説明

空気調和装置の室外機

【課題】閉鎖弁に接続された冷媒配管を自由に取り回しつつ、結露水が室外機の外部かつ下方に漏れるのを防ぐ。
【解決手段】閉鎖弁30a,30bは、本体ケーシング11から外方に突出して設けられ、冷媒配管L1a、L1bが下向きに接続される。閉鎖弁カバー40は、閉鎖弁30a,30bを本体ケーシング11の外部から覆うようにして、本体ケーシング11に装着される。閉鎖弁カバー40が装着される本体ケーシング11の右側面11dのうち、閉鎖弁カバー40によって覆われる範囲r1内には、結露水を本体ケーシング11の内部に導入する結露水導入孔20cが形成されている。閉鎖弁カバー40の本体ケーシング11への装着時、閉鎖弁30a,30bから下向きに延びる冷媒配管L1a、L1bの一部分を右側面11dと閉鎖弁カバー40とが挟み込むことにより、結露水を結露水導入孔20cに案内する結露水案内部50が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和装置の室外機に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和装置の室外機は、屋外に設置され、ガス冷媒用の冷媒配管及び液冷媒用の冷媒配管によって室内機と接続されている。室外機には、圧縮機、室外ファン、室外熱交換器の他、ガス閉鎖弁及び液閉鎖弁等が設けられている。これらの閉鎖弁は、ガス冷媒用の冷媒配管及び液冷媒用の冷媒配管それぞれに接続されている。この構成により、低温液体の冷媒は液閉鎖弁を介して、また高温気体の冷媒はガス閉鎖弁を介して、室外機と室内機との間でやり取りされる。
【0003】
また、上記閉鎖弁は、例えば特許文献1(特開平6−201160号公報)に開示されているように、各冷媒配管が室外機の背面方向に延びるようにして接続され、室外機の外壁に設けられている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、室外機の設置場所の環境等の条件によっては、上述した冷媒配管を室外機の背面方向にではなく、例えば室外機の下方向や正面方向(つまり、室外機の前方向)等に延ばす必要が生じる場合がある。しかしながら、上記特許文献1に係る室外機では、閉鎖弁に接続された冷媒配管は室外機の背面方向(つまり、室外機の後方)にしか延ばすことができず、背面方向以外の他の方向へと冷媒配管を自由に取り回すことができない。
【0005】
特に、冷媒配管を室外機の下方向へと延ばす場合には、閉鎖弁に付着している結露水が室外機外部かつ下方向へと漏れてしまう恐れもある。そのため、室外機が天井から吊り下げられるようにして設置される場合には、結露水に対する対策も必要となる。
【0006】
本発明の課題は、閉鎖弁に接続された冷媒配管を自由に取り回すことができ、かつ結露水が室外機外部かつ下方向に漏れるのを防ぐこととする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1観点に係る空気調和装置の室外機は、本体ケーシングと、閉鎖弁と、閉鎖弁カバーとを備える。閉鎖弁は、本体ケーシングから外方に突出した状態で設けられており、冷媒配管が下向きに接続される。閉鎖弁カバーは、閉鎖弁を本体ケーシングの外部から覆うようにして、本体ケーシングに装着される。そして、閉鎖弁カバーが装着される本体ケーシングの装着部分のうち、閉鎖弁カバーによって覆われる範囲内には、閉鎖弁に付着している結露水を本体ケーシングの内部に導入するための結露水導入孔が形成されている。閉鎖弁カバーの本体ケーシングへの装着時、閉鎖弁から下向きに延びる冷媒配管の一部分を装着部分と閉鎖弁カバーとが挟み込むことにより、結露水を結露水導入孔に案内する結露水案内部が形成される。
【0008】
この空気調和装置の室外機によると、閉鎖弁に接続された冷媒配管は閉鎖弁から下向きに延び、かつ閉鎖弁に付着している結露水は、閉鎖弁カバーの本体ケーシングへの装着時に形成された結露水案内部によって、結露水導入孔を介して本体ケーシングの内部へと戻される。従って、結露水が室外機の外部かつ下方に漏れるのを防ぎつつ、冷媒配管を様々な方向に自由に取り回すことができる。
