説明

端末装置、照明制御方法及びプログラム

【課題】電話の着信時でなく、着信に対する応答時であって、照明を点灯したいと想定される場合に自動で照明装置を点灯させることができる端末装置を提供する。
【解決手段】携帯端末装置1は、着信があり、この着信に応答して通話が行われる時、夜間であり、かつ使用者が起床していると判断された場合、無線通信により照明装置5に点灯を指示する(S9)。照明装置5の輝度レベルが最大レベルもしくはあらかじめ設定されたレベルに達するまで、段階的に点灯の指示が行われる。そして、通話が終了すると、携帯端末装置1は、照明装置5を点灯指示を行う前の照明状態に戻す指示を行う(S13)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通話機能を有し、照明装置と通信して照明装置の動作を制御する端末装置、照明制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の端末装置として、夜間に着信を検知した場合に、照明機器点灯スイッチを用いて照明を自動的に点灯させ、終話後、一定時間が経過すると、照明を消灯させる照明機器点灯スイッチ付き電話機が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
また、固定電話機や携帯電話機が着信した場合、着信に応じて電化製品を制御し、通話に適した環境にする技術が知られている(特許文献2参照)。この特許文献2の優先切換装置は、着信を認識した際、オーディオ機器の音量調節を行い、照明機器の点灯又は点滅を行う。また、優先切換装置は、照明機器の点灯又は点滅により着信の旨をユーザに通知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平02−237346号公報
【特許文献2】特開2002−027142号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の端末装置では、次のような問題があった。近年、電話機として、携帯電話端末の使用が主流となり、電話を身近な場所に置いて就寝することが多くなっている。また、着信相手が画面に表示されるので、就寝中、着信があっても相手によっては電話に応答しない場合もある。
【0006】
このため、周辺機器を制御する際、着信よりも通話のタイミングが重要になっている。また、着信があっても通話を行わない場合、着信と同時に照明機器が点灯することは眠りの妨げになっていた。
【0007】
本発明は、上記従来の事情に鑑みてなされたものであり、電話の着信時でなく着信に対する応答時であって、照明装置を点灯したいと想定される場合に自動で照明装置を点灯させる端末装置、照明制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の端末装置は、通話機能を有し、照明装置を通信により制御可能である端末装置であって、着信があった場合、前記着信に対する応答を検知する応答検知部と、前記応答検知部によって応答が検知され、通話が行われる場合、前記通話を行う使用者が起床しているか否かを判断する起床判断部と、前記起床判断部によって前記使用者が起床していると判断された場合、前記照明装置の点灯制御を行う点灯制御部と、を備える。
【0009】
また、本発明は、上述した照明制御方法であって、通話機能を有し、照明装置と通信する端末装置を制御する照明制御方法であって、前記端末装置に着信があった場合、前記着信に対する応答を検知する応答検知ステップと、前記応答検知ステップで応答が検知され、通話が行われる場合、前記通話を行う使用者が起床しているか否かを判断する起床判断ステップと、前記起床判断ステップで前記使用者が起床していると判断された場合、前記照明装置の点灯制御を行う点灯制御ステップと、を備える。
【0010】
また、本発明は、上述したプログラムであって、通話機能を有し、照明装置と通信する端末装置であるコンピュータに、前記端末装置に着信があった場合、前記着信に対する応答を検知する応答検知ステップと、前記応答検知ステップで応答が検知され、通話が行われる場合、前記通話を行う使用者が起床しているか否かを判断する起床判断ステップと、前記起床判断ステップで前記使用者が起床していると判断された場合、前記照明装置の点灯制御を行う点灯制御ステップと、を実現させる。
【0011】
上述した構成によれば、着信に対する応答が検知され、通話を行う使用者が起床している場合、照明装置の点灯制御を行うので、電話の着信時でなく、着信に対する応答時であって、照明装置を点灯したいと想定される場合に自動で照明装置を点灯させることができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、着信に対する応答が検知され、通話を行う使用者が起床している場合、照明装置の点灯制御を行うので、電話の着信時でなく、着信に対する応答時であって、照明装置を点灯したいと想定される場合に自動で照明装置を点灯させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】第1の実施形態の携帯端末装置1及び照明装置5の構成を示す図
