説明

空調用風向調節装置

【課題】空調時に空気の乱流による騒音を生じにくく、かつ温度変化によって回動操作感が変化し難く良好な操作感を得られ、しかも美観に優れる空調用風向調節装置を提供する。
【解決手段】縦フィン21と横フィン31の少なくとも一方のフィンが両端で枠体11に回動可能に軸支されて回動可能フィンとされ、前記一方の回動可能フィンとは異なる複数のフィンのうち、一つのフィンの片面には、該フィンの長手方向に沿って凹部33が形成されると共に、前記凹部33に該フィンの長手方向に沿ってスライド可能なスライド部材41が配設され、前記スライド部材41には、前記回動可能フィンと係合して前記スライド部材のスライドにより前記回動可能フィンを回動させる係合部43と、前記枠体の空気吹出側へ突出して設けられたスライド操作用ノブ51とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車等の空調用風向調節装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車においては、インストルメントパネルの両縁及び中央部等に空調用風向調節装置が設けられ、エアコン等からの空気の吹き出し方向を調節可能にしている。
【0003】
従来における空調用風向調節装置として、図7に示す空調用風向調節装置60がある。前記空調用風向調節装置60は、枠体61内に複数の縦フィン71と複数の横フィン81が設けられている。また、図示の例では、横フィン81は枠体61に固定された固定フィンとされ、それに対して縦フィン71は両端で枠体61に回動可能に軸支された回動可能フィンとされ、さらに、枠体61はインストルメントパネルの開口部に上下方向への回動を可能として取り付けられるように構成されている。前記空調用風向調節装置60は、図8から容易に理解されるように、複数の縦フィン(回動可能フィン)71に回動用リンク部材91が取り付けられ、複数の縦フィン(回動可能フィン)71のうち1つの縦フィンに設けられた操作部95を左右に動かすことによって、複数の縦フィン71を同時に左右へ回動可能に構成されている。前記空調用風向調節装置60において、上下方向へ風向を調節する場合には、前記枠体61を横フィン(固定フィン)81と共に上下方向へ回動させ、また、左右方向へ風向を調節する場合には、前記操作部95によって縦フィン71を左右方向へ回動させる。なお、前記固定フィンは枠体と一体に形成されたものと、枠体とは別体で形成され、その後に嵌着や接着等で枠体に固定されたものとがある。
【0004】
しかし、前記回動用リンク部材91を用いる空調用風向調節装置60においては、回動用リンク部材91がフィン間、あるいはフィンと枠体の内壁面間に存在するため、空調用風向調節装置60内を空気が流れる際に空気の流れが乱されて騒音を生じ易い問題や、回動用リンク部材91が外部から視認されて美観を損なう問題がある。さらに、前記回動用リンク部材91は、前記複数の回動可能フィン(図示の例では縦フィン71)の端部にそれぞれ形成されたピン73を挿入するためのピン用孔92が形成され、前記ピン用孔92に回動可能フィンのピン73が挿通されることによって、複数の回動可能フィンを同時に回動させるようになっていることから、空調用風向調節装置60内を通過する温風や冷風による温度変化に起因する伸縮でピン用孔92の間隔変化等を生じて回動可能フィンを回動させる際の摩擦抵抗が変化し、操作感が変化する問題もある。
【特許文献1】特開平7−89338号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、空調時に空気の乱流による騒音を生じ難く、かつ温度変化によって回動操作感が変化し難く良好な操作感を安定して得られ、しかも美観に優れる空調用風向調節装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、前側が空気吹出側、後側が空気入口側とされた枠体内に、空気の吹出方向調節用として複数の縦フィンと複数の横フィンが、一方のフィンを前記空気吹出側とし、他方のフィンを前記空気入口側として配設されると共に、前記縦フィンと前記横フィンの少なくとも一方のフィンが両端で前記枠体に回動可能に軸支されて回動可能フィンとされた空調用風向調節装置において、前記一方の回動可能フィンとは異なる複数のフィンのうち、一つのフィンの片面には、該フィンの長手方向に沿って凹部が形成されると共に、前記凹部に該フィンの長手方向に沿ってスライド可能なスライド部材が配設され、前記スライド部材には、前記一方の回動可能フィンと係合して前記スライド部材のスライドにより前記一方の回動可能フィンを回動させる係合部と、前記枠体の空気吹出側へ突出して設けられたスライド操作用ノブまたはスライド操作用ノブと係合する係合部を有することを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1において、前記一方の回動可能フィンとは異なる前記複数のフィンが、前記枠体の空気吹出側に位置し、前記一方の回動可能フィンが、前記空気入口側に位置し、前記凹部の形成されたフィンには、該フィンの後部側に前記凹部が設けられ、前記凹部に配設された前記スライド部材の後部側に前記一方の回動可能フィンと係合する前記係合部が設けられていることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記スライド部材の係合部は、前記一方の回動可能フィンの前後方向の一端部が挿入されて該一端部と係合する切り欠き凹部からなることを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項1または2において、前記スライド部材の係合部は、前記一方の回動可能フィンの前後方向の一端部を挟む爪形状からなることを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1から4の何れか一項において、前記一方の回動可能フィンとは異なる前記複数のフィンが、前記枠体に固定されて前記枠体と一体に回動可能とされていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明の空調用風向調節装置によれば、複数の縦フィンと複数の横フィンの少なくとも一方のフィンが回動可能な回動可能フィンとされ、前記一方の複数の回動可能フィンを回動させるスライド部材が、前記一方の回動可能フィンとは異なる一つのフィンの片面に形成された凹部に配置されているため、スライド部材が配置されたフィンの表面から突出するスライド部材の突出量を少なくすることができる。それにより、空調用風向調節装置内を空気が通過する際に、スライド部材が空気の流れを乱し難くなって、乱流による騒音発生を抑えることができる。また、空調用風向調節装置の外部からは、スライド部材がフィンの一部として認識されるため、空調用風向調節装置の美観が向上する。
【0012】
さらに、スライド部材の係合部を、前記一方の回動可能フィンの前後方向の一端部が挿入されて該一端部と係合する切り欠き凹部にしたり、前記一方の回動可能フィンの前後方向の一端部を挟む爪形状にすることにより、温度変化によって枠体やフィン及びスライド部材が伸縮しても、前記スライド部材のスライドによる回動操作感の変化が少なく、良好な操作感が安定して得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は本発明の一実施形態に係る空調用風向調節装置の斜視図、図2は同空調用風向調節装置の回動用リンクプレートを外した状態を示す斜視図、図3は同空調用風向調節装置における横フィン、縦フィン、スライド部材及びスライド操作用ノブを示す斜視図、図4は同空調用風向調節装置におけるスライド部材が配置されたフィン及びスライド操作用ノブを示す斜視図、図5は同空調用風向調節装置におけるスライド部材の組み付けを示す斜視図である。
【0014】
図1及び図2に示す本発明の一実施形態に係る空調用風向調節装置10は、自動車のインストルメンパネル等の内装部品に取り付けられる自動車用のものであり、枠体11内に、図3に示す縦フィン21、横フィン31、スライド部材41及びスライド操作用ノブ51を有し、前記枠体11外面には回動用リンクプレート38を有する。本実施例における前記枠体11、縦フィン21、横フィン31、スライド部材41、スライド操作用ノブ51及び回動用リンクプレート38は、それぞれプラスチック製からなる。なお、図示の空調用風向調節装置10は、横型タイプと称される。また、図示の例では、複数の横フィン31については、枠体11の左側側面14の外面に配置された回動用リンクプレート38によって連結され、一横フィンを上下に回動させることによって他の横フィンも同時に上下回動可能になっている。それに対し、縦フィン21についてはスライド操作用ノブ51の操作によって左右に回動可能な回動可能フィンとされている。
【0015】
