説明

穿刺装置

【課題】穿刺針を穿刺装置に装着する際、ボタンを操作してしまうことを防止またはその頻度を低減することができる穿刺装置を提供すること。
【解決手段】穿刺装置1は、先端部に穿刺針チップ12を着脱自在に装着し、生体表面を穿刺するときに用いられる装置である。この穿刺装置1のケース本体102は、穿刺ボタン116を囲むように設けられたリブ6を有している。このリブ6は、穿刺ボタン116の外形形状に対応した枠状をなし、穿刺ボタン116の全周を囲むように設けられている。また、ケース本体102は、穿刺ボタン116の近傍に、2つの凹部71および72を有している。凹部71、72は、それぞれ、穿刺針チップ12を穿刺装置1に装着するとき、ケース本体102を指で把持する際にその指を当接する部位である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、穿刺装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、糖尿病患者の増加に伴い、日常の血糖値の変動を患者自身がモニターする自己血糖測定が推奨されてきている。この血糖値の測定には、血液中のブドウ糖量を自動的に測定する血糖測定装置が用いられる。この測定に先立ち、患者は、自分の血液を採取する必要がある。
【0003】
血液を採取する方法としては、穿刺針により指先の皮膚を穿刺した後、その穿刺部周辺を指等で圧迫して血液を絞り出す。この指先の穿刺には、穿刺針と穿刺針を収納するケーシングとを有する穿刺針チップと、穿刺針チップが着脱自在に装着される装着部とその装着状態で穿刺針と連結するプランジャとを有する穿刺装置とで構成された穿刺器具セット(例えば、特許文献1参照)が用いられる。具体的には、一方の手の指で穿刺針チップを把持し、他方の手の指で穿刺装置を把持し、穿刺針チップを穿刺装置に挿入して装着し、この後、その装着状態で穿刺ボタンを押下して穿刺装置を作動させることにより、穿刺針チップの穿刺針を一瞬突出させ、指先を穿刺する。そして、指先の穿刺後、すなわち、使用後には、穿刺針チップを穿刺装置から取り外す。なお、穿刺針チップの再使用を防止するため、1度穿刺操作がなされた穿刺針チップは、2度と使用できないように構成されている。
【0004】
しかしながら、従来の穿刺装置では、穿刺針チップを穿刺装置に装着する際、穿刺ボタンを押下してはいけないことを知らないか、または、知っていてもその穿刺ボタンの位置を認識せずに把持したり、指が滑る等の理由で、誤って、穿刺ボタンを押下してしまうことがあり、これにより、その穿刺針チップを使用することができなくなるという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−342325号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、穿刺針を穿刺装置に装着する際、ボタンを操作してしまうことを防止またはその頻度を低減することができる穿刺装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的は、下記(1)〜(10)の本発明により達成される。
(1) 先端部に穿刺針を着脱自在に装着して用いられる穿刺装置であって、
中空のハウジングと、
前記ハウジング内に設けられ、前記穿刺針が装着された状態で、前記穿刺針を少なくとも発射準備位置から穿刺位置まで移動させる穿刺機構と、
前記ハウジングの先端側の側部に設置され、前記穿刺機構を発動させるボタンとを備え、
前記ハウジングは、前記ボタンの少なくとも一部を囲むように設けられた凸部を有することを特徴とする穿刺装置。
【0008】
(2) 前記凸部の高さは、その少なくとも一部が前記ボタンの高さよりも高く設定されている上記(1)に記載の穿刺装置。
【0009】
(3) 前記凸部は、枠状をなし、前記ボタンの全周を囲むように設けられている上記(1)または(2)に記載の穿刺装置。
【0010】
(4) 前記凸部の高さは、その基端側が先端側よりも高く設定されている上記(3)に記載の穿刺装置。
【0011】
(5) 前記ハウジングは、前記穿刺針を装着するとき、該ハウジングを指で把持する際に該指を当接する少なくとも1つの凹部を前記ボタンの近傍に有する上記(1)ないし(4)のいずれかに記載の穿刺装置。
【0012】
(6) 先端部に穿刺針を着脱自在に装着して用いられる穿刺装置であって、
中空のハウジングと、
前記ハウジング内に設けられ、前記穿刺針が装着された状態で、前記穿刺針を少なくとも発射準備位置から穿刺位置まで移動させる穿刺機構と、
前記ハウジングの先端側の側部に設置され、前記穿刺機構を発動させるボタンとを備え、
前記ハウジングは、前記穿刺針を装着するとき、該ハウジングを指で把持する際に該指を当接する少なくとも1つの凹部を前記ボタンの近傍に有することを特徴とする穿刺装置。
【0013】
(7) 前記ハウジングは、筒状をなし、前記凹部を1つ有し、
前記ハウジングの中心軸の方向から見たとき、該凹部は、前記中心軸を介して前記ボタンと反対側に配置されている上記(5)または(6)に記載の穿刺装置。
【0014】
(8) 前記凹部は、前記ボタンよりも基端側に位置している上記(7)に記載の穿刺装置。
【0015】
