説明

空気調和装置

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、可逆運転可能な空気調和装置に関し、特に、冷媒循環回路の簡素化対策に係るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、例えば、冷暖房運転を行う可逆運転可能な空気調和装置には、特開平4−251158号公報に開示されているように、圧縮機と、四路切換弁と、室外熱交換器と、整流回路と、室内熱交換器と、アキュムレータとが順に可逆運転可能に接続されて冷媒循環回路が形成されると共に、該整流回路には、4つの逆止弁と電動膨脹弁と該電動膨脹弁より上流側に位置するレシーバとを備えているものがある。
【0003】そして、該冷媒循環回路は、冷房運転サイクル時に圧縮機からの冷媒を室外熱交換器で凝縮させ、電動膨脹弁で減圧した後、室内熱交換器で蒸発させる一方、暖房運転サイクル時に四路切換弁を切換え、圧縮機からの冷媒を室内熱交換器で凝縮させ、電動膨脹弁で減圧した後、室外熱交換器で蒸発させている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述した空気調和装置において、高圧冷媒が常時流れる高圧ラインにレシーバを設ける一方、圧縮機の吸込側にアキュムレータを設け、暖房運転サイクル時の余剰冷媒を上記レシーバに貯溜する一方、冷房運転サイクルの過渡時等において、室内熱交換器より圧縮機に戻る液冷媒をアキュムレータで除去し、液バックを防止するようにしている。
【0005】しかしながら、この空気調和装置では、冷媒循環回路にアキュムレータを設けているので、機器類が多いという問題があると共に、運転能力が低下するという問題があった。
【0006】そこで、チャージレス化を図るために上記アキュムレータを単に削除すると、高圧冷媒圧力の上昇に対応することができず、液バックを防止することができないという問題がある。
【0007】本発明は、斯かる点に鑑みてなされたもので、チャージレス化を図ると共に、高圧冷媒圧力の上昇に対応することができるようにして液バックを防止することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するために、本発明が講じた手段は、冷房運転サイクル時に低圧ラインとなり、暖房運転サイクル時に高圧ラインとなる液ラインに冷媒調節器を設けるようにしたものである。
【0009】具体的に、図1に示すように、請求項1に係る発明が講じた手段は、圧縮機(21)と、熱源側熱交換器(23)と、冷媒が双方向に流れ且つ開度調整可能な電動膨脹弁(25)と、上記圧縮機(21)に直接に繋がる利用側熱交換器(31)とが順に接続されて冷房運転サイクルと暖房運転サイクルとに可逆運転可能な閉回路の冷媒循環回路(1)が形成されている。加えて、該冷媒循環回路(1)における電動膨脹弁(25)と利用側熱交換器(31)との間には、冷房運転サイクル時に冷媒循環量を調節する一方、暖房運転サイクル時に冷媒液を貯溜する冷媒調節器(4)が設けられた構成されている。に、上記冷媒調節器(4)は、熱源側熱交換器(23)が電動膨脹弁(25)を介して接続される第1流出入管(42)と、利用側熱交換器(31)が接続される第2流出入管(43)とが貯溜ケーシング(41)に接続されてなり、該第2流出入管(43)には、貯溜ケーシング(41)内に複数の冷媒孔(45,45,…)が形成されている。
【0010】また、請求項2に係る発明が講じた手段は、請求項1の発明において、冷媒循環回路(1)の冷媒状態に基づいて上記電動膨脹弁(25)を通常制御開度に調節する膨脹弁制御手段(72)と、冷媒循環回路(1)の高圧冷媒圧力を検出する高圧検出手段(HPS2)と、該高圧検出手段(HPS2)が検出した高圧冷媒圧力が所定値になると上記膨脹弁制御手段(72)が上記電動膨脹弁(25)の開度を通常制御開度より大きい補正開度に制御するように開動信号を該膨脹弁制御手段(72)に出力する開動制御手段(73)とが設けられた構成としている。
【0011】また、請求項3に係る発明が講じた手段は、上記請求項2の発明における開動制御手段(73)に代えて、冷房運転サイクル時における熱源側熱交換器(23)の冷媒の過冷却度を判別する過冷却判別手段(75)と、高圧検出手段(HPS2)が検出した高圧冷媒圧力が所定値になると、膨脹弁制御手段(72)が電動膨脹弁(25)の開度を通常制御開度より大きい補正開度に制御し、且つ上記過冷却判別手段(75)が判別した過冷却度の上昇に対応して該補正開度が大きくなるように制御する開動信号を該膨脹弁制御手段(72)に出力する開度補正手段(76)とが設けられた構成としている。
【0012】また、請求項4に係る発明が講じた手段は、上記請求項3記載の発明において、過冷却判別手段(75)は、外気温度と熱源側熱交換器(23)における冷媒の凝縮温度とより過冷却度を判別するように構成されてたものである。
