説明

筋肉トレーニングシステム

【課題】手軽で、しかも楽しく続けられて、筋力を向上させることができる筋肉トレーニングシステムを提供する。
【解決手段】複数の化粧動作と、これら化粧動作に関連して動く複数の筋肉とを対応付けたデータ5,6を記憶手段2に記憶させ、入力手段3から入力したトレーニングすべき筋肉を特定する筋肉情報に基づいて、トレーニングすべき筋肉を動かすための特定の化粧動作を上記記憶手段2に記憶されたデータ5,6から選択し表示手段4に表示させる処理手段1を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、化粧をしながら筋肉を鍛えることができる筋肉トレーニングシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
高齢者や、病後など筋力が弱くなっている人たちは、筋力を回復するためのトレーニングが必要である。このような人たちが、筋力を回復するため、スポーツジムなどの特別な施設に通ったり、高価な用具を使ったりしなくても、日々の生活の中で行なうことができるいろいろなトレーニング方法が提唱されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−045233号公報
【特許文献2】特開平11−128395号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のように日常生活の中で実行できるトレーニング方法は手軽なものであるが、単純動作であり面白みに欠けるものがほとんどである。そのため、トレーニングが長続きせず、所期の目的を達成することができないことが多かった。
この発明の目的は、手軽で、しかも楽しく続けられて、筋力を向上させることができる筋肉トレーニングシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明は、複数の化粧動作と、これら化粧動作に関連して動く複数の筋肉とを対応付けたデータを記憶手段に記憶させ、入力手段から入力したトレーニングすべき筋肉を特定する筋肉情報に基づいて、トレーニングすべき筋肉を動かすための特定の化粧動作を上記記憶手段に記憶されたデータから選択する処理手段を備えたことを特徴とする。
【0006】
第2の発明は、上記各化粧動作には、少なくとも、化粧料の容器に対応付けた、化粧料の容器から化粧料を抽出する抽出動作、及び抽出した化粧料を使用する動作のいずれかを含むことを特徴とする。
【0007】
第3の発明は、上記各化粧動作に、化粧料の容器に対応付けた、容器から化粧料を抽出する抽出動作及び抽出した化粧料を使用する動作を含むとともに、上記処理手段は、上記容器から化粧料を抽出し、抽出した化粧料を使用する一連の化粧動作を選択することを特徴とする。
【0008】
第4の発明は、化粧料を抽出する一連の動作に関連して動く筋肉との対応関係に基づいて分類された複数の容器に関するデータと、各容器の内容物を抽出する一連の動作に関連して動く筋肉に関するデータとを記憶手段に記憶させ、入力手段から入力されたトレーニングすべき筋肉に関する筋肉情報に基づいて、トレーニングすべき筋肉を動かすための特定の容器を上記記憶手段に記憶されたデータから選択する処理手段を備えたことを特徴とする。
【0009】
第5の発明は、上記記憶手段に記憶されている筋肉が、背側骨間筋、浅指屈筋、総指伸筋、上腕二頭筋、及び三角筋前部であることを特徴とする。
なお、上記化粧動作には、スキンケアやメーキャップのほか、整髪、洗顔など、容姿を整える動作が含まれる。
また、上記容器から化粧料を抽出する抽出動作には、キャップを備えた容器のキャップの開閉動作を含むものとする。
【発明の効果】
【0010】
第1〜第5の発明の筋肉トレーニングシステムによれば、化粧をしながら筋肉をトレーニングすることができる。
化粧動作は、自身を美しくするためのものであって、筋肉を鍛えるためだけの単純動作の繰り返しとは異なり、楽しいものである。