【0009】
本発明の第2観点に係る空気調和装置の室外機は、第1観点に係る室外機において、突出部を更に備える。突出部は、本体ケーシングの装着部分における結露水導入孔付近において、装着部分から閉鎖弁カバー側に突出している。そして、突出部は、閉鎖弁カバーの本体ケーシングへの装着時、結露水案内部の下部に位置している。
【0010】
この空気調和装置の室外機によると、結露水は、閉鎖弁カバーと本体ケーシングとの隙間から下方に漏れたとしても、突出部によりせき止められる。従って、結露水は、より室外機の外部かつ下方に漏れにくくなる。
【0011】
本発明の第3観点に係る空気調和装置の室外機は、第1観点または第2観点に係る室外機において、結露水案内部の少なくとも一部となる閉鎖弁カバーの部分には、切欠が形成されている。切欠は、閉鎖弁カバーの本体ケーシングへの装着時に、冷媒配管を固定するための固定部を構成する。
【0012】
この空気調和装置の室外機によると、閉鎖弁カバーの本体ケーシングへの装着時、冷媒配管は、結露水案内部の少なくとも一部となる閉鎖弁カバーの部分に形成された切欠に嵌め込まれ、固定されるようになる。特に、切欠が冷媒配管の外形に合致して形成されていれば、冷媒配管と切欠との隙間から結露水が漏れるのを防ぐことができる。
【0013】
本発明の第4観点に係る空気調和装置の室外機は、第1観点から第3観点のいずれか係る室外機において、結露水案内部は、結露水を本体ケーシング内部に導くように、略水平方向に対し所定角度傾斜している。
【0014】
この空気調和装置の室外機によると、略水平方向に対し所定角度傾斜している結露水案内部により、結露水は本体ケーシング内に導入され易くなる。
【発明の効果】
【0015】
本発明の第1観点に係る空気調和装置の室外機によると、結露水が室外機の外部かつ下方に漏れるのを防ぎつつ、冷媒配管を様々な方向に自由に取り回すことができる。
【0016】
本発明の第2観点に係る空気調和装置の室外機によると、結露水は、閉鎖弁カバーと本体ケーシングとの隙間から下方に漏れたとしても、突出部によりせき止められる。そのため、結露水は、より室外機の外部かつ下方に漏れにくくなる。
【0017】
本発明の第3観点に係る空気調和装置の室外機によると、閉鎖弁カバーの本体ケーシングへの装着時、冷媒配管は、結露水案内部の少なくとも一部となる閉鎖弁カバーの部分に形成された切欠に嵌め込まれ、固定されるようになる。特に、切欠が冷媒配管の外形に合致して形成されていれば、冷媒配管と切欠との隙間から結露水が漏れるのを防ぐことができる。
【0018】
本発明の第4観点に係る空気調和装置の室外機によると、略水平方向に対し所定角度傾斜している結露水案内部により、結露水は本体ケーシング内に導入され易くなる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本実施形態に係る室外機の外観図。
【図2】本実施形態に係る室外機内部の構造を、上から見た場合の図。
【図3】室外ファンを取り除いた状態の室外機内部の構造を、正面側から見た場合の図。
【図4】図3における閉鎖弁及び閉鎖弁カバー付近の拡大図。
【図5】本実施形態に係る室外機の本体ケーシングの右側面のうち閉鎖弁が位置する部分と、この右側面に装着される閉鎖弁カバーとを表した図。
【図6】図5において、閉鎖弁カバーが装着された本体ケーシングの右側面の閉鎖弁付近を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の空気調和装置の室外機について、図面を参照して詳述する。
【0021】
(1)室外機の構成
図1は、本発明の空気調和装置の室外機10の外観図である。室外機10は、屋外において天井から吊り下げられるようにして設置されており、室内の天井等に設置されている室内機(図示せず)と冷媒配管L1a及び冷媒配管L1bを介して接続されている。この空気調和装置は、室内の冷房運転や暖房運転などを行うことができる。ここで、冷媒配管L1aは、ガス冷媒を搬送する冷媒配管であって、冷媒配管L1bは、液冷媒を搬送する冷媒配管である。いずれの冷媒配管L1a,L1bには、図3〜図5に示すように、防露筒L11a,L11bが該配管L1a,L1bを取り巻くように取り付けられている。より具体的には、冷媒配管L1a,L1bには、上述する閉鎖弁30a,30bとの接続部分(つまり、冷媒配管L1a,L1bの先端部)である一部分を除き、防露筒L11a,L11bが巻かれている。
