説明

竹刀スタンド

【課題】立てて収容している各竹刀が倒れる事態、および各竹刀が収容場所から持ち出されたり抜け落ちたりする事態を回避する。
【解決手段】各竹刀10の下方への移動を制限する底板3aと、各竹刀10における剣部11の矢印B1,B2の方向への移動を制限する移動制限部4と、各竹刀10における鍔13が当接可能に配設されて各竹刀10の上方への移動を制限すると共に、各竹刀10における柄部12の矢印B1,B2の方向への移動を制限する移動制限部5と、受け皿3(底板3a)、移動制限部4および移動制限部5を保持する支柱2と、竹刀スタンド1からの剣先11aの突出を制限する背板3cおよび前板3dと、矢印A1,A2の方向での移動制限部5からの柄部12の離脱を制限する連結棒5aおよびチェーン6とを備えて、鍔13付きの竹刀10を剣部11よりも柄部12を上方に位置させて立てた状態で整列させて収容可能に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鍔付きの複数本の竹刀を立てた状態で収容可能に構成された竹刀スタンドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば学校や道場のように、複数本の竹刀を常備している場所においては、不使用時に邪魔となることのないように各竹刀を立てた状態で収容するのが一般的となっている。具体的には、複数本の竹刀を一箇所にまとめて収容する場合には、格子状の仕切を有する枠体が上方に配設された箱(一例として、特開平8−173299号公報に開示されている傘立て)などを利用して各竹刀を立てた状態で収容している。この場合、収容対象の竹刀における柄部(柄部における剣部側)には、鍔が取り付けられている。この鍔は、柄部から取り外すこともできるが、一般的には、不使用時においても取り外されることなく、柄部に鍔が取り付けられた状態が維持される。したがって、上記公開公報に開示されている傘立てを竹刀収容用のスタンドとして利用する際には、柄頭を下にして各竹刀をスタンドに挿そうとしても、鍔が仕切に当接してしまうため、一般的には、剣先を下にして剣部をスタンドに挿した状態で各竹刀が収容される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8−173299号公報(第2−4頁、第1−9図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、上記の傘立てを竹刀収容用のスタンドとして利用する場合には、以下のような問題が生じる。すなわち、傘立てを利用して複数の竹刀を収容する場合には、鍔が取り付けられている柄部側を仕切りに挿すことができないため、剣先を下にして剣部をスタンドに挿した状態とするのが一般的となっている。しかしながら、傘立てを利用した場合には、柄部に取り付けられた鍔が邪魔となって各竹刀の柄部を互いに近接させることができないだけでなく、傘の収容を目的に設計されている傘立てに対して、傘よりも長尺の竹刀を挿したことで、各竹刀における下方寄り(剣部の中程)が仕切りに当接して支えられることとなり、束状にまとめた各竹刀における上方側(柄部側)が拡がった状態となってしまう。このため、複数本の竹刀が挿されたスタンドが非常に不安定な状態となっており、各竹刀がスタンドと共に倒れてしまうことがあるという問題点が存在する。
【0005】
また、傘立てを竹刀収容用のスタンドとして利用した場合には、収容されている各竹刀は、その剣部がスタンドに挿されただけの状態となっている。したがって、収容状態の各竹刀をスタンドから容易に引き抜くことができるため、スタンドに挿されている各竹刀が収容場所から容易に持ち出されるおそれがあり、各竹刀の管理が煩雑となっているという問題点も存在する。また、各竹刀をスタンド(傘立て)に収容したまま運搬しようとしたときにも、上記したように、各竹刀における上方側(柄部側)が拡がった状態となっていることに起因してスタンドに手を掛け難いと共に、運搬中にスタンドから竹刀が抜け落ちてしまうことがあるため、運搬作業が煩雑となっているという問題点もある。
【0006】
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであり、立てて収容している各竹刀が倒れる事態、および各竹刀が収容場所から持ち出されたり抜け落ちたりする事態を回避し得る竹刀スタンドを提供することを主目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成すべく、請求項1記載の竹刀スタンドは、鍔付きの複数本の竹刀をそれぞれ剣部よりも柄部を上方に位置させて立てた状態で第1の方向に沿って整列させて収容可能に構成された竹刀スタンドであって、前記各竹刀における剣先が当接可能に配設されて当該各竹刀の下方への移動を制限する第1の移動制限部と、前記各竹刀における前記剣部の前記第1の方向に沿った移動を許容しつつ当該第1の方向に対して交差する第2の方向への当該剣部の移動を制限する第2の移動制限部と、前記各竹刀における鍔が当接可能に配設されて当該各竹刀の上方への移動を制限すると共に、当該各竹刀における前記柄部の前記第1の方向に沿った移動を許容しつつ前記第2の方向への当該柄部の移動を制限する第3の移動制限部と、前記第1の移動制限部、前記第2の移動制限部および前記第3の移動制限部を保持する保持部と、前記第1の移動制限部および前記第2の移動制限部の間における前記第1の方向の一端部側および当該第1の方向の他端部側にそれぞれ配設されて当該第1の方向での当該竹