答案分類処理システム及び答案分類処理方法
【課題】質問文を列挙したチェックシートによって受験者の答案を分類する方法に関して、受験者の答案を効率よく、しかも正確に分類できる答案分類処理システム及びその方法を提供する。
【解決手段】二者択一の質問文を列挙したチェックボックスシートによって受験者の答案を分類する。サーバコンピュータ22は質問文の作成及び修正入力を許容し、これにより作成又は修正された質問文データをチェックボックスシート記憶領域15に上書きし、更に、チェックボックスシート記憶領域15からチェックボックスシートの質問文データ及び答案記憶領域14から答案の画像データの1つをクライアントコンピュータ21に返信する。クライアントコンピュータ21は、返信された答案の質問文に対する二択結果の入力を許容し、二択結果をチェックボックスシートの質問文データとともにサーバコンピュータ22に送信し記憶装置11の処理結果記憶領域13に記憶させる。
【解決手段】二者択一の質問文を列挙したチェックボックスシートによって受験者の答案を分類する。サーバコンピュータ22は質問文の作成及び修正入力を許容し、これにより作成又は修正された質問文データをチェックボックスシート記憶領域15に上書きし、更に、チェックボックスシート記憶領域15からチェックボックスシートの質問文データ及び答案記憶領域14から答案の画像データの1つをクライアントコンピュータ21に返信する。クライアントコンピュータ21は、返信された答案の質問文に対する二択結果の入力を許容し、二択結果をチェックボックスシートの質問文データとともにサーバコンピュータ22に送信し記憶装置11の処理結果記憶領域13に記憶させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の受験者の答案を分類するための答案分類処理システム及び答案分類処理方法に関し、特に、問題に反映された測定項目に関して二者択一の質問文を複数列挙したチェックボックスシートによって複数の受験者の答案を分類するための答案分類処理システム及び答案分類処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種学校の入学試験などでは、模範解答との一致点及び相違点を判断する上で、与えられた問題文に対して答案に記載すべき特定の内容に関する質問文を複数列挙したチェックシートを用いて、効率よく受験者の答案を採点しようとする採点方法が採用されている。例えば、模範解答の一部をなす、特定の内容毎に、受験者の答案にこれが実質的に記載されているかどうかを問い掛ける質問文を複数列挙し、採点者が質問文毎にこれを判断して点数を与える。この点数の合計によって答案の採点が行われて、受験者の優劣が決定される。
【0003】
ところで、このような答案の採点を複数の採点者によって行おうとすると、採点者毎に判断のばらつきが少なからず存在することから、採点者数が増えるにつれ、採点が不正確なものになってしまっていた。
【0004】
上記に関連して、採点者の判断基準を統一して受験者の答案をより正確に採点しようとする採点システムが特許文献1に開示されている。1人の採点者による採点結果はシステム上で修正可能であって、複数の採点者間で採点結果が一致せず採点結果の客観性に疑問がある場合には、他の採点者の判断根拠を参照しながら採点結果を再評価し、これを修正できる。採点結果及び判断基準を複数の採点者が共有することで、自らが行った主観的な採点結果にとらわれず、様々な視点から答案を再評価できるのである。
【0005】
一方、上記したような受験者の優劣を決定する試験に対して、国や地方自治体の教育指針を定めるような学力試験では、同様の試験によって、特定の学習項目に対する受験者の理解傾向を多面的に測定して、教育上の課題を抽出している。ここでは受験者の優劣を決定する「採点」よりも、受験者の答案を理解傾向に関連したグループに「分類」することが求められる。更に、このような分類試験では、数万人、数十万人、ときには数百万人といった規模の受験者数で、しかも「記述式」による試験を行って、受験者の答案を分類して教育上の課題を抽出しなければならないことがある。かかる多数の「記述式」による答案を数人の測定者だけで処理することは時間的制約から不可能であって、少なからず判断のばらつきのある測定者を多数採用して、分担して測定を行う必要がある。そして、これらの測定結果を統合して受験者の答案を分類せざるを得ないから、分類が不正確になってしまいがちであった。
【特許文献1】特開2006−277086号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した分類試験において、特許文献1に開示のシステムの如く、他の測定者の判断根拠を参照して判断基準を統一しようとしても、測定者数が多くなってしまうと判断基準の統一は困難である。判断基準の統一の困難な多数の測定者による答案の分類においては、測定者数が増えるにつれて答案の分類が不正確になっていく。また、他の測定者の判断根拠を参照する作業は、答案の測定処理の効率を大幅に低下させることもある。
【0007】
更に、上記した分類試験であっても、質問文を複数列挙したチェックシートを用いて、効率よく受験者の答案を分類しようとする分類処理方法が考慮される。しかしながら、チェックシートは、「模範解答」のような1つの解答例に対する答案の相対的な類似度を測定するツールであって、複数の解答例に分類する分類試験では処理効率が必ずしも高まるとは言えない。つまり、分類試験では、分類すべき複数の解答例毎にチェックシートを作成して、各答案に対してこれらでチェックを行って、各答案が相対的にどの解答例に最も類似しているかによって答案全体の分類処理を行うのである。故に、答案の数に分類すべき解答例数を乗じた回数だけのチェックシートのチェックを行わなければならず、結果として、処理効率は決して高いものではない。
【0008】
本発明は、上記したような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、質問文を複数列挙したチェックシートによって受験者の答案を分類する方法に関して、多くの受験者の答案を効率よく、しかも正確に分類できる答案分類処理システム及びその方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明者は、上記したような分類試験では、特定の学習項目に対する受験者の理解傾向をあらかじめ予想して複数の測定項目を作成した上で、これらが受験者の答案に記載され得るよう、問題文が作成されていることに注目して本願発明に至った。
【0010】
すなわち、本発明によるシステムは、問題に反映された測定項目に関して二者択一の質問文を複数列挙したチェックボックスシートによって複数の受験者の答案を分類するための答案分類処理システムであって、前記答案を画像データとして記憶した答案記憶領域、前記チェックボックスシートの質問文データを記憶するためのチェックボックスシート記憶領域、及び、前記答案の前記質問文に対する二択結果を記憶するための処理結果記憶領域を含む記憶装置を有するサーバコンピュータと、前記サーバコンピュータに接続された複数のクライアントコンピュータと、を含み、前記サーバコンピュータは、前記チェックボックスシートの前記質問文の作成及び修正入力を許容しこれにより作成又は修正された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に上書きし、更に、前記クライアントコンピュータからの処理要求信号に応じて該クライアントコンピュータへ向けて前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域から前記チェックボックスシートの前記質問文データ及び前記答案記憶領域から前記答案の画像データの1つを返信し、前記クライアントコンピュータは、前記処理要求信号を前記サーバコンピュータに送信しこれに応じて返信された前記答案の前記質問文に対する二択結果の入力を許容し、前記二択結果を前記サーバコンピュータに送信し前記記憶装置の前記処理結果記憶領域に記憶させる、ことを特徴とする。
【0011】
かかるシステムによれば、複数の受験者の答案は、問題に反映された測定項目に関して二者択一の質問文を複数列挙した単一のチェックボックスシートによって分類され、しかもチェックボックスシートの質問文が測定者により特定の答案に対する二択結果にばらつきが生じないように修正されつつ、分類処理を進めることができる。故に、多くの測定者によって測定を行っても分類処理を正確に出来る。つまり、多くの受験者の答案をより正確に効率よく分類できるのである。
【0012】
上記したシステムにおいて、前記サーバコンピュータは、前記記憶装置の前記答案記憶領域に記憶した前記答案の画像データの1つを前記クライアントコンピュータのうちの複数に返信し、前記記憶装置の前記処理結果記憶領域の複数の二択結果を比較してこれらが異なるときに前記チェックボックスシートの前記質問文の修正入力を許容し修正された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に上書きすることを特徴とする。
【0013】
かかるシステムによれば、複数の測定者間で特定の答案、すなわち1つの画像データに対する二択結果が常に同一となるようにチェックボックスシートの質問文を修正しつつ分類処理を進めることができる。故に、多くの測定者によって測定を行っても分類処理を正確に出来る。つまり、多くの受験者の答案をより正確に効率よく分類できるのである。
【0014】
更に、上記した他のシステムでは、前記サーバコンピュータは、前記記憶装置の前記答案記憶領域に記憶した未処理の前記答案の画像データの1つを前記クライアントコンピュータの1つに返信し、前記サーバコンピュータにおいて前記答案の前記質問文に対する二択結果の入力を許容し、これと前記記憶装置の前記処理結果記憶領域の二択結果を比較してこれらが異なるときに前記チェックボックスシートの前記質問文の修正入力を許容し修正された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に上書きすることを特徴としてもよい。
【0015】
かかるシステムによれば、問題作成者等と測定者との間で特定の答案、すなわち1つの画像データに対する二択結果が常に同一となるようにチェックボックスシートの質問文データを修正しつつ分類処理を進めることができる。故に、多くの測定者によって測定を行っても分類処理を正確に出来る。つまり、多くの受験者の答案をより正確に効率よく分類できるのである。
【0016】
更に、本発明による方法は、問題に反映された測定項目に関して二者択一の質問文を複数列挙したチェックボックスシートによって複数の受験者の答案を分類するための答案分類処理方法であって、前記答案を画像データとして記憶した答案記憶領域、前記チェックボックスシートの質問文データを記憶するためのチェックボックスシート記憶領域、及び、前記答案の前記質問文に対する二択結果を記憶するための処理結果記憶領域を含む記憶装置を有するサーバコンピュータと、前記サーバコンピュータに接続された複数のクライアントコンピュータと、を準備するステップと、前記サーバコンピュータにおいて、前記チェックボックスシートの前記質問文の作成入力を許容しこれにより作成された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に記憶するステップと、前記クライアントコンピュータからの処理要求信号に応じて該クライアントコンピュータへ向けて前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域から前記チェックボックスシートの前記質問文データ及び前記答案記憶領域から前記答案の画像データの1つを返信するステップと、前記チェックボックスシートの前記質問文の修正入力を許容しこれにより修正された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に上書きするステップと、を含むことを特徴とする。
【0017】
かかる方法によれば、複数の受験者の答案は、問題に反映された測定項目に関して二者択一の質問文を複数列挙した単一のチェックボックスシートによって分類され、しかもチェックボックスシートの質問文が測定者による特定の答案に対する二択結果にばらつきが生じないように修正されつつ、分類処理を進めることができる。故に、多くの測定者によって測定を行っても分類処理を正確に出来る。つまり、多くの受験者の答案をより正確に効率よく分類できるのである。
【0018】
上記した方法では、前記クライアントコンピュータにおいて、前記処理要求信号を前記サーバコンピュータに送信するステップと、これに応じて返信された前記答案の前記質問文に対する二択結果の入力を許容し、前記二択結果を前記サーバに送信し前記記憶装置の前記処理結果記憶領域に記憶させるステップと、を含むことを特徴としてもよい。
【0019】
