説明

窓用スクリーン

【課題】大きさや形状の異なる多種類の窓用スクリーンを用意する必要なしに、車内に蚊や虫等が入らないようにすることができるとともに、車内に外気を導入することができる窓用スクリーンを提供する。
【解決手段】窓用スクリーン1は自動車Cの窓C1に取り付けられるものであって、窓C1の形状に対応して変形可能な支持フレーム2と、この支持フレーム2に支持されて窓C1を覆う位置に保持される通気性を有した網3とを具備してなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の窓に取り付けられる窓用スクリーンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
外気を取り入れるためにエンジンを停止した状態で自動車の窓を開けておく場合、窓の外から蚊や虫等が車内に侵入してくるという問題がある。この問題を解決するために、自動車の窓に取り付けられる窓用スクリーンとして、車内に蚊や虫等が入らないようにするとともに、車内に外気を導入することができるものが考えられている(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
この窓用スクリーンは、予め決められた大きさの正方形状をなすゴムマグネットのフレームの内側に、通気性を有する網が配されたものである。しかしながら、このようなものであると、フレームの形状が予め決められているので、自動車や窓によっては、この窓用スクリーンが窓に対して大き過ぎたり、小さ過ぎたり、また、形状が合わないために窓との間に形成された隙間から蚊や虫等が入ってきてしまうというおそれがある。すなわち、従来のものでは、種々の大きさや形状をなす自動車やその窓に合わせるために、多種類の窓用スクリーンを用意する必要があり、何らかの改善が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3075830号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、大きさや形状の異なる多種類の窓用スクリーンを用意する必要なしに、車内に蚊や虫等が入らないようにすることができるとともに、車内に外気を導入することができる窓用スクリーンを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、以上のような課題を解決するために、次のような構成を採用したものである。すなわち、本発明に係る窓用スクリーンは、自動車の窓に取り付けられるものであって、前記窓の形状に対応して変形可能な支持フレームと、この支持フレームに支持されて前記窓を覆う位置に保持される通気性を有した網とを具備してなることを特徴とする。
【0007】
ここで、「網」とは、通気性を有するものであればどのようなものであってもよく、例えば、織物や編み物の他、板に孔をあけたものやすだれ状のもの等が含まれる。
【0008】
このようなものであれば、大きさや形状の異なる多種類の窓用スクリーンを用意する必要なしに、車内に蚊や虫等が入らないようにすることができるとともに、車内に外気を導入することができる。すなわち、支持フレームが窓の形状に対応して変形可能であるため、種々の大きさや形状をなす窓に対応した形態をとることができ、さらに、この支持フレームによって通気性を有した網が保持されているので、防虫性及び通気性を確保することができる。
【0009】
前記支持フレームの一態様としては、窓の枠に沿って配置されるものが挙げられる。また、前記支持フレームの他の態様としては、放射状に配置されたものであり、その先端部が窓の枠に係わり合うものが挙げられる。
【0010】
前記支持フレームは、窓のコーナーに対応する部分にコイルスプリング状の補強部材を備えたものが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明は、以上のような構成であるから、大きさや形状の異なる多種類の窓用スクリーンを用意する必要なしに、車内に蚊や虫等が入らないようにすることができるとともに、車内に外気を導入することができる窓用スクリーンを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態の窓用スクリーンの使用態様を示す図。
【図2】同実施形態の窓用スクリーンを示す正面図。
【図3】図2の一部を省略して示すX−X線断面図。
【図4】本発明の第2実施形態の窓用スクリーンを示す正面図。
【図5】同実施形態の窓用スクリーンにおける変形後の正面図。
【図6】本発明の第3実施形態の窓用スクリーンを示す正面図。
