立体視用メガネ、表示装置、及び立体視システム
【課題】非利き目側の画像の視認性を向上させた立体視用メガネ、表示装置、及び立体視システムを提供する。
【解決手段】時間分割で交互に表示される右目用画像と左目用画像を、当該時間分割に同期してシャッターを開閉させる1組の88R、88Lにより右目と左目に分けて透過させており、利き目を示す利目情報を取得し、利き目側のレンズ88Rよりも非利き目側のレンズ88Lで画像の透過時間を長くなるように制御する。
【解決手段】時間分割で交互に表示される右目用画像と左目用画像を、当該時間分割に同期してシャッターを開閉させる1組の88R、88Lにより右目と左目に分けて透過させており、利き目を示す利目情報を取得し、利き目側のレンズ88Rよりも非利き目側のレンズ88Lで画像の透過時間を長くなるように制御する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体視用メガネ、表示装置、及び立体視システムに係り、特に2つの画像を右目と左目で個別に視認させて立体視を行う立体視用メガネ、表示装置、及び立体視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療診断を目的とした放射線撮影を行なう放射線撮影装置が知られている。この種の放射線撮影装置として、例えば、乳がんの早期発見などを目的として被験者の乳房を撮影するマンモグラフィが挙げられる。
【0003】
ところで、放射線撮影装置による撮影によって得られる放射線画像は、2次元画像であるため、病変等の立体的分布が判断しずらい。
【0004】
そこで、診断精度を向上させる技術として被験者の撮影対象部位に対して所定の視差角で放射線を2回照射して放射線画像を撮影するステレオ撮影を行い、撮影された2つの放射線画像を読影者の右目と左目で個別に視認させて立体視を行う方法が提案されている。
【0005】
ところで、人には利き目があり、右目と左目で個別に画像を視認させて立体視を行なう場合でも利き目側の画像を優先的に見てしまう。
【0006】
このような視覚の特性を利用した技術として、特許文献1には、右目用と左目用に個別に表示部が設けられ、電源として電池を用いて頭部装着型ディスプレイにおいて、電源容量が残り少なくなったときに利き目側のみを表示させる技術が記載されている。
【0007】
また、特許文献2には、二次元画像と当該二次元画像を変換した変換画像を観察者の左右で見ることにより立体映像を表示する表示装置において、利き目側に二次元画像を表示させ、非利き目側に変換画像を表示させる技術が記載されている。
【0008】
また、特許文献3には、利き目画像を基準にして非利き目(反利き目)画像を適切な位置に調整して3次元画像を再生する技術が記載されている。
【0009】
さらに、特許文献4には、偏光フィルタを用いた立体表示装置において利き目側の画像を基準画像とする点が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平08−179275号公報
【特許文献2】特開2009−33538号公報
【特許文献3】特開2008−294530号公報
【特許文献4】特開2003−284098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記特許文献1〜特許文献4は、利き目側で画像を優先的に認識させる技術であり、非利き目側での画像の視認性が低下する。
【0012】
このように非利き目側の画像の視認性が低下した場合、非利き目側の画像に含まれる情報がユーザに認識されない場合がある。
【0013】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、非利き目側の画像の視認性を向上させた立体視用メガネ、表示装置、及び立体視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明の立体視用メガネは、各々シャッターが設けられ、当該シャッターにより画像の透過、非透過を切り替え可能な1組のレンズと、利き目を示す利目情報を取得する取得手段と、表示手段に時間分割で交互に表示される右目用画像と左目用画像を、当該時間分割に同期して前記シャッターを開閉させて右目と左目に分けて透過させると共に、画像の透過時間が前記利目情報により示される利き目側のレンズよりも非利き目側のレンズで長くなるように前記シャッターを制御するシャッター制御手段と、を備えている。
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、1組のレンズの各々にシャッターが設けられ、当該シャッターにより画像の透過、非透過を切り替え可能とされており、取得手段により、利き目を示す利目情報が取得され、シャッター制御手段により、表示手段に時間分割で交互に表示される右目用画像と左目用画像を、当該時間分割に同期して前記シャッターを開閉させて右目と左目に分けて透過させると共に、画像の透過時間が前記利目情報により示される利き目側のレンズよりも非利き目側のレンズで長くなるように前記シャッターが制御される。
【0016】
このように、時間分割で交互に表示される右目用画像と左目用画像を、当該時間分割に同期してシャッターを開閉させる1組のレンズにより右目と左目に分けて透過させており、利き目を示す利目情報を取得し、1組のレンズの利き目側のレンズよりも非利き目側のレンズで画像の透過時間を長くなるように制御するので、非利き目側の画像の視認性を向上させることができる。
【0017】
なお、請求項1記載の発明は、請求項2に記載の発明のように、前記シャッター制御手段が、利き目側のレンズよりも非利き目側のレンズの画像の透過時間を5%以上長くすることが好ましい。
【0018】
また、請求項1又は請求項2記載の発明は、請求項3に記載の発明のように、画像の透過時間の調整指示を受け付ける受付手段をさらに備え、前記シャッター制御手段が、利き目側のレンズよりも非利き目側のレンズの画像の透過時間を長く維持しつつ、前記受付手段により受け付けた調整指示に従い、利き目側及び非利き目側の少なくとも一方のレンズの透過時間を変更する制御を行ってもよい。
【0019】
一方、上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明の表示装置は、画像を表示可能な表示手段と、利き目を示す利目情報を取得する取得手段と、右目用画像と左目用画像を交互に時間分割で前記表示手段に表示させると共に、画像の表示時間が前記利目情報により示される利き目側よりも非利き目側で長くなるように前記表示手段を制御する表示制御手段と、を備えている。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、表示手段に画像が表示可能とされており、取得手段により、利き目を示す利目情報が取得され、表示制御手段により、右目用画像と左目用画像を交互に時間分割で前記表示手段に表示させると共に、画像の表示時間が前記利目情報により示される利き目側よりも非利き目側で長くなるように前記表示手段が制御される。
【0021】
このように、右目用画像と左目用画像を交互に時間分割で表示しており、利き目を示す利目情報を取得し、利き目側の画像よりも非利き目側の画像で画像の表示時間が長くなるように制御するので、非利き目側の画像の視認性を向上させることができる。
【0022】
なお、請求項4記載の発明は、請求項5に記載の発明のように、前記表示制御手段が、利き目側の画像よりも非利き目側の画像の表示時間を5%以上長くすることが好ましい。
【0023】
また、請求項4又は請求項5記載の発明は、請求項6に記載の発明のように、画像の表示時間の調整指示を受け付ける受付手段をさらに備え、前記表示制御手段が、利き目側の画像よりも非利き目側の画像の表示時間を長く維持しつつ、前記受付手段により受け付けた調整指示に従い、利き目側及び非利き目側の少なくとも一方の画像の表示時間を変更する制御を行ってもよい。
【0024】
一方、上記目的を達成するために、請求項7に記載の発明の立体視システムは、請求項4〜請求項6の何れか1項記載の表示装置と、前記表示装置の表示手段に時間分割で交互に表示される右目用画像と左目用画像を、当該時間分割に同期してシャッターを開閉させて右目と左目に分けて透過させる1組のレンズを備えた立体視用メガネと、を有している。
【0025】
よって、請求項7記載の発明は、請求項4記載の発明と同様に作用するので、請求項4記載の発明と同様に、非利き目側の画像の視認性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、非利き目側の画像の視認性を向上させることができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施の形態に係る撮像装置の構成を示す平面図である。
