説明

端子を備えた電気装置

【課題】複数個の電気装置を梱包した場合に、保護部材を用いることなく電気装置の端子を保護でき、また、輸送効率を高める。
【解決手段】電気装置1は、直方体状に形成されたケース10と、ケース10の一面から突出する端子20とを備える。ケース10の当該一面には、2個1組で梱包される他の電気装置が備える端子が挿入可能な挿入凹所30が開設される。複数個の電気装置1を梱包するに当っては、各電気装置1をそれぞれ他の電気装置1と、互いに端子20を挿入凹所30に挿入し合うように2個1組で組み合わせ、外装箱に収納する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ケースの一面から端子が突出する電気装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
リレーや表示ランプに代表される電気装置のように、ケースの一面から端子が突出する形態の電気装置が知られている。この種の電気装置を複数個まとめて外装箱で梱包するに当っては、端子が他の電気装置に干渉して端子に負荷が加わって端子が折れ曲がらないように、端子を他の電気装置から保護する必要がある。
【0003】
図9には、図の上面が開放された箱体81aと、箱体81aの内底面から箱体81aの上下方向の中間まで突出するようにそれぞれ設けられた複数個の仕切り板82と、箱体81aに挿入されるスポンジ83が厚み方向の一面に着設された板状の蓋体81bとを用いて電気装置を梱包する構成を示している(例えば、特許文献1参照)。電気装置は、端子が仕切り板82の上端よりも上方に突出するように仕切り板82間にそれぞれ配置され、箱体81aに挿入されたスポンジ83に端子が突き刺さる。スポンジ83により端子の周囲を覆うことにより、端子を保護している。
【0004】
図10には、外装箱81と、外装箱81に収納されるトレー84とを用いて電気装置1を梱包する構成を示している。各電気装置1は、トレー84の定位置に、端子が他の電気装置1から離れるようにそれぞれ固定されている。トレー84により端子の周囲を囲うことにより端子を保護している。
【0005】
図11には、外装箱81と、外装箱81に収納される箱状のチューブ85とを用いて電気装置1を梱包する構成を示している。各電気装置1は、それぞれチューブ84に収納されている。チューブ85により端子20を囲うことにより、端子20を保護している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平7−33191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のように、スポンジ82や、トレー84や、チューブ85のような保護部材を用いて電気装置の端子を保護する構成には、保護部材の製造費が必要であるという問題がある。
【0008】
また、図9や図10や図11に示した構成では、保護部材で端子の周囲を囲うため、端子が他の電気装置から離れるようにして電気装置を梱包するから、外装箱81の容積(内部空間の体積)に対する各電気装置1が占める体積の割合が小さく、輸送効率が悪いという問題がある。
【0009】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、梱包時において保護部材を用いずに端子を保護でき、また、輸送効率を高めることができる電気装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、ケースの一面から端子が突出する電気装置であって、ケースの前記一面には、梱包の際に他の電気装置と2個1組で組み合わされたときに当該他の電気装置の端子が挿入される挿入凹所が開口していることを特徴とする。
【0011】
ケースの前記一面上における端子が設けられる位置と、挿入凹所が設けられる位置とが、ケースの前記一面に直交し当該一面の互いに平行な2つの辺のそれぞれの中点を通る面に対して対称になるように設定することが望ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の構成によれば、端子を挿入凹所に挿入し合うように他の電気装置と組み合わせるから、保護部材を用いずに端子を保護することができ、また、小さくまとめて梱包することができ、その結果、輸送効率を高めることができるという利点がある。
【0013】
