穿孔を縫合するための医療システム、装置、及び方法
組織を縫合するための医療システム及び装置、並びに同システム及び装置を使用するための方法が開示されている。本システム及び装置は、内視鏡的及び/又は腹腔鏡的に用いることができ、穿孔が完全に閉じられるように穿孔の周りに縫合糸を単純に、信頼性高く、且つ制御可能に設置できるようにする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概括的には、穿孔を縫合するための医療システム、装置、及び処置に、より厳密には、内視鏡的穿孔縫合に関する。
【背景技術】
【0002】
内部器官や脈管の壁の開口又は穿孔は、自然に発生することもあれば、意図的又は偶発的に形成されることもある。これらの穿孔を永久的に閉じて、組織を正しく癒合させるために、縫合糸、接着剤、クリップ、組織アンカーなどを採用する数多くの医療装置及び方法が開発されている。1つのその様な部類の装置は、胃腸管内の穿孔の様な穿孔を内視鏡的に閉じることを目標としている。このため、穿孔閉合をやり易くするために内視鏡に取り付けられる様々な医療装置が提案されている。これらの医療装置に中には、組織を縫合又はアンカー設置に向けて定位するのに吸引を採用しているものもあれば、組織を定位するのに組織グラスパー又は他の装置の使用を必要とするものもある。
【0003】
これらの医療装置では、組織の特定の定位に、組織を折ったり或いは2層又はそれ以上の組織層を重ねたりすることが必要になることもある。その様な組織の定位と縫合を達成するために、これらの医療装置の多くは、複雑で、また多数の可動部品を含んでおり、それにより装置の製造が複雑化し費用が増加する。同時に、医療専門家によるそれらの装置の使用も複雑化し時間を食うものとなりかねず、そうなれば結果的に処置時間が増加する。
【特許文献1】米国特許出願第12/125,525号
【特許文献2】米国特許出願第12/191,001号
【発明の概要】
【0004】
本発明は、組織の穿孔を縫合するための医療システム、装置、及び方法において、内視鏡的及び/又は腹腔鏡的に使用することができ、穿孔が完全に閉じられるように穿孔の周りに縫合糸を単純に、信頼性高く、且つ制御可能に設置できるようにする、医療システム、装置、及び方法を提供している。本発明の教示により作製されている医療システムの1つの実施形態は、概して、内視鏡と、エンドキャップと、細長い側方管と、針と、縫合糸と、回収装置を含んでいる。エンドキャップは、内視鏡の遠位端に嵌められている。細長い側方管は、側方チャネルを画定していて、エンドキャップに接続されている。針は、シャフトと、シャフトの遠位端に分離可能に接続されている針先端を有している。針は、側方管の側方チャネルを通して並進させるサイズである。縫合糸は、針先端に取り付けられている。回収装置は、内視鏡の作業チャネルを通して並進させるサイズである。
【0005】
より詳細な態様によれば、針は、針先端が側方管から横方向に離間している配備形態へ操作できる。配備形態では、針シャフトの遠位端は湾曲した経路に沿って曲がっていて、より好適には反り返っている。針シャフトは、弾性材料で形成されていて、配備形態へ付勢されるのが好適である。配備形態では、針先端と回収装置は内視鏡の中心軸に対して半径方向に整列している。配備形態では、針シャフトの遠位端は、針先端が近位方向を向くような曲率を有している。回収装置の1つの作製は、歯を有する弾性スリーブを含んでおり、スリーブは針先端を受け入れるサイズの内部通路を画定している。針先端は、把持面を画定しており、歯は把持面に係合するサイズと構造である。針先端は、針シャフトに摩擦嵌めされていてもよく、更には、縫合糸を受け入れるための開口を含んでいてもよい。
【0006】
本発明の教示により作製されている医療装置の1つの実施形態は、概して、エンドキャップと、細長い側方管と、針と、縫合糸と、回収装置を含んでいる。エンドキャップは、内視鏡の遠位端を受け入れるサイズの内部空間を画定している。側方管は、側方チャネルを画定していて、エンドキャップに接続されている。針は、針シャフトと、針シャフトの遠位端に分離可能に接続されている針先端を有している。針は、側方チャネルに対し並進させるサイズである。針は、針先端が側方管から横方向に離間している配備形態へ操作できる。縫合糸は、針先端に取り付けられており、回収装置は、縫合糸及び針先端の回収のために内視鏡の作業チャネルを通して並進させるサイズである。
【0007】
医療装置のより詳細な態様によれば、内部空間は、エンドキャップと内視鏡の間に選択的摩擦係合を提供するサイズである。エンドキャップの遠位部分は、側方管と周方向に整列しているスロットを含んでいる。エンドキャップの遠位部分は、半径方向に張り出して組織支持面を画定しているフランジを含んでいる。フランジは、針が配備形態にあるときは針に近接して配置されている。針は、更に、針先端が側方管と整列している送達形態へ操作できる。針先端及び回収装置は、配備形態では内視鏡の中心軸に対して半径方向に整列しているのが好適である。
【0008】
本発明の教示によれば、穿孔組織を縫合するための方法も提供されている。方法の1つの実施形態は、概して、作業チャネルを有する内視鏡を提供する段階と、上述の医療装置の様な医療装置を提供する段階を含んでいる。エンドキャップを内視鏡の遠位端に嵌める。内視鏡と医療装置を、組織に近接する位置へ導入する。針を送達形態から配備形態へ操作して、針に組織を通過させる。回収装置を操作して針先端に係合させ、針先端をシャフトから分離する。
【0009】
方法のより詳細な態様によれば、回収装置を後退させて、縫合糸を内視鏡の作業チャネルを通して引き出す。内視鏡と医療装置を導入する段階は、側方管を組織の穿孔に近接して配置する段階を含んでいる。針を操作する段階は、針に逆行式に組織を通過させる段階を含んでいる。針を操作する段階は、針に穿孔を通過させ、次いで針に組織を通過させる段階を含んでいてもよい。針先端を分離する段階は、針先端をシャフトから分離するのを支援するべく針を近位方向に引く段階を含んでいてもよい。
【0010】
本明細書に組み込まれ、その一部を形成している添付図面は、本発明の幾つかの態様を示しており、記述内容と併せて、本発明の原理を説明するのに供されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の教示により作製されている医療装置の斜視図である。
【0012】
【図2】図1に描かれている医療システムの側面図である。
【0013】
【図3】図1に描かれている医療システムの端面図である。
【0014】
【図4】図1に描かれている医療システムの一部を形成している針の断面図である。
【0015】
【図5】図4に描かれている針の或る代わりの実施形態の断面図である。
【0016】
【図6】図1に描かれている医療システムの一部からの回収装置の断面図である。
【0017】
【図7】図6に描かれている回収装置の側面図である。
【0018】
【図8】図6に描かれている回収装置の或る代わりの実施形態の部分断面側面図である。
【0019】
【図9】図4及び図6に描かれている針と回収装置の間の相互作用の1つの段階を示している断面図である。
【図10】図4及び図6に描かれている針と回収装置の間の相互作用の別の段階を示している断面図である。
【0020】
【図11】図1に描かれている医療システムを用いる方法を示している部分断面側面図である。
【図12】図11と共に、図1に描かれている医療システムを用いる方法を示している部分断面側面図である。
【図13】図11−図12と共に、図1に描かれている医療システムを用いる方法を示している部分断面側面図である。
【図14】図11−図13と共に、図1に描かれている医療システムを用いる方法を示している部分断面側面図である。
【図15】図11−図14と共に、図1に描かれている医療システムを用いる方法を示している部分断面側面図である。
【0021】
【図16】図1に描かれている医療システムによる穿孔の閉合を示している断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