特に、化粧によって美しくなることを実感できれば化粧動作がより楽しいものとなり、精神的にも安定してさらに楽しくトレーニングを続けることができる。このようにトレーニングを継続できれば、筋力の回復あるいは筋力向上などのトレーニング効果を得ることができる。
【0011】
特に、第2の発明では、化粧料を使用する動作のほか、化粧料の容器から化粧料を抽出する動作によって、目的の筋肉をトレーニングすることができる。特に、化粧料を抽出する動作では、化粧料を使用する動作ではあまり動かない筋肉、例えば背側骨間筋などをトレーニングすることができる。
また、第3の発明によれば、容器からの化粧料の抽出、化粧料の使用の一連の化粧動作によって、様々な筋肉を総合的にトレーニングすることができる。
【0012】
第4の発明では、化粧料の抽出動作によって目的の筋肉をトレーニングするための最適な容器を選択することができ、この選択した容器を用いることによって効果的な筋肉トレーニングができる。
第5の発明では、化粧動作によって使用される、肩から指先までの筋肉のうち、特によく動く筋肉を選択的に鍛えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、この発明の第1実施形態のシステム構成図である。
【図2】図2は、第1実施形態で用いる化粧料の容器の種類を示した図である。
【図3】図3は、第1実施形態の記憶部が記憶している化粧水の抽出動作と筋肉との関連を示すデータである。
【図4】図4は、第1実施形態の記憶部が記憶している乳液の抽出動作と筋肉との関連を示すデータである。
【図5】図5は、第1実施形態の記憶部が記憶している化粧料の塗布動作と筋肉との関連を示すデータである。
【図6】図6は、第1実施形態の化粧料の塗布部位を示した図である。なお、図の顔面は鏡に映った状態を表す。
【図7】図7は、第2実施形態のシステム構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1〜図6を用いて、この発明の第1実施形態を説明する。
この第1実施形態の筋肉トレーニングシステムは、例えば、体力が低下している高齢者に対して、化粧動作を通じて手の筋肉を鍛える方法を提示して、筋力の回復を実現するためのものである。なお、このシステムは、例えば、高齢者施設のスタッフや、医師、専門のトレーナーなどが使用するものである。
【0015】
図1に示すこの第1実施形態の筋肉トレーニングシステムは、この発明の処理手段であるデータ処理部1と、記憶手段であるデータ記憶部2と、データ入力部3と、データ表示部4とを備えている。
上記データ記憶部2には、化粧動作と、化粧動作に関連して動く筋肉とを対応づけたデータを記憶している。
そして、この第1実施形態の筋肉トレーニングシステムは、筋肉をトレーニングすべき高齢者の身体状況に応じてトレーニングすべき筋肉を特定するデータを上記データ入力部3からデータ処理部1に入力したとき、データ処理部1が、上記データ記憶部2が記憶している化粧動作からトレーニングに必要な化粧動作を選択してデータ表示部4に表示させるシステムである。
【0016】
なお、この発明の化粧動作には、スキンケアやメーキャップのほか、整髪、洗顔など、容姿を整える動作が含まれるが、この第1実施形態では、化粧水あるいは乳液を使用したスキンケアの動作を化粧動作とする。
また、上記データ記憶部2が記憶している上記スキンケアの動作には、種類の異なる容器から化粧料である化粧水や乳液を抽出する動作と、抽出した化粧水や乳液を顔や首のさまざまな部位に塗布する動作とが含まれる。
【0017】
つまり、上記データ記憶部2は、容器から化粧料を抽出する動作と、その際に動く筋肉とを対応づけた抽出動作対応テーブル5と、抽出した化粧水や乳液を顔や首のさまざまな部位に塗布する動作と、その際に動かす筋肉とを対応づけた塗布動作対応テーブル6とを備えている。
【0018】
上記抽出動作テーブル5は、化粧水などの化粧料を抽出するときの筋肉の動きが異なる複数の種類の容器に筋肉の動きの強さを対応づけたデータである。この第1実施形態では、上記種類の異なる容器として図2に示す3種類の容器を用いている。
