説明

空気調和機

【課題】清浄機能の低下を抑制できる空気調和機を提供する。
【解決手段】本体と、本体に対して着脱可能な放電ユニット(50)とを備える。放電ユニット(50)は、放電針(156)と、清掃部材(153)と、駆動部材(154)とを有する。放電針(156)は、放電を行う。清掃部材(153)は、放電針(156)に接触して放電針(156)の先端に付着した付着物を清掃する。駆動部材(154)は、清掃部材(153)を駆動して放電針(156)に一時的に接触させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、室内から取り込んだ空気中の浮遊物(臭気成分、塵埃、菌、ウィルス等)の除去・分解を行うことで、清浄化した空気を室内へ吹き出すような清浄機能を有する空気調和機が存在している。
【0003】
例えば、特許文献1(特開2005−300111号公報)に開示の空気調和機では、針状の放電針を有する放電極、対向極等から構成される放電部で活性種を生成している。そして、活性種が室内から取り込んだ空気中に供給されることにより、浮遊物の除去・分解力を高めている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示の空気調和機では、放電部を通過する空気中の浮遊物が放電針に付着してしまうことが考えられる。放電針に付着物が付着すると、放電の発生が阻害され清浄機能が低下することが懸念される。よって、当該状況を抑制できることが好ましい。
【0005】
そこで、本発明の課題は、清浄機能の低下を抑制できる空気調和機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1観点に係る空気調和機は、本体と、本体に対して着脱自在な放電ユニットとを備える。放電ユニットは、放電部材と、清掃部材と、駆動部材とを有する。放電部材は、放電を行う。清掃部材は、放電部材に接触して放電部材の先端に付着した付着物を清掃する。駆動部材は、清掃部材を駆動して放電部材に一時的に接触させる。
【0007】
本発明の第1観点に係る空気調和機では、放電部材と清掃部材とがユニット化されていることによって、両者の位置精度を高く保つことができる。よって、清掃部材による付着物の清掃を的確に行うことができる。よって、清浄機能の低下を抑制できる。
【0008】
本発明の第2観点に係る空気調和機は、本発明の第1観点に係る空気調和機であって、放電ユニットは、放電部材に対し略平行に配置される対向極をさらに有する。また、駆動部材は、清掃部材を、対向極に対して略平行となる状態で駆動する。
【0009】
本発明の第2観点に係る空気調和機では、対向極が放電部材に対し略平行に配置され、清掃部材が対向極に対して略平行となる状態で駆動されることにより、放電針と対向極との距離を極力一定に保つことができる。
【0010】
本発明の第3観点に係る空気調和機は、本発明の第1観点又は第2観点に係る空気調和機であって、駆動部材は、放電ユニットが本体に着脱されるときに駆動される。
【0011】
本発明の第3観点に係る空気調和機では、放電ユニットの本体への着脱時に清掃部材が放電部材の清掃を行う。ここでは、放電ユニットの本体への着脱が行われる度に、簡易に、付着物の清掃を行うことができる。
【0012】
本発明の第4観点に係る空気調和機は、本発明の第1観点〜第3観点のいずれかに係る空気調和機であって、駆動部材は、清掃部材を、所定軸を中心として回動する。
【0013】
本発明の第4観点に係る空気調和機では、清浄機能の低下を抑制できる。
【0014】
本発明の第5観点に係る空気調和機は、本発明の第3観点に係る空気調和機であって、本体には、放電ユニットを本体へ取り付けるための案内部が形成される。案内部は、駆動部材を駆動させ、非接触状態案内部と、接触状態変更部とを有する。非接触状態案内部は、清掃部材を、放電部材に接触しない非接触状態へと案内する。接触状態変更部は、清掃部材を、非接触状態から放電部材に接触する接触状態へと変更可能である。
【0015】
本発明の第5観点に係る空気調和機では、案内部が形成されることにより、放電ユニットを本体へ取り付けやすくなる。また、案内部が駆動部材を駆動させることにより、駆動部材を駆動させる機構等を設けずにすみ、コストを抑制できる。
【0016】
本発明の第6観点に係る空気調和機は、本発明の第1観点〜第4観点のいずれかに係る空気調和機であって、駆動部材は、手動又は自動で駆動される。
【0017】
本発明の第6観点に係る空気調和機では、清浄機能の低下を抑制できる。
【0018】
本発明の第7観点に係る空気調和機は、本発明の第1観点〜第6観点のいずれかに係る空気調和機であって、放電針の直径は、0.3mm以下である。
【0019】
ここで、放電針と対向極との距離は、一定に保たれることが好ましいが、放電針のような細径のものは、曲がりやすいと考えられる。このため、放電針と対向極との距離が変わってしまうことが懸念される。
【0020】
そこで、本発明の第7観点に係る空気調和機では、放電針のような細く曲がりやすいものであっても、放電針と対向極とを略平行に配置し、清掃部材を対向極に対して略平行となる状態で駆動するようにしているので、放電針と対向極との距離を極力一定に保つことができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明の第1観点に係る空気調和機では、清浄機能の低下を抑制できる。
【0022】
本発明の第2観点に係る空気調和機では、放電針と対向極との距離を極力一定に保つことができる。
【0023】
本発明の第3観点に係る空気調和機では、放電ユニットの本体への着脱が行われる度に、簡易に、付着物の清掃を行うことができる。
