説明

符号変換方法及び装置

第1の音声符号化方式に準拠する第1の符号列データを、第2の音声符号化方式に準拠する第2の符号列データへ変換する符号変換方法は、第1の符号列データを復号して第1の復号音声を生成するステップと、第1の復号音声の信号特性を補正して第2の復号音声を生成するステップと、第2の復号音声を第2の音声符号化方式により符号化して第2の符号列データを生成するステップと、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
本発明は、音声信号を低ビットレートで伝送あるいは蓄積するための符号化及び復号方法に関し、特に、音声をある方式により符号化して得た符号を、他の方式により復号可能な符号に高音質かつ低演算量で変換する、符号変換方法及び装置に関する。
【背景技術】
音声信号を中ビットレートあるいは低ビットレートで高能率に符号化する方法として、音声信号をLP(線形予測(Linear Prediction))フィルタとそれを駆動する励振信号とに分離して符号化する方法が広く用いられている。その代表的な方法の一つに、CELP(Code Excited Linear Prediction)がある。CELPでは、入力音声の周波数特性を表すLP係数が設定されたLPフィルタを、入力音声のピッチ周期を表す適応コードブック(Adaptive Codebook:ACB)と乱数やパルスからなる固定コードブック(Fixed Codebook:FCB)との和で表される励振信号により駆動することで、合成音声信号が得られる。このとき、ACB成分とFCB成分には、各々、ゲイン(ACBゲインとFCBゲイン)が乗算される。CELPに関しては、例えば、M.Schroeder,″Code excited linear prediction:High quality speech at very low bit rates,″Proc.of IEEE Int.Conf.on Acoust.,Speech and Signal Processing,pp.937−940,1985を参照されたい。
ところで、例えば3G(Third Generation)移動体網と有線パケット網との間の相互接続を想定した場合、それぞれの網で用いられる標準音声符号化方式が異なるため、これらの網を直接接続できないという問題がある。これに対する解法としてはタンデム接続が考えられる。
図1は、タンデム接続に基づく従来の符号変換装置の一例を示すものであり、ここでは、第1の音声符号化方式を用いて音声を符号化して得た符号を、第2の音声符号化方式によって復号可能な符号に変換するものとする。第2の音声符号化方式は、一般に、第1の音声符号化方式とは異なっている。以下、説明の簡単のために、第1の音声符号化方式のことを単に方式1と呼び、第1の音声符号化方式を用いて音声を符号化して得た符号のことを第1の符号列データと呼ぶ。同様に、第2の音声符号化方式のことを単に方式2と呼び、第2の音声符号化方式を用いて音声を符号化して得た符号のことを第2の符号列データと呼ぶ。符号列データは、音声符号化復号の処理単位であるフレーム周期(例えば20ミリ秒周期)で入出力されるものとする。音声の符号化方法及び復号方法に関しては、上記のSchroederの論文、あるいは3GPP規格:″AMR Speech codec;Transcoding functions″(3GPP TS 26.090)を参照されたい。
以下、図1を参照して、タンデム接続に基づく従来の符号変換装置について説明する。
符号変換装置では、入力端子10、音声復号回路1050、音声符号化回路1060、出力端子20がこの順で直列に接続している。音声復号回路1050は、入力端子10を介して入力される第1の符号列データから方式1に準拠した復号方法により音声を復号し、復号された音声を第1の復号音声として音声符号化回路1060へ出力する。音声符号化回路1060は、音声復号回路1050から出力される第1の復号音声を入力し、これを第2の音声符号化方法により符号化して得られる符号列データを第2の符号列データとして出力端子20を介して出力する。
しかしながら、上述したタンデム接続による従来の符号変換装置は、入力された第1の符号列データを方式1の音声復号回路により一旦復号して得られる復号音声信号の信号特性が符号化による劣化のため再符号化に適さないものであるにもかかわらず、その復号音声信号をそのまま方式2の音声符号化回路により再符号化するため、これらの符号変換により得られる第2の符号列データを方式2によって復号した場合に、最終的な復号音声における音声品質が劣化するという課題を有している。
