説明

端子台カバーの取付け・封印構造

【課題】安全且つ簡単な作業で迅速に端子台カバーの取付けを行うと同時に封印作業を終了させることのできる端子台カバーの取付け・封印構造を提供すること。
【解決手段】電力量計10の端子台14への端子台カバー12の取付け・封印構造であり、端子台14には端子台14表面から突出する棒状体20と、この棒状体20の先端に取付けられる装着部材30から構成されている。端子台カバー12は棒状体20を挿通する貫通孔を有し、装着部材30は破壊容易な脆弱部を有する。この構造により、端子台10への端子台カバー12の取付け・封印作業を、端子台カバー12の棒状体20への仮取付け、及びこの棒状体20への装着部材30の装着という簡単な操作によって、安全且つ迅速に行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭に供給される電力の電力使用量を計量する電力量計の端子カバーの取付け・封印構造に関する。
【背景技術】
【0002】
一般家庭や事業所には、電力使用量を計測して公正な料金取引を行う必要から、電力量計が設置されている。
【0003】
この電力量計は、商用電源からの電源線を入力電線として接続するとともに各種機器に電力供給する出力電線を接続する端子台を備えている。この端子台は電線を接続するための金属端子が露出しているので、不用意に触れてしまわないように覆う端子台カバーが端子台に通常ネジ固定により取付けられている。更に、無断で接続変更等が行われることを防止するため、この端子台カバーには封印が施されている。
【0004】
特許文献1には、従来の電力量計における端子台カバーの取付け及び封印の状態の部分が開示されている。図8は、従来の電力量計における端子台カバーの取付け・封印構造を説明する図である。図示のように、電力量計70の下部の端子台72に端子台カバー71がネジ73により取付けられている。そして、このネジ73の頭部の横孔及び端子台カバー71に設けられた切り起こし部71aに所定長さの封印用ワイヤ74を挿通し、その封印用ワイヤ74の両端に封印鉛75を固着することにより端子台カバー71を封印している。
【0005】
しかし、上述のネジ固定によれば、端子台に配設されている雌ネジ穴に雄ネジを螺合させて端子台カバーを取付ける作業、すなわち、端子台カバーの貫通孔越しに雄ネジを雌ネジ穴に螺合させる作業の際、雄ネジを誤って端子部分に接触させることによる短絡事故の発生を防止するため、作業を慎重に行う必要がある。そこで、特許文献2には、端子台の雌ネジ穴に端子台カバーの取付用ピンを植立し、端子台カバーの貫通孔にこの取付用ピンを貫通させて端子台に端子台カバーを取付け固定する方法が提案されている。
【0006】
図9は、従来の取付用ピンによる端子台カバーの取付け構造を示す図である。電力量計80の下部の端子台81に設けられた雌ネジ穴82に取付け用ピン83の基端を植立し、端子台カバー84の貫通孔84aに取付け用ピン83を挿通し、取付け用ピン83の先端に固定キャップ85を螺着して端子台カバー84を取付ける。
【0007】
その後、封印を実施する場合は、固定キャップ85の封印用横孔85a、端子台カバー84の切り起こし部84bに所定長さの封印用ワイヤ(図示せず)を通し、このワイヤの両端を鉛等で固着して封印作業を行うこととなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−278948
【特許文献2】特開2008−111679
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献2に記載の端子台カバーの取付け構造によれば、雄ネジを端子台カバー越しに端子台の雌ネジ穴に螺着させるという作業を行わないので、端子台カバーの仮止めの際に端子台カバー越しに端子台の雌ネジ穴を探る必要が無く、従って雄ネジを誤って端子部分に接触させて短絡事故を発生させる虞は回避される。しかし、端子台カバーを最終的に完全に固定する取付け作業を行った後、別途封印を施す作業を行う必要がある。すなわち、端子台への取付け用ピンの植立、端子台カバー貫通孔への取付け用ピンの貫通による仮止め、及び固定キャップ取付けという作業後に、封印用ワイヤ、封印用鉛、及び封印用工具を用いた端子台カバーの封印作業を行うという多段階の作業が必要であり、作業工程が煩雑化して時間が取られることとなっていた。