(9) 前記ハウジングは、筒状をなし、前記凹部を2つ有しており、
前記各凹部は、前記ハウジングの周方向に沿って配置されている上記(5)または(6)に記載の穿刺装置。
【0016】
(10) 前記各凹部および前記ボタンは、前記ハウジングの周方向に沿ってほぼ等角度間隔に配置されている上記(9)に記載の穿刺装置。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、穿刺針を穿刺装置に装着する際、誤ってボタンを操作してしまうことを防止することができる。
【0018】
すなわち、ハウジングのボタンの近傍を握ってしまった場合でも、ボタン周囲の凸部により、ボタンを操作してしまうことを防止またはその頻度を低減することができる。
【0019】
また、凸部により、ボタンの位置を視覚および触覚で明確に認識し把握することができ、これにより、誤ってボタンを操作してしまうことを防止またはその頻度を低減することができる。
【0020】
また、ハウジングを把持する際、指を凸部に掛けることにより、滑り難くなり、確実に把持することができる。
【0021】
また、凹部は、その凹部に特定の指を当接するようにしてハウジングを把持すると、ボタンを誤って操作しにくい位置に他の指を配置させるように、その形状、寸法、位置等の諸条件が設定されている。また、使用者は、凹部に指を当接するようにしてハウジングを把持すると、指にフィットして、ハウジングを把持し易いので、ハウジングを把持する際は、凹部に指を当接することが期待される。すなわち、凹部は、使用者の特定の指をその凹部に誘導する機能を有しており、他の指によって、ボタンを誤って操作してしまうことを防止またはその頻度を低減することができる。
【0022】
また、ハウジングを把持する際、指を凹部に当接することにより、滑り難くなり、確実に把持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の穿刺装置の第1実施形態と、穿刺針チップとで構成された穿刺器具セットを示す斜視図である。
【図2】図1に示す穿刺針チップの断面図である。
【図3】図1に示す穿刺器具セットの分解斜視図である。
【図4】図1に示す穿刺装置を指で把持した状態を示す斜視図である。
【図5】図1に示す穿刺装置を指で把持した状態を示す斜視図である。
【図6】図1に示す穿刺器具セットの作用を説明するための断面図である。
【図7】図1に示す穿刺器具セットの作用を説明するための断面図である。
【図8】図1に示す穿刺器具セットの作用を説明するための断面図である。
【図9】図1に示す穿刺器具セットの作用を説明するための断面図である。
【図10】図1に示す穿刺器具セットの作用を説明するための断面図である。
【図11】本発明の穿刺装置の第2実施形態と、穿刺針チップとで構成された穿刺器具セットを示す斜視図である。
【図12】図11に示す穿刺装置を指で把持した状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の穿刺装置を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
図1は、本発明の穿刺装置の第1実施形態と、穿刺針チップとで構成された穿刺器具セットを示す斜視図、図2は、図1に示す穿刺針チップの断面図、図3は、図1に示す穿刺器具セットの分解斜視図、図4および図5は、図1に示す穿刺装置を指で把持した状態を示す斜視図、図6〜図10は、図1に示す穿刺器具セットの作用を説明するための断面図である。
【0025】
なお、以下では、各図において、軸方向をX方向とし、X1方向を「先端」、「前端」または前方」とし、X2方向を「基端」、「後端」または「後方」として説明を行う。
【0026】
各図に示す穿刺装置1は、先端部に穿刺針チップ12を着脱自在に装着して用いられる装置であり、穿刺針チップ12を装着した装着状態、すなわち図1に示す状態で、生体表面を穿刺するために用いられる。
【0027】
図1に示すように、穿刺器具セット10は、穿刺針チップ12と、その穿刺針チップ12が先端部に着脱自在に装着される穿刺装置1とを有している。
【0028】
まず、穿刺針チップ12について説明する。
図2及び図3に示すように、穿刺針チップ12は、チップ本体13と、チップ本体13に着脱自在に装着されるキャップ14とを有する。チップ本体13は、皮膚を穿刺する穿刺針15と、穿刺針15に係合している摺動リング(移動制限手段)16と、穿刺針15を内部に摺動可能に保持する筒状のケーシング18とを有する。
【0029】
穿刺針15は、先端の針20と、該針20の後方部と一体的に成型され、又は接着されたハブ22とを有する。ハブ22は、周状に等角度間隔で並ぶ前方に突出した4本の弾性レバー24と、後方の円筒形状の摺動支持部26と、後端に突出した被把持突起28とを有する。摺動支持部26及び摺動リング16の外径は、ケーシング18の内径と略同径であって、ケーシング18内を軸方向に摺動可能である。
【0030】
4本の弾性レバー24は摺動リング16の内部に挿入され、摺動リング16に当接している。摺動リング16はその後端面が、ハブ22に設けられた微小段差24aに当接しており、穿刺針15が前進する際には、同時に押し出されることになる。また、弾性レバー24の摺動リング16との当接部には突起や段差がなく、穿刺針15が後退する際には摺動リング16は抜かれやすい。
