説明

穿刺支援装置

【課題】穿刺作業を安定化させて穿刺針を体内の目標点へと精度よく案内する。
【解決手段】穿刺支援装置は、軸部11bの中心軸周りに回動可能な半円弧状の第1円弧ガイド11と、第1円弧ガイド11と交差するように配置されると共に第1円弧ガイド11の軸部11bの中心軸と直交する軸部12bの中心軸周りに回動可能な半円弧状の第2円弧ガイド12と、穿刺針が挿通される針挿通部14bを有すると共に第1および第2円弧ガイド11,12の一方の回動により第1および第2円弧ガイド11,12の他方に沿って移動するように第1、第2円弧ガイド11,12により支持される穿刺針ガイド14とを含む姿勢調整機構10と、第1円弧ガイド11を軸部11bの中心軸周りに回動させる第1駆動装置と、第2円弧ガイド12を軸部12bの中心軸周りに回動させる第2駆動装置とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、患部の治療や医学的検査等に際して穿刺針を体内へと案内するのに用いられる穿刺支援装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の穿刺支援装置としては、人体に固定されるベース部(Clamp)と、複数の流体圧シリンダを介してベース部に連結された板状のステージ(MARS Robot)と、流体圧シリンダ等の側方に位置するように略L字状の連結部材(Drill guide)を介してステージに固定されると共に穿刺針を軸方向に摺動自在に保持する管状の穿刺針ガイド(Guiding tube)とを備えるものが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。この穿刺支援装置は、脊椎内に穿刺針を穿刺するのに用いられるものであり、穿刺針を脊椎に穿刺するに際しては、まず、穿刺支援装置のベース部を患者の脊椎横突起にボルトを介して固定する。次いで、X線撮影装置等により体内における目標点を取得した上で、各流体圧シリンダのストロークを調整することによりステージに固定された穿刺針ガイドを目標点に対して位置決めする。そして、穿刺針ガイドに穿刺針を挿入し、穿刺針を体内へと挿入する。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【非特許文献1】IEEE TRANSACTIONS ON ROBOTICS AND AUTOMATION, VOL. 19, NO. 5, OCTOBER 2003 "Bone-Mounted Miniature Robot for Surgical Procedures: Concept and Clinical Applications" Moshe Shoham, Member, IEEE, Michael Burman, Eli Zehavi, Leo Joskowicz, Senior Member, IEEE, Eduard Batkilin, and Yigal Kunicher インターネット<http://www.mazorrobotics.com/Sites/mazor/content/File/IEEE#3%20-%20Bone%20Mounted.pdf>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の穿刺支援装置では、ステージが複数の流体圧シリンダによりベース部の上方に支持されると共に、穿刺針ガイドが流体圧シリンダ等の側方に位置するように連結部材を介してステージに固定されることから、穿刺針の穿刺に際して力点となる穿刺針ガイドが支点(および作用点)となるベース部により片持ち支持されることになる。このため、穿刺時の穿刺針に対する力の加え方によっては、力点となる穿刺針ガイドから支点となるベース部に加えられる力により人体に対するベース部の固定が不安定になり、正確な穿刺が妨げられてしまうおそれもある。
【0005】
そこで、本発明の穿刺支援装置は、穿刺作業を安定化させて穿刺針を体内の目標点へと精度よく案内することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の穿刺支援装置は、上記主目的を達成するために以下の手段を採っている。
【0007】
本発明の穿刺支援装置は、
穿刺針を体内へと案内する穿刺支援装置であって、
両端部を通る第1軸周りに回動可能な半円弧状の第1円弧ガイドと、前記第1円弧ガイドと交差するように配置されると共に両端部を通って前記第1軸と直交する第2軸周りに回動可能な半円弧状の第2円弧ガイドと、前記穿刺針が挿通される針挿通部を有すると共に、前記第1および第2円弧ガイドの一方の回動により前記第1および第2円弧ガイドの他方に沿って移動するように前記第1および第2円弧ガイドにより支持される穿刺針ガイドとを含む姿勢調整機構と、
前記第1円弧ガイドを前記第1軸周りに回動させる第1駆動装置と、
前記第2円弧ガイドを前記第2軸周りに回動させる第2駆動装置とを備えることを特徴とする。
