説明

空調ユニット

【課題】吹き出しモードにかかわらず、ハウジングの供給孔を通じてアスピレータに空気が安定に供給される空調ユニットを提供する。
【解決手段】ベントダンパ(46b)は、空気流の経路の一部を第1流路(47a)と第2流路(47b)とに分けるスプリット位置を有し、供給孔(32)は、第1流路(47a)を区画するクーラ・ヒータケーシング(20)の領域に位置している。空調ユニットは、少なくともベントダンパ(46b)がスプリット位置にあるとき、供給孔(32)と第1流路(47a)との間を仕切る仕切り板(50)及び凸部(48a)と、仕切り板(50)及び凸部(48a)が供給孔(32)と第1流路(47a)との間を仕切っているときに、供給孔(32)と第1流路(47a)及び第2流路(47b)よりも上流の空気流の経路の部分とを連通させる凹部(48b)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空調ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば車両用空調システムは、車室前側のインストルメントパネル内に配置された空調ユニットを備え、空調ユニットのハウジングの内部には、車室に調和空気を吹出させるための風路の一部が規定されている。
より詳しくは、空調ユニットのハウジングには、その空気取入口から複数の空気送出口に向かう空気流を生成するブロワファン及び空気流を冷却するための蒸発器が収容されている。また、蒸発器の下流には、空気流を加熱するためのヒータコアが収容されている。
【0003】
各空気送出口の近傍にはダンパが設けられ、各ダンパは対応する空気送出口を開閉する。あるいは、ハウジング内に、区画壁によって、所定の空気送出口に繋がる分岐路が形成されている場合には、分岐路を開閉するようにダンパが設けられる。
ダンパは、例えばモードリンクによって位置が変更され、ダンパの位置に応じて吹き出しモードが切り換えられる。これにより、特定の空気送出口を経て車室内に調和空気が吹き出す。例えば、空気送出口には、ベント用送出口、フット用送出口及びデフロスト用送出口があり、ベント用送出口のみを経て吹き出すベントモードや、フット用送出口からのみ吹出すフットモード、更には、ベント用送出口及びフット用送出口の2つの送出口を経て吹き出すバイレベルモードがある。
【0004】
また、空調ユニットのハウジングには、アスピレータが取り付けられるとともに、アスピレータに空気を供給するための供給孔が形成される。アスピレータは、ホースを介して温度計に接続され、アスピレータに空気が供給されると、車室内の空気が温度計に流入し、車室内の空気の温度が測定される(特許文献1)。
【特許文献1】特開平5-155227号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の空調ユニットには、ダンパが空気流の経路の一部を2つの流路に分けるものがある。そして、アスピレータに空気を供給するための供給孔が、ダンパによって分けられた2つの流路のうち一方を形成するハウジングの領域に形成されているものがある。
かかる空調ユニットでは、他のダンパの位置や空気流の流速によって、空気流が、2つの流路のうち、供給孔が存在しない他方の流路をもっぱら流れることがある。そして、この場合、供給孔が存在する一方の流路内の空気がベンチュリ効果によって吸引され、減圧状態になる虞がある。供給孔が存在する一方の流路内が減圧状態になると、アスピレータ及び供給孔を通じて車室内の空気がハウジング内に流入し、空調ユニットによる車室の温度制御の精度が低下してしまう。
【0006】
本発明は上述の事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、吹き出しモードにかかわらず、ハウジングの供給孔を通じてアスピレータに空気が安定に供給される空調ユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するため、本発明の請求項1の空調ユニットは、空気取込口及び複数の空気送出口を有するとともに、アスピレータに空気を供給するための供給孔を有するハウジングと、前記ハウジング内に配置された蒸発器及びヒータコアと、前記ハウジング内に設けられた区画壁であって、前記空気取入口から少なくとも前記蒸発器を経て前記空気送出口まで延びる複数の空気流の経路を形成する区画壁と、前記ハウジング内に可動に設けられた少なくとも1つのダンパを含み、前記空気流の経路を切り換えるための吹出モード切換手段とを備える空調ユニットにおいて、前記ダンパは、前記空気流の経路の一部を第1流路と第2流路とに分けるスプリット位置を有し、前記供給孔は、前記第1流路を区画する前記ハウジングの領域に位置し、少なくとも前記ダンパが前記スプリット位置にあるとき、前記供給孔と前記第1流路との間を仕切る仕切り手段と、前記仕切り手段が前記供給孔と前記第1流路との間を仕切っているときに、前記供給孔と前記第1流路及び前記第2流路よりも上流の前記空気流の経路の部分とを連通させる連通手段とを具備することを特徴としている。
