説明

窒素酸化物センサ素子および窒素酸化物検出方法

【課題】酸素が存在する被検出ガス中のNOx濃度を容易に高い精度で検知できる窒素酸化物センサ素子および窒素酸化物検出方法を提供する。
【解決手段】窒素酸化物センサ素子16は、IrとPtとの合金、RhとPtとの合金、および遷移金属を含むスピネル型化合物のうち少なくともいずれか1種により形成された第一電極12aと、PtまたはNiOにより形成された第二電極12b及び対極13を有し、酸素ポンプなどによる被検ガスの前処理を必要とせず、第一電極12aと対極との間に流れる電流と、第二電極12bと対極13との間に流れる電流から被測定ガス中の窒素酸化物濃度を精度良く検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、窒素酸化物センサ素子および窒素酸化物検出方法に関し、特に、酸素存在条件下で窒素酸化物の濃度を検出する窒素酸化物センサ素子および窒素酸化物検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、自動車を初めとした内燃機関と火力発電所、プラント等の燃焼機器から排出される窒素酸化物(以下、NOxということがある)は、人間の呼吸器に有害であり、光化学スモックや酸性雨の原因になるなど、人体および地球環境への影響からその排出量の規制が厳しくなってきている。また、NOxの排出を有効的に抑制するために、NOxを正確かつ迅速に検出するとともに、小型化、低コスト化、さらに、各種使用環境に対応できるNOxセンサが強く望まれている。
【0003】
近年、自動車排ガス中に直接挿入して連続検知が行える全固体型NOxセンサが注目を集め、代表的なものとして酸化ジルコニウム等のイオン伝導体を利用した電気化学式のNOxセンサが知られている。このセンサでは、イオン伝導体の両面に電極を取り付け、電圧を印加する事により、NOxが還元分解する事によって生じる酸素イオンによる電流値を測定する事によってNOx濃度を求めていた。
【0004】
しかしながら、上記のような構成では、酸素濃度が変化する排ガス中のNOx濃度を検出する際に、電極間の電位差は酸素濃度の変動に大きく影響され、正確にNOx濃度を測定できないという問題があった。
【0005】
そこで、イオン伝導体に2室を設け、第一室で酸素ポンプにより測定雰囲気内の酸素濃度を制御してNOx中のNOを還元し、第二室に設けた電極で更に分解した際に生じる酸素を検出してNOx濃度を求めるセンサが提案されている(特許文献1参照)。
【0006】
また、イオン伝導体に検出ガスに対して活性のある検知電極と対極を設置し、検知電極と対極の間に流れる電流を測定する事でNOx濃度を測定するセンサが提案されている(特許文献2参照)。この特許文献2のセンサは、特許文献1のような酸素ポンプによる被検ガスの前処理を必要とせず、NOx濃度を検出できるという利点を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平09−113482号公報
【特許文献2】特開平11−148916号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献1のセンサでは、酸素ポンプによる被測定ガス中の酸素濃度を制御可能とする為の複雑な素子構造と制御機器が必要となるという問題があった。また、特許文献2のセンサでは、NOx濃度を算出する為には、被検ガス中にNOxガスを含む場合と含まない場合のそれぞれについて検知電極と対極の間に流れる電流値を都度測定する必要があり、任意の酸素濃度に対してNOx濃度を算出することが出来ないという問題があった。また、NOx濃度に対し、電流値が一次関数的に変化しない為、濃度の測定精度が低い、あるいは濃度算出の為の計算が容易でない等の問題があった。
【0009】