かかる方法によれば、処理要求信号をサーバコンピュータに送信したクライアントコンピュータのみで二択結果の入力処理が行われ得るので、測定者の処理速度に応じて確実に二択結果の入力処理を行うことが出来る。つまり、結果として、多くの受験者の答案をより正確に効率よく分類できるのである。
【0020】
上記方法では、前記サーバコンピュータにおいて、前記記憶装置の前記答案記憶領域に記憶した前記答案の画像データの1つを前記クライアントコンピュータの複数に返信するステップと、前記記憶装置の前記処理結果記憶領域の複数の二択結果を比較してこれらが異なるときに前記チェックボックスシートの前記質問文の修正入力を許容し修正された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に上書きするステップと、を含むことを特徴としてもよい。
【0021】
かかる方法によれば、複数の測定者間で特定の答案、すなわち1つの画像データに対する二択結果が常に同一となるようにチェックボックスシートの質問文を修正しつつ分類処理を進めることができる。故に、多くの測定者によって測定を行っても分類処理を正確に出来る。つまり、多くの受験者の答案をより正確に効率よく分類できるのである。
【0022】
上記方法では、前記サーバコンピュータにおいて、前記記憶装置の前記答案記憶領域に記憶した未処理の前記答案の画像データの1つを前記クライアントコンピュータの1つに返信し、これとともに前記サーバコンピュータにおいても前記答案の前記質問文に対する二択結果の入力を許容するステップと、入力された二択結果と前記記憶装置の前記処理結果記憶領域の二択結果を比較してこれらが異なるときに前記チェックボックスシートの前記質問文の修正入力を許容し修正された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に上書きするステップと、を含むことを特徴としてもよい。
【0023】
かかる方法によれば、問題作成者等と測定者との間で特定の答案、すなわち1つの画像データに対する二択結果が常に同一となるようにチェックボックスシートの質問文を修正しつつ分類処理を進めることができる。故に、多くの測定者によって測定を行っても分類処理を正確に出来る。つまり、多くの受験者の答案をより正確に効率よく分類できるのである。
【0024】
上記したように、判断基準の統一の困難な多数の測定者による答案の分類においては、測定者数が増えるにつれて答案の分類が不正確になっていくが、本発明によるチェックボックスシートを用いた答案の分類は、測定者数にかかわらず、常に一定の精度を有するのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
まず、問題に反映された測定項目に関して二者択一の質問文を複数列挙したチェックボックスシートによって複数の受験者の答案を分類するための答案分類処理方法についてその原理を図を用いて説明する。
【0026】
図1に示すように、所定の学年において習得することを定められている学習項目α1〜αnの中から学習項目αmを選択して、測定の基礎となる問題Qを作成する。この特定の学習項目αmに対する受験者の理解傾向、すなわち特定の学習項目αmを習得するのに必要な、これを細分化した学習要素(例えば、かけ算、足し算、因数分解、方程式の立式、漢字、熟語、各種文法など)a1〜an毎の受験者全体の得意又は不得意の如き理解度を予測して、学習要素の中から複数の測定項目a1〜amを決定する。問題Qは、測定項目a1〜amを含むように設定条件を逐次修正しつつ作成される。これとともに、問題Qを解く受験者の答案に測定項目a1〜amに関する記載が含められ得るよう、問題Qについての問題文qの表現などの詳細が修正・決定される。
【0027】
ところで、分類試験では、上記した特定の学習項目αmに対する受験者の理解傾向をあらかじめ予測しておく必要がある。例えば、受験者の理解傾向の予測が出来なければ、受験者の理解傾向と出題する問題Qとの間に大きな差が出来てしまって、目的とする答案の分類が出来なくなってしまう。例えば、極端に言えば、いわゆる問題の「難度」が受験者の理解傾向に比して極めて高ければ、多くの受験者の答案が白紙になってしまうのである。
【0028】
なお、測定項目a1〜am同士の内容の類似性が高いほど、特定の学習項目αmに対する受験者の測定される理解傾向の「きめ」が細かくなるが、高すぎると後述する受験者の答案の分類が曖昧となって、必ずしも測定精度が高いとは限らなくなる。逆に、測定項目a1〜am同士の内容の類似性が低すぎると、答案の分類は明確になるが、測定される理解傾向の「きめ」が荒くなる。
【0029】
図2に示すように、受験者の答案における各測定項目a1〜amに関する記載、つまり受験者の測定項目a1〜amにおける処理をそれぞれ想定して各解答例MA1〜MAnを作成する。上記したように、問題文qは、受験者の答案における測定項目a1〜amに関する記載を想定して作成されているから、逆に、必ず測定項目a1〜amにおける受験者の処理を想定した解答例MA1〜MAnが作成できる。このとき、例えば、測定項目a1に関する記載が後に記載される測定項目a2に関する記載に影響を与えるのであれば、これを反映させた解答例を作成する。つまり、各解答例MA1〜MAnには、複数の測定項目a1〜amにおける処理の組合せが反映されている。
【0030】
次に、図3を併せて参照して、各受験者の答案TA1〜TAnが複数の解答例MA1〜MAnのいずれに最も相対的に類似しているかをチェックボックスシート50によって測定し、分類を行う。
【0031】
図4に示すように、チェックボックスシート50は、問題に反映された測定項目a1〜anに関して二者択一の質問文CQ1〜CQnを複数列挙した質問シートである。ここでチェックボックスシート50の質問文CQ1〜CQnに対しては、少なくとも二者択一でチェックされ得て、測定者による内容の判断裁量を減じて、一定レベルの測定者であればどの測定者によっても同一の答案に対しては同じ判断結果となり得るように作成されていることが好ましい。詳細は後述するが、質問文CQ1〜CQnは、受験者の答案TA1〜TAnに特定の内容が実質的に記載されているかを問うものではなく、直接に記載されているかどうかを問うものが好ましい。
【0032】
例えば、形式的側面からの質問内容として、数学であれば解法や公式の選択について、語学であれば受動態や能動態といった態や構文の選択について、特定の学科分野によらないものとしては文章の記載の有無や分量を問うものが挙げられる。また、言語的側面からの質問内容として、数学であれば特定の数値や式、語学であれば特定の単語や連語などを問うものが挙げられる。チェックボックスシート50の各質問文CQ1〜CQnに対する二択結果は、解答例MA1〜MAn毎に異なるように、質問文CQ1〜CQnの元となる質問内容が繰り返し変更される。なお、上記した言語的側面の質問内容においては、解答例同士を比較して、その相違点から質問内容を作成又は変更し得る。質問内容を確定した上でこれに対応して質問文CQ1〜CQnが作成される。
【0033】
以上により、問題に反映された測定項目a1〜amに関して二者択一の質問文CQ1〜CQnを複数列挙したチェックボックスシート50が作成される。更に、質問文CQ1〜CQnは、特定の答案に対する二択結果が一定レベルの測定者であればどの測定者によっても同じ判断結果となり得るように適宜、修正される。
【0034】
各受験者の答案TA1〜TAnにおける質問文CQ1〜CQnに対する二択結果が収集され、解答例MA1〜MAnにおける質問文CQ1〜CQnに対する二択結果と比較される。つまり、解答例MA1と同じ二択結果を有する答案TA3は、測定項目a1〜amにおいて解答例MA1と同じ判断をした群に分類されるのである。各解答例MA1〜MAnに分類された答案の数などから、特定の学習項目αmに対する受験者の理解傾向を確定し、教育上の課題を抽出するのである。
【実施例】
【0035】
次に、上記したチェックボックスシート50を用いた処理を行うための答案分類処理システム1及びこれによる受験者毎の答案を分類処理する方法について詳細を説明する。
【0036】
[システム]
図5に示すように、答案分類処理システム1は、インターネット回線やLAN(Local Area Network)等の通信回線20によって接続された複数のクライアントコンピュータ21−1〜n及び問題作成者等によって使用されるサーバコンピュータ22を含む。サーバコンピュータ22は問題文記憶領域12、処理結果記憶領域13、答案記憶領域14及びチェックボックスシート記憶領域15などを有する記憶装置11を備える。また、サーバコンピュータ22は、モニタ22a及びキーボード22bを有するとともに、図示しないスキャナなどの入力装置を有する。
【0037】
[問題作成]
図6に示すように、例えば、所定の学年において習得することを定められている学習項目「三平方の定理」について、測定の基礎となる問題Qを作成する。ここで学習要素としては、(1)三平方の定理の公式を導くこと、(2)一元二次方程式を解くこと、(3)指数を含む足し算を正確に行うこと、(4)等式の移項を正確に行うこと、など多くの要素が挙げられる。これらの中から、測定項目として、(1)三平方の定理の公式を導くこと、及び、(2)一元二次方程式を解くこと、の2点を決定した。
【0038】
そこで、問題Qについて、測定項目(1)及び(2)に関する「直角三角形の直角を挟む2辺の長さを具体的に与え、三平方の定理の公式を記載させ、その上でこの一元二次方程式を解いて斜辺の長さを求めさせる。」という問題を作成した。これとともに、問題Qを解く受験者の答案に測定項目(1)及び(2)に関する記載が含められ得るよう、具体的数値及び具体的な図形形状を与えて、「直角三角形の直角を挟む2辺の長さがそれぞれ1cmと2cmである場合、斜辺の長さを求めなさい。」なる問題文を作成した。更に、受験者に三平方の定理の計算をした上で答えを導かせるよう、「直角三角形の直角を挟む2辺の長さがそれぞれ1cmと2cmである場合、斜辺の長さをxcmとしたときのxを方程式を導いて求めなさい。」と問題文を変更して、一元二次方程式を使って答えを導く過程の記載を促して問題文qを得た。この問題文qをサーバコンピュータ22のキーボード22b若しくは図示しないスキャナなどから入力し、記憶装置11の問題文記憶領域12に記憶させる。
【0039】
次に、図7に示すように、測定項目(1)及び(2)に関する受験者の処理を想定して解答例MA1〜MA5を作成した。解答例MA1〜MA5はサーバコンピュータ22の図示しないスキャナなどから入力し、画像データ識別符号A1〜A5をそれぞれ付して画像データとして答案記憶領域14に記憶させる。
【0040】
さらに、図8に示すように、測定項目(1)及び(2)に関する二者択一の質問文CQ1〜CQ5を作成し、これを列挙したチェックボックスシート50を得る。質問文CQ1は測定項目(2)について、質問文CQ5は測定項目(1)及び(2)に関する形式的側面からの質問内容である。また、質問文CQ2〜CQ4は測定項目(1)に関する言語的側面からの質問内容である。チェックボックスシート50では、質問文CQ1〜CQ5に対応してチェック欄521〜525が設けられている。このチェックボックスシート50は、データとしてチェックボックスシート記憶領域15に記憶させる。
【0041】
なお、上記したように、チェックボックスシート50の各質問文CQ1〜CQ5に対する二択結果は、解答例MA1〜MA5毎に異なる。二択結果のチェックパターン(チェックの有無の組合せ)は、チェック有りを「○」、チェックなしを「×」で表示すると、順に以下の通りとなる。
MA1:(○、○、○、×、○)
MA2:(○、○、×、×、○)
MA3:(×、○、×、×、○)
MA4:(○、×、×、○、○)
MA5:(×、×、×、×、×)
この二択結果は記憶装置11の処理結果記憶領域13に画像データ識別符号A1〜A5を付して記憶させる。
【0042】
以上を終えた上で、j人の受験者に問題文qを与えて、これに対する受験者の答案TA1〜TAjを得た。これらはサーバコンピュータ22の図示しないスキャナなどから入力し、画像データ識別符号A6〜A5+jを付した画像データとして答案記憶領域14に記憶させる。
【0043】
[初期設定]
まず、図9に示すように画像データ毎のクライアントコンピュータ21への送信回数を設定するための送信設定ファイル53を記憶装置11の所定領域に作成する。
【0044】
詳細には、画像データ識別符号Ax(1≦x≦5+j)に対応する画像データ毎のクライアントコンピュータ21への送信回数N(x)(但し、この値はクライアントコンピュータ21の総台数以下である。)がサーバコンピュータ22のキーボード22bから入力される。つまり、「0」を入力した画像データはクライアントコンピュータ21へは送信されない。
【0045】