【図2】携帯端末装置1及び照明装置5の使用状態を説明する図、(A)着信があり、この着信に対して応答した場合の動作状態を示す図、(B)携帯端末装置の筺体が鉛直方向に対して縦向きであり、使用者が起床して通話している様子を示す図、(C)携帯端末装置の筺体が鉛直方向に対して横向きであり、使用者が横になったまま通話している様子を示す図
【図3】携帯端末装置1の着信時の動作手順を示すフローチャート
【図4】ステップS2における夜間判断処理手順を示すフローチャート、(A)時刻を用いて夜間を判断する手順を示すフローチャート、(B)周囲の照度を用いて夜間を判断する手順を示すフローチャート
【図5】ステップS4における起床判断処理手順を示すフローチャート、(A)携帯端末装置の傾きを用いて起床を判断する手順を示すフローチャート、(B)通話時の発声音量を用いて起床を判断する手順を示すフローチャート
【図6】輝度レベルの決定の方法を説明する図、(A)着信応答時に夜間照明の状態から徐々に(段階的に)照明を明るくする場合の図、(B)通話中の照明から着信前の照明に戻す場合の図
【図7】テレビ電話を用いた場合のステップS4における起床判断処理手順を示すフローチャート
【図8】第2の実施形態の携帯端末装置1及び複数の照明装置5A、5B、5Cの構成を示す図
【図9】携帯端末装置1の着信時の照明動作手順を示すフローチャート
【図10】複数の照明装置5A、5B、5Cの点灯動作を示す図、(A)着信に対する応答時の点灯動作を示す図、(B)通話終了時の消灯動作を示す図
【図11】第3の実施形態における携帯端末装置1の操作を説明する図
【図12】携帯端末装置1の着信時の照明動作手順を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明の実施の形態における端末装置、照明制御方法及びプログラムについて図面を用いて説明する。本実施形態の端末装置は、通話機能を有する携帯電話機又はスマートフォン等の携帯端末装置に適用される。
【0015】
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態の携帯端末装置1及び照明装置5の構成を示す図である。携帯端末装置1は、制御部10、表示部20、無線制御部22、音声処理部26、記憶部29、操作部30、通信制御部33、センサ部34、時計部38及びカメラ部39を含む構成である。
【0016】
表示部20は、液晶表示パネル(LCD:Liquid Crystal Display)からなり、各種の情報を表示する。
【0017】
無線制御部22は、Bluetooth(登録商標)又は赤外線通信等の無線通信方式により照明装置5側の無線制御部58と無線通信を行い、照明に関する情報を送受信する。
【0018】
音声処理部26には、音声通話を行うためのマイク27及びスピーカ28が接続されている。音声処理部26は、通話時に、音声データを信号処理して音声通話を可能にし、また、マイク27を通して入力される使用者が発する音声の音量を検知する。
【0019】
記憶部29は、携帯端末装置1に内蔵されるハードディスク又はフラッシュメモリにより構成され、各種の情報を記憶するとともに、照明に関する情報が記憶される照明情報記憶部29aを含む構成である。
【0020】
操作部30には、表示部20の画面に配置されたタッチパネル部31及び各種のキーからなるキー入力部32が設けられている。
【0021】
通信制御部33は、アンテナ33aを介して無線基地局40と無線通信を行い、着信又はこの着信に対する応答などの処理を行う。
【0022】
時計部38は、携帯端末装置1のシステムクロックである時刻を計時して制御部10に通知する。
【0023】
カメラ部39は、被写体を撮影し、その画像データを出力する。また、カメラ部39は、マイク27及びスピーカ28と組み合わされることで、テレビ(TV)電話の機能を実現する。
【0024】
センサ部34には、周囲の明るさ(周辺の照度)を検知する照度センサ35(照度検出部)、及び携帯端末装置1の筐体の傾きを検知する加速度センサ36が設けられている。本実施形態では、加速度センサ36は、携帯端末装置1の筐体の傾きを検知可能なジャイロセンサからなり、携帯端末装置1の筐体が鉛直方向に対して縦向きにあるか(図2(B)参照)、それとも横向きにあるかを検知可能である(図2(C)参照)。
【0025】