【0024】
本発明の第4観点に係る空気調和機では、清浄機能の低下を抑制できる。
【0025】
本発明の第5観点に係る空気調和機では、放電ユニットを本体へ取り付けやすくなる。また、コストを抑制できる。
【0026】
本発明の第6観点に係る空気調和機では、清浄機能の低下を抑制できる。
【0027】
本発明の第7観点に係る空気調和機では、放電針のような細径のものであっても、放電針と対向極との距離を極力一定に保つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の一実施形態に係る空気調和機の概略の外観斜視図。
【図2】空気調和機の分解斜視図。
【図3】前面パネル及び取付ユニットを外した状態の空気調和機の概略の正面図。
【図4】取付ユニットの分解斜視図。
【図5】蓋部の下面図。
【図6】放電ユニットの内部の平面図。
【図7】放電ユニットを正面側から視た斜視図。
【図8】放電ユニットを背面側から視た斜視図。
【図9】清掃部材がホームポジションを採っている状態を示すための、図7の一部の拡大図。
【図10】清掃部が接触状態を採っている状態を示す、図7の一部の拡大図。
【図11】放電針の湾曲状態を示す、清掃部材及び放電針の前面図。
【図12】変形例1Cに係る駆動部材を示す放電ユニットケーシングの斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る空気調和機1について説明する。
【0030】
(1)空気調和機1の概略構成
図1は、本発明の一実施形態に係る空気調和機1の概略の外観斜視図である。図2は、空気調和機1の分解斜視図である。図3は、前面パネル20及び取付ユニット4を外した状態の空気調和機1の概略の正面図である。図4は、取付ユニット4の分解斜視図である。図5は、蓋部42の下面図である。なお、以下の説明において、上、下、左、右、正面(前)、背面(後)といった方向を示す語句を用いているが、これらの方向は、特にことわりのない限り、図1に示す方向を意味する。
【0031】
空気調和機1は、設置される空調空間(例えば、室内)の空気を清浄する空気清浄機能を有する。空気調和機1は、床置き型であり、図1や図2に示すように、本体10と、前面パネル20と、放電ユニット50とから構成される。
【0032】
(1−1)本体10
本体10は、図1に示すように、略直方体形状を有する。
【0033】
本体10には、空調空間の空気を吸い込むための吸込口11a(図3を参照),11b(図1を参照)が形成されている。具体的には、吸込口11a,11bは、本体10の両側面にそれぞれ形成されている。また、本体10に前面パネル20が取り付けられた状態において、本体10と前面パネル20との間には吸込空間11cが形成されている。具体的には、吸込空間11cは、本体10の前方の下方部分且つ前面パネル20の後方の下方部分に形成される。吸込空間11cは、吸込口11a、11bと共に、空調空間の空気を吸い込む吸込口として機能する。すなわち、空気調和機1は、側方及び下方から空調空間の空気を吸い込んでいる。また、本体10には、清浄化した空気を空調空間に吹き出すための吹出口12が形成されている。具体的には、吹出口12は、本体10の上後方部分に形成されている。空気調和機1では、吸込口11a,11b及び吸込空間11cを介して本体10内に吸い込まれた空気は、本体10の内部において清浄化され、清浄化された空気は、吹出口12を介して本体10外に排出される。なお、以下では、吸込口11a,11b及び吸込空間11cを介して本体10内に吸い込まれ、吹出口12を介して本体10外に吹き出される空気をメイン空気流(適宜、メイン空気流Aと示す、図2を参照)という。
【0034】
また、本体10には、複数の小径の活性種供給開口13(図2や図3を参照)が形成されている。これについては、後に説明する。なお、図2では、全ての活性種供給開口13を示していない。
【0035】
本体10の内部には、主として、空気清浄ユニット2と、ファン3と、取付ユニット4と、制御ユニット(図示せず)とが配置されている。以下、これらについて説明する。
【0036】
(1−1−1)空気清浄ユニット2
空気清浄ユニット2は、図2に示すように、主として、第1プレフィルタ(図示せず)と、イオン化部22と、第2プレフィルタ23と、HEPAフィルタ24と、脱臭フィルタ25とを有している。これらは、メイン空気流Aの上流側から下流側にかけて順に配置されている。
【0037】
第1プレフィルタは、吸込口11a,11b中に設けられており、吸込口11a,11bから吸い込まれた空気中の比較的大きな塵埃を捕捉する。
【0038】
イオン化部22は、第1プレフィルタで捕捉されなかった塵埃を帯電させる。具体的には、イオン化部22では、一対の対向電極とその対向電極との間に配置されるイオン化線との間で放電を発生させることによって、塵埃を帯電させている。
【0039】
第2プレフィルタ23は、吸込口11a,11b及び吸込空間11cから吸い込まれた空気中の比較的大きな塵埃を捕捉する。
【0040】
HEPAフィルタ24は、イオン化部22で帯電された塵埃を吸着したり、吸込空間11cから吸い込まれて第2プレフィルタ23を通過した空気中の塵埃を吸着したりする。
【0041】
脱臭フィルタ25は、活性炭などを含んでおり、第1プレフィルタ、イオン化部22、第2プレフィルタ23、及び、HEPAフィルタ24を通過した空気中のニオイや有毒ガスを吸着して分解する。
【0042】
(1−1−2)ファン3
ファン3は、空気清浄ユニット2のメイン空気流下流側に配置され、本体10の背面側部分に取り付けられる。ファン3は、メイン空気流Aを生成する機能を有する。具体的には、ファン3は、シロッコファンであり、空気清浄ユニット2を通過した空気を、回転軸が延びる方向から吸い込み、回転軸方向に対して鉛直方向に延びる方向に吹き出す。