これより図を参照すると、図1−図3は、本発明の教示により作製されている、組織12の穿孔14の縫合閉鎖(図11−図16に図示)のための医療システム20を描いている。医療システム20は、概して、内視鏡22と、内視鏡22と共に使用するように適合されている医療装置24を備えている。内視鏡22は、概して、長手方向に伸びている中心軸10を画定している。医療装置24は、内視鏡22の遠位端の上に嵌まるサイズの内部キャビティ28を画定しているエンドキャップ26を含んでいる。エンドキャップ26は、内視鏡22上にエンドキャップ26が選択的に維持されるように内視鏡22に摩擦係合する構造とすることができるが、当技術で知られている様にエンドキャップ26を内視鏡22に接続するための他の手段が採用されていてもよい。内視鏡22と医療装置24は、従って、図に示されているこの接続された形態で、患者の身体を通して横断させてゆくように適合されている。
【0023】
医療装置24は、更に、エンドキャップ26に接続されていて、側方チャネル32を画定している、細長い側方管30を含んでいる。縫合糸36に穿孔14に近い組織12を通過させるための針34が提供されている。側方管30は、最初に、側方管30の側方チャネル32を通して並進させるサイズである針34を案内する。回収装置38は、内視鏡22の作業チャネル23を通して並進させるサイズであり、更に、縫合糸が穿孔14に近接する組織12を通過させられたら、針34と協働して縫合糸34を回収するように適合されている。医療装置24のこれらの構成要素の更なる詳細を以下に説明してゆく。
【0024】
図1−図3に示されている様に、側方管30は、エンドキャップ26の外周囲に取り付けられたところである。代わりに、エンドキャップ26がチャネルを画定し、側方管30の側方チャネル32をそこに嵌めて両者の間の連通を図る構成を含め、側方管30はエンドキャップ26の何れの部分に接続することもできることが認識されるであろう。側方管30は、接着剤、機械的コネクタ、プラスチック溶接、又は他の結合技法を使用して、エンドキャップ26に接続されているのが好適である。代わりに、エンドキャップ26と側方管30は、単体又は一体に形成されていてもよい。側方管32は、内視鏡22に沿って近位方向に伸びていて、従って、内視鏡22の長さと同様の長さを有している。内視鏡22は、概して、当業者に知られている如何なる内視鏡であってもよく、従って、様々な長さ、直径、及び機能性を有するものとすることができる。
【0025】
以下に更に詳細に説明してゆくが、針34は、概して、配備形態(図1−図3に概略的に図示)では、反り返る構造であって、それによって、縫合糸36に組織12を通過させ、なお且つ針34の遠位先端46と縫合糸36をそれらが回収装置38によって回収される位置に置くやり方で通過させることができる。図3に示されている様に、エンドキャップ26は、針34のこの反り返し、針の組織通過、及び縫合糸36が組織12を通過させられた後に針34から縫合糸36を回収する場合の針の回収装置38との相互作用、をやり易くする構造である。例えば、エンドキャップ26は、その遠位端に、針34を通過させてエンドキャップ26によって画定されている内部空間28の中へ送り込めるようにするスロット40を画定している。スロット40は、針34をその中に受け入れるために、側方管30と周方向に整列しているのが好適である。図3から最もよく分かる様に、エンドキャップ26は、更に、反り返された針34が辿る湾曲した経路に近接する位置まで半径方向外向きに張り出している1つ又はそれ以上(図には2つが示されている)のフランジ42を更に含んでいる。フランジ42は、針34による組織12の穿刺をより容易にするために組織12への支持を提供するが、フランジ42は採用されていなくてもよい。エンドキャップ26は、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンエーテルケトン、ポリカーボネート、又は他の熱可塑性プラスチック類、の様なプラスチックから作製されているのが好適であるが、金属類や合金類の様な他の材料を採用することもやぶさかではない。
【0026】
針34と回収装置38並びにそれらの協働的相互作用の更なる詳細について、これより図4−図10を参照しながら説明してゆく。図4に示されている様に、針34は、概して、シャフト44と、シャフト44の遠位端に選択的に接続されている針先端46を含んでいる。針先端46は、概して、組織を突き刺すための先細頭部48と、頭部48に接続されている幹部50を含んでいる。シャフト44は、針先端46の幹部50を受け入れるサイズである針ルーメン52を画定している。好適には、幹部50と針ルーメン52は、互いに対して、摩擦嵌めを提供し且つ針先端46のシャフト44への選択的接続と切断を許容するサイズであるが、当業者には認識される様に、針先端46をシャフト44へ選択的に接続するための他の機械的手段を採用することもできる。
【0027】
針先端46は、更に縫合糸36に接続されている。好適には、縫合糸36は針先端の幹部50に接続されているが、針先端46のどの部分に接続されていてもよい。縫合糸は、結紮するか又は接着剤や機械的コネクタ(調節できるループ、クランプ、その他)を使用することによって接続することができる。同様に、縫合糸36と針先端46を相互接続するために、幹部50又は縫合糸36のどちらかをクリンピングによるか又は他の技法を使用するかして機械的に変形させてもよい。
【0028】
針34は、側方管30を通って、そして内視鏡22に沿って、患者の身体を横断してゆくのに十分な可撓性を提供する材料で作製されているのが好適である。同時に、針34、或いは少なくともシャフト44の遠位端は、可撓性であるが但し弾性を有する材料で形成されており、それにより、針34を図1−図3に示されている配備形態へ反り返らすことを可能にする。好適には、シャフト44の遠位端はこの配備形態へ付勢されるが、シャフトの遠位端は、当技術で知られている様に、温度依存性で、流体又は体温の使用により活性化させることのできる形状記憶を有していてもよい。針34に適した材料には、概して、ステンレス鋼の様な金属類、ニチノールの様な合金類、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルケトン、及び当業者に知られている他のプラスチックの様なプラスチック類が含まれる。
【0029】
同様に、側方管30は針34を案内し、針のシャフト44が配備形態へ付勢されるとき、側方管は針をその送達形態(図11)へとまっすぐにする。このため、側方管30は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、発泡ポリテトラフルオロエチレン(EPTFE)、ポリエチレンエーテルケトン(PEEK)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ナイロンを含めたポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエチレン(高密度又は低密度)、及びサントプレーン(商標:Santoprene)の様なエラストマー類で形成されているのが好適であり、それらには多層構造も単層構造も含まれ、補強ワイヤ、コイル、又はフィラメントの有無は問わない。針34のシャフト44は、概して、側方管30を通過し、その近位端(図示せず)から出て、医療専門家に操縦させるのに十分な長さを有している。側方管は、エンドキャップ26から内視鏡22に沿ってその近位端(図示せず)まで伸ばすのに適した長さを有しており、側方チャネル32の近位端は、医療専門家が、針34の挿入、操縦、及び同チャネルからの抜去のためにアクセスすることができる。
【0030】
当業者には針34の多くの変型が容易に明らかとなることであり、1つのその様な変型が図5に描かれている。概して、針134は、中実シャフト144と中空針先端146を含んでいる。針先端146の頭部148は、組織12の突き刺しを促すために先細になっている。針先端146の内部ルーメン150は、シャフト144に対して、以上に図4の実施形態に関して説明されている様に針先端146とシャフト144との摩擦嵌め及び選択的接続と切断を提供するサイズである。針先端146には貫通孔152も設けられており、これにより、縫合糸36を孔152に通してクリンピング、結び目付け、融解、又は他のやり方で変形させて、縫合糸36を針146に接続することができる。
【0031】