【図7】本発明の第4実施形態の窓用スクリーンを示す正面図。
【図8】本発明の第5実施形態の窓用スクリーンを示す正面図。
【図9】同実施形態の窓用スクリーンにおける変形後の正面図。
【図10】図8におけるY部分を拡大して示す図。
【図11】本発明の第6実施形態の窓用スクリーンを示す正面図。
【図12】同実施形態の窓用スクリーンにおける組み立て前の状態を示す斜視図。
【図13】本発明の第7実施形態の窓用スクリーンの使用態様を示す図。
【図14】本発明の第8実施形態の窓用スクリーンを示す正面図。
【図15】図14におけるZ−Z線断面図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
<第1実施形態(図1〜図3)>
まず、本発明の第1実施形態について図1〜図3を参照して説明する。
【0014】
この窓用スクリーン1は、自動車Cの窓C1に取り付けられるものであって、例えば、エンジン停止中の自動車Cにおいて窓ガラス(図示せず)を全開した状態で、この窓ガラスが存在していた部分に自動車Cの車内側から着脱可能に取り付けられるものである。具体的には、この窓用スクリーン1は、前記窓C1の形状に対応して変形可能な支持フレーム2と、この支持フレーム2に支持されて前記窓C1を覆う位置に保持される通気性を有した網3とを具備してなる。
【0015】
支持フレーム2は、窓C1の枠C2に沿って配置されるものであって、本実施形態においては、ワイヤーチューブを主体に構成されている。詳述すれば、この支持フレーム2は、金属製のワイヤー4と、このワイヤー4の外部を間欠的に覆う複数の合成樹脂製の弾性部材5とを備えたもので、一端部21と他端部22とを一定寸法だけ重ね合わせた状態で、環状に配されている。本実施形態では、支持フレーム2の前端側において、支持フレーム2の一端部21である弾性部材5付きのワイヤー4と、支持フレーム2の他端部22である弾性部材5が付いていないワイヤー4とが重なり合っている。そして、ワイヤー4の一端部21と他端部22とは、着脱可能な固定部材(図示せず)によって固定されている。各弾性部材5は、内部に前記ワイヤー4を配した筒状をなすもので、ワイヤー4の延伸方向に沿って移動可能に取り付けられている。本実施形態では、この支持フレーム2は、自動車Cの前側の座席における略五角形状をなす窓C1の枠C2に沿うように、略五角形状をなして配されている。支持フレーム2は、窓C1のコーナーに対応する部分にコイルスプリング状の補強部材23を備えたものであり、本実施形態では、窓C1の前側上部の2箇所にそれぞれ補強部材23が取り付けられている。詳述すれば、各補強部材23は、伸縮可能な合成樹脂製のもので、支持フレーム2における弾性部材5が配されていない箇所に、ワイヤー4を覆うようにして取り付けられている。なお、支持フレーム2の下端部に取り付けられている符号24は、該窓用スクリーン1の窓C1への取り付けを補助する金属製の取付補助部材である。
【0016】
網3は、メッシュ状の布を主体に構成されたもので、周縁に前記支持フレーム2を配することができる大きさの空洞31を形成したものである。具体的には、この網3は、防虫性及び通気性を有する程度の大きさの穴を備え、伸縮性を有しない布に、その端部を全周にわたって内側に折り返して前記空洞31を形成したものである。
【0017】
このようなものであれば、窓ガラスを開けた状態で、支持フレーム2の上端部及び前後端部を窓C1の枠C2、具体的には窓ガラスを案内するゴム部材(図示せず)に嵌め入れるとともに、下端部を窓C1の下枠C2、具体的には窓ガラスを案内するゴム部材に沿わせるように置くことによって、自動車Cの窓C1に前記窓用スクリーン1を取り付けることができる。なお、支持フレーム2の下端部と枠C2との間の隙間の発生を抑制すべく、支持フレーム2の下端部に錘(図示せず)を垂れ下げた状態で前記窓用スクリーン1を取り付けてもよい。具体的には、錘として金属製のチェーンやくさり等、環状にした線材を多数繋げたものを安全ピン等を用いて網3に取り付ける方法が考えられる。
【0018】
この窓用スクリーン1を他の窓に用いる場合には、支持フレーム2を変形させればよい。具体的には、固定部材を支持フレーム2から外した状態で、支持フレーム2の一端部21と他端部22との重ね合わせ量を変更した後に、再度、固定部材で該支持フレーム2の一端部21と他端部22とを固定することによって、支持フレーム2が形成する環状部分の大きさを調節することができる。また、支持フレーム2は、ワイヤー4と弾性部材5とからなる変形可能なものであるため、屈曲箇所を変更する等して支持フレーム2を窓C1の形状に合わせて変形させることができる。その際、ワイヤー4に対する弾性部材5の位置や補強部材23の位置は、窓C1のコーナー部分に対応させて適宜変更させることができる。なお、支持フレーム2の重ね合わせ量の変更や変形により、網3には弛みが生じる場合があるが、従来のような隙間ができるわけではないため、防虫性や通気性に大きな影響を与えることはない。