すなわち、本体7aにキャップ7bがヒンジによって連結されている図2(a)に示すヒンジ式、本体8aにスクリューキャップ8bを取り付けた図2(b)に示すスクリュー式、本体9aにポンプ9bを取り付け、ポンプ9bの頭部に被せるだけのキャップ9cを備えた図2(c)に示すディスペンサー式である。
これら3種類の容器はそれぞれ、化粧水用と乳液用とがある。そして、乳液用の容器は、本体の高さを化粧水用に比べて低くしている。
【0019】
そして、上記各容器から化粧水や乳液などの化粧料を抽出する際に動く筋肉は、容器の種類によって異なるが、この筋肉の動きを容器の種類に対応づけたデータが、上記データ記憶部2が記憶している抽出動作対応テーブル5で、その具体例を図3,4に示す。
なお、この第1実施形態でトレーニング対象となる筋肉は、図3,4,5に示すように、背側骨間筋、浅指屈筋、総指伸筋、上腕二頭筋、及び三角筋前部の5つの筋肉である。これらの筋肉は、肩から手先までの筋肉であって、以下に説明する化粧動作によって特に使用される筋肉である。
【0020】
図3は、容器から化粧水を抽出するときに、特によく動く、肩から手先までの5つの筋肉の強さを容器の種類に対応づけた抽出動作対応テーブル5の例である。図3のテーブルでは、化粧水を抽出する際に使用される筋肉の強さを数値で表している。この値は、各筋肉の最大の力である最大随意筋力MVC(maximum voluntary contraction)に対する各化粧動作時のその筋肉の強さの割合である筋収縮度(%MVC)を、1〜10までの点数に変換したものである。
【0021】
上記筋肉の強さはどのように評価してもよいが、この第1実施形態では、上記筋収縮度%MVCが5未満を1点、5以上10未満を2点、10以上15未満を3点、15以上20未満を4点、20以上25未満を5点、25以上30未満を6点、30以上35未満を7点、35以上40未満を8点、40以上45未満を9点、45以上を10点としている。そして、上記点数が5〜8のとき、その筋肉に筋力維持に必要な負荷が作用し、上記点数が8以上のとき筋肉増加に必要な負荷が作用していることを確認済みである。
また、上記筋力データは、予め複数の被験者に筋電極を取り付けて測定した測定値に基づくものである。
【0022】
図4は、各容器から乳液を抽出するときに、使用する筋肉の強さを容器の種類に対応づけた抽出動作対応テーブル5の例である。この図4においても、各筋肉の収縮度を10段階の点数で表わしている。
なお、図3,4に示すテーブルは、筋肉に容器の種類を対応づけているが、この第1実施形態では、上記テーブルに示した容器の種類は、その容器から化粧料を抽出する抽出動作を示すものである。例えば、各テーブルの「ヒンジ式」は、「ヒンジ式容器から化粧水や乳液を抽出する動作」を意味する。
【0023】
また、上記抽出動作には、化粧料を抽出するために必要なキャップの開閉動作を含むものとする。例えば、ヒンジ式やスクリュー式の場合、キャップを開け、容器を傾けて化粧料を出し、容器を戻してキャップを閉じる、という一連動作を抽出動作としている。ディスペンサー式では、キャップを開け、容器を持った状態で指でポンプを押して化粧料を出し、キャップを閉じる動作を抽出動作としている。そして、上記筋収縮度のデータは、その一連の抽出動作において動く筋肉の強さの平均値である。
【0024】
そして、図3,4に示すように、いずれの容器からの抽出動作においても、肩から手先までの主な5つの筋肉はすべて動くが、容器の種類によって動く筋肉の強さが異なる。
また、同じ種類の容器であっても、化粧水と乳液とで使われる筋肉の筋収縮度は異なる。その理由は、化粧水と乳液とでは粘度が違うことと、容器の高さが化粧水用の方が高いことによると考えられる。
【0025】
次に、上記データ記憶部2が記憶している塗布動作対応テーブル6について説明する。
この塗布動作対応テーブル6は、図5に示すように、上記図3,4と同様に、肩から手先までの主な5つの筋肉の強さと化粧水や乳液を塗布する1〜18の塗布部位との対応関係を示したものである。
【0026】
上記塗布部位1〜18は、それぞれ図6に示す矢印に対応する部位である。なお、図の顔面は鏡に映った状態を表すものである。
そして、図6に示した数値の順に、矢印に沿って手を動かすことによって首及び顔にまんべんなく化粧水や乳液を塗布することができるようになっている。但し、筋肉トレーニングとして行なう塗布動作の手順は、図6に示すものに限らない。
そして、上記塗布動作における筋収縮度は化粧水を塗布する場合と、乳液を塗布する場合とでほとんど差がないため、上記塗布動作対応テーブル6は化粧料が化粧水か乳液かにかかわらず、共通のものを用いることができる。
【0027】
このようなシステムにおいて、筋肉トレーニングを必要とする高齢者に、トレーニングとして適した化粧動作を提示する手順を説明する。
まず、このシステムを使用してトレーニング方法を指導するトレーナーは、要トレーニング者の筋力状況を把握する必要がある。具体的には、体力測定をしたり、日常の動作を観察したりして、どの筋肉が弱っているのかを特定する。
トレーナーは、要トレーニング者の弱っている筋肉を特定したら、その筋肉を特定する筋肉情報を上記データ入力部3から入力する。上記データ入力部3はキーボードやタッチパネルなどで構成され、上記トレーナーはこのデータ入力部3から上記筋肉情報として、例えばトレーニングすべき筋肉の筋肉名を入力する。
【0028】
上記データ処理部1は、筋肉名が入力されたら、その特定の筋肉をトレーニングするために適した化粧動作を、上記記憶部2が記憶しているデータから選択し、それを上記データ表示部4に表示させる。
なお、この第1実施形態では、化粧動作としての化粧料の抽出動作と塗布動作とが含まれ、それぞれについて筋肉を対応付けた対応テーブル5,6をデータ記憶部2に記憶させている。そこで、上記データ処理部1は、各対応テーブル5,6からそれぞれ上記特定の筋肉をトレーニングするための化粧動作を選択する。
【0029】
例えば、トレーニングすべき特定の筋肉が三角筋前部の場合、上記データ処理部1は、図3、4に示すテーブルから、三角筋前部に対応する点数が大きい動作として、化粧水はヒンジ式容器から抽出し、乳液はスクリュー式容器から抽出する動作を選択する。
また、上記データ処理部1は、図5に示す塗布動作対応テーブルから、上記三角筋前部に対応する点数が大きい動作に対応した塗布部位3(右額)、17(右首端(内側))を選択する。
【0030】
そして、上記データ処理部1は、選択した動作を、例えば「ヒンジ式容器の化粧水と、スクリュー式容器の乳液とを、顔、首全体へ塗布し、そのなかで右額と、右首端(内側)への塗布動作を、他の部位よりも多く繰り返してください」と、上記データ表示部4に表示させる。
上記データ表示部4に表示された化粧動作を実行すれば、データ記憶部2が記憶している筋肉のうち、三角筋前部が特に動かされ、トレーニングされることになる。
【0031】
他の特定の筋肉についても、データ処理部1が、上記と同様にして筋収縮度の点数が大きい動作を選択してそれをデータ表示部4に表示させることができる。
但し、高齢者の場合には、特定の一つの筋肉のみではなく、複数の筋肉の筋力が低下していることが多い。そのような場合には、データ処理部1は、筋肉ごとに塗布部位に関連した化粧動作を特定して、その動作を繰り返す指示を表示させることができる。
また、トレーニングすべき複数の筋肉に対応した筋収縮度の点数の合計値や平均値を演算し、その値が大きい動作を選択するようにしてもよい。
【0032】
さらに、図3,4に示すように、筋肉によっては、どの容器を用いた抽出動作も、点数が小さくて、それほどトレーニング効果が望めないものもある。そのような、筋肉をトレーニングしたい場合には、塗布動作の中で適した動作を選択して、その動作を繰り返すようにすればよい。
そして、容器に関連した抽出動作に優位差がない場合には、どの容器を使用するのかは、トレーニング者の好みで決めてもよい。
【0033】