【0008】
請求項2の空調ユニットは、前記ハウジングは、前記第1流路及び第2流路を区画する前記ハウジングの領域に形成された凹凸を有し、前記連通手段は、前記ハウジングの内側からみて、前記凹凸における凹部を含み、前記凹凸の凹部は、前記空気流の流動方向でみて、前記第1流路及び第2流路よりも上流の前記空気流の経路の部分と連通するとともに、前記供給孔は、前記凹凸の凹部に開口を有し、前記仕切り手段は、前記凹凸の凸部と、当該凸部と協働して前記供給孔と前記第1流路との間を仕切る仕切り部材とを含むことを特徴としている。
【0009】
請求項3の空調ユニットは、記空気流の流動方向でみて、前記第1流路及び第2流路よりも上流の前記空気流の経路の部分を区画する前記ハウジングの領域は、前記凹凸の凹部と面一をなすことを特徴としている。
請求項4の空調ユニットは、前記仕切り手段が、前記ダンパと一体に形成された仕切り板を含むことを特徴としている。
【0010】
請求項5の空調ユニットは、前記ダンパが前記スプリット位置にあるとき、前記空気流の経路は、前記第1流路及び第2流路の入口にて曲げられていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0011】
本発明の請求項1の空調ユニットでは、仕切り手段によって、供給孔と第1流路との間が仕切られることによって、第1流路内が減圧状態になったとしても、車室内からアスピレータ及び供給孔を通じてハウジング内に空気が流入することが防止される。
一方、この空調ユニットでは、連通手段によって、空気流の経路を流れる空気流の一部が供給孔に供給され、仕切り手段の存在にかかわらず、アスピレータに空気が安定に供給される。
【0012】
請求項2の空調ユニットでは、ハウジングに所定の凹凸を形成することによって連通手段が構成され、簡単な構成にて、アスピレータに空気が安定に供給される。
請求項3の空調ユニットでは、第1流路及び第2流路よりも上流の空気流の経路の部分を区画するハウジングの領域が、凹凸の凹部と面一をなすことにより、経路から凹部に空気が流入しやすい。この結果として、この空調ユニットでは、アスピレータに十分な量の空気が安定に供給される。
【0013】
請求項4の空調ユニットでは、仕切り板がダンパと一体に形成されることにより、供給孔と第1流路との間が簡単な構成にて仕切られる。
請求項5の空調ユニットでは、空気流の経路が、第1流路及び第2流路の入口で曲げられており、ベンチュリ効果によって第1流路内が減圧状態になり易い。このような場合でも、この空調ユニットによれば、アスピレータに空気が安定に供給される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の一実施形態の空調ユニットについて図面を参照して説明する。
図1は、車両における空調ユニットの配置を示している。
具体的には、車両のエンジンルーム4と車室6との間は隔壁8によって区画され、車室6の前側部分には、隔壁8とインストルメントパネル10との間に機器室12が確保されている。この機器室12に空調ユニットは配置されている。
【0015】
空調ユニットはハウジング14を有し、ハウジング14の内部には、車室6に調和空気を吹出させるための風路の一部が規定されている。
より詳しくは、ハウジング14は、直列に接続された内外気箱16、ブロワケーシング18及びクーラ・ヒータケーシング20からなる。
内外気箱16は、外気導入用及び内気循環用の2つの空気取入口16a,bを有する。外気導入用の空気取入口16aには、車外に開口した外気導入口22aを有する外気用エアダクトが接続され、内気導入用の空気取入口16bには、車室6に開口した内気導入口22bを有する内気用エアダクトが接続されている。
【0016】
なお、これらの空気取入口16a,bには、ダストフィルタがそれぞれ取り付けられている。また、内外気箱16の内部には、図示しないけれども、空気取入口16a,bを開閉するための内外気切換ダンパが設置されている。
内外気箱16は、ブロワケーシング18の入口に取り付けられ、ブロワケーシング18内にはブロワファン24が収容されている。ブロワケーシング18の出口には、クーラ・ヒータケーシング20の入口が接続されており、クーラ・ヒータケーシング20は、フット用空気送出口26a、ベント用空気送出口26b及びデフロスト用空気送出口26cを有する。
【0017】
ブロワファン24に電力を供給して回転させると、外気導入用空気取入口16a若しくは内気循環用空気取入口16bを通じてハウジング14内に空気が流入する。流入した空気は、ブロワファン24によってクーラ・ヒータケーシング20に送り込まれ、そして、フット用空気送出口26a、ベント用空気送出口26b若しくはデフロスト用空気送出口26cを通じてハウジング14から流出する。