【0019】
以上説明した窓用スクリーン1は、自動車Cの窓C1に取り付けられるものであって、前記窓C1の形状に対応して変形可能な支持フレーム2と、この支持フレーム2に支持されて前記窓C1を覆う位置に保持される通気性を有した網3とを具備してなるので、大きさや形状の異なる多種類の窓用スクリーンを用意する必要なしに、車内に蚊や虫等が入らないようにすることができるとともに、車内に外気を導入することができる。すなわち、支持フレーム2が窓C1の形状に対応して変形可能であるため、種々の大きさや形状をなす窓C1に対応した形態をとることができ、さらに、この支持フレーム2によって網3が保持されているので、防虫性及び通気性を確保することができる。
【0020】
特に、本実施形態では、支持フレーム2として変形可能なワイヤーチューブを用いたので、窓C1の湾曲形状にも順応することができる。また、一旦支持フレーム2の形態を決めて前記固定部材を取り付けたままにしておけば、支持フレーム2を取り付け作業の都度調整する必要がなくなり、同じ窓C1に対して着脱動作が容易になる。一方、この窓用スクリーン1を収納する際には、前記固定部材を一旦取り外し、コンパクトにまとめることも可能である。
【0021】
また、前記支持フレーム2が、窓C1の枠C2に沿って配置されるものであり、前記支持フレーム2が、窓C1のコーナーに対応する部分にコイルスプリング状の補強部材23を備えたものであるので、支持フレーム2の中で力のかかりやすいコーナー部を補強することができるとともに、この補強部材23を窓ガラスを案内するゴム部材に嵌め入れることによって前記窓用スクリーン1を窓C1に取り付けることもできる。さらに、本実施形態の窓用スクリーン1は、窓C1に沿ったものとしているため、従来のカーテンのように、端部が風等で揺らいで動いたりする煩わしさもなくなる。
【0022】
<第2実施形態(図4、図5)>
次に、本発明の第2実施形態について図4及び図5を参照して説明する。
【0023】
この窓用スクリーン1は、前記窓の形状に対応して変形可能な支持フレーム2と、この支持フレーム2に支持されて前記窓を覆う位置に保持される通気性を有した網3とを具備してなるもので、前述した実施形態と同一または対応する部分には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0024】
支持フレーム2は、窓の枠に沿って配置されるものであって、本実施形態においては、伸縮動作可能な固定棒6を主体に構成されている。詳述すれば、この支持フレーム2は、複数の金属製の固定棒6と、これら固定棒6間を接続するワイヤー4とを備えたもので、これら固定棒6とワイヤー4とが交互に並んで環状に配されている。各固定棒6は、段階的に伸縮動作可能なものであり、筒状をなす本体部61と、この本体部61の内部に収められた収納状態と外方に延出する延出状態との間で調節可能な延出部62とを備えたものである。本実施形態では、この支持フレーム2は、自動車の前側の座席における略五角形状をなす窓の枠に沿うように、略五角形状をなして配されている。支持フレーム2は、窓のコーナーに対応する部分にコイルスプリング状の補強部材23を備えたものであり、本実施形態では、窓の各コーナーに対応する部分にそれぞれ補強部材23が取り付けられている。
【0025】
このようなものであれば、第1実施形態に示したのと同様な方法で、自動車の窓に前記窓用スクリーン1を取り付けることができる。
【0026】
この窓用スクリーン1を他の窓に用いる場合には、例えば、図5に示すような形状に支持フレーム2を変形させればよい。具体的には、固定部材を支持フレーム2から外した状態で、支持フレーム2の固定棒6の長さ寸法、すなわち本体部61に対する延出部62の延出量を変更することによって、支持フレーム2が形成する環状部分の大きさを調節することができる。
【0027】
以上説明した窓用スクリーン1によれば、第1実施形態に準じた効果が得られる。特に、本実施形態のようなものであれば、固定棒6が一直線状に延出するものであるため、窓の直線部分にぴったりフィットさせることができる。
【0028】
<第3実施形態(図6)>
次に、本発明の第3実施形態について図6を参照して説明する。
【0029】