【0013】また、請求項5に係る発明が講じた手段は、請求項1乃至の何れか1の発明において、一端が冷媒調節器(4)に、他端が冷媒調節器(4)と利用側熱交換器(31)との間にそれぞれ接続されると共に、閉鎖弁(SV)を備えたバイパス路(12)と、暖房運転サイクル時に閉鎖弁(SV)を閉鎖し、且つ冷房運転サイクル時に閉鎖弁(SV)を開口すると共に、該冷房運転サイクル時に冷媒循環回路(1)の高圧冷媒圧力が所定の高圧になると該高圧が所定値に低下するまで閉鎖弁(SV)を閉鎖するバイパス制御手段(74)とが設けられた構成とし、また、請求項6に係る発明が講じた手段は、請求項の発明におけるバイパス制御手段(74)に代えて、暖房運転サイクル時に閉鎖弁(SV)を閉鎖し、且つ冷房運転サイクル時に閉鎖弁(SV)を開口すると共に、該冷房運転サイクル時に圧縮機(21)の吐出管温度が所定の低温になると閉鎖弁(SV)を所定時間閉鎖するバイパス制御手段(74)が設けられた構成としている。
【0014】
【作用】上記の構成により、請求項1に係る発明では、先ず、冷房運転サイクル時には、圧縮機(21)より吐出した高圧の冷媒は、熱源側熱交換器(23)で凝縮して液化し、この液冷媒は、電動膨張弁(25)で減圧された後、冷媒調節器(4)に流入し、その後、利用側熱交換器(31)で蒸発して圧縮機(21)に戻る循環となる。一方、暖房運転サイクル時には、圧縮機(21)より吐出した高圧の冷媒は、利用側熱交換器(31)で凝縮して液化し、この液冷媒は、冷媒調節器(4)に流入した後、電動膨脹弁(25)で減圧し、その後、熱源側熱交換器(23)で蒸発して圧縮機(21)に戻る循環となる。
【0015】そして、上記冷房運転サイクル時において、利用側熱交換器(31)の要求負荷に対応した冷媒は、上記冷媒調節器(4)の冷媒孔(45,45,…)によって調節され、所定の冷媒量が利用側熱交換器(31)に供給されることになり、また、上記冷房運転サイクル時において、冷媒調節器(4)に溜まった潤滑油は、冷媒孔(45,45,…)より流出して利用側熱交換器(31)から圧縮機(21)に戻ることになる。一方、上記暖房運転サイクル時においては、余剰の冷媒が冷媒調節器(4)に溜まることになる。
【0016】また、請求項2に係る発明では、上記冷房運転サイクル時の過渡時などにおいて、高圧冷媒圧力が上昇した場合、この高圧冷媒圧力が所定値に上昇すると、高圧検出手段(HPS2)が高圧信号を出力することになり、この高圧信号を開動制御手段(73)が受けて開動信号を出力し、膨脹弁制御手段(72)が電動膨脹弁(25)を開けぎみにする。この結果、高圧冷媒圧力の上昇時に熱源側熱交換器(23)に溜まった液冷媒が冷媒調節器(4)に流れ、高圧冷媒圧力が低下すると共に、液冷媒が冷媒調節器(4)に溜まり、液バックが生ずることがない。
【0017】また、請求項3に係る発明では、上記冷房運転サイクル時の過渡時などにおいて、高圧冷媒圧力が上昇した場合、開度補正手段(76)が、過冷却判別手段(75)からの過冷却度に対応して通常制御開度より大きい補正開度の開度信号を出力し、具体的に、請求項4に係る発明では、外気温度と凝縮温度とより過冷却度を判別し、膨脹弁制御手段(72)が電動膨脹弁(25)を過冷却度に応じた開けぎみ状態にする。この結果、高圧冷媒圧力の上昇時に熱源側熱交換器(23)に溜まった液冷媒が冷媒調節器(4)に流れ、高圧冷媒圧力が低下することになる。
【0018】また、請求項5及び6に係る発明では、バイパス制御手段(74)が、高圧冷媒圧力が所定値以上に上昇すると、閉鎖弁(SV)を閉鎖し、液冷媒を冷媒調節器(4)に貯溜して高圧冷媒圧力を低下させる一方、吐出管温度が低下すると、閉鎖弁(SV)を閉鎖させて液冷媒を冷媒調節器(4)に貯溜して湿り運転を防止している。
【0019】
【発明の効果】従って、請求項1の発明によれば、電動膨張弁(25)と利用側熱交換器(31)との間に冷媒調節器(4)を設け、該冷媒調節器(4)によって冷房運転サイクル時に冷媒循環量を調節すると共に、暖房運転サイクル時に冷媒を貯溜するようにしたために、従来のアキュムレータを省略することができ、冷媒循環回路(1)のチャージレス化を図ることができる。また、従来のアキュムレータを設けないので、機器類を少なくすることができると共に、運転能力の向上を図ることができることから、安価にすることができる。
【0020】また、上記冷媒調節器(4)の第2流出入管(43)に複数の冷媒孔(45,45,…)を形成するようにしたために、該冷媒孔(45,45,…)によって冷房運転サイクル時の冷媒循環量を高精度に制御することができるので、運転精度の向上を図ることができると共に、運転範囲の拡大を図ることができる。
【0021】また、請求項2に係る発明によれば、高圧冷媒圧力の上昇時に電動膨脹弁(25)を開動するようにしたために、室外熱交換器内の液冷媒を冷媒調節器(4)に流して貯溜することになり、該高圧冷媒圧力の上昇を確実に低下させることができる一方、液バック及び湿り運転を確実に防止することができることから、信頼性の高い運転制御を行うことができる。
【0022】また、請求項3に係る発明によれば、過冷却度に応じて補正開度を変えるようにして高圧冷媒圧力の上昇を防止しているので、より精度のよい運転を行うことができ、エネルギ有効率(EER)を向上させることができると共に、運転範囲の拡大を図ることができる。
【0023】また、請求項4に係る発明によれば、過冷却度の判別に専用のセンサを要しないので、構成を複雑にすることなく、高圧冷媒圧力の上昇を防止することができる。