刀スタンドからの前記剣先の突出を制限する一対の突出制限部と、前記第3の移動制限部における前記第1の方向の一端部側および当該第1の方向の他端部側にそれぞれ配設されて前記第1の方向での当該第3の移動制限部からの前記柄部の離脱を制限する2つの離脱制限部とを備え、前記両離脱制限部の少なくとも一方は、前記第3の移動制限部からの前記柄部の離脱および当該第3の移動制限部への当該柄部の進入を許容可能に当該竹刀スタンドから取り外し可能に構成され、前記保持部は、前記第1の移動制限部と前記第3の移動制限部との当該竹刀スタンドの上下方向に沿った離間距離が、前記竹刀の前記剣先から当該竹刀の前記鍔における柄頭側の一面までの長さよりも長く、かつ、当該竹刀の当該剣先から当該竹刀の当該柄部における柄頭までの長さよりも短くなるように当該第1の移動制限部および当該第3の移動制限部を保持すると共に、前記第3の移動制限部における前記第1の方向の一端部側と前記第2の移動制限部における当該第1の方向の他端部側との間の距離が、前記各竹刀のうちの1本における前記鍔を当該第3の移動制限部における当該第1の方向の一端部側に当接させ、かつ、当該1本の竹刀における前記剣先を前記両突出制限部のうちの当該第1の方向の他端部側の一方に当接させるように配置したときに、当該第2の移動制限部による当該1本の竹刀の前記第2の方向への移動制限が維持されるとの条件を満たす長さとなり、前記第3の移動制限部における前記第1の方向の他端部側と前記第2の移動制限部における当該第1の方向の一端部側との間の距離が、前記1本の竹刀における前記鍔を当該第3の移動制限部における当該第1の方向の他端部側に当接させ、かつ、当該1本の竹刀における前記剣先を前記両突出制限部のうちの当該第1の方向の一端部側の一方に当接させるように配置したときに、当該第2の移動制限部による当該1本の竹刀の前記第2の方向への移動制限が維持されるとの条件を満たす長さとなるように当該第2の移動制限部および当該第3の移動制限部を保持する。
【0008】
また、請求項2記載の竹刀スタンドは、請求項1記載の竹刀スタンドにおいて、前記各竹刀を前記第1の方向に沿った複数の列に分けて収容可能に構成されている。
【0009】
さらに、請求項3記載の竹刀スタンドは、請求項2記載の竹刀スタンドにおいて、前記両離脱制限部の一方は、当該竹刀スタンドに対して固定的に配設され、前記第3の移動制限部は、断面円形状の棒状部材で平面視U字状に形成されたU字状部材を備えると共に、当該U字状部材の開放側端部が前記両離脱制限部のうちの固定的に配設された一方の側に位置するように配置されて前記複数の列を区分けする。
【0010】
また、請求項4記載の竹刀スタンドは、請求項1から3のいずれかに記載の竹刀スタンドにおいて、前記保持部は、前記第2の移動制限部における前記第1の方向の一端部と前記第3の移動制限部における当該第1の方向の一端部とを相互に連結する第1の連結部材、および当該第2の移動制限部における当該第1の方向の他端部と当該第3の移動制限部における当該第1の方向の他端部とを相互に連結する第2の連結部材を備えて構成されている。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の竹刀スタンドでは、第1の移動制限部と第3の移動制限部との竹刀スタンドの上下方向に沿った離間距離が、竹刀の剣先から竹刀の鍔における柄頭側の一面までの長さよりも長く、かつ、竹刀の剣先から竹刀の柄部における柄頭までの長さよりも短くなるように保持部によって第1の移動制限部および第3の移動制限部が保持されると共に、第3の移動制限部における第1の方向の一端部側と第2の移動制限部における第1の方向の他端部側との間の距離が、各竹刀のうちの1本における鍔を第3の移動制限部における第1の方向の一端部側に当接させ、かつ、1本の竹刀における剣先を両突出制限部のうちの第1の方向の他端部側の一方に当接させるように配置したときに、第2の移動制限部による1本の竹刀の第2の方向への移動制限が維持されるとの条件を満たす長さとなり、第3の移動制限部における第1の方向の他端部側と第2の移動制限部における第1の方向の一端部側との間の距離が、1本の竹刀における鍔を第3の移動制限部における第1の方向の他端部側に当接させ、かつ、1本の竹刀における剣先を両突出制限部のうちの第1の方向の一端部側の一方に当接させるように配置したときに、第2の移動制限部による1本の竹刀の第2の方向への移動制限が維持されるとの条件を満たす長さとなるように第2の移動制限部および第3の移動制限部が保持部によって保持されている。
【0012】
したがって、請求項1記載の竹刀スタンドによれば、傘立てを竹刀収容用のスタンドとして利用するのとは異なり、収容した各竹刀における上方側(柄部側)が拡がった状態となるのを回避することができるため、複数本の竹刀を収容した状態の竹刀スタンドを安定した状態に維持することができる。また、収容状態の竹刀を上方に引き抜こうとしても竹刀の鍔が第3の移動制限部に当接し、収容状態の竹刀を第1の方向に倒して取りだそうとしても竹刀の柄部が離脱制限部に当接して、竹刀の引き抜きや取り出しが制限されるため、各竹刀の意図せぬ持ち出しや、運搬時における抜け落ちを確実に回避することができる結果、各竹刀を確実かつ容易に管理することができる。
【0013】
請求項2記載の竹刀スタンドによれば、各竹刀を第1の方向に沿った複数の列に分けて収容可能に構成したことにより、第1の方向に沿って1列に配列させて各竹刀を収容する構成と比較して、竹刀スタンドの第1の方向に沿った長さを十分に短くすることができる。
