説明

竹馬の踏板取付装置

【課題】竹馬の竿部に駒片を嵌着して、駒片の外筒に踏板を外筒を収納可能な嵌合孔で外接嵌合すると、内筒は略完全な円筒状の空間となり、竿部の表面に対する密着状態が完全になるため、竿部に対し駒片が滑ることがなく踏板の取付高さが確実に固定できる踏板取付装置を提供する。
【解決手段】直状の内筒3aと截頭円錐形の外筒3bとを放射状のリブ3cで一体に連結し、内筒3aにおいて、上下端面に達する軸線方向の複数条のスリット3dを等角度に設けるとともに、外筒3bにおいて、内筒3aに設けたスリット3dと一致し、上下端面に達する軸線方向の1条スリット3e及び上下一方の端面の近傍から他方の端面に達する軸線方向の複数条のスリット3fをそれぞれ設けて成る駒片3を、その内筒3aにおいて竹馬の竿部2に嵌挿し、その外筒3bの外面に踏板4を截頭円錐形の嵌合孔4aにおいて嵌着支持させてなるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、竹馬の竿部に踏板を取付けるための竹馬の踏板取付装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の踏板取付装置として、本出願人の実用新案登録に係る実公昭52−6373号公報に記載されたものがあった。これは、直状の内筒と截頭円錐形の外筒とを放射状のリブで一体に連結し、内外筒に上下端面に達する軸線方向のスリットを設けてなる駒片をその内筒において竹馬の竿部に嵌挿し、その外筒の外面に踏板を截頭円錐形の嵌合孔において嵌着支持させてなるものである。ここで適用される踏板は、上面を平坦とし基部に筒状部を形成してこれに駒片の外筒に適合する截頭円錐形の嵌合孔を設け、駒片の内筒には平行する複数条のスリットを設け外筒には1条のスリットを設けている。
【0003】
そして、竿部に対し内外筒からなる駒片を適当な高さ位置に嵌着した後、その外筒に踏板を截頭円錐形の嵌合孔で外接嵌合すれば、外筒と嵌合孔とのテーパー形状の凹凸の嵌め込みにより、駒片に対し踏板は確実に係合し、且つ駒片は踏板の嵌合により周囲から挾搾され、これがリブを介して内筒を挾搾する作用となって竿部に対し駒片を強力に結着するから、踏板は該駒片を介して竿部に堅牢に結着支持され、且つその分解も極めて安易に行われるもので、踏板の取付高さの調節も簡便である。
【特許文献1】実公昭52−6373号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
竹馬の竿部は一般に、金属パイプで竿部本体を構成し、該竿部本体の外面を合成樹脂製フィルムで被覆し、竿部本体の上端部、下端部に熱収縮性の上キャップ、下キャップをそれぞれ装着して構成される。竿部に対し駒片を適当な高さ位置に嵌着し、その外筒に踏板を截頭円錐形の嵌合孔で外接嵌合すると、駒片は外筒に設けた1条のスリットが当設するように内筒の径を狭めるが、内筒の孔内はどうしても完全な円筒状の空間とならず、竿部の表面に対する密着状態が不完全になってしまう。そのため、竿部に対し駒片が滑ることがあり、踏板がずれて踏板の取付高さが固定できないという問題があった。
【0005】
本発明は、竹馬の竿部に駒片を嵌着して、駒片の外筒に踏板を截頭円錐形の嵌合孔で外接嵌合すると、内筒は略完全な円筒状の空間となり、竿部の表面に対する密着状態が完全になるため、竿部に対し駒片が滑ることがなく踏板の取付高さが確実に固定できる踏板取付装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために請求項1記載の発明は、直状の内筒と截頭円錐形の外筒とを放射状のリブで一体に連結し、内筒において、上下端面に達する軸線方向の複数条のスリットを等角度に設けるとともに、外筒において、内筒に設けたスリットと一致し、上下端面に達する軸線方向の1条スリット及び上下一方の端面の近傍から他方の端面に達する軸線方向の複数条のスリットをそれぞれ設けて成る駒片を、その内筒において竹馬の竿部に嵌挿し、その外筒の外面に踏板を截頭円錐形の嵌合孔において嵌着支持させてなる竹馬の踏板取付装置である。