本発明は、酸素ポンプなどによる被検ガスの前処理を必要とせず、酸素等の妨害ガスが存在しても窒素酸化物ガスを高い精度で測定可能な窒素酸化物センサ素子および窒素酸化物検出方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の窒素酸化物センサ素子は、固体電解質と、該固体電解質上に設けられた第一電極および第二電極と、前記固体電解質を介して前記第一電極および前記第二電極に対向して前記固体電解質上に設けられた対極とを有し、前記第一電極および前記第二電極が被測定ガス中にさらされた状態で、前記第一電極及び前記第二電極と、前記対極との間に流れる電流を測定して窒素酸化物濃度を検出する窒素酸化物センサ素子であって、前記第一電極がIrとPtとの合金、RhとPtとの合金、および遷移金属を含むスピネル型化合物のうち少なくとも1種により形成されており、前記第二電極及び前記対極がPtまたはNiOにより形成されていることを特徴とする。
【0011】
また、本発明の窒素酸化物検出方法は、固体電解質と、該固体電解質上に設けられた第一電極および第二電極と、前記固体電解質を介して前記第一電極および前記第二電極に対向して前記固体電解質上に設けられた対極とを有し、前記第一電極がIrとPtとの合金、RhとPtとの合金、および遷移金属を含むスピネル型化合物のうち少なくとも1種により形成されており、前記第二電極及び前記対極がPtまたはNiOにより形成されている窒素酸化物センサ素子の前記第一電極および前記第二電極に被測定ガスを流し、前記第一電極と前記対極との間に任意の電圧を印加して流れる第一電流値と、前記第二電極と前記対極との間に電圧を印加して流れる第二電流値とから、窒素酸化物濃度を算出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明の窒素酸化物センサ素子および窒素酸化物検出方法では、酸素と窒素酸化物とが同時に存在する、例えば自動車の排ガス等の被測定ガスにおける窒素酸化物濃度を、窒素酸化物に対して活性が高いとともに酸素に対して活性が低い第一電極と、酸素に対して活性が高い第二電極とを用いることで、酸素ポンプなどによる被測定ガスの前処理を必要とせず、高い精度で容易に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】平板状の固体電解質を用いた窒素酸化物センサ素子の説明図である。
【図2】第一及び第二電極上に、セラミック多孔質膜及び緻密膜を有する窒素酸化物センサ素子の斜視図である。
【図3】図2で示した窒素酸化物センサ素子のA−A’切断面の断面図である。
【図4】図2で示した窒素酸化物センサ素子のB−B’切断面の断面図である。
【図5】空気中及び600ppmのNOxを添加した窒素ガス中における、第一電極により測定された分極曲線を示すグラフである。
【図6】空気中及び600ppmのNOxを添加した窒素ガス中における、第二電極により測定された分極曲線を示すグラフである。
【図7】各種ガス組成における第一電極と対極間に流れる電流の測定値を示したグラフである。
【図8】各種ガス組成における第二電極と対極間に流れる電流の測定値を示したグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、窒素酸化物センサ素子の一形態を示すもので、窒素酸化物センサ素子16は、平板状のイットリア安定化ジルコニア材料からなる固体電解質11の一方の主面上に第一電極12aと第二電極12bとを有し、固体電解質11の他方の主面上に前記第一電極1
2aおよび前記第二電極12bの対極13を有している。また、窒素酸化物センサ素子16を用いて測定を行う場合、窒素酸化物センサ素子16を一定温度に加熱、保持するための加熱手段(図示せず)を用いて窒素酸化物センサ素子16を一定温度に保持するようになっている。
【0015】
第一電極12aはNOxを吸着し、所定の温度でNOxの分解反応を発生し得る触媒機能を有する電極であり、IrとPtとの合金、RhとPtとの合金、および遷移金属を含むスピネル型化合物、例えばZnCrやNiCr、CdCr等が構成材料として挙げられる。その分極曲線は、図5に示すように、印加電圧が0から−300mVの範囲において、酸素に対しては下に凸であるとともに窒素酸化物に対しては上に凸である。このような特性を有することにより、第一電極の測定電流中にNOxの占める割合が大きくなり、NOxに対して精度の高い測定が可能となる。
【0016】
特にZnCrは耐熱性にも優れているため、固体電解質との同時焼成も可能で、第一電極として好適に用いることができる。
