。また、イオン送出装置1は図1に示すように、イオン送出装置1全体を囲うケーシング2と、ケーシング2の上部に設けられ使用者が操作する操作部3と、イオン送出装置1の運転状況などを表示する表示部4とを備えている。また、イオン送出装置1は図2に示すように、外部の空気を吸い込む吸込口5と、吸込口5に取り付けられるとともに高性能フィルタなどに比べて目の粗い粗塵フィルタ6と、外部に空気を送出する吹出口7と、吸込口5および吹出口7を連結する送風路8と、送風路8内に配置されるファン(送風機)9と、送風路8のファン9よりも下流側に設けられたイオン発生装置10とを備えている。
【0021】
ファン9は貫流ファンなどにより形成されており、吸込口5から吸い込んだ空気をイオン発生装置10を経由して吹出口7から外部に送出する。このため、吹出口7からは、イオン発生装置10で発生したイオンを含む空気が送出される。
【0022】
イオン発生装置10には、図示しない放電電極が設けられている。また、放電電極には交流波形またはインパルス波形から成る電圧が印加される。放電電極の印加電圧が正電圧の場合はイオンが空気中の水分と結合して主としてH+(H2O)mから成る正イオンを発生する。放電電極の印加電圧が負電圧の場合はイオンが空気中の水分と結合して主としてO2-(H2O)nから成る負イオンを発生する。ここで、m、nは任意の自然数である。H+(H2O)m及びO2-(H2O)nは空気中の浮遊菌や臭い成分の表面で凝集してこれらを取り囲む。
【0023】
そして、式(1)〜(3)に示すように、衝突により活性種である[・OH](水酸基ラジカル)やH22(過酸化水素)を微生物等の表面上で凝集生成して浮遊菌や臭い成分を破壊する。ここで、m’、n’は任意の自然数である。従って、発生した正イオン及び負イオンを含む空気により、殺菌及び臭い除去を行うことが可能である。また、正イオンおよび負イオンの電気的な働きにより、空気中の塵埃および送風路8などの帯電を中和することが可能である。
【0024】
+(H2O)m+O2-(H2O)n→・OH+1/2O2+(m+n)H2O ・・・(1)
+(H2O)m+H+(H2O)m’+O2-(H2O)n+O2-(H2O)n’
→ 2・OH+O2+(m+m'+n+n')H2O ・・・(2)
+(H2O)m+H+(H2O)m’+O2-(H2O)n+O2-(H2O)n’
→ H22+O2+(m+m'+n+n')H2O ・・・(3)
【0025】
なお、イオン発生装置10の構造は針状放電電極を使用するもの、絶縁基板上に印刷により形成された電極を使用するもの、イオン化線と呼ばれる線状電極を使用するもの等を採用することが可能であるが、いずれの構造も古くから知られているため詳細な説明は省略する。
【0026】
本実施形態では、送風路8のイオン発生装置10よりも下流側の部分には、分岐経路11が設けられている。この分岐経路11は送風路8のうちのファン9と吸込口5との間の部分に接続されている。すなわち、分岐経路11は送風路8のうちのファン9よりも上流側の部分に接続されている。このため、イオン発生装置10で発生したイオンを含む空気の一部は分岐経路11を介してファン9の上流側に導かれる。また、分岐経路11の出口には、逆止弁12が設けられている。この逆止弁12は吸込口5に風などの外圧がかかった時にイオンを含む空気が逆流するのを防ぐ機能を有する。
【0027】
吹出口7には、複数のルーバー13が設けられている。このルーバー13は角度変更ができるように形成されていてもよいし、角度変更ができないように形成されていてもよい。
【0028】
次に、図1および図2を参照して、イオン送出装置1の動作について説明する。使用者により操作部3(図1参照)が操作され、イオン送出装置1の運転が開始されると、ファン9およびイオン発生装置10(図2参照)の運転が開始される。
【0029】
そして、図2に示すように、吸込口5から空気が吸い込まれ、イオン発生装置10で発生したイオンを含む空気が吹出口7から外部に送出される。これにより、室内が除菌および脱臭される。
【0030】
また、このとき、イオンを含む空気の一部は分岐経路11を介してファン9と吸込口5との間に還流される。これにより、送風路8のイオン発生装置10よりも下流側の部分および吹出口7だけでなく、送風路8のイオン発生装置10よりも上流側の部分、粗塵フィルタ6、ファン9、分岐経路11とそれら周辺の塵埃とが電気的に中和される。これにより、僅かに堆積した塵埃が剥がれやすくなるとともに、塵埃の堆積が抑制される。また、塵埃や送風路などで発生した雑菌および臭いはイオンにより除去される。なお、本実施形態では、イオン送出装置1の運転中は常時イオンを含む空気が循環され、送風路8、ファン9および塵埃などが除電、除菌および脱臭される。
【0031】