この窓用スクリーン1は、前記窓の形状に対応して変形可能な支持フレーム2と、この支持フレーム2に支持されて前記窓を覆う位置に保持される通気性を有した網3とを具備してなるもので、前述した実施形態と同一または対応する部分には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0030】
支持フレーム2は、放射状に配置されたものであり、その先端部63が窓の枠に係わり合うものであって、本実施形態においては、伸縮動作可能な固定棒6を主体に構成されている。詳述すれば、この支持フレーム2は、複数の金属製の固定棒6と、これら固定棒6の先端部63に配されたゴム製の滑り止め部材7とを備えたもので、これら固定棒6が基端部64において固定部材(図示せず)により固定されることで放射状に配されている。各固定棒6は、段階的に伸縮動作可能なものであり、筒状をなす本体部61と、この本体部61の内部に収められた収納状態と外方に延出する延出状態との間で調節可能な延出部62とを備えたものである。本実施形態では、この支持フレーム2は、自動車の前側の座席における略五角形状をなす窓の枠に先端部63が係わり合うように、窓の中央部分から各コーナーに対応する部分に向けて放射状に配されている。
【0031】
網3は、メッシュ状の布を主体に構成されたもので、周縁に間欠的に前記支持フレーム2の先端部63が取り付けられている。
【0032】
このようなものであれば、窓ガラスを開けた状態で、上方に延出する支持フレーム2の先端部63、すなわち各固定棒6の滑り止め部材7を窓の枠、具体的には窓ガラスを案内するゴム部材に嵌め入れるとともに、下方に延出する支持フレーム2の先端部63を窓の枠、具体的には窓ガラスを案内するゴム部材に沿わせるように置くことによって、自動車の窓に前記窓用スクリーン1を取り付けることができる。
【0033】
この窓用スクリーン1を他の窓に用いる場合には、支持フレーム2を変形させればよい。具体的には、固定部材を支持フレーム2から外した状態で、支持フレーム2の固定棒6の長さ寸法、すなわち本体部61に対する延出部62の延出量を変更することによって、支持フレーム2が形成する放射状部分の大きさを調節することができる。なお、前述した実施形態と同様に、支持フレーム2の配置方法の変更や変形により、網3には弛みが生じる場合があるが、従来のような隙間ができるわけではないため、防虫性や通気性に大きな影響を与えることはない。
【0034】
<第4実施形態(図7)>
次に、本発明の第4実施形態について図7を参照して説明する。
【0035】
この窓用スクリーン1は、前記窓の形状に対応して変形可能な支持フレーム2と、この支持フレーム2に支持されて前記窓を覆う位置に保持される通気性を有した網3とを具備してなるもので、前述した実施形態と同一または対応する部分には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0036】
支持フレーム2は、放射状に配置されたものであり、その先端部63が窓の枠に係わり合うものであって、本実施形態においては、伸縮動作可能な固定棒6を主体に構成されている。詳述すれば、この支持フレーム2は、互いに回転動作可能に支持された複数のプラスチック製の固定棒6と、これら固定棒6の先端部63に配されたゴム製の滑り止め部材7とを備えたもので、これら固定棒6が中間部65において固定部材(図示せず)により固定されることで放射状に配されている。各固定棒6は、段階的に伸縮動作可能なものであり、筒状をなす本体部61と、この本体部61の内部に収められた収納状態と外方に延出する延出状態との間で調節可能な延出部62とを備えたものである。本実施形態では、この支持フレーム2は、自動車の略四角形状をなす窓の枠に先端部63が係わり合うように、窓の中央部分から各コーナーに対応する部分に向けて放射状に配されている。
【0037】
このようなものであれば、第3実施形態に示したのと同様な方法で、自動車の窓に前記窓用スクリーン1を取り付けることができる。
【0038】
以上説明した窓用スクリーン1によれば、前述した実施形態に準じた効果が得られる。特に、本実施形態のようなものであれば、固定棒6として円周方向に力を加えて伸縮動作させるつっかい棒を用いているので、第3実施形態で示したロッドアンテナに比べて延出部62の調整位置を確実に保持させることができる。
【0039】
<第5実施形態(図8〜図10)>
次に、本発明の第5実施形態について図8〜図10を参照して説明する。
【0040】