【0014】
請求項3記載の竹刀スタンドによれば、両離脱制限部の一方を竹刀スタンドに対して固定的に配設し、かつ、断面円形状の棒状部材で平面視U字状に形成されたU字状部材の開放側端部が両離脱制限部のうちの固定的に配設された一方の側に位置するように配置されて複数の列を区分けするに第3の移動制限部を構成したことにより、竹刀スタンドに対する竹刀の収容作業を容易に実施することができるだけでなく、収容状態の竹刀がU字状部材に当接したときに傷付きが生じる事態を回避することができる。
【0015】
請求項4記載の竹刀スタンドによれば、第2の移動制限部における第1の方向の一端部と第3の移動制限部における第1の方向の一端部とを相互に連結する第1の連結部材、および第2の移動制限部における第1の方向の他端部と第3の移動制限部における第1の方向の他端部とを相互に連結する第2の連結部材を備えて保持部を構成したことにより、第2の移動制限部に対して第3の移動制限部における第1の方向の端部が上下方向で離間または近接するような変形が生じる事態を確実に回避して、第2の移動制限部および第3の移動制限部の上下方向の離間距離を一定距離に維持することができるため、竹刀スタンドに対する竹刀の収容作業時に第3の移動制限部に対する竹刀の引っ掛かりが生じたり、収容状態の竹刀を上方に移動させたときに第2の移動制限部による剣部の第2の方向への移動制限が解除されたりする事態を確実に回避することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】竹刀スタンド1の外観斜視図である。
【図2】竹刀スタンド1における受け皿3の平面図である。
【図3】竹刀スタンド1における移動制限部4の平面図である。
【図4】竹刀スタンド1における移動制限部5の平面図である。
【図5】移動制限部5におけるU字状部材5c(J字状部材5d)の部位を矢印A2の向きで見た断面図である。
【図6】竹刀スタンド1の正面図である。
【図7】竹刀スタンド1の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る竹刀スタンドの実施の形態について説明する。
【0018】
図1に示す竹刀スタンド1は、一例として、幅:約55cm、奥行き:約55cm、高さ:約100cm程度の大きさに形成されて、6列×7本=42本の竹刀10を収容することができるように構成されている。なお、この竹刀スタンド1では、同図および後に参照する各図に示す矢印A1,A2の方向が「第1の方向」に相当し、矢印B1,B2の方向が「第2の方向」に相当するものとする。
【0019】
この場合、収容対象の竹刀10は、その全長(剣先11aから柄頭12aまでの長さLa)が規格で定められている。具体的には、規格「36」の竹刀10(小学生用)は、その全長Laが110cm(3尺6寸)で、規格「37」の竹刀10(中学生用)は、その全長Laが114cm(3尺7寸)で、規格「38」の竹刀10(高校生・大学生・社会人用)は、その全長Laが117cm(3尺8寸)で、規格「39」の竹刀10(大学生・社会人用)は、その全長Laが120cm(3尺9寸)であると定められている。また、上記の規格に適合するように製造された竹刀10では、柄部12に対する鍔13の取り付け位置についても大きなばらつきが生じることなく、ほぼ同様の位置となるように製造されている。
【0020】
したがって、この種の竹刀10では、剣先11aから、鍔13における柄頭12a側の一面までの長さLbについてもほぼ同様となっている。具体的には、一例として、規格「36」の竹刀10および規格「37」の竹刀10では、上記の長さLbが80cm〜82cmの範囲内となっている。なお、この種の竹刀10では、図5に示すように、鍔13が鍔止め13aによって柄部12に取り付けられている。本明細書では、竹刀スタンド1の構成や使用方法についての理解を容易とするために、この鍔13および鍔止め13aを総称して「鍔」として説明する。また、以下の説明においては、例えば、実際には鍔止め13aがいずれかの部位に接する場合においても「鍔13が接する」のように説明し、鍔止め13aに関する説明を省略する。
【0021】
一方、竹刀スタンド1は、鍔13が取り付けられた状態の複数本の竹刀10を、それぞれ剣部11よりも柄部12を上方に位置させるように立てた状態で収容可能に構成された竹刀収容用の専用スタンドであって、受け皿3および移動制限部4,5が4本の支柱2によって支えられると共に、移動制限部5に対してチェーン6が取り外し可能に取り付けられて構成されている。支柱2は、後述する5本の支柱7と相まって「保持部」を構成する部材であって、本例の竹刀スタンド1では、金属製の角パイプで構成されている。この場合、図1,6,7に示すように、各支柱2の下端部には、竹刀スタンド1の移動を容易とするためのキャスター2aがそれぞれ取り付けられている。
【0022】
受け皿3は、図1,2に示すように、金属板を折り曲げ加工することによって、底板3a、背板3b、前板3cおよび側板3d,3dを有する上面開口の箱形に形成されている。また、図2に示すように、背板3b、前板3cおよび側板3d,3dの各上辺には、受け皿3を移動制限部4に取り付けるための取付け代3eが設けられている。この場合、受け皿3における底板3aは、「第1の移動制限部」に相当し、各竹刀10における剣部11の剣先11aが当接可能に移動制限部4の外枠4aや受け皿3の背板3b、前板3cおよび側板3d,3dを介して各支柱2に固定されて、各竹刀10の下方への移動(竹刀スタンド1からの落下)を制限する。