【図2】実施の形態に係る撮像装置のCC撮影時における構成を示す斜視図である。
【図3】実施の形態に係る撮像装置のMLO撮影時における構成を示す斜視図である。
【図4】実施の形態に係る撮影台の概略構成を示す構成図である。
【図5】実施の形態に係る放射線撮影システムの構成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態に係る表示装置の構成を示す斜視図である。
【図7】実施の形態に係るメガネの構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態に係る撮影時の放射線照射部と撮影台の位置関係を示す図である。
【図9】第1の実施の形態に係る表示部に表示される画像とレンズの画像の透過時間の関係を示すタイミングチャートである。
【図10】第2の実施の形態に係る表示部に表示される画像とレンズの画像の透過時間の関係を示すタイミングチャートである。
【図11】他の形態に係る表示部に表示される画像とレンズの画像の透過時間の関係を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して乳房のステレオ撮影を行い、撮影した放射線画像のステレオ表示を行なう放射線撮影システムに本発明を適用した場合について説明する。
【0029】
最初に、図1〜図3を参照して放射線画像を撮影する放射線撮影装置10について説明する。
【0030】
本実施の形態に係る放射線撮影装置10は、被験者が立った立位状態において、その被験者Wの乳房Nを放射線(例えば、X線)により撮影する装置であり、例えば、マンモグラフィと称される。なお、以下では、撮影の際に放射線撮影装置10に被験者Wが対面した場合の被験者Wに近い手前側を放射線撮影装置10の装置前方側とし、放射線撮影装置10に被験者Wが対面した場合の被験者Wから離れた奥側を放射線撮影装置10の装置後方側とし、放射線撮影装置10に被験者Wが対面した場合の被験者Wの左右方向を放射線撮影装置10の装置左右方向として説明する(図2の矢印参照)。
【0031】
放射線撮影装置10は、図1に示すように、装置前方側に設けられた側面視略C字状(コの字状)の測定部12と、測定部12を装置後方側から支える基台部14と、を備えている。
【0032】
測定部12は、図1及び図2に示すように、立位状態にある被験者Wの乳房Nに当接する平面状の撮影面20が形成された撮影台22と、乳房Nを撮影面20に押し付ける圧迫板26と、撮影台22と圧迫板26とを保持する保持部28と、を備えている。
【0033】
また、測定部12は、管球などの放射線源30(図5参照。)が設けられその放射線源30から撮影面20に向けて放射線を照射する放射線照射部24と、保持部28とは分離され放射線照射部24を支持する支持部29とを備えている。
【0034】
測定部12には、基台部14に回動可能に支えられている回動軸16が設けられている。回動軸16は、支持部29に対して固定されており、回動軸16と支持部29は一体に回動するようになっている。
【0035】
保持部28に対しては、回動軸16が連結されて一体に回動する状態と、回動軸16が分離されて空転する状態とに切り替え可能とされている。具体的には、回動軸16及び保持部28にそれぞれギアが設けられ、このギア同士の噛合状態・非噛合状態を切替えるようになっている。
【0036】
なお、回動軸16の回動力の伝達・非伝達の切替えは、種々の機械要素を用いることができる。
【0037】
保持部28は、撮影面20と放射線照射部24とが所定間隔離れるように撮影台22と放射線照射部24とを保持するとともに、圧迫板26と撮影面20との間隔が可変であるように圧迫板26をスライド移動可能に保持している。
【0038】
本実施形態に係る放射線撮影装置10は、少なくとも、乳房NをCC撮影(頭尾方向の撮影)とMLO撮影(内外斜位方向の撮影)との両者を行うことができる装置とされている。図1及び図2は、CC撮影時における放射線撮影装置10の姿勢を示し、図3は、撮影装置のMLO撮影時における放射線撮影装置10の姿勢を示している。
【0039】
図1に示すように、CC撮影時においては、撮影面20が上方を向いた状態に保持部28の姿勢が調整されると共に、放射線照射部24が撮影面20に対して上方に位置する状態に支持部29の姿勢が調整される。これにより、立位状態の被験者Wの頭側から足側に向かって、放射線照射部24から乳房Nへ放射線が照射されて、CC撮影(頭尾方向の撮影)がなされる。
【0040】
また、MLO撮影時では、図3に示すように、一般的に、CC撮影時に比べて撮影台22を45°以上90°未満回転させた状態に保持部28の姿勢が調整され、撮影台22の装置前方側の側壁角部22Aに被験者Wの腋窩を当てるようにポジショニングされる。これにより、被験者Wの胴体の軸中心側から外側へ向かって、放射線照射部24から乳房Nへ放射線が照射されて、MLO撮影(内外斜位方向の撮影)がなされる。
【0041】
放射線撮影装置10では、図2、図3に示すように、ステレオ撮影を行う場合、保持部28に対して回動軸16が空転して撮影台22と圧迫板26が動かず、支持部29が回動することにより放射線照射部24のみが円弧状に移動する。
【0042】
このように、放射線照射部24のみを回動させることにより、撮影面20に対して様々な角度に放射線照射部24を位置させることが可能となり、撮影面20に対して正対する正面方向を含む様々な方向から放射線を照射することができる。
【0043】
図4には、本実施の形態に係る撮影台22の概略構成が示されている。
【0044】
同図に示すように、撮影台22は、撮影の際に乳房Nが配置される撮影面20が形成された天板23と、天板23と対向するようにセンサ面42Aが配置され、当該センサ面42Aで受像された放射線を直接デジタルデータに変換するFPD(Flat Panel Detector)等の放射線検出器42と、センサ面42Aの天板23側に配置され、放射線が乳房Nを透過した際に発生する当該放射線の散乱成分を除去するグリッド40と、センサ面42Aと並んだ平面内でグリッド40を往復移動させる移動機構43と、を備えている。
【0045】
グリッド40は、放射線の吸収率が大きい吸収部(所謂はく)と放射線の吸収率が小さい透過部とが所定のピッチで交互に設けられており、乳房N内で散乱してグリッド40に斜めに入射した放射線を吸収部で吸収することにより散乱線を除去する。
【0046】
放射線照射部24から放射された放射線は、乳房Nを透過しさらにグリッド40を透過して放射線検出器42に到達する。放射線検出器42は、センサ面42Aに放射線に対して感度を有する複数のセンサ部が2次元状に設けられ、当該センサ面42Aで受像された放射線画像を撮像する。
【0047】
移動機構43は、モータが内蔵されており、モータの駆動力によりグリッド40をセンサ面42Aに対して水平方向に往復移動させものとされており、また、グリッド40を往復移動させる周期を変更させることが可能とされている。なお、グリッド40を往復移動させる駆動源としては、圧電素子等の他の駆動手段を用いてもよい。
【0048】
図5には、本実施の形態に係る放射線撮影システム5の詳細な構成を示すブロック図が示されている。
【0049】
放射線撮影システム5は、上述した放射線撮影装置10と、ステレオ撮影した放射線画像に対して所定の画像処理を行う画像処理装置50と、画像処理された放射線画像を立体視可能に表示するための表示装置80と、を備えている。
【0050】
放射線撮影装置10は、曝射条件、姿勢情報などの各種の操作情報や各種の操作指示が入力される操作パネル44と、装置全体の動作を制御する撮像装置制御部46と、LAN等のネットワーク56に接続され、当該ネットワーク56に接続された他の機器との間で各種情報を送受信する通信I/F部48と、さらにを備えている。
【0051】
撮像装置制御部46は、CPU、ROM及びRAMを含むメモリ、HDDやフラッシュメモリ等から成る不揮発性の記憶部を備えている。撮像装置制御部46は、放射線照射部24、放射線検出器42、移動機構43、操作パネル44、及び通信I/F部48と接続されている。従って、撮像装置制御部46は、放射線照射部24からの放射線の放射の制御と、放射線検出器42の撮影動作の制御と、移動機構43を介したグリッド40の往復移動の動作の制御と、通信I/F部48を介した他の機器との各種情報を送受信の制御を各々行える。また、撮像装置制御部46は、操作パネル44に対して入力された操作指示の把握することができる。
【0052】
操作パネル44で指定される曝射条件には、管電圧、管電流、照射時間等の情報が含まれており、姿勢情報には、撮影姿勢がCC撮影かMLO撮影かを表す情報が含まれている。なお、この曝射条件、姿勢情報などの各種の操作情報や各種の操作指示は、他の制御装置から得るようにしてもよい。
【0053】