この窓用スクリーン1は、前記窓の形状に対応して変形可能な支持フレーム2と、この支持フレーム2に支持されて前記窓を覆う位置に保持される通気性を有した網3とを具備してなるもので、前述した実施形態と同一または対応する部分には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0041】
支持フレーム2は、窓の枠に沿って配置されるものであって、本実施形態においては、伸縮動作可能な固定棒6を主体に構成されている。詳述すれば、この支持フレーム2は、窓の枠の上縁に沿って配置される上の固定棒6Aと、窓の枠の下縁に沿って配置される下の固定棒6Bと、これら各固定棒6A、6Bの先端部63に配されたゴム製の滑り止め部材7とを備えたものある。上の固定棒6A及び下の固定棒6Bは、それぞれ固定棒6A、6Bとして円周方向に力を加えて伸縮動作させるつっかい棒を用いている。すなわち、各固定棒6A、6Bは、段階的に伸縮動作可能なものであり、筒状をなす本体部61と、この本体部61の内部に収められた収納状態と外方に延出する延出状態との間で調節可能な延出部62とを備えたものである。本実施形態では、この支持フレーム2の上の固定棒6Aと下の固定棒6Bとは、自動車の前側の座席における略四角形状をなす窓の枠に沿うように、平行に配されている。
【0042】
網3は、前記支持フレーム2間に配されるすだれを主体に構成されたもので、前後方向(紙面上では左右方向)に延びる複数の中空状の網本体部32と、これら各網本体部32の内部への嵌め込み量を変更可能に取り付けられた網延出部33と、この網延出部33の先端に取り付けられる取付補助部材34とを備えている。すなわち、各網本体部32は、切り口が円形をなすパイプ状をなしており、隣接する網本体部32との間に防虫性及び通気性を有する程度の大きさの隙間を備えている。最上端の網本体部32の上側に前記上の固定棒6Aを配するとともに、最下端の網本体部32の下側に前記下の固定棒6Bを配している。各網本体部32は、紐等の固定部材25を用いて前記上下の固定棒6A、6Bとともに略四角形状に配されている。各網延出部33は、前記網本体部32にスライド可能に取り付けられる円柱形状をなすもので、各網延出部33の先端部側が前記固定部材25と略平行に配された固定補助部材331によって固定されることによって、隣接する網延出部33との間に防虫性及び通気性を有する程度の大きさの隙間を備えている。固定補助部材331は、例えば、合成樹脂製のもので、上下方向に列んだ前記網延出部33を通過させる貫通孔332を有したプレート状のものであり、前記網延出部33を前記網本体部32から延出させた際に各網延出部33が反り返る等して隙間が大きくなりすぎることを抑制している。取付補助部材34は、弾性変形可能な合成樹脂製のものである。
【0043】
このようなものであれば、窓ガラスを開けた状態で、支持フレーム2の上側、すなわち、上の固定棒6Aを窓の上枠、具体的には窓ガラスを案内するゴム部材に嵌め入れるとともに、網3の先端部63に設けた取付補助部材34を弾性変形させながら、窓の前後の枠のゴム部材にそれぞれ嵌め入れ、下の固定棒6Bを窓の下枠、具体的には窓ガラスを案内するゴム部材に沿わせるように置くことによって、自動車の窓に前記窓用スクリーン1を取り付けることができる。
【0044】
この窓用スクリーン1を他の窓に用いる場合には、支持フレーム2及び網3をそれぞれ変形させればよい。具体的には、固定棒6の延出部62の本体部61に対する延出量を調整することにより、支持フレーム2の前後方向の大きさを調節することができる。また、網延出部33の網本体部32に対する延出量を調整することにより、網3の前後方向の大きさを調整することができる。
【0045】
以上説明した窓用スクリーン1によれば、前述した実施形態に準じた効果が得られる。特に、本実施形態のようなものであれば、網3の各部において網本体部32に対する網延出部33の延出量を微妙に調整することができるので、複雑な形状をなした窓にも対応することができる。本実施形態の窓用スクリーン1は、網3が前後両側に調整可能であるため、種々の窓に対応させやすく、特に、前後の各網延出部33が、その基端部が収納状態において網本体部32の略中央に位置する大きさを備えているので、網延出部33を網本体部32からスライド移動させた際に網本体部32から網延出部33が外れてしまうという不具合の発生を抑制している。また、網3の前後両縁部に弾性変形可能な取付補助部材34を設けたので、この弾性変形を利用して窓用スクリーン1を簡単に窓に取り付けることができる。
【0046】