【0024】また、請求項5に係る発明によれば、冷媒調節器(4)に閉鎖弁(SV)を有するバイパス路(12)を接続し、冷媒循環回路(1)の高圧冷媒圧力が所定の高圧に上昇すると、バイパス制御手段(74)が閉鎖弁(SV)を閉鎖するようにしたために、高圧冷媒圧力の上昇時に液冷媒を冷媒調節器(4)に貯溜して高圧冷媒圧力を低下させることができるので、該高圧冷媒圧力の上昇を防止することができ、信頼性の高い運転制御を行うことができる。
【0025】また、請求項6に係る発明によれば、冷媒調節器(4)に閉鎖弁(SV)を有するバイパス路(12)を接続し、圧縮機(21)の吐出管温度が低下すると、バイパス制御手段(74)が閉鎖弁(SV)を閉鎖するようにしたために、吐出管温度の低下時に液冷媒を冷媒調節器(4)に貯溜して湿り運転を防止することができるので、信頼性の高い運転制御を行うことができる。
【0026】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
【0027】図2は、請求項1及び2に係る発明の空気調和装置における冷媒配管系統を示し、(1)は、冷媒循環回路であって、一台の室外ユニット(2)に対して一台の室内ユニット(3)が接続された所謂セパレートタイプに構成されている。
【0028】上記室外ユニット(2)には、インバータにより運転周波数を可変に調節されるスクロールタイプの圧縮機(21)と、冷房運転時には図中実線のごとく、暖房運転時には図中破線のごとく切換わる四路切換弁(22)と、冷房運転時に凝縮器として、暖房運転時に蒸発器として機能する熱源側熱交換器である室外熱交換器(23)と、該室外熱交換器(23)の補助熱交換器(24)と、冷媒を減圧するための膨脹機構である電動膨脹弁(25)と、本発明の特徴とする冷媒調節器(4)とが配置されている。一方また、上記室内ユニット(3)には、冷房運転時に蒸発器として、暖房運転時に凝縮器として機能する利用側熱交換器である室内熱交換器(31)が配置されている。
【0029】そして、上記圧縮機(21)と四路切換弁(22)と室外熱交換器(23)と補助熱交換器(24)と電動膨脹弁(25)と冷媒調節器(4)と室内熱交換器(31)とが順に冷媒配管(11)によって接続され、上記冷媒循環回路(1)は、冷媒の循環により熱移動を生ぜしめるように冷房運転サイクルと暖房運転サイクルとに可逆運転可能な閉回路に構成されている。
【0030】また、上記冷媒循環回路(1)は、本発明の特徴の1つとして、上記電動膨脹弁(25)を冷媒が双方向に流れるように配置して構成され、、つまり、電動膨脹弁(25)は、冷房運転サイクルと暖房運転サイクルとで冷媒が異なる方向に流れて減圧するように構成されている(図2の実線は冷房、破線は暖房参照)。更に、上記冷媒循環回路(1)は、アキュムレータを備えていないチャージレス回路に構成され、上記室内熱交換器(31)の一端、具体的に、冷房運転サイクル時における冷媒の出口側で、暖房運転サイクル時における冷媒の入口側が四路切換弁(22)を介して直接に圧縮機(21)に接続されている。
【0031】一方、本発明の特徴とする冷媒調節器(4)は、図3に示すように、貯溜ケーシング(41)に第1流出入管(42)と第2流出入管(43)とが接続されて構成され、冷房運転サイクル時に低圧液ラインとなり、暖房運転サイクル時に高圧液ラインとなる冷媒配管(11)に介設されている。該貯溜ケーシング(41)は、液冷媒の貯溜可能に形成され、上記冷媒循環回路(1)の冷媒充填量等に対応した容量に構成されている。
【0032】また、上記第1流出入管(42)は、一端が貯溜ケーシング(41)の底面に連接され、他端が室外熱交換器(23)側の冷媒配管(11)に連接され、冷房運転サイクル時に室外熱交換器(23)より液冷媒を貯溜ケーシング(41)に導入させる一方、暖房運転サイクル時に貯溜ケーシング(41)より液冷媒を室外熱交換器(23)に導出させるように構成されている(図2の実線は冷房、破線は暖房参照)。
【0033】また、上記第2流出入管(43)は、一端部が貯溜ケーシング(41)の上部より該貯溜ケーシング(41)内に導入された内菅部(46)に形成されると共に、他端が室内熱交換器(31)側の冷媒配管(11)に連接され、冷房運転サイクル時に貯溜ケーシング(41)より液冷媒を室内熱交換器(31)に導出させる一方、暖房運転サイクル時に室内熱交換器(31)より液冷媒を貯溜ケーシング(41)に導入させるように構成されている(図2の実線は冷房、破線は暖房参照)。更に、上記第2流出入管(43)の内菅部(44)は、U字状に形成されると共に、複数の冷媒孔(45,45,…)が形成され、該各冷媒孔(45,45,…)は、同一径又は異径に設定され、暖房運転サイクル時に液冷媒が流入すると共に、特に、冷房運転サイクル時に液冷媒が流出すると同時に、上記貯溜ケーシング(41)に貯溜している潤滑油が流出するように構成されている。
【0034】そして、上記冷媒調節器(4)は、冷房運転サイクル時に冷媒孔(45,45,…)によって冷媒循環量を調節すると共に、暖房運転サイクル時に余剰冷媒を貯溜するように構成されている。
【0035】尚、図2において、(F1〜F3)は、冷媒中の塵埃を除去するためのフィルタ、(ER)は、圧縮機(21)の運転音を低減させるための消音器である。