そして、使用者により操作部3が操作され、イオン送出装置1の運転が停止されると、ファン9およびイオン発生装置10の運転が停止される。
【0032】
本実施形態では、上記のように、イオンを含む空気をファン9と吸込口5との間に還流させることによって、空気が送風路8内を送風される際に発生する静電気はイオンを含む空気により中和される。具体的には、送風路8のイオン発生装置10よりも下流側の部分および吹出口7だけでなく、送風路8のイオン発生装置10よりも上流側の部分、粗塵フィルタ6、ファン9、分岐経路11とそれら周辺の塵埃とが電気的に中和される。これにより、塵埃が送風路8などに堆積したり、蓄積して大きくなるのを抑制することができるので、塵埃の塊がイオン送出装置1の外部に放出されるのを抑制することができる。また、送風路8内で雑菌などが繁殖するのを抑制することができるので、送風路8内に悪臭が発生するのを抑制することができる。
【0033】
このように、イオンを含む空気をファン9側に還流させることにより送風路8を清掃することができるので、使用者が塵埃などを拭き取ったりする必要がなく、送風路8の清掃を容易にすることができる。
【0034】
また、イオン発生装置10をファン9の下流側に配置することによって、外部(室内)に送出されるイオンが減少するのを抑制することができる。
【0035】
また、送風路8のイオン発生装置10よりも下流側の部分に分岐経路11を設け、分岐経路11を送風路8のファン9よりも上流側の部分に接続することによって、イオンを含む空気をファン9よりも上流側に容易に還流させることができる。
【0036】
また、H+(H2O)mを含む正イオンと、O2-(H2O)nを含む負イオンとを発生するイオン発生装置10を設けることによって、イオンにより除菌および脱臭することができるとともに、静電気を容易に中和させることができる。
【0037】
(第2実施形態)
この第2実施形態では図3〜図5を参照して、上記第1実施形態とは異なり、分岐経路11にダンパー(開閉弁)102を設け、空気の循環を切り換える場合について説明する。まず、図3および図4を参照して、イオン送出装置101(空気調和機)の構造について説明する。
【0038】
第2実施形態によるイオン送出装置101では図3に示すように、分岐経路11の入口に、分岐経路11の入口を開閉するダンパー102とダンパー102を駆動するダンパー駆動装置103とが設けられている。本実施形態では、イオンを含んだ空気は常時循環するのではなく、ダンパー102により分岐経路11の入口を開閉することによって、必要なときだけ自動で空気を循環させる。
【0039】
イオン送出装置101は図4に示すように、イオン送出装置101全体を制御する制御装置104を備えている。制御装置104には、操作部3からの操作信号が入力される。制御装置104は表示部4、ファン9、イオン発生装置10およびダンパー駆動装置103などに制御信号を出力するように構成されている。
【0040】
また、制御装置104には、時間を計測する計時部105と計時部105が計測した時間などを記憶する記憶部106とを含んでいる。計時部105はイオン送出装置101の運転累積時間や、分岐経路11を開いている時間などを計測する機能を有する。
【0041】
なお、第2実施形態のその他の構造は、上記第1実施形態と同様である。
【0042】
次に、図3〜図5を参照して、イオン送出装置101の制御方法について説明する。
【0043】
図5に示すように、ステップS1において、使用者により操作部3(図4参照)の運転スイッチが押下されると、イオン送出装置101の運転が開始される。ステップS2において、制御装置104(図4参照)からダンパー駆動装置103(図4参照)に駆動信号が入力されることにより、ダンパー102(図3参照)が閉じられる(分岐経路11の入口が閉じられる)。なお、本明細書中では、ダンパー102により分岐経路11の入口が閉じる(または開く)ことを、ダンパー102が閉じる(または開く)と表現する場合がある。
【0044】
ステップS3において、制御装置104からファン9(図4参照)に駆動信号が入力されることにより、ファン9の運転が開始される。ステップS4において、制御装置104からイオン発生装置10(図4参照)に駆動信号が入力されることにより、イオン発生装置10の運転が開始される。
【0045】
そして、ステップS5において、イオン送出装置101の運転を継続するか否かが制御装置104により判断される。すなわち、使用者により操作部3の停止スイッチが押下されたか否かが、制御装置104により判断される。
【0046】
ステップS5において運転を継続すると判断された場合、ステップS6に進む。そして、ステップS6において、イオン送出装置101の運転累積時間(前回イオンを含む空気を循環させてから、イオン送出装置101を運転させた累積時間)が所定時間(例えば、家庭であれば168時間(連続運転7日に相当))経過したか否かが制御装置104により判断される。