【発明の開示】
本発明の目的は、符号化音声の復号と再符号化とを行う符号変換方法であって、最終的に得られる音声信号における音声品質の劣化を低減できる符号変換方法を提供することにある。
本発明の別の目的は、符号化音声の復号と再符号化とを行う符号変換装置であって、最終的に得られる音声信号における音声品質の劣化を低減できる符号変換装置を提供することにある。
本発明の第1の目的は、第1の音声符号化方式に準拠する第1の符号列データを、第2の音声符号化方式に準拠する第2の符号列データへ変換する符号変換方法であって、第1の符号列データを復号して第1の復号音声を生成するステップと、第1の復号音声の信号特性を補正して第2の復号音声を生成するステップと、第2の復号音声を第2の音声符号化方式により符号化して第2の符号列データを生成するステップと、を有する符号変換方法によって達成される。
本発明の符号変換方法においては、第2の復号音声を生成するステップにおいて、第1の復号音声の特性に応じた可変する特性をもつフィルタによって信号特性の補正が行われるようにすることが好ましい。また、第2の復号音声を生成するステップにおいて、第1の復号音声の信号特性が、再符号化に適した信号特性に補正されるようにすることが好ましい。
本発明の第2の目的は、第1の音声符号化方式に準拠する第1の符号列データを、第2の音声符号化方式に準拠する第2の符号列データへ変換する符号変換装置であって、第1の符号列データを復号して第1の復号音声を生成する音声復号回路と、第1の復号音声の信号特性を補正して第2の復号音声を生成する信号特性補正回路と、第2の復号音声を第2の音声符号化方式により符号化して第2の符号列データを生成する音声符号化回路と、を有する符号変換装置によって達成される。
本発明の符号変換装置において、信号特性補正回路は、第1の復号音声の信号特性を、再符号化に適した信号特性に補正して、第2の復号音声を生成することが好ましい。また信号特性補正回路は、第1の復号音声の特性に応じて可変する特性をもつフィルタにより、第1の復号音声の信号特性を補正して第2の復号音声を生成することが好ましい。
本発明において、第1の復号音声の信号特性を補正するために用いられるフィルタは、好ましくは、第1の復号方法におけるポストフィルタの逆フィルタ、周波数の高域成分を強調する特性をもつフィルタ、あるいは、その両者を接続したフィルタである。また、フィルタの特性は、好ましくは、第1の符号列データに含まれるフレームタイプ情報、その符号列データの大きさ、あるいは第1の復号音声から計算可能な特徴量のうちの少なくとも1つを用いて変化させられる。
方式1の音声復号回路により復号して得られる復号音声信号は、一般には、符号化による劣化のために再符号化に適さない信号特性を有しており、そのままでは、方式2の音声符号化回路によって再符号化した場合には、その符号変換後の第2の符号列データから復号される音声信号における音質劣化が目立つ。本発明では、第1の符号列データから方式1の音声復号回路により復号して得られる復号音声信号の信号特性に補正し、その後、補正された復号音声信号を方式2の音声符号化回路により再符号化する。その結果、本発明によれば、符号変換後の第2の符号列データから復号される音声信号における音質劣化が低減される。
【図面の簡単な説明】
図1は、タンデム接続による従来の符号変換装置の構成を示すブロック図である。
図2は、本発明に基づく符号変換の処理手順を示すフローチャートである。
図3は、本発明の第1の実施形態の符号変換装置の構成を示すブロック図である。
図4は、本発明の第2の実施形態の符号変換装置の構成を示すブロック図である。
図5は、本発明に基づく符号変換装置の別の例の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための最良の形態】
図2は、本発明の符号変換方法に基づく処理の流れを示している。本発明の基づく符号変換方法は、以下の(a)〜(c)のステップを有する。
(a):第1の符号列データから方式1の復号方法により第1の復号音声を生成する(ステップS101)。
(b):第1の復号音声を再符号化に適した信号特性にフィルタを用いて補正し、第2の復号音声を生成する(ステップS102,103)。
(c):第2の復号音声を第2の符号化方法により符号化して第2の符号列データを生成する(ステップS104)。