【0043】
(1−1−3)取付ユニット4
取付ユニット4は、空気清浄ユニット2及びファン3の上方に配置される。具体的には、図3に示すように、本体10には、空気清浄ユニット2及びファン3の上方に、取付ユニット4を収容する収容空間S1が形成されている。取付ユニット4は、この収容空間S1に収容されてネジ止め等で固定されることで、本体10に収容されている。取付ユニット4には、その後方から、吹出口12から吹き出されるメイン空気流Aの一部である分流A1(図2や図4)が流入する。なお、図4に示す矢印は、分流A1の流れを示している。
【0044】
取付ユニット4は、図4に示すように、取付ユニット本体40を有する。取付ユニット本体40は、本体部41と、本体部41に取り付けられてネジ止めによって固定される蓋部42とを有する。
【0045】
本体部41の背面の中央の領域には、分流A1を取付ユニット4に流入させるための流入口43が形成されている。また、本体部41の中央部且つ後方の領域には、流入口43を介して取付ユニット4に流入した分流A1を放電ユニット50及び後述する接点部収容空間S2,S3に案内するための分流案内部44が形成されている。分流案内部44は、分流A1の空気流れ上流側から下流側にかけて上方に傾斜している。
【0046】
また、取付ユニット4には、複数の空間が形成されている。複数の空間のうち、分流案内部44を挟んだ両側には、上述した接点部収容空間S2,S3が位置している。接点部収容空間S2,S3は、固定接点部47a,47bを収容する空間である。また、複数の空間のうち、本体部41の中央部分且つ前方部分には、放電ユニット50が収容される放電ユニット収容空間S4が位置している。
【0047】
接点部収容空間S2,S3と放電ユニット収容空間S4とは隣接している。また、分流A1の空気流れ上流側から下流側にかけて順に、接点部収容空間S2,S3、放電ユニット収容空間S4が位置している。接点部収容空間S2,S3と、放電ユニット収容空間S4とは、仕切り板45によって仕切られている。仕切り板45には、放電ユニット50の差込接点部165a,165b(後述する)を差込可能な差込開口46a,46bが形成されている。
【0048】
また、本体部41には、放電ユニット50を通過する分流A1を分流路(図示せず)へ導くための開口が形成されている(図4では、本体部41の左部に形成される開口49のみ示すが、右部にも形成されている)。分流路とは、上述の活性種供給開口13に連通する空気流路であり、空気清浄ユニット2の両側に形成されている。また、活性種供給開口13とは、メイン空気流Aに、活性種が供給された分流A1を導くための開口である。開口49及び分流路によって、放電ユニット50を通過する際に活性種が供給された分流A1が、活性種供給開口13へと導かれている。
【0049】
蓋部42には、図5に示すように、放電ユニット50を放電ユニット収容空間S4に収容するための案内部48が形成されている。案内部48については、後に詳述する。
【0050】
(1−1−4)制御ユニット
制御ユニットは、ユーザが操作可能な操作部(図示せず)の下方に位置する複数の電装品から構成され、本体10内の各種機器の動作を制御する。具体的には、制御ユニットは、操作部を介して入力されるユーザの指示に基づいて、空気清浄ユニット2、ファン3等を制御する。
【0051】
(1−2)前面パネル20
前面パネル20は、図1に示すように、空気調和機1の前面を形成する部材であり、本体10の前方から本体10に対して取り付けられる。前面パネル20は、本体10の前面に対して着脱されることで本体10を開放/遮蔽する機能を有する。
【0052】
(1−3)放電ユニット50
図6は、放電ユニット50の内部の平面図である。図7は、放電ユニット50を正面側から視た斜視図である。図8は、放電ユニット50を背面側から視た斜視図である。
【0053】
放電ユニット50は、ストリーマ放電を生起させることにより活性種を生成して、放電ユニット50を通過する分流A1に活性種を供給する。放電ユニット50によって活性種が供給された分流A1は、活性種供給開口13を介してメイン空気流Aに吹き出されて合流する。具体的には、活性種が供給された分流A1は、活性種供給開口13を介して、第2プレフィルタ23を通過する前の空気流に吹き出される。
【0054】
放電ユニット50は、本体10に対して着脱自在であり、図6〜図8に示すように、放電ユニットケーシング51から構成される。放電ユニットケーシング51は、樹脂から構成された直方体形状の部材であり、放電ユニット収容空間S4に合致する外形を有している。また、放電ユニットケーシング51は、複数の(ここでは、2つの)部材から構成されている。複数の部材は、ネジ止め等によって接続されており、放電ユニットケーシング51の内部の点検等は、複数の部材を接続するネジを外すことで可能になる。
【0055】
放電ユニット50は、主として、放電部152と、清掃部材153と、駆動部材154と、差込接点部165a,165bとを有している。放電部152及び清掃部材153は、放電ユニットケーシング51内に収容されている。駆動部材154は、放電ユニットケーシング51の外面(具体的には、背面)に取り付けられている。
【0056】
(1−3−1)放電部152
放電部152は、ストリーマ放電を生起し活性種を生成する主要部であり、放電極152aと、対向極152bとを有する。
【0057】
(1−3−1−1)放電極152a
放電極152aは、金属板155と、放電針156とを有する。
【0058】