ここでは、質問文CQ1〜CQ5を修正するために、解答例MA1〜MA5から任意に選択した2つの解答例MA1及びMA3(対応する画像データ識別符号A1及びA3)について、それぞれn(≧20)台のクライアントコンピュータ21のうちの20台にてチェックボックスシート50の質問文CQ1〜CQ5に対する二択結果を収集する場合について説明する。管理者は、サーバコンピュータ22のキーボード22bを操作して、N(1)及びN(3)にそれぞれ「20」を入力し、他の送信回数欄N(x)には「0」を入力する。
【0046】
[質問文CQ1〜CQnの第1の修正]
上記したように、チェックボックスシート50の質問文CQ1〜CQ5は、少なくとも二者択一でチェックされ得て、一定レベルの測定者であれば、どの測定者によっても同一の答案に対して同じ判断結果となり得るように作成される。すなわち、1つの解答例MAmに対する二択結果は、測定者によらず、問題作成時に得られている二択結果と同じとなるよう、問題作成者等によって質問文CQ1〜CQ5が修正される。
【0047】
[1]サーバコンピュータにおける画像データの送受信
図10に示すように、各クライアントコンピュータ21−1〜nへの画像データ識別符号Ax(1≦x≦5+j)に対応する画像データの送信記録がマトリクスM(1,1)〜M(n,5+j)に作成される。すなわち、クライアントコンピュータ21−xへの画像データ識別符号Aqに対応する画像データの送信の有無は、マトリクスM(x,q)に記録される。未だ対応する画像データを送信していないマトリクスには、初期状態の0を記録し、画像データを送信すると1がこれに上書きされる。また、上記した送信設定ファイル53に従って、画像データの送信されることのない対応するマトリクスについては、非アクティブ(書き換え不可能)として「*」マークが記録される。なお、マトリクスの右横欄には、各画像データ毎の既に送信済みの送信回数NN(x)(1≦x≦5+j)が自動的に集計される(図11も併せて参照)。
【0048】
翻って、図9を参照すると、送信設定ファイル53において、送信回数N(x)が1以上である画像データは、N(x)台のクライアントコンピュータへ送信される。つまり、図11に示すように、送信管理ファイル60における画像データ識別符号A1及びA3に関するマトリクスM(1,1)〜M(n,1)及びM(1,3)〜M(n,3)に対応する画像データの送信が可能であって、かかるマトリクスはアクティブ(書き換え可能)に作成され、初期状態の送信無し=0が記録される。これ以外のマトリクスについては、非アクティブとして「*」マークが記録される。このとき、送信済みの送信回数NN(1)及びNN(3)は0であり、それ以外は*である。
【0049】
この図11に示す送信管理ファイル60を用いて、図12〜図14に示すように、データ処理ルーチンS1、処理データ返信ルーチンS12及び処理データ記憶ルーチンS14を行って、クライアントコンピュータ21への画像データの送・受信が行われる。
【0050】
図12に示すように、データ処理ルーチンS1では、特定のクライアントコンピュータ21−Uから処理要求信号D1をサーバコンピュータが受信した場合(S11、Y)、処理データ返信ルーチンS12へ移行する。他方、特定のクライアントコンピュータ21−Vから処理結果送信信号D2をサーバコンピュータが受信した場合(S13、Y)、処理データ記憶ルーチンS14へ移行する。なお、処理要求信号D1及び処理結果送信信号D2にはそれぞれ当該信号を送信したクライアントコンピュータを識別するためのクライアント識別符号U及びVがそれぞれ含まれる。
【0051】
図13に示すように、処理データ返信ルーチンS12では、クライアントコンピュータ21−Uに送信すべき画像データを送信管理ファイル60(図11参照)を用いて検索する。図11を併せて参照すると、処理要求信号D1に含まれるクライアント識別符号Uに対応するM(U,I)(Iはパラメータであり、1〜5+jの整数である。)について、I=1から順に、すなわち、送信管理ファイル60のU列を上から下に検索し、M(U,I)が0であって(S12−4、Y)、送信済みの送信回数NN(I)が送信設定ファイル53において設定された送信回数N(I)に達していない場合(S12−5、Y)、M(U,I)に対応する画像データを答案記憶領域14から、また、チェックボックスシート50をチェックボックスシート記憶領域15から、クライアント識別符号Uに基づいて、クライアントコンピュータ21−Uに送信する(S12−6)。これとともに、マトリクスM(U,I)に送信済みであることを記録する「1」を記録する(S12−7)。これを繰り返し、パラメータIが5+jとなった場合、すなわち、送信管理ファイル60のU列の一番下に達しても送信すべき画像ファイルが検索できなかった場合は(S12−3、N)、クライアント識別符号Uに基づいて、クライアントコンピュータ21−Uに返信できる画像データのないことを伝える処理不要信号D3を送信する(S12−8)。その後、データ処理ルーチンS1に戻り、繰り返し処理要求信号D1の受信を行う。一方、データ処理ルーチンS1において、送信設定ファイル53で設定された送信すべき画像データ数、すなわちN(I)の総数に、送信済みの送信回数、すなわちNN(I)の総数が達して画像データの送信が完了した場合には、もはや処理要求信号D1の受信を行わない(S15、Y)。
【0052】
一方、図14に示すように、処理データ記憶ルーチンS14では、クライアントコンピュータ21−Vから受信したチェックボックスシート50(質問文CQ1〜CQ5)に対する二択結果をクライアント識別符号V及び画像データ識別符号を付して記憶装置11の処理結果記憶領域13に記憶させて(S14−1)、データ処理ルーチンS1に戻り、繰り返し処理結果送信信号D2の受信を行う。なお、データ処理ルーチンS1において、送信設定ファイル53で設定された送信すべき画像データ数、すなわちN(I)の総数に、D2の受信回数が達して処理結果の受信が完了した場合には、もはや処理結果送信信号D2の受信を行わない(S16、Y)。
【0053】
[2]クライアントコンピュータによる画像データの送信要求及び受信
クライアントコンピュータ21は、サーバコンピュータ22へ処理すべき画像データ及びチェックボックスシート50の送信を要求し、これに対して返信された画像データをチェックボックスシート50で処理し、処理結果をサーバコンピュータ22へ送信する。
【0054】
詳細には、図15に示すように、クライアント処理ルーチンS2において、クライアントコンピュータ21−Uは、これを識別するためのクライアント識別符号Uを含む処理要求信号D1をサーバコンピュータ22に向けて送信し(S20)、サーバコンピュータ22からのデータの返送を待つ(S21)。
【0055】
返送されたデータが処理不要信号D3を付されていた場合は(S22、Y)、処理すべき画像データのない旨のメッセージ、例えば「処理できるデータがありません」の如き表示をして(S23)、処理を終了する。
【0056】
一方、サーバコンピュータ22から画像データ及びチェックボックスシート50(質問文CQ1〜CQ5)を返送された場合は(S22、N)、図16に示すように、処理データを画面に表示する(S24)。そして測定者によるチェックボックスシート50のチェック欄52へのチェックの入力を受付ける(S25)。入力はマウス等の入力装置の操作により画面上のポインタ30を移動させて行う。
【0057】
画面上の入力完了ボタン31及びデータ送信ボタンをポインタ30によって操作し、チェックが終了した旨を入力すると(S26、Y→S27、Y)、クライアント識別符号を含む処理結果送信信号D2、処理された画像データの画像データ識別符号を付した二択結果をサーバコンピュータ22へ向けて送信する(S28)。
【0058】
クライアントコンピュータ21では、この一連の動作を繰り返し行う。
【0059】
[3]サーバコンピュータにおける質問文の修正
図17に示すような、質問文の修正箇所を表示するための照合ファイル54を記憶装置11の所定領域に作成するとともに、サーバコンピュータ22のモニタ22aに表示する。ここでは、問題作成時に同時に作成された質問文CQ1〜CQ5に対する解答例MA1〜MA5の二択結果が二択結果表示欄35に横に並べて表示される。各二択結果の下にはそれぞれ集計欄36を備え、記憶装置11の処理結果記憶領域13に記憶されたクライアントコンピュータ21によって得られた二択結果と比較した結果を集計して表示する。なお、クライアントコンピュータ21に送信されなかった画像データ(画像データ識別符号A2、A4及びA5)に対応する欄には全て「*」が記入されている。
【0060】
詳細には、処理結果記憶領域13に記憶されているクライアントコンピュータ21から得られた二択結果を順次、対応する二択結果表示欄35の二択結果、すなわち問題作成時に作成された二択結果と質問文毎に比較する。同一の画像データ毎に且つ質問文毎に互いの二択結果が異なっている数を照合ファイル54の集計欄36に表示する。ここでは照合ファイル54の解答例MA3に対する質問文CQ5の二択結果は、2台のクライアントコンピュータ21からのものと問題作成時に入力されたものとが異なっていたことを表している。このように集計欄36の数が1以上となった欄及び対応する質問文の欄をハイライト表示する(図18参照)。
【0061】
図18に示すように、対応する集計欄37の「2」がハイライト表示され、解答例MA3、及び質問文CQ5がサーバコンピュータ22のモニタ22aに表示される。CQ5の「1つ以上の式の記載あり」という質問文に対して、解答例MA3では計算式が記載されているから、これに対する二択結果は、チェック有り(二択結果「○」)と問題作成時に決定している。一方、2台のクライアントコンピュータでは、質問文CQ5の「1つ以上の式」という表現に対して「式」の意味に違った解釈を与えたと推測される。そこで、これを「式の記載あり」というより簡潔な質問文CQ5’に修正して、図19に示すような、修正したチェックボックスシート50’を得た。なお、修正した質問文CQ5’はチェックボックスシート記憶領域15に上書きされる。
【0062】
以上、ここでは解答例MA3に対する質問文CQ5の修正を行ったが、解答例MA1〜MA5の1つ若しくは複数に亘って繰り返し質問文CQ1〜CQ5の修正を行っても良い。
【0063】
[質問文CQ1〜CQnの第2の修正]
「第2の修正」では、受験者の答案TA1〜TAjの1つについて、複数のクライアントコンピュータ21にて得られるチェックボックスシート50の質問文CQ1〜CQnに対する二択結果を収集する。問題作成者等は複数のクライアントコンピュータ21における互いの二択結果の異なる質問文CQ1〜CQnについて再度修正・確認を行う。
【0064】
詳細は省略するが、例えば、上記した初期設定において、受験者の答案TA1〜TAjの1つの画像データが複数のクライアントコンピュータ21に送信されるように、送信設定ファイル53(図9参照)の送信回数N(x)に複数回の送信回数を入力する。
【0065】
「第1の修正」と同様に、サーバコンピュータ22では送信管理ファイル60に従ってデータ処理ルーチンS1を実行する。つまり、1つの受験者の答案の画像データを答案記憶領域14から、且つ、チェックボックスシートをチェックボックスシート記憶領域15から、複数のクライアントコンピュータ21へ送信する。一方、クライアントコンピュータ21ではクライアント処理ルーチンS2が実行される。その結果、サーバコンピュータ22では、複数のクライアントコンピュータ21による同一の受験者の答案についての二択結果を得ることができる。照合ファイル54には、1つの受験者の答案の二択結果に対して異なる二択結果を得たクライアントコンピュータの台数が表示される。そして、異なる二択結果を得た質問文CQの修正が行われ、修正された質問文CQ’はチェックボックスシート記憶領域15に上書きされる。
【0066】
上記したように受験者の答案TA1〜TAjの1つ又は複数に亘って繰り返し質問文CQ1〜CQnの修正を行い得る。解答例以外についても質問文の修正・確認を行うことで、より正確な答案の分類が出来るのである。
【0067】
なお、本実施例では「第2の修正」は実施しない。
【0068】
[答案分類処理]
次に修正したチェックボックスシート50’(図19参照)によって、受験者の答案を分類する。チェックボックスシート50’によって得られる各受験者の答案の二択結果のチェックパターン(チェックの有無の組合せ)と解答例MA1〜MA5の二択結果のチェックパターンとを比較し、これらが互いに同一となる受験者の答案を解答例に反映された理解傾向として分類するのである。
【0069】
詳細には、図5を参照して、管理者は、記憶装置11の処理結果記憶領域13をリセットする。その上で改めて問題作成時に作成した解答例MA1〜MA5に対する二択結果を処理結果記憶領域13に記憶させる。次に、サーバコンピュータ22によって、送信設定ファイル53(図9参照)の受験者の答案TA1〜TAjのそれぞれに対応する画像データ識別符号A6〜A5+jの送信回数欄に1を記入する。これにより受験者の答案TA1〜TAjがそれぞれクライアントコンピュータ21へ1回ずつ送信される。次に、データ処理ルーチンS1(図12参照)を実行し、チェックボックスシート50’による受験者の答案TA1〜TAjについての二択結果をそれぞれ得る。詳細については省略する。