本発明では、このように、第1の符号列データから方式1の音声復号回路により復号して得られる復号音声信号を、フィルタを用いて再符号化に適した信号特性に補正し、補正された復号音声信号を方式2の音声符号化回路により再符号化する。このため、符号化による劣化のために再符号化に適さない信号特性をもつ復号音声をそのまま方式2の音声符号化回路で再符号化することに起因する、符号変換後の第2の符号列データから復号される音声信号における音質劣化を軽減できる。
次に、本発明に基づく符号変換装置について説明する。本発明の第1の実施形態の符号変換装置を示す図3において、図1におけるものと同一または同等の要素には、同一の参照符号が付されている。
図3に示す符号変換装置は、入力端子10と、入力端子10から第1の符号列データが供給される音声復号回路1050と、音声復号回路1050の出力が供給される信号特性補正回路2070と、信号特性補正回路2070の出力が供給される音声符号化回路1060と、音声符号化回路1060から出力される第2の符号列データを外部に出力するための出力端子20と、を備えている。音声復号回路1050は、第1の符号列データから方式1の復号方法により第1の復号音声を生成する。信号特性補正回路2070は、第1の復号音声を再符号化に適した信号特性にフィルタを用いて補正し、第2の復号音声を生成する。音声符号化回路1060は、第2の復号音声を第2の符号化方法により符号化して第2の符号列データを生成する。入力端子10、出力端子20、音声復号回路1050及び音声符号化回路1060については、図1に示したものと同じである。
以下、図1に示した従来の符号変換装置との構成上の相違点である信号特性補正回路2070について、詳しく説明する。
信号特性補正回路2070は、音声復号回路1050から出力される第1の復号音声を入力し、伝達関数F(z)で表されるフィルタを第1の復号音声で駆動して得られる信号を第2の復号音声として、この第2の復号音声を音声符号化回路1060へ出力する。ここで、フィルタF(z)は、第1の復号音声を、再符号化に適した信号特性に補正するような信号特性をもつ。
音声復号回路には、多くの場合、主観音質を改善するためにポストフィルタが用いられているが、ポストフィルタが施された復号音声を再符号化すると、音質が劣化する。そこで、復号音声に、ポストフィルタの逆フィルタを施すことにより音質を改善できる。ポストフィルタの伝達関数をP(z)とするとき、フィルタF(z)は、式(1)で表すことができる。
F(z)=F1(z)=1/P(z) (1)
ここで、ポストフィルタの詳細については、例えば、3GPP TS 26.090の第6.2節の記載が参照される。
また、前述の音質劣化では、音のこもり感が大きな要因である場合が多い。そこで、フィルタF(z)を、周波数の高域成分を強調するような周波数特性をもつフィルタとしてもよい。この場合、F(z)は、例えば、式(2)で表すことができる。
F(z)=F2(z)=1−u(1/z) (2)
ここで、uは高域成分の強調の度合いを表す係数(例えば、0.2)である。
さらに、上述したF1(z)とF2(z)とを組み合わせてもよい。この場合、F(z)は、式(3)で表すことができる。
F(z)=F3(z)=F1(z)F3(z)=(1−u(1/z))/P(z)
(3)
以上から明らかなように、本実施形態では、従来の符号変換装置を構成する音声復号回路及び音声符号化回路を改造する必要がないため、標準方式に準拠した音声復号回路と音声符号化回路をそのまま利用することができる、という利点がある。
次に、本発明の第2の実施形態の符号変換装置について説明する。この第2の実施形態では、上述した実施形態の符号変換装置における信号特性補正回路のフィルタ特性を音声信号の特性に応じて可変としている。第2の実施形態の符号変換装置を示す図4において、図3におけるものと同一または同等の要素には、同一の参照符号が付されている。
図4に示すように、第2の実施形態の符号変換装置では、図3に示した音声復号回路1050は、符号分離回路3010と音声復号回路3050とから構成されているとみなすことができる。同様に、図3に示した音声符号化回路1060は、符号多重回路3020と音声符号化回路3060とから構成されているとみなされる。
符号分離回路3010は、入力端子10を介して入力した第1の符号列データから、ヘッダとペイロードとを分離する。ヘッダには、フレームタイプ情報が含まれている。フレームタイプ情報を参照することにより、その符号列データから復号される信号が、音声区間に相当するものか無音区間に相当するものであるかを区別することができる。ここで、フレームタイプ情報の詳細については、例えば、3GPP規格:″AMR Speech codec frame structure″(3GPP TS 26.101)を参照されたい。ペイロードは、音声パラメータに対応する符号からなる。符号列データにおける音声パラメータには、例えば、LP係数、ACB、FCB、ACB、ゲイン(ACBゲイン及びFCBゲイン)がある。第1の符号列データでのLP係数、ACB、FCB、ゲインに対応する符号を、それぞれ、第1のLP係数符号、第1のACB符号、第1のFCB符号、第1のゲイン符号とする。符号分離回路3010は、フレームタイプ情報を信号特性補正回路3070へ出力し、第1のLP係数符号、第1のACB符号、第1のFCB符号及び第1のゲイン符号を音声復号回路3050へ出力する。