【0010】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、安全且つ簡単な作業で迅速に端子台カバーの取付けを行うと同時に封印作業を終了させることのできる端子台カバーの取付け・封印構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を解決するための請求項1に記載の発明は、電線が接続される端子が設けられた端子台と、該端子台を覆う端子台カバーと、を有する電力量計への前記端子台カバーの取付け・封印構造であって、前記端子台に設けられて該端子台表面から所定長さ突出する棒状体と、前記端子台カバーに設けられ、該端子台カバーの前記端子台への取付け位置において前記棒状体を挿通可能な貫通孔と、該貫通孔に前記棒状体を挿通させて仮取付けした状態で該棒状体の先端側から該棒状体に係合装着可能であると共に、該係合装着により前記端子台カバーを本取付け状態とする装着部材と、を有し、該装着部材は、外部からの力により容易に破壊される脆弱部を有し、且つ該脆弱部の破壊により初めて前記棒状体への前記係合装着状態の解除が可能となることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、端子台に設けられた棒状体を端子台カバーの貫通孔に挿通させて端子台カバーを仮取付けし、その後装着部材を棒状体の先端側から棒状体に装着するという簡易な作業で、迅速に端子台カバーが装着部材により端子台に本取付けされ、且つ同時に封印される。更に、この作業において端子台カバー越しに端子台の雌ネジ穴を探って雄ネジを螺着させるという作業を行わなくても良いので、短絡事故の虞も減少して作業自体の安全性も高まっている。また、装着部材には、外部からの力により容易に破壊される脆弱部が設けられているので、例えば、人の手による力でこの脆弱部を破壊することで、装着部材を棒状体から容易に脱着することができ、上述の取付け及び封印状態を容易に解除することができる。従って、端子台カバーの取付け及び封印状態を解除する作業も容易であり、迅速に、そして安全に行うことができる。
【0013】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の端子台カバーの取付け・封印構造において、前記装着部材は、筒状に形成された胴体部を有し、前記脆弱部は、前記装着部材の胴体部の内側面から突出形成された逆止爪部であり、前記棒状体には、前記逆止爪部が係合する受け部が設けられたことを特徴とする。
【0014】
この構成によれば、端子台に設けられた棒状体を端子台カバーの貫通孔に挿通させて端子台カバーを仮取付けし、その後装着部材の筒状の胴体部を棒状体の先端に被せつつ装着部材の逆止爪部と棒状体の受け部を係合させるという簡易な作業で、迅速に端子台カバーが装着部材により端子台に本取付けされ、且つ同時に封印される。また、この取付け及び封印状態において、棒状体を軸として手で装着部材胴体部を回動させて脆弱部である装着部材の逆止爪部を破壊することにより逆止爪部と受け部の係合を解除し、装着部材を棒状体から脱着することができる。従って、端子台カバーの取付け及び封印状態を解除する作業も容易であり、迅速に、そして安全に行うことができる。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の端子台カバーの取付け・封印構造において、前記装着部材は、筒状に形成された胴体部と、該胴体部の内側面から突出形成された逆止爪部と、を有し、前記棒状体には、前記逆止爪部が係合する受け部が設けられ、前記脆弱部は、前記胴体部の外側面の長さ方向全長に亘って設けられた薄肉部により構成されていることを特徴とする。
【0016】
この構成によれば、端子台に設けられた棒状体を端子台カバーの貫通孔に挿通させて端子台カバーを仮取付けし、その後装着部材の筒状の胴体部を棒状体の先端から被せつつ装着部材の逆止爪部と棒状体の受け部を係合させるという簡易な作業で、迅速に端子台カバーが装着部材により端子台に本取付けされ、且つ同時に封印される。そして、この取付け及び封印状態において、装着部材胴体部上に薄肉部として構成された脆弱部を切り開くことにより逆止爪部と受け部の係合を解除し、装着部材を脱着することができる。従って、封印台カバーの取付け及び封印状態を解除する作業も容易であり、迅速に、そして安全に行うことができる。
【0017】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の端子台カバーの取付け・封印構造において、前記胴体部は、前記棒状体に貫通される両端開放の筒状体として構成され、前記受け部は、棒状体の長さ方向に多段式に複数設けられていることを特徴とする。
【0018】
この構成によれば、電力量計の種類の違いにより端子台と端子台カバー間に距離の違いが生じたとしても、装着部材の逆止爪部を、多段式に複数設けられた受け部の中からより適切に端子台カバーを取付けできる位置にある受け部を選択して係合させることにより、常にガタつきの少ない取付けが可能となる。これにより汎用性のある端子台カバーの取付け・封印を行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、従来多段階で行っていた電力量計の端子台カバーの取付け・封印作業を一段階の作業で、安全且つ簡単な操作で迅速に行うことができる。従って、熟練作業者では無い作業者であっても的確にその作業を行うことができる。