【0070】
次に分類ルーチンを実行する。分類ルーチンでは、受験者の答案TA1〜TAjの二択結果のチェックパターンを順に調べて、解答例MA1〜MA5に同一のチェックパターンがある場合にはこれに分類する。ここで、例えば、図20に示す分類ルーチンS6のように、解答例MA1〜MA5に同一のチェックパターンが存在しない場合は、同じチェックパターン同士の答案をまとめて分類するようにしてもよい。
【0071】
分類ルーチンS6では、まず、後述する分類ファイル56(図21参照)をリセットし、「分類先の画像データ識別符号」欄を空白にする(S60)。次に、画像データ識別符号A6〜A5+j(AI)の受験者の答案についてのチェックパターン(CP)のそれぞれを(S61,S69)、画像データ識別符号A1〜A5+jの順に(S62,S63)画像データ識別符号AI−1となるまで(S64)、チェックパターン同士を比較していく(S65)。チェックパターン同士が一致したら、図21に示す分類ファイル56の前者の画像データ識別符号の「分類先の画像データ識別符号」欄に後者の画像データ識別符号を記録する。なお、記録された画像データ識別符号がA1〜A5であるときは、解答例MA1〜MA5の二択結果のチェックパターンと同一であることを示している。また、画像データ識別符号AIの受験者の答案についてのチェックパターンが画像データ識別符号AI−1についてのチェックパターンと比較するまでチェックパターン同士が一致しなかったら(S64、Y)、図21に示す分類ファイル56の画像データ識別符号AIの「分類先の画像データ識別符号」欄には自らの画像データ識別符号である「AI」を記録する(S68)。以後これと同一のチェックパターンがあった場合は「AI」に分類される。
【0072】
以上により、分類を終了する。なお、図22に示すように、分類先となった解答例及び受験者の答案の数を記入した集計ファイルを作成しても良い。
【0073】
以上のように、本実施例によれば、チェックボックスシート50の質問文CQ1〜CQ5を、その二択結果に測定者によるばらつきを生じないように修正できて、修正したチェックボックスシート50’を用いて受験者の答案TA1〜TAjを分類することが出来る。また、解答例MA1〜MA5のうちの1つを複数のクライアントコンピュータ22に返信して、複数の測定者による二択結果が常に同一になるようにチェックボックスシート50の質問文CQを修正し得る。さらに、問題作成者等と測定者との間で同一の受験者の答案についての処理結果を同一にするよう、チェックボックスシートを修正することができる。よって、多くの測定者によって測定を行なっても分類処理を正確にできる。つまり、多くの受験者の答案をより正確に効率よく分類できるのである。
【0074】
一般に、判断基準の統一の困難な多数の測定者による受験者の答案の分類においては、測定者数が増えるにつれて受験者の答案の分類が不正確になっていく。しかし、本実施例においては、測定者による内容の判断を減じて判断のばらつきを生じないようにチェックボックスシート50の質問文CQを修正し得るので、測定者数にかかわらず、常に一定の精度を有するのである。
【0075】
また、二択結果の入力処理を終了したクライアントコンピュータから順次、次の二択結果の入力処理が行われるので、他の測定者の処理速度に関係なく、各測定者の処理速度に応じて確実に二択結果の入力処理を行うことが出来る。つまり、多くの受験者の答案をより正確に効率よく分類できるのである。
【0076】
なお、クライアント識別符号は測定者自身を識別する識別符号であってもよい。これにより、例えば測定者の認証をクライアントコンピュータ21によって行なうなどしてもよく、また、複数のクライアントコンピュータ21のいずれを使用しても解答例又は受験者の答案の測定を同一画像データの重複なしに実施できるのである。
【0077】
以上、本発明による代表的実施例を説明したが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した請求項の範囲を逸脱することなく種々の代替実施例及び改変例を見出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明による答案分類処理方法についての原理の図である。
【図2】本発明による答案分類処理方法についての原理の図である。
【図3】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【図4】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【図5】本発明による答案分類処理システムの図である。
【図6】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【図7】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【図8】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【図9】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【図10】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【図11】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【図12】本発明による答案分類処理方法を示すフローチャートである。
【図13】本発明による答案分類処理方法を示すフローチャートである。
【図14】本発明による答案分類処理方法を示すフローチャートである。
【図15】本発明による答案分類処理方法を示すフローチャートである。
【図16】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【図17】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【図18】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【図19】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【図20】本発明による答案分類処理方法を示すフローチャートである。
【図21】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【図22】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【符号の説明】
【0079】
11 記憶装置
13 処理結果記憶領域
14 答案記憶領域
15 チェックボックスシート記憶領域
21 クライアントコンピュータ
22 サーバコンピュータ
50 チェックボックスシート
53 送信設定ファイル
54 照合ファイル
55 集計ファイル
56 分類ファイル
60 送信管理ファイル
CQ 質問文
MA1〜MAn 解答例
TA1〜TAn 受験者の答案
A1〜A5+j 画像データ識別符号
S1 データ処理ルーチン
S2 クライアント処理ルーチン
S6 分類ルーチン
S12 処理データ返信ルーチン
S14 処理データ記憶ルーチン
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の受験者の答案を分類するための答案分類処理システム及び答案分類処理方法に関し、特に、問題に反映された測定項目に関して二者択一の質問文を複数列挙したチェックボックスシートによって複数の受験者の答案を分類するための答案分類処理システム及び答案分類処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
各種学校の入学試験などでは、模範解答との一致点及び相違点を判断する上で、与えられた問題文に対して答案に記載すべき特定の内容に関する質問文を複数列挙したチェックシートを用いて、効率よく受験者の答案を採点しようとする採点方法が採用されている。例えば、模範解答の一部をなす、特定の内容毎に、受験者の答案にこれが実質的に記載されているかどうかを問い掛ける質問文を複数列挙し、採点者が質問文毎にこれを判断して点数を与える。この点数の合計によって答案の採点が行われて、受験者の優劣が決定される。
【0003】
ところで、このような答案の採点を複数の採点者によって行おうとすると、採点者毎に判断のばらつきが少なからず存在することから、採点者数が増えるにつれ、採点が不正確なものになってしまっていた。
【0004】
上記に関連して、採点者の判断基準を統一して受験者の答案をより正確に採点しようとする採点システムが特許文献1に開示されている。1人の採点者による採点結果はシステム上で修正可能であって、複数の採点者間で採点結果が一致せず採点結果の客観性に疑問がある場合には、他の採点者の判断根拠を参照しながら採点結果を再評価し、これを修正できる。採点結果及び判断基準を複数の採点者が共有することで、自らが行った主観的な採点結果にとらわれず、様々な視点から答案を再評価できるのである。
【0005】
一方、上記したような受験者の優劣を決定する試験に対して、国や地方自治体の教育指針を定めるような学力試験では、同様の試験によって、特定の学習項目に対する受験者の理解傾向を多面的に測定して、教育上の課題を抽出している。ここでは受験者の優劣を決定する「採点」よりも、受験者の答案を理解傾向に関連したグループに「分類」することが求められる。更に、このような分類試験では、数万人、数十万人、ときには数百万人といった規模の受験者数で、しかも「記述式」による試験を行って、受験者の答案を分類して教育上の課題を抽出しなければならないことがある。かかる多数の「記述式」による答案を数人の測定者だけで処理することは時間的制約から不可能であって、少なからず判断のばらつきのある測定者を多数採用して、分担して測定を行う必要がある。そして、これらの測定結果を統合して受験者の答案を分類せざるを得ないから、分類が不正確になってしまいがちであった。
【特許文献1】特開2006−277086号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した分類試験において、特許文献1に開示のシステムの如く、他の測定者の判断根拠を参照して判断基準を統一しようとしても、測定者数が多くなってしまうと判断基準の統一は困難である。判断基準の統一の困難な多数の測定者による答案の分類においては、測定者数が増えるにつれて答案の分類が不正確になっていく。また、他の測定者の判断根拠を参照する作業は、答案の測定処理の効率を大幅に低下させることもある。
【0007】
更に、上記した分類試験であっても、質問文を複数列挙したチェックシートを用いて、効率よく受験者の答案を分類しようとする分類処理方法が考慮される。しかしながら、チェックシートは、「模範解答」のような1つの解答例に対する答案の相対的な類似度を測定するツールであって、複数の解答例に分類する分類試験では処理効率が必ずしも高まるとは言えない。つまり、分類試験では、分類すべき複数の解答例毎にチェックシートを作成して、各答案に対してこれらでチェックを行って、各答案が相対的にどの解答例に最も類似しているかによって答案全体の分類処理を行うのである。故に、答案の数に分類すべき解答例数を乗じた回数だけのチェックシートのチェックを行わなければならず、結果として、処理効率は決して高いものではない。
【0008】
本発明は、上記したような状況に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、質問文を複数列挙したチェックシートによって受験者の答案を分類する方法に関して、多くの受験者の答案を効率よく、しかも正確に分類できる答案分類処理システム及びその方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本願発明者は、上記したような分類試験では、特定の学習項目に対する受験者の理解傾向をあらかじめ予想して複数の測定項目を作成した上で、これらが受験者の答案に記載され得るよう、問題文が作成されていることに注目して本願発明に至った。
【0010】