【0047】
ステップS6において運転累積時間が所定時間経過していないと判断された場合、ステップS5に戻る。一方、ステップS6において運転累積時間が所定時間経過したと判断された場合、ステップS7に進む。そして、ステップS7において、制御装置104からダンパー駆動装置103に駆動信号が入力されることにより、ダンパー102が開かれる(分岐経路11の入口が開かれる)。これにより、イオンを含む空気の循環が開始される。
【0048】
その後、ステップS8において、ダンパー102が開いてから所定時間(例えば10分間)経過したか否かが制御装置104により判断される。ステップS8において所定時間経過していないと判断された場合、ステップS8の判断が繰り返される。ステップS8において所定時間経過したと判断された場合、記憶部106に記憶されているイオン送出装置101の運転累積時間が0に書き換えられ、ステップS9に進む。そして、ステップS9において、ダンパー102が閉じられて、ステップS5に戻る。これにより、イオンを含む空気の循環が終了される。
【0049】
ステップS5において運転を停止すると判断された場合、ステップS10に進む。その後、ステップS10において、制御装置104からイオン発生装置10に停止信号が入力されることにより、イオン発生装置10の運転が停止される。そして、ステップS11において、制御装置104からファン9に停止信号が入力されることにより、ファン9の運転が停止され、イオン送出装置101の運転が停止される。
【0050】
本実施形態では、上記のように、分岐経路11の入口を開閉するダンパー102を設けることによって、空気を循環させる時間を制御することができる。そして、イオンを含む空気を常時循環させないので、上記第1実施形態に比べて、室内に送出されるイオンの量が増加し、室内の除菌および脱臭効果を向上させることができる。
【0051】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0052】
(第3実施形態)
この第3実施形態では図6を参照して、上記第2実施形態とは異なり、イオン送出装置101の運転停止時に空気を循環させる場合について説明する。なお、第3実施形態の構造は上記第2実施形態と同様である。
【0053】
図6に示すように、ステップS21において、イオン送出装置101の運転を継続するか否かが制御装置104により判断される。ステップS21において運転を継続すると判断された場合、ステップS21の判断が繰り返される。ステップS21において運転を停止すると判断された場合、ステップS22に進み、ダンパー102が開かれる。これにより、イオンを含む空気の循環が開始される。
【0054】
その後、ステップS23において、ダンパー102が開いてから所定時間(例えば10分間)経過したか否かが制御装置104により判断される。ステップS23において所定時間経過していないと判断された場合、ステップS23の判断が繰り返される。ステップS23において所定時間経過したと判断された場合、ステップS24に進み、ダンパー102が閉じられる。これにより、イオンを含む空気の循環が終了される。
【0055】
その後、ステップS25において、イオン発生装置10の運転が停止される。そして、ステップS26において、ファン9の運転が停止され、イオン送出装置101の運転が停止される。
【0056】
このように、第3実施形態では、使用者がイオン発生装置101の停止を指示した時に、ファン9やイオン発生装置10などの停止に先立って、イオンを含む空気を循環させる。
【0057】
なお、第3実施形態のその他の制御方法は、上記第2実施形態と同様である。
【0058】
本実施形態では、上記のように、イオン送出装置101の運転停止時に空気を循環させることによって、送風路8などが帯電していない状態で、イオン送出装置101の次回の運転が開始される。これにより、イオン送出装置101の次回の運転時にイオンが減少するのを抑制することができるとともに、送風路8などに塵埃が堆積するのを抑制することができる。
【0059】
第3実施形態のその他の効果は、上記第2実施形態と同様である。
【0060】
(第4実施形態)
この第4実施形態では図7を参照して、上記第2および第3実施形態とは異なり、イオン送出装置101の運転開始時に空気を循環させる場合について説明する。なお、第4実施形態の構造は上記第2および第3実施形態と同様である。
【0061】
図7に示すように、ステップS31において、使用者により操作部3の運転スイッチが押下されると、イオン送出装置101の運転が開始される。ステップS32において、ダンパー102が開かれ、ステップS33において、ファン9の運転が開始される。ステップS34において、イオン発生装置10の運転が開始される。これにより、イオンを含む空気の循環が開始される。