一方、画像処理装置50は、サーバ・コンピュータとして構成されており、操作メニューや各種情報等を表示するディスプレイ52と、複数のキーを含んで構成され、各種情報や操作指示が入力される操作入力部54と、を備えている。
【0054】
また、画像処理装置50は、装置全体の動作を司るCPU60と、制御プログラムを含む各種プログラム等が予め記憶されたROM62と、各種データを一時的に記憶するRAM64と、各種データを記憶して保持するHDD66と、ディスプレイ52への各種情報の表示を制御するディスプレイドライバ68と、操作入力部54に対する操作状態を検出する操作入力検出部70と、ネットワーク56を介して放射線撮影装置10に接続され、放射線撮影装置10との間で各種情報の送受信を行う通信I/F部72と、ディスプレイケーブル58を介して表示装置80に対して画像信号を出力する画像信号出力部74と、を備えている。
【0055】
CPU60、ROM62、RAM64、HDD66、ディスプレイドライバ68、操作入力検出部70、通信I/F部72、及び画像信号出力部74は、システムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU60は、ROM62、RAM64、HDD66へのアクセスを行うことができる。また、CPU60は、ディスプレイドライバ68を介したディスプレイ52への各種情報の表示の制御、通信I/F部72を介した放射線撮影装置10との各種情報の送受信の制御、及び画像信号出力部74を介した表示装置80に表示される画像の制御、を行うことができる。さらに、CPU60は、操作入力検出部70を介して操作入力部54に対するユーザの操作状態を把握することができる。
【0056】
図6には、本実施の形態に係る表示装置80の構成の一例が示されている。
【0057】
同図に示すように、表示装置80は、シャッタ方式(フレームシーケンシャル方式)で表示を行うものとされており、画像を表示可能とされ、右目用画像と左目用画像を時分割で交互に表示する表示部82と、赤外線等により時分割で右目用画像と左目用画像を表示する同期タイミングをメガネ85へ送信するための送信部86が設けられている。
【0058】
メガネ85は、各々液晶シャッターが内蔵され、当該シャッターにより画像の透過、非透過を切り替え可能な一対のレンズ88を備えており、送信部86から送信される同期タイミングに同期して左右のレンズ88の液晶シャッターが交互に開閉する。なお、以下、一対のレンズ88の区別する場合、右目用のレンズ88をレンズ88Rと記載し、左目用のレンズ88をレンズ88Lと記載する。
【0059】
ユーザは、メガネ85をかけて表示部82を見ることにより、表示部82に表示される画像を3次元画像として立体視することができる。
【0060】
また、本実施の形態に係るメガネ85には、利き目に関する情報の入力を受付ける切替操作部89が設けられている。切替操作部89には、右目が利き目であることを指定するボタン89Aと、右目が利き目であることを指定するボタン89Bが設けられている。
【0061】
図7には、本実施の形態に係るメガネ85の概略構成を示すブロック図が示されている。
【0062】
メガネ85は、送信部86から送信される同期タイミングを受信する受信部90と、レンズ88L、88Rの液晶シャッターの切り替え制御を行う制御部92と、を備えている。
【0063】
制御部92は、はマイクロコンピュータによって構成されており、CPU、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含むメモリ、フラッシュメモリ等からなる不揮発性の記憶部を備えている。制御部92は、切替操作部89と接続されている。制御部92は、切替操作部89に設けられたボタン89A、89Bに対する指定操作からユーザの利き目を把握し、非利き目側のレンズの時間分割のタイミングに同期して画像を透過させる透過時間が、利き目側のレンズよりも長くなるようにレンズ88L、88Rの液晶シャッターの開閉タイミングの制御を行う。
【0064】
次に、本実施の形態に係る放射線撮影システム5の作用について説明する。
【0065】
放射線画像のステレオ撮影を行なう場合、放射線撮影装置10は、操作パネル44に対して曝射条件や姿勢情報が入力される。
【0066】
放射線撮影装置10は、姿勢情報で指定された撮影姿勢がCC撮影の場合、図2に示すように、撮影面20が上方を向いた状態に保持部28の姿勢を調整すると共に放射線照射部24が撮影面20に対して上方に位置する状態に支持部29の姿勢を調整し、姿勢情報で指定された撮影姿勢がMLO撮影の場合、図3に示すように、撮影台22を45°以上90°未満回転させた状態に保持部28の姿勢を調整すると共に放射線照射部24が撮影面20に対して上方に位置する状態に支持部29の姿勢を調整する。
【0067】
放射線撮影装置10では、各被験者Wの左右の乳房Nに対して個別にステレオ撮影を行う。
【0068】
被験者Wは、撮影を行う際、放射線撮影装置10の撮影面20に左右何れか一方の乳房Nを当接させる。放射線撮影装置10は、この状態で操作パネル44に対して圧迫開始の操作指示が行なわれると、圧迫板26が撮影面20に向けて移動する。圧迫板26が乳房Nに当接して更に押圧し、圧迫板26の押圧力が設定押圧力に到達すると、撮像装置制御部46の制御により圧迫板26の移動が停止する。
【0069】
本実施形態に係る放射線撮影装置10は、この状態で操作パネル44に対して曝射開始の操作指示が行なわれると、図2及び図3に示すように、支持部29のみを回動させて放射線照射部24を円弧状に移動させて、図8に示すように、撮影面20に対して所定のなす角θ(例えば、10°)で放射線照射部24の放射線源30から放射線を個別に照射する。このなす角θは、固定値としてもよく、また、例えば、撮影対象部位や観察する病変部、撮影対象部位の厚さなど応じて変更するようにしてもよい。放射線照射部24から個別に照射された放射線は、それぞれ乳房Nを透過した後に放射線検出器42に到達する。
【0070】
放射線検出器42は、放射線が照射されると、照射された放射線画像を示す画像情報をそれぞれ撮像装置制御部46へ出力する。
【0071】
撮像装置制御部46は、撮影された2つの放射線画像を示す画像情報や放射線画像を撮影する際の曝射条件を関連付けて通信により画像処理装置50へ送信する。
【0072】
画像処理装置50は、画像情報や曝射条件を通信I/F部72で受信することにより、撮影された2つの放射線画像を示す画像情報をそれぞれ取得する。画像処理装置50は、受信した各画像情報に対してシェーディング補正などの各種の画像補正処理を行ない、補正後の2つの放射線画像を曝射条件等と関連付けて1回の撮影で得られた撮影情報としてHDD66に記憶する。
【0073】
画像処理装置50は、HDD66に記憶された撮影情報に基づいて乳房Nの放射線画像を立体視可能に表示させることが可能とされている。画像処理装置50は、操作入力部54に対して画像表示開始の所定の操作指示が行なわれると、撮影された2つの放射線画像の一方を右目用画像とし、他方を左目用画像として、時分割で交互に表示部82に表示する。この表示の際に、送信部86は、赤外線等により右目用画像と左目用画像を表示する同期タイミングを送信する。
【0074】
ユーザ(読影者)は、メガネ85をかけて表示装置80の表示部82を見る。また、この際、ユーザは、右目が利き目である場合、切替操作部89のボタン89Aを指定し、左目が利き目である場合、切替操作部89のボタン89Bを指定する。
【0075】
制御部92は、受信部90により受信される同期タイミングに同期してレンズ88L、88Rの液晶シャッターを交互に開閉させて表示部82に表示される右目用画像と左目用画像を右目と左目に分けて透過させる。また、制御部92は、切替操作部89のボタン89A、89Bに対する指定に基づいて利き目を把握し、非利き目側のレンズの時間分割のタイミングに同期した画像の透過時間が、利き目側のレンズよりも長くなるようにレンズ88L、88Rの液晶シャッターの開閉タイミングを制御しており、本実施の形態では、利き目側のレンズ88よりも非利き目側のレンズ88での画像の透過時間を5%長くしている。
【0076】
図9には、表示部82に時分割で交互に表示される右目用画像と左目用画像の表示タイミングとレンズ88L、88Rによる画像の透過時間の一例が示されている。なお、図9では、利き目が右目と指定されたものとしている。
【0077】
同図に示すように、表示部82には、右目用画像と左目用画像が所定周期Tで交互に表示される。
【0078】
一方、メガネ85では、利き目側である右目のレンズ88Rでの画像の透過時間t1を左目のレンズ88Lの透過時間t2よりも短くして、レンズ88Rよりもレンズ88Lでの画像の透過時間を5%長くしている。
【0079】
ユーザは、メガネ85をかけて表示装置80の表示部82に表示される右目用と左目用の放射線画像を右目と左目で別々に視認することにより、3次元画像を見ることができる。