【0023】
また、背板3bは、前板3cと相まって「一対の突出制限部」を構成し、底板3aおよび移動制限部4の間における矢印A1の向きの端部側(「第1の方向の一端部側」の一例:この例では、竹刀スタンド1の背面側)に配設されて、後述するように竹刀スタンド1に収容した各竹刀10の剣先11aが矢印A1の向きで竹刀スタンド1から突出するのを制限する。さらに、前板3cは、底板3aおよび移動制限部4の間における矢印A2の向きの端部側(「第1の方向の他端部側」の一例:この例では、竹刀スタンド1の前面側)に配設されて、後述するように竹刀スタンド1に収容した各竹刀10の剣先11aが矢印A2の向きで竹刀スタンド1から突出するのを制限する。
【0024】
移動制限部4は、「第2の移動制限部」に相当し、各竹刀10における剣部11の矢印A1,A2の方向に沿った移動を許容しつつ(剣部11の矢印A1,A2の方向に沿った移動を制限せずに)、各竹刀10における剣部11の矢印B1,B2の方向への移動を制限する(剣部11の矢印B1,B2の方向への移動可能範囲を予め規定された範囲に制限する)。この移動制限部4は、図1,3に示すように、一例として、金属製の角パイプで構成されて各支柱2,2間に掛け渡された外枠4aと、外枠4aと同様にして金属製の角パイプで構成されて外枠4aに対して矢印A1,A2の方向で掛け渡された5本の仕切り棒4bとを備えて構成されている。なお、本例の竹刀スタンド1では、受け皿3が移動制限部4の外枠4aにおける下面に取り付けられており、これにより、図1,6,7に示すように、「第2の移動制限部」に相当する移動制限部4が「第1の移動制限部」に相当する底板3aよりも上方に位置させられている。
【0025】
移動制限部5は、「第3の移動制限部」に相当し、図1,6,7に示すように、「第2の移動制限部」に相当する移動制限部4よりも上方に位置するように支柱2によって保持されている。この移動制限部5は、収容状態の各竹刀10を上方に向けて移動させようとしたときにその竹刀10における鍔13が当接可能に配設されており、収容状態における各竹刀10の上方への移動を制限すると共に、各竹刀10における柄部12の矢印A1,A2の方向に沿った移動を許容しつつ(柄部12の矢印A1,A2の方向に沿った移動を制限せずに)、各竹刀10における柄部12の矢印B1,B2の方向への移動を制限する(柄部12の矢印B1,B2の方向への移動可能範囲を予め規定された範囲に制限する)。
【0026】
この移動制限部5は、図1,4に示すように、一例として、金属製の角パイプで構成されて背面側(「第1の方向の一端部側」の一例)の2本の支柱2,2間に掛け渡された連結棒5aと、連結棒5aと同様にして金属製の角パイプで構成されて矢印A1,A2の方向で支柱2,2の間に掛け渡された連結棒5b,5bと、金属製の丸パイプで平面視U字状に形成されると共に矢印A1,A2の方向に沿って配設されて開放側端部が連結棒5aに固定された5つのU字状部材5cと、金属製の丸パイプで平面視J字状に形成されると共に矢印A1,A2の方向に沿って配設されて連結棒5aおよび前面側の支柱2の間に掛け渡された2つのJ字状部材5dとを備えて構成されている。この場合、図5に示すように、各U字状部材5cおよび各J字状部材5dは、矢印B1,B2の方向に沿った離間距離L3が、竹刀10における柄部12の直径Lcよりも広く、かつ、竹刀10における鍔13の直径Ldよりも狭くなるように配置されている。
【0027】
また、連結棒5aは、チェーン6と相まって「離脱制限部」を構成し、上記したように、背面側の2本の支柱2,2間に掛け渡されるようにして固定されている(「両離脱制限部の一方が竹刀スタンド1に対して固定的に配設されている」との構成の一例)。つまり、本例の竹刀スタンド1では、「第3の移動制限部」を構成する各U字状部材5cおよび各J字状部材5dの各一端部が、「離脱制限部」としても機能する連結棒5aを介して支柱2によって保持されている。この連結棒5aは、上記したように、各U字状部材5cおよび各J字状部材5dを固定するための固定部材として機能して「第3の移動制限部」の一部を構成しつつ、「離脱制限部」の一方として機能して、収容状態における各竹刀10の柄部12が矢印A1の向きで移動制限部5から離脱するのを制限する。
【0028】
この場合、上記したように、本例の竹刀スタンド1では、各U字状部材5cおよび各J字状部材5dの矢印A1の向きの端部が連結棒5aを介して背面側の2本の支柱2,2に固定されて、この支柱2本の支柱2,2によって移動制限部4における矢印A1の向きの端部に連結されている。したがって、この竹刀スタンド1では、背面側の2本の支柱2,2が「第1の連結部材」に相当する。また、図1,6に示すように、各U字状部材5cにおける矢印A2の向きの端部は、支柱7によって移動制限部4の外枠4aにそれぞれ連結されている。さらに、各J字状部材5dにおける矢印A2の向きの端部は、前面側の2本の支柱2,2に固定されて、この支柱2本の支柱2,2によって移動制限部4における矢印A2の向きの端部に連結されている。したがって、この竹刀スタンド1では、各支柱7および前面側の2本の支柱2,2が「第2の連結部材」に相当する。
【0029】