音声復号回路3050は、符号分離回路3010から出力される第1のLP係数符号、第1のACB符号、第1のFCB符号及び第1のゲイン符号を入力として、これらの符号から方式1の復号方法により音声を復号し、復号された音声を第1の復号音声として信号特性補正回路3070へ出力する。
音声符号化回路3060は、信号特性補正回路3070から出力される第2の復号音声を入力し、これを第2の符号化方法により符号化してLP係数符号、ACB符号、FCB符号及びゲイン符号を得る。そしてこれらの符号をそれぞれ第2のLP係数符号、第2のACB符号、第2のFCB符号及び第2のゲイン符号として、符号多重回路3020へ出力する。
符号多重回路3020は、音声符号化回路3060から出力される第2のLP係数符号、第2のACB符号、第2のFCB符号及び第2のゲイン符号を入力として、これらを多重化して得られる符号列データを第2の符号列データとして出力端子20を介して出力する。
信号特性補正回路3070は、音声復号回路3050から出力される第1の復号音声と符号分離回路3010から出力されるフレームタイプ情報を入力として、フレームタイプ情報に応じて可変な伝達関数F(z)で表されるフィルタを第1の復号音声で駆動して得られる信号を、第2の復号音声として、音声符号化回路3060へ出力する。
ここで、第1の実施形態と同様に、音声復号回路3050におけるポストフィルタの伝達関数をP(z)とするとき、フィルタF(z)は以下のような式で表すことができる。
フレームタイプ情報が音声に対応するときは、フィルタF(z)は、式(4)で表される。
F(z)=F1(z)=1/P(z) (4)
フレームタイプ情報が非音声に対応するときは、フィルタF(z)は、式(5)で表される。
F(z)=F1(z)=1 (5)
また、フィルタF(z)を、周波数の高域成分を強調するような周波数特性を有するフィルタとする場合、F(z)は例えば以下のような式で表すことができる。
フレームタイプ情報が音声に対応するときは、フィルタF(z)は、式(6)で表される。
F(z)=F2(z)=1−u(1/z) (6)
フレームタイプ情報が非音声に対応するときは、フィルタF(z)は、式(7)で表される。
F(z)=F2(z)=1−v(1/z) (7)
ここで、u,vは高域成分強調の度合いを表す係数であり、例えば、u=0.2,v=0.1である。さらに、F1(z)とF2(z)とを組み合わせてもよい。この場合、F(z)は以下の式で表すことができる。
フレームタイプ情報が音声に対応するときは、フィルタF(z)は、式(8)で表される。
F(z)=F3(z)=F1(z)F2(z)=(1−u(1/z))/P(z)
(8)
フレームタイプ情報が非音声に対応するときは、フィルタF(z)は、式(9)で表される。
F(z)=F3(z)=F1(z)F2(z)=1−v(1/z) (9)
上述の例では、フィルタ特性を音声信号の特性に応じて可変とするのに際してフレームタイプ情報を用いているが、フレームタイプ情報の代わりに第1の符号列データの大きさを用いてもよいし、あるいは、第1の復号音声から計算可能な特徴量を用いてもよい。特徴量は、音声信号の特性を表すものであって、例えば、ピッチ周期性、スペクトルの傾き、電力などが含まれる。特徴量が音声に対応するときと、非音声に対応するときとで、フィルタ特性F(z)を上述の例のように変えればよい。
例えば、特徴量として電力を考えた場合、最も簡単な例としては、以下のように、電力が相対的に大きいときを音声に対応づけ、小さいときを非音声に対応づけることが考えられる。
電力Eが音声に対応するときは、フィルタF(z)は、式(10)で表される。
F(z)=F3(z)=F1(z)F2(z)=(1−u(1/z))/P(z),E>Th
(10)
電力Eが非音声に対応するときは、フィルタF(z)は、式(11)で表される。
F(z)=F3(z)=F1(z)F2(z)=1−v(1/z),E<Th
(11)
ここで、Thはある定数である。また、係数u,vはEの関数として連続値を取るようにしてもよい。