【0008】
この穿刺支援装置を用いて穿刺針を体内に案内するに際しては、穿刺支援装置を人体に対して固定した上で、別途取得される体内の目標点に応じて第1および第2円弧ガイドの少なくとも何れか一方を回動させる。これにより、穿刺針ガイドは、第1円弧ガイドの回動に伴って第2円弧ガイドに沿って移動すると共に、第2円弧ガイドの回動に伴って第1円弧ガイドに沿って移動し、体内の目標点に対して精度よく位置決めされる。従って、穿刺針を穿刺針ガイドの針挿通部から体内に穿刺することで、当該穿刺針を体内の目標点に精度よく到達させることができる。そして、このような穿刺作業に際して、穿刺針ガイドは、第1および第2軸との双方と直交する軸方向から見て、第1円弧ガイドの両端部と第2円弧ガイドの両端部を通る円内に位置する。従って、穿刺時に穿刺針に加えられる力を第1円弧ガイドの両端部および第2円弧ガイドの両端部、すなわち4点で受けることができるので、穿刺作業中に穿刺針ガイドの位置を安定に保持することが可能となる。この結果、この穿刺支援装置によれば、穿刺作業を安定化させて穿刺針を体内の目標点へと精度よく案内することが可能となる。なお、穿刺針ガイドの針挿通部は、それ自体で穿刺針を軸方向に摺動自在に保持するものであってもよく、穿刺針を軸方向に摺動自在に保持するアダプタの少なくとも一部が挿通されるものであってもよい。
【0009】
また、前記穿刺支援装置は、前記姿勢調整機構を着脱自在に支持するベースユニットを更に備えてもよく、前記第1駆動装置は、前記ベースユニットに配置されると共に前記第1円弧ガイドに着脱自在に連結され、前記第2駆動装置は、前記ベースユニットに配置されると共に前記第2円弧ガイドに着脱自在に連結されてもよい。これにより、第1、第2駆動装置により第1、第2円弧ガイドを回動可能としつつ、姿勢調整機構をベースユニットから離脱させることができるので、予め、穿刺作業に際して穿刺針に近接する姿勢調整機構の全体を容易に滅菌しておくことが可能となる。また、第1および第2駆動装置をベースユニットに配置することで、装置全体の重心を下げて穿刺作業をより安定化させることができる。
【0010】
更に、前記第1駆動装置は、軸角45°の傘歯車対を介して第1円弧ガイドと連結されると共に、前記第2駆動装置は、軸角45°の傘歯車対を介して第2円弧ガイドと連結されてもよい。これにより、第1軸と第1駆動装置の軸方向とのなす角度と、第2軸と第2駆動装置の軸方向とのなす角度とを45°にすることができるので、第1および第2軸を対角線とすると共に第1および第2円弧ガイドの両端部を囲む矩形の一辺に沿って第1および第2駆動装置を配置して装置全体をコンパクト化することが可能となる。また、姿勢調整機構がベースユニットにより着脱自在に支持される場合、傘歯車対の軸角を45°とすることで、姿勢調整機構をベースユニットから離脱させる際に、傘歯車対を構成する2つの傘歯車同士の噛み合いを容易に解除することが可能となる。
【0011】
また、前記穿刺支援装置は、前記姿勢調整機構を前記第1および第2軸の双方と45°をなす方向に移動させる直線移動機構を更に備えてもよい。これにより、穿刺針ガイドの姿勢調整の幅をより大きくすることができる。
【0012】
更に、前記姿勢調整機構を前記第1および第2軸の双方と直交する第3軸周りに回転させる回転機構を更に備えてもよい。これにより、穿刺針ガイドの姿勢調整の幅をより一層大きくすることができる。
【0013】
また、前記第1円弧ガイドは、間隔をおいて互いに対向する一対の第1アーチ部を有すると共に、前記第2円弧ガイドは、間隔をおいて互いに対向する一対の第2アーチ部を有してもよく、前記穿刺針ガイドの前記針挿通部は、前記一対の第1アーチ部と前記一対の第2アーチ部との交差部に挿入されてもよい。これにより、第1および第2円弧ガイドの剛性を確保しつつ、第1および第2円弧ガイドの回動により穿刺針ガイドをスムースに所望の位置に移動させることができる姿勢調整機構を実現することが可能となる。
【0014】
更に、前記第1および第2円弧ガイドと前記穿刺針ガイドとは、X線透過性を有する素材により形成されてもよい。これにより、姿勢調整機構によってX線が遮られてしまうのを抑制することができるので、穿刺支援装置を人体に対して固定した状態で、体内の目標点等を取得するためのX線撮影を実行することが可能となる。
【0015】
また、前記穿刺支援装置は、前記穿刺針を軸方向に摺動自在に保持すると共に所定条件下で前記穿刺針をロック可能なアダプタを更に備えてもよく、前記穿刺針は、前記アダプタを介して前記穿刺針ガイドの前記針挿通部に挿通されてもよい。これにより、穿刺針を体内の目標点へと精度よく案内しつつ、穿刺作業に支障が生じた際にアダプタにより穿刺針をロックして、穿刺針の体内側への移動を規制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施例に係る穿刺支援装置1を示す斜視図である。
【図2】穿刺支援装置1を示す平面図である。