また、ケースの前記一面上における前記端子が設けられる位置と、前記挿入凹所が設けられる位置とは、ケースの前記一面の対称面に対称になるように設定されるから、ケースの前記一面に交差する4つの外側面の1つが他の電気装置のケースの外側面の1つとそれぞれ同一平面上になるように他の電気装置と組み合わせることができ、2組以上(すなわち4個以上の電気装置)を梱包するに際して、ケースの外側面同士が揃うように端子の突出方向(前記一面に直交する方向)や前記外側面の1つに直交する方向や当該方向と端子の突出方向とに直交する方向に各組を並べ2組以上を小さくまとめて梱包することができ、その結果、輸送効率をさらに高めることができるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本実施形態を示す図で、(a)は側面図で、(b)は斜視図である。
【図2】同上を説明する側面図である。
【図3】同上の輸送の形態を説明する斜視図である。
【図4】同上の電磁リレーを示す図であり、(a)は正面図で、(b)は右側面図である。
【図5】同上の電磁リレーの一部の分解斜視図である。
【図6】同上の電磁リレーの一部の分解斜視図である。
【図7】同上の電磁リレーの水平断面図である。
【図8】同上の電磁リレーの垂直断面図である。
【図9】従来例の斜視図である。
【図10】他の従来例の斜視図である。
【図11】さらに他の従来例の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
本実施形態の電気装置1は、図1に示すように、直方体状に形成されたケース10と、ケース10の一面から突出する端子20とを備える。この種の電気装置1には、電磁リレーや半導体リレーなどのリレーや、表示ランプや、押釦スイッチなどがある。以下では、図1(a)の上下方向を高さ方向とし、図1(a)の左右方向を奥行き方向とし、図1(a)の前後方向を幅方向として説明する。
【0016】
端子20が設けられたケース10の一面(図1(a)における下面)には、端子20と同形状の端子が挿入可能な挿入凹所30が開設される。
【0017】
挿入凹所30は、ケース10の前記一面における挿入凹所30が設けられる位置と、端子20が設けられる位置とがケース10の前記一面の奥行き方向に沿う互いに平行な2辺のそれぞれの中点を通り且つ当該一面に直交する面に対して対称になる位置にそれぞれ設けられる。
【0018】
図示例では、4個の端子20がケース10の一面から突出し、4個の挿入凹所30がケース10の当該一面に開設されている。各端子20は、それぞれ板状に形成され、厚み方向が奥行き方向に一致する。
【0019】
挿入凹所30も、端子20に応じてケース10の前記一面に開設される。4個の挿入凹所30は、幅方向に長い矩形状にそれぞれ形成される。
【0020】
また、挿入凹所30は、深さ寸法(開口面から内底面までの寸法)が端子20のケース10の前記一面から突出する突出寸法よりも小さく設定され、奥行き方向の寸法が端子20の厚み寸法よりも大きく設定される。
【0021】
図3に示すように、複数個(図示例では8個)の電気装置1を外装箱81で梱包するに当っては、各電気装置1をそれぞれ他の1個の電気装置1と図2に示すように組み合わせる。つまり、2個の電気装置1は、一方の電気装置1のケース10の4つの側面の1つと他方の電気装置1のケース10の4つの側面の1つとがそれぞれ同一平面上になるようにケース10の側面同士を揃えられた後、端子20を挿入凹所30に互いに挿入し合うように組み合わされる。
【0022】
2個1組で組み合わされた4組の電気装置1は、幅方向と奥行き方向とにそれぞれ2列に並ぶように外装箱81に収納される。
【0023】
組み合わされた2個の電気装置1は、互いに端子20を保護し合い、その結果、スポンジや、トレーや、チューブなどの保護部材を用いずに端子20を保護することができる。
【0024】
また、2個の電気装置1をケース10の側面同士が揃うように組み合わせることにより複数個の電気装置1を小さくまとめて梱包することができ、その結果、輸送効率を高めることができる。
【0025】
上述した構成では、端子20が板状である例を説明したが、端子20をピン状に形成することもできる。
【0026】
また、上述した構成では4個の端子20をケース10に設けた例を説明したが、端子20の数は、電気装置1が電磁リレーや半導体リレーである場合など電気装置1の種類に応じて変わり、4個に限るものではない。