上述した各符号変換装置は、ディジタル信号プロセッサ(DSP)などのコンピュータ制御で実現するようにしてもよい。図5は、上記の各実施形態における符号変換処理をコンピュータで実現する場合の装置構成を模式的に示している。
記録媒体600から読み出されたプログラムを実行するコンピュータ100において、第1の符号化復号装置により音声を符号化して得た第1の符号を、第2の符号化復号装置により復号可能な第2の符号へ変換する符号変換処理を実行するにあたり、記録媒体600には、(a)第1の符号列データから方式1の復号方法により第1の復号音声を生成する処理と、(b)第1の復号音声を再符号化に適した信号特性にフィルタを用いて補正し、第2の復号音声を生成する処理と、(c)第2の復号音声を第2の符号化方法により符号化して第2の符号列データを生成する処理を実行させるためのプログラムが記録されている。
記録媒体600からこのプログラムを記録媒体読出装置500及びインタフェース400を介してメモリ300に読み出して実行する。プログラムは、マスクROM等、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリに格納してもよく、記録媒体は不揮発性メモリを含むほか、CD−ROM,FD,Digital Versatile Disk(DVD),磁気テープ(MT)、可搬型ハードディスクドライブ(HDD)等の媒体であってもよい。さらに、そのようなプログラムをサーバ装置に用意しておき、通信ネットワークを介してそのプログラムをコンピュータにダウンロードするようにしてもよい。本発明の範躊には、そのようなプログラムを記録した記録媒体のほか、そのようなプログラムからなるプログラムプロダクト、そのようなプログラムを担持して有線あるいは無線で送信するための通信媒体等も含まれる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の音声符号化方式に準拠する第1の符号列データを、第2の音声符号化方式に準拠する第2の符号列データへ変換する符号変換方法であって、
前記第1の符号列データを復号して第1の復号音声を生成するステップと、
前記第1の復号音声の信号特性を補正して第2の復号音声を生成するステップと、
前記第2の復号音声を前記第2の音声符号化方式により符号化して前記第2の符号列データを生成するステップと、
を有する符号変換方法。
【請求項2】
前記第2の復号音声を生成する前記ステップにおいて、前記第1の復号音声の特性に応じた可変する特性をもつフィルタによって前記信号特性の補正が行われる、請求項1に記載の符号変換方法。
【請求項3】
前記第1の符号列データに含まれるフレームタイプ情報、前記第1の符号列データの大きさ、及び前記第1の復号音声から計算可能な特徴量のうちの少なくとも1つを用いてフィルタの特性を変化させる、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記フィルタが、ポストフィルタの逆フィルタ、周波数の高域成分を強調する特性をもつ強調フィルタ、あるいは、前記逆フィルタ及び前記強調フィルタを接続したフィルタである、請求項2または3に記載の符号変換方法。
【請求項5】
前記第2の復号音声を生成する前記ステップにおいて、前記第1の復号音声の信号特性が、再符号化に適した信号特性に補正される、請求項1に記載の符号変換方法。
【請求項6】
前記第2の復号音声を生成する前記ステップにおいて、前記第1の復号音声の特性に応じた可変する特性をもつフィルタによって前記信号特性の補正が行われる、請求項5に記載の符号変換方法。
【請求項7】
前記第1の符号列データに含まれるフレームタイプ情報、前記第1の符号列データの大きさ、及び前記第1の復号音声から計算可能な特徴量のうちの少なくとも1つを用いて前記フィルタの特性を変化させる、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記フィルタが、ポストフィルタの逆フィルタ、周波数の高域成分を強調する特性をもつ強調フィルタ、あるいは、前記逆フィルタ及び前記強調フィルタを接続したフィルタである、請求項6または7に記載の符号変換方法。
【請求項9】
第1の音声符号化方式に準拠する第1の符号列データを、第2の音声符号化方式に準拠する第2の符号列データへ変換する符号変換装置であって、
前記第1の符号列データを復号して第1の復号音声を生成する音声復号回路と、
前記第1の復号音声の信号特性を補正して第2の復号音声を生成する信号特性補正回路と、
前記第2の復号音声を前記第2の音声符号化方式により符号化して前記第2の符号列データを生成する音声符号化回路と、