【0007】
また、請求項2記載の発明は、駒片は、内筒において、上下端面に達する軸線方向の複数条のスリットを等角度に設けるとともに、外筒において、内筒に設けたスリットと一致し、上下端面に達する軸線方向の1条のスリット及び上方の端面の近傍から下方の端面に達する軸線方向の複数条のスリットをそれぞれ設けてなる請求項1記載の竹馬の踏板取付装置である。
【0008】
また、請求項3記載の発明は、駒片は、内筒において、上下端面に達する軸線方向の複数条のスリットを等角度に設けるとともに、外筒において、内筒に設けたスリットと一致し、上下端面に達する軸線方向の1条のスリット及び下方の端面の近傍から上方の端面に達する軸線方向の複数条のスリットをそれぞれ設けてなる請求項1記載の竹馬の踏板取付装置である。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、竿部に駒片を嵌着して、駒片の外筒に踏板を截頭円錐形の嵌合孔で外接嵌合すると、内筒は略完全な円筒状の空間となり、竿部の表面に対する密着状態が完全になり、竿部に対し駒片が滑ることがなく踏板の取付高さが確実に固定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、実施例を示す図面に基づいて本発明を詳細に説明する。
【実施例1】
【0011】
図1は本発明の実施例1の概略斜視図、図2は図1における駒片と踏板の分解斜視図、図3において、(a)は図1における駒片の斜視図、(b)は駒片の平面図、(c)は(b)のA−A線から見た駒片の縦断面図、(d)は(c)のB−B線から見た駒片の横断面図である。
【0012】
図1及び図2において、踏板取付装置1は、竹馬の竿部2に取り付けられるもので、駒片3及び踏板4とから構成されている。竿部2は丸筒状の金属パイプの外面を合成樹脂製フィルムで被覆して形成されている。そして竿部2には、駒片3が直状の内筒3aで嵌着され、さらに、駒片3の截頭円錐形の外筒3bに踏板4が、截頭円錐形の嵌合孔4aで外接嵌合されている。
【0013】
図3(a)〜(d)に示すように、駒片3は、直状の内筒3aと截頭円錐形の外筒3bとを放射状のリブ3cで一体に連結されている。また、駒片3は内筒3aにおいて、上下端面に達する軸線方向の複数条のスリット3dが等角度に設けられるとともに、スリット3dの周縁部と外筒3bとが平坦な板状の端部壁31で一体に連結されている。
【0014】
また、外筒3bにおいて、内筒3aに設けたスリット3dと一致し、上下端面に達する軸線方向の1条のスリット3e及び上端面の近傍から下端面に達する軸線方向の複数条のスリット3fが設けられている。
【0015】
また、踏板4は上面を平坦とした足置き部4bの基部(前部)4cに下方に突出して筒状部4dが形成され、この筒状部4dの裏側において、駒片3の外筒3bに合致する截頭円錐形の嵌合孔4aが設けられている。
【0016】
次に、踏板取付装置1により竹馬を組立てる手順を説明する。竹馬の竿部2に駒片3を竹馬の使用者に適した高さ位置に嵌着する。そして、駒片3の外筒3bに踏板4を截頭円錐形の嵌合孔4aで外接嵌合すれば、外筒3bと嵌合孔4aとのテーパー形状の凹凸の嵌め込みにより、駒片3に対し踏板4は確実に係合する。そして、駒片3は、内外筒3a,3bにおいて、内筒3aに軸線方向の複数条のスリット3dを等角度に設けるとともにスリット3dの周縁部と外筒3bとを平坦な端部壁31で一体に連結し、また、外筒3bに軸線方向のスリット3e,3fを等角度に設けている。
【0017】
そのため、駒片3は、踏板4の嵌合により周囲から挾搾されると、内外筒3a,3bは内筒3aに等角度に設けたスリット3dと外筒3bに等角度に設けたスリット3e,3fの間隔を狭めて駒片3の径を等角度の複数の位置において縮めることができるので、内筒3aの孔内は完全な円筒状の空間を維持した状態で、竿部2の表面に対する密着状態が完全になり、竿部2に対し駒片3が滑ることがなくなる。