チェーン6は、図1,4に示すように、移動制限部5の上面側における矢印A2の向きの端部(竹刀スタンド1の前面側)に取り外し可能に取り付けられて、収容状態の各竹刀10における柄部12が矢印A2の向きで移動制限部5から離脱するのを制限する。この場合、本例の竹刀スタンド1では、一例として、移動制限部5の連結棒5b,5bにおける矢印A2の向きの端部側(竹刀スタンド1の前面側)に図示しないU字フックがそれぞれ取り付けられており、このU字フックにチェーン6の両端部が取り付けられている。このチェーン6は、両端部のいずれかがU字フックから外されることで、竹刀10における柄部12の移動制限部5からの離脱や、移動制限部5への柄部12の進入を許容する。したがって、チェーン6の両端部をU字フックに固定した状態においては、収容状態の竹刀10を矢印A1,A2の向きに倒して取り出そうとしても竹刀10の柄部12が連結棒5aまたはチェーン6に当接して、竹刀10の引き抜きや取り出しが阻止される。
【0030】
この竹刀スタンド1では、図6に示すように、受け皿3の底板3aと移動制限部5の各U字状部材5cおよび各J字状部材5dとの竹刀スタンド1の上下方向に沿った離間距離(同図に示す長さL1)が、竹刀10の剣先11aから竹刀10の鍔13における柄部12側の一面までの長さ(図1に示す長さLb)よりも長く、かつ、竹刀10の剣先11aから竹刀10の柄頭12aまでの長さ(図1に示す長さLa)よりも短い長さ(第1の長さ)となるように底板3aと各U字状部材5cおよび各J字状部材5dとの位置関係が規定されている。
【0031】
また、この竹刀スタンド1では、図7に示すように、移動制限部5における背面側(矢印A1の向きの端部:「第1の方向の一端部側」の一例)と、移動制限部4における前面側(矢印A2の向きの端部:「第1の方向の他端部側」の一例)との間の距離(同図に示す長さL2a)が、1本の竹刀10(同図に一点鎖線で示す竹刀10)における鍔13を移動制限部5の背面側に当接させ、かつ、その竹刀10の剣先11aを受け皿3の前板3c(「両突出制限部のうちの第1の方向の他端部側の一方」の一例)に当接させるように配置したときに、移動制限部4による竹刀10の移動制限が維持されるとの条件を満たす長さ(第2の長さ)になると共に、移動制限部5における前面側(矢印A2の向きの端部)と、移動制限部4における背面側(矢印A1の向きの端部)との間の距離(同図に示す長さL2b)が、1本の竹刀10(同図に二点鎖線で示す竹刀10)における鍔13を移動制限部5の前面側に当接させ、かつ、その竹刀10の剣先11aを受け皿3の背板3b(「両突出制限部のうちの第1の方向の一端部側の一方」の一例)に当接させるように配置したときに、移動制限部4による竹刀10の移動制限が維持されるとの条件を満たす長さ(第3の長さ)となるように、背板3b、前板3c、移動制限部4,5の位置関係が規定されている。
【0032】
言い換えれば、この竹刀スタンド1では、移動制限部5における背面側と、移動制限部4における前面側との間の距離(上記の長さL2a)、および移動制限部5における前面側と、移動制限部4における背面側との間の距離(上記の長さL2b)が、竹刀10における剣先11aから鍔13における柄頭12a側の一面までの長さLb以下となるように背板3b、前板3c、移動制限部4,5が位置決めされている。したがって、この竹刀スタンド1では、移動制限部4による竹刀10の移動制限(剣部11の矢印B1,B2の方向への移動制限)を解除して竹刀10を竹刀スタンド1の側方から斜め下向きに取り出そうとしたり、移動制限部5による竹刀10の移動制限(柄部12の矢印B1,B2の方向への移動制限)を解除して竹刀10を竹刀スタンド1の側方から斜め上向きに取り出そうとしたりしても、移動制限部4,5による移動制限状態が確実に維持される。
【0033】
また、竹刀スタンド1は、剣部11よりも柄部12部が上方に位置するように鍔13付きの42本の竹刀10を立てた状態で矢印A1,A2の方向に沿って整列させて収容可能に構成されている。この場合、この竹刀スタンド1は、42本の各竹刀10を矢印A1,A2の方向に沿った6列に分けて収容することができるように構成されている。具体的には、この竹刀スタンド1に竹刀10を収容する際には、まず、チェーン6の少なくとも一方の端部を移動制限部5の連結棒5bから外す。次いで、剣先11aを下にして竹刀10の柄部12を握り、竹刀スタンド1の前面側から、支柱2と支柱7との間(または支柱7,7の間)に剣部11を斜めに挿入し、続いて、外枠4aと仕切り棒4bとの間(または、仕切り棒4b,4bの間)に剣先11aを斜めに挿入する。これにより、竹刀10の剣部11が、移動制限部4の外枠4aおよび仕切り棒4b(または、仕切り棒4b,4b)によって矢印A1,A2の方向への移動を許容されつつ、矢印B1,B2の方向への移動が制限された状態となる。
【0034】
次いで、剣先11aを底板3aに当接させた状態において竹刀10を垂直に立てる。この際に、この竹刀スタンド1では、各U字状部材5cや各J字状部材5dにおける開放側端部が竹刀スタンド1の背面側に位置させられて連結棒5aに固定されて、これにより、各U字状部材5cや各J字状部材5dにおける曲げ部(平面視において丸みを帯びている部位)が移動制限部5の前面側に位置するように構成されている。したがって、竹刀10を垂直に立てようとしたときに、その竹刀10の柄部12がU字状部材5cやJ字状部材5dの前面側の端部に当たってしまったとしても、柄部12を矢印A1の向きに移動させようとする力を加えるだけで、柄部12がU字状部材5cおよびJ字状部材5dの間(または、U字状部材5c,5cの間)に向けて案内される。
【0035】