【0036】更に、上記空気調和装置にはセンサ類が設けられており、上記圧縮機(21)の吐出管には、吐出管温度Tdを検出する吐出管センサ(Thd)が配置され、上記室外ユニット(2)の空気吸込口には、外気温度である室外空気温度Taを検出する外気温センサ(Tha)が配置され、上記室外熱交換器(23)には、冷房運転時に凝縮温度となり、暖房運転時に蒸発温度となる室外熱交温度Tcを検出する室外熱交センサ(Thc)が配置され、上記室内ユニット(3)の空気吸込口には、室内温度である室内空気温度Trを検出する室温センサ(Thr)が配置され、上記室内熱交換器(31)には、冷房運転時に蒸発温度となり、暖房運転時に凝縮温度となる室内熱交温度Teを検出する室内熱交センサ(The)が配置されている。更に、上記圧縮機(21)の吐出管には、高圧冷媒圧力HPを検出して、該高圧冷媒圧力HPの過上昇によりオンとなって高圧保護信号を出力する高圧保護圧力スイッチ(HPS1)と、上記高圧冷媒圧力HPを検出して、該高圧冷媒圧力HPが所定値になるとオンとなって高圧制御信号を出力する高圧検出手段である高圧制御圧力スイッチ(HPS2)とが配置され、上記圧縮機(21)の吸込管には、低圧冷媒圧力を検出して、該低圧冷媒圧力の過低下によりオンとなって低圧保護信号を出力する低圧保護圧力スイッチ(LPS1)が配置されている。
【0037】そして、上記各センサ(Thd,〜,The)及び各スイッチ(HPS1,HPS2,LPS1)の出力信号は、コントローラ(7)に入力されており、該コントローラ(7)は、入力信号に基づいて空調運転を制御するように構成されていり、圧縮機(21)の容量制御手段(71)と、膨脹弁制御手段(72)と、開動制御手段(73)とが設けられている。
【0038】そして、該容量制御手段(71)は、インバータの運転周波数を零から最大周波数まで20ステップNに区分すると共に、例えば、室外熱交センサ(Thc)及び室内熱交センサ(The)が検出する凝縮温度と蒸発温度とより最適な冷凍効果を与える吐出管温度Tdの最適値Tkを算出し、該吐出管温度Tdが最適値Tkになるように周波数ステップNを設定して圧縮機(21)(1)の容量を制御し、所謂吐出管温度制御に構成されている。
【0039】また、上記膨脹弁制御手段(72)は、容量制御手段(71)と同様に吐出管温度制御に構成され、例えば、室外熱交センサ(Thc)及び室内熱交センサ(The)が検出する凝縮温度と蒸発温度とより最適な冷凍効果を与える吐出管温度Tdの最適値Tkを算出し、該吐出管温度Tdが最適値Tkになるように弁開度を設定して電動膨脹弁(25)を通常制御開度に制御するように構成されている。
【0040】また、上記開動制御手段(73)は、高圧制御圧力スイッチ(HPS2)が高圧制御信号を出力すると、上記膨脹弁制御手段(72)が電動膨脹弁(25)の開度を通常制御開度より大きい補正開度に制御する開動信号を該膨脹弁制御手段(72)に出力するように構成されている。
【0041】次に、上述した空気調和装置の冷暖房運転動作について説明する。
【0042】先ず、上記冷媒循環回路(1)において、冷房運転サイクル時には、圧縮機(21)より吐出した高圧の冷媒は、室外熱交換器(23)で凝縮して液化し、この液冷媒は、電動膨脹弁(25)で減圧された後、冷媒調節器(4)に流入し、その後、室内熱交換器(31)で蒸発して圧縮機(21)に戻る循環となる。一方、暖房運転サイクル時には、圧縮機(21)より吐出した高圧の冷媒は、室内熱交換器(31)で凝縮して液化し、この液冷媒は、冷媒調節器(4)に流入した後、電動膨脹弁(25)で減圧し、その後、室外熱交換器(23)で蒸発して圧縮機(21)に戻る循環となる。
【0043】この各運転サイクル時において、容量制御手段(71)は、室外熱交センサ(Thc)及び室内熱交センサ(The)が検出する凝縮温度と蒸発温度とより最適な冷凍効果を与える吐出管温度Tdの最適値Tkを算出し、該吐出管温度Tdが最適値Tkになるように周波数ステップNを設定して圧縮機(21)の容量を制御すると共に、膨脹弁制御手段(72)は、上記容量制御手段(71)と同様に吐出管温度Tdが最適値Tkになるように通常制御開度を設定して電動膨脹弁(25)の開度を制御し、室内負荷に対応した空調運転を行っている。
【0044】一方、上記冷房運転サイクル時において、室内熱交換器(31)の要求負荷に対応した冷媒は、上記電動膨脹弁(25)の開度と、冷媒調節器(4)の冷媒孔(45,45,…)とによって調節され、所定の冷媒量が室内熱交換器(31)に供給されることになる。
【0045】また、上記冷房運転サイクル時の過渡時などにおいて、高圧冷媒圧力HPが上昇した場合、この高圧冷媒圧力HPが所定値に上昇すると、高圧制御圧力スイッチ(HPS2)が高圧制御信号を出力することになり、この高圧制御信号を開動制御手段(73)が受けて開動信号を出力し、膨脹弁制御手段(72)が電動膨脹弁(25)を通常制御開度より大きい補正開度にして開けぎみにする。この結果、高圧冷媒圧力HPの上昇時に室外熱交換器(23)に溜まった液冷媒が冷媒調節器(4)に流れ、高圧冷媒圧力HPが低下すると共に、液冷媒が冷媒調節器(4)に溜まることになる。従って、室内熱交換器(31)に必要以上の液冷媒が供給されることがないので、アキュムレータを備えていなくとも液バックが生ずることがない。
【0046】また、上記冷房運転サイクル時において、冷媒調節器(4)に溜まった潤滑油、つまり、液冷媒上の潤滑油は、冷媒孔(45,45,…)より流出して室内熱交換器(31)から圧縮機(21)に戻ることになる。