枠体11は、上面12、下面13、左側側面14及び右側側面15で構成される四角形の短筒状からなり、内側が空気通路となっている。前記枠体11の前側が車室内への空気吹出側11A、後側が空調装置のダクトと接続される空気入口側11Bとされる。前記枠体11の上面12及び下面13には、前記空気入口側11B寄りに、縦フィン軸支孔16が縦フィン21の配置位置と対応して複数形成されている。前記縦フィン軸支孔16は、図示の例では、前記上面12及び下面13の内面に形成され、外面に非貫通とされているが、外面まで貫通したものでもよい。また、前記枠体11の左側側面14及び右側側面15には、前記空気吹出側11A寄りに、横フィン軸支孔17が横フィン31の配置位置と対応して複数形成されている。前記横フィン軸支孔17のうち、所定位置、図示の例では上から二番目の横フィン軸支孔17aについては、前記左側側面14及び右側側面15の内外面を貫通して形成され、他の横フィン軸支孔17bについては、前記左側側面14及び右側側面15の内面に形成され、外面には非貫通とされているが、横フィン軸支孔17の全てを外面まで貫通したものとしてもよい。さらに、図2に示すように、前記枠体11の左側側面14には、前記枠体11の横フィン軸支孔17と枠体11の前端との間に、リンクピン用長孔37が上下に形成されている。前記リンクピン用長孔37は、後述するように横フィン31の左端に形成されているリンクピン35が挿入されて、横フィン31の上下回動時にリンクピン35が円弧運動可能な大きさとされている。
【0016】
また、前記枠体11の左側側面14及び右側側面15の外面には、取付軸18が形成されている。前記取付軸18は、前記空調用風向調節装置10が取り付けられる内装部品に形成されている開口部の左右の側面に軸支され、それによって、空調用風向調節装置10が内装部品に取り付けられる。
【0017】
縦フィン21は、風向の左右方向調節を行うものであって、上下方向に縦長な板状体からなり、図示の例では、前記枠体11内に4個取り付けられる。図3及び図5にも示すように、前記縦フィン21の長手方向両端、すなわち上下方向両端には縦フィン回動軸22が形成されている。前記縦フィン回動軸22は、前記枠体11の上面12及び下面13に形成された縦フィン軸支孔16に挿入されて、前記縦フィン21の左右方向への回動を可能にする。前記縦フィン21は、前記枠体11の後側である空気入口側11Bに配置され、前記枠体11の前側である空気吹出側11Aに配置される横フィン21を邪魔しない前後幅寸法とされる。また、図示の縦フィン21は、図5らよりよく理解されるように、前端の上下略中間位置に前方(枠体11の前方)側へ突出した凸部形状の縦フィン側係合部23が形成されている。
【0018】
横フィン31は、風向の上下方向調節を行うものであって、左右方向に横長な板状体からなり、図示の例では、前記枠体11内に4個取り付けられる。図3ないし図5からよりよく理解されるように、前記横フィン31の長手方向両端、すなわち左右方向両端には横フィン回動軸32が形成され、前記枠体11の左側側面14及び右側側面15に形成された横フィン軸支孔17に挿入されて枠体11内に上下一定間隔で取り付けられ、前記枠体11に対して回動可能にされる。また、前記横フィン31の左端には、リンクピン35が突出形成されている。前記リンクピン35は、前記枠体11の左側側面14のリンクピン用長孔35に挿通され、さらに前記左側側面14の外面に配置された回動用リンクプレート38に挿通係止される。なお、前記回動用リンクプレート38には、一定の上下間隔でリンクピン挿通孔が形成され、該リンクピン挿通孔に前記リンクピン35が回動可能に挿通される。
【0019】
また、本実施例では、上から二番面の横フィン31aについては、片面(図の例では下面)の後部側半分の部分が、横フィン31aの長手方向(左右の横方向)に沿って窪んだ凹部33とされ、前記凹部33で横フィン31aの厚みが薄くされている。前記横フィン31aの前端と凹部33間の厚みが大の部分31bには、横フィン31aの両端間中央部に上下面を貫通する操作用ノブ取付孔34が形成されている。また、前記凹部33が形成されている横フィン31aは、両端の横フィン回動軸32aが、前記凹部33と対応する側(図示の例では下側)で切り欠かれた半割形状とされている。
【0020】
前記横フィン31aの凹部33には、前記横フィン31aの長手方向にスライド可能なスライド部材41が配置される。前記スライド部材41は、本実施例では横フィン31aの長手方向に沿って長い板状体からなる。前記スライド部材41の厚みは、前記凹部33の深さと略等しい厚みにされて前記横フィン31aの下面とスライド部材41の下面が略面一となるようにされている。また、前記スライド部材41の長手方向(図示の例では左右方向)の寸法は、前記枠体11内でスライド部材41が横フィン31aの長手方向(図示の例では左右方向)にスライド可能なように、前記枠体11の左側側面14と右側側面15の内面間距離よりも所要量短くされている。また、前記スライド部材41の前後幅(奥行き)は、前記横フィン31aの凹部33にスライド部材41が配置された際に、前記縦フィン21側となるスライド部材41の後端42が、前記横フィン31aの後端、すなわち横フィン31aの凹部33の後端33aから、前記縦フィン21側へ所要量突出する寸法とされる。