【0027】
以下では、電気装置1の一例として、電磁リレーを説明する。電磁リレーは、図4〜8に示すように、ケース10に接点装置40および電磁石装置50を収納し、接点装置40に電気的に接続される一対の端子21と、電磁石装置50に電気的に接続される一対の端子22との4個の端子20がケース10に設けられた構成を有する。
【0028】
ケース10は、接点装置40および電磁石装置50が載置される板状の第1ケース11と、一面が開放され開口が閉塞されるように第1ケース11に嵌着される第2ケース13とを備える。
【0029】
第1ケース11には、一対の端子21の一方がそれぞれ貫装される一対の取付孔12aと、一対の端子22の一方がそれぞれ貫装される一対の挿通孔12bとが貫設される。一対の挿通孔12aは幅方向に並設され、一対の挿通孔12bも幅方向に並設される。
【0030】
端子21、22は、それぞれ板状に形成され、厚み方向が奥行き方向に一致する。端子21と端子22とは、端子21の突出寸法が端子22の突出寸法よりも大きくなるようにそれぞれ形成される。
【0031】
また、端子22は、奥行き方向の中央部近傍に設けられる。一方、端子21は、奥行き方向の端寄り(図4(b)の左端寄り)に設けられる。端子21には、厚み方向の一面が第2ケース13の奥行き方向の側壁(図8における左壁)の内側面に当接する接続片21aが一体に設けられる。接続片21aには、後述するように接点装置40が備える固定端子42が嵌まる嵌合孔21bが貫設される。
【0032】
第1ケース11の下面には、端子21と同形状の端子が挿入可能な一対の挿入凹所31と、端子22が挿入可能な一対の挿入凹所32との4個の挿入凹所30が設けられる。第1ケース11における挿通孔12a、12bが設けられる位置と、挿入凹所31、32が設けられる位置とは、上述の端子20が設けられる位置と挿入凹所30が設けられる位置との関係と同様に設定される。
【0033】
挿入凹所31、32は、開口面が矩形状になるようにそれぞれ設けられる。また、挿入凹所31、32は、端子21の突出寸法から挿入凹所31の深さ寸法を引いた値と、端子22の突出寸法から挿入凹所32の深さ寸法を引いた値とが同じになるように、深さ寸法がそれぞれ設定される。したがって、2個の電磁リレーを、ケース10の一面(端子21、22が設けられた面)同士が互いに平行になり、ケース10の側面同士が揃うように2個の電磁リレーを組み合わせることができる。
【0034】
接点装置40と電磁石装置50とは、接点装置40を接続片21a側として奥行き方向に並設される。
【0035】
電磁石装置50は、中空円筒状の基体51aを備えたボビン51を有し、基体51aの外周面に励磁巻線52を巻装し、ボビン51に挿入された有底筒状のプランジャキャップ55に可動鉄心54を収納し、後述する継鉄板56とストッパキャップ59とを用いてプランジャキャップ55の開口側の端部に固定鉄心53を固定した構成を有する。
【0036】
基体51aは、外周面から下方に向かって突出するように設けられた取付片51bを用いて一対の端子22と結合される。取付片51bは、厚み方向が基体51aの中心軸方向(すなわち、端子22の厚み方向)に一致する。取付片51bの下端面には、例えば一対の端子22の一方がそれぞれ圧入される一対の取付孔が凹設され、端子22と結合する。一対の端子22の一方は、ボビン51に巻装された励磁巻線52の両端の一方にそれぞれ固着される。
【0037】
プランジャキャップ55は、開口側の端部がボビン51から露出し底部側の端部がボビン51に収納され、底側の端部とボビン51の内側面との間に設けられた隙間に圧入されるブッシュ61によりボビン51に固定される。
【0038】
プランジャキャップ55には、周面の開口側の端部を全周に亘って囲むリング状の鍔片55aが一体に設けられる。鍔片55aには、後述するように継鉄板56が着設される。プランジャキャップ55の内底面には、収納した可動鉄心54が当該内底面に衝突することを防止する円板状のダンパゴム62が着設される。
【0039】
可動鉄心54は、直径がプランジャキャップ55の内径と同一寸法に設定された円柱状に形成され、周面が筒状体55aの内周面に当接することで径方向の移動が規制される。可動鉄心54は、電磁石装置50と接点装置40とを結合する結合部材であるシャフト63が貫装される取付孔54aが中心軸部に貫設される。
【0040】