また、この竹刀スタンド1では、前述したように、底板3aと移動制限部5の各U字状部材5cおよび各J字状部材5dとの上下方向に沿った離間距離(図6,7に示す長さL1)が、竹刀10の剣先11aから竹刀10の鍔13における柄部12側の一面までの長さ(図1に示す長さLb)よりも長く、かつ、竹刀10の剣先11aから竹刀10の柄頭12aまでの長さ(図1に示す長さLa)よりも短い長さとなっている。したがって、剣先11aを底板3aに当接させた状態で立てた竹刀10は、図6,7に示すように、その鍔13が、移動制限部5の各U字状部材5cおよび各J字状部材5dよりも下方に位置することとなる。これにより、竹刀10の柄部12が、移動制限部5のJ字状部材5dおよびU字状部材5c(または、U字状部材5c,5c)によって矢印A1,A2の方向への移動を許容されつつ、矢印B1,B2の方向への移動が制限された状態となる。
【0036】
また、鍔13が移動制限部5の各U字状部材5cおよび各J字状部材5dよりも下方に位置する状態となっているため、竹刀スタンド1に対して竹刀10を上方に移動させて引き抜こうとしても、図5に示すように、その竹刀10の鍔13がJ字状部材5dおよびU字状部材5c(または、U字状部材5c,5c)に当接することとなる。これにより、竹刀スタンド1からの竹刀10の上方への引き抜きが阻止された状態となる。この場合、この竹刀スタンド1では、断面円形状の棒状部材(この例では、丸パイプ)を曲げて各U字状部材5cおよび各J字状部材5dが形成されている。したがって、例えば断面角形状の部材で形成したU字状部材やJ字状部材(図示せず)によって「第3の移動制限部」を形成した構成とは異なり、比較的傷付き易い柄部12や鍔13(鍔止め13a)がU字状部材5cやJ字状部材5dに当接したときに、これらに傷付きが生じる事態が回避される。
【0037】
この後、他の竹刀10を収容する際に邪魔となることのないように、竹刀10を竹刀スタンド1の背面側に向かって(矢印A1の向きで)移動させることにより、その竹刀10の収容作業が完了する。この際には、竹刀10の剣部11が移動制限部4における背面側の外枠4aに当接すると共に柄部12が移動制限部5における連結棒5aに当接する。これにより、竹刀スタンド1からの矢印A1の向きに沿った竹刀10の離脱が阻止される。また、他の竹刀10を竹刀スタンド1に収容する際には、上記の手順と同様の手順で竹刀10を収容する。これにより、6列×7本=42本以下の任意の本数の竹刀10が竹刀スタンド1に収容される。
【0038】
この後、収容すべきすべての竹刀10の収容作業が完了したときに、チェーン6における連結棒5bから外した側の端部を連結棒5bに固定する。この際には、収容した竹刀10の剣部11が移動制限部4における前面側の外枠4aに当接すると共に柄部12がチェーン6に当接し得る状態となる。これにより、竹刀スタンド1からの矢印A2の向きに沿った竹刀10の離脱が阻止される。また、必要に応じて、チェーン6の両端部を南京錠等を利用して連結棒5b(U字フック)に施錠することにより、解錠し得る者以外の者が竹刀スタンド1から竹刀10を持ち出すことができない状態となる。
【0039】
この場合、この竹刀スタンド1では、収容状態の各竹刀10における剣部11が移動制限部4における外枠4aおよび仕切り棒4bの間(または、仕切り棒4b,4bの間)に位置して各図における矢印B1,B2の方向への移動が制限されると共に、各竹刀10における柄部12が移動制限部5におけるU字状部材5cおよびJ字状部材5dの間(または、U字状部材5c,5cの間)に位置して各図における矢印B1,B2の方向への移動が制限されている。したがって、複数本の竹刀10を収容した状態において、これらが上方において左右方向に拡がる事態が回避される。また、この竹刀スタンド1では、移動制限部4における矢印A1,A2の方向に外枠4a,4aが存在し、かつ、移動制限部5における矢印A1の向きに連結棒5aが存在すると共に矢印A2の向きにチェーン6が存在している。したがって、複数本の竹刀10を収容した状態において、これらが上方において前後方向に拡がる事態も回避される。これにより、この竹刀スタンド1では、複数本の竹刀10を収容した状態においても十分に安定した状態が維持される。
【0040】
さらに、この竹刀スタンド1では、各支柱2の下方にキャスター2aが取り付けられている。したがって、竹刀10の収容作業を実施すべき場所まで空の竹刀スタンド1を押して(または、引いて)移動させたり、竹刀10の収容作業が完了した竹刀スタンド1を、常置場所まで押して(または、引いて)移動させたりすることができる。一方、収容状態の竹刀10を竹刀スタンド1から取り出す際には、まず、チェーン6の少なくとも一方の端部を移動制限部5の連結棒5bから外した状態において、柄部12を握って竹刀10を手前に傾けるように移動させる。この際には、チェーン6による柄部12の上下動機構5からの離脱制限が解除されると共に、上下動機構5による柄部12の矢印B1,B2の方向への移動制限が解除される。次いで、その状態の竹刀10を長手方向に沿って引き抜くことにより、移動制限部4による剣部11の移動制限が解除されて、竹刀10の取り出しが完了する。
【0041】