制御部10は、携帯端末装置1の各部の動作を制御するものであり、携帯端末装置1に内蔵されるCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)により構成されている。また、制御部10は、CPUが後述する制御プログラムを実行することにより実現される機能として、輝度レベル決定部11、照明情報取得部13、夜間判断部15及び起床判断部17を有する。
【0026】
一方、照明装置5は、照明部52、調光部53、制御部54、照明情報記憶部56及び無線制御部58を含む構成である。
【0027】
制御部54は、照明装置5の各部の動作を制御するものであり、照明装置5に内蔵されるCPU、ROM、RAMにより構成されている。
【0028】
照明部52は、調光部53の指示に応じた照明を行う。
【0029】
調光部53は、調光インバータ回路を有し、制御部54からの指示に従って、照明部52の照明を例えば5段階の輝度レベルに調光する。なお、無段階で連続的に調光することも可能である。
【0030】
照明情報記憶部56は、現時点の照明装置5に関する情報、例えば輝度レベル等を記憶する。
【0031】
無線制御部58は、携帯端末装置1側の無線制御部22と無線通信を行い、前述したように、照明に関する情報を送受信する。
【0032】
図2は、携帯端末装置1及び照明装置5の使用状態を説明する図である。図2(A)は着信があり、この着信に対して応答した場合の動作状態を示す。無線基地局40から着信に対し、使用者が応答すると、携帯端末装置1は、表示部20の画面に着信あった旨のメッセージを表示するとともに、照明装置5に点灯指示を送信する。
【0033】
図2(B)は携帯端末装置1の筺体が鉛直方向に対して縦向きであり、使用者が起床して通話している様子を示す。図2(C)は携帯端末装置1の筺体が水平方向に対して横向きであり、使用者が横になったまま通話している様子を示す。
【0034】
上記構成を有する携帯端末装置1の動作を示す。図3は、携帯端末装置1の着信時の動作手順を示すフローチャートである。この制御プログラムは、制御部10内のROMに格納されており、携帯端末装置1に着信があった時、この着信をトリガとして、制御部10内のCPUによって実行される。
【0035】
まず、制御部10は、着信に対して使用者が応答したか否かを判別する(S1)。この応答は使用者が携帯端末装置1のキー入力部32に配置された通話ボタンを押下することにより行われる。ステップS1の処理は応答検知部の一例である。応答しなかった場合、制御部10は本動作を終了する。
【0036】
一方、着信に対して使用者が応答した場合(S1、YES)、制御部10は、夜間であるか否かを判断するための夜間判断処理を行う(S2)。この夜間判断処理については図4を用いて後述する。
【0037】
この判断の結果、制御部10は夜間であるか否かを判別する(S3)。夜間でない場合(S3、NO)、制御部10は本動作を終了する。一方、夜間である場合(S3、YES)、制御部10は、使用者が起床しているか否かを判断するための起床判断処理を行う(S4)。この起床判断処理については図5を用いて後述する。
【0038】
この判断の結果、制御部10は、使用者が起床しているか否かを判別する(S5)。起床していない場合(S5、NO)、制御部10は本動作を終了する。一方、起床している場合(S5、YES)、制御部10は、無線制御部22を介して照明装置5から照明情報を取得し、記憶部29内の照明情報記憶部29aに記憶する(S6)。
【0039】
制御部10は、この取得した照明情報を基に、照明装置5を点灯する必要があるか否かを判別する(S7)。点灯する必要がない場合(S7、NO)、つまり、照明装置5が既に所定の輝度レベルで点灯している場合には、制御部10は、本動作を終了する。
【0040】
一方、照明装置5を点灯する必要がある場合(S7、YES)、制御部10は、輝度レベルを1段階上げる指示を決定する(S8)。輝度レベルを1段階上げる指示は、例えば、照明装置5が消灯している場合、輝度レベルを値0から値1に変更する指示である。制御部10は、この決定に従って、無線制御部22を介して照明装置5に点灯を指示する(S9)。
【0041】
制御部10は、照明装置5の輝度レベルが所定レベル、すなわち最大レベル若しくは予め設定されたレベルに達したか否かを判別する(S10)。最大レベル若しくは予め設定されたレベルに達していない場合(S10、NO)、制御部10は、一定時間が経過するまで待つ(S11)。一定時間が経過すると(S11、YES)、制御部10は、ステップS8の処理に戻る。この一定時間は、3秒、5秒など任意に設定可能である。
【0042】