【0062】
そして、ステップS35において、ダンパー102が開いてから所定時間(例えば10分間)経過したか否かが制御装置104により判断される。ステップS35において所定時間経過していないと判断された場合、ステップS35の判断が繰り返される。ステップS35において所定時間経過したと判断された場合、ステップS36に進み、ダンパー102が閉じられる。これにより、イオンを含む空気の循環が終了される。
【0063】
その後、ステップS37において、イオン送出装置101の運転を継続するか否かが制御装置104により判断される。ステップS37において運転を継続すると判断された場合、ステップS37の判断が繰り返される。
【0064】
ステップS37において運転を停止すると判断された場合、ステップS38に進む。その後、ステップS38において、イオン発生装置10の運転が停止される。そして、ステップS39において、ファン9の運転が停止され、イオン送出装置101の運転が停止される。
【0065】
このように、第4実施形態では、使用者がイオン発生装置101の運転開始を指示した時に、最初の一定時間だけイオンを含む空気を循環させる。
【0066】
なお、第4実施形態のその他の制御方法は、上記第2実施形態と同様である。
【0067】
本実施形態では、上記のように、イオン送出装置101の運転開始時に空気を循環させることによって、運転開始時に帯電している静電気を中和することができる。これにより、イオン送出装置101の運転時に送風路8などが帯電するのを抑制することができるとともに、塵埃が堆積するのを遅くすることができる。
【0068】
第4実施形態のその他の効果は、上記第2実施形態と同様である。
【0069】
(第5実施形態)
この第5実施形態では図8を参照して、上記第2〜第4実施形態とは異なり、使用者が選択した吹出し風量(運転モード)に応じて、空気の循環を切り換える場合について説明する。
【0070】
具体的には、イオン送出装置101は吹出し風量を切換可能に構成されており、使用者は操作部3の風量設定ボタンを操作することにより吹出し風量(運転モード)を設定することが可能である。ここで、イオン送出装置101が風量の多い「強」運転に設定されている場合、空気の吸い込み量が多くなり、塵埃の堆積が早くなる。一方、イオン送出装置101が風量の少ない「弱」運転に設定されている場合、空気の吸い込み量が少なくなり、塵埃の堆積は遅くなる。このため、イオン送出装置101が「強」運転に設定されている場合には、例えば3時間毎にダンパー102の開閉を切り換える。一方、イオン送出装置101が「弱」運転に設定されている場合には、例えば6時間毎にダンパー102の開閉を切り換える。
【0071】
なお、第5実施形態のその他の構造は上記第2〜第4実施形態と同様である。
【0072】
次に、図8を参照して、イオン送出装置101の制御方法について説明する。
【0073】
図8に示すように、ステップS41において、使用者により操作部3の運転スイッチおよび風量設定ボタンが押下されると、イオン送出装置101の運転が開始される。ステップS42において、ダンパー102が閉じられ、ステップS43において、イオン発生装置10の運転が開始される。ステップS44において、ファン9の運転が開始される。
【0074】
そして、制御装置104により運転モードが検出され、運転モードが「強」運転である場合は、ステップS45aに進み、ファン9の送風量を多くする。その後、ステップS46aにおいて、イオン送出装置101の運転を継続するか否かが制御装置104により判断される。ステップS46aにおいて運転を継続すると判断された場合、ステップS47aに進む。そして、ステップS47aにおいて、イオン送出装置101の運転時間が所定時間(例えば3時間)経過したか否かが制御装置104により判断される。
【0075】
ステップS47aにおいて運転時間が所定時間経過していないと判断された場合、ステップS46aに戻る。一方、ステップS47aにおいて運転時間が所定時間経過したと判断された場合、ステップS48aに進み、ダンパー102が開かれる。これにより、イオンを含む空気の循環が開始される。
【0076】
その後、ステップS49aにおいて、ダンパー102が開いてから所定時間(例えば10分間)経過したか否かが制御装置104により判断される。ステップS49aにおいて所定時間経過していないと判断された場合、ステップS49aの判断が繰り返される。ステップS49aにおいて所定時間経過したと判断された場合、ステップS50aに進み、ダンパー102が閉じられて、ステップS46aに戻る。これにより、イオンを含む空気の循環が終了される。
【0077】
ステップS46aにおいて運転を停止すると判断された場合、ステップS51に進む。