【0021】
前記スライド部材41の後端42には、前記複数の縦フィン21の前端、すなわち前記横フィン31の後端と対向する側に形成された前記凸部形状の縦フィン側係合部23と係合する係合部43が、前記複数の縦フィン21の間隔に合わせて形成されている。図示の例では、前記スライド部材41の係合部43は、前記縦フィン側係合部23が挿入係合可能な切り欠き凹形状からなる。また、前記スライド部材41の長手方向両端には取付ピン44が形成され、前記横フィン31aの両端の回動軸32aと共に、前記枠体11の左側側面14及び右側側面15における上側から二番面の横フィン軸支孔17aに挿入される。なお、前記スライド部材41の取付ピン44は、上半分が切り欠かれた半割形状からなり、前記横フィン軸支孔17aに緩く挿入されて前記スライド部材41が前記横フィン31aの凹部33でスライド可能とされ、また前記取付ピン44を回動軸として上下方向へ回動可能とされている。さらに、前記スライド部材41の略中央部には前後方向に長孔45が、スライド操作用ノブ51と係合する係合部として形成されている。前記長孔45は、後述するスライド操作用ノブ51のスライド部材係合ピン56が挿入可能なサイズとされ、かつスライド操作用ノブ51の操作時にスライド部材係合ピン56が係合してスライド部材41をスライドさせることのできる長さとされる。
【0022】
スライド操作用ノブ51は、図示の例では、上爪52と下爪53と前記上爪52の前端及び下爪53の前端を連結している側部57とで構成され、前記側部57とは反対の先端側51aが開口した横向きのU字形状からなる。前記上爪52と下爪53間は、前記横フィン31aとスライド部材41が挿入可能な間隔とされている。
【0023】
また、前記スライド操作用ノブ51の前後長さは、前記横フィン31aとスライド部材41がスライド操作用ノブ51の上爪52と下爪53間に挿入された際に、前記上爪52の先端が前記横フィン31aの操作用ノブ取付け孔34を超えるように設定されていると共に、前記下爪53の先端が前記操作用ノブ取付け孔34を超えて前記スライド部材41の長孔45に至るまたは超えるように設定されている。前記上爪52の下面と前記下爪53の上面には、前記横フィン31aの操作用ノブ取付け孔34に回動可能に挿入される回動軸54,55が形成され、さらに、前記下爪53の上面先端側には、前記スライド部材41の長孔45に挿入されるスライド部材係合ピン56が形成されている。前記スライド操作用ノブ51は、前記横フィン31aの操作用ノブ取付け孔34への前記回動軸54,55の挿入及び前記スライド部材41の長孔45へのスライド部材係合ピン56の挿入係合によって、前記回動軸54,55を中心として左右方向へ回動可能になる。前記スライド操作用ノブ51の左右方向への回動により、前記スライド部材係合ピン56と前記長孔45で係合しているスライド部材41が、スライド操作用ノブ51の前部側(図示の例では側部57側)の移動方向とは反対方向、例えばスライド操作用ノブ51の前部側を左方向へ動かせば、前記スライド部材41が右方向へスライドするようになる。なお、前記スライド操作用ノブ51の操作感は、前記上爪52と下爪53の間隔による前記横フィン31aの凹部33の表面と前記スライド部材41の接触程度や、前記スライド部材41の両端の取付ピン44と前記横フィン軸支孔17aとの接触程度を調節することによって所望の感覚にすることができる。また、前記横フィン31aの凹部33と前記スライド部材41との対向面に凹凸等を形成することによって、前記スライド操作用ノブ51の操作感を調節したり、前記スライド部材41を任意の位置へ維持する作用を高めたりしてもよい。
【0024】
前記構成からなる空調用風向調節装置10は、風向を上下方向へ調節する場合、前記横フィン31の1つ、あるいはスライド操作用ノブ51を上下方向へ動かし、前記回動用リンクプレート38を介して全ての横フィン31を上下方向へ回動させる。それに対し、風向を左右方向へ調節する場合、前記横フィン31aから突出している前記スライド操作用ノブ51の前部を左右方向へスライドさせる。このスライドによって前記スライド操作用ノブ51は、前記回動軸54,55を中心として回動し、前記スライド部材係合ピン56が前記スライド操作用ノブ51の前部のスライド方向とは反対方向へ回動する。そして、前記スライド部材係合ピン56が前記長孔45に挿入されて係合している前記スライド部材41が、前記スライド操作用ノブ51の前部のスライド方向とは反対方向へスライドし、それと同時に、前記スライド部材41の係合部43と係合している複数の縦フィン21がスライド部材41と同方向へ回動して、風向の左右方向調節が行われる。
【0025】