【0022】
尚、以下の説明においては、「上」、「下」、「右」、「左」、「水平」「鉛直」等の方向を示す表現を適宜用いているが、これらは、室外機10が図1に示すように設置され、通常使用される状態での各方向を表す。
【0023】
室外機10は、図1〜6に示すように、主として、本体ケーシング11と、ガス閉鎖弁30a及び液閉鎖弁30bと、閉鎖弁カバー40と、突出部60とを備える。
【0024】
(1−1)本体ケーシング
本体ケーシング11は、図1に示すように略直方体の形状を有しており、板金及び樹脂によって形成されている。本体ケーシング11の内部は、図2及び図3に示すように、略鉛直に延びる仕切板12によって機械室S1と送風室S2とに分割されている。機械室S1には、冷媒を圧縮する圧縮機13やアキュムレータ14、空気調和装置を構成する各種機器の制御基板等を含む電装品ユニット15等が設置されている。送風室S2には、上面視において略L字形状となっている室外熱交換器16、プロペラファンである室外ファン17、及び室外ファン17の駆動源である室外ファンモータ17aが設置されている。なお、室外ファンモータ17aは、図3に示すように、本体ケーシング11内のファンモータ台17bに設置されている。
【0025】
そして、本体ケーシング11には、図2に示すように空気の吸い込み口20aと吹き出し口20bとが形成されている。吸い込み口20aは、室外熱交換器16の形状に沿って、本体ケーシング11の左側面11b及び背面11cにかけて形成されている。吹き出し口20bは、本体ケーシング11の正面11aに形成されており、図1に示すように略円形の形状を有している。室外機10の外部の空気は、回転する室外ファン17によって吸い込み口20aから本体ケーシング11における送風室S2内部へと案内され、室外熱交換器16において熱交換がなされる。この空気は、回転する室外ファン17によって、吹き出し口20bを介して室外機1の外部へと吹き出される。
【0026】
更に、本体ケーシング11の右側面11dには、図1〜図3に示すように、閉鎖弁カバー40が装着される(右側面11dは、装着部分に相当)。そして、閉鎖弁カバー40によって覆われる右側面11dの範囲r1内には、図5に示すように、結露水導入孔20cが形成されている。結露水導入孔20cは、ガス閉鎖弁30a及び液閉鎖弁30bに付着している結露水を本体ケーシング11の内部(具体的には、機械室S1の内部)に導入するための孔である。導入水結露孔20cは、横方向に長い略長方形の形状を有しており、ガス閉鎖弁30a及び液閉鎖弁30bが取り付けられる位置付近に位置している。
【0027】
(1−2)閉鎖弁
ガス閉鎖弁30a及び液閉鎖弁30bは、図2〜5に示すように、本体ケーシング11の右側面11dにおいて、該右側面11dから本体ケーシング11の外方に突出した状態で設けられている。そして、本実施形態に係るガス閉鎖弁30a及び液閉鎖弁30bは、本体ケーシング11の右側面11dのうち、結露水導入孔20cの上方に位置している(特に、図5参照)。ガス閉鎖弁30aには、ガス冷媒用の冷媒配管L1aが接続され、液閉鎖弁30bには、液冷媒用の冷媒配管L1bが接続される。
【0028】
特に、本実施形態に係るガス閉鎖弁30a及び液閉鎖弁30bには、各冷媒配管L1a,L1bが下向きに接続される。つまり、ガス閉鎖弁30a及び液閉鎖弁30bは、冷媒配管L1a,L1bとの接続口が下向きとなるように本体ケーシング11の右側面11dに配置されている。従って、各閉鎖弁30a,30bに接続された各冷媒配管L1a,L1bは、少なくとも閉鎖弁30a,30bから所定長さまでは、下方向に延びる状態となっている(図3〜6)。
【0029】
(1−3)閉鎖弁カバー