また、一旦網3の形態を決めてテープ等の固定部材(図示せず)で位置決めし、この固定部材を取り付けたままにしておけば、網3を取り付け作業の都度調整する必要がなくなり、同じ窓に対して着脱動作が容易になる。一方、この窓用スクリーン1を収納する際には、前記固定部材を一旦取り外してコンパクトにまとめることも可能である。特に、この窓用スクリーン1は、すだれ状をなしているので、上端または下端側から巻いて収納することもできる。
【0047】
<第6実施形態(図11、図12)>
次に、本発明の第6実施形態について図11及び図12を参照して説明する。
【0048】
この窓用スクリーン1は、前記窓の形状に対応して変形可能な支持フレーム2と、この支持フレーム2に支持されて前記窓を覆う位置に保持される通気性を有した網3とを具備してなるもので、前述した実施形態と同一または対応する部分には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0049】
支持フレーム2は、窓の枠に沿って配置されるものであって、本実施形態においては、中に気体が充填され膨張した風船等の弾性体8を主体に構成されている。詳述すれば、この支持フレーム2は、複数の細長い合成樹脂製の弾性体8を備えたもので、一端部21と他端部22とを一定寸法だけ重ね合わせた状態で、環状に配されている。本実施形態では、支持フレーム2の下端側で支持フレーム2の一端部21と他端部22とが重なり合っており、例えば面ファスナ付きの布等着脱可能な固定部材26によって固定されている。
【0050】
網3は、メッシュ状の布を主体に構成されたもので、一端縁35を前記弾性体8の延出方向に沿って該弾性体8に取り付けるとともに、他端縁36同士を輪ゴム等の固定手段37により中央で固定している。具体的には、この網3は、防虫性及び通気性を有する程度の大きさの穴を備える伸縮性を有しない布を、中央部において大きさを調節可能に構成したものである。
【0051】
このようなものであれば、第1実施形態に示したのと同様な方法で、自動車の窓に前記窓用スクリーン1を取り付けることができる。
【0052】
この窓用スクリーン1を他の窓に用いる場合には、支持フレーム2を変形させればよい。具体的には、図12に示すような固定部材26を支持フレーム2から外した状態で、支持フレーム2の一端部21と他端部22との重ね合わせ量を変更した後に再度固定部材26で該支持フレーム2の一端部21と他端部22とを固定することによって、支持フレーム2が形成する環状部分の大きさを調節することができる。
【0053】
以上説明した窓用スクリーン1によれば、前述した実施形態に準じた効果が得られる。特に、本実施形態のようなものであれば、弾性体8が、それ自体変形可能なものであるので、取り付けるべき窓に沿った形状に変形させることができる。さらに、弾性体8が内部の気体により膨張した状態であるので、網3の一端縁35が形成する周縁部をぴんと張ることができる。
【0054】
<第7実施形態(図13)>
次に、本発明の第7実施形態について図13を参照して説明する。
【0055】
この窓用スクリーン1は、窓C1に予め取り付けられたカーテンC3を利用するものであり、前記窓C1の形状に対応して変形可能な支持フレーム2と、この支持フレーム2に支持されて前記窓C1を覆う位置に保持される通気性を有した網3とを具備してなるもので、前述した実施形態と同一または対応する部分には、同一の符号を付して説明を省略する。
【0056】
支持フレーム2は、第2実施形態に示すものを主として用いるとともに、第3実施形態に示すものを補助的に用いている。
【0057】
網3は、メッシュ状の布を主体に構成されたもので、上端部C4側が車体に取り付けられたカーテンC3を利用している。具体的には、この網3は、防虫性及び通気性を有する程度の大きさの穴を備えている。
【0058】
このようなものであれば、第1実施形態に示したのと同様な方法で、自動車Cの窓C1に前記窓用スクリーン1の支持フレーム2を取り付けることができる。すなわち、網3を構成するカーテンC3の内側から前記支持フレーム2を取り付けることにより、窓用スクリーン1を形成することができる。
【0059】
以上説明した窓用スクリーン1によれば、前述した実施形態に準じた効果が得られる。特に、本実施形態のようなものであれば、網3として既存のカーテンC3を利用することができるため、支持フレーム2を取り付けるだけで簡単に窓用スクリーン1を形成することができる。
【0060】
<第8実施形態(図14、図15)>
次に、本発明の第8実施形態について図14及び図15を参照して説明する。
【0061】