【0018】
フット用空気送出口26a、ベント用空気送出口26b及びデフロスト用空気送出口26cは、エアダクトを通じてフット用空気吹出口28a、ベント用空気吹出口28b及びデフロスト用空気吹出口28cにそれぞれ接続されている。これらフット用空気吹出口28a、ベント用空気吹出口28b及びデフロスト用空気吹出口28cは、車室6の異なる位置にそれぞれ開口しており、フット用空気吹出口28aは、乗員の足元に向かうよう開口している。ベント用空気吹出口28bは複数あるけれども、いずれも運転席側又は助手席側の乗員の上半身に向かうよう開口し、デフロスト用空気吹出口28cは、フロントガラスに向けて開口している。
【0019】
また、クーラ・ヒータケーシング20の側壁にはアスピレータ30が取り付けられ、アスピレータ30は、側壁に形成された供給孔32を通じて、クーラ・ヒータケーシング20の内部と連通している。従って、ブロワファン24が回転させられると、供給孔32を通じてアスピレータ30に空気が供給される。アスピレータ30は、ホース34を通じて温度計36に接続されており、アスピレータ30に空気が供給されると、車室6内の空気が温度計36に流入し、温度計36によって、車室6内の空気の温度が測定される。
【0020】
図2は、図1のII-II線に沿うクーラ・ヒータケーシング20の断面図である。
クーラ・ヒータケーシング20内には蒸発器38及びヒータコア40が配置され、ヒータコア40は、空気流の流動方向でみて蒸発器38よりも下流に配置されている。
また、クーラ・ヒータケーシング20内には、区画壁が設けられ、区画壁は、クーラ・ヒータケーシング20の内部空間に空気流の経路を形成している。
【0021】
より詳しくは、空気流の経路は、区画壁42a,42bによって、蒸発器38の直下流若しくはヒータコア40の直下流の分岐点にて、フット通路44a、ベント通路44b、デフロスト通路44cに分岐されている。フット通路44a、ベント通路44b及びデフロスト通路44cは、分岐点から、フット用空気送出口26a、ベント用空気送出口26b及びデフロスト用空気送出口26cまでそれぞれ延びている。
【0022】
更に、クーラ・ヒータケーシング20内には複数のダンパが設けられ、ダンパの位置は、図示しないモードリンク等の駆動機構によって変更可能である。ダンパ及び駆動機構は、吹き出しモードを切り換える吹出モード切換手段を構成しており、駆動機構によってダンパの位置を変更することによって、空気流の経路が切り換えられる。
これらダンパのうち、エアミックスダンパ45は、ヒータコア40を通過する流路を開閉し、エアミックスダンパ45の開度に応じて、ヒータコア40を空気流が通過する。
【0023】
フットダンパ46aは、フット通路44aの入口に配置され、フット通路44aを開閉する。ベントダンパ46bは、ベント通路44bの入口に配置され、ベント通路44bを開閉する。デフロストダンパ46cは、デフロスト通路44cの入口に配置され、デフロスト通路44cを開閉する。
図3は、フット通路44a、ベント通路44b及びデフロスト通路44cの入口近傍の部分を、一部を断面にした状態にて拡大して示している。
【0024】
図3において、ベントダンパ46bは、ベント用通路44bの入口を開いた位置にある。ベントダンパ46bは、例えばバタフライダンパであり、ベントダンパ46bの回転軸は、ベント用通路44bの幅方向中央に位置している。このため、ベントダンパ46bが開位置にあるとき、ベントダンパ46の板状のドア部は、ベント用通路44bと平行に配置されている。このため、ベント用空気送出口26bまで延びる空気流の経路の一部は、ベントダンパ46bによって第1流路47aと第2流路47bとに分けられ、第1流路47a及び第2流路47bは、ベントダンパ46bよりも下流で合流している。
【0025】
このように、ベントダンパ42bが開位置にあるときに空気流の経路の一部が第1流路47aと第2流路47bとに分けられることから、本明細書では、ベントダンパ42bの開位置のことをスプリット位置ともいう。
供給孔32は、第1流路47aを区画するヒータ・クーラケーシング20の側壁の領域に形成されている。そして、クーラ・ヒータケーシング20の側壁には、第1流路47a及び第2流路47bを区画する領域に凹凸48が一体に形成されている。具体的には、クーラ・ヒータケーシング20の側壁の内壁面から内側に向けて突出する凸部48aが形成され、凸部48aは、クーラ・ヒータケーシング20の側壁の内壁面に対し平行で且つ内側に位置づけられた内面を有する。
【0026】