また、ステップS10において最大レベル若しくは予め設定されたレベルに達した場合(S10、YES)、制御部10は、通話が終了するまで待つ(S12)。ステップS12の処理は通話終了判断部の一例である。通話が終了すると(S12、YES)、制御部10は、照明情報記憶部29aに記憶された照明情報を基に、無線制御部22を介して照明装置5に対し、着信前、つまり点灯指示を行う前の照明状態に戻す指示を行う(S13)。この後、制御部10は本動作を終了する。
【0043】
図4は、ステップS2における夜間判断処理手順を示すフローチャートである。夜間であるか否かを判断する場合、本実施形態では、時刻を用いて判断が行われる。また、時刻を用いる代わりに、周辺の照度を用いて判断が行われてもよい。さらには、これらを組み合わせ、いずれも夜間と判断される場合に限って、夜間と判断するようにしてもよい。
【0044】
図4(A)は時刻を用いて夜間を判断する手順を示すフローチャートである。制御部10は、時計部38から現在時刻を取得する(S21)。制御部10は、この取得した現在時刻が特定の時刻範囲にあるか否かを判別する(S22)。特定の時刻範囲として、例えば23時〜6時までの範囲が挙げられる。この特定の時刻範囲は、記憶部29に登録されており、季節などによりあるいは個々の状況により任意に変更可能である。
【0045】
現在時刻が特定の時刻範囲にある場合(S22、YES)、制御部10は、夜間であると判断する(S23)。一方、ステップS22において現在時刻が特定の時刻範囲にない場合(S22、NO)、制御部10は、夜間でないと判断する(S24)。ステップS23又はステップS24の処理後、制御部10は元の処理に復帰する。
【0046】
この様に、携帯端末装置1は、夜間の判断に際し、時刻を用いることによって正確な判断を行うことができる。また、携帯端末装置1は、特定の時刻範囲に就寝時刻を設定することによって、使用者の生活スタイルに応じた設定が可能となる。
【0047】
図4(B)は周辺の照度を用いて夜間を判断する手順を示すフローチャートである。制御部10は、照度センサ35により周辺の照度を検知する(S31)。制御部10は、この検知した周辺の照度が一定レベル以下(所定値以下)であるか否かを判別する(S32)。この一定レベルは、個々の状況により任意に変更可能である。
【0048】
周辺の照度が一定レベル以下である場合(S32、YES)、制御部10は、夜間であると判断する(S33)。一方、ステップS32において周辺の照度が一定レベル以下にない場合(S32、NO)、制御部10は、夜間でないと判断する(S34)。ステップS33又はステップS34の処理後、制御部10は元の処理に復帰する。
【0049】
この様に、携帯端末装置1は、夜間の判断に際し、周辺の照度を用いることによって夜間に限らず、昼間でも部屋を暗くしている場合、夜間と同様の照明制御を行うことが可能となる。
【0050】
図5はステップS4における起床判断処理手順を示すフローチャートである。起床しているか否かを判断する場合、本実施形態では、携帯端末装置1の傾きを用いて判断が行われる。また、傾きを用いる代わりに、通話時の発声音量を用いて判断が行われてもよい。さらには、これらを組み合わせ、いずれも起床していると判断される場合に限って、起床と判断するようにしてもよい。
【0051】
図5(A)は携帯端末装置1の傾きを用いて起床を判断する手順を示すフローチャートである。制御部10は、加速度センサ36によって携帯端末装置1の傾きを検知する(S41)。
【0052】
制御部10は、加速度センサ36によって検知された携帯端末装置1の傾きが、一定時間、所定の角度範囲にある否かを判別する(S42)。例えば、携帯端末装置1の筐体の長手方向の角度が、水平面に対して約80〜90度の角度範囲(所定の角度範囲)にある場合、携帯端末装置1の筐体が縦向きにあると判断される。また、一定時間は例えば5秒間である。
【0053】
携帯端末装置1の傾きが、一定時間、所定の角度範囲にある場合(S42、YES)、制御部10は、図2(B)に示す様に、使用者が起床していると判断する(S43)。一方、ステップS42において、携帯端末装置1の傾きが、一定時間、所定の角度範囲にない場合(S42、NO)、制御部10は、図2(C)に示す様に、使用者が起床していないと判断する(S44)。ステップS43又はステップS44の処理後、制御部10は元の処理に復帰する。
【0054】
この様に、携帯端末装置1が縦向きである場合、使用者が起床し、携帯端末装置1を持って通話しているケースが想定される。一方、携帯端末装置1が横向きである場合、ベッド又は布団の上で寝ながら電話しているケースが想定される。その場合には、照明装置5が点灯しないので、目が冴えずに通話終了後にそのまま就寝しやすくなる。
【0055】