【図3】穿刺支援装置1から姿勢調整機構10が取り外された状態を示す斜視図である。
【図4】穿刺支援装置1から姿勢調整機構10が取り外された状態を示す平面図である。
【図5】姿勢調整機構10の要部を示す模式図である。
【図6】姿勢調整機構10の要部を示す模式図である。
【図7】穿刺針100を保持するアダプタ30を示す部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
【実施例】
【0018】
図1は、本発明の一実施例に係る穿刺支援装置1を示す斜視図であり、図2は、穿刺支援装置1を示す平面図である。これらの図面に示す穿刺支援装置1は、脊椎内に穿刺針を穿刺するのに用いられるものであり、穿刺針を脊椎に穿刺するに際して人体に固定されて当該穿刺針を体内へと案内する。図1および図2に示すように、穿刺支援装置1は、人体に固定されるベースユニット2と、穿刺針を体内の目標点に対して位置決めするための姿勢調整機構10とを備える。
【0019】
ベースユニット2は、環状のベース部材3と、ベース部材3により回転自在に支持される回転ステージ4と、回転ステージ4により摺動自在に支持される直動ステージ5とを含む。実施例において、ベースユニット2を構成するベース部材3、回転ステージ4および直動ステージ5は、何れもX線透過性を有する素材(例えば、アクリル樹脂といった樹脂)により形成される。ベース部材3は、図示するように、穿刺支援装置1を人体に固定するための図示しないベルトが挿通されるベルト通し部3aを有する。なお、穿刺支援装置1(ベース部材3)を人体に固定するための器具は、ベルトに限られるものではなく、穿刺支援装置1(ベース部材3)は、任意の器具や手法により人体に固定され得る。
【0020】
回転ステージ4は、図示しないベアリング等を介してベース部材3により図1および図2におけるZ軸(第3軸)周りに回転自在に支持されると共に、回転機構6により駆動されてZ軸周りに正逆両方向に回転することができる。実施例において、回転機構6は、図2から図4に示すように、少なくとも電気モータを含むと共に当該電気モータにより回転駆動される駆動軸がZ軸方向に延在するようにベース部材3により支持される駆動装置60(図3参照)と、回転ステージ4の外周に固定されたリングギヤ61と、駆動装置60の駆動軸に固定されると共にリングギヤ61と噛合するピニオンギヤ62とを含む。なお、回転機構6の構成は、実施例の構成に限られるものではない。
【0021】
直動ステージ5は、姿勢調整機構10を着脱自在に支持するための複数の嵌合凹部5aや穿刺針が挿通される挿通孔5bを有すると共に、回転ステージ4により支持されて図1等におけるX軸およびY軸の双方と45°をなす方向に延びる一対のガイドレール7により摺動自在に支持される。そして、直動ステージ5は、直線移動機構8により駆動されてベース部材3や回転ステージ4に対してガイドレール7の延在方向に進退移動することができる。実施例において、直線移動機構8は、少なくとも電気モータを含むと共に回転ステージ4に固定される駆動装置80と、ギヤ列を介して駆動装置80により回転駆動される送りねじ(例えばボールねじ)81と、送りねじ81に螺合されると共に直動ステージ5に固定される送りナット部82を含む。なお、直線移動機構8の構成は、実施例の構成に限られるものではない。
【0022】
姿勢調整機構10は、半円弧状の第1円弧ガイド11と、第1円弧ガイド11の内側に当該第1円弧ガイド11と直交するように配置される半円弧状の第2円弧ガイド12と、第1および第2円弧ガイド11,12のそれぞれを回動自在に支持する環状フレーム13と、穿刺針が挿通される穿刺針ガイド14とを含む。実施例において、第1および第2円弧ガイド11,12,環状フレーム13および穿刺針ガイド14は、何れもX線透過性を有する素材(例えば、アクリル樹脂といった樹脂)により形成される。
【0023】
第1円弧ガイド11は、図5および図6に示すように、間隔dをおいて互いに対向する一対の第1アーチ部11aと、両端部に形成または固定されると共に互いに同軸に延在する2つの軸部11bとを有する。図6に示すように、第1円弧ガイド11(一対の第1アーチ部11a)の外周面は円周面を形成し、第1円弧ガイド11の外周面を同図におけるXZ平面に投影して得られる曲線は、2つの軸部11bの中心軸(第1軸)をXZ平面に投影して得られる直線との交点間で中心角180°の円弧(半円弧)を形成する。そして、第1円弧ガイド11の2つの軸部11bは、それぞれ環状フレーム13により回転自在に支持される。更に、第1円弧ガイド11の一方の軸部11bには、環状フレーム13の外側に位置するように22.5°のピッチ円錐角を有する傘歯車15が固定される。
【0024】