【0078】
また、制御装置104により検出された運転モードが「弱」運転である場合は、ステップS45bに進み、ファン9の送風量を少なくする。この後のステップS46b、S48b〜S50bの制御方法はステップS46a、S48a〜S50aの制御方法と同様である。すなわち、ステップS46bにおいて、イオン送出装置101の運転を継続するか否かが制御装置104により判断される。ステップS46bにおいて運転を継続すると判断された場合、ステップS47bに進む。そして、ステップS47bにおいて、イオン送出装置101の運転時間が所定時間(例えば6時間)経過したか否かが制御装置104により判断される。
【0079】
ステップS47bにおいて運転時間が所定時間経過していないと判断された場合、ステップS46bに戻る。一方、ステップS47bにおいて運転時間が所定時間経過したと判断された場合、ステップS48bに進み、ダンパー102が開かれる。これにより、イオンを含む空気の循環が開始される。
【0080】
その後、ステップS49bにおいて、ダンパー102が開いてから所定時間(例えば10分間)経過したか否かが制御装置104により判断される。ステップS49bにおいて所定時間経過していないと判断された場合、ステップS49bの判断が繰り返される。ステップS49bにおいて所定時間経過したと判断された場合、ステップS50bに進み、ダンパー102が閉じられて、ステップS46bに戻る。これにより、イオンを含む空気の循環が終了される。
【0081】
ステップS46bにおいて運転を停止すると制御装置104により判断された場合、ステップS51に進む。
【0082】
その後、ステップS51において、イオン発生装置10の運転が停止される。そして、ステップS52において、ファン9の運転が停止され、イオン送出装置101の運転が停止される。
【0083】
なお、第5実施形態のその他の制御方法は、上記第2実施形態と同様である。
【0084】
本実施形態では、上記のように、吹出し風量(運転モード)に応じて空気の循環を切り換えることによって、塵埃の堆積速度に応じて適切にイオン送出装置101を清掃することができる。これにより、室内に送出されるイオンの量が減少するのを抑制することができるとともに、塵埃が堆積して大きくなるのを抑制することができる。
【0085】
第5実施形態のその他の効果は、上記第2実施形態と同様である。
【0086】
(第6実施形態)
この第6実施形態では図9〜図12を参照して、上記第1〜第5実施形態とは異なり、吹出口7に可動ルーバー(ルーバー)202を設けて吹出口7を開閉することにより、空気の循環を切り換える場合について説明する。まず、図9〜図11を参照して、イオン送出装置201(空気調和機)の構造について説明する。
【0087】
第6実施形態によるイオン送出装置201では図9に示すように、吹出口7を開閉する複数の可動ルーバー202と可動ルーバー202を駆動するルーバー駆動装置203とが設けられている。なお、本実施形態では、上記第1〜第5実施形態と異なり、分岐経路11やダンパー102などは設けられていない。
【0088】
また、図10に示すように、制御装置104は表示部4、ファン9、イオン発生装置10およびルーバー駆動装置203などに制御信号を出力するように構成されている。
【0089】
そして、本実施形態では図11に示すように、可動ルーバー202が吹出口7を閉じた場合に、イオンを含む空気がファン9側(上流側)に還流する。
【0090】
なお、第6実施形態のその他の構造は、上記第1〜第5実施形態と同様である。
【0091】
次に、図9〜図12を参照して、イオン送出装置201の制御方法について説明する。
【0092】
図12に示すように、ステップS101において、使用者により操作部3(図10参照)の運転スイッチが押下されると、イオン送出装置201の運転が開始される。ステップS102において、制御装置104(図10参照)からルーバー駆動装置203(図10参照)に駆動信号が入力されることにより、図9に示したように可動ルーバー202が開かれる(吹出口7が開かれる)。なお、本明細書中では、吹出口7が開く(または閉じる)ことを、可動ルーバー202が開く(または閉じる)と表現する場合がある。
【0093】
ステップS103において、ファン9の運転が開始され、ステップS104において、イオン発生装置10の運転が開始される。そして、ステップS105において、イオン送出装置201の運転を継続するか否かが制御装置104により判断される。
【0094】
ステップS105において運転を継続すると判断された場合、ステップS106に進む。そして、ステップS106において、イオン送出装置201の運転累積時間が所定時間(例えば168時間)経過したか否かが制御装置104により判断される。
【0095】