【0080】
また、本実施の形態では、利き目側のレンズ88よりも非利き目側のレンズ88の画像の透過時間を長くしているため、右目と左目で個別に画像を視認させて立体視を行なう場合でも非利き目側の画像の視認性を向上させることができる。
【0081】
ここで、ステレオ撮影された放射線画像では、他の部位の影となって利き目側よりも非利き目側の画像に病変部がより鮮明に写る場合がある。このため、非利き目側の画像の視認性を向上させることにより、病変部を発見しやすくなる。
【0082】
また、本実施の形態では、複数のユーザがそれぞれメガネ85をかけて3次元画像を見る場合でも、各ユーザがメガネ85の切替操作部89で利き目を指定できるため、複数のユーザの利き目が異なる場合でも非利き目側の画像の視認性を向上させることができる。
【0083】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。
【0084】
第2の実施の形態に係る放射線撮影装置10、放射線撮影システム5の構成は、上記第1の実施の形態(図1〜5参照)と同一であるので、ここでの説明は省略する。
【0085】
本実施の形態に係る画像処理装置50は、操作入力部54により利き目に関する情報の入力を受付けるものとされており、操作入力部54で受け付けられた利き目側の画像よりも非利き目側の画像の表示時間が長くなるように画像の切り替えタイミングを制御しており、本実施の形態では、利き目側の画像よりも非利き目側の画像の表示時間を5%長くしている。
【0086】
一方、本実施の形態に係るメガネ85は、第1の実施の形態で説明した切替操作部89が設けられておらず、送信部86から送信される同期タイミングに同期して左右のレンズ88L、88Rの液晶シャッターが交互に開閉する。
【0087】
図10には、表示部82に時分割で交互に表示される右目用画像と左目用画像の表示タイミングとレンズ88L、88Rによる画像の透過時間の一例が示されている。なお、図10では、利き目が右目と指定されたものとしている。
【0088】
同図に示すように、表示部82には、所定周期Tで交互に右目用画像と左目用画像が表示させており、また、利き目側である右目用画像の表示時間t3を左目用画像の表示時間t4よりも短くして、右目用画像よりも左目用画像の表示時間を5%長くしている。なお、右目及び左目用画像を表示しない無表示期間は、例えば、表示部82を黒又はグレーの単一色とする。
【0089】
一方、メガネ85では、送信部86から送信される同期タイミングに同期して所定周期Tでレンズ88L、88Rが交互に開閉して右目用画像と左目用画像を透過させる。
【0090】
ユーザは、メガネ85をかけて表示装置80の表示部82に表示される右目用と左目用の放射線画像を右目と左目で別々に視認することにより、3次元画像を見ることができる。
【0091】
また、本実施の形態では、利き目側である右目用画像よりも非利き目側である左目用画像の表示時間を長くしているため、右目と左目で個別に画像を視認させて立体視を行なう場合でも非利き目側の画像の視認性を向上させることができ、病変部を発見しやすくなる。
【0092】
なお、上記各実施の形態では、マンモグラフィにより撮影された放射線画像に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、3Dテレビ等に適用してもよい。
【0093】
また、上記各実施の形態では、非利き目側の画像の視認性を向上させるため、第1の実施の形態では、利き目側のレンズ88よりも非利き目側のレンズ88での画像の透過時間を5%長くし、第2の実施の形態では、利き目側の画像よりも非利き目側の画像の表示時間を5%長くする場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。利き目側と非利き目側の差を5%以上としてもよい。また、利き目側と非利き目側の差を調整可能としてもよい。例えば、第1の実施の形態の場合、メガネ85が切替操作部89のボタン89A、89Bにおいて、利き目に関する情報の入力を受付ける利目受付モードと、画像の透過時間の調整指示を受け付ける調整指示受付モードを有するようにして、ボタン89A、89Bからの調整指示に従い、利き目側及び非利き目側の少なくとも一方のレンズ88の透過時間を変更するようにしてもよい。モードの切り替えは、例えば、画像が表示されてから所定期間経過するまで利目受付モードとし、それ以降、調整指示受付モードで動作するものとしてもよく、また、ボタン89A、89Bを同時に両方押下することによりモードの切り替えを行うようにしてもよい。第2の実施の形態の場合、操作入力部54で利き目側の画像よりも非利き目側の画像の表示時間の調整指示に受け付け可能として、受け付けた調整指示に従い、利き目側及び非利き目側の少なくとも一方の画像の表示時間を変更するようにしてもよい。
【0094】
また、上記第1の実施の形態では、切替操作部89で利き目に関する情報の入力を受付けるものとしたが、画像処理装置50の操作入力部54で利き目に関する情報の入力を受付け、画像処理装置50が利き目に関する情報をメガネ85へ通知する構成としてもよい。
【0095】
また、上記第2の実施の形態では、右目用画像と左目用画像を所定周期Tで交互に表示部82に表示可能として、周期T内での利き目側の画像の表示時間を短縮した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図11に示すように、右目用画像と左目用画像を交互に表示する周期自体を変えて、利き目(ここでは、右目)側の周期T1<非利き目(ここでは、左目)側の周期T2としてもよい。
【0096】
また、上記各実施の形態では、ユーザが入力を行うことにより、利き目に関する情報を取得する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、利き目の検出を行って利き目に関する情報を取得するようにしてもよい。
【0097】
その他、上記各実施の形態で説明した放射線撮影システム5、放射線撮影装置10、画像処理装置50、及び表示装置80の構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0098】
50 画像処理装置
52 ディスプレイ
60 CPU
70 操作入力検出部
80 表示装置
82 表示部
85 メガネ
88、88R、88L レンズ
89 切替操作部
89A、89B ボタン
92 制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、立体視用メガネ、表示装置、及び立体視システムに係り、特に2つの画像を右目と左目で個別に視認させて立体視を行う立体視用メガネ、表示装置、及び立体視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療診断を目的とした放射線撮影を行なう放射線撮影装置が知られている。この種の放射線撮影装置として、例えば、乳がんの早期発見などを目的として被験者の乳房を撮影するマンモグラフィが挙げられる。
【0003】
ところで、放射線撮影装置による撮影によって得られる放射線画像は、2次元画像であるため、病変等の立体的分布が判断しずらい。
【0004】
そこで、診断精度を向上させる技術として被験者の撮影対象部位に対して所定の視差角で放射線を2回照射して放射線画像を撮影するステレオ撮影を行い、撮影された2つの放射線画像を読影者の右目と左目で個別に視認させて立体視を行う方法が提案されている。
【0005】
ところで、人には利き目があり、右目と左目で個別に画像を視認させて立体視を行なう場合でも利き目側の画像を優先的に見てしまう。
【0006】
このような視覚の特性を利用した技術として、特許文献1には、右目用と左目用に個別に表示部が設けられ、電源として電池を用いて頭部装着型ディスプレイにおいて、電源容量が残り少なくなったときに利き目側のみを表示させる技術が記載されている。
【0007】
また、特許文献2には、二次元画像と当該二次元画像を変換した変換画像を観察者の左右で見ることにより立体映像を表示する表示装置において、利き目側に二次元画像を表示させ、非利き目側に変換画像を表示させる技術が記載されている。
【0008】
また、特許文献3には、利き目画像を基準にして非利き目(反利き目)画像を適切な位置に調整して3次元画像を再生する技術が記載されている。
【0009】
さらに、特許文献4には、偏光フィルタを用いた立体表示装置において利き目側の画像を基準画像とする点が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平08−179275号公報
【特許文献2】特開2009−33538号公報
【特許文献3】特開2008−294530号公報