【0017】
一方、第二電極12bおよび対極13の分極曲線は、図6に示すように、印加電圧が0から−300mVの範囲において、酸素及び窒素酸化物に対して上に凸であり、例えばPtまたはNiOが構成材料として挙げられる。このような特性を有することにより、第二電極12bの測定電流中には酸素の占める割合が大きいため、酸素に対して精度の高い測定を行うことができる。
【0018】
特にPtは、耐熱性にも優れているため、固体電解質11との同時焼成も可能で、第二電極12b及び対極13として好適に用いることができる。
【0019】
第一電極12a及び第二電極12bは、通常、固体電解質11の一方の同一面に一定の間隔をおいて設けられ、対極13は第一及び第二電極とは固体電解質11を挟んで反対側の面に、第一電極及び第二電極に対向するようにして設けられる。対極13は、第一電極12a、第二電極12bそれぞれに対して別個に設けてもよいが、ひとつの対極13を共有することもできる。また、第二電極12bと対極13とは同じ材質であることが望ましい。この場合には、材質が異なる場合に生じる起電力等を考慮することなく容易に検出できる。
【0020】
固体電解質11は、主に酸素イオン伝導性を有する固体酸化物型電解質とされている。例えば希土類元素が固溶して安定化されたZrO、あるいはGd添加のCeOなどである。固体電解質11の形状は特に限定されるものではない。
【0021】
このような窒素酸化物センサ素子では、第一電極の測定電流中にNOxの占める割合が大きくなり、NOxに対して精度の高い測定が可能になるとともに、第二電極の測定電流中には酸素の占める割合が大きいため、酸素に対して精度の高い測定を行うことができる。さらに、第一電極と第二電極とを組み合わせることで、酸素濃度をコントロールするための酸素ポンピングセルや基準ガスを使用することなく、第一、第二電極それぞれの電流値を用いて、酸素濃度とNOx濃度を精度よく算出でき、NOx濃度の測定誤差を小さくすることが可能となる。
【0022】
本形態の窒素酸化物センサ素子16では、図2〜4に示すように、第一電極12a及び第二電極12bの一部の表面上にそれぞれセラミック多孔質膜24を設け、さらにその上に緻密膜25を部分的に設けることができる。そして、緻密膜25が設けられていないセラミック多孔質膜24の露出面24aより第一電極12a及び第二電極12bに被測定ガスを導入することで、セラミック多孔質膜24の拡散抵抗により、第一及び第二電極12
と、対極13との間に流れる電流値が、NOx濃度、酸素濃度に対してそれぞれ一次関数
的に変化するため、測定した電流値からNOx濃度をさらに高精度で測定できる。
【0023】
また、第一電極12aと対極13の間に流れる電流値が示す一次関数の切片(NOx濃度がゼロの点)は、酸素濃度によって一定の変化を示すため、任意の酸素濃度の被測定ガスに対してNOx濃度の測定が可能となる。さらに、図4に示すように、セラミック多孔質膜24の露出面24aから被測定ガスを導入することで、狭小な空間でも被検ガスと前記第一電極12a及び第二電極12bとの間の拡散距離を十分にとることができ、ガス濃度と測定電流の線形性を容易に確保できる。
【0024】
なお、この場合、信号入出力用端子となるセラミック多孔質膜24及び緻密膜25で覆われていない部分では電気化学反応が起こらないように、第一電極12a及び第二電極12bと固体電解質11との界面に、アルミナやスピネル等の絶縁性の薄膜を形成している。
【0025】
また、このような構造をとることで、素子の構造が簡単なものとなり、安価に小型の素子を製造する事が出来る。
【0026】
セラミック多孔質膜24としては、酸化ジルコニウム又は酸化セリウムを主体とする酸化物が好適に用いられる。これらの酸化物は、電極材料であるZnCrに対して、化学的に安定であり、焼成による反応・組成の変化といった問題が生じないため、電極特性を損なうことがない。このようなセラミック多孔質膜24は、第一電極12a及び第二電極12b上に、セラミックペーストを塗布、あるいはセラミックテープを積層した固体電解質基板を熱処理することで形成できる。
【0027】