この窓用スクリーン1は、前記窓の形状に対応して変形可能な支持フレーム2と、この支持フレーム2に支持されて前記窓を覆う位置に保持される通気性を有した網3とを具備してなるもので、前記支持フレーム2と網3とが一体に成形されている。本実施形態では、上下方向に大きさの異なる二つの窓用スクリーン1を上下方向に並べて使用しており、上の窓用スクリーン1と下の窓用スクリーン1とは接着剤等により互いに接続されている。以下、各窓用スクリーン1について説明する。
【0062】
支持フレーム2は、窓の上下の枠に沿って配置されるものである。この支持フレーム2は、フレーム本体部91と、このフレーム本体部91に対して前後方向(紙面上では左右方向)にスライド可能なフレーム延出部92とを備えたもので、前記フレーム延出部92がフレーム本体部91に固定部材(図示せず)により固定されることでフレーム延出部92をスライド不能にしている。詳述すれば、この支持フレーム2のフレーム本体部91は、合成樹脂製の平板の上下端部を内側に折り曲げたもので、上下の折り曲げ部93、94が平行に配されている。フレーム延出部92は、合成樹脂製の平板の上下端部を前記フレーム本体部91の上下の折り曲げ部93、94にそれぞれ係わり合わせたものである。
【0063】
網3は、複数の貫通穴(図示せず)を有した板状素材を主体に構成されたもので、前記フレーム本体部91間に該フレーム本体部91と一体に形成される網本体部38と、前記フレーム延出部92間に該フレーム延出部92と一体に形成される網延出部39とを備えたものである。具体的には、この網3は、防虫性及び通気性を有する程度の大きさの穴を備え、山と谷が交互に形成され蛇腹状になるように複数の折り目30を付けたものである。
【0064】
このようなものであれば、窓ガラスを開けた状態で、上に位置する窓用スクリーン1の支持フレーム2の上側を窓の上枠、具体的には窓ガラスを案内するゴム部材に嵌め入れるとともに、下に位置する窓用スクリーン1の支持フレーム2の下側を窓の下枠、具体的には窓ガラスを案内するゴム部材に沿わせるように置くことによって、自動車の窓に前記窓用スクリーン1を取り付けることができる。なお、本実施形態における窓用スクリーン1は、延出部62の延出端側を取り付けるべき窓の形状に合うようにカットして用いる。
【0065】
この窓用スクリーン1を前後幅寸法のみ異なる他の窓に用いる場合には、支持フレーム2及び網3を変形させればよい。具体的には、固定部材を支持フレーム2から外した状態で、支持フレーム2の前後幅寸法、すなわちフレーム本体部91に対するフレーム延出部92の延出量を変更することによって、支持フレーム2の大きさを調節することができる。
【0066】
以上説明した窓用スクリーン1によれば、前述した実施形態に準じた効果が得られる。特に、本実施形態のようなものであれば、網3が波板状のものであるため、厚み方向の強度を増すことができるとともに、山及び谷部分が変形して上下方向に大きさを調整することができる。
【0067】
なお、本発明は以上に述べた実施形態に限られない。
【0068】
窓用スクリーンの窓への取付方法は、前述したものに限られず種々変更可能である。また第8実施形態に示すように、窓用スクリーンを並べて配置するものに限られず、一枚の窓用スクリーンからなるものであってもよいのはもちろんである。また、3枚以上の窓用スクリーンを並べて配置したものであってもよい。
【0069】
支持フレームは、上述したワイヤーチューブや固定棒等に限られず、例えば合成樹脂製のホース等の弾性変形可能な中空状のもの、前記補強部材として用いたような合成樹脂製のコイルスプリング等の弾性変形可能なばね状のもの、金属製または合成樹脂製のくさりやチェーン等の線材を環状にしたものを多数繋げたもの等であってもよい。
【0070】
また、この支持フレームは、種々のものを組み合わせて使用してもよい。一例としては、第1、第2または第6実施形態に示したような窓の枠に沿って配置される支持フレームを主として用いるとともに、第3または第4実施形態に示すような放射状に配される支持フレームを補助的に用いることが考えられる。これとは逆に、放射状に配される支持フレームを主として用いるとともに枠状に配される支持フレームを補助的に用いてもよいのはもちろんである。
【0071】
第1実施形態では、弾性部材が複数設けられていたが、ワイヤーの全周にわたって弾性部材が設けられるようにしてもよい。すなわち、本実施形態で示した補強部材を備えていないものであってもよい。
【0072】
補強部材は、ワイヤーの外側に取り付けられるものに限られず、変形可能な中空状のチューブの内側に配されるものであってもよい。
【0073】