上記のように、データ表示部4に表示された化粧動作を繰り返すことによって、肩から手先の5つの筋肉が自然にトレーニングされる。このようなトレーニングなら、高齢者などでも、筋肉トレーニングであると意識せず、自身が美しくなるための動作として楽しみながら続けることができる。
特に、化粧によって気分が明るくなるうえ、脳が活性化されることが分かっている。従って、この実施形態の筋肉トレーニングシステムを用いてトレーニングすれば、筋力だけでなく、脳の活性化も期待できる。
【0034】
上記第1実施形態では、データ記憶部2に容器の種類に関連した抽出動作対応テーブル5と塗布動作に関連した塗布動作対応テーブル6とを記憶させ、抽出動作と塗布動作の組み合わせによって筋肉を総合的にトレーニングできるようにしている。
例えば、背側骨間筋は図5に示す塗布動作では、効率的にトレーニングすることは難しいが、図3,4に示す抽出動作によれば効率的にトレーニングできる。従って、抽出動作と塗布動作とを組み合わせれば、様々な筋肉をより効果的にトレーニングできるようになる。
【0035】
但し、データ記憶部2が記憶しているデータは、上記テーブル5,6のいずれか一方のみでもかまわない。その場合には、筋肉トレーニングとして、抽出動作のみ、あるいは塗布動作のみが選択されることになる。
また、化粧料を容器から抽出してからそれを使用する一連の動作を一つの化粧動作として、それに筋肉を対応付けるようにしてもよい。
なお、上記第1実施形態では、化粧料としての化粧水や乳液を使用するスキンケアの動作を、この発明の化粧動作としているが、スキンケアに使用する化粧料は、化粧水や乳液に限らず、例えばクリームなど他の化粧料でもよい。
また、上記化粧動作には、スキンケア以外にも、整髪、髭剃り、洗顔など、容姿を整える様々な動作を含む。
そして、化粧料の容器も、図2に示すタイプに限らず、例えばスプレイ式容器などを用いることで、上記とは異なる筋肉をトレーニングすることもできる。さらに、ヒンジ式やスクリュー式のキャップの形状や大きさを変えることによっても、別の筋肉をトレーニングできる。
【0036】
図7に示す第2実施形態は、データ処理部1が、トレーニングすべき特定の筋肉に対応した化粧動作を選択して出力するのではなく、筋肉のトレーニングに適した化粧料の容器を選択して出力するようにした筋肉トレーニングシステムである。
データ記憶部2には化粧動作ではなく、化粧料の容器にその容器から化粧料を抽出する際に動く筋肉を対応付けたデータとして、容器対応テーブル7を記憶させている。
この容器対応テーブル7の内容は、図3,4に示す上記第1実施形態の抽出動作対応テーブル5とほぼ同じである。但し、この容器対応テーブル7は、筋肉と対応付けられているのは容器であって、その容器を用いた抽出動作ではない点が第1実施形態の抽出動作対応テーブル5とは異なる。
【0037】
また、データ処理部1に接続されたデータ入力部3及びデータ表示部4は、それぞれ上記第1実施形態のデータ入力部3及びデータ表示部4と同じ機能を有する構成要素である。
この第2実施形態では、データ処理部1が、上記データ入力部3を介して入力されたトレーニングすべき特定の筋肉のトレーニングに適した容器を選択して、データ表示部4に表示させる。データ処理部1が容器を選択する手順は、上記第1実施形態で抽出動作を選択する手順と同じである。すなわち、データ入力部3から入力された筋肉情報に基づいてデータ処理部1が、上記筋肉情報で特定される筋肉に対応した筋収縮度の点数が大きい容器を選択して、それをデータ表示部4に表示させる。
【0038】
そして、要トレーニング者は、上記データ表示部4に表示された容器から化粧水や乳液を抽出する動作を、日々のスキンケアにおいて繰り返し、目的の筋肉をトレーニングして筋力維持や増強ができることになる。
このように、この第2実施形態の筋肉トレーニングシステムは、上記データ処理部1が化粧料の容器を選択するのであって、化粧動作を選択するものではない。
但し、上記選択された容器から化粧料を抽出する動作だけを繰り返すのでは楽しみが半減してしまう。そこで、実際には、このシステムによって選択された容器を用いながら、化粧料を使用する動作まで行わせることによって、筋肉トレーニングをより楽しく続けられるようにすることが好ましい。