【実施例2】
【0018】
実施例2において、実施例2の踏板取付装置1aは、駒片13の構造が実施例1の駒片3と異なる以外は、竿部2、踏板4は同じもので良いので、ここでは、駒片13の構造についてのみ説明する。
【0019】
図4は本発明の実施例2における駒片の斜視図である。駒片13は、直状の内筒13aと截頭円錐形の外筒13bとを放射状のリブ13cで一体に連結されている。また、駒片13は内筒13aにおいて、上下端面に達する軸線方向の複数条のスリット13dが等角度に設けられるとともに、スリット13dの周縁部と外筒13bとが平坦な板状の端部壁131で一体に連結されている。
【0020】
また、外筒13bにおいて、内筒13aに設けたスリット13dと一致し、上下端面に達する軸線方向の1条のスリット13e及び下端面の近傍から上端面に達する軸線方向の複数条のスリット13fが設けられている。踏板取付装置1aを竹馬の竿部に取り付ける手順は、実施例1と同様であるので、ここではその説明を省略する。
【0021】
以上説明したように、本願発明によれば、踏板取付装置を竹馬の竿部に取り付ける際に、竿部の表面に対し駒片が等角度に設けられたスリットの間隔を狭めて、駒片の径を等角度の複数の位置において縮めるから、駒片は、内筒の孔を完全な円筒状に維持して竿部に強力に結着支持されるものである。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の実施例1の概略斜視図である。
【図2】図1における駒片と踏板の分解斜視図である。
【図3】(a)は図1における駒片の斜視図、(b)は駒片の平面図、(c)は(b)のA−A線から見た駒片の縦断面図、(d)は(c)のB−B線から見た駒片の横断面図である。
【図4】本発明の実施例2における駒片の斜視図である。
【符号の説明】
【0023】
1 踏板取付装置
2 竹馬の竿部
3,13 駒片
3a,13a 内筒
3b,13b 外筒
3c リブ
3d,3e,3f,13d,13e,13f スリット
4 踏板
4a 嵌合孔
4b 足置き部
4c 基部
4d 筒状部
31,131 端部壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
直状の内筒と截頭円錐形の外筒とを放射状のリブで一体に連結し、内筒において、上下端面に達する軸線方向の複数条のスリットを等角度に設けるとともに、外筒において、内筒に設けたスリットと一致し、上下端面に達する軸線方向の1条のスリット及び上下一方の端面の近傍から他方の端面に達する軸線方向の複数条のスリットをそれぞれ設けてなる駒片を、その内筒において竹馬の竿部に嵌挿し、その外筒の外面に踏板を截頭円錐形の嵌合孔において嵌着支持させてなる竹馬の踏板取付装置。
【請求項2】
駒片は、内筒において、上下端面に達する軸線方向の複数条のスリットを等角度に設けるとともに、外筒において、内筒に設けたスリットと一致し、上下端面に達する軸線方向の1条のスリット及び上方の端面の近傍から下方の端面に達する軸線方向の複数条のスリットをそれぞれ設けてなる請求項1記載の竹馬の踏板取付装置。
【請求項3】
前記駒片は、内筒において、上下端面に達する軸線方向の複数条のスリットを等角度に設けるとともに、外筒において、内筒に設けたスリットと一致し、上下端面に達する軸線方向の1条のスリット及び下方の端面の近傍から上方の端面に達する軸線方向の複数条のスリットをそれぞれ設けてなる請求項1記載の竹馬の踏板取付装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−55961(P2009−55961A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−223497(P2007−223497)
【出願日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(000208617)第一レジン工業株式会社 (2)