シャフト63は、軸方向の一端部が可動鉄心54に結合され、他端部がプランジャキャップ55の筒状体55aから露出する。当該他端部には、周面から突出する支持片63aが設けられる。支持片63aの機能については後述する。
【0041】
固定鉄心53は、直径がプランジャキャップ55の筒状体55aの内径と略同一寸法に設定された円柱状に形成され、中心軸方向の一端部がプランジャキャップ55に収納され他端部がプランジャキャップ55から露出する。固定鉄心53の中心軸部には、シャフト63が挿通されるシャフト孔53bが貫設される。また、固定鉄心53には、周面の前記他端部を全周に亘って囲むリング状の鍔片53aが一体に設けられる。鍔片53aには、リング状に形成された鉄心ゴム64が鍔片53aを包むように嵌着される。
【0042】
固定鉄心53は、鉄心ゴム64が継鉄板56と継鉄板56に固着されるストッパキャップ59とに挟まれることでプランジャキャップ55に固定される。
【0043】
継鉄板56は、後述する第1継鉄板57と、矩形板状に形成され中心軸部に固定鉄心53の円柱状体53aが挿通される挿通孔58aが貫設された第2継鉄板58とを備える。第2継鉄板58は、厚み方向においてプランジャキャップ55の鍔片55aと鉄心ゴム64とに挟まれるとともに、鍔片55aに固着される。
【0044】
ストッパキャップ59は、シャフト63が挿通されるシャフト孔59cが貫設され第2継鉄板58とともに固定鉄心53の鍔片53aを挟む矩形状の中央片59aと、中央片59aの長手方向の両端と段差を介して繋がり第2継鉄板58の厚み方向の一面に固着される一対の固着片59bとを備え、固定鉄心53を第2継鉄板58に固定する。
【0045】
第1継鉄板57は、コの字状に形成され、互いに対向する一対の腕片57aの先端部間に第2継鉄板58が架設される。一対の腕片57aを繋ぐ中央片57bには、ブッシュ61が嵌まる嵌合孔57cが貫設され、第1継鉄板57はボビン51に固定される。
【0046】
継鉄板56は、第1継鉄板57の一対の腕片57aがボビン51の基体51aの中心軸に沿い第1継鉄板57の中央片57bと第2継鉄板58とがボビン51の基体51aを当該中心軸方向に挟むようにボビン51を囲み、固定鉄心53および可動鉄心54とともに閉ループ状の磁路を形成する。
【0047】
ストッパキャップ59と可動鉄心54との間には、コイルばねから成りシャフト63が挿通される復帰ばね65が配置される。復帰ばね65は、固定鉄心53のシャフト孔53bに挿通され、一端が可動鉄心54の底面(固定鉄心53側の底面)に当接し、他端がストッパキャップ59の中央片59aの厚み方向の一面(固定鉄心53側の面)に当接する。
【0048】
復帰ばね65は、励磁巻線52への通電が行われ可動鉄心54が固定鉄心53に吸引されると圧縮され、励磁巻線52への通電が停止すると弾性力により可動鉄心54を固定鉄心53から引き離す。
【0049】
接点装置40は、端子21と一体に設けたれた上述の接続片21aと電磁石装置50との間に配置され電磁石装置50側の一面が開放された箱状のベース41を備え、このベース41に、固定端子42が備える固定接点(図示せず)と、固定接点に接離する可動接点(図示せず)を備えた可動接触子43と、シャフト63の軸方向の端部(支持片63aが設けられた端部)とを収納した構成を有する。
【0050】
ベース41の底壁には、固定端子42がそれぞれ挿通される一対の挿通孔41aが貫設される。また、ベース41には、後述するようにカプセルヨーク49を用いて一対の永久磁石48が取り付けられる。
【0051】
固定端子42は、円柱状に形成され、上述の接続片21aに設けた嵌合孔21bに嵌着される。固定端子42には、中心軸方向における周面の中央部を全周に亘って囲む固着片42aが一体に設けられる。固着片42aは、リング状に形成された第1フランジ44と、それぞれリング状に形成された銀ろうから成る固着部材71、72とを用いて、ベース41の底壁と結合される。固着部材71により固着片42aと第1フランジ44とが固着され、固着部材72により第1フランジ44とベース41の底壁とが結合される。
【0052】
固定接点は、固定端子42の中心軸方向の端部(ベース41に収納される端部)に設けられ、ベース41に収納される。
【0053】