金属板155は、略直方形状を有し、放電ユニットケーシング51の背面に略平行となるように取り付けられている。すなわち、金属板155は、幅広で長尺の平面部155dが水平方向(前後方向)を向くように取り付けられている。この金属板155は、複数の(ここでは、2つの)ネジ157,157によって、その両端が放電ユニットケーシング51の背面にネジ付けされることによって、放電ユニットケーシング51に取り付けられている。また、金属板155には、放電極152aに電圧を供給するための差込接点部165aが接続されている。差込接点部165aは、放電ユニットケーシング51の外面よりも外方に突出する位置まで延びている。差込接点部165aは、その周りを、第1絶縁部材(図示せず)によって覆われている。
【0059】
また、金属板155には、複数の(ここでは、3つの)切り起こし部155a,155b,155cが形成されている。切り起こし部155a,155b,155cは、長尺で幅広の平面部155dから前方に向かって(具体的には、対向極152bの水平面に対して鉛直方向に)延びている。
【0060】
放電針156は、放電を行う放電部材である。放電針156は、細径の円柱形状を有し、弾性変形可能な金属部材(具体的には、例えば、タングステン等)から構成される。放電針156は、切り起こし部155a,155b,155cのそれぞれ両側部分から側方に向かって(左右方向に)延びている。具体的には、放電針156は、金属板155に対して略平行に延びている。放電針156の直径は、0.3mm以下であり、好ましくは、0.2mm以下である。また、放電針156の長さは、3.0mm〜3.5mmが好ましい。当該放電針156に電圧が印加されることによって、対向極152bとの間でストリーマ放電が生じるようになっている。
【0061】
(1−3−1−2)対向極152b
対向極152bは、金属板から構成されており、放電極152aよりも大きな略長方形の外形を有する。対向極152bは、放電極152aと離間して配置されるように、且つ、放電極152aに対向するように(具体的には、略平行となるように)、配置される。また、対向極152bは、放電針156とも略平行になるように配置されている。具体的には、対向極152bは、複数の(ここでは、2つの)ネジ158,158によって、その両端が放電ユニットケーシング51の前面にネジ付けされている。対向極152bには、対向極152bに電圧を供給するための差込接点部165bが接続されている。差込接点部165bは、放電ユニットケーシング51の外面よりも外方に突出する位置まで延びている。差込接点部165bは、その周りを、第2絶縁部材(図示せず)によって覆われている。
【0062】
(1−3−2)清掃部材153
清掃部材153は、放電極152aの放電針156を清掃する役割を有する。清掃部材153は、樹脂から構成され、平板形状を有する。本実施形態では、清掃部材153は、2つある。清掃部材153は、後述する駆動部材154の駆動軸154aの先端部分の両側から、側方に向かって延びる。清掃部材153は、その両側に放電針156が位置するように配置されており、清掃部材153の延びる方向と、放電針156の延びる方向とは、略平行となっている。清掃部材153は、左右方向に延びる幅広の平面部153bが、上下方向に向く状態で、駆動軸154aに接続されている。清掃部材153は、平面視において、放電針156の先端部と重なるように位置している。ここで、放電針156の先端部とは、放電針156の先端から内側に向かって1〜1.5mmの位置までをいう。
【0063】
清掃部材153は駆動軸154aを中心として回動可能であり、当該回動によって、放電針156の先端に付着した付着物を清掃している。
【0064】
(1−3−3)駆動部材154
駆動部材154は、樹脂から構成され、清掃部材153を駆動する。具体的には、駆動部材154は、駆動軸154aと、ギア154bと、ギア駆動部154cとを有する。
【0065】
(1−3−3−1)駆動軸154a
駆動軸154aは、円柱形状を有し、前後方向に延びる。駆動軸154aは、一方の先端部に清掃部材153が接続され、他方の先端部に、ギア154bが接続される。駆動軸154aは、放電極152aの金属板155に形成される開口155eを貫通して、放電極152aの前方且つ対向極152bの後方の位置まで延びている。
【0066】
(1−3−3−2)ギア154b
ギア154bは、1つの清掃部材153に対して1つ設けられる。ギア154bは、駆動軸154aに直接接続されて、駆動軸154aを中心に回動可能に構成される。
【0067】
(1−3−3−3)ギア駆動部154c
ギア駆動部154cは、略半円形状を有し、2つのギア154b及び放電ユニットケーシング51の背面に取り付けられる。具体的には、ギア駆動部154cは、略半円形状部159と、凸部160とを有している。
【0068】
略半円形状部159には、開口159a,159bが形成されており、当該開口159a,159bに駆動軸154aが嵌まることで、ギア154bがギア駆動部154cに取り付けられている。また、放電ユニットケーシング51の背面には、ギア駆動部154cの軸部161を取り付けるための開口(図示せず)が形成されており、軸部161が当該開口に嵌まることでギア駆動部154cは放電ユニットケーシング51の背面に取り付けられている。
【0069】
また、略半円形状部159の内面(具体的には、放電ユニットケーシング51の背面に対向する側の面)には、その周部に、2つのギア154bと噛み合う、噛み合いギア(図示せず)が形成されている。
【0070】
凸部160は、略半円形状部159の外面に、外方に突出するように形成されている。凸部160は、軸部161を中心として回動する。
【0071】