【0031】
ケーシング18は、筒形状であって先端の縮径部32と、該縮径部32の後方に設けられた内周段差部34と、中程やや前方における内周面に僅かに突出した3つの前方膨出部36と、後方内周面に僅かに突出した後方環状膨出部40と、中程の外周に設けられたスカート41とを有する。
【0032】
前方膨出部36は、穿刺針15が前進する際に摺動リング16が乗り超えられる程度の低い膨出部である。前方膨出部36は、例えば3つ程度が等間隔に設けられ、後方側がなだらかで前方が比較的急な傾斜となっており、摺動リング16が後方からは乗り越えやすく、前方からは乗り越えられない。摺動支持部26の周面30は、後方環状膨出部40と適度な強度で嵌合して固定されている。この嵌合は、いわゆる圧入状態となっている。後方環状膨出部40と周面30の嵌合により針20の後方部の気密性が保たれる。周面30と後方環状膨出部40との係合は、例えば周面30に適度なアンダーカットを設け該アンダーカットに後方環状膨出部40が嵌り込むような構成としてもよい。
【0033】
縮径部32は、外周面及び内周面とも先端に向かって縮径する形状であって、先端には円形の開口部42が設けられている。
【0034】
スカート41は環状体であって、断面視で(図2参照)ケーシング18の外周から突出して後端側に伸び、ケーシング18との間に嵌合隙間部41aを形成している。
【0035】
図2に示すように、キャップ14は、有底筒状をなしており、ケーシング18の縮径部32に嵌合し、開口部42を塞ぐ。すなわち、キャップ14は、縮径部32に着脱自在に装着され、開口部42を気密的に封止する。
【0036】
次に、穿刺針チップ12が装着される穿刺装置1について説明する。
図3及び図6(a)に示すように、穿刺装置1はケース本体102をベースに構成されており、穿刺深さの設定を行うダイヤル部104と、軸方向に進退可能なプランジャ106と、該プランジャ106の中段部に同軸配置された駆動用コイルスプリング108と、後端部に同軸配置された戻し用コイルスプリング110とを有する。ケース本体102は、中空、本実施形態では、筒状をなしている。また、ケース本体102は、後述するリブ6および凹部71、72を有する。
【0037】
穿刺装置1は、さらに、ダイヤル部104をケース本体102の後端側に回転自在に保持する後端部材112と、ケース本体102の先端側の側部に形成された孔114に配置される穿刺ボタン(ボタン)116と、ケース本体102の先端に設けられ穿刺ボタン116を内向きに変位可能に弾性的に保持する前端部材118とを有する。なお、ケース本体102、後端部材112および前端部材118により、穿刺装置1のハウジングが構成される。
【0038】
また、穿刺装置1は、後端部材112の内腔部において進退自在のプッシャ120と、ケース本体102内でプッシャ120に接続される第1接続体122と、該第1接続体122に接続される第2接続体124とを有する。
【0039】
プランジャ106は、駆動用コイルスプリング108の一端を支持する中段部の第1ばね座130と、外向きフック形状で後端に設けられた一対の第2ばね座132と、ハブ22の被把持突起28に嵌合する把持バー134と、上方中段部から前方に向けて延在する弾性片136と、やや後方の下部に設けられた小突起138を有する。なお、把持バー134により、穿刺針15が着脱自在に装着される装着部が構成される。
【0040】
後端部材112の先端側内面には、周方向に配列され、軸方向高さの異なる複数の階段部139を有する。階段部139は、穿刺時にプランジャ106が前方に勢いよく移動するときに該プランジャ106の小突起138が当接し、針20の突出長さを調整するためのものである。つまり、ダイヤル部104を回転することにより階段部139が周方向に移動し、小突起138の当接する階段部139の高さが異なることによって針20の突出長さが調整されて、穿刺深さを調整することができる。
【0041】
後端部材112の前端面112aは、プランジャ106が後方に移動するときに第1ばね座130が当接するのに十分な面積を有し、該プランジャ106の後方への移動を規制するストッパとして作用する。
【0042】
把持バー134は、スリットにより2つに分かれた円筒形状であり、やや弾性変形しながらハブ22の被把持突起28に嵌合して適度な摩擦力により該ハブ22を保持することができる。弾性片136は先端上部の第1突起140と、やや後方の第2突起142とを有する。第1ばね座130は、第1接続体122の一部が連通する開口144が左右に設けられている。また、第1ばね座130は後方に開口するカップ形状となっている。
【0043】
前端部材118は、先端側に、穿刺針チップ12のケーシング18が着脱自在に装着される装着部150を有する。装着部150は、外面が先端に向かいやや縮径するテーパを有する筒形状であり、ケース本体102からやや突出している。
【0044】
装着部150の先端部の外径は、前記のスカート41の嵌合隙間部41a及びケース本体102の先端の筒形状部151の内径部にちょうど嵌合するように設定されている。
【0045】