また、緻密膜25としては、測定温度においてもガスを通さず気密性が確保できる材料であればよく、特に限定するものではないが、ガラスを使って固体電解質11やセラミック多孔質膜24と同時焼成する、あるいは緻密なセラミックスや金属を接合・接着する等の方法によって形成できる。
【0028】
本形態の窒素酸化物センサ素子を用いた窒素酸化物の検出方法では、第二電極12bと対極13の間に流れる電流値から酸素濃度を求め、第一電極12aと対極13の間に流れる電流値ならびに先に求められた酸素濃度から窒素酸化物濃度が求められる。例えば、第一電極12aとしてZnCr、対極13としてPtを用いた場合、第一電極12aと対極13の間に印加する電圧として、−10mVから−300mVの間の任意の電圧を選択した時に最も精度よく窒素酸化物を検出できる。
【0029】
ここでは、簡単な関係式から窒素酸化物濃度を求められることから、図2〜4に示すようなセラミック多孔質膜24による拡散律速手段を有する窒素酸化物センサ素子について、窒素酸化物濃度の算出方法を説明する。
【0030】
第一電極12a及び第二電極12bと、対極13との間に流れる電流値I、Iは、NOx濃度[NOx]、酸素濃度[O]に対して一次関数的に変化し、それぞれ式1及
び式2で表すことができる。
【0031】
【数1】

【0032】
【数2】

【0033】
ここで、A、B、C、D、Eは素子の構造によって決まる定数であり、酸素や窒素酸化物の濃度が既知である基準ガスを用いて求められる。例えば、窒素酸化物センサ素子26を、(1)酸素濃度3%、(2)酸素濃度10%、(3)酸素濃度3%かつ窒素酸化物濃度600ppmを含む3種類の窒素ガス中において、一定温度、例えば600℃に不図示の加熱手段により加熱して保持した状態で、第一電極12aと対極13との間に−100mV、第二電極12bと対極13との間に−200mVの電圧を印加したときに流れる電流値I、Iを測定することで求められる。これらの定数を求める際に、加熱手段によって保持される一定温度は、実際に測定する際に保持される一定温度と同一の温度である。なお、第二電極12bは酸素に対する活性が高く、測定電流中に占める酸素の割合が大きいため、窒素酸化物の影響を無視できる。
【0034】
窒素酸化物濃度[NOx]は、式1及び式2から、実際に被測定ガスを測定して得られた電流値I、Iを用いて、以下のように求めることが出来る。
【0035】
【数3】

【0036】
本発明のNOxセンサでは、構造が簡単で、事前に測定を要するデータが少なく、酸素が存在する被検出ガス中のNOx濃度を瞬時にかつ容易に高い精度で検知できる。
【実施例】
【0037】
酸素イオン伝導性を有するジルコニア固体電解質基板11の上面に、ZnCrペースト及びPtペーストを所定の間隔をあけて塗布して、ZnCrからなる第一電極12a及びPtからなる第二電極12bを形成し、固体電解質基板11の下面にPtペーストを塗布してPtからなる対極13を形成した。電極を乾燥後、第一電極12a及び第二電極12bの上にイットリア安定化ジルコニアのペーストを塗布し、その上にさらにガラスを塗布して1200℃×2時間で焼付け、セラミック多孔質膜24及びガラスの緻密膜25を形成して、図2〜4に示す構造を有する窒素酸化物センサ素子を作製した。
【0038】
なお、第一電極12aおよび第二電極12bにおいて、信号入出力用端子となる多孔質膜24及び緻密膜25で覆われていない露出部分には、第一電極12a及び第二電極12bと固体電解質基板11との界面に、アルミナで絶縁膜を形成し、セラミック多孔質膜24で覆われていない部分で電気化学反応が起こらないようにした。
【0039】
作製したセンサを600℃に加熱し、空気中及び600ppmのNOxを添加した窒素ガスについて、ポテンシオスタットを用いて分極曲線を測定した。その結果を図5及び図6に示す。
【0040】
第一電極12aと対極13の間に流れる電流Iは、空気中においては、0〜−300mVの電位領域において電流値が小さく、それ以上の電位領域では酸素の還元に由来する電流の大きな増加が確認された。一方、600ppmのNOxガスを含む窒素ガスにおいては、0mVからNOxガスの還元に由来する電流の大きな増加が確認され、0から−150mVの範囲では、酸素とNOxガスにより流れる電流の大きさは、ほぼ同程度であることが確認された。