ステップS106において運転累積時間が所定時間経過していないと判断された場合、ステップS105に戻る。一方、ステップS106において運転累積時間が所定時間経過したと判断された場合、ステップS107に進む。そして、ステップS107において、制御装置104からルーバー駆動装置203に駆動信号が入力されることにより、図11に示したように可動ルーバー202が閉じられる(吹出口7が閉じられる)。これにより、イオンを含む空気の循環が開始される。
【0096】
その後、ステップS108において、可動ルーバー202が閉じてから所定時間(例えば10分間)経過したか否かが制御装置104により判断される。ステップS108において所定時間経過していないと判断された場合、ステップS108の判断が繰り返される。ステップS108において所定時間経過したと判断された場合、記憶部106に記憶されているイオン送出装置201の運転累積時間が0に書き換えられ、ステップS109に進む。そして、ステップS109において、可動ルーバー202が開かれて、ステップS105に戻る。これにより、イオンを含む空気の循環が終了される。
【0097】
ステップS105において運転を停止すると判断された場合、ステップS110に進む。ステップS110において、イオン発生装置10の運転が停止され、ステップS111において、ファン9の運転が停止される。そして、ステップS112において、可動ルーバー202が閉じられて、イオン送出装置201の運転が停止される。
【0098】
なお、第6実施形態のその他の制御方法は、上記第2実施形態と同様である。
【0099】
本実施形態では、上記のように、吹出口7を開閉する可動ルーバー202を設ける。これにより、可動ルーバー202により吹出口7を閉じることによって、イオンを含む空気を容易にファン9側に還流させることができる。また、分岐経路11などが必要ないので、イオン送出装置201を小型・軽量化することも可能である。
【0100】
なお、第6実施形態のその他の効果は、上記第2実施形態と同様である。
【0101】
(第7実施形態)
この第7実施形態では図13を参照して、上記第6実施形態とは異なり、イオン送出装置201の運転停止時に空気を循環させる場合について説明する。なお、第7実施形態の構造は上記第6実施形態と同様である。
【0102】
図13に示すように、ステップS121において、イオン送出装置201の運転を継続するか否かが制御装置104により判断される。ステップS121において運転を継続すると判断された場合、ステップS121の判断が繰り返される。ステップS121において運転を停止すると判断された場合、ステップS122に進み、可動ルーバー202が閉じられる。これにより、イオンを含む空気の循環が開始される。
【0103】
その後、ステップS123において、可動ルーバー202が閉じてから所定時間(例えば10分間)経過したか否かが制御装置104により判断される。ステップS123において所定時間経過していないと判断された場合、ステップS123の判断が繰り返される。ステップS123において所定時間経過したと判断された場合、ステップS124に進み、イオン発生装置10の運転が停止される。そして、ステップS125において、ファン9の運転が停止されることによりイオンを含む空気の循環が終了されるとともに、イオン送出装置201の運転が停止される。
【0104】
このように、第7実施形態では、使用者がイオン発生装置201の停止を指示した時に、ファン9やイオン発生装置10などの停止に先立って、イオンを含む空気を循環させる。
【0105】
なお、第7実施形態のその他の制御方法は、上記第6実施形態と同様である。
【0106】
また、第7実施形態のその他の効果は、上記第3および第6実施形態と同様である。
【0107】
(第8実施形態)
この第8実施形態では図14を参照して、上記第6および第7実施形態とは異なり、イオン送出装置201の運転開始時に空気を循環させる場合について説明する。なお、第8実施形態の構造は上記第6および第7実施形態と同様である。
【0108】
図14に示すように、ステップS131において、使用者により操作部3の運転スイッチが押下されると、イオン送出装置201の運転が開始される。ステップS132において、可動ルーバー202が閉じられ、ステップS133において、ファン9の運転が開始される。ステップS134において、イオン発生装置10の運転が開始される。これにより、イオンを含む空気の循環が開始される。
【0109】
そして、ステップS135において、可動ルーバー202が閉じてから所定時間(例えば10分間)経過したか否かが制御装置104により判断される。ステップS135において所定時間経過していないと判断された場合、ステップS135の判断が繰り返される。ステップS135において所定時間経過したと判断された場合、ステップS136に進み、可動ルーバー202が開かれる。これにより、イオンを含む空気の循環が終了される。