図5(B)は通話時の発声音量を用いて起床を判断する手順を示すフローチャートである。制御部10は、音声処理部26によって、マイク27を通して行われる通話時の発声音量を検知する(S51)。ステップS51の処理は音量検知部の一例である。制御部10は、この検知された音量が、一定時間、所定値以上(一定値以上)である否かを判別する(S52)。なお、この一定時間及び一定値は、個人差などに応じて任意に設定可能である。
【0056】
この音量が一定時間、所定値以上である場合(S52、YES)、制御部10は、起床していると判断する(S53)。一方、この音量が一定時間、所定値以上にない(一定値未満である)場合(S52、NO)、制御部10は、起床していないと判断する(S54)。つまり、周囲で寝ている人を気遣い、小声で話すような場合、起床していないと判断される。ステップS53又はステップS54の処理後、制御部10は元の処理に復帰する。
【0057】
この様に、携帯端末装置1は、起床しているか否かを判断する際、通話に使用されるマイクを用いることによって、別途センサを設ける必要がなく、部品点数を抑えることができる。また、小声で通話する場合には、周りで他の人が就寝している時など、照明装置を点灯させたくないケースが想定され、そのような場合、自動で照明装置が点灯することが防止される。
【0058】
図6は輝度レベルの決定の方法を説明する図である。図6(A)は、着信応答時に夜間照明の状態から徐々に(段階的に)照明を明るくする場合を示す。前述した様に、照明装置5は、輝度レベルを5段階に設定可能である。なお、本実施形態において、照明装置5の輝度レベルの段数は例えば5段としているが、当該輝度レベルは5段に限らず、照明装置5の仕様として任意の段数が予め設定されている。例えば照明装置5が5段階の輝度レベルを有する様に設定されている場合には、照明装置5は、端末装置からの輝度レベルの1段階のアップ指示に応じて輝度レベルを1段階アップする。又、照明装置5は、無段階で連続的に調光可能な機能を有する場合には、端末装置からの輝度レベルを無段階にてアップする。ここでは、夜間の照明は輝度レベル0、つまりオフ(OFF)に設定されているものとする。
【0059】
着信があり、使用者が応答すると、最初の点灯指示では、輝度レベルは5段階中「1」に設定される。そして、一定時間が経過すると、1段階アップし、輝度レベルは5段階中「2」に設定される。同様に、一定時間が経過すると、もう1段階アップし、輝度レベルは5段階中「2」に設定される。この動作が、最大レベル若しくは予め設定されたレベルになるまで繰り返される。これにより、明るい状況の下で、通話が可能となる。
【0060】
図6(B)は通話中の照明から着信前の照明に戻す場合を示す。通話中、照明の輝度レベルが5段階中の「5」である場合、通話が終了すると、照明をオフ(OFF)にして輝度レベルは5段階中の「0」になる。なお、点灯時と同様、徐々(段階的)に消灯させてもよい。
【0061】
第1の実施形態の端末装置によれば、電話の着信時でなく、着信に対する応答時であって、照明装置を点灯したいと想定される場合に自動で照明装置を点灯させることができる。これにより、速やかに通話に適した環境にすることができる。すなわち、就寝中に着信があり、応答する場合に限って、照明装置が点灯するので、明るい環境で通話を行うことができる。また、応答しない場合、消灯したままであるので、就寝の妨げにならない。また、自分で照明装置を点灯する手間が省けるとともに、通話終了時に自分で照明装置を消灯する手間も省ける。
【0062】
また、輝度レベルを徐々に上げることによって、突然の点灯による眩しさを防止し、快適な通話が可能になる。また、着信応答時の輝度レベルを取得しておくことによって、既に点灯している場合、点灯指示を行わないようにすることができる。また、通話終了後、自動で元の明るさに戻すことができる。
【0063】
なお、使用者が起床しているか否かの判断には、携帯端末装置の傾き又は通話時の発声音量が用いられたが、テレビ電話が使用可能な端末装置の場合、テレビ電話で応答があったことを用いてもよい。
【0064】
図7はテレビ電話を用いた場合のステップS4における起床判断処理手順を示すフローチャートである。まず、制御部10は、着信に対する応答があった時の応答方法を検知する(S61)。応答方法には、自動応答、通常の通話、テレビ電話などによる応答がある。
【0065】
制御部10は、検知された応答方法がテレビ電話による応答であるか否かを判別する(S62)。テレビ電話による応答である場合(S62、YES)、制御部10は、使用者が起床していると判断する(S63)。
【0066】
一方、テレビ電話による応答でない場合(S62、NO)、制御部10は、使用者が起床していないと判断する(S64)。ステップS63又はステップS64の処理後、制御部10は元の処理に復帰する。
【0067】
これにより、テレビ電話を行う際、相手方に伝送される撮影画像を速やかに明るくすることができる。また、テレビ電話時には、照明装置を点灯させたいので、点灯する手間が省ける。