図6及び図7は、医療装置24及び医療システム22の一部を形成している回収装置38の1つの実施形態を描いている。回収装置38は、概して、内視鏡22の作業チャネル23を通して並進させるサイズの細長い部材56を含んでいる。そういうものとして、細長い部材56は、内視鏡22の作業チャネル23を完全に通り抜け、その近位端(図示せず)から出て、医療専門家に操縦させるのに十分な長さを有している。細長い部材56の遠位端には、針34の針先端46に選択的に係合するための把持先端58が接続されている。この実施形態では、把持先端58は、その遠位端が開口している管状スリーブ59として示されている。スリーブ59は、針先端46を受け入れるサイズの内部通路61を画定している。把持先端58の遠位端は、更に、針先端46に形成されている把持面54に係合するための1つ又はそれ以上の歯60を画定している。図7の側面図から最もよく分かる様に、把持先端58は、概して、スリーブ59の内径が針先端46を受け入れるために拡がれるようにする1つ又はそれ以上のスロット62を含んでいる。そのため、把持先端58は、或る程度の可撓性を有する弾性材料、例えば金属類、合金類(好適にはニチノールの様な超弾性合金)、又は適したプラスチック類などで形成されているのが好適である。細長い部材56は、患者の身体を横断してゆく内視鏡22に合わせて曲がることのできる可撓性材料で形成されているのが好適であり、金属類、ニチノールの様な合金類、又は適したプラスチック類で形成することができる。
【0032】
本発明の医療システム20及び医療装置24の一部を形成するのに多くの異なった回収装置を採用することができる。例えば、回収対象の針先端46及び縫合糸36に係合するのに、ピンセット、スネア、ワイヤループ、グラスパー、及び磁石を採用することができる。1つの例として、図8は、可撓性の細長いシース156と制御部材157を有する回収装置138の或る代わりの実施形態を描いている。その遠位端には把持アーム158が取り付けられている。把持アーム158は、歯160を画定していて、概して、図に示されている様に半径方向外向きに付勢されている。制御ワイヤ157は、複数の巻きワイヤ又は編みワイヤによって形成され、その遠位端を利用して把持アーム158が形成されていてもよい。把持アーム158のサイズと位置は、細長いシース156に対して、制御ワイヤ157をシース156に対して並進させると把持アーム158の作動が開形態と閉形態の間で制御されるような構造になっている。即ち、シース156の遠位端が把持アーム158を圧迫してゆき、それらを一体に寄せ合わせて、針先端46の様な物体を把持させる。この型式の回収装置、及び受動作動式も能動作動式も併せ他の多くの型式の回収装置を、本発明の範囲内で採用することができるであろう。
【0033】
図9及び図10は、針34の針先端46を回収する場合の回収装置38の操作の2つの段階を示している。図9では、回収装置38を針34に対し、把持先端58の開口した遠位端が針頭部48の上を通り越すように並進させたところである。弾性スリーブ59の歯60が針頭部48の周りに寄り、針頭部によって画定されている把持面54に係合している。図10に示されている様に、回収装置38を、針34特にシャフト44に対して再度並進させると、支柱50と針ルーメン52の間の摩擦に打ち勝って、針先端46がシャフト44から自由になる。図9及び図10に示されている針34と回収装置38の相対運動は、回収装置38の並進、又は針34の並進、或いは針34と回収装置38双方の並進、によって達成することができることが認識されるであろう。
【0034】
これより図11−図15を参照しながら説明してゆくが、本発明の教示によれば、組織12の穿孔14を縫合するために医療システム20及び医療装置24を用いる方法も提供されている。図11に示されている様に、方法は、以上に説明されている医療装置のうちの1つの様な内視鏡22及び医療装置24を提供する段階を含んでいる。医療装置24のエンドキャップ26を、内視鏡22の遠位端に嵌める。内視鏡22及び医療装置24を、一体に、患者の身体の中へ、好適には口、肛門、又は膣の様な自然開口部を通して導入し、組織12に近接する位置まで並進させる。組織12の穿孔14が既に形成されているのではなくて所望される場合の処置では、ニードルナイフ又は他の電気焼灼装置の様な適当な手術用具又は切削器具を、内視鏡22の作業チャネル23又は別のチャネルを通して用いて穿孔14を形成する。内視鏡22及び医療装置24を、側方管30が穿孔14に近接して配置されるように操縦する。側方管30は内視鏡22を介して視認できないが、とはいえ、その所在はエンドキャップ26に形成されているスロット40を視覚化することによって特定することができる。スロット40が採用されていない場合、エンドキャップ26の内部面には側方管30の所在を特定するための視認マークが含まれていてもよい。
【0035】
図11に示されている様に、針34は側方チャネル32内部に装填されている。針34は、概して、図11に示されている様な送達形態と、図12(及び先に図1−図3)に示されている様な配備形態の間で操作できる。針34の送達形態では、針先端46は、概して、側方管30と整列している。針先端46は、送達形態と配備形態の間を横方向に動き、より具体的には、針シャフト44の遠位端は、回収装置38及び内視鏡22の作業チャネル32と半径方向に整列するようにして、湾曲した経路に沿って曲がり、より好適には反り返る。約180度回転していることが示されているが、針34は、配備形態では180度より小さく又は大きく回転していてもよい。好適には、針シャフト44は、針先端46が近位方向を向くような配備形態に反り返される。
【0036】
針34は、送達形態から図12に示されている配備形態へ操作される。針34を側方管30に対して遠位方向に並進させ、まず穿孔14を通過させ、次いで組織12を通過させる。即ち、針34は、組織12を、反り返し式に、つまりは組織12の遠位側から近位側に向けて通される。図12に示されている様に、針先端46に取り付けられている縫合糸36にも同様に回収装置38で回収されるように穿孔14と組織12を通過させる。
【0037】
図13に示されている様に、回収装置38を操作して針先端46に係合させる。具体的には、先に図9及び図10に関連付けて説明した様に、把持先端58が針先端46を包み込んで、その間に針先端を係合させる。この相互接続は、回収装置38と針34の何れか又は両方を遠位方向に並進させることによって成し遂げることができる。図14に示されている様に、次いで、針先端46を針34のシャフト44から分離する。同じく先に論じた様に、これは、回収装置38と針34の何れか又は両方を近位方向に並進させて、針先端46とシャフト44の間の摩擦に打ち勝つことによって達成することができる。従って、回収装置38は、針先端46に係合されていただけではなく縫合糸36にも係合されていたことが分かるであろう。この状態で、回収装置38を内視鏡22を通して更に後退させたところで、回収装置と縫合糸36は更に医療専門家によって操縦されることになる。
【0038】
針先端46が分離されると、針34(厳密には針シャフト44)を、側方管30を通して近位方向に引き出すことができる。シャフト44は、側方チャネル32の近位端を抜けて完全に引き出され、縫合糸36の第2端(即ち、以前の近位端)に位置する第2の針先端46を再装填されてもよい。縫合糸36は既に側方管30を通って伸びているため、再装填された針34及び第2の針先端46は、側方管30を通して送達することができる。針34及び針先端46に、上述されている反り返し式に、好適には図15に示されている様に穿孔14の反対側の組織12を通過させる。図16を参照すると、縫合糸36の2つの端は一体に寄せ合わされ、抜け止め用結び目を含めた内視鏡的結紮技法の利用又は図示の縫合糸ロック62の使用を介するなどして、穿孔14の近くに結紮されている。一例としての縫合糸ロックが、米国特許出願第12/125,525号及び同第12/191,001号に記載されており、それらの開示をこれにより参考文献としてそっくりそのまま援用する。好適には、縫合糸36の両端は穿孔14の互いに反対側に設置され、及び/又は穿孔14の周りに間隔を空けて設置され、組織12を一体に寄せ合わせて穿孔14を確実に閉じ、組織12の癒合を促す。
【0039】