ケース本体102の先端の筒形状部151の板厚は適度に厚く、スカート41の後端部41bが当接する受け座として作用する。以下、筒形状部151を受け座151とも呼ぶ。装着部150の内腔部は、穿刺針チップ12が装着される装着穴153となっている。初期状態では、装着穴153にはプランジャ106の把持バー134が配置されている。
【0046】
前端部材118における装着部150以外の箇所はケース本体102内に挿入されており、穿刺ボタン116を保持する保持部152と、プランジャ106が駆動用コイルスプリング108を圧縮して後端側に移動したときに該プランジャ106の第1突起140に係合するトリガストッパ154とを有する。
【0047】
第1接続体122は、後方が筒体で、前方に2本のアーム156を有する。2本のアーム156は、プランジャ106の各開口144に挿通している。第2接続体124は上面が開口した筒体であり、後端に各アーム156のスリットに係合する係合片158を有する。つまり、第1接続体122と第2接続体124とは係合片158を介して一体的に接続されており、プッシャ120を押し込むことにより第1接続体122と第2接続体124は一体的に移動する。なお、添付の断面図、例えば、図6(a)、図6(b)等では、その断面位置により、第1接続体122と第2接続体124は一部しか表れていないが、該第1接続体122及び第2接続体124がプッシャ120と一体的な構成となっていることは図3から容易に理解されよう。
【0048】
第1接続体122の後方の筒状部はプランジャ106の後方側を覆うように配置され、第2接続体124はプランジャ106の前方側を覆うように配置され、プランジャ106は、第1接続体122及び第2接続体124の内側で軸方向に進退可能である。
【0049】
なお、軸方向に移動可能に設置され、穿刺針15が着脱自在に装着される装着部である把持バー134を有するプランジャ106と、プランジャ106を先端方向に付勢する付勢部材である駆動用コイルスプリング108と、駆動用コイルスプリング108により先端方向に付勢されたプランジャ106の係合部である第1突起140に係合し、プランジャ106の移動を阻止するトリガストッパ154とにより、穿刺針15を少なくとも発射準備位置から穿刺位置まで移動させる穿刺動作を行う穿刺機構の主要部が構成される。
【0050】
また、穿刺ボタン116は、前記穿刺機構を発動させ、前記穿刺動作を開始させる操作を行うものである。すなわち、穿刺ボタン116を押下することにより、プランジャ106の第1突起140とトリガストッパ154との係合状態が解除され、穿刺動作が開始される。
【0051】
さて、この穿刺装置1では、図1に示すように、ケース本体102は、凸部として、穿刺ボタン116を囲むように設けられたリブ6を有している。このリブ6は、本実施形態では、穿刺ボタン116の外形形状に対応した枠状をなし、穿刺ボタン116の全周を囲むように設けられている。
【0052】
このリブ6により、穿刺針チップ12を穿刺装置1の先端部に装着するとき、ケース本体102の穿刺ボタン116の近傍を把持した場合でも、穿刺ボタン116を押圧操作、すなわち、押下してしまうことを防止またはその頻度を低減することができる。
【0053】
また、リブ6により、穿刺ボタン116の位置を視覚および触覚で明確に把握することができ、これにより、誤って穿刺ボタン116を押下してしまうことを防止またはその頻度を低減することができる。
【0054】
また、穿刺針チップ12を装着するとき、指をリブ6の基端部61に掛けることにより、滑り難くなり、確実に把持することができる。
【0055】
なお、リブ6は、穿刺ボタン116の全周ではなく、一部を囲むように設けられていてもよい。また、凸部としては、リブに限らず、例えば、配列された複数の突起等、上方に突出しているものであればよい。
【0056】
また、リブ6の高さは、穿刺ボタン116よりも高く設定されている。すなわち、リブ6は、その全周において、すべて穿刺ボタン116の高さよりも高く設定されていている。これにより、誤って穿刺ボタン116を押下してしまうことを防止またはその頻度をより低減することができる。
【0057】
また、リブ6の高さは、その基端側が先端側よりも高く設定されている。すなわち、リブ6は、その高さが先端側から基端側に向って漸増する部位を有しており、リブ6の基端部61の高さがそのリブ6のうちで最も高く設定されている。これは、装着時に基端側がら指が接近するのを抑え、また、先端側を低くすることで穿刺操作時に穿刺ボタン116を押しやすくしている。
【0058】
また、リブ6の高さと穿刺ボタン116の高さとの差、すなわち、リブ6の高さから穿刺ボタン116の高さを引いた値は、諸条件に応じて適宜設定されるが、最も高い部分同士で比較すると、その差は、例えば、0.5〜3mm程度であることが好ましく、0.8〜1.5mm程度であることがより好ましい。
【0059】
前記リブ6の高さと穿刺ボタン116の高さとの差が前記上限値を超えると、生体表面を穿刺するために穿刺ボタン116を押圧する際、穿刺ボタン116の押圧操作が難しくなってしまう。
【0060】
また、前記リブ6の高さと穿刺ボタン116の高さとの差が前記下限値未満であると、誤って穿刺ボタン116を押下してしまう頻度が高くなってしまう。
【0061】