第2円弧ガイド12は、図5および図6に示すように、一対の第1アーチ部11aの間隔dと同一の間隔をおいて互いに対向する一対の第2アーチ部12aと、両端部に形成または固定されると共に互いに同軸に延在する2つの軸部12bとを有する。図5に示すように、第2円弧ガイド12(一対の第2アーチ部12a)の外周面は、第1円弧ガイド11の外周面よりも曲率半径が小さい円周面を形成し、第2円弧ガイド12の外周面を同図におけるYZ平面に投影して得られる曲線は、2つの軸部12bの中心軸(第2軸)をYZ平面に投影して得られる直線との交点間で中心角180度の円弧(半円弧)を形成する。そして、第2円弧ガイド12の2つの軸部12bは、当該2つの軸部12bの中心軸が第1円弧ガイド11の2つの軸部11bの中心軸と直交するように環状フレーム13により回転自在に支持される。更に、第2円弧ガイド12の一方の軸部12bには、環状フレーム13の外側に位置するように22.5°のピッチ円錐角を有する傘歯車16が固定される。
【0025】
環状フレーム13は、上述のベースユニット2の直動ステージ5に形成された嵌合凹部5aに嵌め込まれ、それにより姿勢調整機構10は、直動ステージ5すなわちベースユニット2により着脱自在に支持される。実施例において、姿勢調整機構10の環状フレーム13は、図1および図2に示すように、第1円弧ガイド11の2つの軸部11bの中心軸(第1軸)が図1等に示すX軸方向と一致すると共に、第2円弧ガイド12の2つの軸部12bの中心軸(第2軸)が図1等に示すY軸方向と一致するように直動ステージ5の嵌合凹部5aに嵌め込まれ、その状態で直動ステージ5に対して位置決めされる。
【0026】
また、環状フレーム13を支持する直動ステージ5には、図2および図4に示すように、それぞれ22.5°のピッチ円錐角を有する2つの傘歯車17および18がX軸およびY軸の双方と45°をなす方向に延びる軸周りに回転自在に支持されている。傘歯車17は、軸方向に延びる断面円形の貫通孔を有すると共に、姿勢調整機構10の環状フレーム13が直動ステージ5に対して位置決めされたときに第1円弧ガイド11に固定された傘歯車15と噛合する。また、傘歯車18は、軸方向に延びる断面円形の貫通孔を有すると共に、姿勢調整機構10の環状フレーム13が直動ステージ5に対して位置決めされたときに第2円弧ガイド12に固定された傘歯車16と噛合する。
【0027】
穿刺針ガイド14は、図1、図2、図5および図6に示すように、一対の側壁を有する矩形板状の台座部14aと、台座部14aの中央部から垂直に延出される針挿通部14bと、台座部14aおよび針挿通部14bの中心を貫通する断面円形の貫通孔14cとを有する。穿刺針ガイド14の針挿通部14bは、第1円弧ガイド11の第1アーチ部11aと第2円弧ガイド12の一対の第2アーチ部12aとの交差部、すなわち一対の第1アーチ部11aの内壁面と一対の第2アーチ部12aの内壁面とにより画成される断面正方形状の穴と内接するように形成され、当該正方形状の穴に摺動自在に挿入される。これにより、穿刺針ガイド14の貫通孔14cは、環状フレーム13により支持された第1および第2円弧ガイド11,12がそれぞれ直立(直動ステージ5に対して直立)するときに、図1および図2等におけるZ軸方向に延在する。以下、このように、環状フレーム13により支持された第1および第2円弧ガイド11,12がそれぞれ直動ステージ5に対して直立すると共に、穿刺針ガイド14の貫通孔14cがZ軸方向に延在する状態を姿勢調整機構10の「初期位置」という。
【0028】
上述のようにして第1円弧ガイド11と第2円弧ガイド12との交差部に配置された穿刺針ガイド14は、第1および第2円弧ガイド11,12の一方の回動により第1および第2円弧ガイド11,12の他方に沿って移動するように第1および第2円弧ガイド11,12により支持される。すなわち、第1円弧ガイド11が環状フレーム13に対して回動すると、針挿通部14bは、一対の第1アーチ部11aのうちの回動方向上流側の一方により押圧され、穿刺針ガイド14は、第2円弧ガイド12(一対の第2アーチ部12a)に沿って移動する。また、第2円弧ガイド12が環状フレーム13に対して回動すると、針挿通部14bは、一対の第2アーチ部12aのうちの回動方向上流側の一方により押圧され、穿刺針ガイド14は、第1円弧ガイド11(一対の第1アーチ部11a)に沿って移動する。
【0029】
そして、実施例の穿刺支援装置1は、少なくとも電気モータを含むと共に第1円弧ガイド11を2つの軸部11bの中心軸(第1軸)周りに回動させる第1駆動装置21と、少なくとも電気モータを含むと共に第2円弧ガイド12を2つの軸部12bの中心軸(第2軸)周りに回動させる第2駆動装置22とを備える。実施例において、第1駆動装置21は、回転ステージ4に固定されると共に、断面多角形状を有する駆動軸23に連結され、当該駆動軸23を正逆両方向に回転駆動する。駆動軸23は、第1円弧ガイド11に対応した傘歯車17の貫通孔に軸方向に摺動自在に挿通されて当該貫通孔に内接する。
【0030】