代わりの方法では、縫合糸36は、最初、側方管30の外に配置しておくことができる。1つのその様な方法では、縫合糸36の第1端を、組織12を通して(上述の様に)反り返し式に設置したら、内視鏡22及び医療装置24全体を患者のアクセスされる身体管腔から取り出すことができる。取り出したら、(分離できる針先端46を有する)縫合糸36の第2端を針34の遠位端に装填し、内視鏡22及び装置24を身体管腔の中へ戻し、縫合糸36の第2端を設置してもよい。もう1つのその様な方法では、縫合糸36の第1端を設置した後、縫合糸36の第2端を患者の外にそのまま留め置くこともできる。分離できる針先端46を有する第2の縫合糸36を針34の上に装填し、第2の縫合糸36を上述の通りに設置すればよい。
【0040】
当業者には、本発明の医療システム、装置、及び方法が、穿孔の閉合改善を促進することが認識されるであろう。本医療システム及び装置は、操作が単純で、本方法は内視鏡的及び/又は腹腔鏡的に施行することができる。本装置及び方法は、穿孔が完全に閉じられるように穿孔の周りに縫合糸を信頼性高く且つ制御可能に設置できるようにする。
【0041】
当業者には、更に、以上に説明されている方法が、概して、組織装置を、体内管腔を通して組織に設置することを含んでいることが理解されるであろうが、本システム、装置、及び方法は、人間又は動物の身体及び身体管腔に関連し得る材料かそうでないかを問わず、あらゆる材料の層(例えば、織物、布、ポリマー、エラストマー、プラスチック、及びゴム)に使用できることが認識されるであろう。例えば、本システム、装置、及び方法に関しては、研究施設及び産業環境で、人間又は動物の身体への適用が見い出され得る材料かそうでないかを問わず、1層又はそれ以上の材料の層を通して装置を設置する場合の利用、及び同様に、身体組織ではない材料の層の孔又は穿孔を閉合する場合の利用を見い出すことができる。幾つかの例として、縫製又は縫合及び関連の製造工程、合成組織を用いた作業、ポリマーシートの接続又は修復、動物の研究、及び死体解剖活動が挙げられる。
【0042】
以上、本発明の様々な実施形態の説明を、例示と説明を目的に提示してきた。それは本発明を網羅すること又は本発明を開示されている厳密な実施形態に限定することを意図するものではない。以上の教示に照らし、数多くの修正又は変型が実施可能である。論じられている実施形態は、本発明の原理とその実際の適用を最も分かり易く例示し、それにより、当業者が、本発明を様々な実施形態で、また考えられる特定の用途に合わせた様々な修正を加えて、利用することができるように、選定され、記述された。全てのその様な修正及び変型は、付随の特許請求の範囲の請求項によって、それら請求項が公平、法的、且つ公正に権利を有するとされる一定の許容幅に従って解釈された上に定まる本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
10 中心軸
12 組織
14 穿孔
20 医療システム
22 内視鏡
23 作業チャネル
24 医療装置
26 エンドキャップ
28 内部空間
30 側方管
32 側方チャネル
34 針
36 縫合糸
38 回収装置
40 スロット
42 フランジ
44 シャフト
46 針先端
48 先細頭部
50 幹部
52 針ルーメン
54 把持面
56 細長い部材
58 把持先端
59 スリーブ
60 歯
61 内部通路
62 スロット
62 縫合糸ロック
134 針
138 回収装置
144 中実シャフト
146 中空針先端
148 頭部
150 内部ルーメン
152 貫通孔
156 細長いシース
157 制御部材
158 把持アーム
160 歯
【技術分野】
【0001】
本発明は、概括的には、穿孔を縫合するための医療システム、装置、及び処置に、より厳密には、内視鏡的穿孔縫合に関する。
【背景技術】
【0002】
内部器官や脈管の壁の開口又は穿孔は、自然に発生することもあれば、意図的又は偶発的に形成されることもある。これらの穿孔を永久的に閉じて、組織を正しく癒合させるために、縫合糸、接着剤、クリップ、組織アンカーなどを採用する数多くの医療装置及び方法が開発されている。1つのその様な部類の装置は、胃腸管内の穿孔の様な穿孔を内視鏡的に閉じることを目標としている。このため、穿孔閉合をやり易くするために内視鏡に取り付けられる様々な医療装置が提案されている。これらの医療装置に中には、組織を縫合又はアンカー設置に向けて定位するのに吸引を採用しているものもあれば、組織を定位するのに組織グラスパー又は他の装置の使用を必要とするものもある。
【0003】
これらの医療装置では、組織の特定の定位に、組織を折ったり或いは2層又はそれ以上の組織層を重ねたりすることが必要になることもある。その様な組織の定位と縫合を達成するために、これらの医療装置の多くは、複雑で、また多数の可動部品を含んでおり、それにより装置の製造が複雑化し費用が増加する。同時に、医療専門家によるそれらの装置の使用も複雑化し時間を食うものとなりかねず、そうなれば結果的に処置時間が増加する。
【特許文献1】米国特許出願第12/125,525号
【特許文献2】米国特許出願第12/191,001号
【発明の概要】
【0004】
本発明は、組織の穿孔を縫合するための医療システム、装置、及び方法において、内視鏡的及び/又は腹腔鏡的に使用することができ、穿孔が完全に閉じられるように穿孔の周りに縫合糸を単純に、信頼性高く、且つ制御可能に設置できるようにする、医療システム、装置、及び方法を提供している。本発明の教示により作製されている医療システムの1つの実施形態は、概して、内視鏡と、エンドキャップと、細長い側方管と、針と、縫合糸と、回収装置を含んでいる。エンドキャップは、内視鏡の遠位端に嵌められている。細長い側方管は、側方チャネルを画定していて、エンドキャップに接続されている。針は、シャフトと、シャフトの遠位端に分離可能に接続されている針先端を有している。針は、側方管の側方チャネルを通して並進させるサイズである。縫合糸は、針先端に取り付けられている。回収装置は、内視鏡の作業チャネルを通して並進させるサイズである。
【0005】
より詳細な態様によれば、針は、針先端が側方管から横方向に離間している配備形態へ操作できる。配備形態では、針シャフトの遠位端は湾曲した経路に沿って曲がっていて、より好適には反り返っている。針シャフトは、弾性材料で形成されていて、配備形態へ付勢されるのが好適である。配備形態では、針先端と回収装置は内視鏡の中心軸に対して半径方向に整列している。配備形態では、針シャフトの遠位端は、針先端が近位方向を向くような曲率を有している。回収装置の1つの作製は、歯を有する弾性スリーブを含んでおり、スリーブは針先端を受け入れるサイズの内部通路を画定している。針先端は、把持面を画定しており、歯は把持面に係合するサイズと構造である。針先端は、針シャフトに摩擦嵌めされていてもよく、更には、縫合糸を受け入れるための開口を含んでいてもよい。
【0006】
本発明の教示により作製されている医療装置の1つの実施形態は、概して、エンドキャップと、細長い側方管と、針と、縫合糸と、回収装置を含んでいる。エンドキャップは、内視鏡の遠位端を受け入れるサイズの内部空間を画定している。側方管は、側方チャネルを画定していて、エンドキャップに接続されている。針は、針シャフトと、針シャフトの遠位端に分離可能に接続されている針先端を有している。針は、側方チャネルに対し並進させるサイズである。針は、針先端が側方管から横方向に離間している配備形態へ操作できる。縫合糸は、針先端に取り付けられており、回収装置は、縫合糸及び針先端の回収のために内視鏡の作業チャネルを通して並進させるサイズである。
【0007】
医療装置のより詳細な態様によれば、内部空間は、エンドキャップと内視鏡の間に選択的摩擦係合を提供するサイズである。エンドキャップの遠位部分は、側方管と周方向に整列しているスロットを含んでいる。エンドキャップの遠位部分は、半径方向に張り出して組織支持面を画定しているフランジを含んでいる。フランジは、針が配備形態にあるときは針に近接して配置されている。針は、更に、針先端が側方管と整列している送達形態へ操作できる。針先端及び回収装置は、配備形態では内視鏡の中心軸に対して半径方向に整列しているのが好適である。
【0008】