なお、リブ6の一部のみの高さが、穿刺ボタン116よりも高く設定されていてもよい。この場合、リブ6の少なくとも基端側の高さを穿刺ボタン116よりも高く設定することが好ましい。すなわち、リブ6の基端側は、穿刺ボタン116の高さより高いことが好ましく、リブ6の先端側は、穿刺ボタン116の高さよりも低くてもよい。
【0062】
また、リブ6の全体の高さが、すべて穿刺ボタン116の高さよりも低く設定されていてもよく、この場合でも、触感でリブ6を認識できるので、リブ6が設けられていない場合に比べて、誤って穿刺ボタン116を押下してしまう頻度を低減することができる。
【0063】
また、本実施形態では、リブ6の高さは、一定ではないが、これに限らず、リブ6の高さは、一定であってもよい。
【0064】
また、リブ6の横断面の形状は、図示の構成では、先細りになっているが、これに限定されないことは、言うまでもない。
【0065】
また、ケース本体102は、穿刺ボタン116の近傍に、複数、本実施形態では、2つの凹部71および72を有している。凹部71、72は、それぞれ、穿刺針チップ12を穿刺装置1に装着するとき、ケース本体102を指で把持する際にその指を当接する部位である。さらに、凹部71、72は、それぞれ、生体表面を穿刺するとき、ケース本体102を指で把持する際にその指を当接する部位でもある。
【0066】
この凹部71、72により、ケース本体102を把持して穿刺針チップ12を穿刺装置1の先端部に装着する際、指を凹部71、72に当接することにより、滑り難くなり、確実に把持することができる。
【0067】
また、凹部71、72は、その凹部71、72に指を当接するようにしてケース本体102を把持すると、穿刺ボタン116を誤って押下しないように、その形状、寸法、位置等の諸条件が設定されている(図4、図5参照)。一方、使用者は、凹部71、72に指を当接するようにしてケース本体102を把持すると、指にフィットして、ケース本体102を把持し易いので、ケース本体102を把持する際は、凹部71、72に指を当接することが期待される。すなわち、凹部71、72は、使用者の指をその凹部71、72に誘導する機能を有している。これにより、穿刺ボタン116を誤って押下してしまうことを防止またはその頻度を低減することができる。
【0068】
また、凹部71、72および穿刺ボタン116は、ケース本体102の周方向に沿って配置されている。図示の構成では、凹部71、72および穿刺ボタン116は、等角度間隔、すなわち、凹部71、72および穿刺ボタン116の中心は、中心軸103を中心とする中心角で、120°間隔で配置されている。
【0069】
また、凹部71、72の形状、寸法、中心の中心軸方向の位置等は、それぞれ、特に限定されず、諸条件に応じて適宜設定されるが、本実施形態では、凹部71、72の平面視での形状、すなわち、凹部71、72をその真上から見たときの形状は、それぞれ、ほぼ楕円状をなしている。そして、凹部71、72は、それぞれ、その中央部の底部が平面状をなし、その底部の周囲に傾斜面を有している。
【0070】
なお、凹部71の形状と凹部72の形状とは、同一でもよく、また、異なっていてもよいが、本実施形態では、同一である。
【0071】
また、凹部71、72の中心軸103の方向の長さをL1、凹部71、72の中心軸103に対して垂直な方向の長さをL2としたとき、L1は10〜30mm程度であることが好ましく、15〜25mm程度であることがより好ましい。また、L2は、3〜15mm程度であることが好ましく、5〜10mm程度であることがより好ましい。また、L1/L2は、1〜10程度であることが好ましく、2〜5程度であることがより好ましい。
【0072】
また、凹部71、72と穿刺ボタン116の中心軸103方向の位置は、それぞれ、同一であってもよく、また、異なっていてもよい。また、凹部71と凹部72の中心軸方向の位置は、互いに同一でもよく、また、異なっていてもよい。
【0073】
すなわち、凹部71、72は、それぞれ、穿刺ボタン116よりも基端側に位置していてもよく、また、穿刺ボタン116よりも先端側に位置していてもよく、また、穿刺ボタン116と一致していてもよいが、本実施形態では、凹部71の中心軸103方向の位置と、凹部72の中心軸103方向の位置と、穿刺ボタン116の中心軸103方向の位置とが、すべて一致している。
【0074】
次に、穿刺装置1の先端部に穿刺針チップ12を装着する際にその穿刺装置1を把持するときの2通りの方法を説明する。この場合、代表的に、右手で穿刺装置1のケース本体102を把持する場合を説明する。
【0075】
まず、1つ目は、図4に示すように、人差し指を凹部72に当接し、中指を凹部71に当接し、親指をリブ6の基端部61に掛ける。このようにして穿刺装置1のケース本体102を把持することにより、誤って親指で穿刺ボタン116を押下してしまうことを防止することができる。
【0076】
穿刺針チップ12の装着後、生体表面を穿刺するときに穿刺ボタン116を押圧操作する際は、親指を先端方向にずらして穿刺ボタン116を押圧する。
【0077】
2つ目は、図5に示すように、人差し指を凹部72に当接し、親指を凹部71に当接する。このようにして穿刺装置1のケース本体102を把持することにより、誤って穿刺ボタン116を押下してしまうことを防止することができる。
【0078】