【特許文献4】特開2003−284098号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上記特許文献1〜特許文献4は、利き目側で画像を優先的に認識させる技術であり、非利き目側での画像の視認性が低下する。
【0012】
このように非利き目側の画像の視認性が低下した場合、非利き目側の画像に含まれる情報がユーザに認識されない場合がある。
【0013】
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、非利き目側の画像の視認性を向上させた立体視用メガネ、表示装置、及び立体視システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明の立体視用メガネは、各々シャッターが設けられ、当該シャッターにより画像の透過、非透過を切り替え可能な1組のレンズと、利き目を示す利目情報を取得する取得手段と、表示手段に時間分割で交互に表示される右目用画像と左目用画像を、当該時間分割に同期して前記シャッターを開閉させて右目と左目に分けて透過させると共に、画像の透過時間が前記利目情報により示される利き目側のレンズよりも非利き目側のレンズで長くなるように前記シャッターを制御するシャッター制御手段と、を備えている。
【0015】
請求項1に記載の発明によれば、1組のレンズの各々にシャッターが設けられ、当該シャッターにより画像の透過、非透過を切り替え可能とされており、取得手段により、利き目を示す利目情報が取得され、シャッター制御手段により、表示手段に時間分割で交互に表示される右目用画像と左目用画像を、当該時間分割に同期して前記シャッターを開閉させて右目と左目に分けて透過させると共に、画像の透過時間が前記利目情報により示される利き目側のレンズよりも非利き目側のレンズで長くなるように前記シャッターが制御される。
【0016】
このように、時間分割で交互に表示される右目用画像と左目用画像を、当該時間分割に同期してシャッターを開閉させる1組のレンズにより右目と左目に分けて透過させており、利き目を示す利目情報を取得し、1組のレンズの利き目側のレンズよりも非利き目側のレンズで画像の透過時間を長くなるように制御するので、非利き目側の画像の視認性を向上させることができる。
【0017】
なお、請求項1記載の発明は、請求項2に記載の発明のように、前記シャッター制御手段が、利き目側のレンズよりも非利き目側のレンズの画像の透過時間を5%以上長くすることが好ましい。
【0018】
また、請求項1又は請求項2記載の発明は、請求項3に記載の発明のように、画像の透過時間の調整指示を受け付ける受付手段をさらに備え、前記シャッター制御手段が、利き目側のレンズよりも非利き目側のレンズの画像の透過時間を長く維持しつつ、前記受付手段により受け付けた調整指示に従い、利き目側及び非利き目側の少なくとも一方のレンズの透過時間を変更する制御を行ってもよい。
【0019】
一方、上記目的を達成するために、請求項4に記載の発明の表示装置は、画像を表示可能な表示手段と、利き目を示す利目情報を取得する取得手段と、右目用画像と左目用画像を交互に時間分割で前記表示手段に表示させると共に、画像の表示時間が前記利目情報により示される利き目側よりも非利き目側で長くなるように前記表示手段を制御する表示制御手段と、を備えている。
【0020】
請求項4に記載の発明によれば、表示手段に画像が表示可能とされており、取得手段により、利き目を示す利目情報が取得され、表示制御手段により、右目用画像と左目用画像を交互に時間分割で前記表示手段に表示させると共に、画像の表示時間が前記利目情報により示される利き目側よりも非利き目側で長くなるように前記表示手段が制御される。
【0021】
このように、右目用画像と左目用画像を交互に時間分割で表示しており、利き目を示す利目情報を取得し、利き目側の画像よりも非利き目側の画像で画像の表示時間が長くなるように制御するので、非利き目側の画像の視認性を向上させることができる。
【0022】
なお、請求項4記載の発明は、請求項5に記載の発明のように、前記表示制御手段が、利き目側の画像よりも非利き目側の画像の表示時間を5%以上長くすることが好ましい。
【0023】
また、請求項4又は請求項5記載の発明は、請求項6に記載の発明のように、画像の表示時間の調整指示を受け付ける受付手段をさらに備え、前記表示制御手段が、利き目側の画像よりも非利き目側の画像の表示時間を長く維持しつつ、前記受付手段により受け付けた調整指示に従い、利き目側及び非利き目側の少なくとも一方の画像の表示時間を変更する制御を行ってもよい。
【0024】
一方、上記目的を達成するために、請求項7に記載の発明の立体視システムは、請求項4〜請求項6の何れか1項記載の表示装置と、前記表示装置の表示手段に時間分割で交互に表示される右目用画像と左目用画像を、当該時間分割に同期してシャッターを開閉させて右目と左目に分けて透過させる1組のレンズを備えた立体視用メガネと、を有している。
【0025】
よって、請求項7記載の発明は、請求項4記載の発明と同様に作用するので、請求項4記載の発明と同様に、非利き目側の画像の視認性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、非利き目側の画像の視認性を向上させることができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】実施の形態に係る撮像装置の構成を示す平面図である。
【図2】実施の形態に係る撮像装置のCC撮影時における構成を示す斜視図である。
【図3】実施の形態に係る撮像装置のMLO撮影時における構成を示す斜視図である。
【図4】実施の形態に係る撮影台の概略構成を示す構成図である。
【図5】実施の形態に係る放射線撮影システムの構成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態に係る表示装置の構成を示す斜視図である。
【図7】実施の形態に係るメガネの構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態に係る撮影時の放射線照射部と撮影台の位置関係を示す図である。
【図9】第1の実施の形態に係る表示部に表示される画像とレンズの画像の透過時間の関係を示すタイミングチャートである。
【図10】第2の実施の形態に係る表示部に表示される画像とレンズの画像の透過時間の関係を示すタイミングチャートである。
【図11】他の形態に係る表示部に表示される画像とレンズの画像の透過時間の関係を示すタイミングチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、図面を参照して乳房のステレオ撮影を行い、撮影した放射線画像のステレオ表示を行なう放射線撮影システムに本発明を適用した場合について説明する。
【0029】
最初に、図1〜図3を参照して放射線画像を撮影する放射線撮影装置10について説明する。
【0030】
本実施の形態に係る放射線撮影装置10は、被験者が立った立位状態において、その被験者Wの乳房Nを放射線(例えば、X線)により撮影する装置であり、例えば、マンモグラフィと称される。なお、以下では、撮影の際に放射線撮影装置10に被験者Wが対面した場合の被験者Wに近い手前側を放射線撮影装置10の装置前方側とし、放射線撮影装置10に被験者Wが対面した場合の被験者Wから離れた奥側を放射線撮影装置10の装置後方側とし、放射線撮影装置10に被験者Wが対面した場合の被験者Wの左右方向を放射線撮影装置10の装置左右方向として説明する(図2の矢印参照)。
【0031】
放射線撮影装置10は、図1に示すように、装置前方側に設けられた側面視略C字状(コの字状)の測定部12と、測定部12を装置後方側から支える基台部14と、を備えている。
【0032】
測定部12は、図1及び図2に示すように、立位状態にある被験者Wの乳房Nに当接する平面状の撮影面20が形成された撮影台22と、乳房Nを撮影面20に押し付ける圧迫板26と、撮影台22と圧迫板26とを保持する保持部28と、を備えている。
【0033】
また、測定部12は、管球などの放射線源30(図5参照。)が設けられその放射線源30から撮影面20に向けて放射線を照射する放射線照射部24と、保持部28とは分離され放射線照射部24を支持する支持部29とを備えている。
【0034】
測定部12には、基台部14に回動可能に支えられている回動軸16が設けられている。回動軸16は、支持部29に対して固定されており、回動軸16と支持部29は一体に回動するようになっている。
【0035】
保持部28に対しては、回動軸16が連結されて一体に回動する状態と、回動軸16が分離されて空転する状態とに切り替え可能とされている。具体的には、回動軸16及び保持部28にそれぞれギアが設けられ、このギア同士の噛合状態・非噛合状態を切替えるようになっている。