【0068】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、携帯端末装置が着信応答時に1つの照明装置を点灯する場合を示したが、第2の実施形態では、携帯端末装置が着信応答時に複数の照明装置を点灯する場合を示す。
【0069】
図8は第2の実施形態の携帯端末装置1b及び複数の照明装置5A、5B、5Cの構成を示す図である。第1の実施形態と同一の構成要素については、同一の符号を付すことによりその説明を省略する。ここでは、第1の実施形態と異なる構成及び動作について説明する。
【0070】
前述した様に、複数の照明装置5A、5B、5Cは、タイプの異なる照明器具である。例えば、照明装置5A、5B、5Cは、それぞれ設置場所が異なる、卓上スタンド、ペンダントライト、シーリングライト等である。
【0071】
また、複数の照明装置5A、5B、5Cは、ほぼ同様の構成を有し、第1の実施形態の照明装置5と異なり、調光部が省かれている。つまり、照明装置5A、5B、5Cでは、点灯のオン/オフだけが制御される。その他の構成は第1の実施形態の照明装置5と同様である。
【0072】
一方、携帯端末装置1bの制御部10bには、第1の実施形態の輝度レベル決定部11が省かれ、代わりに照明機器指定部12が設けられる。この照明機器指定部12は、制御部10b内のCPUが制御プログラムを実行することによって実現される機能である。その他の構成は第1の実施形態と同様である。
【0073】
図9は携帯端末装置1bの着信時の照明動作手順を示すフローチャートである。この制御プログラムは、制御部10b内のROMに格納されており、携帯端末装置1bに着信があった時、この着信をトリガとして、制御部10b内のCPUによって実行される。第1の実施形態と同一のステップ処理については省略する。
【0074】
制御部10bは、ステップS6で取得した複数の照明装置5A、5B、5Cの照明情報を基に、ステップS7で照明装置の点灯が必要であるか否かを判別する。この際、制御部10bは、着信時の応答と照明装置5A、5B、5Cの各点灯とを連動させる、複数の照明装置5A、5B、5Cのうち1つでも点灯していない場合、点灯が必要であると判断する。
【0075】
ステップS7で照明装置の点灯が必要であると判断された場合(S7、YES)、制御部10bは、予め設定された順番(優先順位)に従って、照明装置(照明機器)を指定する(S8A)。制御部10bは、この指定した照明装置の順番に点灯を指示する(S9)。この指定された照明装置は、制御部10bからの点灯指示に従って点灯する。
【0076】
この後、制御部10bは、全ての照明装置5A、5B、5Cの各点灯を指示したか否かを判別する(S10A)。全ての照明装置5A、5B、5Cの各点灯を指示していない場合(S10A、NO)、制御部10は、一定時間が経過するまで待ち(S11)、一定時間が経過すると、次の照明装置を点灯させるために、ステップS8Aの処理に戻る。これにより、全ての照明装置5A、5B、5Cが順番に点灯する。
【0077】
また、ステップS12で通話が終了すると(S12、YES)、制御部10bは、全ての照明装置5A、5B、5Cに対し、着信前、つまり点灯指示を行う前の照明状態に戻す指示を行う(S13)。このとき、ステップS9における点灯時とは、逆の順番で指示が出される。また、ステップS9における点灯指示前に点灯していた照明装置は、ステップS13の処理後も、点灯し続ける。
【0078】
図10は複数の照明装置5A、5B、5Cの点灯動作を示す図である。図10(A)は着信に対する応答時の点灯動作を示す。就寝中等において、着信があり、応答する場合、予め設定された順番に従って、まず、卓上スタンドである照明装置5Aが点灯する。次にペンダントライトである照明装置5Bが点灯する。最後に、シーリングライトである照明装置5Cが点灯する。
【0079】
図10(B)は通話終了時の消灯動作を示す。通話が終了すると、点灯時と逆の順番で、着信前の状態に戻す。ここでは、着信前、全ての照明装置5A、5B、5Cが消灯していたものとする。まず、シーリングライトである照明装置5Cが消灯し、次に、ペンダントライトである照明装置5Bが消灯する。最後に、卓上スタンドである照明装置5Aが消灯する。
【0080】
この様に、第2の実施形態の端末装置によれば、複数の照明装置がある場合、1つずつ順番に点灯させることで、徐々に明るくすることができる。
【0081】
なお、本実施形態では、点灯のオン/オフのみ制御しているので、照明装置5A、5B、5Cには、輝度レベルを多段階に調節可能な調光部が設けられていなかったが、設けるようにしてもよい。そして、各照明装置を点灯する際、第1の実施形態と同様、着信時に徐々に輝度レベルをアップさせてもよいし、消灯する際、徐々に輝度レベルをダウンさせてもよい。