穿刺針チップ12の装着後、生体表面を穿刺するときに穿刺ボタン116を押圧操作する際は、図4に示す前記1つ目の持ち方に変更し、親指を先端方向にずらして穿刺ボタン116を押圧操作する。
【0079】
次に、このように構成される穿刺器具セット10及び穿刺装置1の作用について説明する。
【0080】
図6(a)、図6(b)に示すように、先ず、使用者は、前述したように、穿刺装置1および未使用の穿刺針チップ12を把持し、その穿刺針チップ12を穿刺装置1の装着穴153に差し込んで後端側に向かって押し込む。このとき、ハブ22の被把持突起28に対してプランジャ106の把持バー134が係合する。すなわち、穿刺針15がプランジャ106に装着される。
【0081】
図7(a)に示すように、穿刺針チップ12をさらに後端側に向かって押し込むと、ケーシング18からハブ22及びプランジャ106を介して駆動用コイルスプリング108を圧縮し、やがてプランジャ106における第1ばね座130のカップ状の後端部が後端部材112の前端面112aに当接する。これによりプランジャ106の後端側への移動が規制される。また、弾性片136が一旦弾性変形した後に第1突起140がトリガストッパ154に係合しプランジャ106が駆動用コイルスプリング108を圧縮した状態で固定される。
【0082】
なお、ハブ22の周面30とケーシング18の後方環状膨出部40との嵌合力は、駆動用コイルスプリング108の弾性力よりも強く、ハブ22とケーシング18との嵌合が解除されることはない。
【0083】
この段階では、プランジャ106は穿刺をする準備位置まで達してトリガストッパ154によって固定されているが、ハブ22とケーシング18との係合は解除されていないため、穿刺の準備として不十分である。なお、この段階では、スカート41は装着部150を覆っていない。また、このときの穿刺針15の位置が発射準備位置に達している。
【0084】
図7(b)に示すように、穿刺針チップ12をさらに後端側に向かって押し込むと、プランジャ106は前端面112aによって後端側への移動が規制されていることから、使用者の加える力はハブ22における摺動支持部26の周面30とケーシング18の後方環状膨出部40との係合部に直接的に加えられることになり、該係合が解除される。つまり、ハブ22及びプランジャ106の位置は変わらないが、ケーシング18は相対的に後方に移動する。ハブ22とケーシング18との係合が解除されたとき、ケーシング18は後方に移動し、装着部150はスカート41の嵌合隙間部41a(図2参照)に嵌合し、スカート41の後端部41bが受け座151に当接して止まる。装着部150の先端部と嵌合隙間部41aの先端底面とは僅かに隙間があり(図8(b)参照)、後端部41bは受け座151に確実に当接する。このようにして、ケーシング18は、装着部150に装着される。すなわち、穿刺針チップ12は、規定の位置に確実に装着される。
【0085】
ケーシング18の後端が第2接続体124の前端面を押圧することにより、該第2接続体124及び第1接続体122を介してプッシャ120は後方に押し出され、後端から突出する。
【0086】
このとき、装着部150はスカート41によって完全に覆われ、外からは視認できなくなる。
【0087】
次いで、穿刺針チップ12のチップ本体13からキャップ14を抜き取る。この穿刺直前の時点までは、穿刺針チップ12の先端の皮膚に接する箇所はキャップ14によって覆われており、この部分を清浄に保つことができる。
【0088】
次いで、チップ本体13の先端部を測定者の皮膚、例えば、指、手のひら、腕等に押し当て、穿刺ボタン116を押圧操作、すなわち、押下する。これにより、図8(a)に示すように、穿刺ボタン116により第1突起140が押し下げられ、トリガストッパ154と第1突起140の係合状態が解除され、プランジャ106は駆動用コイルスプリング108によって弾性付勢され前方へ勢いよく駆動され、把持バー134を介して穿刺針15を押し出す。
【0089】
このとき、摺動リング16は、微小段差24aに当接したまま穿刺針15と同時に押し出され、内周段差部34により過度の前進が制限される。
【0090】
穿刺針15の先端に設けられた針20は、開口部42から突出して皮膚を穿刺する。なお、このときの穿刺針15の位置が穿刺位置である。また、このとき、プランジャ106は勢いよく移動することから、瞬間的に戻し用コイルスプリング110を適度に圧縮している。したがって、該戻し用コイルスプリング110が元の長さに復帰する弾性力によってプランジャ106は即時に後方に押し戻される。このような穿刺機構により、穿刺針15を発射準備位置から穿刺位置まで移動させ、その後、基端側に移動させる穿刺動作がなされる。
【0091】
また、プランジャ106に接続された針20の瞬間的な突出長さは、該プランジャ106の小突起138が階段部139に当接することにより制限及び調整される。
【0092】
プランジャ106が後退する際、摺動リング16は4本の弾性レバー24に係合していることから一体的に後退するが、図8(b)に示すように、前方膨出部36の前端部で停止し、弾性レバー24から外れて残される。穿刺した皮膚からは適度に出血するので、穿刺針チップ12及び穿刺装置1を外して、所定の血液成分測定装置により血糖値の測定を行う。
【0093】