【0036】
なお、回動軸16の回動力の伝達・非伝達の切替えは、種々の機械要素を用いることができる。
【0037】
保持部28は、撮影面20と放射線照射部24とが所定間隔離れるように撮影台22と放射線照射部24とを保持するとともに、圧迫板26と撮影面20との間隔が可変であるように圧迫板26をスライド移動可能に保持している。
【0038】
本実施形態に係る放射線撮影装置10は、少なくとも、乳房NをCC撮影(頭尾方向の撮影)とMLO撮影(内外斜位方向の撮影)との両者を行うことができる装置とされている。図1及び図2は、CC撮影時における放射線撮影装置10の姿勢を示し、図3は、撮影装置のMLO撮影時における放射線撮影装置10の姿勢を示している。
【0039】
図1に示すように、CC撮影時においては、撮影面20が上方を向いた状態に保持部28の姿勢が調整されると共に、放射線照射部24が撮影面20に対して上方に位置する状態に支持部29の姿勢が調整される。これにより、立位状態の被験者Wの頭側から足側に向かって、放射線照射部24から乳房Nへ放射線が照射されて、CC撮影(頭尾方向の撮影)がなされる。
【0040】
また、MLO撮影時では、図3に示すように、一般的に、CC撮影時に比べて撮影台22を45°以上90°未満回転させた状態に保持部28の姿勢が調整され、撮影台22の装置前方側の側壁角部22Aに被験者Wの腋窩を当てるようにポジショニングされる。これにより、被験者Wの胴体の軸中心側から外側へ向かって、放射線照射部24から乳房Nへ放射線が照射されて、MLO撮影(内外斜位方向の撮影)がなされる。
【0041】
放射線撮影装置10では、図2、図3に示すように、ステレオ撮影を行う場合、保持部28に対して回動軸16が空転して撮影台22と圧迫板26が動かず、支持部29が回動することにより放射線照射部24のみが円弧状に移動する。
【0042】
このように、放射線照射部24のみを回動させることにより、撮影面20に対して様々な角度に放射線照射部24を位置させることが可能となり、撮影面20に対して正対する正面方向を含む様々な方向から放射線を照射することができる。
【0043】
図4には、本実施の形態に係る撮影台22の概略構成が示されている。
【0044】
同図に示すように、撮影台22は、撮影の際に乳房Nが配置される撮影面20が形成された天板23と、天板23と対向するようにセンサ面42Aが配置され、当該センサ面42Aで受像された放射線を直接デジタルデータに変換するFPD(Flat Panel Detector)等の放射線検出器42と、センサ面42Aの天板23側に配置され、放射線が乳房Nを透過した際に発生する当該放射線の散乱成分を除去するグリッド40と、センサ面42Aと並んだ平面内でグリッド40を往復移動させる移動機構43と、を備えている。
【0045】
グリッド40は、放射線の吸収率が大きい吸収部(所謂はく)と放射線の吸収率が小さい透過部とが所定のピッチで交互に設けられており、乳房N内で散乱してグリッド40に斜めに入射した放射線を吸収部で吸収することにより散乱線を除去する。
【0046】
放射線照射部24から放射された放射線は、乳房Nを透過しさらにグリッド40を透過して放射線検出器42に到達する。放射線検出器42は、センサ面42Aに放射線に対して感度を有する複数のセンサ部が2次元状に設けられ、当該センサ面42Aで受像された放射線画像を撮像する。
【0047】
移動機構43は、モータが内蔵されており、モータの駆動力によりグリッド40をセンサ面42Aに対して水平方向に往復移動させものとされており、また、グリッド40を往復移動させる周期を変更させることが可能とされている。なお、グリッド40を往復移動させる駆動源としては、圧電素子等の他の駆動手段を用いてもよい。
【0048】
図5には、本実施の形態に係る放射線撮影システム5の詳細な構成を示すブロック図が示されている。
【0049】
放射線撮影システム5は、上述した放射線撮影装置10と、ステレオ撮影した放射線画像に対して所定の画像処理を行う画像処理装置50と、画像処理された放射線画像を立体視可能に表示するための表示装置80と、を備えている。
【0050】
放射線撮影装置10は、曝射条件、姿勢情報などの各種の操作情報や各種の操作指示が入力される操作パネル44と、装置全体の動作を制御する撮像装置制御部46と、LAN等のネットワーク56に接続され、当該ネットワーク56に接続された他の機器との間で各種情報を送受信する通信I/F部48と、さらにを備えている。
【0051】
撮像装置制御部46は、CPU、ROM及びRAMを含むメモリ、HDDやフラッシュメモリ等から成る不揮発性の記憶部を備えている。撮像装置制御部46は、放射線照射部24、放射線検出器42、移動機構43、操作パネル44、及び通信I/F部48と接続されている。従って、撮像装置制御部46は、放射線照射部24からの放射線の放射の制御と、放射線検出器42の撮影動作の制御と、移動機構43を介したグリッド40の往復移動の動作の制御と、通信I/F部48を介した他の機器との各種情報を送受信の制御を各々行える。また、撮像装置制御部46は、操作パネル44に対して入力された操作指示の把握することができる。
【0052】
操作パネル44で指定される曝射条件には、管電圧、管電流、照射時間等の情報が含まれており、姿勢情報には、撮影姿勢がCC撮影かMLO撮影かを表す情報が含まれている。なお、この曝射条件、姿勢情報などの各種の操作情報や各種の操作指示は、他の制御装置から得るようにしてもよい。
【0053】
一方、画像処理装置50は、サーバ・コンピュータとして構成されており、操作メニューや各種情報等を表示するディスプレイ52と、複数のキーを含んで構成され、各種情報や操作指示が入力される操作入力部54と、を備えている。
【0054】
また、画像処理装置50は、装置全体の動作を司るCPU60と、制御プログラムを含む各種プログラム等が予め記憶されたROM62と、各種データを一時的に記憶するRAM64と、各種データを記憶して保持するHDD66と、ディスプレイ52への各種情報の表示を制御するディスプレイドライバ68と、操作入力部54に対する操作状態を検出する操作入力検出部70と、ネットワーク56を介して放射線撮影装置10に接続され、放射線撮影装置10との間で各種情報の送受信を行う通信I/F部72と、ディスプレイケーブル58を介して表示装置80に対して画像信号を出力する画像信号出力部74と、を備えている。
【0055】
CPU60、ROM62、RAM64、HDD66、ディスプレイドライバ68、操作入力検出部70、通信I/F部72、及び画像信号出力部74は、システムバスBUSを介して相互に接続されている。従って、CPU60は、ROM62、RAM64、HDD66へのアクセスを行うことができる。また、CPU60は、ディスプレイドライバ68を介したディスプレイ52への各種情報の表示の制御、通信I/F部72を介した放射線撮影装置10との各種情報の送受信の制御、及び画像信号出力部74を介した表示装置80に表示される画像の制御、を行うことができる。さらに、CPU60は、操作入力検出部70を介して操作入力部54に対するユーザの操作状態を把握することができる。
【0056】
図6には、本実施の形態に係る表示装置80の構成の一例が示されている。
【0057】
同図に示すように、表示装置80は、シャッタ方式(フレームシーケンシャル方式)で表示を行うものとされており、画像を表示可能とされ、右目用画像と左目用画像を時分割で交互に表示する表示部82と、赤外線等により時分割で右目用画像と左目用画像を表示する同期タイミングをメガネ85へ送信するための送信部86が設けられている。
【0058】
メガネ85は、各々液晶シャッターが内蔵され、当該シャッターにより画像の透過、非透過を切り替え可能な一対のレンズ88を備えており、送信部86から送信される同期タイミングに同期して左右のレンズ88の液晶シャッターが交互に開閉する。なお、以下、一対のレンズ88の区別する場合、右目用のレンズ88をレンズ88Rと記載し、左目用のレンズ88をレンズ88Lと記載する。
【0059】
ユーザは、メガネ85をかけて表示部82を見ることにより、表示部82に表示される画像を3次元画像として立体視することができる。
【0060】
また、本実施の形態に係るメガネ85には、利き目に関する情報の入力を受付ける切替操作部89が設けられている。切替操作部89には、右目が利き目であることを指定するボタン89Aと、右目が利き目であることを指定するボタン89Bが設けられている。
【0061】
図7には、本実施の形態に係るメガネ85の概略構成を示すブロック図が示されている。
【0062】
メガネ85は、送信部86から送信される同期タイミングを受信する受信部90と、レンズ88L、88Rの液晶シャッターの切り替え制御を行う制御部92と、を備えている。
【0063】