これにより、ベース部材3や回転ステージ4に対して直動ステージ5が移動するときに傘歯車17に対する駆動軸23の摺動を許容しつつ、第1駆動装置21により回転駆動される駆動軸23から傘歯車17および15を介して第1円弧ガイド11に回転トルクを伝達することが可能となる。すなわち、第1駆動装置21は、図2および図4に示すように、傘歯車15および17からなる軸角α=45°の傘歯車対を介して第1円弧ガイド11と連結され、実施例では、第1円弧ガイド11の軸部11bの中心軸と第2円弧ガイド12の軸部12bの中心軸とを対角線とする共に第1および第2円弧ガイド11,12の両端部を囲むXY平面上の正方形(図2および図4における二点鎖線参照)の一辺に沿って配置される。
【0031】
また、実施例において、第2駆動装置22は、回転ステージ4に固定されると共に、断面多角形状を有する駆動軸24に連結され、当該駆動軸24を正逆両方向に回転駆動する。駆動軸24は、第2円弧ガイド12に対応した傘歯車18の貫通孔に軸方向に摺動自在に挿通されて当該貫通孔に内接する。これにより、ベース部材3や回転ステージ4に対して直動ステージ5が移動するときに傘歯車18に対する駆動軸24の摺動を許容しつつ、第2駆動装置22により回転駆動される駆動軸24から傘歯車18および16を介して第2円弧ガイド12に回転トルクを伝達することが可能となる。すなわち、第2駆動装置22は、図2および図4に示すように、傘歯車16および18からなる軸角α=45°の傘歯車対を介して第2円弧ガイド12と連結され、実施例では、第1円弧ガイド11の軸部11bの中心軸と第2円弧ガイド12の軸部12bの中心軸とを対角線とする共に第1および第2円弧ガイド11,12の両端部を囲むXY平面上の正方形(図2および図4における二点鎖線参照)の一辺に沿って第1駆動装置21と平行に配置される。なお、第1および第2駆動装置21,22は、回転機構6の駆動装置60や直線移動機構8の駆動装置80と共に図示しない制御装置(制御コンピュータ)により制御される。
【0032】
図7は、穿刺作業に際して穿刺支援装置1と共に用いられるアダプタ30を示す断面図である。同図に示すように、アダプタ30は、中空の筐体31と、筐体31の内部空間内に摺動自在に配置されるプランジャ32と、プランジャ32に固定されたストッパ33と、プランジャ32を付勢するスプリング34とを含む。なお、アダプタ30の構成要素も、スプリング34等の一部を除いて、例えばアクリル樹脂といったX線透過性を有する素材により形成されると好ましい。
【0033】
筐体31の図中下端部には、穿刺針ガイド14の貫通孔14cに嵌合されると共に内部空間と連通する貫通孔を有する突出部31aが形成されており、筐体31の図中上端部には、突出部31aの貫通孔と同軸に貫通孔が形成されている。プランジャ32は、筐体31の内周面と摺接する鍔部32aと、鍔部32aから延出されると共に筐体31の図中上端部に形成された貫通孔から外部に突出する軸部32bと、鍔部32aおよび軸部32bを貫通する貫通孔32cとを有する。ストッパ33は、ゴム等の比較的高い弾性を有する素材により形成されており、鍔部32aを挟んで軸部32bと対向するように当該鍔部32aに固定される。また、ストッパ33は、プランジャ32の貫通孔32cと連通する貫通孔を有すると共に、先端(図中下端)に形成されたテーパ面を有する。プランジャ32の貫通孔32c、ストッパ33の貫通孔ならびに筐体31の突出部31aの貫通孔には、図示するように穿刺針100が挿通され、当該穿刺針100は、プランジャ32およびストッパ33により軸方向に摺動自在に支持される。
【0034】
スプリング34は、プランジャ32の軸部32bの外周かつ鍔部32aと筐体31の図中上側の内壁面との間に配置され、プランジャ32を筐体31の突出部31a側(図中下方)へと付勢する。また、スプリング34の周囲には、筐体31とプランジャ32の鍔部32aとにより負圧室35が画成され、当該負圧室35には、筐体31に形成された吸引口31bを介して上述の制御装置により制御される図示しない真空ポンプが接続される。更に、筐体31の図中下側の内壁面には、ストッパ33よりも高い剛性を有する素材により形成されたストッパ受容部材36が固定されている。ストッパ受容部材36は、筐体31の突出部31aの貫通孔と連通すると共に、突出部31aに向かうにつれて先細になるように形成されたテーパ孔36aを有する。
【0035】
このように構成されるアダプタ30において、真空ポンプが停止されて負圧室35内が正圧(大気圧)に保たれているときには、スプリング34によりプランジャ32が筐体31の突出部31a側(図中下方)へと付勢され、ストッパ33のテーパ面がストッパ受容部材36のテーパ孔36aに押し付けられる。これにより、ストッパ33から穿刺針100に加えられる摩擦抵抗が増加することによりプランジャ32やストッパ33に対する穿刺針100の摺動が規制され、穿刺針100がロックされる。これに対して、真空ポンプにより負圧室35内の空気が吸引されて負圧室35内の圧力が低下すると、負圧室35内とストッパ受容部材36が配置される空間内との圧力差により、スプリング34の付勢力に抗してプランジャ32が図中上方へと移動する。これにより、ストッパ33がテーパ孔36aから離間し、ストッパ33による穿刺針100のロックが解除される。