【0047】一方、上記暖房運転サイクル時においては、余剰の冷媒が冷媒調節器(4)に溜まることになる。
【0048】以上のように、本実施例によれば、上記電動膨脹弁(25)と室内熱交換器(31)との間に冷媒調節器(4)を設け、該冷媒調節器(4)によって冷房運転サイクル時に冷媒循環量を調節すると共に、暖房運転サイクル時に冷媒を貯溜するようにしたために、従来のアキュムレータを省略することができ、冷媒循環回路(1)のチャージレス化を図ることができる。
【0049】また、従来のアキュムレータを設けないので、機器類を少なくすることができると共に、運転能力の向上を図ることができることから、安価にすることができる。
【0050】また、上記冷媒調節器(4)の第2流出入管(43)に複数の冷媒孔(45,45,…)を形成するようにしたために、該冷媒孔(45,45,…)と上記電動膨脹弁(25)の開度とによって冷房運転サイクル時に冷媒循環量を高精度に制御することができるので、運転精度の向上を図ることができると共に、運転範囲の拡大を図ることができる。
【0051】また、高圧冷媒圧力HPの上昇時に電動膨脹弁(25)を開動するようにしたために、室外熱交換器(23)内の液冷媒を冷媒調節器(4)に流して貯溜することができるので、該高圧冷媒圧力HPの上昇を確実に低下させることができる一方、液バック及び湿り運転を確実に防止することができることから、信頼性の高い運転制御を行うことができる。
【0052】図4は、上記冷媒調節器(4)の他の実施例を示すもので、第2流出入管(43)の内菅部(46)が直菅に形成されたものである。
【0053】つまり、上記第2流出入管(43)は、貯溜ケーシング(41)の底部より該貯溜ケーシング(41)の内部に導入される一方、上記内菅部(46)には、前実施例と同様に複数の冷媒孔(45,45,…)が形成されている。従って、本実施例によれば、第2流出入管(43)が直菅で構成されているので、製作を簡易にすることができる。その他の構成並びに作用・効果は、前実施例と同様である。
【0054】図5は、請求項5及び6に係る発明の実施例を示すもので、上記冷媒調節器(4)にバイパス路(12)が接続されたものである。
【0055】該バイパス路(12)は、閉鎖弁(SV)を備え、一端が冷媒調節器(4)の底部に接続され、他端が貯溜ケーシング(41)と室内熱交換器(31)との間の冷媒配管(11)に接続されている。
【0056】また、上記コントローラ(7)には、上記閉鎖弁(SV)を制御するバイパス制御手段(74)が設けられ、該バイパス制御手段(74)は、暖房運転サイクル時に閉鎖弁(SV)を全閉に制御し、且つ通常の冷房運転サイクル時には閉鎖弁(SV)を全開に制御する一方、冷房運転サイクル時において、高圧制御圧力スイッチ(HPS2)が高圧制御信号を出力すると閉鎖弁(SV)を閉鎖すると共に、吐出管センサ(Thd)が検出する吐出管温度Tdが所定温度に低下すると、所定時間閉鎖弁(SV)を閉鎖するように構成されている。
【0057】具体的に、例えば、上記高圧制御圧力スイッチ(HPS2)は、高圧冷媒圧力HPが27Kg/cm2になるとONして高圧制御信号を出力し、高圧冷媒圧力HPが24Kg/cm2になるとOFFして高圧制御信号の出力を停止するので、バイパス制御手段(74)は、高圧冷媒圧力HPが27Kg/cm2になると閉鎖弁(SV)を閉鎖し、高圧冷媒圧力HPが24Kg/cm2になると開口する一方、吐出管温度Tdが60℃より低下すると、10分間閉鎖弁(SV)を閉鎖するように構成されている。
【0058】従って、上記高圧冷媒圧力HPが所定の高圧に上昇すると、電動膨脹弁(25)が開動すると同時に、閉鎖弁(SV)が閉鎖され、液冷媒を冷媒調節器(4)に貯溜して高圧冷媒圧力HPを低下させることになる。また、上記吐出管温度Tdが低下すると、閉鎖弁(SV)を閉鎖させて液冷媒を冷媒調節器(4)に貯溜して湿り運転を防止している。
【0059】この結果、上記高圧冷媒圧力HPの上昇を防止することができると共に、湿り運転を確実に防止することができるので、信頼性の高い運転制御を行うことができる。その他の構成並びに作用・効果は、前実施例と同様である。
【0060】図6は、請求項3及び4に係る発明の実施例を示す制御フローであって、図2におけるコントローラ(7)に1点鎖線で示すように、開動制御手段(73)に代えて過冷却判別手段(75)と開度補正手段(76)とを設けたものである。
【0061】該過冷却判別手段(75)は、冷房運転時における室外熱交換器(23)の冷媒の過冷却度を判別するものであって、上記高圧制御圧力スイッチ(HPS2)が検出した高圧冷媒圧力HPが所定値より上昇し、且つ外気温センサ(Tha)が検出する室外空気温度Taが所定温度になると、例えば、30℃以下になると、過冷却度が大きいと判別し、また、上記高圧制御圧力スイッチ(HPS2)が検出した高圧冷媒圧力HPが所定値より上昇し、且つ室外熱交センサ(Thc)が検出する室外熱交温度Tcが所定温度になると、例えば、45℃又は40℃以下になると、過冷却度が大きいと判別するように構成されている。更に、上記過冷却判別手段(75)は、吐出管センサ(Thd)が検出する吐出管温度Tdが所定温度になると、例えば、70℃又は80℃以下になると、湿り状態と判別し、該湿り状態を加味して過冷却度を判別するように構成されている。