固定棒は、伸縮方向に力を加えて伸縮動作させるロッドアンテナや、円周方向に力を加えて伸縮動作させるつっかい棒の他、伸縮動作可能で一定位置で固定されるようなものであればどのようなものであってもよい。例えば、固定棒として使用するロッドアンテナの素材は、従来のプラスチック製や金属製のものには限られず、例えば、釣り竿のグラスファイバーや木材等も含まれる。すなわち、固定棒の素材は、金属製、木製、合成樹脂製のもの等種々適用可能である。特に、金属製のものであれば、網を磁石を用いて固定することができたり、木製のものであれば、網を画鋲を用いて固定することができる。また、固定棒の数や形状についても、図示したものに限られず種々変更可能である。また、固定棒としてロッドアンテナを利用する場合に、第3実施形態においては、先端部を本体部で構成するとともに基端部を延出部で構成するようにしていたが、これとは逆に、先端部を延出部で構成するとともに基端部を本体部で構成するようにしてもよい。また、同じく第3施形態においては、固定棒の最先端側に固定棒の先端を隠すようにして滑り止め部材を取り付けていたが、固定棒の最先端側を露出させつつその少し基端側に滑り止め部材を取り付けるようにしてもよい。
【0074】
第6実施形態で示した弾性体の数や大きさ、形状等は図示したものに限られないのはもちろんであるが、弾性体が1本のみで構成される場合には、膨張した状態で窓の枠のゴム部材に沿わせることが可能な凹みを有したものが好ましい。また、この第6実施形態においても放射状の支持フレームを補助的に用いてもよいが、その際、放射状の支持フレームの先端部は、前記弾性体を傷つけないように先端がU字状をなすものとすることが好ましい。
【0075】
網は、布、板、すだれ以外のものであってもよく、網自体が伸縮するものであっても網自体は伸縮しないものであってもよい。さらに、網の素材も、繊維からなる布製、合成樹脂製、木製、紙製、金属製のもの等種々適用可能である。また、第5実施形態の変形例として、すだれの代わりに収納状態で巻き取られるロールスクリーン式のものに適用してもよい。網本体部、網延出部及び固定補助部材の素材も、前述した合成樹脂製のものの他、繊維からなる布製のものであってもよい。なお、第5実施形態では、1つの網本体部に前後に対をなす網延出部を設けるようにしていたが、1つの網本体部に1つの網延出部を設けたものであってもよく、さらに、取付補助部材も前側または後側のいずれか一方にのみ取り付けたものであってよい。この際、取付補助部材が取り付けられていない側を先に窓枠に取り付けた後、取付補助部材が取り付けられている側を窓枠に押し込んで取り付けるようにすればよい。
【0076】
第1〜第4実施形態に示した布の支持フレームへの取付方法についても種々変更可能である。また、第5実施形態で示した網延出部は、指を掛けてスライド動作を容易にするための突起物を設けたものであってもよい。この突起物としては、例えば前記網延出部から切り起こした突片や、プレス加工等により形成された凹凸部等が考えられる。また、第7実施形態で示した網は、図示したレール式のカーテンの他に、ロールスクリーン式のカーテンを利用することもできる。さらに、網は、第8実施形態で示したような波板状のものに限られず、平板状のものであってもよい。さらに、窓用スクリーンと窓の枠との間に隙間が生じる場合には、スポンジ等の弾性体を介在させてもよい。この第8実施形態においても、第1または第2実施形態に示すような枠状の支持フレームや、第3または第4実施形態に示すような放射状の支持フレームを補助的に用いることが可能である。
【0077】
その他、本発明の趣旨を損ねない範囲で種々に変更してよい。
【符号の説明】
【0078】
C…自動車
C1…窓
C2…枠
1…窓用スクリーン
2…支持フレーム
23…補強部材
3…網
63…先端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の窓に取り付けられる窓用スクリーンであって、
前記窓の形状に対応して変形可能な支持フレームと、この支持フレームに支持されて前記窓を覆う位置に保持される通気性を有した網とを具備してなることを特徴とする窓用スクリーン。
【請求項2】
前記支持フレームが、窓の枠に沿って配置されるものである請求項1記載の窓用スクリーン。
【請求項3】
前記支持フレームが、放射状に配置されたものであり、その先端部が窓の枠に係わり合うものである請求項1記載の窓用スクリーン。
【請求項4】
前記支持フレームが、窓のコーナーに対応する部分にコイルスプリング状の補強部材を備えたものである請求項2記載の窓用スクリーン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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