【0036】
穿刺作業が行われる間、アダプタ30の負圧室35に接続される真空ポンプは、負圧室35内の空気を吸引するように作動される。また、真空ポンプを制御する上述の制御装置は、穿刺作業中に、いわゆる怒嘖反射(バッキング)等により人体が動いたことによって穿刺支援装置1のベースユニット2等に設置された図示しない加速度センサの検出値が閾値を超えると、穿刺針100がロックされて更に体内側へと移動しないように真空ポンプの作動を停止させる。
【0037】
次に、上述の穿刺支援装置1を用いて穿刺針100を体内に案内する手順について説明する。
【0038】
穿刺支援装置1を用いて穿刺針を体内すなわち脊椎へと案内するに際しては、まず、ベースユニット2を人体の背部に固定すると共に、ベースユニット2の直動ステージ5の嵌合凹部5aに姿勢調整機構10の環状フレーム13を嵌め込む。この際、姿勢調整機構10は、上述の初期状態にある。次いで、穿刺支援装置1が固定された背部をX線撮影装置により撮影し、撮影データを穿刺支援装置1の制御装置に入力する。当該制御装置は、X線撮影装置による撮影データに基づいて体内(脊椎内)の目標点と、例えば穿刺針ガイド14の針挿通部14bの現在位置とを取得した上で、目標点に対応した針挿通部14bの最適位置を取得する。更に、制御装置は、針挿通部14bの現在位置と最適位置とに基づいて、穿刺針ガイド14のX軸、Y軸およびZ軸方向における移動量を取得し、取得した各軸方向の移動量に基づいて、回転ステージ4の目標回転角度、直動ステージ5の目標移動量、姿勢調整機構10の第1および第2円弧ガイド11,12の目標回動量(回動角度)を取得する。
【0039】
回転ステージ4の目標回転角度や、直動ステージ5の目標移動量が取得された場合、制御装置は、回転ステージ4がベース部材3に対して目標回転角度だけ回転するように回転機構6の駆動装置60を制御したり、直動ステージ5が回転ステージ4に対して目標移動量だけ移動するように直線移動機構8の駆動装置80を制御する。続いて、制御装置は、第1円弧ガイド11や第2円弧ガイド12が直動ステージ5に対して目標回動量だけ回動するように第1駆動装置21や第2駆動装置22を制御する。これにより、穿刺針ガイド14は、第1円弧ガイド11の回動に伴って第2円弧ガイド12に沿って移動すると共に、第2円弧ガイド12の回動に伴って第1円弧ガイド11に沿って移動し、体内の目標点に対して精度よく位置決めされる。ここで、上述のように構成される姿勢調整機構10では、第1および第2駆動装置21,22を同時に作動させて穿刺針ガイド14を移動させることが可能であり、これにより穿刺針ガイド14を体内の目標点に対して速やかに位置決めすることができる。
【0040】
こうして、穿刺針ガイド14が体内の目標点に対して位置決めされたならば、穿刺針ガイド14の貫通孔14cに上述のアダプタ30の突出部31aを嵌合すると共に、アダプタの吸引口31bに真空ポンプを接続する。そして、真空ポンプによりアダプタ30の負圧室35内の空気を吸引した状態で、穿刺針100をアダプタ30のプランジャ32に挿通し、穿刺針ガイド14の針挿通部14bの貫通孔14cから直動ベース5の挿通孔5b等を介して体内に穿刺する。これにより、穿刺支援装置1を用いれば、穿刺針100を体内の目標点に精度よく到達させることができる。また、このような穿刺作業に際して、穿刺針ガイド14は、Z軸方向(上方)から見て、第1円弧ガイド11の両端部と第2円弧ガイド12の両端部を通る円内に位置する。従って、穿刺時に穿刺針100に加えられる力を第1円弧ガイド11の両端部に形成された2つの軸部11bおよび第2円弧ガイドの両端部に形成された2つの軸部12b、すなわち4点で受けることができるので、穿刺作業中に穿刺針ガイド14の位置を安定に保持することが可能となる。この結果、穿刺支援装置1によれば、穿刺作業を安定化させて穿刺針100を体内の目標点へと精度よく案内することが可能となる。更に、穿刺作業中に例えば怒嘖反射等により人体が動いたときには、制御装置により真空ポンプが停止され、アダプタ30により穿刺針100がロックされるので、穿刺針100の体内側への移動を規制することが可能となる。
【0041】
以上説明したように、実施例の穿刺支援装置1は、軸部11bの中心軸(X軸)周りに回動可能な半円弧状の第1円弧ガイド11と、第1円弧ガイド11と交差するように配置されると共に第1円弧ガイド11の軸部11bの中心軸と直交する軸部12bの中心軸(Y軸)周りに回動可能な半円弧状の第2円弧ガイド12と、穿刺針100が挿通される針挿通部14bを有すると共に第1および第2円弧ガイド11,12の一方の回動により第1および第2円弧ガイド11,12の他方に沿って移動するように第1および第2円弧ガイド11,12により支持される穿刺針ガイド14とを含む姿勢調整機構10と、第1円弧ガイド11を軸部11bの中心軸周りに回動させる第1駆動装置21と、第2円弧ガイド12を軸部12bの中心軸周りに回動させる第2駆動装置22とを備える。従って、かかる穿刺支援装置1によれば、上述のように、穿刺作業を安定化させて穿刺針100を体内の目標点へと精度よく案内することが可能となる。