【0039】
上記第1、第2実施形態では、トレーニング対象となる筋肉を、図3〜5に示す化粧動作時に特に使用される代表的な5つの筋肉としているが、この筋肉トレーニングシステムでトレーニングする筋肉はこれらに限定されない。予め、化粧動作との関連が明らかであれば、どの筋肉でもトレーニング可能である。
また、上記第1、第2実施形態では、データ入力部3から入力する筋肉情報として筋肉名を入力するようにしているが、筋肉情報は筋肉を特定できるデータなら筋肉名に限らない。例えば、筋肉に対応付けた番号などでもよい。
【0040】
さらに、上記筋肉情報は、直接的に筋肉を特定できるデータでなくてもよく、例えばトレーニングが必要な者の身体状況や症状などでもよい。但し、その場合には、上記身体状況や症状にトレーニングすべき筋肉を対応付けたデータが必要である。このような身体状況などに筋肉を対応付けたデータを上記記憶部2に記憶させておけば、データ処理部1は入力された身体状況などから筋肉を特定し、その後、上記実施形態のように、化粧動作や容器を選択することができる。
【産業上の利用可能性】
【0041】
この発明のトレーニングシステムは、高齢者などトレーニングに興味を持ちにくい人たちが楽しく続けられるトレーニングを提供できる。
【符号の説明】
【0042】
1 データ処理部
2 データ記憶部
5 (化粧動作に筋肉を対応付けたデータである)抽出動作対応テーブル
6 (化粧動作に筋肉を対応付けたデータである)塗布動作対応テーブル
7 (化粧料の容器に筋肉を対応付けたデータである)容器対応テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の化粧動作と、これら化粧動作に関連して動く複数の筋肉とを対応付けたデータを記憶手段に記憶させ、入力手段から入力したトレーニングすべき筋肉を特定する筋肉情報に基づいて、トレーニングすべき筋肉を動かすための特定の化粧動作を上記記憶手段に記憶されたデータから選択する処理手段を備えた筋肉トレーニングシステム。
【請求項2】
上記各化粧動作には、少なくとも、化粧料の容器に対応付けた、化粧料の容器から化粧料を抽出する抽出動作、及び抽出した化粧料を使用する動作のいずれかを含む請求項1に記載の筋肉トレーニングシステム。
【請求項3】
上記各化粧動作には、化粧料の容器に対応付けた、容器から化粧料を抽出する抽出動作及び抽出した化粧料を使用する動作を含むとともに、上記処理手段は、上記容器から化粧料を抽出し、抽出した化粧料を使用する一連の化粧動作を選択する請求項1に記載の筋肉トレーニングシステム。
【請求項4】
化粧料を抽出する一連の動作に関連して動く筋肉との対応関係に基づいて分類された複数の容器に関するデータと、各容器の内容物を抽出する一連の動作に関連して動く筋肉に関するデータとを記憶手段に記憶させ、入力手段から入力されたトレーニングすべき筋肉に関する筋肉情報に基づいて、トレーニングすべき筋肉を動かすための特定の容器を上記記憶手段に記憶されたデータから選択する処理手段を備えた筋肉トレーニングシステム。
【請求項5】
上記記憶手段に記憶されている筋肉は、背側骨間筋、浅指屈筋、総指伸筋、上腕二頭筋、及び三角筋前部である請求項1〜4のいずれか1に記載の筋肉トレーニングシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−46684(P2013−46684A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−186325(P2011−186325)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【特許番号】特許第5048152号(P5048152)
【特許公報発行日】平成24年10月17日(2012.10.17)
【出願人】(000001959)株式会社 資生堂 (1,748)