閉鎖弁カバー40は、ガス閉鎖弁30a及び液閉鎖弁30b、導入水結露孔20c、及び各冷媒配管L1a,L1bの一部分を本体ケーシング11の外部から覆うようにして、本体ケーシング11の右側面11dに装着される。この閉鎖弁カバー40は、例えば不燃性樹脂等によって形成されている。そして、図5,6等にて示すように、閉鎖弁カバー40の覆う対象である各閉鎖弁30a,30bが本体ケーシング11の右側面11dから該ケーシング11の外方へと突出しているため、閉鎖弁カバー40は、本体ケーシング11に装着された際に右側面11d側から該ケーシング11の外方に向かって凸形の形状となっている。
【0030】
特に、図4及び図5に示すように、閉鎖弁カバー40の下部には、板状部41が設けられている。この板状部41は、閉鎖弁カバー40が本体ケーシング11に装着された際、その先端部が結露水導入孔20cの下辺に届く程度に、閉鎖弁カバー40側から本体ケーシング11の右側面11d側へと突出している。この板状部41は、閉鎖弁カバー40の本体ケーシング11への装着時、各閉鎖弁30a,30bから下向きに延びる各冷媒配管L1a,L1bの一部分を本体ケーシング11の右側面11dとで挟み込むことで、各閉鎖弁30a,30bからの結露水を結露水導入孔20cに導入する結露水案内部50となる(図4及び図6参照)。即ち、閉鎖弁カバー40が本体ケーシング11に装着されることによって、板状部41は結露水案内部50となる。そして、結露水案内部50、即ち板状部41は、結露水を本体ケーシング11の内部に導くように、略水平方向に対し所定角度傾斜している。具体的には、結露水案内部50は、図4に示すように、本体ケーシング11の外方から結露水導入孔20c側に延びるに連れて、徐々に低くなるように傾斜している。
【0031】
このような閉鎖弁カバー40の構成により、閉鎖弁カバー40が本体ケーシング11に装着された際、閉鎖弁カバー40の板状部41の先端部は結露水導入孔20cに届き、図6に示すように結露水導入孔20cの上方に位置している各閉鎖弁30a,30bから落下してくる結露水は、閉鎖弁カバー40の板状部41である結露水案内部50によって受け止められる。その後、この結露水は、結露水導入孔20cを介して本体ケーシング11の機械室S1内部へと流れていく。
【0032】
更に、結露水案内部50となる閉鎖弁カバー40の板状部41には、図5に示すように、2つの切欠41a,41bが形成されている。切欠41a,41bは、板状部41のうち、閉鎖弁カバー40が本体ケーシング11に装着された際に各冷媒配管L1a,L1bに対応する箇所に形成されている。そして、切欠41a,41bは、防露筒L11a,L11bが巻かれた各冷媒配管L1a,L1bの部分の外径よりも若干小さめの大きさに形成されている。これらの切欠41a,41bには、閉鎖弁カバー40が本体ケーシング11に装着された時、図6に示すように、対応する冷媒配管L1a,L1bそれぞれが防露筒L11a,L11bごと嵌め込まれることとなる。つまり、切欠41a,41bは、防露筒L11a,L11bに若干食い込んだ状態で、冷媒配管L1a,L1bそれぞれを固定する。従って、本実施形態に係る切欠41a,41bは、閉鎖弁カバー40の本体ケーシング11への装着時に冷媒配管L1a,L1bを固定するための固定部としての役割を担う。
【0033】
(1−4)突出部
突出部60は、図4及び図5に示すように、本体ケーシング11の右側面11dにおける結露水導入孔20c付近において、当該右側面11dから閉鎖弁カバー40側(つまり、本体ケーシング11の外方)に突出した、板状の部材である。突出部60は、本体ケーシング11と同様、板金や樹脂で形成されており、閉鎖弁カバー40が本体ケーシング11の右側面11dに装着された際、結露水案内部50の下部に位置している。特に、本実施形態に係る突出部60は、図4に示すように、結露水案内部50と同様に略水平方向に対し所定角度傾斜しており、閉鎖弁カバー40が本体ケーシング11の右側面11dに装着された際には、結露水案内部50の下部において結露水案内部50に接触するようにして位置することとなる。つまり、突出部60は、結露水案内部50となる閉鎖弁カバー40の板状部41の下部において、結露水導入孔20c側から閉鎖弁カバー40側(つまり、本体ケーシング11の外方側)へと突出するに連れて徐々に高くなるように傾斜しており、その傾斜角度は、板状部41とほぼ同じである。