【0020】
また、本発明によれば、取付け・封印のために使用する工具の持ち運びが不要となるので、作業者等がその工具を電力量計のある作業現場まで持参する負担も軽減され、作業の効率化が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施の形態に係る端子台カバー12の取付け・封印構造による端子台カバー12の端子台への取付け・封印が完了した状態を示す図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る端子台カバー12が取り付けられる端子台14の部分の概略図である。
【図3】(A)本発明の実施の形態に係る端子台14の雌ネジ穴18に螺着される棒状体20の概略図である。(B)図3(A)のI−I線断面図である。
【図4】(A)本発明の実施の形態に係る棒状体20の先端に装着される装着部材30を説明する図である。(B)図4(A)のII−II線断面図である。(C)図4(B)のIII−III線断面図である。(D)装着部材30の変形例を示す図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る端子台カバー12の取付け・封印構造による端子台カバー12の端子台14への取付け・封印作業を説明するための図である。
【図6】(A)本発明の実施の形態に係る棒状体20の他の形状の一例を示す図である。(B)本発明の実施の形態に係る装着部材30の他の形状の一例を示す図である。(C)図6(B)において矢印400方向へ装着部材30を見た図である。(D)図6(A)の棒状体20と図6(B)の装着部材30との装着状態を示す図である。
【図7】(A)本発明の実施の形態に係る棒状体20の更に他の形状の一例を示す図である。(B)図7(A)の棒状体20に対応して装着される装着部材30を示す図である。(C)図7(B)のIV−IV線断面図である。
【図8】従来の電力量計における端子台カバーの取付け・封印構造を説明する図である。
【図9】従来の取付用ピンによる端子台カバーの取付け構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の実施の形態について、図1〜7に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る端子台カバー12の取付け・封印構造による端子台カバー12の端子台への取付け・封印が完了した状態を示す図である。図示のように、電力量計10の下部に設けられた端子台に、その端子台を覆う端子台カバー12が取付けられ、且つ封印されている。
【0023】
図2は、本発明の実施の形態に係る端子台カバー12が取り付けられる端子台14の部分の概略図である。端子台14には、入力電線及び出力電線を接続する金属端子16の列の両側に、後述する棒状体を取付けるための雌ネジ穴18が1個ずつ設けられている。
【0024】
図3(A)は本発明の実施の形態に係る端子台14の雌ネジ穴18に螺着される棒状体20の概略図であり、同図(B)は同図(A)のI−I線断面図である。棒状体20には、基端部側面に端子台14の雌ネジ穴18と螺合する雄ねじ部20aが設けられている。更に、棒状体20の先端部近傍の側面には、受け部として平面視略長方形状の凹部20bが設けられている。この凹部20bは、直径方向に対向する位置にそれぞれ1個ずつ設けられている。
【0025】
図4(A)は本発明の実施の形態に係る棒状体20の先端に装着される装着部材30を説明する図であり、同図(B)は同図(A)のII−II線断面図、及び同図(C)は同図(B)のIII−III線断面図である。装着部材30は有底の円筒状に形成された胴体部30aを有し、その胴体部30aの内径は棒状体20の先端部を挿入可能な大きさに設定されている。更に、胴体部30aには、内側面30bから逆止爪部30cが、同図(B)における上側から下側へ向かって薄肉化されつつ傾斜して内方へ突出するように形成されている。
【0026】
同図(C)に示されるように、この逆止爪部30cはそれぞれが対向するように設けられており、棒状体20の凹部20bと同時に係合可能な大きさ及び位置関係にある。また、上述の装着部材30は可塑性樹脂で形成されており、薄肉化されつつ形成された逆止爪部30cは、容易に破壊される脆弱部となっている。
【0027】
次に、図5により実際の端子台14への端子台カバー12の取付け・封印の作業を説明する。図示のように、既に2本の棒状体20の雄ネジ部20aが端子台14の両側に位置する雌ネジ穴18−1、18−2にそれぞれ螺着され、棒状体20が突出した状態で端子台14に固定されている。