この凸部160が駆動されると、ギア駆動部154cが駆動される。ギア駆動部154cが駆動されると、噛み合いギアに噛み合うギア154bが駆動される。そして、このギア154bの駆動により、清掃部材153が駆動軸154aを中心として回動するようになっている。
【0072】
ここで、放電ユニットケーシング51の背面部分であって中央領域には、ギア駆動部154cの外形よりも大きい略扇形形状の駆動部材空間S6が形成されるように、少し内側に窪んだ構成となっている。これにより、当該駆動部材空間S6に、駆動部材154が配される。駆動部材空間S6は、凸部160の回動範囲が規制されるように形成されている。このため、ギア駆動部154cは、凸部160の回動可能な範囲で、軸部161を中心として回動する。
【0073】
(1−3−4)差込接点部165a,165b
差込接点部165a,165bは、差込開口46a,46bに差し込まれて、固定接点部47a,47bと接触することにより、接点部を形成する。すなわち、差込接点部165a,165bと固定接点部47a,47bとの接触状態において、放電部152に電圧が供給されるようになる。差込接点部165a,165bと、固定接点部47a,47bとが接触した接触状態は、放電ユニット50が放電ユニット収容空間S4に収容されている状態において形成される。
【0074】
(2)案内部48及びギア駆動部154c
放電ユニット50は、図7の状態で、前方から後方へと移動することで、放電ユニット収容空間S4に収容されていく。ここで、取付ユニット4の蓋部42には、上述したように、案内部48が形成されている。当該案内部48は、放電ユニット50のギア駆動部154cを案内することによって、放電ユニット50を放電ユニット収容空間S4へと収容しやすくしている。
【0075】
また、案内部48は、放電ユニット50を放電ユニット収容空間S4へと収容するのを容易にする機能だけではなく、清掃部材153が放電針156(具体的には、先端部)に接触する接触状態と、清掃部材153が放電針156(具体的には、先端部)に接触しない非接触状態とを切り替える役割も兼ねている。すなわち、案内部48は、駆動部材(具体的には、ギア駆動部154c)を駆動させる駆動部材駆動部として機能する。
【0076】
具体的には、案内部48は、図5に示すように、清掃部材153を放電針156に接触しない非接触状態へと導く非接触状態案内部48aと、清掃部材153を放電針156へと接触する状態へと変更する接触状態変更部48bとを有する。ここで、清掃部材153を非接触状態にするのは、放電針156を清掃する際に、放電針156に対しての当たりをよくするためである。
【0077】
非接触状態案内部48aは、離間して配置される2つの板状の板状部148a,148bから構成される。板状部148a,148bは、蓋部42の下面から下方に突出している。また、板状部148aと板状部148bとは、前方から後方にかけてその間の距離が短くなるように配置されている。具体的には、板状部148aは、当該背面に対して斜めの方向に延びている。板状部148bは、放電ユニットケーシング51の背面に対して垂直方向に延びている。
【0078】
非接触状態案内部48aは、板状部148aの内面に、ギア駆動部154cの凸部160の先端部を接触させてその内面に沿って凸部160の先端部を動かす(回動させる)ことによって、清掃部材153をホームポジションへと導いている。ここで、清掃部材153のホームポジションとは、放電針156の延びる方向に対して略直交する方向に延びる状態になる位置である。すなわち、清掃部材153のホームポジションにおいては、放電針156と清掃部材153との間の角度は、約90°である。非接触状態案内部48aは、ギア駆動部154cの凸部160をP位置に案内することによって、清掃部材153をホームポジションへと導いている。凸部160を最終的にP位置に位置するようにするのは(すなわち、凸部160がP位置を越えて移動しないように規制する役割を有するのは)、板状部148bの後方部である。
【0079】
以上のように、本実施形態では、放電ユニット50を放電ユニット収容空間S4に収容する際、凸部160がどのような位置にあったとしても、非接触状態案内部48aによって、P位置に動くようになっている。すなわち、放電ユニット50を放電ユニット収容空間S4に収容する際、清掃部材153がどのような状態を採っていたとしても、図5の実線の矢印に示すように、非接触状態案内部48aによってホームポジションに導かれるようになっている。
【0080】
接触状態変更部48bは、離間して配置される2つの板状の板状部148c,148dから構成される。板状部148c,148dは、蓋部42の下面から下方に突出している。また、板状部148cと板状部148dとは、略平行の位置関係を採る。板状部148c,148dは、非接触状態案内部48aの板状部148aが延びる方向に対して直交する方向に延びている。
【0081】
接触状態変更部48bは、板状部148c,148dの内面に、ギア駆動部154cの凸部160の先端部を接触させてその内面に沿って凸部160の先端部を動かす(回動させる)(図5の点線を参照)ことによって、清掃部材153を回動させる。具体的には、接触状態変更部48bは、清掃部材153を180°回動させるように、凸部160の先端部を動かす。すなわち、接触状態変更部48bも清掃部材153をホームポジションへと案内する非接触状態案内部としての機能を有している。よって、凸部160が接触状態変更部48bの内面に沿って後方へと移動していく過程では、清掃部材153は、放電針156に接触する接触状態を経て、最終的にホームポジションへと戻るようになっている。
【0082】
なお、放電ユニット50が放電ユニット収容空間S4から外されるときは、清掃部材153は、上記と逆に動く。すなわち、清掃部材153は、ホームポジションから、接触状態を経て、再度、ホームポジションへと戻る。