制御部92は、はマイクロコンピュータによって構成されており、CPU、ROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含むメモリ、フラッシュメモリ等からなる不揮発性の記憶部を備えている。制御部92は、切替操作部89と接続されている。制御部92は、切替操作部89に設けられたボタン89A、89Bに対する指定操作からユーザの利き目を把握し、非利き目側のレンズの時間分割のタイミングに同期して画像を透過させる透過時間が、利き目側のレンズよりも長くなるようにレンズ88L、88Rの液晶シャッターの開閉タイミングの制御を行う。
【0064】
次に、本実施の形態に係る放射線撮影システム5の作用について説明する。
【0065】
放射線画像のステレオ撮影を行なう場合、放射線撮影装置10は、操作パネル44に対して曝射条件や姿勢情報が入力される。
【0066】
放射線撮影装置10は、姿勢情報で指定された撮影姿勢がCC撮影の場合、図2に示すように、撮影面20が上方を向いた状態に保持部28の姿勢を調整すると共に放射線照射部24が撮影面20に対して上方に位置する状態に支持部29の姿勢を調整し、姿勢情報で指定された撮影姿勢がMLO撮影の場合、図3に示すように、撮影台22を45°以上90°未満回転させた状態に保持部28の姿勢を調整すると共に放射線照射部24が撮影面20に対して上方に位置する状態に支持部29の姿勢を調整する。
【0067】
放射線撮影装置10では、各被験者Wの左右の乳房Nに対して個別にステレオ撮影を行う。
【0068】
被験者Wは、撮影を行う際、放射線撮影装置10の撮影面20に左右何れか一方の乳房Nを当接させる。放射線撮影装置10は、この状態で操作パネル44に対して圧迫開始の操作指示が行なわれると、圧迫板26が撮影面20に向けて移動する。圧迫板26が乳房Nに当接して更に押圧し、圧迫板26の押圧力が設定押圧力に到達すると、撮像装置制御部46の制御により圧迫板26の移動が停止する。
【0069】
本実施形態に係る放射線撮影装置10は、この状態で操作パネル44に対して曝射開始の操作指示が行なわれると、図2及び図3に示すように、支持部29のみを回動させて放射線照射部24を円弧状に移動させて、図8に示すように、撮影面20に対して所定のなす角θ(例えば、10°)で放射線照射部24の放射線源30から放射線を個別に照射する。このなす角θは、固定値としてもよく、また、例えば、撮影対象部位や観察する病変部、撮影対象部位の厚さなど応じて変更するようにしてもよい。放射線照射部24から個別に照射された放射線は、それぞれ乳房Nを透過した後に放射線検出器42に到達する。
【0070】
放射線検出器42は、放射線が照射されると、照射された放射線画像を示す画像情報をそれぞれ撮像装置制御部46へ出力する。
【0071】
撮像装置制御部46は、撮影された2つの放射線画像を示す画像情報や放射線画像を撮影する際の曝射条件を関連付けて通信により画像処理装置50へ送信する。
【0072】
画像処理装置50は、画像情報や曝射条件を通信I/F部72で受信することにより、撮影された2つの放射線画像を示す画像情報をそれぞれ取得する。画像処理装置50は、受信した各画像情報に対してシェーディング補正などの各種の画像補正処理を行ない、補正後の2つの放射線画像を曝射条件等と関連付けて1回の撮影で得られた撮影情報としてHDD66に記憶する。
【0073】
画像処理装置50は、HDD66に記憶された撮影情報に基づいて乳房Nの放射線画像を立体視可能に表示させることが可能とされている。画像処理装置50は、操作入力部54に対して画像表示開始の所定の操作指示が行なわれると、撮影された2つの放射線画像の一方を右目用画像とし、他方を左目用画像として、時分割で交互に表示部82に表示する。この表示の際に、送信部86は、赤外線等により右目用画像と左目用画像を表示する同期タイミングを送信する。
【0074】
ユーザ(読影者)は、メガネ85をかけて表示装置80の表示部82を見る。また、この際、ユーザは、右目が利き目である場合、切替操作部89のボタン89Aを指定し、左目が利き目である場合、切替操作部89のボタン89Bを指定する。
【0075】
制御部92は、受信部90により受信される同期タイミングに同期してレンズ88L、88Rの液晶シャッターを交互に開閉させて表示部82に表示される右目用画像と左目用画像を右目と左目に分けて透過させる。また、制御部92は、切替操作部89のボタン89A、89Bに対する指定に基づいて利き目を把握し、非利き目側のレンズの時間分割のタイミングに同期した画像の透過時間が、利き目側のレンズよりも長くなるようにレンズ88L、88Rの液晶シャッターの開閉タイミングを制御しており、本実施の形態では、利き目側のレンズ88よりも非利き目側のレンズ88での画像の透過時間を5%長くしている。
【0076】
図9には、表示部82に時分割で交互に表示される右目用画像と左目用画像の表示タイミングとレンズ88L、88Rによる画像の透過時間の一例が示されている。なお、図9では、利き目が右目と指定されたものとしている。
【0077】
同図に示すように、表示部82には、右目用画像と左目用画像が所定周期Tで交互に表示される。
【0078】
一方、メガネ85では、利き目側である右目のレンズ88Rでの画像の透過時間t1を左目のレンズ88Lの透過時間t2よりも短くして、レンズ88Rよりもレンズ88Lでの画像の透過時間を5%長くしている。
【0079】
ユーザは、メガネ85をかけて表示装置80の表示部82に表示される右目用と左目用の放射線画像を右目と左目で別々に視認することにより、3次元画像を見ることができる。
【0080】
また、本実施の形態では、利き目側のレンズ88よりも非利き目側のレンズ88の画像の透過時間を長くしているため、右目と左目で個別に画像を視認させて立体視を行なう場合でも非利き目側の画像の視認性を向上させることができる。
【0081】
ここで、ステレオ撮影された放射線画像では、他の部位の影となって利き目側よりも非利き目側の画像に病変部がより鮮明に写る場合がある。このため、非利き目側の画像の視認性を向上させることにより、病変部を発見しやすくなる。
【0082】
また、本実施の形態では、複数のユーザがそれぞれメガネ85をかけて3次元画像を見る場合でも、各ユーザがメガネ85の切替操作部89で利き目を指定できるため、複数のユーザの利き目が異なる場合でも非利き目側の画像の視認性を向上させることができる。
【0083】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態について説明する。
【0084】
第2の実施の形態に係る放射線撮影装置10、放射線撮影システム5の構成は、上記第1の実施の形態(図1〜5参照)と同一であるので、ここでの説明は省略する。
【0085】
本実施の形態に係る画像処理装置50は、操作入力部54により利き目に関する情報の入力を受付けるものとされており、操作入力部54で受け付けられた利き目側の画像よりも非利き目側の画像の表示時間が長くなるように画像の切り替えタイミングを制御しており、本実施の形態では、利き目側の画像よりも非利き目側の画像の表示時間を5%長くしている。
【0086】
一方、本実施の形態に係るメガネ85は、第1の実施の形態で説明した切替操作部89が設けられておらず、送信部86から送信される同期タイミングに同期して左右のレンズ88L、88Rの液晶シャッターが交互に開閉する。
【0087】
図10には、表示部82に時分割で交互に表示される右目用画像と左目用画像の表示タイミングとレンズ88L、88Rによる画像の透過時間の一例が示されている。なお、図10では、利き目が右目と指定されたものとしている。
【0088】
同図に示すように、表示部82には、所定周期Tで交互に右目用画像と左目用画像が表示させており、また、利き目側である右目用画像の表示時間t3を左目用画像の表示時間t4よりも短くして、右目用画像よりも左目用画像の表示時間を5%長くしている。なお、右目及び左目用画像を表示しない無表示期間は、例えば、表示部82を黒又はグレーの単一色とする。
【0089】
一方、メガネ85では、送信部86から送信される同期タイミングに同期して所定周期Tでレンズ88L、88Rが交互に開閉して右目用画像と左目用画像を透過させる。
【0090】
ユーザは、メガネ85をかけて表示装置80の表示部82に表示される右目用と左目用の放射線画像を右目と左目で別々に視認することにより、3次元画像を見ることができる。
【0091】
また、本実施の形態では、利き目側である右目用画像よりも非利き目側である左目用画像の表示時間を長くしているため、右目と左目で個別に画像を視認させて立体視を行なう場合でも非利き目側の画像の視認性を向上させることができ、病変部を発見しやすくなる。
【0092】
なお、上記各実施の形態では、マンモグラフィにより撮影された放射線画像に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、3Dテレビ等に適用してもよい。