【0034】
この突出部60により、結露水は、仮に閉鎖弁カバー40と本体ケーシング11との隙間から下方に漏れたとしても、突出部60によりせき止められる。せき止められた結露水は、結露水導入孔20c側へと流れていき、やがて結露水導入孔20cを介して本体ケーシング11の機械室S1内部に流れていく。
【0035】
(2)室外機の設置方法
上述した構成を有する室外機10の設置方法について、説明する。
【0036】
先ず、圧縮機13や室外ファン17等が内部に設置され、かつガス及び液閉鎖弁30a,30bが設けられた状態の本体ケーシング11が、室外機10の設置位置に置かれ、固定される。次いで、本体ケーシング11の右側面11dにおける結露水導入孔20cの下辺付近に突出部60が取り付けられ、ネジ等によって固定される。そして、突出している各閉鎖弁30a,30bの接続口に、対応する冷媒配管L1a、L1bが下向きに接続される。従って、この状態の室外機10は、閉鎖弁カバー40が取り付けられていない状態であるが、各閉鎖弁30a,30bから冷媒配管L1a,L1bそれぞれが下向きに延びた状態となっている。
【0037】
次いで、上記状態の本体ケーシング11に対し、閉鎖弁カバー40を本体ケーシング11の外方から取り付ける作業が行われる。具体的に、本体ケーシング11の右側面11dのうち、各閉鎖弁30a,30b及び結露水導入孔20cを覆う位置に閉鎖弁カバー40が取り付けられる。この取り付け作業の際、閉鎖弁カバー40における板状部41が突出部60の上に位置するようにして閉鎖弁カバー40が配置されると共に、閉鎖弁カバー40の切欠41a,41bに各冷媒配管L1a,L1bが防露筒L11a,L11bごと嵌め込まれる。これにより、閉鎖弁カバー40の板状部41と本体ケーシング11の右側面11dとで各冷媒配管L1a,L1bが挟み込まれる状態となり、結露水導入孔20cの下辺付近において結露水案内部50が形成される。そして、閉鎖弁カバー40は、本体ケーシング11の右側面11dにネジ止めによって固定される。従って、この状態の室外機10は、本体ケーシング11に閉鎖弁カバー40が取り付けられたことにより、各閉鎖弁30a,30b,結露水導入孔20c及び冷媒配管L1a,L1bの一部分が閉鎖弁カバー40によって覆われた状態となる。一方、閉鎖弁カバー40によって覆われていない各冷媒配管L1a,L1bの大部分は、室外機10の外部に露出しており、依然として下向きに延びた状態となっている。なお、閉鎖弁カバー40内部においては、上から順番にガス及び液閉鎖弁30a,30b、結露水導入孔20c、結露水案内部50、突出部60が位置していることとなる。
【0038】
次いで、露出している各冷媒配管L1a,L1bを、例えば本体ケーシング11の正面11a側や背面11c側等、所望する方向に曲げる作業が行われることで、各冷媒配管L1a,L1bは、曲げられた方向に延びることとなる。なお、図5,6では、一例として、各冷媒配管L1a,L1bが本体ケーシング11の背面11c側に曲げられた場合を示している。
【0039】
(3)特徴
(3−1)
本実施形態に係る室外機10では、閉鎖弁カバー40が装着される本体ケーシング11の装着部分である右側面11dのうち、閉鎖弁カバー40によって覆われる範囲内r1には、各閉鎖弁30a,30bに付着している結露水を本体ケーシング11の内部に導入するための結露水導入孔20cが形成されている。閉鎖弁カバー40の本体ケーシング11への装着時、ガス閉鎖弁30a及び液閉鎖弁30bから下向きに延びる冷媒配管L1a,L1bの一部分を、本体ケーシング11の右側面11dと閉鎖弁カバー40とが挟み込むことにより、結露水を結露水導入孔20cに案内する結露水案内部50が形成される。これにより、ガス閉鎖弁30a及び液閉鎖弁30bに接続された各冷媒配管L1a,L1bは、閉鎖弁30a,30bから下向きに延びつつ、かつ閉鎖弁30a,30bに付着している結露水は、閉鎖弁カバー40の本体ケーシング11への装着時に形成された結露水案内部50によって、結露水導入孔20cを介して本体ケーシング11の内部へと戻される。従って、結露水が室外機10の外部かつ下方に漏れるのを防ぎつつ、各冷媒配管L1a,L1bを様々な方向に自由に取り回すことができる。