すなわち、本発明によるシステムは、問題に反映された測定項目に関して二者択一の質問文を複数列挙したチェックボックスシートによって複数の受験者の答案を分類するための答案分類処理システムであって、前記答案を画像データとして記憶した答案記憶領域、前記チェックボックスシートの質問文データを記憶するためのチェックボックスシート記憶領域、及び、前記答案の前記質問文に対する二択結果を記憶するための処理結果記憶領域を含む記憶装置を有するサーバコンピュータと、前記サーバコンピュータに接続された複数のクライアントコンピュータと、を含み、前記サーバコンピュータは、前記チェックボックスシートの前記質問文の作成及び修正入力を許容しこれにより作成又は修正された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に上書きし、更に、前記クライアントコンピュータからの処理要求信号に応じて該クライアントコンピュータへ向けて前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域から前記チェックボックスシートの前記質問文データ及び前記答案記憶領域から前記答案の画像データの1つを返信し、前記クライアントコンピュータは、前記処理要求信号を前記サーバコンピュータに送信しこれに応じて返信された前記答案の前記質問文に対する二択結果の入力を許容し、前記二択結果を前記サーバコンピュータに送信し前記記憶装置の前記処理結果記憶領域に記憶させる、ことを特徴とする。
【0011】
かかるシステムによれば、複数の受験者の答案は、問題に反映された測定項目に関して二者択一の質問文を複数列挙した単一のチェックボックスシートによって分類され、しかもチェックボックスシートの質問文が測定者により特定の答案に対する二択結果にばらつきが生じないように修正されつつ、分類処理を進めることができる。故に、多くの測定者によって測定を行っても分類処理を正確に出来る。つまり、多くの受験者の答案をより正確に効率よく分類できるのである。
【0012】
上記したシステムにおいて、前記サーバコンピュータは、前記記憶装置の前記答案記憶領域に記憶した前記答案の画像データの1つを前記クライアントコンピュータのうちの複数に返信し、前記記憶装置の前記処理結果記憶領域の複数の二択結果を比較してこれらが異なるときに前記チェックボックスシートの前記質問文の修正入力を許容し修正された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に上書きすることを特徴とする。
【0013】
かかるシステムによれば、複数の測定者間で特定の答案、すなわち1つの画像データに対する二択結果が常に同一となるようにチェックボックスシートの質問文を修正しつつ分類処理を進めることができる。故に、多くの測定者によって測定を行っても分類処理を正確に出来る。つまり、多くの受験者の答案をより正確に効率よく分類できるのである。
【0014】
更に、上記した他のシステムでは、前記サーバコンピュータは、前記記憶装置の前記答案記憶領域に記憶した未処理の前記答案の画像データの1つを前記クライアントコンピュータの1つに返信し、前記サーバコンピュータにおいて前記答案の前記質問文に対する二択結果の入力を許容し、これと前記記憶装置の前記処理結果記憶領域の二択結果を比較してこれらが異なるときに前記チェックボックスシートの前記質問文の修正入力を許容し修正された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に上書きすることを特徴としてもよい。
【0015】
かかるシステムによれば、問題作成者等と測定者との間で特定の答案、すなわち1つの画像データに対する二択結果が常に同一となるようにチェックボックスシートの質問文データを修正しつつ分類処理を進めることができる。故に、多くの測定者によって測定を行っても分類処理を正確に出来る。つまり、多くの受験者の答案をより正確に効率よく分類できるのである。
【0016】
更に、本発明による方法は、問題に反映された測定項目に関して二者択一の質問文を複数列挙したチェックボックスシートによって複数の受験者の答案を分類するための答案分類処理方法であって、前記答案を画像データとして記憶した答案記憶領域、前記チェックボックスシートの質問文データを記憶するためのチェックボックスシート記憶領域、及び、前記答案の前記質問文に対する二択結果を記憶するための処理結果記憶領域を含む記憶装置を有するサーバコンピュータと、前記サーバコンピュータに接続された複数のクライアントコンピュータと、を準備するステップと、前記サーバコンピュータにおいて、前記チェックボックスシートの前記質問文の作成入力を許容しこれにより作成された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に記憶するステップと、前記クライアントコンピュータからの処理要求信号に応じて該クライアントコンピュータへ向けて前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域から前記チェックボックスシートの前記質問文データ及び前記答案記憶領域から前記答案の画像データの1つを返信するステップと、前記チェックボックスシートの前記質問文の修正入力を許容しこれにより修正された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に上書きするステップと、を含むことを特徴とする。
【0017】
かかる方法によれば、複数の受験者の答案は、問題に反映された測定項目に関して二者択一の質問文を複数列挙した単一のチェックボックスシートによって分類され、しかもチェックボックスシートの質問文が測定者による特定の答案に対する二択結果にばらつきが生じないように修正されつつ、分類処理を進めることができる。故に、多くの測定者によって測定を行っても分類処理を正確に出来る。つまり、多くの受験者の答案をより正確に効率よく分類できるのである。
【0018】
上記した方法では、前記クライアントコンピュータにおいて、前記処理要求信号を前記サーバコンピュータに送信するステップと、これに応じて返信された前記答案の前記質問文に対する二択結果の入力を許容し、前記二択結果を前記サーバに送信し前記記憶装置の前記処理結果記憶領域に記憶させるステップと、を含むことを特徴としてもよい。
【0019】
かかる方法によれば、処理要求信号をサーバコンピュータに送信したクライアントコンピュータのみで二択結果の入力処理が行われ得るので、測定者の処理速度に応じて確実に二択結果の入力処理を行うことが出来る。つまり、結果として、多くの受験者の答案をより正確に効率よく分類できるのである。
【0020】
上記方法では、前記サーバコンピュータにおいて、前記記憶装置の前記答案記憶領域に記憶した前記答案の画像データの1つを前記クライアントコンピュータの複数に返信するステップと、前記記憶装置の前記処理結果記憶領域の複数の二択結果を比較してこれらが異なるときに前記チェックボックスシートの前記質問文の修正入力を許容し修正された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に上書きするステップと、を含むことを特徴としてもよい。
【0021】
かかる方法によれば、複数の測定者間で特定の答案、すなわち1つの画像データに対する二択結果が常に同一となるようにチェックボックスシートの質問文を修正しつつ分類処理を進めることができる。故に、多くの測定者によって測定を行っても分類処理を正確に出来る。つまり、多くの受験者の答案をより正確に効率よく分類できるのである。
【0022】
上記方法では、前記サーバコンピュータにおいて、前記記憶装置の前記答案記憶領域に記憶した未処理の前記答案の画像データの1つを前記クライアントコンピュータの1つに返信し、これとともに前記サーバコンピュータにおいても前記答案の前記質問文に対する二択結果の入力を許容するステップと、入力された二択結果と前記記憶装置の前記処理結果記憶領域の二択結果を比較してこれらが異なるときに前記チェックボックスシートの前記質問文の修正入力を許容し修正された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に上書きするステップと、を含むことを特徴としてもよい。
【0023】
かかる方法によれば、問題作成者等と測定者との間で特定の答案、すなわち1つの画像データに対する二択結果が常に同一となるようにチェックボックスシートの質問文を修正しつつ分類処理を進めることができる。故に、多くの測定者によって測定を行っても分類処理を正確に出来る。つまり、多くの受験者の答案をより正確に効率よく分類できるのである。
【0024】
上記したように、判断基準の統一の困難な多数の測定者による答案の分類においては、測定者数が増えるにつれて答案の分類が不正確になっていくが、本発明によるチェックボックスシートを用いた答案の分類は、測定者数にかかわらず、常に一定の精度を有するのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
まず、問題に反映された測定項目に関して二者択一の質問文を複数列挙したチェックボックスシートによって複数の受験者の答案を分類するための答案分類処理方法についてその原理を図を用いて説明する。
【0026】
図1に示すように、所定の学年において習得することを定められている学習項目α1〜αnの中から学習項目αmを選択して、測定の基礎となる問題Qを作成する。この特定の学習項目αmに対する受験者の理解傾向、すなわち特定の学習項目αmを習得するのに必要な、これを細分化した学習要素(例えば、かけ算、足し算、因数分解、方程式の立式、漢字、熟語、各種文法など)a1〜an毎の受験者全体の得意又は不得意の如き理解度を予測して、学習要素の中から複数の測定項目a1〜amを決定する。問題Qは、測定項目a1〜amを含むように設定条件を逐次修正しつつ作成される。これとともに、問題Qを解く受験者の答案に測定項目a1〜amに関する記載が含められ得るよう、問題Qについての問題文qの表現などの詳細が修正・決定される。
【0027】
ところで、分類試験では、上記した特定の学習項目αmに対する受験者の理解傾向をあらかじめ予測しておく必要がある。例えば、受験者の理解傾向の予測が出来なければ、受験者の理解傾向と出題する問題Qとの間に大きな差が出来てしまって、目的とする答案の分類が出来なくなってしまう。例えば、極端に言えば、いわゆる問題の「難度」が受験者の理解傾向に比して極めて高ければ、多くの受験者の答案が白紙になってしまうのである。
【0028】
なお、測定項目a1〜am同士の内容の類似性が高いほど、特定の学習項目αmに対する受験者の測定される理解傾向の「きめ」が細かくなるが、高すぎると後述する受験者の答案の分類が曖昧となって、必ずしも測定精度が高いとは限らなくなる。逆に、測定項目a1〜am同士の内容の類似性が低すぎると、答案の分類は明確になるが、測定される理解傾向の「きめ」が荒くなる。
【0029】
図2に示すように、受験者の答案における各測定項目a1〜amに関する記載、つまり受験者の測定項目a1〜amにおける処理をそれぞれ想定して各解答例MA1〜MAnを作成する。上記したように、問題文qは、受験者の答案における測定項目a1〜amに関する記載を想定して作成されているから、逆に、必ず測定項目a1〜amにおける受験者の処理を想定した解答例MA1〜MAnが作成できる。このとき、例えば、測定項目a1に関する記載が後に記載される測定項目a2に関する記載に影響を与えるのであれば、これを反映させた解答例を作成する。つまり、各解答例MA1〜MAnには、複数の測定項目a1〜amにおける処理の組合せが反映されている。
【0030】
次に、図3を併せて参照して、各受験者の答案TA1〜TAnが複数の解答例MA1〜MAnのいずれに最も相対的に類似しているかをチェックボックスシート50によって測定し、分類を行う。
【0031】
図4に示すように、チェックボックスシート50は、問題に反映された測定項目a1〜anに関して二者択一の質問文CQ1〜CQnを複数列挙した質問シートである。ここでチェックボックスシート50の質問文CQ1〜CQnに対しては、少なくとも二者択一でチェックされ得て、測定者による内容の判断裁量を減じて、一定レベルの測定者であればどの測定者によっても同一の答案に対しては同じ判断結果となり得るように作成されていることが好ましい。詳細は後述するが、質問文CQ1〜CQnは、受験者の答案TA1〜TAnに特定の内容が実質的に記載されているかを問うものではなく、直接に記載されているかどうかを問うものが好ましい。
【0032】
例えば、形式的側面からの質問内容として、数学であれば解法や公式の選択について、語学であれば受動態や能動態といった態や構文の選択について、特定の学科分野によらないものとしては文章の記載の有無や分量を問うものが挙げられる。また、言語的側面からの質問内容として、数学であれば特定の数値や式、語学であれば特定の単語や連語などを問うものが挙げられる。チェックボックスシート50の各質問文CQ1〜CQnに対する二択結果は、解答例MA1〜MAn毎に異なるように、質問文CQ1〜CQnの元となる質問内容が繰り返し変更される。なお、上記した言語的側面の質問内容においては、解答例同士を比較して、その相違点から質問内容を作成又は変更し得る。質問内容を確定した上でこれに対応して質問文CQ1〜CQnが作成される。
【0033】