なお、前記の例では、横フィンについては回動用リンクプレート38を用いてリンクさせているが、横フィンについても縦フィンの回動と同様の構成にしてもよい。また、前記の例では、横フィンと縦フィンの両方を枠体に対して回動可能にしたが、何れか一方のフィンみを枠体に対して回動可能とし、他方のフィンについては枠体に固定し、あるいは図7に示した従来例のように枠体と一体に形成して、枠体と共に回動可能に構成してもよい。さらに、縦フィンを枠体に固定し、横フィンを本発明の構成によって回動可能としてもよい。また、前記スライド操作用ノブは前記スライド部材と一体に形成してもよい。さらにまた、前記スライド部材の係合部は、図6に示すように、回動可能フィン(図示の例では縦フィン21)の前後方向の一端部(図示の例では前側端部)を挟む爪形状の係合部47としてもよい。なお、図6において、図1〜図5と同様の部分は同一の符号で示す。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の一実施形態に係る空調用風向調節装置の斜視図である。
【図2】同空調用風向調節装置の回動用リンクプレートを外した状態を示す斜視図である。
【図3】同空調用風向調節装置における横フィン、縦フィン、スライド部材及びスライド操作用ノブを示す斜視図である。
【図4】同空調用風向調節装置におけるスライド部材が配置されたフィン及びスライド操作用ノブを示す斜視図である。
【図5】同空調用風向調節装置におけるスライド部材の組み付けを示す斜視図である。
【図6】スライド部材の係合部について他の例を示す斜視図である。
【図7】従来の空調用風向調節装置の斜視図である。
【図8】従来の空調風向調節装置の縦フィン、横フィン及びリンク部材を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0027】
10 空調用風向調節装置
11 枠体
21 縦フィン
31 横フィン
33 凹部
41 スライド部材
43 係合部
51 スライド操作用ノブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
前側が空気吹出側、後側が空気入口側とされた枠体内に、空気の吹出方向調節用として複数の縦フィンと複数の横フィンが、一方のフィンを前記空気吹出側とし、他方のフィンを前記空気入口側として配設されると共に、前記縦フィンと前記横フィンの少なくとも一方のフィンが両端で前記枠体に回動可能に軸支されて回動可能フィンとされた空調用風向調節装置において、
前記一方の回動可能フィンとは異なる複数のフィンのうち、一つのフィンの片面には、該フィンの長手方向に沿って凹部が形成されると共に、前記凹部に該フィンの長手方向に沿ってスライド可能なスライド部材が配設され、
前記スライド部材には、前記一方の回動可能フィンと係合して前記スライド部材のスライドにより前記一方の回動可能フィンを回動させる係合部と、前記枠体の空気吹出側へ突出して設けられたスライド操作用ノブまたはスライド操作用ノブと係合する係合部を有することを特徴とする空調用風向調節装置。
【請求項2】
前記一方の回動可能フィンとは異なる前記複数のフィンは、前記枠体の空気吹出側に位置し、
前記一方の回動可能フィンは、前記空気入口側に位置し、
前記凹部の形成されたフィンには、該フィンの後部側に前記凹部が設けられ、
前記凹部に配設された前記スライド部材の後部側に前記一方の回動可能フィンと係合する前記係合部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の空調用風向調節装置。
【請求項3】
前記スライド部材の係合部は、前記一方の回動可能フィンの前後方向の一端部が挿入されて該一端部と係合する切り欠き凹部からなることを特徴とする請求項1または2に記載の空調用風向調節装置。
【請求項4】
前記スライド部材の係合部は、前記一方の回動可能フィンの前後方向の一端部を挟む爪形状からなることを特徴とする請求項1または2に記載の空調用風向調節装置。
【請求項5】
前記一方の回動可能フィンとは異なる前記複数のフィンが、前記枠体に固定されて前記枠体と一体に回動可能とされていることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の空調用風向調節装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−123616(P2006−123616A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−311731(P2004−311731)
【出願日】平成16年10月27日(2004.10.27)
【出願人】(000119232)株式会社イノアックコーポレーション (1,145)