【0062】上記開度補正手段(76)は、高圧制御圧力スイッチ(HPS2)が検出した高圧冷媒圧力HPが所定値になると、例えば、15Kg/cm2以上になると、上記膨脹弁制御手段(72)が電動膨脹弁(25)の開度を通常制御開度より大きい補正開度に制御し、且つ上記過冷却判別手段(75)が判別した過冷却度の上昇に対応して該補正開度が大きくなるように制御する開動信号を該膨脹弁制御手段(72)に出力する。
【0063】つまり、該開度補正手段(76)は、通常制御開度より大きい3つの補正開度を予め記憶しており、上記過冷却判別手段(75)が判別した過冷却度に対応し、通常制御開度Aより大きく開ける開度量が最も大きい第1補正開度Dと、開度量が中程度の第2補正開度Cと、開度量が最も小さい第3補正開度Bとの開動信号を膨脹弁制御手段(72)に出力するように構成されている。
【0064】次に、上記電動膨脹弁(25)の開度補正動作について、図6の制御フローに基づき説明する。
【0065】先ず、上記電動膨脹弁(25)の開度補正ルーチンがスタートすると、ステップST1において、高圧制御圧力スイッチ(HPS2)がオンしているか否かを判定し、該高圧制御圧力スイッチ(HPS2)は、例えば、高圧冷媒圧力HPが15Kg/cm2以上になるとオンするので、該高圧制御圧力スイッチ(HPS2)がオンするまで、判定がNOとなり、ステップST2に移り、吐出管温度Tdが最適値Tkになるように膨脹弁制御手段(72)が通常制御開度Aに電動膨脹弁(25)の開度を制御してリターンすることになる。
【0066】一方、上記高圧制御圧力スイッチ(HPS2)がオンすると、上記ステップST1からステップST3に移り、外気温センサ(Tha)が検出する室外空気温度Taが、例えば、30℃より高いか否かを判定し、30℃以下のときはステップST4に、30℃より高いときはステップST5に移ることになる。そして、このステップST4において、吐出管センサ(Thd)が検出する吐出管温度Tdが、例えば、70℃以上の高温か否かを判定し、70℃以上のときは湿り状態でないとしてステップST6に移り、70℃未満のときは湿り状態であるとしてステップST7に移ることになる。また、上記ステップST5において、吐出管センサ(Thd)が検出する吐出管温度Tdが、例えば、80℃以上の高温か否かを判定し、80℃以上のときは湿り状態でないとしてステップST8に移り、80℃未満のときは湿り状態であるとしてステップST9に移ることになる。
【0067】更に、上記ステップST6及びステップST7において、室外熱交センサ(Thc)が検出する室外熱交温度Tcが、例えば、40℃より高いか否かを判定し、40℃以下のときはステップST10又はステップST12に、40℃より高いときはステップST11又はステップST13に移ってリターンすることになる。また、上記ステップST8及びステップST9において、室外熱交センサ(Thc)が検出する室外熱交温度Tcが、例えば、45℃より高いか否かを判定し、45℃以下のときはステップST14又はステップST16に、45℃より高いときはステップST15又はステップST17に移ってリターンすることになる。
【0068】このステップST10〜ステップST13においては、室外空気温度Taが低いので、過冷却度が大きくなって高圧冷媒圧力HPが上昇したと考えられることから、通常制御開度Aより大きく開ける開度量が最も大きい第1補正開度Dに電動膨脹弁(25)の開度を設定することになる。
【0069】また、上記ステップST14〜ステップST17においては、室外空気温度Taがさほど低くないので、室外熱交温度Tcで過冷却度を判別し、室外熱交温度Tcが45℃より高いと、上記ステップST15及びステップST17において、過冷却度が小さい状態で高圧冷媒圧力HPが上昇しているので、通常制御開度Aより大きく開ける開度量が最も小さい第3補正開度Bに電動膨脹弁(25)の開度を設定することになる。更に、湿り状態を加味し、吐出管温度Tdが80℃未満で、室外熱交温度Tcが45℃以下のときは、湿り状態と判別することができるので、ステップST16において、高圧冷媒圧力HPが上昇しているものゝ通常制御開度Aより大きく開ける開度量が中程度の第2補正開度Cに電動膨脹弁(25)の開度を設定することになり、吐出管温度Tdが80℃以上で、室外熱交温度Tcが45℃以下のときは、過冷却度が大きくなって高圧冷媒圧力HPが上昇したと考えられることから、ステップST16において、通常制御開度Aより大きく開ける開度量が最も大きい第1補正開度Dに電動膨脹弁(25)の開度を設定することになる。
【0070】そして、上記ステップST1及びステップST3〜ステップST9によって過冷却判別手段(75)が構成され、また、ステップST10〜ステップST17によって開度補正手段(76)が構成されている。
【0071】この結果、高圧冷媒圧力HPの上昇時に室外熱交換器(23)に溜まった液冷媒が冷媒調節器(4)に流れ、高圧冷媒圧力HPが低下すると共に、液冷媒が冷媒調節器(4)に溜まることになる。
【0072】従って、本実施例によれば、上記室外熱交換器(23)に溜まった液冷媒量に対応して、つまり、過冷却度に応じて電動膨脹弁(25)の開度を大きく開動させて高圧冷媒圧力HPの上昇を防止しているので、より精度のよい運転を行うことができ、エネルギ有効率(EER)を向上させることができると共に、運転範囲の拡大を図ることができる。