以上により、問題に反映された測定項目a1〜amに関して二者択一の質問文CQ1〜CQnを複数列挙したチェックボックスシート50が作成される。更に、質問文CQ1〜CQnは、特定の答案に対する二択結果が一定レベルの測定者であればどの測定者によっても同じ判断結果となり得るように適宜、修正される。
【0034】
各受験者の答案TA1〜TAnにおける質問文CQ1〜CQnに対する二択結果が収集され、解答例MA1〜MAnにおける質問文CQ1〜CQnに対する二択結果と比較される。つまり、解答例MA1と同じ二択結果を有する答案TA3は、測定項目a1〜amにおいて解答例MA1と同じ判断をした群に分類されるのである。各解答例MA1〜MAnに分類された答案の数などから、特定の学習項目αmに対する受験者の理解傾向を確定し、教育上の課題を抽出するのである。
【実施例】
【0035】
次に、上記したチェックボックスシート50を用いた処理を行うための答案分類処理システム1及びこれによる受験者毎の答案を分類処理する方法について詳細を説明する。
【0036】
[システム]
図5に示すように、答案分類処理システム1は、インターネット回線やLAN(Local Area Network)等の通信回線20によって接続された複数のクライアントコンピュータ21−1〜n及び問題作成者等によって使用されるサーバコンピュータ22を含む。サーバコンピュータ22は問題文記憶領域12、処理結果記憶領域13、答案記憶領域14及びチェックボックスシート記憶領域15などを有する記憶装置11を備える。また、サーバコンピュータ22は、モニタ22a及びキーボード22bを有するとともに、図示しないスキャナなどの入力装置を有する。
【0037】
[問題作成]
図6に示すように、例えば、所定の学年において習得することを定められている学習項目「三平方の定理」について、測定の基礎となる問題Qを作成する。ここで学習要素としては、(1)三平方の定理の公式を導くこと、(2)一元二次方程式を解くこと、(3)指数を含む足し算を正確に行うこと、(4)等式の移項を正確に行うこと、など多くの要素が挙げられる。これらの中から、測定項目として、(1)三平方の定理の公式を導くこと、及び、(2)一元二次方程式を解くこと、の2点を決定した。
【0038】
そこで、問題Qについて、測定項目(1)及び(2)に関する「直角三角形の直角を挟む2辺の長さを具体的に与え、三平方の定理の公式を記載させ、その上でこの一元二次方程式を解いて斜辺の長さを求めさせる。」という問題を作成した。これとともに、問題Qを解く受験者の答案に測定項目(1)及び(2)に関する記載が含められ得るよう、具体的数値及び具体的な図形形状を与えて、「直角三角形の直角を挟む2辺の長さがそれぞれ1cmと2cmである場合、斜辺の長さを求めなさい。」なる問題文を作成した。更に、受験者に三平方の定理の計算をした上で答えを導かせるよう、「直角三角形の直角を挟む2辺の長さがそれぞれ1cmと2cmである場合、斜辺の長さをxcmとしたときのxを方程式を導いて求めなさい。」と問題文を変更して、一元二次方程式を使って答えを導く過程の記載を促して問題文qを得た。この問題文qをサーバコンピュータ22のキーボード22b若しくは図示しないスキャナなどから入力し、記憶装置11の問題文記憶領域12に記憶させる。
【0039】
次に、図7に示すように、測定項目(1)及び(2)に関する受験者の処理を想定して解答例MA1〜MA5を作成した。解答例MA1〜MA5はサーバコンピュータ22の図示しないスキャナなどから入力し、画像データ識別符号A1〜A5をそれぞれ付して画像データとして答案記憶領域14に記憶させる。
【0040】
さらに、図8に示すように、測定項目(1)及び(2)に関する二者択一の質問文CQ1〜CQ5を作成し、これを列挙したチェックボックスシート50を得る。質問文CQ1は測定項目(2)について、質問文CQ5は測定項目(1)及び(2)に関する形式的側面からの質問内容である。また、質問文CQ2〜CQ4は測定項目(1)に関する言語的側面からの質問内容である。チェックボックスシート50では、質問文CQ1〜CQ5に対応してチェック欄521〜525が設けられている。このチェックボックスシート50は、データとしてチェックボックスシート記憶領域15に記憶させる。
【0041】
なお、上記したように、チェックボックスシート50の各質問文CQ1〜CQ5に対する二択結果は、解答例MA1〜MA5毎に異なる。二択結果のチェックパターン(チェックの有無の組合せ)は、チェック有りを「○」、チェックなしを「×」で表示すると、順に以下の通りとなる。
MA1:(○、○、○、×、○)
MA2:(○、○、×、×、○)
MA3:(×、○、×、×、○)
MA4:(○、×、×、○、○)
MA5:(×、×、×、×、×)
この二択結果は記憶装置11の処理結果記憶領域13に画像データ識別符号A1〜A5を付して記憶させる。
【0042】
以上を終えた上で、j人の受験者に問題文qを与えて、これに対する受験者の答案TA1〜TAjを得た。これらはサーバコンピュータ22の図示しないスキャナなどから入力し、画像データ識別符号A6〜A5+jを付した画像データとして答案記憶領域14に記憶させる。
【0043】
[初期設定]
まず、図9に示すように画像データ毎のクライアントコンピュータ21への送信回数を設定するための送信設定ファイル53を記憶装置11の所定領域に作成する。
【0044】
詳細には、画像データ識別符号Ax(1≦x≦5+j)に対応する画像データ毎のクライアントコンピュータ21への送信回数N(x)(但し、この値はクライアントコンピュータ21の総台数以下である。)がサーバコンピュータ22のキーボード22bから入力される。つまり、「0」を入力した画像データはクライアントコンピュータ21へは送信されない。
【0045】
ここでは、質問文CQ1〜CQ5を修正するために、解答例MA1〜MA5から任意に選択した2つの解答例MA1及びMA3(対応する画像データ識別符号A1及びA3)について、それぞれn(≧20)台のクライアントコンピュータ21のうちの20台にてチェックボックスシート50の質問文CQ1〜CQ5に対する二択結果を収集する場合について説明する。管理者は、サーバコンピュータ22のキーボード22bを操作して、N(1)及びN(3)にそれぞれ「20」を入力し、他の送信回数欄N(x)には「0」を入力する。
【0046】
[質問文CQ1〜CQnの第1の修正]
上記したように、チェックボックスシート50の質問文CQ1〜CQ5は、少なくとも二者択一でチェックされ得て、一定レベルの測定者であれば、どの測定者によっても同一の答案に対して同じ判断結果となり得るように作成される。すなわち、1つの解答例MAmに対する二択結果は、測定者によらず、問題作成時に得られている二択結果と同じとなるよう、問題作成者等によって質問文CQ1〜CQ5が修正される。
【0047】
[1]サーバコンピュータにおける画像データの送受信
図10に示すように、各クライアントコンピュータ21−1〜nへの画像データ識別符号Ax(1≦x≦5+j)に対応する画像データの送信記録がマトリクスM(1,1)〜M(n,5+j)に作成される。すなわち、クライアントコンピュータ21−xへの画像データ識別符号Aqに対応する画像データの送信の有無は、マトリクスM(x,q)に記録される。未だ対応する画像データを送信していないマトリクスには、初期状態の0を記録し、画像データを送信すると1がこれに上書きされる。また、上記した送信設定ファイル53に従って、画像データの送信されることのない対応するマトリクスについては、非アクティブ(書き換え不可能)として「*」マークが記録される。なお、マトリクスの右横欄には、各画像データ毎の既に送信済みの送信回数NN(x)(1≦x≦5+j)が自動的に集計される(図11も併せて参照)。
【0048】
翻って、図9を参照すると、送信設定ファイル53において、送信回数N(x)が1以上である画像データは、N(x)台のクライアントコンピュータへ送信される。つまり、図11に示すように、送信管理ファイル60における画像データ識別符号A1及びA3に関するマトリクスM(1,1)〜M(n,1)及びM(1,3)〜M(n,3)に対応する画像データの送信が可能であって、かかるマトリクスはアクティブ(書き換え可能)に作成され、初期状態の送信無し=0が記録される。これ以外のマトリクスについては、非アクティブとして「*」マークが記録される。このとき、送信済みの送信回数NN(1)及びNN(3)は0であり、それ以外は*である。
【0049】
この図11に示す送信管理ファイル60を用いて、図12〜図14に示すように、データ処理ルーチンS1、処理データ返信ルーチンS12及び処理データ記憶ルーチンS14を行って、クライアントコンピュータ21への画像データの送・受信が行われる。
【0050】
図12に示すように、データ処理ルーチンS1では、特定のクライアントコンピュータ21−Uから処理要求信号D1をサーバコンピュータが受信した場合(S11、Y)、処理データ返信ルーチンS12へ移行する。他方、特定のクライアントコンピュータ21−Vから処理結果送信信号D2をサーバコンピュータが受信した場合(S13、Y)、処理データ記憶ルーチンS14へ移行する。なお、処理要求信号D1及び処理結果送信信号D2にはそれぞれ当該信号を送信したクライアントコンピュータを識別するためのクライアント識別符号U及びVがそれぞれ含まれる。
【0051】
図13に示すように、処理データ返信ルーチンS12では、クライアントコンピュータ21−Uに送信すべき画像データを送信管理ファイル60(図11参照)を用いて検索する。図11を併せて参照すると、処理要求信号D1に含まれるクライアント識別符号Uに対応するM(U,I)(Iはパラメータであり、1〜5+jの整数である。)について、I=1から順に、すなわち、送信管理ファイル60のU列を上から下に検索し、M(U,I)が0であって(S12−4、Y)、送信済みの送信回数NN(I)が送信設定ファイル53において設定された送信回数N(I)に達していない場合(S12−5、Y)、M(U,I)に対応する画像データを答案記憶領域14から、また、チェックボックスシート50をチェックボックスシート記憶領域15から、クライアント識別符号Uに基づいて、クライアントコンピュータ21−Uに送信する(S12−6)。これとともに、マトリクスM(U,I)に送信済みであることを記録する「1」を記録する(S12−7)。これを繰り返し、パラメータIが5+jとなった場合、すなわち、送信管理ファイル60のU列の一番下に達しても送信すべき画像ファイルが検索できなかった場合は(S12−3、N)、クライアント識別符号Uに基づいて、クライアントコンピュータ21−Uに返信できる画像データのないことを伝える処理不要信号D3を送信する(S12−8)。その後、データ処理ルーチンS1に戻り、繰り返し処理要求信号D1の受信を行う。一方、データ処理ルーチンS1において、送信設定ファイル53で設定された送信すべき画像データ数、すなわちN(I)の総数に、送信済みの送信回数、すなわちNN(I)の総数が達して画像データの送信が完了した場合には、もはや処理要求信号D1の受信を行わない(S15、Y)。
【0052】
一方、図14に示すように、処理データ記憶ルーチンS14では、クライアントコンピュータ21−Vから受信したチェックボックスシート50(質問文CQ1〜CQ5)に対する二択結果をクライアント識別符号V及び画像データ識別符号を付して記憶装置11の処理結果記憶領域13に記憶させて(S14−1)、データ処理ルーチンS1に戻り、繰り返し処理結果送信信号D2の受信を行う。なお、データ処理ルーチンS1において、送信設定ファイル53で設定された送信すべき画像データ数、すなわちN(I)の総数に、D2の受信回数が達して処理結果の受信が完了した場合には、もはや処理結果送信信号D2の受信を行わない(S16、Y)。
【0053】
[2]クライアントコンピュータによる画像データの送信要求及び受信
クライアントコンピュータ21は、サーバコンピュータ22へ処理すべき画像データ及びチェックボックスシート50の送信を要求し、これに対して返信された画像データをチェックボックスシート50で処理し、処理結果をサーバコンピュータ22へ送信する。
【0054】
詳細には、図15に示すように、クライアント処理ルーチンS2において、クライアントコンピュータ21−Uは、これを識別するためのクライアント識別符号Uを含む処理要求信号D1をサーバコンピュータ22に向けて送信し(S20)、サーバコンピュータ22からのデータの返送を待つ(S21)。
【0055】
返送されたデータが処理不要信号D3を付されていた場合は(S22、Y)、処理すべき画像データのない旨のメッセージ、例えば「処理できるデータがありません」の如き表示をして(S23)、処理を終了する。
【0056】
一方、サーバコンピュータ22から画像データ及びチェックボックスシート50(質問文CQ1〜CQ5)を返送された場合は(S22、N)、図16に示すように、処理データを画面に表示する(S24)。そして測定者によるチェックボックスシート50のチェック欄52へのチェックの入力を受付ける(S25)。入力はマウス等の入力装置の操作により画面上のポインタ30を移動させて行う。