このように、この竹刀スタンド1では、受け皿3の底板3aと移動制限部5の各U字状部材5cおよび各J字状部材5dとの竹刀スタンド1の上下方向に沿った離間距離(長さL1)が、竹刀10の剣先11aから竹刀10の鍔13における柄頭12a側の一面までの長さ(長さLb)よりも長く、かつ、竹刀10の剣先11aから竹刀10の柄部12における柄頭12aまでの長さ(長さLa)よりも短くなるように底板3aおよび移動制限部5が位置決めされて保持されると共に、移動制限部5における矢印A1の向きの端部と移動制限部4における矢印A2の向きの端部との間の距離(長さL2a)が、1本の竹刀10における鍔13を移動制限部5における矢印A1の向きの端部に当接させ、かつ、その竹刀10における剣先11aを矢印A2の向きの端部側に位置している前板3cに当接させるように配置したときに、移動制限部4による竹刀10の矢印B1,B2の方向への移動制限が維持されるとの条件を満たす「第2の長」さとなり、移動制限部5における矢印A2の向きの端部と移動制限部4における矢印A1の向きの端部との間の距離(長さL2b)が、1本の竹刀10における鍔13を移動制限部5における矢印A2の向きの端部に当接させ、かつ、その竹刀10における剣先11aを矢印A1の向きの端部側に位置している背板3bに当接させるように配置したときに、移動制限部4による竹刀10の矢印B1,B2の方向への移動制限が維持されるとの条件を満たす「第3の長」さとなるように移動制限部4,5が位置決めされて支柱2,7によって保持されている。
【0042】
したがって、この竹刀スタンド1によれば、傘立てを竹刀収容用のスタンドとして利用するのとは異なり、収容した各竹刀10における上方側(柄部12側)が拡がった状態となるのを回避することができるため、複数本の竹刀10を収容した状態の竹刀スタンド1を安定した状態に維持することができる。また、収容状態の竹刀10を上方に引き抜こうとしても竹刀10の鍔13が移動制限部5(U字状部材5cおよびJ字状部材5d)に当接し、収容状態の竹刀10を矢印A1,A2の向きに倒して取りだそうとしても竹刀10の柄部12が連結棒5aまたはチェーン6に当接して、竹刀10の引き抜きや取り出しが阻止されるため、各竹刀10の意図せぬ持ち出しや、運搬時における抜け落ちを確実に回避することができる結果、各竹刀10を確実かつ容易に管理することができる。
【0043】
また、この竹刀スタンド1によれば、各竹刀10を矢印A1,A2の方向に沿った複数の列(この例では、6列)に分けて収容可能に構成したことにより、矢印A1,A2の方向に沿って1列に配列させて各竹刀10を収容する構成と比較して、竹刀スタンド1の矢印A1,A2に沿った長さを十分に短くすることができる。
【0044】
さらに、この竹刀スタンド1によれば、「両離脱制限部の一方」に相当する連結棒5aを竹刀スタンド1に対して固定的に配設し、かつ、断面円形状の棒状部材(この例では、丸パイプ)で平面視U字状に形成されたU字状部材5cの開放側端部が「両離脱制限部のうちの固定的に配設された一方」に相当する連結棒5aの側に位置するように配置して複数の列を区分けするように移動制限部5を構成したことにより、竹刀スタンド1に対する竹刀10の収容作業を容易に実施することができるだけでなく、収容状態の竹刀10がU字状部材5cやJ字状部材5dに当接したときに傷付きが生じる事態を回避することができる。
【0045】
また、この竹刀スタンド1によれば、移動制限部4における矢印A1の向きの端部と移動制限部5における矢印A1の向きの端部とを相互に連結する「第1の連結部材」としての2本の支柱2、および移動制限部4における矢印A2の向きの端部と移動制限部5における矢印A2の向きの端部とを相互に連結する「第2の連結部材」としての2本の支柱2および5本の支柱7を備えて「保持部」を構成したことにより、移動制限部4に対して移動制限部5における矢印A1,A2の方向のいずれかの端部が上下方向で離間または近接するような変形が生じる事態を確実に回避して、移動制限部4,5の上下方向の離間距離を一定距離に維持することができるため、竹刀スタンド1に対する竹刀10の収容作業時に移動制限部5に対する竹刀10の引っ掛かりが生じたり、収容状態の竹刀10を上方に移動させたときに移動制限部4による剣部11の矢印B1,B2の方向への移動制限が解除されたりする事態を確実に回避することができる。
【0046】
なお、竹刀スタンドの構成は、上記した竹刀スタンド1の構成に限定されるものではない。例えば、収容対象の竹刀10を6列に分けて収容する構成を例に挙げて説明したが、複数本の竹刀10を収容する収容形態は、矢印A1,A2の方向に沿った1列でもよいし、2列以上5列以下の複数列でもよいし、7列以上の複数列でもよい。また、1列あたり7本の竹刀10を収容する構成を例に挙げて説明したが、1列あたり2本以上6本以下の複数本を収容可能に構成してもよいし、1列あたり8本以上の複数本を収容可能に構成してもよい。これらの構成を採用した場合においても、上記の竹刀スタンド1と同様の効果を奏することができる。
【0047】
また、竹刀スタンド1の前面側から竹刀10を収容し、竹刀スタンド1の前面側に竹刀10を取り出す構成を例に挙げて説明したが、竹刀スタンドの前面側および背面側の双方から竹刀10を収容し、竹刀スタンドの前面側および背面側の双方に竹刀10を取り出すことができるように構成することもできる。具体的には、一例として、竹刀スタンド1における移動制限部5の連結棒5aに代えてチェーン6を配設すると共に、U字状部材5cやJ字状部材5dに代えて、O字状部材およびC字状部材を配設して「第3の移動制限部」を構成し、かつ、O字状部材の「第1の方向」に沿った両端部を竹刀スタンド1における支柱7と同様の支柱によって支持し、C字状部材を背面側の支柱2および前面側の支柱2に固定する構成を採用することができる(図示せず)。このような構成を採用することにより、その竹刀スタンドに対する竹刀10の収容作業や、竹刀10の取り出し作業を短時間で完了させることができる。
【0048】