【0028】
端子台カバー12には、端子台14に取付けられた時に棒状体20を挿通可能とする貫通孔12aが2個設けられている。これらの貫通孔12aに棒状体20を挿通し、そのまま端子台カバー12を矢印300方向にスライドさせて端子台14表面に当接させることで、端子台カバー12が端子台14に仮取付けされる。ここで、仮取付けとは、端子台カバー12が電力量計10に最終的に固定される位置に非固定状態で設置されることをいう。この状態で、装着部材30に棒状体20の突出先端を挿入し、棒状体20の凹部20bと装着部材30の逆止爪部30cとを係合させることにより、装着部材30を棒状体20に装着する。これにより、端子台カバー12が端子台14に本取付けされた状態となる(本取付け完了状態は、図1を参照乞)。
【0029】
上述のように装着部材30が棒状体20に装着された状態において、端子台カバー12は端子台14を覆う状態で固定されている。また、逆止爪部30cと凹部20bとは係合状態にあるので、装着部材30は棒状体20から離脱する方向へは移動できず、棒状体20の中心線を軸として回動する方向へも移動できない。すなわち、脆弱部である逆止爪部30cが塑性変形して破壊されない限り離脱及び回動方向への移動が不可能となるように全体が形成されている。従って、端子台カバー12は、端子台14への本取付けが行われると同時に実質的に封印が施された状態となっている。
【0030】
以上のように、棒状体20を介して電力量計に端子台カバー12を仮取付けすると共にこの棒状体20へ装着部材30を係合装着することにより、端子台カバー12を簡単に取付け・封印することができる。
【0031】
更に、装着部材30の逆止爪部30cは脆弱部として形成されているので、図1の取付け・封印状態から装着部材30を手で矢印100方向へ回動させることによりこの逆止爪部30cを折り、逆止爪部30cと凹部20bとの係合を解除し、装着部材30を棒状体20から容易に脱着することができる。従って、端子台カバー12の取付け及び封印状態を簡単な作業で迅速に、そして安全に解除することができる。
【0032】
本実施の形態では、装着部材30の形状を棒状体20の先端部に被せられて装着される有底の円筒形状として例示し、棒状体20を、その先端部に凹部20bが設けられた構成として例示したが、これに限定されるものではなく、種々の変形の適用が可能である。
【0033】
以下に、その変形例を図6に基づいて説明する。図6(A)は本発明の実施の形態に係る棒状体20の他の形状の一例を示す図である。図示のように、棒状体20の側面には受け部として、長さ方向に所定間隔を置いて多段式に平面視略長方形状の凹部20bが、直径方向に対向するように2つずつ、計5対設けられている。
【0034】
同図(B)は本発明の実施の形態に係る装着部材30の他の形状の一例を示す図である。同図(C)は、同図(B)において矢印400方向へ装着部材30を見た図である。装着部材30は、棒状体20に貫通される円筒形の管状体として形成されている。従って、胴体部30aは、両端開放の筒状体となっている。胴体部30aの内側面から逆止爪部30cが、同図(B)における下側から上側へ向かって薄肉化されつつ傾斜して内方へ突出するように形成されている。同図(C)に示されるように、逆止爪部30cは、それぞれ対向するように設けられており、棒状体20の凹部20bそれぞれの対と係合する大きさ及び位置関係にある。また、上述の装着部材30は可塑性樹脂により形成されており、薄肉化されつつ形成された逆止爪部30cは、容易に破壊される脆弱部となっている。
【0035】
同図(D)は、同図(A)の棒状体20と同図(B)の装着部材30との装着状態を示す図である。本図において、端子台カバー12の記載は省略している。ここで、装着部材30は、同図(B)の下側から棒状体20の先端部側へと嵌められる。そして、胴体部30aの逆止爪部30cが、棒状体20に多段式に設けられた凹部20bのうち、端子台カバー12を本取付けするうえで適切な位置にある凹部20bと係合することにより、装着部材30が棒状体20に係合装着される。
【0036】
この態様によれば、例えば、電力量計10の種類の違いにより、端子台14と端子台カバー12間の距離が異なる場合であっても、それぞれの電力量計10の端子台14と端子台カバー12間の距離の違いに合わせて端子台カバー12の本取付けができる凹部20bの位置を適切に選択できる。従って、端子台14と端子台カバー12間の隙間を無くしてガタつきを無くすことができるという、汎用性のある端子台カバー12の端子台14への取付け・封印構造が提供される。
【0037】