【0057】
画面上の入力完了ボタン31及びデータ送信ボタンをポインタ30によって操作し、チェックが終了した旨を入力すると(S26、Y→S27、Y)、クライアント識別符号を含む処理結果送信信号D2、処理された画像データの画像データ識別符号を付した二択結果をサーバコンピュータ22へ向けて送信する(S28)。
【0058】
クライアントコンピュータ21では、この一連の動作を繰り返し行う。
【0059】
[3]サーバコンピュータにおける質問文の修正
図17に示すような、質問文の修正箇所を表示するための照合ファイル54を記憶装置11の所定領域に作成するとともに、サーバコンピュータ22のモニタ22aに表示する。ここでは、問題作成時に同時に作成された質問文CQ1〜CQ5に対する解答例MA1〜MA5の二択結果が二択結果表示欄35に横に並べて表示される。各二択結果の下にはそれぞれ集計欄36を備え、記憶装置11の処理結果記憶領域13に記憶されたクライアントコンピュータ21によって得られた二択結果と比較した結果を集計して表示する。なお、クライアントコンピュータ21に送信されなかった画像データ(画像データ識別符号A2、A4及びA5)に対応する欄には全て「*」が記入されている。
【0060】
詳細には、処理結果記憶領域13に記憶されているクライアントコンピュータ21から得られた二択結果を順次、対応する二択結果表示欄35の二択結果、すなわち問題作成時に作成された二択結果と質問文毎に比較する。同一の画像データ毎に且つ質問文毎に互いの二択結果が異なっている数を照合ファイル54の集計欄36に表示する。ここでは照合ファイル54の解答例MA3に対する質問文CQ5の二択結果は、2台のクライアントコンピュータ21からのものと問題作成時に入力されたものとが異なっていたことを表している。このように集計欄36の数が1以上となった欄及び対応する質問文の欄をハイライト表示する(図18参照)。
【0061】
図18に示すように、対応する集計欄37の「2」がハイライト表示され、解答例MA3、及び質問文CQ5がサーバコンピュータ22のモニタ22aに表示される。CQ5の「1つ以上の式の記載あり」という質問文に対して、解答例MA3では計算式が記載されているから、これに対する二択結果は、チェック有り(二択結果「○」)と問題作成時に決定している。一方、2台のクライアントコンピュータでは、質問文CQ5の「1つ以上の式」という表現に対して「式」の意味に違った解釈を与えたと推測される。そこで、これを「式の記載あり」というより簡潔な質問文CQ5’に修正して、図19に示すような、修正したチェックボックスシート50’を得た。なお、修正した質問文CQ5’はチェックボックスシート記憶領域15に上書きされる。
【0062】
以上、ここでは解答例MA3に対する質問文CQ5の修正を行ったが、解答例MA1〜MA5の1つ若しくは複数に亘って繰り返し質問文CQ1〜CQ5の修正を行っても良い。
【0063】
[質問文CQ1〜CQnの第2の修正]
「第2の修正」では、受験者の答案TA1〜TAjの1つについて、複数のクライアントコンピュータ21にて得られるチェックボックスシート50の質問文CQ1〜CQnに対する二択結果を収集する。問題作成者等は複数のクライアントコンピュータ21における互いの二択結果の異なる質問文CQ1〜CQnについて再度修正・確認を行う。
【0064】
詳細は省略するが、例えば、上記した初期設定において、受験者の答案TA1〜TAjの1つの画像データが複数のクライアントコンピュータ21に送信されるように、送信設定ファイル53(図9参照)の送信回数N(x)に複数回の送信回数を入力する。
【0065】
「第1の修正」と同様に、サーバコンピュータ22では送信管理ファイル60に従ってデータ処理ルーチンS1を実行する。つまり、1つの受験者の答案の画像データを答案記憶領域14から、且つ、チェックボックスシートをチェックボックスシート記憶領域15から、複数のクライアントコンピュータ21へ送信する。一方、クライアントコンピュータ21ではクライアント処理ルーチンS2が実行される。その結果、サーバコンピュータ22では、複数のクライアントコンピュータ21による同一の受験者の答案についての二択結果を得ることができる。照合ファイル54には、1つの受験者の答案の二択結果に対して異なる二択結果を得たクライアントコンピュータの台数が表示される。そして、異なる二択結果を得た質問文CQの修正が行われ、修正された質問文CQ’はチェックボックスシート記憶領域15に上書きされる。
【0066】
上記したように受験者の答案TA1〜TAjの1つ又は複数に亘って繰り返し質問文CQ1〜CQnの修正を行い得る。解答例以外についても質問文の修正・確認を行うことで、より正確な答案の分類が出来るのである。
【0067】
なお、本実施例では「第2の修正」は実施しない。
【0068】
[答案分類処理]
次に修正したチェックボックスシート50’(図19参照)によって、受験者の答案を分類する。チェックボックスシート50’によって得られる各受験者の答案の二択結果のチェックパターン(チェックの有無の組合せ)と解答例MA1〜MA5の二択結果のチェックパターンとを比較し、これらが互いに同一となる受験者の答案を解答例に反映された理解傾向として分類するのである。
【0069】
詳細には、図5を参照して、管理者は、記憶装置11の処理結果記憶領域13をリセットする。その上で改めて問題作成時に作成した解答例MA1〜MA5に対する二択結果を処理結果記憶領域13に記憶させる。次に、サーバコンピュータ22によって、送信設定ファイル53(図9参照)の受験者の答案TA1〜TAjのそれぞれに対応する画像データ識別符号A6〜A5+jの送信回数欄に1を記入する。これにより受験者の答案TA1〜TAjがそれぞれクライアントコンピュータ21へ1回ずつ送信される。次に、データ処理ルーチンS1(図12参照)を実行し、チェックボックスシート50’による受験者の答案TA1〜TAjについての二択結果をそれぞれ得る。詳細については省略する。
【0070】
次に分類ルーチンを実行する。分類ルーチンでは、受験者の答案TA1〜TAjの二択結果のチェックパターンを順に調べて、解答例MA1〜MA5に同一のチェックパターンがある場合にはこれに分類する。ここで、例えば、図20に示す分類ルーチンS6のように、解答例MA1〜MA5に同一のチェックパターンが存在しない場合は、同じチェックパターン同士の答案をまとめて分類するようにしてもよい。
【0071】
分類ルーチンS6では、まず、後述する分類ファイル56(図21参照)をリセットし、「分類先の画像データ識別符号」欄を空白にする(S60)。次に、画像データ識別符号A6〜A5+j(AI)の受験者の答案についてのチェックパターン(CP)のそれぞれを(S61,S69)、画像データ識別符号A1〜A5+jの順に(S62,S63)画像データ識別符号AI−1となるまで(S64)、チェックパターン同士を比較していく(S65)。チェックパターン同士が一致したら、図21に示す分類ファイル56の前者の画像データ識別符号の「分類先の画像データ識別符号」欄に後者の画像データ識別符号を記録する。なお、記録された画像データ識別符号がA1〜A5であるときは、解答例MA1〜MA5の二択結果のチェックパターンと同一であることを示している。また、画像データ識別符号AIの受験者の答案についてのチェックパターンが画像データ識別符号AI−1についてのチェックパターンと比較するまでチェックパターン同士が一致しなかったら(S64、Y)、図21に示す分類ファイル56の画像データ識別符号AIの「分類先の画像データ識別符号」欄には自らの画像データ識別符号である「AI」を記録する(S68)。以後これと同一のチェックパターンがあった場合は「AI」に分類される。
【0072】
以上により、分類を終了する。なお、図22に示すように、分類先となった解答例及び受験者の答案の数を記入した集計ファイルを作成しても良い。
【0073】
以上のように、本実施例によれば、チェックボックスシート50の質問文CQ1〜CQ5を、その二択結果に測定者によるばらつきを生じないように修正できて、修正したチェックボックスシート50’を用いて受験者の答案TA1〜TAjを分類することが出来る。また、解答例MA1〜MA5のうちの1つを複数のクライアントコンピュータ22に返信して、複数の測定者による二択結果が常に同一になるようにチェックボックスシート50の質問文CQを修正し得る。さらに、問題作成者等と測定者との間で同一の受験者の答案についての処理結果を同一にするよう、チェックボックスシートを修正することができる。よって、多くの測定者によって測定を行なっても分類処理を正確にできる。つまり、多くの受験者の答案をより正確に効率よく分類できるのである。
【0074】
一般に、判断基準の統一の困難な多数の測定者による受験者の答案の分類においては、測定者数が増えるにつれて受験者の答案の分類が不正確になっていく。しかし、本実施例においては、測定者による内容の判断を減じて判断のばらつきを生じないようにチェックボックスシート50の質問文CQを修正し得るので、測定者数にかかわらず、常に一定の精度を有するのである。
【0075】
また、二択結果の入力処理を終了したクライアントコンピュータから順次、次の二択結果の入力処理が行われるので、他の測定者の処理速度に関係なく、各測定者の処理速度に応じて確実に二択結果の入力処理を行うことが出来る。つまり、多くの受験者の答案をより正確に効率よく分類できるのである。
【0076】
なお、クライアント識別符号は測定者自身を識別する識別符号であってもよい。これにより、例えば測定者の認証をクライアントコンピュータ21によって行なうなどしてもよく、また、複数のクライアントコンピュータ21のいずれを使用しても解答例又は受験者の答案の測定を同一画像データの重複なしに実施できるのである。
【0077】
以上、本発明による代表的実施例を説明したが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではなく、当業者であれば、本発明の主旨又は添付した請求項の範囲を逸脱することなく種々の代替実施例及び改変例を見出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明による答案分類処理方法についての原理の図である。
【図2】本発明による答案分類処理方法についての原理の図である。
【図3】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【図4】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【図5】本発明による答案分類処理システムの図である。
【図6】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【図7】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【図8】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【図9】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【図10】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【図11】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【図12】本発明による答案分類処理方法を示すフローチャートである。
【図13】本発明による答案分類処理方法を示すフローチャートである。
【図14】本発明による答案分類処理方法を示すフローチャートである。
【図15】本発明による答案分類処理方法を示すフローチャートである。
【図16】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【図17】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【図18】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【図19】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【図20】本発明による答案分類処理方法を示すフローチャートである。
【図21】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【図22】本発明による答案分類処理方法についての図である。
【符号の説明】
【0079】
11 記憶装置
13 処理結果記憶領域
14 答案記憶領域
15 チェックボックスシート記憶領域
21 クライアントコンピュータ
22 サーバコンピュータ
50 チェックボックスシート
53 送信設定ファイル
54 照合ファイル
55 集計ファイル
56 分類ファイル
60 送信管理ファイル
CQ 質問文
MA1〜MAn 解答例