【0083】
以上のように、本実施形態では、放電ユニット50が、放電ユニット収容空間S4に収容される又は放電ユニット収容空間S4から外されるときに(すなわち、放電ユニット50が本体10に着脱されるときに)、清掃部材153が一時的に放電針156の先端部に接触して放電針156の先端部の清掃を行う。なお、清掃部材153の放電針156に対する清掃動作については、後に詳述する。
【0084】
(3)空気調和機1の動作
ファンモータの駆動によりファン3が回転している状態では、上述したメイン空気流Aが生成される。具体的には、まず、空調空間の空気が本体10の吸込口11a,11b及び吸込空間11cを介して本体10内に流入する。そして、吸込口11a,11b及び吸込空間11cを介して本体10内に流入した空気流は、空気清浄ユニット2を通過する際に、比較的大きな塵埃、微細な塵埃、ニオイ等が除去される。ここで、放電ユニット50を通過することによって活性種が供給された分流A1が、第2プレフィルタ23を通過する前の空気流に吹き出されるので、第2プレフィルタ23を通過する空気流は活性種を含んでいる。よって、第2プレフィルタ23よりもメイン空気流下流側に位置するHEPAフィルタ24や脱臭フィルタ25に吸着された塵埃やニオイは、第2プレフィルタ23を通過した空気流に含まれる活性種によって分解される。
【0085】
そして、空気清浄ユニット2で清浄化された空気流は、ファン3の回転軸方向から、ファン吸込口(図示せず)を介して、ファン3に流入する。ファン3に流入した空気流は、上方に方向転換され、ファン導出口(図示せず)を介して吹出口12へと導かれる。吹出口12へと導かれた空気流は、吹出口12を介して上方に吹き出される、すなわち、本体10の外部である空調空間に供給される。なお、当該吹出口12を介して吹き出された空気流の一部は、ファン3の風圧によって、分流A1として流入口43を介して取付ユニット4へと流れる。取付ユニット4へと流れた分流A1は、放電ユニット50を通過して、開口49を介して分流路へと流れる。分流路へ流れた分流A1は、活性種供給開口13を介して第2プレフィルタ23を通過する前の空気流に合流する。
【0086】
(4)清掃部材153の放電針156に対する清掃動作
図9〜図11は、放電ユニット50が放電ユニット収容空間S4に収容されていく(本体10に取り付けられる)過程を示す図である。
【0087】
放電ユニット50が本体10から外された状態においては、放電ユニット50の凸部160や清掃部材153は、例えば、図7に示すような状態を採っている。
【0088】
この状態において、放電ユニット50が放電ユニット収容空間S4に入っていくと、凸部160の先端部は、まず、取付ユニット4の蓋部42に形成される案内部48(具体的には、非接触状態案内部48aの板状部148bの内面)に当たる。なお、放電ユニット50が本体10から取り外された状態において、元々凸部160が、清掃部材153がホームポジションを採るような位置にある場合は、凸部160の先端部が板状部148bに当たるのは、P位置にくるときである。
【0089】
そして、放電ユニット50が本体10側にさらに進んでいくと共に、凸部160は、板状部148bの内面に沿ってさらに後方に進んでいく。そして、凸部160は、板状部148aによって、最終的にP位置に位置する。なお、凸部160が回動すると、ギア154bや駆動軸154aを介して清掃部材153が回動し、最終的に凸部160がP位置にくると、清掃部材153がホームポジションを採るようになっている(図9を参照)。
【0090】
凸部160がP位置に位置している状態から、さらに放電ユニット50が本体10側に進むと、凸部160は、接触状態変更部48bによって(板状部148c,148dの内面に沿って)、後方へと移動する。そして、清掃部材153(具体的には、平面部153b)が、放電針156の先端部に接触する接触状態を採る(図10を参照)。ここでは、清掃部材153が放電針156の先端部に接触することによって、放電針156の先端部に付着した付着物にも接触する。これにより、清掃部材153は、放電針156の先端部に付着した付着物を除去できる。ここでは、清掃部材153は、放電針156と略平行の位置関係を保ったまま、放電針156の清掃を行っている。
【0091】
上記の接触状態から、さらに放電ユニット50が本体10側に進むと、凸部160が回動することによって、清掃部材153は、放電針156の先端部に押し当てられて放電針156を湾曲させる(図11を参照)。なお、以下では、放電針156の湾曲した状態を湾曲状態という。
【0092】
ここでは、放電針156は、対向極152bに対して略平行の状態を維持したまま、湾曲状態を採っている。すなわち、放電針156が湾曲状態を採ったとしても、放電針156と対向極152bとの距離d(図6を参照)はほぼ一定に保たれる。
【0093】
そして、さらに放電ユニット50が本体10側に進むことによって、清掃部材153が放電針156を通り過ぎる。清掃部材153が放電針156を通り過ぎていく過程では、放電針156が弾性変形可能な部材であることから、湾曲状態から元の状態(清掃部材153のホームポジション時の放電針156)へと変化する。ここでは、放電針156の弾性をさらに利用することにより、放電針156の先端部に付着した付着物を弾き飛ばして除去している。
【0094】
そして、放電ユニット50が本体10に対してさらに進んでいくと、凸部160は最終位置で停止する。この状態においては、放電ユニット50は本体10に取り付けられた状態になる。放電ユニット50が本体10に取り付けられた状態では、清掃部材153は、ホームポジションに戻っている。