また、装着部材30の更なる変形例を図4(D)に示す。同図に示された装着部材30には、胴体部30aの外側面の長さ方向全長に亘って断面視V字状に形成された薄肉部30dが、直径方向に対向して設けられている。そして、この薄肉部30dが脆弱部を構成していること以外は、同図(D)に示された装着部材30は、図2(A)で示された装着部材30と同じ構成である。
【0038】
これにより、端子台カバー12が電力量計10に取付け及び封印された状態から、この装着部材30の薄肉部30dにマイナスドライバー等を押し当てて、薄肉部30dを切り開くことにより装着部材30を展開して棒状体20から脱着することができ、端子台カバー12の取付け・封印状態を容易に解除することができる。更に、装着部材30の薄肉部30dを脆弱部として構成しているので、逆止爪部30cの剛性を強化してこれを脆弱部ではない構成とすることができ、棒状体20と装着部材30との係合部位の強化を図ることができる。逆止爪部30cの剛性強化は、逆止爪部30cの厚みを増したり、より大きな剛性を有する可塑性樹脂を用いたりすることにより実施することができる。
【0039】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されることはなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。図7(A)は本発明の実施の形態に係る棒状体20の更に他の形状の一例を示す図である。同図(B)はその棒状体20に対応して装着される装着部材30を示す図であり、同図(C)は同図(B)のIV−IV線断面図である。例えば、棒状体20の先端部から棒状体20の一部を切欠いた切欠き部20cを設け、装着部材30にこの切欠き部20cの形状に対応する内側面形状30eを設けてもよい。これにより、棒状体20の凹部20bと装着部材30の逆止爪部30cの位置合わせが容易となる。
【0040】
なお、本実施の形態においては、棒状体20は端子台14の雌ネジ穴18に螺着されているが、棒状体20と端子台14は一体形成されていても良い。そうすることにより、端子台14の雌ネジ穴18に棒状体20を螺着するという作業も必要なくなり、更に端子カバー12の取付け・封印の作業の簡素化を図ることができる。
【符号の説明】
【0041】
10 電力量計
12 端子台カバー
14 端子台
20 棒状体
20b 凹部
30 装着部材
30a 胴体部
30c 逆止爪部
30d 薄肉部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電線が接続される端子が設けられた端子台と、該端子台を覆う端子台カバーと、を有する電力量計への前記端子台カバーの取付け・封印構造であって、
前記端子台に設けられて該端子台表面から所定長さ突出する棒状体と、
前記端子台カバーに設けられ、該端子台カバーの前記端子台への取付け位置において前記棒状体を挿通可能な貫通孔と、
該貫通孔に前記棒状体を挿通させて仮取付けした状態で該棒状体の先端側から該棒状体に係合装着可能であると共に、該係合装着により前記端子台カバーを本取付け状態とする装着部材と、を有し、
該装着部材は、外部からの力により容易に破壊される脆弱部を有し、且つ該脆弱部の破壊により初めて前記棒状体への前記係合装着状態の解除が可能となることを特徴とする端子台カバーの取付け・封印構造。
【請求項2】
前記装着部材は、筒状に形成された胴体部を有し、
前記脆弱部は、前記装着部材の胴体部の内側面から突出形成された逆止爪部であり、
前記棒状体には、前記逆止爪部が係合する受け部が設けられたことを特徴とする請求項1に記載の端子台カバーの取付け・封印構造。
【請求項3】
前記装着部材は、筒状に形成された胴体部と、該胴体部の内側面から突出形成された逆止爪部と、を有し、
前記棒状体には、前記逆止爪部が係合する受け部が設けられ、
前記脆弱部は、前記胴体部の外側面の長さ方向全長に亘って設けられた薄肉部により構成されていることを特徴とする請求項1に記載の端子台カバーの取付け・封印構造。
【請求項4】
前記胴体部は、前記棒状体に貫通される両端開放の筒状体として構成され、
前記受け部は、棒状体の長さ方向に多段式に複数設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の端子台カバーの取付け・封印構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−58051(P2012−58051A)
【公開日】平成24年3月22日(2012.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−200632(P2010−200632)
【出願日】平成22年9月8日(2010.9.8)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)