【0082】
(第3の実施形態)
第1の実施形態では、着信に対する応答時、自動的に照明装置と連動する制御が行われたが、第3の実施形態では、この照明装置と連動する応答(以下、照明連動応答という)を使用者が任意に設定可能である場合を示す。
【0083】
第3の実施形態の携帯端末装置1は、第1の実施形態とほぼ同一の構成を有するので、同一の符号を付すことによりその説明を省略する。ここでは、第1の実施形態と異なる構成及び動作について説明する。
【0084】
図11は第3の実施形態における携帯端末装置1の操作を説明する図である。第3の実施形態では、キー入力部32には、着信に対して応答するための応答ボタン32a、照明連動応答を設定するための照明連動応答ボタン32b、及び着信に対して保留するための保留ボタン32cが設けられている。
【0085】
着信があった場合、使用者が応答ボタン32aを押下すると、音声通話等の応答が可能となる。また、使用者が照明連動応答ボタン32bを押下すると、応答と同時に、前述した照明装置5の点灯制御が行われる。この照明連動応答ボタン32bは、点灯制御を有効若しくは無効に切り替える指示を受け付ける操作部に相当する。また、使用者が保留ボタン32cを押下すると、着信は保留される。
【0086】
図12は携帯端末装置1の着信時の照明動作手順を示すフローチャートである。この動作プログラムは、制御部10内のROMに格納されており、携帯端末装置1に着信があった時、この着信をトリガとして、制御部10内のCPUによって実行される。第1の実施形態と同一のステップ処理については省略する。
【0087】
まず、制御部10は、照明連動応答ボタン32bが押下されているか否かを判別する(S71)。照明連動応答ボタン32bが押下されていない場合、制御部10は本動作を終了する。
【0088】
一方、照明連動応答ボタン32bが押下されている場合、制御部10は、ステップS73の処理に進み、前述した照明情報取得の動作を行う。つまり、ステップS73〜S80の処理は、それぞれ前記第1の実施形態のステップS6〜S13の処理と同じであるので、これらの説明を省略する。
【0089】
この様に、第3の実施形態の端末装置によれは、使用者が自分の意思で照明装置と連動させるか否かを設定することができる。これにより、端末装置の操作性を向上することができる。なお、照明連動応答ボタンを押下することで、照明連動応答を行う様に設定する機能は、第1の実施形態で示すように1つの照明装置に対するものであったが、第2の実施形態で示すように複数の照明装置に対するものであってもよい。
【0090】
以上、図面を参照しながら各種の実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種実施の形態の変更例または修正例、更に各種実施の形態の組み合わせ例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0091】
例えば、上記実施形態では、端末装置は携帯電話機やスマートフォン等の携帯端末装置に適用された場合を示したが、固定電話機に適用されてもよい。この場合、固定電話機は、照明装置と有線もしくは無線で接続され、有線もしくは無線通信により照明装置を点灯制御可能とする。
【0092】
また、本発明は、上記実施形態の機能を実現するプログラムを、ネットワークあるいは各種記憶媒体を介して端末装置に供給し、この端末装置のコンピュータが読み出して実行する際の、プログラムも適用範囲である。
【産業上の利用可能性】
【0093】
本発明は、電話の着信時でなく、着信に対する応答時であって、照明を点灯したいと想定される場合に自動で照明装置を点灯させることができる端末装置、照明制御方法及びプログラムとして有用である。
【符号の説明】
【0094】
1 携帯端末装置
5、5A、5B、5C 照明装置
10、54 制御部
11 輝度レベル決定部
12 照明機器指定部
13 照明情報取得部
15 夜間判断部
17 起床判断部
20 表示部
22、58 無線制御部
26 音声処理部
27 マイク
28 スピーカ
29 記憶部
29a、56 照明情報記憶部
30 操作部
31 タッチパネル部
32 キー入力部
32a 応答ボタン
32b 照明連動応答ボタン
32c 保留ボタン
33 通信制御部
33a アンテナ
34 センサ部
35 照度センサ
36 加速度センサ
38 時計部
39 カメラ部
40 無線基地局
52 照明部
53 調光部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通話機能を有し、照明装置を通信により制御可能である端末装置であって、
着信があった場合、前記着信に対する応答を検知する応答検知部と、