【0073】また、上記過冷却度の判別に専用のセンサを要しないので、構成を複雑にすることなく、高圧冷媒圧力HPの上昇を防止することができる。
【0074】図7は、請求項3及び4に係る発明の実施例の変形例を示し、上記図6における実施例のステップST4及びステップST5を省略したもので、吐出管温度Tdについて判別しないものである。
【0075】従って、ステップST3からステップST6又はステップST9に移り、該ステップST6において、室外熱交センサ(Thc)が検出する室外熱交温度Tcが、例えば、40℃より高いか否かを判定し、40℃以下のときはステップST10に、また、40℃より高いときはステップST11に移ってリターンすることになる。また、上記ステップST9において、室外熱交センサ(Thc)が検出する室外熱交温度Tcが、例えば、45℃より高いか否かを判定し、45℃以下のときはステップST16に、40℃より高いときはステップST17に移ってリターンすることになる。
【0076】そして、このステップST10及びステップST11においては、室外空気温度Taが低いので、過冷却度が大きくなって高圧冷媒圧力HPが上昇したと考えられることから、通常制御開度Aより大きく開ける開度量が最も大きい第1補正開度Dに電動膨脹弁(25)の開度を設定することになる。
【0077】また、上記ステップST16及びステップST17においては、室外空気温度Taがさほど低くないので、室外熱交温度Tcで過冷却度を判別し、室外熱交温度Tcが45℃より高いと、上記ステップST17において、過冷却度が小さい状態で高圧冷媒圧力HPが上昇しているので、通常制御開度Aより大きく開ける開度量が最も小さい第3補正開度Bに電動膨脹弁(25)の開度を設定することになる。更に、上記室外熱交温度Tcが45℃以下のときは、湿り状態と判別することができるので、ステップST16において、高圧冷媒圧力HPが上昇しているものゝ通常制御開度Aより大きく開ける開度量が中程度の第2補正開度Cに電動膨脹弁(25)の開度を設定することになる。
【0078】その他の構成並びに作用・効果は、図6に示す実施例と同様である。
【0079】図8は、請求項3に係る発明の実施例における他の変形例を示し、上記図6における実施例のステップST4〜ステップST9を省略したもので、上記室外空気温度Taのみを判別し、吐出管温度Td及び室外熱交温度Tcについて判別しないものである。
【0080】従って、ステップST3からステップST10及びステップST15に移ることになる。つまり、外気温センサ(Tha)が検出する室外空気温度Taが、30℃より高いか否かを判定し、30℃以下のときはステップST10に、30℃より高いときはステップST15に移ってリターンすることになる。そして、このステップST10においては、室外空気温度Taが低いので、過冷却度が大きくなって高圧冷媒圧力HPが上昇したと考えられることから、通常制御開度Aより大きく開ける開度量が最も大きい第1補正開度Dに電動膨脹弁(25)の開度を設定することになる。
【0081】また、上記ステップST15においては、室外空気温度Taがさほど低くないので、通常制御開度Aより大きく開ける開度量が最も小さい第3補正開度Bに電動膨脹弁(25)の開度を設定することになる。
【0082】その他の構成並びに作用・効果は、図6に示す実施例と同様である。
【0083】尚、上記実施例おいて、膨脹弁制御手段(72)は、吐出管温度制御するように構成したが、本発明においては、室内熱交換器(31)の入口冷媒温度と出口冷媒温度とによる過熱度制御を行うようにしてもよい。
【0084】また、上記バイパス制御手段(74)は、高圧制御圧力スイッチ(HPS2)の高圧制御信号に基づいて制御するようにしたが、室外熱交センサ(Thc)が検出する室外熱交温度Tcに基づいて制御するようにしてもよい。つまり、高圧冷媒圧力HPを室外熱交温度Tcに基づいて導出するようにしてもよい。また、該バイパス制御手段(74)は、高圧冷媒圧力HPのみ、又は、吐出管温度Tdのみの何れかに基づいて制御するようにしてもよく、つまり、高圧制御又は湿り運転制御のみを行うようにしてもよい。
【0085】また、図6及び図7に示す実施例においては、室外熱交換器(23)の液側端部(冷房運転サイクル時の出口側)に液温センサを設け、該液温センサと室外熱交センサ(Thc)とによって過冷却度を直接検出するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の構成を示すブロック図である。
【図2】冷媒循環回路を示す冷媒配管系統図である。
【図3】冷媒調節器の拡大断面図である。
【図4】他の冷媒調節器を示す拡大断面図である。
【図5】他の冷媒循環回路を示す冷媒配管系統図である。
【図6】他の電動膨脹弁制御を示す制御フロー図である。
【図7】電動膨脹弁制御の変形例を示す制御フロー図である。
【図8】電動膨脹弁制御の他の変形例を示す制御フロー図である。
【符号の説明】
1 冷媒循環回路
4 冷媒調節器
12 バイパス路
21 圧縮機
23 室外熱交換器(熱源側熱交換器)
25 電動膨脹弁
31 室内熱交換器(利用側熱交換器)
41 貯溜ケーシング
42 第1流出入管
43 第2流出入管
45 冷媒孔
72 膨脹弁制御手段
73 開動制御手段