TA1〜TAn 受験者の答案
A1〜A5+j 画像データ識別符号
S1 データ処理ルーチン
S2 クライアント処理ルーチン
S6 分類ルーチン
S12 処理データ返信ルーチン
S14 処理データ記憶ルーチン
【特許請求の範囲】
【請求項1】
問題に反映された測定項目に関して二者択一の質問文を複数列挙したチェックボックスシートによって複数の受験者の答案を分類するための答案分類処理システムであって、
前記答案を画像データとして記憶した答案記憶領域、前記チェックボックスシートの質問文データを記憶するためのチェックボックスシート記憶領域、及び、前記答案の前記質問文に対する二択結果を記憶するための処理結果記憶領域を含む記憶装置を有するサーバコンピュータと、
前記サーバコンピュータに接続された複数のクライアントコンピュータと、を含み、
前記サーバコンピュータは、前記チェックボックスシートの前記質問文の作成及び修正入力を許容しこれにより作成又は修正された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に上書きし、更に、前記クライアントコンピュータからの処理要求信号に応じて該クライアントコンピュータへ向けて前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域から前記チェックボックスシートの前記質問文データ及び前記答案記憶領域から前記答案の画像データの1つを返信し、
前記クライアントコンピュータは、前記処理要求信号を前記サーバコンピュータに送信しこれに応じて返信された前記答案の前記質問文に対する二択結果の入力を許容し、前記二択結果を前記サーバコンピュータに送信し前記記憶装置の前記処理結果記憶領域に記憶させる、ことを特徴とする答案分類処理システム。
【請求項2】
前記サーバコンピュータは、前記記憶装置の前記答案記憶領域に記憶した前記答案の画像データの1つを前記クライアントコンピュータのうちの複数に返信し、前記記憶装置の前記処理結果記憶領域の複数の二択結果を比較してこれらが異なるときに前記チェックボックスシートの前記質問文の修正入力を許容し修正された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に上書きすることを特徴とする請求項1記載の答案分類処理システム。
【請求項3】
前記サーバコンピュータは、前記記憶装置の前記答案記憶領域に記憶した未処理の前記答案の画像データの1つを前記クライアントコンピュータの1つに返信し、前記サーバコンピュータにおいて前記答案の前記質問文に対する二択結果の入力を許容し、これと前記記憶装置の前記処理結果記憶領域の二択結果を比較してこれらが異なるときに前記チェックボックスシートの前記質問文の修正入力を許容し修正された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に上書きすることを特徴とする請求項1記載の答案分類処理システム。
【請求項4】
問題に反映された測定項目に関して二者択一の質問文を複数列挙したチェックボックスシートによって複数の受験者の答案を分類するための答案分類処理方法であって、
前記答案を画像データとして記憶した答案記憶領域、前記チェックボックスシートの質問文データを記憶するためのチェックボックスシート記憶領域、及び、前記答案の前記質問文に対する二択結果を記憶するための処理結果記憶領域を含む記憶装置を有するサーバコンピュータと、前記サーバコンピュータに接続された複数のクライアントコンピュータと、を準備するステップと、
前記サーバコンピュータにおいて、
前記チェックボックスシートの前記質問文の作成入力を許容しこれにより作成された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に記憶するステップと、
前記クライアントコンピュータからの処理要求信号に応じて該クライアントコンピュータへ向けて前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域から前記チェックボックスシートの前記質問文データ及び前記答案記憶領域から前記答案の画像データの1つを返信するステップと、
前記チェックボックスシートの前記質問文の修正入力を許容しこれにより修正された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に上書きするステップと、を含むことを特徴とする答案分類処理方法。
【請求項5】
前記クライアントコンピュータにおいて、
前記処理要求信号を前記サーバコンピュータに送信するステップと、
これに応じて返信された前記答案の前記質問文に対する二択結果の入力を許容し、前記二択結果を前記サーバに送信し前記記憶装置の前記処理結果記憶領域に記憶させるステップと、を含むことを特徴とする請求項4記載の答案分類処理方法。
【請求項6】
前記サーバコンピュータにおいて、
前記記憶装置の前記答案記憶領域に記憶した前記答案の画像データの1つを前記クライアントコンピュータの複数に返信するステップと、
前記記憶装置の前記処理結果記憶領域の複数の二択結果を比較してこれらが異なるときに前記チェックボックスシートの前記質問文の修正入力を許容し修正された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に上書きするステップと、を含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の答案分類処理方法。
【請求項7】
前記サーバコンピュータにおいて、
前記記憶装置の前記答案記憶領域に記憶した未処理の前記答案の画像データの1つを前記クライアントコンピュータの1つに返信し、これとともに前記サーバコンピュータにおいても前記答案の前記質問文に対する二択結果の入力を許容するステップと、
入力された二択結果と前記記憶装置の前記処理結果記憶領域の二択結果を比較してこれらが異なるときに前記チェックボックスシートの前記質問文の修正入力を許容し修正された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に上書きするステップと、を含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の答案分類処理方法。
【請求項1】
問題に反映された測定項目に関して二者択一の質問文を複数列挙したチェックボックスシートによって複数の受験者の答案を分類するための答案分類処理システムであって、
前記答案を画像データとして記憶した答案記憶領域、前記チェックボックスシートの質問文データを記憶するためのチェックボックスシート記憶領域、及び、前記答案の前記質問文に対する二択結果を記憶するための処理結果記憶領域を含む記憶装置を有するサーバコンピュータと、
前記サーバコンピュータに接続された複数のクライアントコンピュータと、を含み、
前記サーバコンピュータは、前記チェックボックスシートの前記質問文の作成及び修正入力を許容しこれにより作成又は修正された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に上書きし、更に、前記クライアントコンピュータからの処理要求信号に応じて該クライアントコンピュータへ向けて前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域から前記チェックボックスシートの前記質問文データ及び前記答案記憶領域から前記答案の画像データの1つを返信し、
前記クライアントコンピュータは、前記処理要求信号を前記サーバコンピュータに送信しこれに応じて返信された前記答案の前記質問文に対する二択結果の入力を許容し、前記二択結果を前記サーバコンピュータに送信し前記記憶装置の前記処理結果記憶領域に記憶させる、ことを特徴とする答案分類処理システム。
【請求項2】
前記サーバコンピュータは、前記記憶装置の前記答案記憶領域に記憶した前記答案の画像データの1つを前記クライアントコンピュータのうちの複数に返信し、前記記憶装置の前記処理結果記憶領域の複数の二択結果を比較してこれらが異なるときに前記チェックボックスシートの前記質問文の修正入力を許容し修正された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に上書きすることを特徴とする請求項1記載の答案分類処理システム。
【請求項3】
前記サーバコンピュータは、前記記憶装置の前記答案記憶領域に記憶した未処理の前記答案の画像データの1つを前記クライアントコンピュータの1つに返信し、前記サーバコンピュータにおいて前記答案の前記質問文に対する二択結果の入力を許容し、これと前記記憶装置の前記処理結果記憶領域の二択結果を比較してこれらが異なるときに前記チェックボックスシートの前記質問文の修正入力を許容し修正された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に上書きすることを特徴とする請求項1記載の答案分類処理システム。
【請求項4】
問題に反映された測定項目に関して二者択一の質問文を複数列挙したチェックボックスシートによって複数の受験者の答案を分類するための答案分類処理方法であって、
前記答案を画像データとして記憶した答案記憶領域、前記チェックボックスシートの質問文データを記憶するためのチェックボックスシート記憶領域、及び、前記答案の前記質問文に対する二択結果を記憶するための処理結果記憶領域を含む記憶装置を有するサーバコンピュータと、前記サーバコンピュータに接続された複数のクライアントコンピュータと、を準備するステップと、
前記サーバコンピュータにおいて、
前記チェックボックスシートの前記質問文の作成入力を許容しこれにより作成された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に記憶するステップと、
前記クライアントコンピュータからの処理要求信号に応じて該クライアントコンピュータへ向けて前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域から前記チェックボックスシートの前記質問文データ及び前記答案記憶領域から前記答案の画像データの1つを返信するステップと、
前記チェックボックスシートの前記質問文の修正入力を許容しこれにより修正された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に上書きするステップと、を含むことを特徴とする答案分類処理方法。
【請求項5】
前記クライアントコンピュータにおいて、
前記処理要求信号を前記サーバコンピュータに送信するステップと、
これに応じて返信された前記答案の前記質問文に対する二択結果の入力を許容し、前記二択結果を前記サーバに送信し前記記憶装置の前記処理結果記憶領域に記憶させるステップと、を含むことを特徴とする請求項4記載の答案分類処理方法。
【請求項6】
前記サーバコンピュータにおいて、
前記記憶装置の前記答案記憶領域に記憶した前記答案の画像データの1つを前記クライアントコンピュータの複数に返信するステップと、
前記記憶装置の前記処理結果記憶領域の複数の二択結果を比較してこれらが異なるときに前記チェックボックスシートの前記質問文の修正入力を許容し修正された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に上書きするステップと、を含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の答案分類処理方法。
【請求項7】
前記サーバコンピュータにおいて、
前記記憶装置の前記答案記憶領域に記憶した未処理の前記答案の画像データの1つを前記クライアントコンピュータの1つに返信し、これとともに前記サーバコンピュータにおいても前記答案の前記質問文に対する二択結果の入力を許容するステップと、
入力された二択結果と前記記憶装置の前記処理結果記憶領域の二択結果を比較してこれらが異なるときに前記チェックボックスシートの前記質問文の修正入力を許容し修正された前記質問文データを前記記憶装置の前記チェックボックスシート記憶領域に上書きするステップと、を含むことを特徴とする請求項4又は5に記載の答案分類処理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2010−78637(P2010−78637A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−243689(P2008−243689)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(502194735)株式会社教育測定研究所 (10)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【出願人】(502194735)株式会社教育測定研究所 (10)
[ Back to top ]