【0042】
また、実施例の穿刺支援装置1は、姿勢調整機構10を着脱自在に支持する直動ステージ5と当該直動ステージ5を摺動自在に支持する回転ステージ4とを含むベースユニット2を備えており、第1駆動装置21は、ベースユニット2の回転ステージ4に配置されると共に第1円弧ガイド11に着脱自在に連結され、第2駆動装置22は、ベースユニット2の回転ステージ4に配置されると共に第2円弧ガイド12に着脱自在に連結される。これにより、第1、第2駆動装置21,22により第1、第2円弧ガイド11,12を回動可能としつつ、姿勢調整機構10をベースユニット2から離脱させることができるので、予め、穿刺作業に際して穿刺針100に近接する姿勢調整機構10の全体を容易に滅菌しておくことが可能となる。また、第1および第2駆動装置21,22をベースユニット2(回転ステージ4)に配置することで、穿刺支援装置1全体の重心を下げて穿刺作業をより安定化させることができる。
【0043】
更に、実施例の穿刺支援装置1では、第1駆動装置21が傘歯車15および17からなる軸角45°のかさ歯車対を介して第1円弧ガイド11と連結され、第2駆動装置22が傘歯車16および18からなる軸角45°のかさ歯車対を介して第2円弧ガイド12と連結される。これにより、第1円弧ガイド11の軸部11bの中心軸と第1駆動装置21の軸方向とのなす角度と、第2円弧ガイド12の軸部12bの中心軸と第2駆動装置22の軸方向とのなす角度とを45°にすることができるので、第1円弧ガイド11の軸部11bの中心軸と第2円弧ガイド12の軸部12bの中心軸とを対角線とする共に第1および第2円弧ガイド11,12の両端部を囲むXY平面上の正方形の一辺に沿って第1および第2駆動装置21,22を配置して装置全体をコンパクト化することが可能となる。そして、軸角45°のかさ歯車対を用いることで、姿勢調整機構10を直動ステージ5から離脱させる際に、傘歯車15,16と傘歯車17,18との噛み合いを容易かつスムースに解除することができる。
【0044】
また、実施例の穿刺支援装置1は、姿勢調整機構10を支持する直動ステージ5を第1円弧ガイド11の軸部11bの中心軸(X軸)および第2円弧ガイド12の軸部12bの中心軸(Y軸)の双方と45°をなす方向に移動させる直線移動機構8と、姿勢調整機構10および直動ステージ5を支持する回転ステージ4をZ軸周りに回転させる回転機構6とを備えている。これにより、装置全体の大型化を抑制しつつ、穿刺針ガイド14の姿勢調整の幅をより一層大きくすることができる。ただし、回転機構6は、直線移動機構8による移動方向と直交する方向に直動ステージ5を移動させる直線移動機構で置き換えられてもよい。
【0045】
更に、上記実施例において、第1円弧ガイド11は、間隔dをおいて互いに対向する一対の第1アーチ部11aを有すると共に、第2円弧ガイド12は、間隔dをおいて互いに対向する一対の第2アーチ部12aを有し、穿刺針ガイド14の針挿通部14bは、一対の第1アーチ部11aと一対の第2アーチ部12aとの交差部に挿入される。これにより、第1および第2円弧ガイド11,12の剛性を確保しつつ、第1および第2円弧ガイド11,12の回動により穿刺針ガイド14をスムースに所望の位置に移動させることができる姿勢調整機構10を実現することが可能となる。ただし、第1および第2円弧ガイド11,12は、単一のアーチ部を有するように構成されてもよく、この場合には、穿刺針ガイド14は、第1および第2円弧ガイド11,12の双方と摺動自在に係合するように構成されるとよい。
【0046】
また、上記実施例のように、第1および第2円弧ガイド11,12と穿刺針ガイド14とをX線透過性を有する素材により形成すれば、姿勢調整機構10によってX線が遮られてしまうのを抑制することができる。これにより、穿刺支援装置1を人体に対して固定した状態で、体内の目標点等を取得するためのX線撮影を実行することが可能となる。
【0047】
更に、実施例の穿刺支援装置1は、穿刺針100を軸方向に摺動自在に保持すると共に所定条件下すなわち真空ポンプによる負圧室35内の空気吸引が停止された状態で穿刺針100をロック可能なアダプタ30を備えており、穿刺針100は、アダプタ30の一部(突出部31a)を介して穿刺針ガイド14の針挿通部14bに挿通される。これにより、穿刺針100を体内の目標点へと精度よく案内しつつ、穿刺作業に支障が生じた際にアダプタ30により穿刺針100をロックして、穿刺針100の体内側への移動を規制することが可能となる。ただし、穿刺支援装置1において、穿刺針ガイド14の針挿通部14bは、それ自体で穿刺針100を軸方向に摺動自在に保持可能に構成されてもよい。また、穿刺針ガイド14とアダプタ30とを一体に構成してもよい。更に、アダプタ30から穿刺針100のロック機構を省略して、穿刺針100のロック機構を別途設けてもよい。また、穿刺針100としては、穿刺支援措装置1により体内へと精度よく案内され得るものであれば、任意の構成のものを採用することができる。