図9(a)に示すように、プッシャ120を押し込むことによって、第1接続体122及び第2接続体124を介してケーシング18の後端面を押圧して、使用後の穿刺針チップ12を取り外すことができる。取り外した穿刺針チップ12は所定の方法により破棄される。
【0094】
プッシャ120は先端側に向かって押し込まれると、ケース本体102に対して摩擦により押し込んだ位置が保持される。具体的には、プッシャ120と一体的な構成となっている第2接続体124とケース本体102の間に摩擦が発生する構成になっている。
【0095】
このように、穿刺装置1は、使用しないときにはその全長が短くなり携帯及び収納に好適である。
【0096】
図9(a)と図6(a)では、穿刺針チップ12においてハブ22の位置だけが異なることは容易に理解されよう。
【0097】
図9(b)に示すように、プッシャ120を先端側に向かって押し込むとき、ハブ22は当初、把持バー134によって保持されていることから動かない。一方、摺動リング16は前方膨出部36に係合してケーシング18とともに前方に移動することから弾性レバー24から外れ、係合が解除される。弾性レバー24は摺動リング16から抜けるとき、一旦弾性的に縮径し、抜けた後に元の径に戻る。この後、ハブ22も後方環状膨出部40に係合してケーシング18と一体的に前方に移動し、穿刺針チップ12が穿刺装置1から取り外される。
【0098】
図10(a)に示すように、取り外された穿刺針チップ12では、弾性レバー24は摺動リング16から抜けて拡径していることから、該摺動リング16が弾性レバー24の前方への移動を規制する。つまり、摺動リング16は、ケーシング18に対するハブ22の前方への移動を所定位置で制限する移動制限手段となり、針20が先端面から突出することはない。これにより、穿刺針チップ12の廃棄に際しても、針20で皮膚等を傷つけることが防止され、また、感染も防止することができる。なお、後方には後方環状膨出部40がハブ22の移動を規制し、穿刺針15が後端側から抜けることがない。
【0099】
ところで、使用者によっては、使用後の穿刺針チップ12を間違って穿刺装置1に装着してしまうことも考えられる。
【0100】
この場合、図10(b)に示すように、ハブ22の被把持突起28に把持バー134が係合してプランジャ106を後方に押し込むが、ハブ22は後方環状膨出部40との係合が解除されてやや前方に配置されていることからプランジャ106を十分後方まで移動することができない。したがって、第1突起140はトリガストッパ154に係合することがなく、駆動用コイルスプリング108は付勢状態とならず、穿刺ボタン116を押しても穿刺作業はなされない。
【0101】
また、弾性レバー24の先端が摺動リング16の後端に当接し、ハブ22に対してケーシング18が相対的に後方に移動することを制限することになり、これ以上ケーシング18を後方に向かって押し込んでも駆動用コイルスプリング108を一時的に少し圧縮するだけであり、手を離すと該駆動用コイルスプリング108の弾性力により前方に押し返されてしまう。これにより、ケーシング18は十分後方まで移動することができず、スカート41の後端部41bは受け座151に当接することがなく適度な隙間が発生し、装着部150が側方から視認される。これにより、使用者は、装着されている穿刺針チップ12が使用済みであることを容易に認識することができる。
【0102】
以上説明したように、この穿刺装置1によれば、ケース本体102にリブ6および凹部71、72が設けられているので、穿刺針チップ12を穿刺装置1の先端部に装着する際、誤って穿刺ボタン116を押下してしまうことを防止またはその頻度を低減することができる。
【0103】
<第2実施形態>
図11は、本発明の穿刺装置の第2実施形態と、穿刺針チップとで構成された穿刺器具セットを示す斜視図、図12は、図11に示す穿刺装置を指で把持した状態を示す斜視図である。
【0104】
以下、第2実施形態について、前述した第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
【0105】
第2実施形態に係る穿刺器具セット11は、凹部の構成が異なること以外は前記第1実施形態の穿刺器具セット10と同様である。
【0106】
すなわち、図11に示すように、第2実施形態の穿刺装置2では、ケース本体102は、穿刺ボタン116の近傍に、1つの凹部73を有している。この凹部73は、ケース本体102の中心軸103の方向から見たとき、中心軸103を介して穿刺ボタン116と反対側に配置されている。また、凹部73心は、穿刺ボタン116よりも基端側に位置している。すなわち、凹部73の中心は、穿刺ボタン116の中心よりも基端側に位置している。
【0107】
次に、穿刺装置2の先端部に穿刺針チップ12を装着する際にその穿刺装置2を把持するときの1つの方法を説明する。この場合、代表的に、右手で穿刺装置2のケース本体102を把持する場合を説明する。
【0108】
図12に示すように、人差し指を凹部73に当接し、親指をリブ6の基端部61に掛ける。このようにして穿刺装置2のケース本体102を把持することにより、誤って穿刺ボタン116を押下してしまうことを防止することができる。
【0109】