【0041】
第二電極12bと対極13の間に流れる電流Iは、空気中においては、0mVから酸素の還元に由来する電流の大きな増加が確認された。600ppmのNOxガスを含む窒素ガスにおいても、0mVからNOxガスの還元に由来する電流の大きな増加が確認されたが、0から−600mVまでほぼ全ての領域で酸素の還元に由来する電流値がNOxの還元に由来する電流値を大きく上回ることが確認された。
【0042】
被測定ガスの組成と電流の関係を、以下のように確認した。酸素を3%から10%、窒素酸化物を0ppmから600ppm含む窒素ガス中で、センサ素子を600℃に加熱し、第一電極12aと対極13との間に−110mV、第二電極12bと対極13との間に−200mVの電圧を印加し、電流値I、Iを測定した結果、被測定ガス組成と第一及び第二電極の電流値の関係を、それぞれ図7及び図8に示した。第二電極12bと対極13の間に流れる電流値Iから、酸素濃度[O]が求められ、第一電極12aと対極13との間に流れる電流値I及び算出した酸素濃度[O]から、窒素酸化物濃度[NOx]が求められることが分かる。具体的には、窒素酸化物濃度[NOx]は、式3であ
らわされる。
【符号の説明】
【0043】
11 ・・・固体電解質
12a・・・第一電極
12b・・・第二電極
12 ・・・第一電極あるいは第二電極
13 ・・・対極
24 ・・・セラミック多孔質膜
25 ・・・緻密膜
16、26・・・センサ素子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体電解質と、該固体電解質上に設けられた第一電極および第二電極と、前記固体電解質を介して前記第一電極および前記第二電極に対向して前記固体電解質上に設けられた対極とを有し、前記第一電極および前記第二電極が被測定ガス中にさらされた状態で、前記第一電極及び前記第二電極と、前記対極との間に流れる電流を測定して窒素酸化物濃度を検出する窒素酸化物センサ素子であって、前記第一電極がIrとPtとの合金、RhとPtとの合金、および遷移金属を含むスピネル型化合物のうち少なくとも1種により形成されており、前記第二電極及び前記対極がPtまたはNiOにより形成されていることを特徴とする窒素酸化物センサ素子。
【請求項2】
前記第一電極がZnCr、前記第二電極及び前記対極がPtにより形成されていることを特徴とする請求項1記載の窒素酸化物センサ素子。
【請求項3】
前記第一電極及び前記第二電極の表面上にセラミック多孔質膜が設けられ、該セラミック多孔質膜の表面上に緻密膜が設けられており、該緻密膜が設けられていない前記セラミック多孔質膜の露出面より前記第一電極及び前記第二電極に前記被測定ガスを導入することを特徴とする請求項1または2記載の窒素酸化物センサ素子。
【請求項4】
前記セラミック多孔質膜が酸化ジルコニウム又は酸化セリウムを主体とする酸化物により形成されていることを特徴とする請求項3記載の窒素酸化物センサ素子。
【請求項5】
固体電解質と、該固体電解質上に設けられた第一電極および第二電極と、前記固体電解質を介して前記第一電極および前記第二電極に対向して前記固体電解質上に設けられた対極とを有し、前記第一電極がIrとPtとの合金、RhとPtとの合金、および遷移金属を含むスピネル型化合物のうち少なくとも1種により形成されており、前記第二電極及び前記対極がPtまたはNiOにより形成されている窒素酸化物センサ素子の前記第一電極および前記第二電極に被測定ガスを流し、前記第一電極と前記対極との間に任意の電圧を印加して流れる第一電流値と、前記第二電極と前記対極との間に電圧を印加して流れる第二電流値とから、窒素酸化物濃度を算出することを特徴とする窒素酸化物検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−98068(P2012−98068A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−243917(P2010−243917)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)