さらに、4本の支柱2と、竹刀10を収容する列数に応じた本数(この例では5本)の支柱7とで「保持部」を構成した竹刀スタンド1を例に挙げて説明したが、U字状部材5cが十分な強度を有している場合には、支柱7を不要とすることができる。また、4本の支柱2に代えて、例えば2本の支柱によって受け皿3および移動制限部4,5を保持する構成(図示せず)や、支柱に代えて、パネル(板材)によって受け皿3および移動制限部4,5を保持する構成(図示せず)を採用することもできる。このような構成を採用した場合においても、上記の竹刀スタンド1と同様の効果を奏することができる。
【符号の説明】
【0049】
1 竹刀スタンド
2,7 支柱
3 受け皿
3a 底板
3b 背板
3c 前板
4,5 移動制限部
4a 外枠
4b 仕切り棒
5a,5b 連結棒
5c U字状部材
5d J字状部材
6 チェーン
10 竹刀
11 剣部
11a 剣先
12 柄部
12a 柄頭
13 鍔
13a 鍔止め
L1,L2a,L2b,La,Lb 長さ
L3 離間距離
Lc,Ld 直径

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鍔付きの複数本の竹刀をそれぞれ剣部よりも柄部を上方に位置させて立てた状態で第1の方向に沿って整列させて収容可能に構成された竹刀スタンドであって、
前記各竹刀における剣先が当接可能に配設されて当該各竹刀の下方への移動を制限する第1の移動制限部と、
前記各竹刀における前記剣部の前記第1の方向に沿った移動を許容しつつ当該第1の方向に対して交差する第2の方向への当該剣部の移動を制限する第2の移動制限部と、
前記各竹刀における鍔が当接可能に配設されて当該各竹刀の上方への移動を制限すると共に、当該各竹刀における前記柄部の前記第1の方向に沿った移動を許容しつつ前記第2の方向への当該柄部の移動を制限する第3の移動制限部と、
前記第1の移動制限部、前記第2の移動制限部および前記第3の移動制限部を保持する保持部と、
前記第1の移動制限部および前記第2の移動制限部の間における前記第1の方向の一端部側および当該第1の方向の他端部側にそれぞれ配設されて当該第1の方向での当該竹刀スタンドからの前記剣先の突出を制限する一対の突出制限部と、
前記第3の移動制限部における前記第1の方向の一端部側および当該第1の方向の他端部側にそれぞれ配設されて前記第1の方向での当該第3の移動制限部からの前記柄部の離脱を制限する2つの離脱制限部とを備え、
前記両離脱制限部の少なくとも一方は、前記第3の移動制限部からの前記柄部の離脱および当該第3の移動制限部への当該柄部の進入を許容可能に当該竹刀スタンドから取り外し可能に構成され、
前記保持部は、前記第1の移動制限部と前記第3の移動制限部との当該竹刀スタンドの上下方向に沿った離間距離が、前記竹刀の前記剣先から当該竹刀の前記鍔における柄頭側の一面までの長さよりも長く、かつ、当該竹刀の当該剣先から当該竹刀の当該柄部における柄頭までの長さよりも短くなるように当該第1の移動制限部および当該第3の移動制限部を保持すると共に、前記第3の移動制限部における前記第1の方向の一端部側と前記第2の移動制限部における当該第1の方向の他端部側との間の距離が、前記各竹刀のうちの1本における前記鍔を当該第3の移動制限部における当該第1の方向の一端部側に当接させ、かつ、当該1本の竹刀における前記剣先を前記両突出制限部のうちの当該第1の方向の他端部側の一方に当接させるように配置したときに、当該第2の移動制限部による当該1本の竹刀の前記第2の方向への移動制限が維持されるとの条件を満たす長さとなり、前記第3の移動制限部における前記第1の方向の他端部側と前記第2の移動制限部における当該第1の方向の一端部側との間の距離が、前記1本の竹刀における前記鍔を当該第3の移動制限部における当該第1の方向の他端部側に当接させ、かつ、当該1本の竹刀における前記剣先を前記両突出制限部のうちの当該第1の方向の一端部側の一方に当接させるように配置したときに、当該第2の移動制限部による当該1本の竹刀の前記第2の方向への移動制限が維持されるとの条件を満たす長さとなるように当該第2の移動制限部および当該第3の移動制限部を保持する竹刀スタンド。
【請求項2】
前記各竹刀を前記第1の方向に沿った複数の列に分けて収容可能に構成されている請求項1記載の竹刀スタンド。
【請求項3】
前記両離脱制限部の一方は、当該竹刀スタンドに対して固定的に配設され、
前記第3の移動制限部は、断面円形状の棒状部材で平面視U字状に形成されたU字状部材を備えると共に、当該U字状部材の開放側端部が前記両離脱制限部のうちの固定的に配設された一方の側に位置するように配置されて前記複数の列を区分けする請求項2記載の竹刀スタンド。
【請求項4】
前記保持部は、前記第2の移動制限部における前記第1の方向の一端部と前記第3の移動制限部における当該第1の方向の一端部とを相互に連結する第1の連結部材、および当該第2の移動制限部における当該第1の方向の他端部と当該第3の移動制限部における当該第1の方向の他端部とを相互に連結する第2の連結部材を備えて構成されている請求項1から3のいずれかに記載の竹刀スタンド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−115371(P2012−115371A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266255(P2010−266255)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000167299)光葉スチール株式会社 (6)