穿刺針チップ12の装着後、生体表面を穿刺するときに穿刺ボタン116を押圧操作する際は、親指を先端方向にずらして穿刺ボタン116を押圧する。なお、図4に示す第1実施形態の1つ目の持ち方に変更し、親指を先端方向にずらして穿刺ボタン116を押圧操作してもよい。
【0110】
以上、本発明の穿刺装置を、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各部の構成は、同様の機能を有する任意の構成のものに置換することができる。また、本発明に、他の任意の構成物が付加されていてもよい。また、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成を組み合わせたものであってもよい。
【0111】
例えば、凹部の数は、前記実施形態では、1つまたは2つであったが、本発明では、3つ以上でもよい。
【0112】
また、本発明では、穿刺装置の先端部にハウジングのない穿刺針を装着して使用するように構成されていてもよい。
【0113】
また、本発明では、凸部と凹部とのいずれか一方を省略してもよい。この場合でも誤ってボタンを押下してしまうことを防止またはその頻度を低減することができる。
【符号の説明】
【0114】
1、2 穿刺装置
10、11 穿刺器具セット
12 穿刺針チップ
13 チップ本体
14 キャップ
15 穿刺針
16 摺動リング
18 ケーシング
20 針
22 ハブ
24 弾性レバー
24a 微小段差
26 摺動支持部
28 被把持突起
30 周面
32 縮径部
34 内周段差部
36 前方膨出部
40 後方環状膨出部
41 スカート
41a 嵌合隙間部
41b 後端部
42 開口部
6 リブ
61 基端部
71〜73 凹部
102 ケース本体
103 中心軸
104 ダイヤル部
106 プランジャ
108 駆動用コイルスプリング
110 戻し用コイルスプリング
112 後端部材
112a 前端面
114 孔
116 穿刺ボタン
118 前端部材
120 プッシャ
122 第1接続体
124 第2接続体
130 第1ばね座
132 第2ばね座
134 把持バー
136 弾性片
138 小突起
139 階段部
140 第1突起
142 第2突起
144 開口
150 装着部
151 筒形状部(受け座)
152 保持部
153 装着穴
154 トリガストッパ
156 アーム
158 係合片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
先端部に穿刺針を着脱自在に装着して用いられる穿刺装置であって、
中空のハウジングと、
前記ハウジング内に設けられ、前記穿刺針が装着された状態で、前記穿刺針を少なくとも発射準備位置から穿刺位置まで移動させる穿刺機構と、
前記ハウジングの先端側の側部に設置され、前記穿刺機構を発動させるボタンとを備え、
前記ハウジングは、前記ボタンの少なくとも一部を囲むように設けられた凸部を有することを特徴とする穿刺装置。
【請求項2】
前記凸部の高さは、その少なくとも一部が前記ボタンの高さよりも高く設定されている請求項1に記載の穿刺装置。
【請求項3】
前記凸部は、枠状をなし、前記ボタンの全周を囲むように設けられている請求項1または2に記載の穿刺装置。
【請求項4】
前記凸部の高さは、その基端側が先端側よりも高く設定されている請求項3に記載の穿刺装置。
【請求項5】
前記ハウジングは、前記穿刺針を装着するとき、該ハウジングを指で把持する際に該指を当接する少なくとも1つの凹部を前記ボタンの近傍に有する請求項1ないし4のいずれかに記載の穿刺装置。
【請求項6】
先端部に穿刺針を着脱自在に装着して用いられる穿刺装置であって、
中空のハウジングと、
前記ハウジング内に設けられ、前記穿刺針が装着された状態で、前記穿刺針を少なくとも発射準備位置から穿刺位置まで移動させる穿刺機構と、
前記ハウジングの先端側の側部に設置され、前記穿刺機構を発動させるボタンとを備え、
前記ハウジングは、前記穿刺針を装着するとき、該ハウジングを指で把持する際に該指を当接する少なくとも1つの凹部を前記ボタンの近傍に有することを特徴とする穿刺装置。
【請求項7】
前記ハウジングは、筒状をなし、前記凹部を1つ有し、
前記ハウジングの中心軸の方向から見たとき、該凹部は、前記中心軸を介して前記ボタンと反対側に配置されている請求項5または6に記載の穿刺装置。
【請求項8】
前記凹部は、前記ボタンよりも基端側に位置している請求項7に記載の穿刺装置。
【請求項9】
前記ハウジングは、筒状をなし、前記凹部を2つ有しており、
前記各凹部は、前記ハウジングの周方向に沿って配置されている請求項5または6に記載の穿刺装置。
【請求項10】
前記各凹部および前記ボタンは、前記ハウジングの周方向に沿ってほぼ等角度間隔に配置されている請求項9に記載の穿刺装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−75620(P2012−75620A)
【公開日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−222994(P2010−222994)
【出願日】平成22年9月30日(2010.9.30)
【出願人】(000109543)テルモ株式会社 (2,232)
【Fターム(参考)】