【0040】
(3−2)
また、本実施形態に係る室外機10には、本体ケーシング11の右側面11dにおける結露水導入孔20c付近において、右側面11dから閉鎖弁カバー40側に突出している突出部60を更に備えている。この突出部60は、閉鎖弁カバー40の本体ケーシング11への装着時、結露水案内部50の下部に位置している。これにより、結露水は、閉鎖弁カバー40と本体ケーシング11との隙間から下方に漏れたとしても、突出部60によりせき止められる。従って、結露水は、より室外機10の外部かつ下方に漏れにくくなる。
【0041】
(3−3)
また、本実施形態に係る室外機10の閉鎖弁カバー40のうち、結露水案内部50の少なくとも一部となる閉鎖弁カバー40の部分には、切欠41a,41bが形成されている。切欠41a,41bは、閉鎖弁カバー40の本体ケーシング11への装着時に、各冷媒配管L1a,L1bを固定するための固定部を構成する。これにより、閉鎖弁カバー40の本体ケーシング11への装着時、各冷媒配管L1a,L1bはそれぞれ切欠41a,41bに嵌め込まれ、固定されるようになる。特に、切欠41a,41bが冷媒配管L1a,L1bの外形に合致して形成されていれば、冷媒配管L1a,L1bと切欠41a,41bとの隙間から結露水が漏れるのを防ぐことができる。
【0042】
(3−4)
また、本実施形態に係る室外機10の結露水案内部50は、結露水を本体ケーシング11内部に導くように、略水平方向に対し所定角度傾斜している。これにより、結露水は本体ケーシング11内に導入され易くなる。
【0043】
(4)変形例
(4−1)変形例A
上記実施形態では、閉鎖弁カバー40の板状部41に切欠41a,41bが形成されている場合について説明した。しかし、板状部41には、切欠41a,41bに代えて、孔が形成されていてもよい。この場合、孔は、防露筒L11a,L11bの巻かれた各冷媒配管L1a,L1bの外形に沿って形成されている。
【0044】
(4−2)変形例B
上記実施形態では、ガス閉鎖弁30a及び液閉鎖弁30bが本体ケーシング11の右側面11dから外方に突出した状態で設けられている場合について説明した。しかし、ガス閉鎖弁30a及び液閉鎖弁30bが設けられる位置は、右側面11dに限定されず、本体ケーシング11の左側面11bや正面11a、背面11c、本体ケーシング11の上面であってもよい。
【0045】
(4−3)変形例C
上記実施形態では、閉鎖弁カバー40が、ガス閉鎖弁30a及び液閉鎖弁30b、結露水導入孔20c、及び冷媒配管L1a,L1bの一部を覆うようにして本体ケーシング11に装着された場合について説明した。しかし、閉鎖弁カバー40は、更に電装品ユニットから延びる配線が繋がれた端子台(図示せず)も覆うようにして本体ケーシング11に装着されてもよい。
【0046】
(4−4)変形例D
上記実施形態では、閉鎖弁カバー40の板状部41のみで結露水案内部50が形成される場合について説明した。しかし、本発明に係る結露水案内部は、閉鎖弁カバー40の本体ケーシング11への装着時、防露筒L11a,L11bが巻かれ下向きに延びる各冷媒配管L1a,L1bの一部分を本体ケーシング11と閉鎖弁カバー40とで挟み込むことによって形成されればよいのであって、上記構成に限定されずともよい。従って、結露水案内部は、例えば閉鎖弁カバーの板状部41と突出部60とが突き合わせられることによって構成されてもよい。
【0047】
(4−5)変形例E
上記実施形態では、突出部60の傾斜角度が、結露水案内部50となる閉鎖弁カバー40の板状部41の傾斜角度とほぼ同じである場合について説明した。しかし、突出部60の傾斜角度は、結露水案内部50の傾斜角度と異なっていても良い。また、突出部60は、傾斜しておらず略水平であってもよい。
【0048】
(4−6)変形例F