本発明の教示によれば、穿孔組織を縫合するための方法も提供されている。方法の1つの実施形態は、概して、作業チャネルを有する内視鏡を提供する段階と、上述の医療装置の様な医療装置を提供する段階を含んでいる。エンドキャップを内視鏡の遠位端に嵌める。内視鏡と医療装置を、組織に近接する位置へ導入する。針を送達形態から配備形態へ操作して、針に組織を通過させる。回収装置を操作して針先端に係合させ、針先端をシャフトから分離する。
【0009】
方法のより詳細な態様によれば、回収装置を後退させて、縫合糸を内視鏡の作業チャネルを通して引き出す。内視鏡と医療装置を導入する段階は、側方管を組織の穿孔に近接して配置する段階を含んでいる。針を操作する段階は、針に逆行式に組織を通過させる段階を含んでいる。針を操作する段階は、針に穿孔を通過させ、次いで針に組織を通過させる段階を含んでいてもよい。針先端を分離する段階は、針先端をシャフトから分離するのを支援するべく針を近位方向に引く段階を含んでいてもよい。
【0010】
本明細書に組み込まれ、その一部を形成している添付図面は、本発明の幾つかの態様を示しており、記述内容と併せて、本発明の原理を説明するのに供されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の教示により作製されている医療装置の斜視図である。
【0012】
【図2】図1に描かれている医療システムの側面図である。
【0013】
【図3】図1に描かれている医療システムの端面図である。
【0014】
【図4】図1に描かれている医療システムの一部を形成している針の断面図である。
【0015】
【図5】図4に描かれている針の或る代わりの実施形態の断面図である。
【0016】
【図6】図1に描かれている医療システムの一部からの回収装置の断面図である。
【0017】
【図7】図6に描かれている回収装置の側面図である。
【0018】
【図8】図6に描かれている回収装置の或る代わりの実施形態の部分断面側面図である。
【0019】
【図9】図4及び図6に描かれている針と回収装置の間の相互作用の1つの段階を示している断面図である。
【図10】図4及び図6に描かれている針と回収装置の間の相互作用の別の段階を示している断面図である。
【0020】
【図11】図1に描かれている医療システムを用いる方法を示している部分断面側面図である。
【図12】図11と共に、図1に描かれている医療システムを用いる方法を示している部分断面側面図である。
【図13】図11−図12と共に、図1に描かれている医療システムを用いる方法を示している部分断面側面図である。
【図14】図11−図13と共に、図1に描かれている医療システムを用いる方法を示している部分断面側面図である。
【図15】図11−図14と共に、図1に描かれている医療システムを用いる方法を示している部分断面側面図である。
【0021】
【図16】図1に描かれている医療システムによる穿孔の閉合を示している断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
これより図を参照すると、図1−図3は、本発明の教示により作製されている、組織12の穿孔14の縫合閉鎖(図11−図16に図示)のための医療システム20を描いている。医療システム20は、概して、内視鏡22と、内視鏡22と共に使用するように適合されている医療装置24を備えている。内視鏡22は、概して、長手方向に伸びている中心軸10を画定している。医療装置24は、内視鏡22の遠位端の上に嵌まるサイズの内部キャビティ28を画定しているエンドキャップ26を含んでいる。エンドキャップ26は、内視鏡22上にエンドキャップ26が選択的に維持されるように内視鏡22に摩擦係合する構造とすることができるが、当技術で知られている様にエンドキャップ26を内視鏡22に接続するための他の手段が採用されていてもよい。内視鏡22と医療装置24は、従って、図に示されているこの接続された形態で、患者の身体を通して横断させてゆくように適合されている。
【0023】
医療装置24は、更に、エンドキャップ26に接続されていて、側方チャネル32を画定している、細長い側方管30を含んでいる。縫合糸36に穿孔14に近い組織12を通過させるための針34が提供されている。側方管30は、最初に、側方管30の側方チャネル32を通して並進させるサイズである針34を案内する。回収装置38は、内視鏡22の作業チャネル23を通して並進させるサイズであり、更に、縫合糸が穿孔14に近接する組織12を通過させられたら、針34と協働して縫合糸34を回収するように適合されている。医療装置24のこれらの構成要素の更なる詳細を以下に説明してゆく。
【0024】
図1−図3に示されている様に、側方管30は、エンドキャップ26の外周囲に取り付けられたところである。代わりに、エンドキャップ26がチャネルを画定し、側方管30の側方チャネル32をそこに嵌めて両者の間の連通を図る構成を含め、側方管30はエンドキャップ26の何れの部分に接続することもできることが認識されるであろう。側方管30は、接着剤、機械的コネクタ、プラスチック溶接、又は他の結合技法を使用して、エンドキャップ26に接続されているのが好適である。代わりに、エンドキャップ26と側方管30は、単体又は一体に形成されていてもよい。側方管32は、内視鏡22に沿って近位方向に伸びていて、従って、内視鏡22の長さと同様の長さを有している。内視鏡22は、概して、当業者に知られている如何なる内視鏡であってもよく、従って、様々な長さ、直径、及び機能性を有するものとすることができる。
【0025】
以下に更に詳細に説明してゆくが、針34は、概して、配備形態(図1−図3に概略的に図示)では、反り返る構造であって、それによって、縫合糸36に組織12を通過させ、なお且つ針34の遠位先端46と縫合糸36をそれらが回収装置38によって回収される位置に置くやり方で通過させることができる。図3に示されている様に、エンドキャップ26は、針34のこの反り返し、針の組織通過、及び縫合糸36が組織12を通過させられた後に針34から縫合糸36を回収する場合の針の回収装置38との相互作用、をやり易くする構造である。例えば、エンドキャップ26は、その遠位端に、針34を通過させてエンドキャップ26によって画定されている内部空間28の中へ送り込めるようにするスロット40を画定している。スロット40は、針34をその中に受け入れるために、側方管30と周方向に整列しているのが好適である。図3から最もよく分かる様に、エンドキャップ26は、更に、反り返された針34が辿る湾曲した経路に近接する位置まで半径方向外向きに張り出している1つ又はそれ以上(図には2つが示されている)のフランジ42を更に含んでいる。フランジ42は、針34による組織12の穿刺をより容易にするために組織12への支持を提供するが、フランジ42は採用されていなくてもよい。エンドキャップ26は、ポリ塩化ビニル、ポリテトラフルオロエチレン、ポリエチレンエーテルケトン、ポリカーボネート、又は他の熱可塑性プラスチック類、の様なプラスチックから作製されているのが好適であるが、金属類や合金類の様な他の材料を採用することもやぶさかではない。
【0026】
針34と回収装置38並びにそれらの協働的相互作用の更なる詳細について、これより図4−図10を参照しながら説明してゆく。図4に示されている様に、針34は、概して、シャフト44と、シャフト44の遠位端に選択的に接続されている針先端46を含んでいる。針先端46は、概して、組織を突き刺すための先細頭部48と、頭部48に接続されている幹部50を含んでいる。シャフト44は、針先端46の幹部50を受け入れるサイズである針ルーメン52を画定している。好適には、幹部50と針ルーメン52は、互いに対して、摩擦嵌めを提供し且つ針先端46のシャフト44への選択的接続と切断を許容するサイズであるが、当業者には認識される様に、針先端46をシャフト44へ選択的に接続するための他の機械的手段を採用することもできる。
【0027】
針先端46は、更に縫合糸36に接続されている。好適には、縫合糸36は針先端の幹部50に接続されているが、針先端46のどの部分に接続されていてもよい。縫合糸は、結紮するか又は接着剤や機械的コネクタ(調節できるループ、クランプ、その他)を使用することによって接続することができる。同様に、縫合糸36と針先端46を相互接続するために、幹部50又は縫合糸36のどちらかをクリンピングによるか又は他の技法を使用するかして機械的に変形させてもよい。
【0028】