【0048】
以上、実施例を用いて本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、様々な変更をなし得ることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、穿刺支援装置の製造産業において利用可能である。
【符号の説明】
【0050】
1 穿刺支援装置、2 ベースユニット、3 ベース部材、4 回転ステージ、5 直動ステージ、5a 嵌合凹部、5b 挿通孔、6 回転機構、7 ガイドレール、8 直線移動機構、10 姿勢調整機構、11 第1円弧ガイド、11a 第1アーチ部、11b 軸部、12 第2円弧ガイド、12a 第2アーチ部、12b 軸部、13 環状フレーム、14 穿刺針ガイド、14a 台座部、14b 針挿通部、14c 貫通孔、15,16,17,18 傘歯車、21 第1駆動装置、22 第2駆動装置、23,24 駆動軸、30 アダプタ、31 筐体、31a 突出部、31b 吸引口、32 プランジャ、32a 鍔部、32b 軸部、32c 貫通孔、33 ストッパ、34 スプリング、35 負圧室、36 ストッパ受容部材、36a テーパ孔、60 駆動装置、61 リングギヤ、62 ピニオンギヤ、80 駆動装置、82 ナット部、100 穿刺針。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
穿刺針を体内へと案内する穿刺支援装置であって、
両端部を通る第1軸周りに回動可能な半円弧状の第1円弧ガイドと、前記第1円弧ガイドと交差するように配置されると共に両端部を通って前記第1軸と直交する第2軸周りに回動可能な半円弧状の第2円弧ガイドと、前記穿刺針が挿通される針挿通部を有すると共に、前記第1および第2円弧ガイドの一方の回動により前記第1および第2円弧ガイドの他方に沿って移動するように前記第1および第2円弧ガイドにより支持される穿刺針ガイドとを含む姿勢調整機構と、
前記第1円弧ガイドを前記第1軸周りに回動させる第1駆動装置と、
前記第2円弧ガイドを前記第2軸周りに回動させる第2駆動装置とを備えることを特徴とする穿刺支援装置。
【請求項2】
請求項1に記載の穿刺支援装置において、
前記姿勢調整機構を着脱自在に支持するベースユニットを更に備え、
前記第1駆動装置は、前記ベースユニットに配置されると共に前記第1円弧ガイドに着脱自在に連結され、前記第2駆動装置は、前記ベースユニットに配置されると共に前記第2円弧ガイドに着脱自在に連結されることを特徴とする穿刺支援装置。
【請求項3】
請求項2に記載の穿刺支援装置において、
前記第1駆動装置は、軸角45°の傘歯車対を介して第1円弧ガイドと連結されると共に、前記第2駆動装置は、軸角45°の傘歯車対を介して第2円弧ガイドと連結されることを特徴とする穿刺支援装置。
【請求項4】
請求項1から3の何れか一項に記載の穿刺支援装置において、
前記姿勢調整機構を前記第1および第2軸の双方と45°をなす方向に移動させる直線移動機構を更に備えることを特徴とする穿刺支援装置。
【請求項5】
請求項1から4の何れか一項に記載の穿刺支援装置において、
前記姿勢調整機構を前記第1および第2軸の双方と直交する第3軸周りに回転させる回転機構を更に備えることを特徴とする穿刺支援装置。
【請求項6】
請求項1から5の何れか一項に記載の穿刺支援装置において、
前記第1円弧ガイドは、間隔をおいて互いに対向する一対の第1アーチ部を有すると共に、前記第2円弧ガイドは、間隔をおいて互いに対向する一対の第2アーチ部を有し、
前記穿刺針ガイドの前記針挿通部は、前記一対の第1アーチ部と前記一対の第2アーチ部との交差部に挿入されることを特徴とする穿刺支援装置。
【請求項7】
請求項1から6の何れか一項に記載の穿刺支援装置において、
前記第1および第2円弧ガイドと前記穿刺針ガイドとは、X線透過性を有する素材により形成されることを特徴とする穿刺支援装置。
【請求項8】
請求項1から7の何れか一項に記載の穿刺支援装置において、
前記穿刺針を軸方向に摺動自在に保持すると共に所定条件下で前記穿刺針をロック可能なアダプタを更に備え、
前記穿刺針は、前記アダプタを介して前記穿刺針ガイドの前記針挿通部に挿通されることを特徴とする穿刺支援装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−59588(P2013−59588A)
【公開日】平成25年4月4日(2013.4.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−201612(P2011−201612)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(504137912)国立大学法人 東京大学 (1,942)
【Fターム(参考)】