上記実施形態では、図5に示すように、結露水導入孔20cが各閉鎖弁30a,30bの下方に位置している場合について説明した。しかし、本発明では、各閉鎖弁30a,30b付近において発生する結露水が結露水案内部50により結露水導入孔20cを介して本体ケーシング11の内部に案内されればよいため、結露水導入孔20cの位置は、例えば閉鎖弁30a,30bの横であってもよい。
【0049】
(4−7)変形例G
上記実施形態では、突出部60が本体ケーシング11とは別部材で構成されている場合について説明した。しかし、突出部60は、本体ケーシング11の右側面11dの一部分が切欠きかつ折り曲げられることで、本体ケーシング11と一体成形されていてもよい。
【0050】
(4−8)変形例H
上記実施形態では、結露水導入孔20cが略長方形の形状を有している場合について説明した。しかし、結露水導入孔20cの形状は、略長方形に限定されず、どのような形状であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0051】
本発明に係る空気調和装置の室外機は、結露水が室外機の外部かつ下方に漏れるのを防ぎつつ、冷媒配管を様々な方向に自由に取り回すことができる。そのため、本発明に係る空気調和装置の室外機は、地面に置いた状態で設置されるタイプの室外機のみならず、例えば天井から吊り下げられる状態で設置される室外機においても適用できる。
【符号の説明】
【0052】
10 室外機
11 本体ケーシング
11a 正面
11b 左側面
11c 背面
11d 右側面
20a 吸い込み口
20b 吹き出し口
20c 結露水導入孔
30a ガス閉鎖弁
30b 液閉鎖弁
40 閉鎖弁カバー
41a,41b 切欠
50 結露水案内部
60 突出部
L1a ガス冷媒用の冷媒配管
L1b 液冷媒用の冷媒配管
L11a,L11b 防露筒
【先行技術文献】
【特許文献】
【0053】
【特許文献1】特開平6−201160号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体ケーシング(11)と、
前記本体ケーシングから外方に突出した状態で設けられており、冷媒配管(L1a,L1b)が下向きに接続される閉鎖弁(30a,30b)と、
前記閉鎖弁を前記本体ケーシングの外部から覆うようにして前記本体ケーシングに装着される閉鎖弁カバー(40)と、
を備え、
前記閉鎖弁カバーが装着される前記本体ケーシングの装着部分(11d)のうち前記閉鎖弁カバーによって覆われる範囲(r1)内には、前記閉鎖弁に付着している結露水を前記本体ケーシングの内部に導入するための結露水導入孔(20c)が形成されており、
前記閉鎖弁カバーの前記本体ケーシングへの装着時、前記閉鎖弁から下向きに延びる前記冷媒配管の一部分を前記装着部分(11d)と前記閉鎖弁カバーとが挟み込むことにより、結露水を前記結露水導入孔に案内する結露水案内部(50)が形成される、
空気調和装置の室外機(10)。
【請求項2】
前記本体ケーシングの前記装着部分における前記結露水導入孔付近において、前記装着部分から前記閉鎖弁カバー側に突出している突出部(60)、
を更に備え、
前記突出部は、前記閉鎖弁カバーの前記本体ケーシングへの装着時、前記結露水案内部の下部に位置している、
請求項1に記載の空気調和装置の室外機(10)。
【請求項3】
前記結露水案内部の少なくとも一部となる前記閉鎖弁カバーの部分(41)には、前記閉鎖弁カバーの前記本体ケーシングへの装着時に前記冷媒配管を固定するための固定部を構成する切欠(41a,41b)、が形成されている、
請求項1または2のいずれかに記載の空気調和装置の室外機(10)。
【請求項4】
前記結露水案内部(50)は、結露水を前記本体ケーシング内部に導くように略水平方向に対し所定角度傾斜している、
請求項1から3のいずれか1項に記載の空気調和装置の室外機(10)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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