針34は、側方管30を通って、そして内視鏡22に沿って、患者の身体を横断してゆくのに十分な可撓性を提供する材料で作製されているのが好適である。同時に、針34、或いは少なくともシャフト44の遠位端は、可撓性であるが但し弾性を有する材料で形成されており、それにより、針34を図1−図3に示されている配備形態へ反り返らすことを可能にする。好適には、シャフト44の遠位端はこの配備形態へ付勢されるが、シャフトの遠位端は、当技術で知られている様に、温度依存性で、流体又は体温の使用により活性化させることのできる形状記憶を有していてもよい。針34に適した材料には、概して、ステンレス鋼の様な金属類、ニチノールの様な合金類、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリアミド、ポリエーテルケトン、及び当業者に知られている他のプラスチックの様なプラスチック類が含まれる。
【0029】
同様に、側方管30は針34を案内し、針のシャフト44が配備形態へ付勢されるとき、側方管は針をその送達形態(図11)へとまっすぐにする。このため、側方管30は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、発泡ポリテトラフルオロエチレン(EPTFE)、ポリエチレンエーテルケトン(PEEK)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリカーボネート(PC)、ナイロンを含めたポリアミド、ポリイミド、ポリウレタン、ポリエチレン(高密度又は低密度)、及びサントプレーン(商標:Santoprene)の様なエラストマー類で形成されているのが好適であり、それらには多層構造も単層構造も含まれ、補強ワイヤ、コイル、又はフィラメントの有無は問わない。針34のシャフト44は、概して、側方管30を通過し、その近位端(図示せず)から出て、医療専門家に操縦させるのに十分な長さを有している。側方管は、エンドキャップ26から内視鏡22に沿ってその近位端(図示せず)まで伸ばすのに適した長さを有しており、側方チャネル32の近位端は、医療専門家が、針34の挿入、操縦、及び同チャネルからの抜去のためにアクセスすることができる。
【0030】
当業者には針34の多くの変型が容易に明らかとなることであり、1つのその様な変型が図5に描かれている。概して、針134は、中実シャフト144と中空針先端146を含んでいる。針先端146の頭部148は、組織12の突き刺しを促すために先細になっている。針先端146の内部ルーメン150は、シャフト144に対して、以上に図4の実施形態に関して説明されている様に針先端146とシャフト144との摩擦嵌め及び選択的接続と切断を提供するサイズである。針先端146には貫通孔152も設けられており、これにより、縫合糸36を孔152に通してクリンピング、結び目付け、融解、又は他のやり方で変形させて、縫合糸36を針146に接続することができる。
【0031】
図6及び図7は、医療装置24及び医療システム22の一部を形成している回収装置38の1つの実施形態を描いている。回収装置38は、概して、内視鏡22の作業チャネル23を通して並進させるサイズの細長い部材56を含んでいる。そういうものとして、細長い部材56は、内視鏡22の作業チャネル23を完全に通り抜け、その近位端(図示せず)から出て、医療専門家に操縦させるのに十分な長さを有している。細長い部材56の遠位端には、針34の針先端46に選択的に係合するための把持先端58が接続されている。この実施形態では、把持先端58は、その遠位端が開口している管状スリーブ59として示されている。スリーブ59は、針先端46を受け入れるサイズの内部通路61を画定している。把持先端58の遠位端は、更に、針先端46に形成されている把持面54に係合するための1つ又はそれ以上の歯60を画定している。図7の側面図から最もよく分かる様に、把持先端58は、概して、スリーブ59の内径が針先端46を受け入れるために拡がれるようにする1つ又はそれ以上のスロット62を含んでいる。そのため、把持先端58は、或る程度の可撓性を有する弾性材料、例えば金属類、合金類(好適にはニチノールの様な超弾性合金)、又は適したプラスチック類などで形成されているのが好適である。細長い部材56は、患者の身体を横断してゆく内視鏡22に合わせて曲がることのできる可撓性材料で形成されているのが好適であり、金属類、ニチノールの様な合金類、又は適したプラスチック類で形成することができる。
【0032】
本発明の医療システム20及び医療装置24の一部を形成するのに多くの異なった回収装置を採用することができる。例えば、回収対象の針先端46及び縫合糸36に係合するのに、ピンセット、スネア、ワイヤループ、グラスパー、及び磁石を採用することができる。1つの例として、図8は、可撓性の細長いシース156と制御部材157を有する回収装置138の或る代わりの実施形態を描いている。その遠位端には把持アーム158が取り付けられている。把持アーム158は、歯160を画定していて、概して、図に示されている様に半径方向外向きに付勢されている。制御ワイヤ157は、複数の巻きワイヤ又は編みワイヤによって形成され、その遠位端を利用して把持アーム158が形成されていてもよい。把持アーム158のサイズと位置は、細長いシース156に対して、制御ワイヤ157をシース156に対して並進させると把持アーム158の作動が開形態と閉形態の間で制御されるような構造になっている。即ち、シース156の遠位端が把持アーム158を圧迫してゆき、それらを一体に寄せ合わせて、針先端46の様な物体を把持させる。この型式の回収装置、及び受動作動式も能動作動式も併せ他の多くの型式の回収装置を、本発明の範囲内で採用することができるであろう。
【0033】
図9及び図10は、針34の針先端46を回収する場合の回収装置38の操作の2つの段階を示している。図9では、回収装置38を針34に対し、把持先端58の開口した遠位端が針頭部48の上を通り越すように並進させたところである。弾性スリーブ59の歯60が針頭部48の周りに寄り、針頭部によって画定されている把持面54に係合している。図10に示されている様に、回収装置38を、針34特にシャフト44に対して再度並進させると、支柱50と針ルーメン52の間の摩擦に打ち勝って、針先端46がシャフト44から自由になる。図9及び図10に示されている針34と回収装置38の相対運動は、回収装置38の並進、又は針34の並進、或いは針34と回収装置38双方の並進、によって達成することができることが認識されるであろう。
【0034】
これより図11−図15を参照しながら説明してゆくが、本発明の教示によれば、組織12の穿孔14を縫合するために医療システム20及び医療装置24を用いる方法も提供されている。図11に示されている様に、方法は、以上に説明されている医療装置のうちの1つの様な内視鏡22及び医療装置24を提供する段階を含んでいる。医療装置24のエンドキャップ26を、内視鏡22の遠位端に嵌める。内視鏡22及び医療装置24を、一体に、患者の身体の中へ、好適には口、肛門、又は膣の様な自然開口部を通して導入し、組織12に近接する位置まで並進させる。組織12の穿孔14が既に形成されているのではなくて所望される場合の処置では、ニードルナイフ又は他の電気焼灼装置の様な適当な手術用具又は切削器具を、内視鏡22の作業チャネル23又は別のチャネルを通して用いて穿孔14を形成する。内視鏡22及び医療装置24を、側方管30が穿孔14に近接して配置されるように操縦する。側方管30は内視鏡22を介して視認できないが、とはいえ、その所在はエンドキャップ26に形成されているスロット40を視覚化することによって特定することができる。スロット40が採用されていない場合、エンドキャップ26の内部面には側方管30の所在を特定するための視認マークが含まれていてもよい。
【0035】
図11に示されている様に、針34は側方チャネル32内部に装填されている。針34は、概して、図11に示されている様な送達形態と、図12(及び先に図1−図3)に示されている様な配備形態の間で操作できる。針34の送達形態では、針先端46は、概して、側方管30と整列している。針先端46は、送達形態と配備形態の間を横方向に動き、より具体的には、針シャフト44の遠位端は、回収装置38及び内視鏡22の作業チャネル32と半径方向に整列するようにして、湾曲した経路に沿って曲がり、より好適には反り返る。約180度回転していることが示されているが、針34は、配備形態では180度より小さく又は大きく回転していてもよい。好適には、針シャフト44は、針先端46が近位方向を向くような配備形態に反り返される。