74 バイパス制御手段
75 過冷却判別手段
76 開度補正手段
Thc 室外熱交センサ
Thd 吐出管温度センサ
Tha 外気温センサ
HPS2 高圧制御圧力スイッチ
SV 閉鎖弁

【特許請求の範囲】
【請求項1】 圧縮機(21)と、熱源側熱交換器(23)と、冷媒が双方向に流れ且つ開度調整可能な電動膨脹弁(25)と、上記圧縮機(21)に直接に繋がる利用側熱交換器(31)とが順に接続されて冷房運転サイクルと暖房運転サイクルとに可逆運転可能な閉回路の冷媒循環回路(1)が形成され、該冷媒循環回路(1)における電動膨脹弁(25)と利用側熱交換器(31)との間には、冷房運転サイクル時に冷媒循環量を調節する一方、暖房運転サイクル時に冷媒液を貯溜する冷媒調節器(4)が設けられ上記冷媒調節器(4)は、熱源側熱交換器(23)が電動膨脹弁(25)を介して接続される第1流出入管(42)と、利用側熱交換器(31)が接続される第2流出入管(43)とが貯溜ケーシング(41)に接続されてなり、該第2流出入管(43)には、貯溜ケーシング(41)内に複数の冷媒孔(45,45,…)が形成されていることを特徴とする空気調和装置。
【請求項2】 請求項1記載の空気調和装置において冷媒循環回路(1)の冷媒状態に基づいて上記電動膨脹弁(25)を通常制御開度に調節する膨脹弁制御手段(72)と、冷媒循環回路(1)の高圧冷媒圧力を検出する高圧検出手段(HPS2)と、該高圧検出手段(HPS2)が検出した高圧冷媒圧力が所定値になると上記膨脹弁制御手段(72)が電動膨脹弁(25)の開度を通常制御開度より大きい補正開度に制御するように開動信号を該膨脹弁制御手段(72)に出力する開動制御手段(73)とを備えていることを特徴とする空気調和装置。
【請求項3】 請求項1記載の空気調和装置において冷媒循環回路(1)の冷媒状態に基づいて上記電動膨脹弁(25)を通常制御開度に調節する膨脹弁制御手段(72)と、冷媒循環回路(1)の高圧冷媒圧力を検出する高圧検出手段(HPS2)と、冷房運転サイクル時における熱源側熱交換器(23)の冷媒の過冷却度を判別する過冷却判別手段(75)と、上記高圧検出手段(HPS2)が検出した高圧冷媒圧力が所定値になると、上記膨脹弁制御手段(72)が電動膨脹弁(25)の開度を通常制御開度より大きい補正開度に制御し、且つ上記過冷却判別手段(75)が判別した過冷却度の上昇に対応して該補正開度が大きくなるように制御する開動信号を該膨脹弁制御手段(72)に出力する開度補正手段(76)とを備えていることを特徴とする空気調和装置。
【請求項4】 請求項3記載の空気調和装置において、過冷却判別手段(75)は、外気温度と熱源側熱交換器(23)における冷媒の凝縮温度とより過冷却度を判別するように構成されていることを特徴とする空気調和装置。
【請求項5】 請求項1乃至の何れか1記載の空気調和装置において、一端が冷媒調節器(4)に、他端が冷媒調節器(4)と利用側熱交換器(31)との間にそれぞれ接続されると共に、閉鎖弁(SV)を備えたバイパス路(12)と、暖房運転サイクル時に閉鎖弁(SV)を閉鎖し、且つ冷房運転サイクル時に閉鎖弁(SV)を開口すると共に、該冷房運転サイクル時に冷媒循環回路(1)の高圧冷媒圧力が所定の高圧になると該高圧が所定値に低下するまで閉鎖弁(SV)を閉鎖するバイパス制御手段(74)とを備えていることを特徴とする空気調和装置。
【請求項6】 請求項1乃至の何れか1記載の空気調和装置において、一端が冷媒調節器(4)に、他端が冷媒調節器(4)と利用側熱交換器(31)との間にそれぞれ接続されると共に、閉鎖弁(SV)を備えたバイパス路(12)と、暖房運転サイクル時に閉鎖弁(SV)を閉鎖し、且つ冷房運転サイクル時に閉鎖弁(SV)を開口すると共に、該冷房運転サイクル時に圧縮機(21)の吐出管温度が所定の低温になると閉鎖弁(SV)を所定時間閉鎖するバイパス制御手段(74)とを備えていることを特徴とする空気調和装置。

【図1】
image rotate


【図3】
image rotate


【図4】
image rotate


【図2】
image rotate


【図5】
image rotate


【図7】
image rotate


【図8】
image rotate


【図6】
image rotate


【特許番号】特許第3334222号(P3334222)
【登録日】平成14年8月2日(2002.8.2)
【発行日】平成14年10月15日(2002.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平5−65064
【出願日】平成5年3月24日(1993.3.24)
【公開番号】特開平6−207758
【公開日】平成6年7月26日(1994.7.26)
【審査請求日】平成11年1月27日(1999.1.27)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【参考文献】
【文献】実開 昭54−79046(JP,U)
【文献】実開 昭50−145790(JP,U)
【文献】実開 昭52−96444(JP,U)
【文献】実開 昭51−163054(JP,U)
【文献】実開 昭62−6669(JP,U)
【文献】特公 昭42−5495(JP,B1)
【文献】実公 昭49−12701(JP,Y1)