【0093】
また、上記各実施の形態では、非利き目側の画像の視認性を向上させるため、第1の実施の形態では、利き目側のレンズ88よりも非利き目側のレンズ88での画像の透過時間を5%長くし、第2の実施の形態では、利き目側の画像よりも非利き目側の画像の表示時間を5%長くする場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。利き目側と非利き目側の差を5%以上としてもよい。また、利き目側と非利き目側の差を調整可能としてもよい。例えば、第1の実施の形態の場合、メガネ85が切替操作部89のボタン89A、89Bにおいて、利き目に関する情報の入力を受付ける利目受付モードと、画像の透過時間の調整指示を受け付ける調整指示受付モードを有するようにして、ボタン89A、89Bからの調整指示に従い、利き目側及び非利き目側の少なくとも一方のレンズ88の透過時間を変更するようにしてもよい。モードの切り替えは、例えば、画像が表示されてから所定期間経過するまで利目受付モードとし、それ以降、調整指示受付モードで動作するものとしてもよく、また、ボタン89A、89Bを同時に両方押下することによりモードの切り替えを行うようにしてもよい。第2の実施の形態の場合、操作入力部54で利き目側の画像よりも非利き目側の画像の表示時間の調整指示に受け付け可能として、受け付けた調整指示に従い、利き目側及び非利き目側の少なくとも一方の画像の表示時間を変更するようにしてもよい。
【0094】
また、上記第1の実施の形態では、切替操作部89で利き目に関する情報の入力を受付けるものとしたが、画像処理装置50の操作入力部54で利き目に関する情報の入力を受付け、画像処理装置50が利き目に関する情報をメガネ85へ通知する構成としてもよい。
【0095】
また、上記第2の実施の形態では、右目用画像と左目用画像を所定周期Tで交互に表示部82に表示可能として、周期T内での利き目側の画像の表示時間を短縮した場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、図11に示すように、右目用画像と左目用画像を交互に表示する周期自体を変えて、利き目(ここでは、右目)側の周期T1<非利き目(ここでは、左目)側の周期T2としてもよい。
【0096】
また、上記各実施の形態では、ユーザが入力を行うことにより、利き目に関する情報を取得する場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、利き目の検出を行って利き目に関する情報を取得するようにしてもよい。
【0097】
その他、上記各実施の形態で説明した放射線撮影システム5、放射線撮影装置10、画像処理装置50、及び表示装置80の構成は一例であり、本発明の主旨を逸脱しない範囲内において状況に応じて変更可能であることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0098】
50 画像処理装置
52 ディスプレイ
60 CPU
70 操作入力検出部
80 表示装置
82 表示部
85 メガネ
88、88R、88L レンズ
89 切替操作部
89A、89B ボタン
92 制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々シャッターが設けられ、当該シャッターにより画像の透過、非透過を切り替え可能な1組のレンズと、
利き目を示す利目情報を取得する取得手段と、
表示手段に時間分割で交互に表示される右目用画像と左目用画像を、当該時間分割に同期して前記シャッターを開閉させて右目と左目に分けて透過させると共に、画像の透過時間が前記利目情報により示される利き目側のレンズよりも非利き目側のレンズで長くなるように前記シャッターを制御するシャッター制御手段と、
を備えた立体視用メガネ。
【請求項2】
前記シャッター制御手段は、利き目側のレンズよりも非利き目側のレンズの画像の透過時間を5%以上長くする
請求項1記載の立体視用メガネ。
【請求項3】
画像の透過時間の調整指示を受け付ける受付手段をさらに備え、
前記シャッター制御手段は、利き目側のレンズよりも非利き目側のレンズの画像の透過時間を長く維持しつつ、前記受付手段により受け付けた調整指示に従い、利き目側及び非利き目側の少なくとも一方のレンズの透過時間を変更する制御を行う
請求項1又は請求項2記載の立体視用メガネ。
【請求項4】
画像を表示可能な表示手段と、
利き目を示す利目情報を取得する取得手段と、
右目用画像と左目用画像を交互に時間分割で前記表示手段に表示させると共に、画像の表示時間が前記利目情報により示される利き目側よりも非利き目側で長くなるように前記表示手段を制御する表示制御手段と、
を備えた表示装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、利き目側の画像よりも非利き目側の画像の表示時間を5%以上長くする
請求項4記載の表示装置。
【請求項6】
画像の表示時間の調整指示を受け付ける受付手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、利き目側の画像よりも非利き目側の画像の表示時間を長く維持しつつ、前記受付手段により受け付けた調整指示に従い、利き目側及び非利き目側の少なくとも一方の画像の表示時間を変更する制御を行う
請求項4又は請求項5記載の表示装置。
【請求項7】
請求項4〜請求項6の何れか1項記載の表示装置と、
前記表示装置の表示手段に時間分割で交互に表示される右目用画像と左目用画像を、当該時間分割に同期してシャッターを開閉させて右目と左目に分けて透過させる1組のレンズを備えた立体視用メガネと、
を有する立体視システム。
【請求項1】
各々シャッターが設けられ、当該シャッターにより画像の透過、非透過を切り替え可能な1組のレンズと、
利き目を示す利目情報を取得する取得手段と、
表示手段に時間分割で交互に表示される右目用画像と左目用画像を、当該時間分割に同期して前記シャッターを開閉させて右目と左目に分けて透過させると共に、画像の透過時間が前記利目情報により示される利き目側のレンズよりも非利き目側のレンズで長くなるように前記シャッターを制御するシャッター制御手段と、
を備えた立体視用メガネ。
【請求項2】
前記シャッター制御手段は、利き目側のレンズよりも非利き目側のレンズの画像の透過時間を5%以上長くする
請求項1記載の立体視用メガネ。
【請求項3】
画像の透過時間の調整指示を受け付ける受付手段をさらに備え、
前記シャッター制御手段は、利き目側のレンズよりも非利き目側のレンズの画像の透過時間を長く維持しつつ、前記受付手段により受け付けた調整指示に従い、利き目側及び非利き目側の少なくとも一方のレンズの透過時間を変更する制御を行う
請求項1又は請求項2記載の立体視用メガネ。
【請求項4】
画像を表示可能な表示手段と、
利き目を示す利目情報を取得する取得手段と、
右目用画像と左目用画像を交互に時間分割で前記表示手段に表示させると共に、画像の表示時間が前記利目情報により示される利き目側よりも非利き目側で長くなるように前記表示手段を制御する表示制御手段と、
を備えた表示装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、利き目側の画像よりも非利き目側の画像の表示時間を5%以上長くする
請求項4記載の表示装置。
【請求項6】
画像の表示時間の調整指示を受け付ける受付手段をさらに備え、
前記表示制御手段は、利き目側の画像よりも非利き目側の画像の表示時間を長く維持しつつ、前記受付手段により受け付けた調整指示に従い、利き目側及び非利き目側の少なくとも一方の画像の表示時間を変更する制御を行う
請求項4又は請求項5記載の表示装置。
【請求項7】
請求項4〜請求項6の何れか1項記載の表示装置と、
前記表示装置の表示手段に時間分割で交互に表示される右目用画像と左目用画像を、当該時間分割に同期してシャッターを開閉させて右目と左目に分けて透過させる1組のレンズを備えた立体視用メガネと、
を有する立体視システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−232534(P2011−232534A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−102450(P2010−102450)
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年4月27日(2010.4.27)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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