【0095】
(5)特徴
(5−1)
空調空間の状態によっては、放電部を通過する空気中の浮遊物が放電針に付着してしまうことが考えられる。放電針に付着物が付着すると、放電の発生が阻害され清浄機能が低下することが懸念されるため、当該状況を抑制できることが好ましい。
【0096】
そこで、本実施形態では、放電を行う放電部材としての放電針156の先端に付着した付着物を清掃部材153が清掃して除去している。これにより、空気調和機1の清浄機能の低下を抑制できる。
【0097】
また、本実施形態では、放電ユニット50は、放電針156と清掃部材153とを有する。具体的には、放電ユニット50を構成する放電ユニットケーシング51に、放電針156と清掃部材153とは収容されている。より具体的には、放電針156と清掃部材153とは、放電ユニットケーシング51に取り付けられている。
【0098】
ここでは、放電針156と清掃部材153とが同ユニットに収容されることにより、両者の位置精度を高く保つことができる。また、両者の位置精度を高く保つことができることにより、清掃部材153が、より的確に放電針156に付着した付着物を清掃できる。また、両者の位置精度を高く保つことができることにより、清掃部材153による放電針156に対する損傷を極力抑制できる。
【0099】
(5−2)
特許文献1(特開2005−300111号公報)に開示のような放電を行うためには、放電針と対向極との距離が一定に保たれることが好ましい。
【0100】
そこで、本実施形態では、放電針156は、対向極152bに対して略平行に配置され、清掃部材153は、対向極152bに対して略平行となる状態で駆動される。
【0101】
これにより、放電針156が清掃部材153による清掃の際に曲げられたとしても、放電針156は、対向極152bと略平行の位置関係を保つことができる。すなわち、放電針156と対向極152bとの距離dを極力一定に保つことができる。
【0102】
(5−3)
本実施形態では、駆動部材154は、放電ユニット50が本体10に着脱されるときに、駆動される。すなわち、駆動部材154に接続される清掃部材153も、放電ユニット50が本体10に着脱されるときに、駆動する。
【0103】
よって、放電ユニット50の本体10への着脱は行われる度に、簡易に、放電針156の先端に付着した付着物の清掃を行うことができる。
【0104】
(5−4)
本実施形態では、本体10(具体的には、取付ユニット4の蓋部42)には、案内部48が形成されている。本体10に案内部48が形成されることにより、放電ユニット50を本体10へ取り付けやすくなる。
【0105】
また、本実施形態では、案内部48は、駆動部材154を駆動する駆動部材駆動部としても機能する。具体的には、案内部48は、非接触状態案内部48aと、接触状態変更部48bとを有しており、清掃部材153を、ホームポジションから、接触状態を経て、再度ホームポジションへと戻るように、駆動部材154を駆動している。これにより、簡易に、放電針156の先端に付着した付着物の清掃を行うことができる。また、清掃部材153のホームポジションが、放電針156と清掃部材153との間の角度が約90°となる位置であることから、接触状態になったときの放電針156への当たりをよくできる。よって、より放電針156に付着した付着物を除去できる。
【0106】
(5−5)
本実施形態では、案内部48によって駆動部材154は自動的に駆動される。
【0107】
よって、放電ユニット50の本体10への着脱が行われる度に、簡易に、駆動部材154を介して清掃部材153を駆動できる。
【0108】
(5−6)
放電針156のような細径(0.3mm以下であり、好ましくは、0.2mm以下である)のものは、曲がりやすいと考えられる。このため、従来の技術では、放電針156と対向極152bとの距離が変わってしまうことが懸念されるが、本実施形態では、放電針156と対向極152bとを略平行に配置し、清掃部材153を対向極152bに対して略平行に動くようにしているので、放電針156と対向極152bとの距離dを極力一定に保つことができる。
【0109】
(5−7)
本実施形態では、放電極152aは、幅広で長尺の平面部155dが水平方向(前後方向)を向くように配置されている。また、対向極152bも、同様の状態を採るように配置されている。
【0110】
よって、放電ユニット50を通過する分流A1中に浮遊物があったとして、放電極152aや対向極152bに浮遊物が付着したとしても、その付着物が下方に落ちやすくなっている。
【0111】
(6)変形例
以上、本発明の実施形態について図面に基づいて説明したが、具体的な構成は、上記の実施形態に限られるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で変更可能である。
【0112】
(6−1)変形例1A
上記実施形態では、放電針156は、弾性変形可能な部材から構成されると説明したが、これに限られるものでない。例えば、清掃部材153によってその先端部が押し当てられたときに、そのまま湾曲状態を保つような部材であってもよい。この場合、湾曲状態を保った放電針156は、放電ユニット50の本体10への取り付け時又は取り外し時に、再度、清掃部材153によって、曲がった方向と逆の方向に曲げられることになる。この場合、放電針156を湾曲状態から湾曲状態へと変化させているので、上記と同様に、放電針156の先端に付着した付着物を除去しやすい。
【0113】
(6−2)変形例1B
上記実施形態では、放電ユニット50の本体10への着脱時に、清掃部材153は、ホームポジションから180°回動してホームポジションへと戻ると説明したが、180°回動するものに限られない。ここでは、少なくとも、清掃部材153が接触状態と非接触状態とが変更されるように構成されていればよい。