【0110】
その後、ステップS137において、イオン送出装置201の運転を継続するか否かが制御装置104により判断される。ステップS137において運転を継続すると判断された場合、ステップS137の判断が繰り返される。
【0111】
ステップS137において運転を停止すると判断された場合、ステップS138に進む。その後、ステップS138において、イオン発生装置10の運転が停止され、ステップS139において、ファン9の運転が停止される。そして、ステップS140において、可動ルーバー202が閉じられて、イオン送出装置201の運転が停止される。
【0112】
このように、第8実施形態では、使用者がイオン発生装置201の運転開始を指示した時に、最初の一定時間だけイオンを含む空気を循環させる。
【0113】
なお、第8実施形態のその他の制御方法は、上記第6実施形態と同様である。
【0114】
また、第8実施形態のその他の効果は、上記第4および第6実施形態と同様である。
【0115】
(第9実施形態)
この第9実施形態では図15を参照して、上記第6〜第8実施形態とは異なり、使用者が選択した吹出し風量(運転モード)に応じて、空気の循環を切り換える場合について説明する。なお、第9実施形態のその他の構造は上記第6実施形態と同様である。
【0116】
図15に示すように、ステップS141において、使用者により操作部3の運転スイッチおよび風量設定ボタンが押下されると、イオン送出装置201の運転が開始される。ステップS142において、可動ルーバー202が開かれ、ステップS143において、イオン発生装置10の運転が開始される。ステップS144において、ファン9の運転が開始される。
【0117】
そして、制御装置104により運転モードが検出され、運転モードが「強」運転である場合は、ステップS145aに進み、ファン9の送風量を多くする。その後、ステップS146aにおいて、イオン送出装置201の運転を継続するか否かが制御装置104により判断される。ステップS146aにおいて運転を継続すると判断された場合、ステップS147aに進む。そして、ステップS147aにおいて、イオン送出装置201の運転時間が所定時間(例えば3時間)経過したか否かが制御装置104により判断される。
【0118】
ステップS147aにおいて運転時間が所定時間経過していないと判断された場合、ステップS146aに戻る。一方、ステップS147aにおいて運転時間が所定時間経過したと判断された場合、ステップS148aに進み、可動ルーバー202が閉じられる。これにより、イオンを含む空気の循環が開始される。
【0119】
その後、ステップS149aにおいて、可動ルーバー202が閉じてから所定時間(例えば10分間)経過したか否かが制御装置104により判断される。ステップS149aにおいて所定時間経過していないと判断された場合、ステップS149aの判断が繰り返される。ステップS149aにおいて所定時間経過したと判断された場合、ステップS150aに進み、可動ルーバー202が開かれて、ステップS146aに戻る。これにより、イオンを含む空気の循環が終了される。
【0120】
ステップS146aにおいて運転を停止すると判断された場合、ステップS151に進む。
【0121】
また、制御装置104により検出された運転モードが「弱」運転である場合は、ステップS145bに進み、ファン9の送風量を少なくする。この後のステップS146b、S148b〜S150bの制御方法はステップS146a、S148a〜S150aの制御方法と同様である。すなわち、ステップS146bにおいて、イオン送出装置201の運転を継続するか否かが制御装置104により判断される。ステップS146bにおいて運転を継続すると判断された場合、ステップS147bに進む。そして、ステップS147bにおいて、イオン送出装置201の運転時間が所定時間(例えば6時間)経過したか否かが制御装置104により判断される。
【0122】
ステップS147bにおいて運転時間が所定時間経過していないと判断された場合、ステップS146bに戻る。一方、ステップS147bにおいて運転時間が所定時間経過したと判断された場合、ステップS148bに進み、可動ルーバー202が閉じられる。これにより、イオンを含む空気の循環が開始される。
【0123】
その後、ステップS149bにおいて、可動ルーバー202が閉じてから所定時間(例えば10分間)経過したか否かが制御装置104により判断される。ステップS149bにおいて所定時間経過していないと判断された場合、ステップS149bの判断が繰り返される。ステップS149bにおいて所定時間経過したと判断された場合、ステップS150bに進み、可動ルーバー202が開かれて、ステップS146bに戻る。これにより、イオンを含む空気の循環が終了される。