ベース41の側壁の先端面には、枠状に形成された銀ろうから成る固着部材73を用いて金属材料で枠状に形成された第2フランジ45が固着される。第2フランジ45は、電磁石装置50の第2継鉄板58の厚み方向の一面(ストッパキャップ59が固着された面)の縁端部に固着される。つまり、ベース41は、固定端子21と第2フランジ45を介して接続片21aと第2継鉄板58とに挟まれケース10の定位置に固定される。
【0054】
可動接触子43は、厚み方向が固定端子42の中心軸方向(すなわち、奥行き方向)に一致する金属板から成り、厚み方向の一面に当該中心軸方向において両固定接点の一方にそれぞれ対向する一対の可動接点が設けられる。一対の可動接点の中間(図8における上下方向の中間)には、シャフト63が挿通されるシャフト孔43aが貫設される。
【0055】
可動接触子43は、コイルばねから成る接圧ばね46と、接圧ばね46の一端を支持するホルダ37とを用いて固定端子52側(図7における左向き)に付勢される。可動接触子43を付勢する構成について具体的に説明する。
【0056】
接圧ばね46は、シャフト63が挿通され、一端が可動接触子43の厚み方向の一面(可動接点が設けられた面の反対側の面)に一端が当接する。
【0057】
ホルダ47は、中央部にシャフト63が挿通されるシャフト孔47cが貫設され厚み方向の一面に接圧ばね46の一端が当接する板状の基片47aを備える。基片47aの厚み方向の他面には、ストッパキャップ59の中央片59aが内側に圧入される矩形枠状の嵌合突起47bが突設される。つまり、ホルダ47はストッパキャップ59に固定される。
【0058】
接圧ばね46は、他端が可動接触子43に当接し、圧縮されることにより可動接触子43を付勢する。つまり、接圧ばね46は、可動接触子43が両固定端子42から離間しているときはシャフト63の支持片63aに可動接触子43を押圧し、可動接触子43が両固定端子42に当接しているときは可動接触子43を両固定端子42に押圧する。
【0059】
カプセルヨーク49は、鉄などの磁性金属材料でコの字状に形成され、互いに対向する一対の腕片49aにより、それぞれ板状に形成された一対の永久磁石48の一方を、ベース41の上下両面の一方にそれぞれ押圧するさ。ここに、一対の永久磁石48は、異極が互いに対向するように配置される。
【0060】
一対の永久磁石48とカプセルヨーク49とにより、ベース41内には、可動接触子43の移動方向(可動接触子43の厚み方向)と直交する向きの磁界が形成され、当該磁界によりアークを引き伸ばす力がアークに作用し、アークが短時間で消弧する。
【0061】
動作について説明する。励磁巻線52への通電が行われると、可動鉄心54が固定鉄心53に吸引され、シャフト63が軸方向(図7の左方)に移動し、可動接触子43がシャフト63とともに移動して両固定端子42に当接し、両固定端子42間が短絡する。励磁巻線52への通電が停止すると、復帰ばね65により可動鉄心54が固定鉄心53から引き離されてシャフト63が軸方向(図7の右方)に移動し、シャフト63の支持片63aにより可動接触子43が両固定端子42から引き離され、両固定端子42間が開放する。
【0062】
上述した電磁リレーの構成では、接点装置40が備える一対の固定端子42の一方にそれぞれ接続された2個の端子21と、電磁石装置50が備える励磁巻線52の両端の一方にそれぞれ接続された2個の端子22とをケース10に設けた例を説明したが、端子21、22の個数は、接点装置40の接点の種類および電磁石装置50の種類に応じて適宜に選択してよい。
【符号の説明】
【0063】
1 電気装置
10 ケース
20、21、22 端子
30、31、32 挿入凹所

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケースの一面から端子が突出する電気装置であって、ケースの前記一面には、梱包の際に他の電気装置と2個1組で組み合わされたときに当該他の電気装置の端子が挿入される挿入凹所が開口していることを特徴とする端子を備えた電気装置。
【請求項2】
前記ケースの前記一面上における前記端子が設けられる位置と、前記挿入凹所が設けられる位置とは、ケースの前記一面に直交し当該一面の互いに平行な2つの辺のそれぞれの中点を通る面に対して対称になるように設定されていることを特徴とする請求項1記載の端子を備えた電気装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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