凸部48aは、溝状の凹部48bを形成するように突出しており、凹部48bの一端は、第1流路47a及び第2流路47bよりも上流の空気流の経路の部分に向けて開口している。凹部48bの他端は閉塞されており、当該他端近傍にて、供給孔32は凹部48bの底面に開口している。なお、凹部48の底面は、第1流路47a及び第2流路47bよりも上流の空気流の経路の部分を形成しているクーラ・ヒータケーシング20の側壁の内壁面と面一をなしている。
【0027】
凹部48bは、凸部48aの内面にも開口しており、第1流路47a及び第2流路47bとも連通可能である。ただし、この開口は、ベントダンパ46bがスプリット位置にあるとき、仕切り板50によって覆われる。
より詳しくは、ベントダンパ46bの板状のドア部の側縁に対し、仕切り板50が直角且つ一体に連なっている。仕切り板50の平面視形状は、ベントダンパ46bがスプリット位置にあるときに、仕切り板50が、凹部48bと第1流路47aとの間を仕切ることができるように形成されている。
【0028】
仕切り板50は、凸部48aの内面に対し、平行に近接して配置されており、ベントダンパ46bが回動するときに、凸部48aの内面に沿って平行に移動する。この際、仕切り板50が、周囲の部材と干渉しないように形成されているのは言うまでもない。
上述した空調ユニットでは、エアミックスダンパ45、ベントダンパ46b及びデフロストダンパ46cの開閉位置によって、クーラ・ヒータケーシング20内における空気流の経路が決定される。エアミックスダンパ45、ベントダンパ46b及びデフロストダンパ46cが、図2及び図3に示した配置にあるとき、空気流の経路は、クーラ・ヒータケーシング20の入口から、蒸発器38及びヒータコア40を経て、ベント用空気送出口26bまで延びる。
【0029】
この配置において、空気流の流速が大きい場合、ベンチュリ効果によって、スプリット位置にあるベントダンパ46によって区画された第2流路47b内が減圧状態になる。これは、空気流の経路が、第1流路47a及び第2流路47bの入口で曲がっているためである。
この空調ユニットでは、第1流路47a内が減圧状態になったとしても、仕切り板50と凸部48aとが協働することによって、供給孔32と第1流路47aとの間が仕切られる。これによって、ベントダンパ46bがスプリット位置に位置づけられる吹き出しモードであっても、供給孔32の開口近傍が減圧状態になることが防止され、車室6内からアスピレータ30及び供給孔32を通じてクーラ・ヒータケーシング20内に空気が流入することが防止される。
【0030】
一方、この空調ユニットでは、凹部48bがベントダンパ46bよりも上流の経路の部分に向けて開口しているため、当該経路の部分を流れる空気流が供給孔32に供給される。このため、仕切り板50の存在にかかわらず、アスピレータ30に空気が安定に供給される。
本発明は上述した一実施形態に限定されることはなく、種々の変形が可能である。
【0031】
一実施形態では、空調ユニットのハウジング14の形状は、特に限定されることはなく、ブロワファン、蒸発器、ヒータコア、ダンパ及び区画壁の配置は、特に限定されることはない。すなわち、本発明は、アスピレータの供給孔の開口近傍が、ダンパの開閉位置に応じて減圧状態になる虞のある空調ユニットに適用可能である。
例えば、一実施形態の空調ユニットでは、ベント通路44bの第1流路47aに供給孔32が位置していたけれども、フット通路やデフロスト通路に供給孔が形成されていてもよい。
【0032】
一実施形態の空調ユニットでは、仕切り板50は、ベントダンパ46bと一体に形成されていたけれども、ベントダンパ46bとは別体の仕切り部材を用いてもよい。ただし、一実施形態の場合のように、仕切り板50とベントダンパ46bとを一体に形成すれば、仕切り板50を駆動するための駆動装置を別に設ける必要がなく、空調ユニットの構成を簡単にすることができる。
【0033】
また、仕切り部材としての仕切り板50は、凸部48aと協働して供給孔32とフット通路44aとの間を仕切る仕切り手段を構成していたが、仕切り部材が単独で供給孔32とフット通路44aとの間を仕切るようにしてもよい。
更に、仕切り部材は、仕切り板50のように可動でなくてもよい。この場合、図4に示したように、凸部48aに対して、凹部48bに代えて横穴48cを形成すればよい。横穴48cは、凸部48aの内面に開口しておらず、凸部48aの内面が、供給孔32とフット通路44aとの間を仕切るための仕切り部材を構成する。
【0034】
凹部48b及び横穴48cは、それぞれ供給孔32に空気流を供給するための連通手段を構成しているが、連通手段の構成は、特に限定されない。ただし、凹部48b及び横穴48cの底面が、第1流路47a及び第2流路47bよりも上流の経路の部分を区画するクーラ・ヒータケーシング20の内壁面と面一にあれば、凹部48b及び横穴48cに対し、十分な量の空気流を円滑に流入させることができる。
【0035】