【0036】
針34は、送達形態から図12に示されている配備形態へ操作される。針34を側方管30に対して遠位方向に並進させ、まず穿孔14を通過させ、次いで組織12を通過させる。即ち、針34は、組織12を、反り返し式に、つまりは組織12の遠位側から近位側に向けて通される。図12に示されている様に、針先端46に取り付けられている縫合糸36にも同様に回収装置38で回収されるように穿孔14と組織12を通過させる。
【0037】
図13に示されている様に、回収装置38を操作して針先端46に係合させる。具体的には、先に図9及び図10に関連付けて説明した様に、把持先端58が針先端46を包み込んで、その間に針先端を係合させる。この相互接続は、回収装置38と針34の何れか又は両方を遠位方向に並進させることによって成し遂げることができる。図14に示されている様に、次いで、針先端46を針34のシャフト44から分離する。同じく先に論じた様に、これは、回収装置38と針34の何れか又は両方を近位方向に並進させて、針先端46とシャフト44の間の摩擦に打ち勝つことによって達成することができる。従って、回収装置38は、針先端46に係合されていただけではなく縫合糸36にも係合されていたことが分かるであろう。この状態で、回収装置38を内視鏡22を通して更に後退させたところで、回収装置と縫合糸36は更に医療専門家によって操縦されることになる。
【0038】
針先端46が分離されると、針34(厳密には針シャフト44)を、側方管30を通して近位方向に引き出すことができる。シャフト44は、側方チャネル32の近位端を抜けて完全に引き出され、縫合糸36の第2端(即ち、以前の近位端)に位置する第2の針先端46を再装填されてもよい。縫合糸36は既に側方管30を通って伸びているため、再装填された針34及び第2の針先端46は、側方管30を通して送達することができる。針34及び針先端46に、上述されている反り返し式に、好適には図15に示されている様に穿孔14の反対側の組織12を通過させる。図16を参照すると、縫合糸36の2つの端は一体に寄せ合わされ、抜け止め用結び目を含めた内視鏡的結紮技法の利用又は図示の縫合糸ロック62の使用を介するなどして、穿孔14の近くに結紮されている。一例としての縫合糸ロックが、米国特許出願第12/125,525号及び同第12/191,001号に記載されており、それらの開示をこれにより参考文献としてそっくりそのまま援用する。好適には、縫合糸36の両端は穿孔14の互いに反対側に設置され、及び/又は穿孔14の周りに間隔を空けて設置され、組織12を一体に寄せ合わせて穿孔14を確実に閉じ、組織12の癒合を促す。
【0039】
代わりの方法では、縫合糸36は、最初、側方管30の外に配置しておくことができる。1つのその様な方法では、縫合糸36の第1端を、組織12を通して(上述の様に)反り返し式に設置したら、内視鏡22及び医療装置24全体を患者のアクセスされる身体管腔から取り出すことができる。取り出したら、(分離できる針先端46を有する)縫合糸36の第2端を針34の遠位端に装填し、内視鏡22及び装置24を身体管腔の中へ戻し、縫合糸36の第2端を設置してもよい。もう1つのその様な方法では、縫合糸36の第1端を設置した後、縫合糸36の第2端を患者の外にそのまま留め置くこともできる。分離できる針先端46を有する第2の縫合糸36を針34の上に装填し、第2の縫合糸36を上述の通りに設置すればよい。
【0040】
当業者には、本発明の医療システム、装置、及び方法が、穿孔の閉合改善を促進することが認識されるであろう。本医療システム及び装置は、操作が単純で、本方法は内視鏡的及び/又は腹腔鏡的に施行することができる。本装置及び方法は、穿孔が完全に閉じられるように穿孔の周りに縫合糸を信頼性高く且つ制御可能に設置できるようにする。
【0041】
当業者には、更に、以上に説明されている方法が、概して、組織装置を、体内管腔を通して組織に設置することを含んでいることが理解されるであろうが、本システム、装置、及び方法は、人間又は動物の身体及び身体管腔に関連し得る材料かそうでないかを問わず、あらゆる材料の層(例えば、織物、布、ポリマー、エラストマー、プラスチック、及びゴム)に使用できることが認識されるであろう。例えば、本システム、装置、及び方法に関しては、研究施設及び産業環境で、人間又は動物の身体への適用が見い出され得る材料かそうでないかを問わず、1層又はそれ以上の材料の層を通して装置を設置する場合の利用、及び同様に、身体組織ではない材料の層の孔又は穿孔を閉合する場合の利用を見い出すことができる。幾つかの例として、縫製又は縫合及び関連の製造工程、合成組織を用いた作業、ポリマーシートの接続又は修復、動物の研究、及び死体解剖活動が挙げられる。
【0042】
以上、本発明の様々な実施形態の説明を、例示と説明を目的に提示してきた。それは本発明を網羅すること又は本発明を開示されている厳密な実施形態に限定することを意図するものではない。以上の教示に照らし、数多くの修正又は変型が実施可能である。論じられている実施形態は、本発明の原理とその実際の適用を最も分かり易く例示し、それにより、当業者が、本発明を様々な実施形態で、また考えられる特定の用途に合わせた様々な修正を加えて、利用することができるように、選定され、記述された。全てのその様な修正及び変型は、付随の特許請求の範囲の請求項によって、それら請求項が公平、法的、且つ公正に権利を有するとされる一定の許容幅に従って解釈された上に定まる本発明の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0043】
10 中心軸
12 組織
14 穿孔
20 医療システム
22 内視鏡
23 作業チャネル
24 医療装置
26 エンドキャップ
28 内部空間
30 側方管
32 側方チャネル
34 針
36 縫合糸
38 回収装置
40 スロット
42 フランジ
44 シャフト
46 針先端
48 先細頭部
50 幹部
52 針ルーメン
54 把持面
56 細長い部材
58 把持先端
59 スリーブ
60 歯
61 内部通路
62 スロット
62 縫合糸ロック
134 針
138 回収装置
144 中実シャフト
146 中空針先端
148 頭部
150 内部ルーメン
152 貫通孔
156 細長いシース
157 制御部材
158 把持アーム
160 歯
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組織の穿孔を縫合するべく内視鏡と共に使用するための医療装置において、
前記内視鏡の遠位端を受け入れるサイズの内部空間を画定しているエンドキャップと、
前記内視鏡に接続されていて、側方チャネルを画定している細長い側方管と、
シャフトと、前記シャフトの遠位端に分離可能に接続されている針先端と、を有する針であって、前記側方チャネルを通して並進させるサイズであり、配備形態へと操作でき、前記配備形態では、前記針先端は前記側方管から横方向に離間されている、針と、
前記針先端に取り付けられている縫合糸と、
前記縫合糸及び針先端の回収のために前記内視鏡の作業チャネルを通して並進させるサイズの回収装置と、を備えている医療装置。
【請求項2】
前記エンドキャップの遠位部分は、前記側方管と周方向に整列しているスロットを含んでいる、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記エンドキャップの遠位部分は、半径方向に張り出して組織支持面を画定しているフランジを含んでいる、請求項1に記載の医療装置。
【請求項4】
前記針が前記配備形態にあるとき、前記フランジは前記針に近接して配置されている、請求項3に記載の医療装置。
【請求項5】
前記針は送達形態へ操作でき、前記送達形態では、前記針先端は前記側方管と整列している、請求項1に記載の医療装置。
【請求項6】
請求項1に記載の医療装置を採用する医療システムにおいて、作業チャネルを有する内視鏡を更に備えており、前記エンドキャップは前記内視鏡の遠位端に嵌められている、医療システム。
【請求項7】
前記配備形態では、前記針シャフトの遠位端は湾曲した経路に沿って曲がっている、請求項1に記載の医療システム。