前記応答検知部によって応答が検知されて通話が行われる場合、前記通話を行う使用者が起床しているか否かを判断する起床判断部と、
前記起床判断部によって前記使用者が起床していると判断された場合、前記照明装置の点灯制御を行う点灯制御部と、を備える端末装置。
【請求項2】
請求項1記載の端末装置であって、
前記点灯制御を行う前、前記通信により前記照明装置から照明情報を取得する情報取得部と、
前記通話の終了を判断する通話終了判断部と、を更に備え、
前記点灯制御部は、前記通話が終了した場合、前記照明情報を基に、前記照明装置を前記点灯制御を行う前の状態に戻す端末装置。
【請求項3】
請求項1又は2記載の端末装置であって、
夜間を判断する夜間判断部と、を更に備え、
前記点灯制御部は、前記夜間判断部によって夜間が判断された場合、前記照明装置の点灯制御を行う端末装置。
【請求項4】
請求項3記載の端末装置であって、
時刻を計時する計時部と、を更に備え、
前記夜間判断部は、前記計時部によって計時された時刻が特定の時刻範囲にある場合、夜間と判断する端末装置。
【請求項5】
請求項3記載の端末装置であって、
周囲の照度を検出する照度検出部と、を更に備え、
前記夜間判断部は、前記照度検出部によって検出された周囲の照度が所定値以下である場合、夜間と判断する端末装置。
【請求項6】
請求項1記載の端末装置であって、
前記端末装置の傾きを検知する傾き検知部と、を更に備え、
前記起床判断部は、前記傾き検知部によって前記端末装置の縦向きが検知された場合、前記使用者が起床していると判断し、前記端末装置の横向きが検知された場合、前記使用者が起床していないと判断する端末装置。
【請求項7】
請求項1記載の端末装置であって、
前記通話を行う使用者が発声する音量を検知する音量検知部と、を更に備え、
前記起床判断部は、前記音量検知部によって検知される音量が一定値以上である場合、前記使用者が起床していると判断し、前記音量が一定値未満である場合、前記使用者が起床していないと判断する端末装置。
【請求項8】
請求項1記載の端末装置であって、
テレビ電話に使用されるカメラ部と、を更に備え、
前記起床判断部は、前記着信に対する応答として、前記応答検知部によって前記テレビ電話による応答が検知された場合、前記使用者が起床していると判断し、前記テレビ電話による応答が検知されない場合、前記使用者が起床していないと判断する端末装置。
【請求項9】
請求項1〜8のうちいずれか一項に記載の端末装置であって、
前記点灯制御部は、前記照明装置の点灯制御を行う際、前記照明装置の輝度レベルを段階的に所定レベルになるまで上げる端末装置。
【請求項10】
請求項1〜9のうちいずれか一項に記載の端末装置であって、
前記端末装置は、複数の前記照明装置を通信で制御可能であり、
前記点灯制御部は、前記起床判断部によって前記使用者が起床していると判断された場合、前記複数の照明装置の点灯制御を順番に行う端末装置。
【請求項11】
請求項1〜10のうちいずれか一項に記載の端末装置であって、
使用者による前記点灯制御部を有効もしくは無効に切り替える指示を受け付ける操作部と、を更に備え、
前記点灯制御部は、前記操作部によって前記点灯制御部を有効に切り替える指示が受け付けられた場合、前記照明装置の点灯制御を行う端末装置。
【請求項12】
通話機能を有し、照明装置を通信で制御可能である端末装置を制御する照明制御方法であって、
前記端末装置に着信があった場合、前記着信に対する応答を検知する応答検知ステップと、
前記応答検知ステップで応答が検知され、通話が行われる場合、前記通話を行う使用者が起床しているか否かを判断する起床判断ステップと、
前記起床判断ステップで前記使用者が起床していると判断された場合、前記照明装置の点灯制御を行う点灯制御ステップと、
を備える照明制御方法。
【請求項13】
通話機能を有し、照明装置と通信する端末装置であるコンピュータに、
前記端末装置に着信があった場合、前記着信に対する応答を検知する応答検知ステップと、
前記応答検知ステップで応答が検知され、通話が行われる場合、前記通話を行う使用者が起床しているか否かを判断する起床判断ステップと、
前記起床判断ステップで前記使用者が起床していると判断された場合、前記照明装置の点灯制御を行う点灯制御ステップと、
を実現させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−5170(P2013−5170A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−133393(P2011−133393)
【出願日】平成23年6月15日(2011.6.15)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】