ここで、横穴48cに対して空気が流入しやすいように、横穴48cの開口面積は、上流の経路の部分に向けた凹部48bの開口面積よりも大きく設定されている。このように開口面積を大きくした場合には、図6に示したアダプタ60を用いてもよい。
アダプタ60は、所定方向からの空気流を供給孔32に導くための手段であり、例えば、供給孔32に回動可能に嵌合される筒部60aと、筒部60bと一体に設けられた導入管60bとを有する。横穴48c内で筒部60aを回動させることにより、導入管60bの向きが変更され、これにより所望の方向からの空気流を供給孔32に導入することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】車両における一実施形態の空調ユニットの配置を概略的に示す図である。
【図2】図1中のII-II線に沿う断面図である。
【図3】図2のクーラ・ヒータケーシング内におけるフット通路、ベント通路及びデフロスト通路の入口近傍の部分を、一部を断面にして拡大して示す部分斜視図である。
【図4】変形例の空調ユニットにおける、フット通路、ベント通路及びデフロスト通路の入口近傍の部分を、一部を断面にして拡大して示す部分斜視図である。
【図5】図4の空調ユニットにアダプタを適用した状態を示す部分平面図である。
【図6】図5中のアダプタの部分切欠斜視図である。
【符号の説明】
【0037】
20 クーラ・ヒータケーシング
26a フット用空気送出口
26b ベント用空気送出口
26c デフロスト用空気送出口
32 供給孔
44a フット通路
44b ベント通路
44c デフロスト通路
46a フットダンパ
46b ベントダンパ
46c デフロストダンパ
47a 第1流路
47b 第2流路
48a 凸部(仕切り手段)
48b 凹部(連通手段)
50 仕切り板(仕切り部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気取込口及び複数の空気送出口を有するとともに、アスピレータに空気を供給するための供給孔を有するハウジングと、
前記ハウジング内に配置された蒸発器及びヒータコアと、
前記ハウジング内に設けられた区画壁であって、前記空気取入口から少なくとも前記蒸発器を経て前記空気送出口まで延びる複数の空気流の経路を形成する区画壁と、
前記ハウジング内に可動に設けられた少なくとも1つのダンパを含み、前記空気流の経路を切り換えるための吹出モード切換手段と
を備える空調ユニットにおいて、
前記ダンパは、前記空気流の経路の一部を第1流路と第2流路とに分けるスプリット位置を有し、
前記供給孔は、前記第1流路を区画する前記ハウジングの領域に位置し、
少なくとも前記ダンパが前記スプリット位置にあるとき、前記供給孔と前記第1流路との間を仕切る仕切り手段と、
前記仕切り手段が前記供給孔と前記第1流路との間を仕切っているときに、前記供給孔と前記第1流路及び前記第2流路よりも上流の前記空気流の経路の部分とを連通させる連通手段と
を具備することを特徴とする空調ユニット。
【請求項2】
前記ハウジングは、前記第1流路及び第2流路を区画する前記ハウジングの領域に形成された凹凸を有し、
前記連通手段は、前記ハウジングの内側からみて、前記凹凸における凹部を含み、
前記凹凸の凹部は、前記空気流の流動方向でみて、前記第1流路及び第2流路よりも上流の前記空気流の経路の部分と連通するとともに、前記供給孔は、前記凹凸の凹部に開口を有し、
前記仕切り手段は、前記凹凸の凸部と、当該凸部と協働して前記供給孔と前記第1流路との間を仕切る仕切り部材とを含む
ことを特徴とする請求項1に記載の空調ユニット。
【請求項3】
前記空気流の流動方向でみて、前記第1流路及び第2流路よりも上流の前記空気流の経路の部分を区画する前記ハウジングの領域は、前記凹凸の凹部と面一をなすことを特徴とする請求項2に記載の空調ユニット。
【請求項4】
前記仕切り手段は、前記ダンパと一体に形成された仕切り板を含むことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の空調ユニット。
【請求項5】
前記ダンパが前記スプリット位置にあるとき、前記空気流の経路は、前記第1流路及び第2流路の入口にて曲げられていることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の空調ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−61805(P2009−61805A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−228937(P2007−228937)
【出願日】平成19年9月4日(2007.9.4)
【出願人】(000001845)サンデン株式会社 (1,791)
【Fターム(参考)】