【請求項8】
前記配備形態では、前記針シャフトの遠位端は反り返っている、請求項1に記載の医療システム。
【請求項9】
前記針シャフトの遠位端は、弾性材料で形成されていて、前記配備形態へ付勢される、請求項1に記載の医療システム。
【請求項10】
前記内視鏡は中心軸を画定しており、前記配備形態では、前記針先端及び回収装置は前記中心軸に対して半径方向に整列している、請求項1に記載の医療システム。
【請求項11】
前記配備形態では、前記針シャフトの遠位端は前記針先端が近位方向を向くような曲率を有している、請求項10に記載の医療システム。
【請求項12】
前記回収装置は、歯を有する弾性スリーブを含んでおり、前記スリーブは、前記針先端を受け入れるサイズの内部通路を画定している、請求項1に記載の医療システム。
【請求項13】
前記針先端は、把持面を画定しており、前記歯は、前記把持面に係合するサイズと構造である、請求項12に記載の医療システム。
【請求項14】
装置を使用するための方法において、
作業チャネルを有する内視鏡を提供する段階と、
エンドキャップと、サイズ管と、針と、縫合糸と、回収装置と、を備えている装置を提供する段階であって、前記エンドキャップは前記内視鏡の遠位端に嵌めるサイズであり、前記側方管は、前記エンドキャップに接続されていて、側方チャネルを画定するように細長であり、前記針は、シャフトと、前記シャフトの遠位端に分離可能に接続されている針先端と、を有しており、前記針は、前記側方チャネルを通して並進させるサイズであり、前記縫合糸は、前記針先端に取り付けられており、前記回収装置は、前記内視鏡の前記作業チャネルを通して並進させるサイズであり、前記針は、送達形態と配備形態の間で操作でき、前記針先端は、前記送達形態と前記配備形態の間を横方向に動く、装置を提供する段階と、
前記エンドキャップを前記内視鏡の遠位端に嵌める段階と、
前記針を前記送達形態から前記配備形態へ、前記針が横方向に動くようにして操作する段階と、
前記回収装置を操作して前記針先端に係合させる段階と、
前記針先端を前記シャフトから分離する段階と、から成る方法。
【請求項15】
前記回収装置を後退させて、前記縫合糸を前記内視鏡のチャネルを通して引き出す段階を更に備えている、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記針先端を分離する段階は、前記針先端の前記シャフトからの分離を支援するべく前記針を近位方向に引く段階を含んでいる、請求項14に記載の方法。
【請求項1】
組織の穿孔を縫合するべく内視鏡と共に使用するための医療装置において、
前記内視鏡の遠位端を受け入れるサイズの内部空間を画定しているエンドキャップと、
前記内視鏡に接続されていて、側方チャネルを画定している細長い側方管と、
シャフトと、前記シャフトの遠位端に分離可能に接続されている針先端と、を有する針であって、前記側方チャネルを通して並進させるサイズであり、配備形態へと操作でき、前記配備形態では、前記針先端は前記側方管から横方向に離間されている、針と、
前記針先端に取り付けられている縫合糸と、
前記縫合糸及び針先端の回収のために前記内視鏡の作業チャネルを通して並進させるサイズの回収装置と、を備えている医療装置。
【請求項2】
前記エンドキャップの遠位部分は、前記側方管と周方向に整列しているスロットを含んでいる、請求項1に記載の医療装置。
【請求項3】
前記エンドキャップの遠位部分は、半径方向に張り出して組織支持面を画定しているフランジを含んでいる、請求項1に記載の医療装置。
【請求項4】
前記針が前記配備形態にあるとき、前記フランジは前記針に近接して配置されている、請求項3に記載の医療装置。
【請求項5】
前記針は送達形態へ操作でき、前記送達形態では、前記針先端は前記側方管と整列している、請求項1に記載の医療装置。
【請求項6】
請求項1に記載の医療装置を採用する医療システムにおいて、作業チャネルを有する内視鏡を更に備えており、前記エンドキャップは前記内視鏡の遠位端に嵌められている、医療システム。
【請求項7】
前記配備形態では、前記針シャフトの遠位端は湾曲した経路に沿って曲がっている、請求項1に記載の医療システム。
【請求項8】
前記配備形態では、前記針シャフトの遠位端は反り返っている、請求項1に記載の医療システム。
【請求項9】
前記針シャフトの遠位端は、弾性材料で形成されていて、前記配備形態へ付勢される、請求項1に記載の医療システム。
【請求項10】
前記内視鏡は中心軸を画定しており、前記配備形態では、前記針先端及び回収装置は前記中心軸に対して半径方向に整列している、請求項1に記載の医療システム。
【請求項11】
前記配備形態では、前記針シャフトの遠位端は前記針先端が近位方向を向くような曲率を有している、請求項10に記載の医療システム。
【請求項12】
前記回収装置は、歯を有する弾性スリーブを含んでおり、前記スリーブは、前記針先端を受け入れるサイズの内部通路を画定している、請求項1に記載の医療システム。
【請求項13】
前記針先端は、把持面を画定しており、前記歯は、前記把持面に係合するサイズと構造である、請求項12に記載の医療システム。
【請求項14】
装置を使用するための方法において、
作業チャネルを有する内視鏡を提供する段階と、
エンドキャップと、サイズ管と、針と、縫合糸と、回収装置と、を備えている装置を提供する段階であって、前記エンドキャップは前記内視鏡の遠位端に嵌めるサイズであり、前記側方管は、前記エンドキャップに接続されていて、側方チャネルを画定するように細長であり、前記針は、シャフトと、前記シャフトの遠位端に分離可能に接続されている針先端と、を有しており、前記針は、前記側方チャネルを通して並進させるサイズであり、前記縫合糸は、前記針先端に取り付けられており、前記回収装置は、前記内視鏡の前記作業チャネルを通して並進させるサイズであり、前記針は、送達形態と配備形態の間で操作でき、前記針先端は、前記送達形態と前記配備形態の間を横方向に動く、装置を提供する段階と、
前記エンドキャップを前記内視鏡の遠位端に嵌める段階と、
前記針を前記送達形態から前記配備形態へ、前記針が横方向に動くようにして操作する段階と、
前記回収装置を操作して前記針先端に係合させる段階と、
前記針先端を前記シャフトから分離する段階と、から成る方法。
【請求項15】
前記回収装置を後退させて、前記縫合糸を前記内視鏡のチャネルを通して引き出す段階を更に備えている、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記針先端を分離する段階は、前記針先端の前記シャフトからの分離を支援するべく前記針を近位方向に引く段階を含んでいる、請求項14に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公表番号】特表2012−525228(P2012−525228A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508715(P2012−508715)
【出願日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/032929
【国際公開番号】WO2010/127084
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(511152957)クック メディカル テクノロジーズ エルエルシー (76)
【氏名又は名称原語表記】COOK MEDICAL TECHNOLOGIES LLC
【Fターム(参考)】
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月29日(2010.4.29)
【国際出願番号】PCT/US2010/032929
【国際公開番号】WO2010/127084
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(511152957)クック メディカル テクノロジーズ エルエルシー (76)
【氏名又は名称原語表記】COOK MEDICAL TECHNOLOGIES LLC
【Fターム(参考)】
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