【0124】
ステップS146bにおいて運転を停止すると制御装置104により判断された場合、ステップS151に進む。
【0125】
その後、ステップS151において、イオン発生装置10の運転が停止され、ステップS152において、ファン9の運転が停止される。そして、ステップS153において、可動ルーバー202が閉じられて、イオン送出装置201の運転が停止される。
【0126】
なお、第9実施形態のその他の制御方法は、上記第6実施形態と同様である。
【0127】
また、第9実施形態の効果は、上記第5および第6実施形態と同様である。
【0128】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0129】
例えば、上記実施形態では、空気調和機をイオン送出装置に適用した例について示したが、本発明はこれに限らない。エアーコンディショナー、加湿器、空気清浄機などの空気調和機にも適用可能である。
【0130】
また、上記実施形態では、H+(H2O)mを含む正イオンと、O2-(H2O)nを含む負イオンとを発生するイオン発生装置を用いた例ついて説明したが、本発明はこれに限らず、正イオンおよび負イオンのいずれか一方を発生するイオン発生装置を用いてもよい。この場合、送風路、ケーシングおよびファンなどの材質によって帯電しやすい極性が異なるので、その反対の極性のイオンを発生するイオン発生装置を用いればよい。ただし、殺菌および脱臭効果は正イオンおよび負イオンが反応することにより得られるので、いずれか一方の極性のイオンを発生するイオン発生装置を用いた場合、殺菌および脱臭効果はほとんど得られない。
【0131】
なお、いずれか一方の極性のイオンを発生させる場合において、イオン送出装置の運転開始時にイオンを含む空気を循環させると、送風路などを逆帯電させることが可能である。これにより、運転開始から一定期間、送風路などに生じる帯電を中和することが可能である。
【0132】
また、上記実施形態では、例えば、イオン送出装置を168時間、3時間または6時間運転させたときにイオンを含む空気を循環させた例について示したが、本発明はこれに限らない。塵埃の堆積速度や雑菌の繁殖速度は使用環境等によって異なるので、イオンを含む空気を循環させるまでの運転時間は変更可能であることが好ましい。
【0133】
また、上記第2〜第5実施形態では、ダンパー(開閉弁)を、分岐経路の入口を開閉するように構成した例について示したが、本発明はこれに限らず、分岐経路の出口または途中の部分を開閉するように構成してもよい。
【符号の説明】
【0134】
1、101、201 イオン送出装置(空気調和機)
5 吸込口
7 吹出口
8 送風路
9 ファン(送風機)
10 イオン発生装置
11 分岐経路
102 ダンパー(開閉弁)
202 可動ルーバー(ルーバー)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気を吸い込む吸込口と、
空気を吹き出す吹出口と、
前記吸込口および前記吹出口を連結する送風路と、
前記送風路に設けられた送風機と、
前記送風機の下流側に配置され、イオンを発生するイオン発生装置と、
を備え、
前記イオン発生装置が発生したイオンを含む空気は、前記送風機側に還流されることを特徴とする空気調和機。
【請求項2】
前記送風路の前記イオン発生装置よりも下流側の部分に分岐経路が設けられ、
前記分岐経路は前記送風路の前記送風機よりも上流側の部分に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記分岐経路には前記分岐経路を開閉する開閉弁が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記吹出口には前記吹出口を開閉するルーバーが設けられ、
前記ルーバーが前記吹出口を閉じた状態で、前記イオンを含む空気は前記送風機側に還流されることを特徴とする請求項1に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記イオン発生装置はH+(H2O)m(mは任意の自然数)を含む正イオンと、O2-(H2O)n(nは任意の自然数)を含む負イオンとを発生することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−159232(P2012−159232A)
【公開日】平成24年8月23日(2012.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−18721(P2011−18721)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】