【0114】
(6−3)変形例1C
図12は、変形例1Cに係る駆動部材254を示す放電ユニットケーシング51の斜視図である。
【0115】
上記実施形態では、駆動部材154は、案内部48によって駆動されると説明したが、これに限られるものではない。例えば、上記実施形態よりもコストはかかるが、本体10に駆動部材154を駆動させるための駆動部(図示せず)が設けられており、制御ユニットによって当該駆動部が駆動されることで、駆動部材154が駆動されてもよい。
【0116】
この場合の構成の例としては、図12に示すようなものが挙げられる。なお、この例では、駆動部材254は、駆動部材154と異なり、ギア駆動部154cを有していない。また、この例では、駆動部材254の駆動軸254aには、バネが巻きつけられている。
【0117】
ここでは、駆動軸254aにバネが巻きつけられていることにより、放電ユニット50が本体10から取り外された状態であっても、清掃部材253をホームポジションを採るように保持できる。
【0118】
また、駆動部材154は、ユーザ等が駆動できるように配置されていてもよい。すなわち、駆動部材154は手動によって駆動されてもよい。この場合、ユーザ等が放電針156の清掃を行いたい場合に有用である。
【0119】
また、図12に示すような駆動部材254に噛み合う噛み合いギアが、本体10に形成されていてもよい。この場合、放電ユニット50が本体10に取り付けられるときに、当該噛み合いギアによって駆動部材254が駆動されるような構成を採ってもよい。
【0120】
(6−4)変形例1D
上記実施形態以外にも、放電針156を清掃する清掃部材の構成は考えられる。例えば、清掃部材を放電針156の延びる延長線上に配置し、当該清掃部材が放電針156に対して動くような構成であってもよい。この場合、清掃部材は、例えば、放電針156の直径よりも大きい直径を有し中空の形状を有する部材であることが好ましい。このような構成であれば、清掃部材が放電針156に対して動いた場合に、中空を形成する清掃部材の内面が放電針156の先端部に付着した付着物に接触するので、当該付着物を除去しやすい。
【0121】
(6−5)変形例1E
上記実施形態では、空気清浄機能を有する床置き型の空気調和機に限って説明したが、これに限られるものではない。
【0122】
例えば、加湿機能や除湿機能をさらに有する空気調和機に適用してもよいし、天井に埋め込まれたり吊り下げられたりする天井取付型の空気調和機や、壁に埋め込まれたり取り付けられたりする壁取付型の空気調和機に適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0123】
本発明は、放電が行われる種々の空気調和機に適用可能である。
【符号の説明】
【0124】
1 空気調和機
10 本体
48 案内部(駆動部材駆動部)
48a 非接触状態案内部(非接触状態案内部)
48b 接触状態変更部
50 放電ユニット
152b 対向極
153 清掃部材
154 駆動部材
156 放電針(放電部材)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0125】
【特許文献1】特開2005−300111号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体(10)と、
前記本体に対して着脱自在な放電ユニット(50)と、
を備え、
前記放電ユニットは、
放電を行う放電部材(156)と、
前記放電部材に接触して前記放電部材の先端に付着した付着物を清掃する清掃部材(153)と、
前記清掃部材を駆動して前記放電部材に一時的に接触させる駆動部材(154)と、
を有する、
空気調和機(1)。
【請求項2】
前記放電ユニットは、前記放電部材に対し略平行に配置される対向極(152b)をさらに有し、
前記駆動部材は、前記清掃部材を、前記対向極に対して略平行となる状態で駆動する、
請求項1に記載の空気調和機。
【請求項3】
前記駆動部材は、前記放電ユニットが前記本体に着脱されるときに駆動される、
請求項1又は2に記載の空気調和機。
【請求項4】
前記駆動部材は、前記清掃部材を、所定軸を中心として回動する、
請求項1〜3のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項5】
前記本体には、前記放電ユニットを前記本体へ取り付けるための案内部(48)が形成され、
前記案内部は、
前記駆動部材を駆動させ、
前記清掃部材を、前記放電部材に接触しない非接触状態へと案内する非接触状態案内部(48a)と、
前記清掃部材を、前記非接触状態から前記放電部材に接触する接触状態へと変更可能な接触状態変更部(48b)と、
を有する、
請求項3に記載の空気調和機。
【請求項6】
前記駆動部材は、手動又は自動で駆動される、
請求項1〜4のいずれか1項に記載の空気調和機。
【請求項7】
前記放電針の直径は、0.3mm以下である、
請求項1〜6のいずれか1項に記載の空気調和機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−11396(P2013−11396A)
【公開日】平成25年1月17日(2013.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−144193(P2011−144193)
【出願日】平成23年6月29日(2011.6.29)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)