を有する符号変換装置。
【請求項10】
前記信号特性補正回路は、前記第1の復号音声の特性に応じて可変する特性をもつフィルタにより、前記第1の復号音声の信号特性を補正する、請求項9に記載の符号変換装置。
【請求項11】
前記第1の符号列データに含まれるフレームタイプ情報、前記第1の符号列データの大きさ、及び前記第1の復号音声から計算可能な特徴量のうちの少なくとも1つを用いてフィルタの特性が変化させられる、請求項10に記載の符号変換装置。
【請求項12】
前記フィルタが、ポストフィルタの逆フィルタ、周波数の高域成分を強調する特性をもつ強調フィルタ、あるいは、前記逆フィルタ及び前記強調フィルタを接続したフィルタである、請求項10または11に記載の符号変換装置。
【請求項13】
前記信号特性補正回路は、前記第1の復号音声の信号特性を再符号化に適した信号特性に補正して前記第2の復号音声を生成する、請求項9に記載の符号変換装置。
【請求項14】
前記信号特性補正回路は、前記第1の復号音声の特性に応じて可変する特性をもつフィルタにより、前記第1の復号音声の信号特性を補正する、請求項13に記載の符号変換装置。
【請求項15】
前記第1の符号列データに含まれるフレームタイプ情報、前記第1の符号列データの大きさ、及び前記第1の復号音声から計算可能な特徴量のうちの少なくとも1つを用いてフィルタの特性が変化させられる、請求項14に記載の符号変換装置。
【請求項16】
前記フィルタが、ポストフィルタの逆フィルタ、周波数の高域成分を強調する特性をもつ強調フィルタ、あるいは、前記逆フィルタ及び前記強調フィルタを接続したフィルタである、請求項14または15に記載の符号変換装置。
【請求項17】
コンピュータに、
第1の音声符号化方式に準拠する第1の符号列データを復号して、第1の復号音声を生成するステップと、
前記第1の復号音声の信号特性を補正して第2の復号音声を生成するステップと、
前記第2の復号音声を第2の音声符号化方式により符号化して、前記第2の音声符号化方式に準拠する前記第2の符号列データを生成するステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項18】
コンピュータに、
第1の音声符号化方式に準拠する第1の符号列データを復号して、第1の復号音声を生成するステップと、
前記第1の復号音声の特性に応じた可変する特性をもつフィルタによって前記第1の復号音声の信号特性を補正して、第2の復号音声を生成するステップと、
前記第2の復号音声を第2の音声符号化方式により符号化して、前記第2の音声符号化方式に準拠する前記第2の符号列データを生成するステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項19】
コンピュータに、
第1の音声符号化方式に準拠する第1の符号列データを復号して、第1の復号音声を生成するステップと、
前記第1の復号音声の信号特性を、再符号化に適した信号特性に補正して第2の復号音声を生成するステップと、
前記第2の復号音声を第2の音声符号化方式により符号化して、前記第2の音声符号化方式に準拠する前記第2の符号列データを生成するステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項20】
コンピュータに、
第1の音声符号化方式に準拠する第1の符号列データを復号して、第1の復号音声を生成するステップと、
前記第1の復号音声の特性に応じた可変する特性をもつフィルタによって、前記第1の復号音声の信号特性を再符号化に適した信号特性に補正して第2の復号音声を生成するステップと、
前記第2の復号音声を第2の音声符号化方式により符号化して、前記第2の音声符号化方式に準拠する前記第2の符号列データを生成するステップと、
を実行させるプログラム。
【請求項21】
コンピュータが読み取り可能か記録媒体であって、請求項17乃至20のいずれか1項に記載のプログラムを格納した記録媒体。

【国際公開番号】WO2004/090869
【国際公開日】平成16年10月21日(2004.10.21)
【発行日】平成18年7月6日(2006.7.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−568351(P2004−568351)
【国際出願番号】PCT/JP2004/004605
【国際出願日】平成16年3月31日(2004.3.31)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】